JP2003272929A - 平面トランス、多層基板およびスイッチング電源装置 - Google Patents

平面トランス、多層基板およびスイッチング電源装置

Info

Publication number
JP2003272929A
JP2003272929A JP2002073578A JP2002073578A JP2003272929A JP 2003272929 A JP2003272929 A JP 2003272929A JP 2002073578 A JP2002073578 A JP 2002073578A JP 2002073578 A JP2002073578 A JP 2002073578A JP 2003272929 A JP2003272929 A JP 2003272929A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary winding
terminal portion
layer
winding
transformer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002073578A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3973084B2 (ja
Inventor
Masahiro Gamo
正浩 蒲生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2002073578A priority Critical patent/JP3973084B2/ja
Publication of JP2003272929A publication Critical patent/JP2003272929A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3973084B2 publication Critical patent/JP3973084B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平面トランスの伝送効率を向上させ、且つ損
失を低減する。 【解決手段】 平面トランス1は、一次巻線と、平面的
に配置された導体によって形成された1ターンの第1の
二次巻線21と、平面的に配置された導体によって形成
され、第1の二次巻線21に対して絶縁層を介して重ね
合わされた1ターンの第2の二次巻線とを備えている。
第1の二次巻線21の一端部には第1の出力端子部15
が接続され、第2の二次巻線の一端部に第2の出力端子
部16が接続され、第1の二次巻線21の他端部および
第2の二次巻線の他端部には第3の出力端子部17が接
続されている。第1の出力端子部15と第2の出力端子
部16は、両者の間に第3の出力端子部17が配置され
ることなく、第1の二次巻線21の面および第2の二次
巻線の面に平行な方向に沿って、互いに隣接するように
配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センタータップを
有する平面トランス、平面トランスの少なくとも一部を
含む多層基板、および平面トランスを含むスイッチング
電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源は、例えばIC(集積
回路)を含むような種々の電子機器に使用されている。
絶縁型のスイッチング電源はトランスを含んでいる。近
年、ICの集積度の増大に伴うICの動作電圧の低下、
大電流化等により、スイッチング電源には小型化、高効
率化と共に大電流化が求められている。そのため、スイ
ッチング電源に使用されるトランスにも、小型化、伝送
効率の向上および損失の低減が求められている。最近
は、トランスの小型化のために、ワイヤーをボビンに巻
回して構成された巻線型コイルに代わって、プリントコ
イルや平面コイルが用いられるようになってきた。プリ
ントコイルは、例えば、それぞれ、両面にパターン化導
体よりなるコイルが形成された複数の両面プリント基板
を、絶縁層を介して積層して構成されたものである。ま
た、平面コイルは、例えば、コイル形状に打ち抜かれた
複数の薄い銅板を、絶縁層を介して積み重ねて構成され
たものである。更に、最近は、スイッチング電源におけ
るスイッチング周波数を高くして、トランスに用いられ
るコアにおける最大磁束密度を下げることによって、コ
アを小型化することも図られている。
【0003】ところで、スイッチング電源における出力
電流の増大は、トランスにおいて、巻線による損失であ
る銅損を増大させる。また、スイッチング電源における
スイッチング周波数の上昇は、表皮効果の影響により、
トランスのコイルを構成する導体の交流抵抗の増大を引
き起こす。そのため、これも上記銅損を増大させる。更
に、スイッチング電源における出力電流の増大とスイッ
チング周波数の上昇は、トランスの二次巻線に接続され
るパターン化導体における損失も増大させる。
【0004】トランスにおける銅損を低減させる技術と
して、特開平5−226155号公報には、コイルの巻
線の各ターン毎の部分の幅を、中心から遠ざかるに従っ
て増大させることによって、コイル全体の抵抗値を下げ
る技術が開示されている。また、特開平4−5808号
公報には、平面コイルの厚さを、この平面コイルを構成
する導体のスキンディプス(表皮効果による表皮の厚
さ)の〔π×0.4〕倍以上、〔π×0.6〕倍以下と
することによって、一次コイルと二次コイルとを含むコ
イル部の損失を低減する技術が開示されている。
【0005】また、特開平4−73911号公報には、
銅箔を用いた一次巻線および二次巻線を交互に配置した
高周波用トランスが開示されている。この高周波用トラ
ンスでは、電流の流れる方向が互いに逆になる一次巻線
と二次巻線とを交互に配置することで、近接効果の影響
が低減され、銅損が低減される。
【0006】ところで、ICの動作電圧の低下、大電流
化により、スイッチング電源では、出力の低電圧化およ
び大電流化が求められるようになってきた。そのため、
スイッチング電源に用いられるトランスでは、二次巻線
の巻数は少なくなり、1ターンとされることも多くなっ
てきた。
【0007】例えば、特開平11−354342号公報
には、2つの1ターンの低圧側コイルと、この2つの低
圧側コイルを挟むように配置された一対の高圧側コイル
とを有するトランスが開示されている。このトランスに
おいて、高圧側コイルは一次巻線に相当し、低圧側コイ
ルは二次巻線に相当する。この公報に示されたトランス
では、2つの低圧側コイルが直列に接続され、その接続
部はセンタータップととして外部の回路に接続されるよ
うになっている。また、2つの低圧側コイルにおいて、
センタータップとなる端部とは反対側の端部には、それ
ぞれ、外部の回路に接続される出力端子が設けられてい
る。また、センタータップには端子が接続され、この端
子は2つの出力端子の間に配置されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のように二次巻線
の巻数が少なくなると、二次巻線の巻線部分のみなら
ず、二次巻線をトランスの外部の回路へ接続するための
接続部分の構造が、トランス全体の特性に与える影響が
大きくなってくる。
【0009】例えば、特開平11−354342号公報
に示されたトランスでは、直列に接続された2つの低圧
側コイルは、2つの出力端子の間で2ターンの巻線を構
成するのが理想的である。しかしながら、このトランス
では、センタータップに接続された端子が2つの出力端
子の間に配置されているため、センタータップに接続さ
れた端子を配置するためのスペースの分だけ、2つの出
力端子の間の距離が大きくなっている。そのため、この
トランスでは、直列に接続された2つの低圧側コイルは
完全な2ターンの巻線を構成していない。その結果、こ
のトランスでは、2つの低圧側コイルにおいて、磁束の
漏れに起因する漏れインダクタンスが大きくなり、この
ことが、トランスの伝送効率を低下させるという問題点
がある。
【0010】また、特開平11−354342号公報に
示されたトランスでは、前述のように、2つの低圧側コ
イルは完全な2ターンの巻線を構成していない。そのた
め、このトランスでは、電流の流れる方向が互いに逆に
なる高圧側コイルと低圧側コイルとを積層しても、近接
効果の影響を十分に低減することができず、その結果、
トランスにおける損失を十分に低減することができない
という問題点がある。
【0011】従来、特開平5−226155号公報や特
開平4−5808号公報や特開平4−73911号公報
に示されるように、コイルの巻線部分における損失を低
減する技術は提案されていた。しかしながら、従来は、
トランスの二次巻線における接続部分の構造がトランス
の特性に与える影響については考慮されていなかった。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、伝送効率を向上でき、且つ損失を低
減できるようにした平面トランス、この平面トランスの
少なくとも一部を含む多層基板、および平面トランスを
含むスイッチング電源装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の平面トランス
は、一次巻線と、平面的に配置された導体によって形成
された第1の二次巻線と、第1の二次巻線に対して、第
1の二次巻線の厚さ方向に隣接するように配置された絶
縁層と、平面的に配置された導体によって形成され、第
1の二次巻線に対して絶縁層を介して重ね合わされた第
2の二次巻線と、第1の二次巻線の一端部に接続された
第1の端子部と、第2の二次巻線の一端部に接続された
第2の端子部と、第1の二次巻線の他端部および第2の
二次巻線の他端部に接続された第3の端子部とを備え、
第1の端子部と第2の端子部は、両者の間に第3の端子
部が配置されることなく、第1の二次巻線の面および第
2の二次巻線の面に平行な方向に沿って、互いに隣接す
るように配置されているものである。
【0014】本発明の平面トランスでは、第1の端子部
と第2の端子部は、両者の間に第3の端子部が配置され
ることなく、第1の二次巻線の面および第2の二次巻線
の面に平行な方向に沿って、互いに隣接するように配置
されている。これにより、第1の端子部と第2の端子部
の間に第3の端子部が配置される場合に比べて、第1お
よび第2の二次巻線における漏れインダクタンスが小さ
くなると共に、平面トランスにおける損失が低減され
る。
【0015】本発明の平面トランスにおいて、第3の端
子部は、第1の端子部および第2の端子部よりも、第1
の二次巻線および第2の二次巻線の内周部に近い位置に
配置されていてもよい。
【0016】また、本発明の平面トランスにおいて、第
3の端子部は、第1の二次巻線の面および第2の二次巻
線の面に平行な方向に沿って、第2の端子部に隣接する
ように配置され、第2の二次巻線の一端部は、第1の端
子部および第2の端子部よりも、第1の二次巻線および
第2の二次巻線の内周部に近い位置に配置され、平面ト
ランスは、更に、第2の二次巻線の一端部と第2の端子
部とを接続する端子接続部を備えていてもよい。
【0017】また、本発明の平面トランスは、厚さ方向
に積層された複数組の絶縁層、第1の二次巻線および第
2の二次巻線を備え、複数の第1の二次巻線同士は並列
に接続され、複数の第2の二次巻線同士は並列に接続さ
れていてもよい。
【0018】本発明の多層基板は、本発明の平面トラン
スのうちの少なくとも第1の二次巻線、絶縁層、第2の
二次巻線、第1の端子部、第2の端子部および第3の端
子部を含み、スイッチング電源装置を構成するために用
いられるものである。本発明の多層基板は、複数の第1
の整流素子が搭載される複数の第1の整流素子搭載部
と、複数の第2の整流素子が搭載される複数の第2の整
流素子搭載部とを備え、第1の整流素子搭載部と第2の
整流素子搭載部は、多層基板の面に平行な方向に沿って
交互に配置されている。本発明の多層基板は、更に、複
数の第1の整流素子搭載部に搭載される複数の第1の整
流素子と第1の端子部とを接続するための第1の接続部
を含む第1の接続層と、複数の第2の整流素子搭載部に
搭載される複数の第2の整流素子と第2の端子部とを接
続するための第2の接続部を含む第2の接続層とを備え
ている。
【0019】本発明の多層基板では、第1の端子部と第
2の端子部は、両者の間に第3の端子部が配置されるこ
となく、第1の二次巻線の面および第2の二次巻線の面
に平行な方向に沿って、互いに隣接するように配置され
ている。これにより、第1の端子部と第2の端子部の間
に第3の端子部が配置される場合に比べて、第1の接続
部および第2の接続部において、第1の接続部および第
2の接続部を流れる電流の交流成分の方向が一つの方向
のみとなる領域の長さが短くなる。その結果、第1の接
続部および第2の接続部における損失が低減される。
【0020】本発明の多層基板において、第3の端子部
は、第1の二次巻線の面および第2の二次巻線の面に平
行な方向に沿って、第2の端子部に隣接するように配置
され、第2の二次巻線の一端部は、第1の端子部および
第2の端子部よりも、第1の二次巻線および第2の二次
巻線の内周部に近い位置に配置され、多層基板は、更
に、第2の二次巻線の一端部と第2の端子部とを接続す
る端子接続部を備えていてもよい。
【0021】また、本発明の多層基板は、厚さ方向に積
層された複数組の絶縁層、第1の二次巻線および第2の
二次巻線を備え、複数の第1の二次巻線同士は並列に接
続され、複数の第2の二次巻線同士は並列に接続されて
いてもよい。
【0022】また、本発明の多層基板において、第1の
接続層と第2の接続層は、多層基板の厚さ方向に交互に
配置されていてもよい。
【0023】本発明のスイッチング電源装置は、本発明
の平面トランスと、入力直流電圧を交流電圧に変換し、
この交流電圧を平面トランスの一次巻線に供給するスイ
ッチング回路と、平面トランスの第1の二次巻線および
第2の二次巻線より出力される交流電圧を整流する整流
回路とを備え、整流回路は、第1の端子部に接続される
複数の第1の整流素子と、第2の端子部に接続される複
数の第2の整流素子とを含むものである。
【0024】また、本発明のスイッチング電源装置は、
平面トランスのうちの少なくとも第1の二次巻線、絶縁
層、第2の二次巻線、第1の端子部、第2の端子部およ
び第3の端子部を含む多層基板を備えている。多層基板
は、複数の第1の整流素子が搭載される複数の第1の整
流素子搭載部と、複数の第2の整流素子が搭載される複
数の第2の整流素子搭載部とを有し、第1の整流素子搭
載部と第2の整流素子搭載部は、多層基板の面に平行な
方向に沿って交互に配置されている。多層基板は、更
に、複数の第1の整流素子搭載部に搭載される複数の第
1の整流素子と第1の端子部とを接続するための第1の
接続部を含む第1の接続層と、複数の第2の整流素子搭
載部に搭載される複数の第2の整流素子と第2の端子部
とを接続するための第2の接続部を含む第2の接続層と
を有している。
【0025】本発明のスイッチング電源装置において、
第3の端子部は、第1の二次巻線の面および第2の二次
巻線の面に平行な方向に沿って、第2の端子部に隣接す
るように配置され、第2の二次巻線の一端部は、第1の
端子部および第2の端子部よりも、第1の二次巻線およ
び第2の二次巻線の内周部に近い位置に配置され、多層
基板は、更に、第2の二次巻線の一端部と第2の端子部
とを接続する端子接続部を有していてもよい。
【0026】また、本発明のスイッチング電源装置にお
いて、多層基板は、厚さ方向に積層された複数組の絶縁
層、第1の二次巻線および第2の二次巻線を有し、複数
の第1の二次巻線同士は並列に接続され、複数の第2の
二次巻線同士は並列に接続されていてもよい。
【0027】また、本発明のスイッチング電源装置にお
いて、第1の接続層と第2の接続層は、多層基板の厚さ
方向に交互に配置されていてもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]始めに、図1および図2を参照し
て、本発明の第1の実施の形態に係る平面トランスの構
成の概略について説明する。図1は本実施の形態に係る
平面トランスの平面図、図2は本実施の形態に係る平面
トランスの正面図である。
【0029】本実施の形態に係る平面トランス1は、そ
れぞれ平面的に配置された導体によって形成された一次
巻線と二次巻線とを備えている。また、平面トランス1
は、複数の導体層と複数の絶縁層が交互に積層されて構
成された積層体10と、この積層体10に装着されたE
型のコア2A,2Bとを備えている。積層体10の中央
部には、積層体10を厚さ方向に貫通する孔10aが形
成されている。コア2A,2Bは、中央の凸部同士が孔
10aを通って突き合わされるように配置されている。
【0030】積層体10は端子領域11,12を有して
いる。端子領域11,12は、互いに反対側の位置に配
置され、且つコア2A,2Bの外側に配置されている。
端子領域11には一次巻線に接続された入力端子部1
3,14が設けられている。入力端子部13,14は、
それぞれスルーホール13a,14aを有している。ス
ルーホール13a,14aには、それぞれ導体からなる
端子部材13b,14bが挿入されている。端子領域1
2には二次巻線に接続された第1の出力端子部15、第
2の出力端子部16および第3の出力端子部17が設け
られている。
【0031】第1の出力端子部15と第2の出力端子部
16は、積層体10の面に平行な方向に沿って、互いに
隣接するように配置されている。第3の出力端子部17
は、出力端子部15,16よりも、積層体10の孔10
aに近い位置に配置されている。出力端子部15,1
6,17は、それぞれスルーホール15a,16a,1
7aを有している。スルーホール15a,16aには、
それぞれ導体からなる端子部材15b,16bが挿入さ
れている。スルーホール17aには、導体からなるバス
バー17bが挿入されている。コア2A,2Bは、第3
の出力端子部17の上側および下を覆わない形状になっ
ている。
【0032】積層体10は、S11層、S12層、P1
1層、P12層の4種類の導体層と、隣接する導体層の
間に配置された絶縁層30とを有している。4種類の導
体層は、それぞれ箔状を含む平板状の導体によって形成
されている。
【0033】図3はS11層とその下の絶縁層30とを
示す平面図、図4はS12層とその下の絶縁層30とを
示す平面図、図5はP11層とその下の絶縁層30とを
示す平面図、図6はP12層とその下の絶縁層30とを
示す平面図である。
【0034】図3に示したように、S11層は、平面的
に配置された導体によって形成された1ターンの第1の
二次巻線21と、それぞれスルーホール13a,14
a,16aに接続された端子層33,34,36を有し
ている。第1の二次巻線21の一端部は、スルーホール
15aを有する第1の出力端子部15に接続されてい
る。第1の二次巻線21の他端部は、スルーホール17
aを有する第3の出力端子部17に接続されている。第
1の二次巻線21は、一端部から他端部にかけて反時計
回り方向に巻回されている。
【0035】図4に示したように、S12層は、平面的
に配置された導体によって形成された1ターンの第2の
二次巻線22と、それぞれスルーホール13a,14
a,15aに接続された端子層33,34,35を有し
ている。第2の二次巻線22の一端部は、スルーホール
16aを有する第2の出力端子部16に接続されてい
る。第2の二次巻線22の他端部は、スルーホール17
aを有する第3の出力端子部17に接続されていると共
に、スルーホール17aを介して第1の二次巻線21の
他端部に接続されている。このようにして、第1の二次
巻線21と第2の二次巻線22は直列に接続されてい
る。第1の二次巻線21と第2の二次巻線22の接続部
はセンタータップとなる。第2の二次巻線22は、一端
部から他端部にかけて時計回り方向に巻回されている。
【0036】図5に示したように、P11層は、平面的
に配置された導体によって形成された2ターンの巻線2
3と、それぞれスルーホール13a,15a,16aに
接続された端子層33,35,36を有している。巻線
23の一端部は、スルーホール14aを有する入力端子
部14に接続されている。巻線23の内側の1ターン分
の巻線部分における両端部の位置には、スルーホール2
5,26が設けられている。巻線23は、内側の端部か
ら外側の端部にかけて時計回り方向に巻回されている。
【0037】図6に示したように、P12層は、平面的
に配置された導体によって形成された2ターンの巻線2
4と、それぞれスルーホール14a,15a,16aに
接続された端子層34,35,36を有している。巻線
24の一端部は、スルーホール13aを有する入力端子
部13に接続されている。巻線24の内側の1ターン分
の巻線部分における両端部は、それぞれスルーホール2
5,26に接続されている。巻線24は、内側の端部か
ら外側の端部にかけて反時計回り方向に巻回されてい
る。
【0038】後で説明するように、P11層とP12層
は、1つの絶縁層30を介して隣接するように配置され
る。スルーホール25,26は、P11層とP12層の
間に配置された絶縁層30にのみ形成されている。
【0039】巻線23の内側の1ターン分の巻線部分と
巻線24の内側の1ターン分の巻線部分は、スルーホー
ル25,26によって並列に接続されている。従って、
巻線23,24によって3ターンの一次巻線が構成され
ている。
【0040】積層体10は12層の導体層を有してい
る。この12層の導体層を、積層体10の一方の面側か
ら順に、第1層、第2層、第3層、…、第11層、第1
2層と呼ぶ。図3に示したS11層は第1層、第5層お
よび第9層に用いられている。図4に示したS12層は
第4層、第8層および第12層に用いられている。図5
に示したP11層は第2層、第6層および第10層に用
いられている。図6に示したP12層は第3層、第7層
および第11層に用いられている。このような配置によ
り、電流の流れる方向が互いに逆になる一次巻線と二次
巻線が厚さ方向に交互に配置されることになる。これに
より、近接効果の影響を低減することができる。
【0041】本実施の形態では、第1の二次巻線21お
よび第2の二次巻線22と、これらの間の絶縁層30
は、3組設けられている。3つの第1の二次巻線21同
士はスルーホール15a,17aを介して並列に接続さ
れ、3つの第2の二次巻線22同士はスルーホール16
a,17aを介して並列に接続されている。
【0042】各導体層は、例えば、絶縁基板の両面に導
体層が形成された両面プリント基板における各導体層を
エッチングすることによって形成してもよいし、導体板
を打ち抜いて形成してもよい。また、各導体層は、スパ
ッタ法等の薄膜形成技術によって形成してもよい。
【0043】以上説明したように、本実施の形態では、
第1の二次巻線21と第2の二次巻線22は、絶縁層3
0を介して重ね合わされている。第1の二次巻線21の
一端部には第1の出力端子部15が接続され、第2の二
次巻線22の一端部には第2の出力端子部16が接続さ
れている。第1の二次巻線21の他端部および第2の二
次巻線22の他端部は、第3の出力端子部17に接続さ
れている。
【0044】図1に示したように、第1の出力端子部1
5と第2の出力端子部16は、両者の間に第3の出力端
子部17が配置されることなく、第1の二次巻線21の
面および第2の二次巻線22の面に平行な方向に沿っ
て、互いに隣接するように配置されている。第3の出力
端子部17は、第1の出力端子部15および第2の出力
端子部16よりも、第1の二次巻線21および第2の二
次巻線22の内周部に近い位置に配置されている。
【0045】本実施の形態によれば、第1の出力端子部
15と第2の出力端子部16の間に第3の出力端子部1
7が配置される場合に比べて、第1の出力端子部15と
第2の出力端子部16の間の距離を短くすることができ
る。従って、本実施の形態によれば、第1の二次巻線2
1と第2の二次巻線22とで、完全に近い2ターンの巻
線を形成することができる。その結果、本実施の形態に
よれば、第1の二次巻線21および第2の二次巻線22
における漏れインダクタンスを小さくすることができ
る。これにより、本実施の形態によれば、トランス1に
おける伝送効率を向上させることができる。
【0046】また、本実施の形態によれば、第1の二次
巻線21と第2の二次巻線22とで、完全に近い2ター
ンの巻線を形成することができる。従って、本実施の形
態によれば、電流の流れる方向が互いに逆になる一次巻
線と二次巻線とを交互に配置することによって、近接効
果の影響を十分に低減することが可能になる。これによ
り、本実施の形態によれば、高周波電流に対するトラン
ス1の交流抵抗を低減して、トランス1における損失を
低減することができる。
【0047】[第2の実施の形態]次に、図7および図
8を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る平面ト
ランスの構成の概略について説明する。図7は本実施の
形態に係る平面トランスの平面図、図8は本実施の形態
に係る平面トランスの正面図である。
【0048】本実施の形態に係る平面トランス41は、
それぞれ平面的に配置された導体によって形成された一
次巻線と二次巻線とを備えている。また、平面トランス
41は、複数の導体層と複数の絶縁層が交互に積層され
て構成された積層体50と、この積層体50に装着され
たE型のコア42A,42Bとを備えている。積層体5
0の中央部には、積層体50を厚さ方向に貫通する孔5
0aが形成されている。コア42A,42Bは、中央の
凸部同士が孔50aを通って突き合わされるように配置
されている。
【0049】積層体50は端子領域51,52を有して
いる。端子領域51,52は、互いに反対側の位置に配
置され、且つコア42A,42Bの外側に配置されてい
る。端子領域51には一次巻線に接続された入力端子部
53,54が設けられている。入力端子部53,54
は、それぞれスルーホール53a,54aを有してい
る。スルーホール53a,54aには、それぞれ導体か
らなる端子部材53b,54bが挿入されている。端子
領域52には二次巻線に接続された第1の出力端子部5
5、第2の出力端子部56および第3の出力端子部57
が設けられている。
【0050】第1の出力端子部55と第2の出力端子部
56は、積層体50の面に平行な方向に沿って、互いに
隣接するように配置されている。第3の出力端子部57
は、第2の出力端子部56における第1の出力端子部5
5とは反対側に配置されている。出力端子部55,5
6,57は、それぞれスルーホール55a,56a,5
7aを有している。スルーホール55a,56a,57
aには、それぞれ導体からなる端子部材55b,56
b,57bが挿入されている。
【0051】積層体50は、S21層、S22層、P2
1層、P22層の4種類の導体層と、隣接する導体層の
間に配置された絶縁層70とを有している。4種類の導
体層は、それぞれ箔状を含む平板状の導体によって形成
されている。
【0052】図9はS21層とその下の絶縁層70とを
示す平面図、図10はS22層とその下の絶縁層70と
を示す平面図、図11はP21層とその下の絶縁層70
とを示す平面図、図12はP22層とその下の絶縁層7
0とを示す平面図である。
【0053】図9に示したように、S21層は、平面的
に配置された導体によって形成された1ターンの第1の
二次巻線61と、それぞれスルーホール53a,54a
に接続された端子層73,74と、スルーホール56a
に接続された端子接続部67を有している。第1の二次
巻線61の一端部は、スルーホール55aを有する第1
の出力端子部55に接続されている。第1の二次巻線6
1の他端部は、スルーホール57aを有する第3の端子
部57に接続されている。第1の二次巻線61は、一端
部から他端部にかけて反時計回り方向に巻回されてい
る。端子接続部67は、スルーホール56aが配置され
た位置から孔50aの近傍にかけて形成されている。端
子接続部67における孔50aの近傍の位置には、スル
ーホール68が設けられている。このスルーホール68
は、積層体50を貫通するように形成されている。
【0054】図10に示したように、S22層は、平面
的に配置された導体によって形成された1ターンの第2
の二次巻線62と、それぞれスルーホール53a,54
a,55a,56aに接続された端子層73,74,7
5,76を有している。第2の二次巻線62の一端部
は、スルーホール68に接続され、このスルーホール6
8を介して、図9に示した端子接続部67に接続されて
いる。端子接続部67はスルーホール56aを有する第
2の出力端子部56に接続されている。従って、第2の
二次巻線62の一端部は、スルーホール68および端子
接続部67を介して第2の出力端子部56に接続されて
いる。第2の二次巻線62の他端部は、スルーホール5
7aを有する第3の端子部57に接続されていると共
に、スルーホール57aを介して第1の二次巻線61の
他端部に接続されている。このようにして、第1の二次
巻線61と第2の二次巻線62は直列に接続されてい
る。第2の二次巻線62は、一端部から他端部にかけて
時計回り方向に巻回されている。
【0055】図11に示したように、P21層は、平面
的に配置された導体によって形成された2ターンの巻線
63と、それぞれスルーホール53a,55a,56
a,57aに接続された端子層73,75,76,77
を有している。巻線63の一端部は、スルーホール54
aを有する入力端子部54に接続されている。巻線63
の内側の1ターン分の巻線部分における両端部の位置に
は、スルーホール65,66が設けられている。巻線6
3は、内側の端部から外側の端部にかけて時計回り方向
に巻回されている。
【0056】図12に示したように、P22層は、平面
的に配置された導体によって形成された2ターンの巻線
64と、それぞれスルーホール54a,55a,56a
に接続された端子層74,75,76を有している。巻
線64の一端部は、スルーホール53aを有する入力端
子部53に接続されている。巻線64の内側の1ターン
分の巻線部分における両端部は、それぞれスルーホール
65,66に接続されている。巻線64は、内側の端部
から外側の端部にかけて反時計回り方向に巻回されてい
る。
【0057】後で説明するように、P21層とP22層
は、1つの絶縁層70を介して隣接するように配置され
る。スルーホール65,66は、P21層とP22層の
間に配置された絶縁層70にのみ形成されている。
【0058】巻線63の内側の1ターン分の巻線部分と
巻線64の内側の1ターン分の巻線部分は、スルーホー
ル65,66によって並列に接続されている。従って、
巻線63,64によって3ターンの一次巻線が構成され
ている。
【0059】積層体50は12層の導体層を有してい
る。この12層の導体層を、積層体50の一方の面側か
ら順に、第1層、第2層、第3層、…、第11層、第1
2層と呼ぶ。図9に示したS21層は第1層、第5層お
よび第9層に用いられている。図10に示したS22層
は第4層、第8層および第12層に用いられている。図
11に示したP21層は第2層、第6層および第10層
に用いられている。図12に示したP22層は第3層、
第7層および第11層に用いられている。
【0060】従って、本実施の形態では、第1の二次巻
線61および第2の二次巻線62と、これらの間の絶縁
層70は、3組設けられている。3つの第1の二次巻線
61同士はスルーホール55a,57aを介して並列に
接続され、3つの第2の二次巻線62同士はスルーホー
ル56a,57aを介して並列に接続されている。
【0061】各導体層は、例えば、絶縁基板の両面に導
体層が形成された両面プリント基板における各導体層を
エッチングすることによって形成してもよいし、導体板
を打ち抜いて形成してもよい。また、各導体層は、スパ
ッタ法等の薄膜形成技術によって形成してもよい。
【0062】以上説明したように、本実施の形態では、
第1の二次巻線61と第2の二次巻線62は、絶縁層7
0を介して重ね合わされている。第1の二次巻線61の
一端部には第1の出力端子部55が接続され、第2の二
次巻線62の一端部には第2の出力端子部56が接続さ
れている。第1の二次巻線61の他端部および第2の二
次巻線62の他端部は第3の端子部57に接続されてい
る。
【0063】図7に示したように、第1の出力端子部5
5と第2の出力端子部56は、両者の間に第3の出力端
子部57が配置されることなく、第1の二次巻線61の
面および第2の二次巻線62の面に平行な方向に沿っ
て、互いに隣接するように配置されている。第3の出力
端子部57は、第1の二次巻線61の面および第2の二
次巻線62の面に平行な方向に沿って、第2の出力端子
部56に隣接するように配置されている。また、第2の
二次巻線62の一端部は、第1の出力端子部55および
第2の出力端子部56よりも、第1の二次巻線61およ
び第2の二次巻線62の内周部に近い位置に配置されて
いる。第2の二次巻線62の一端部と第2の出力端子部
56とは、第1の二次巻線61と同一平面上に配置され
た端子接続部67によって接続されている。
【0064】本実施の形態では、第3の出力端子部57
が第2の出力端子部56に隣接するように配置されてい
るので、第1の実施の形態に比べて、第3の出力端子部
57に対する他の回路の接続が容易になる。本実施の形
態におけるその他の作用および効果は、第1の実施の形
態と同様である。
【0065】ここで、第1の実施の形態に係る平面トラ
ンスおよび第2の実施の形態に係る平面トランスとの比
較のための比較例を挙げる。この比較例の平面トランス
の構成について、図13ないし図17を参照して説明す
る。
【0066】図13は比較例のトランスの平面図であ
る。比較例の平面トランス101は、それぞれ平面的に
配置された導体によって形成された一次巻線と二次巻線
とを備えている。また、比較例の平面トランス101
は、複数の導体層と複数の絶縁層が交互に積層されて構
成された積層体110と、この積層体110に装着され
た2つのE型のコア102とを備えている。積層体11
0の中央部には、積層体110を厚さ方向に貫通する孔
110aが形成されている。2つのコア102は、中央
の凸部同士が孔110aを通って突き合わされるように
配置されている。
【0067】積層体110は端子領域111,112を
有している。端子領域111,112は、互いに反対側
の位置に配置され、且つコア102の外側に配置されて
いる。端子領域111には一次巻線に接続された入力端
子部113,114が設けられている。入力端子部11
3,114は、それぞれスルーホール113a,114
aを有している。端子領域112には二次巻線に接続さ
れた第1の出力端子部115、第2の出力端子部116
および第3の出力端子部117が設けられている。
【0068】第3の出力端子部117は、出力端子部1
15,116の間に配置されている。出力端子部11
5,116,117は、それぞれスルーホール115
a,116a,117aを有している。
【0069】積層体110は、S31層、S32層、P
31層、P32層の4種類の導体層と、隣接する導体層
の間に配置された絶縁層130とを有している。4種類
の導体層は、それぞれ箔状を含む平板状の導体によって
形成されている。
【0070】図14はS31層とその下の絶縁層130
とを示す平面図、図15はS32層とその下の絶縁層1
30とを示す平面図、図16はP31層とその下の絶縁
層130とを示す平面図、図17はP32層とその下の
絶縁層130とを示す平面図である。
【0071】図14に示したように、S31層は、1タ
ーンの第1の二次巻線121と、それぞれスルーホール
113a,114a,116aに接続された端子層13
3,134,136を有している。第1の二次巻線12
1の一端部は、スルーホール115aを有する第1の出
力端子部115に接続されている。第1の二次巻線12
1の他端部は、スルーホール117aを有する第3の出
力端子部117に接続されている。第1の二次巻線12
1は、一端部から他端部にかけて反時計回り方向に巻回
されている。
【0072】図15に示したように、S32層は、平面
的に配置された導体によって形成された1ターンの第2
の二次巻線122と、それぞれスルーホール113a,
114a,115aに接続された端子層133,13
4,135を有している。第2の二次巻線122の一端
部は、スルーホール116aに接続され、このスルーホ
ール116aを介して第2の出力端子部116に接続さ
れている。第2の二次巻線122の他端部は、スルーホ
ール117aを有する第3の出力端子部117に接続さ
れていると共に、このスルーホール117aを介して第
1の二次巻線121の他端部に接続されている。このよ
うにして、第1の二次巻線121と第2の二次巻線12
2は直列に接続されている。第2の二次巻線122は、
一端部から他端部にかけて時計回り方向に巻回されてい
る。
【0073】図16に示したように、P31層は、平面
的に配置された導体によって形成された2ターンの巻線
123と、それぞれスルーホール113a,115a,
116a,117aに接続された端子層133,13
5,136,137を有している。巻線123の一端部
は、スルーホール114aを有する入力端子部114に
接続されている。巻線123の内側の1ターン分の巻線
部分における両端部の位置には、スルーホール125,
126が設けられている。巻線123は、内側の端部か
ら外側の端部にかけて時計回り方向に巻回されている。
【0074】図17に示したように、P32層は、平面
的に配置された導体によって形成された2ターンの巻線
124と、それぞれスルーホール114a,115a,
116a,117aに接続された端子層134,13
5,136,137を有している。巻線124の一端部
は、スルーホール113aを有する入力端子部113に
接続されている。巻線124の内側の1ターン分の巻線
部分における両端部は、スルーホール125,126に
接続されている。巻線124は、内側の端部から外側の
端部にかけて反時計回り方向に巻回されている。
【0075】P31層とP32層は、1つの絶縁層13
0を介して隣接するように配置される。スルーホール1
25,126は、P31層とP32層の間に配置された
絶縁層130にのみ形成されている。
【0076】巻線123の内側の1ターン分の巻線部分
と巻線124の内側の1ターン分の巻線部分は、スルー
ホール125,126によって並列に接続されている。
従って、巻線123,124によって3ターンの一次巻
線が構成されている。
【0077】積層体110は12層の導体層を有してい
る。この12層の導体層を、積層体110の一方の面側
から順に、第1層、第2層、第3層、…、第11層、第
12層と呼ぶ。図14に示したS31層は第1層、第5
層および第9層に用いられている。図15に示したS3
2層は第4層、第8層および第12層に用いられてい
る。図16に示したP31層は第2層、第6層および第
10層に用いられている。図17に示したP32層は第
3層、第7層および第11層に用いられている。
【0078】次に、第1の実施の形態に係る平面トラン
スと第2の実施の形態に係る平面トランスと比較例の平
面トランスとで、トランスの特性を測定した結果を示
す。ここでは、周波数200kHzにおける一次巻線の
端子間のインダクタンスLp(200kHz)と、周波
数200kHzにおけるトランスの漏れインダクタンス
Lleak(200kHz)と、周波数200kHzに
おける一次巻線側から見たトランスの交流抵抗値Rac
(200kHz)、周波数600kHzにおける一次巻
線側から見たトランスの交流抵抗値を測定した。なお、
この測定の際には、コア2A,2B,42A,42B,
102として、フェライトコアを用いた。測定結果を以
下の表に示す。
【0079】
【表1】
【0080】この測定結果では、第1の実施の形態に係
る平面トランスおよび第2の実施の形態に係る平面トラ
ンスでは、比較例の平面トランスと比較して、漏れイン
ダクタンスがそれぞれ23.4%、16.1%減少して
おり、また、交流抵抗値も200kHzにおいてはそれ
ぞれ10.5%、9.2%減少しており、600kHz
においてはそれぞれ14.4%、10.3%減少してい
る。
【0081】この測定結果から、第1の実施の形態に係
る平面トランスおよび第2の実施の形態に係る平面トラ
ンスでは、比較例の平面トランスと比較して、漏れイン
ダクタンスが小さく、結合がよいことから、伝送効率が
向上することが分かる。また、第1の実施の形態に係る
平面トランスおよび第2の実施の形態に係る平面トラン
スでは、比較例の平面トランスと比較して、周波数20
0kHzおよび周波数600kHzにおける交流抵抗が
小さいことから、高周波電流が流れる巻線における損失
が小さくなることが分かる。
【0082】[第3の実施の形態]次に、本発明の第3
の実施の形態に係る多層基板およびスイッチング電源装
置について説明する。まず、図18を参照して、本実施
の形態に係るスイッチング電源装置の回路構成の一例に
ついて説明する。図18に示した例では、スイッチング
電源装置は、直流電圧を入力する入力端子201a,2
01bと、この入力端子201a,201bより入力さ
れる直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング回路2
02と、このスイッチング回路202によって変換され
た後の交流電圧を伝送する平面トランス203と、この
平面トランス203によって出力される交流電圧を整流
して、直流電圧に変換する整流平滑回路204と、この
整流平滑回路204より出力される直流電圧を外部の装
置に対して出力するための出力端子205a,205b
とを備えている。整流平滑回路204は、本発明におけ
る整流回路を含んでいる。
【0083】平面トランス203は、一次巻線260
と、それぞれ1ターンの2つの二次巻線261,262
とを備えている。一次巻線260の各端部には入力端子
部253,254が設けられている。二次巻線261の
一端部には第1の出力端子部255が設けられ、二次巻
線262の一端部には第2の出力端子部256が設けら
れている。2つの二次巻線261,262の他端部同士
は接続され、両者の接続部はセンタータップとなる。ま
た、このセンタータップには、第3の出力端子部257
が接続されている。
【0084】スイッチング回路202は、入力端子20
1a,201bの間に設けられたキャパシタ211と、
一端が入力端子201aに接続され、他端が平面トラン
ス203の入力端子部254に接続されたキャパシタ2
12と、一端が入力端子201bに接続され、他端が平
面トランス203の入力端子部254に接続されたキャ
パシタ213と、入力端子201aと平面トランス20
3の入力端子部253との間に設けられたスイッチ21
4と、入力端子201bと平面トランス203の入力端
子部253との間に設けられたスイッチ215とを有し
ている。
【0085】整流平滑回路204は、カソードが平面ト
ランス203の第1の出力端子部255に接続され、ア
ノードが出力端子205bに接続された第1の整流素子
(ダイオード)221と、カソードが平面トランス20
3の第2の出力端子部256に接続され、アノードが出
力端子205bに接続された第2の整流素子(ダイオー
ド)222と、平面トランス203の第3の出力端子部
257と出力端子205aとの間に設けられたチョーク
コイル223と、出力端子205a,205bの間に設
けられたキャパシタ224とを有している。
【0086】後で詳しく説明するが、第1の整流素子2
21は3個設けられ、これらは並列に接続されている。
同様に、第2の整流素子222も3個設けられ、これら
は並列に接続されている。
【0087】図18に示したスイッチング電源装置で
は、スイッチング回路202において、スイッチ21
4,215の一方がオンのときに他方がオフになるよう
に、スイッチ214,215のオン、オフが繰り返され
る。これにより、スイッチング回路202によって、入
力端子201a,201bに入力された直流電圧が交流
電圧に変換されて、平面トランス203の一次巻線26
0に供給される。この交流電圧は、平面トランス203
によって伝送されて、二次巻線261,262より出力
される。二次巻線261,262より出力された交流電
圧は、整流平滑回路204によって全波整流され、更に
平滑化されて直流電圧に変換される。この直流電圧は、
出力端子205a,205bより出力される。
【0088】次に、図19ないし図22を参照して、本
実施の形態に係る多層基板250について説明する。こ
の多層基板250は、平面トランス203のうちの少な
くとも第1の二次巻線261、絶縁層、第2の二次巻線
262、第1の出力端子部255、第2の出力端子部2
56および第3の出力端子部257を含む。ここでは、
多層基板250は、一次巻線260および入力端子部2
53,254も含むものとする。また、多層基板には、
第2の実施の形態におけるE型のコア42A,42Bが
装着される。
【0089】本実施の形態に係る多層基板250は、S
41層、S42層、P41層、P42層の4種類の導体
層と、隣接する導体層の間に配置された絶縁層とを有し
ている。4種類の導体層は、それぞれ箔状を含む平板状
の導体によって形成されている。
【0090】図19はS41層とその下の絶縁層270
とを示す平面図、図20はP41層とその下の絶縁層2
70とを示す平面図、図21はP42層とその下の絶縁
層270とを示す平面図、図22はS42層とその下の
絶縁層270とを示す平面図である。S41層は多層基
板250の最上層に用いられるため、図19は多層基板
250の平面図でもある。
【0091】図19に示したように、本実施の形態に係
る多層基板250には、第2の実施の形態におけるE型
のコア42A,42Bの中央の凸部が挿入される孔25
0aと、コア42A,42Bの両側の凸部が挿入される
孔250b,250cが設けられている。これらの孔2
50a,250b,250cは多層基板250を厚さ方
向に貫通している。
【0092】また、図19に示したように、多層基板2
50には、第1の出力端子部255、第2の出力端子部
256および第3の出力端子部257が設けられてい
る。第1の出力端子部255と第2の出力端子部256
は、多層基板250の面に平行な方向に沿って、互いに
隣接するように配置されている。第3の出力端子部25
7は、第2の出力端子部256における第1の出力端子
部255とは反対側に配置されている。出力端子部25
5,256,257は、それぞれスルーホール255
a,256a,257aを有している。
【0093】また、図19に示したように、多層基板2
50は、3つの第1の整流素子221が搭載される3つ
の第1の整流素子搭載部281と、3つの第2の整流素
子222が搭載される3つの第2の整流素子搭載部28
2とを備えている。これらの第1の整流素子搭載部28
1と第2の整流素子搭載部282は、多層基板250の
面に平行な方向に沿って交互に配置されている。
【0094】また、図19に示したように、S41層
は、平面的に配置された導体によって形成された1ター
ンの第1の二次巻線261と、スルーホール256aに
接続された端子接続部267を有している。第1の二次
巻線261の一端部は、スルーホール255aを有する
第1の出力端子部255に接続されている。第1の二次
巻線261の他端部は、スルーホール257aを有する
第3の出力端子部257に接続されている。第1の二次
巻線261は、一端部から他端部にかけて反時計回り方
向に巻回されている。端子接続部267は、スルーホー
ル256aが配置された位置から孔250aの近傍にか
けて形成されている。端子接続部267における孔25
0aの近傍の位置には、スルーホール268が設けられ
ている。このスルーホール268は、多層基板250を
貫通するように形成されている。
【0095】S41層は、更に、3つの第1の整流素子
搭載部281に搭載される3つの第1の整流素子221
と第1の出力端子部255とを接続するための第1の接
続部291を有している。第1の接続部291は、くし
形に形成されている。第1の接続部291において、第
1の整流素子搭載部281の近傍の位置には、スルーホ
ール293が設けられている。このスルーホール293
は第1の接続部291に接続されている。第1の接続部
291と第2の整流素子搭載部282の間の位置には、
スルーホール294が設けられている。このスルーホー
ル294は第1の接続部291に接続されていない。
【0096】図20に示したように、P41層は、平面
的に配置された導体によって形成された2ターンの巻線
263を有している。巻線263の一端部は、図20で
は図示しない入力端子部254に接続されている。巻線
263の内側の1ターン分の巻線部分における両端部の
位置には、スルーホール265,266が設けられてい
る。巻線263は、内側の端部から外側の端部にかけて
時計回り方向に巻回されている。
【0097】P41層は、更に、3つの第2の整流素子
搭載部282に搭載される3つの第2の整流素子222
とスルーホール256aとを接続するための第2の接続
部292を有している。第2の接続部292は、くし形
に形成されている。スルーホール294は第2の接続部
292に接続されている。スルーホール293は第2の
接続部292に接続されていない。
【0098】図21に示したように、P42層は、平面
的に配置された導体によって形成された2ターンの巻線
264を有している。巻線264の一端部は、図21で
は図示しない入力端子部253に接続されている。巻線
264の内側の1ターン分の巻線部分における両端部
は、スルーホール265,266に接続されている。巻
線264は、内側の端部から外側の端部にかけて反時計
回り方向に巻回されている。
【0099】P42層は、更に、3つの第1の整流素子
搭載部281に搭載される3つの第1の整流素子221
とスルーホール255aとを接続するための第1の接続
部291を有している。スルーホール293は第1の接
続部291に接続されている。スルーホール294は第
1の接続部291に接続されていない。
【0100】後で説明するように、P41層とP42層
は、1つの絶縁層270を介して隣接するように配置さ
れる。スルーホール265,266は、P41層とP4
2層の間に配置された絶縁層270にのみ形成されてい
る。
【0101】巻線263の内側の1ターン分の巻線部分
と巻線264の内側の1ターン分の巻線部分は、スルー
ホール265,266によって並列に接続されている。
従って、巻線263,264によって3ターンの一次巻
線260が構成されている。
【0102】図22に示したように、S42層は、平面
的に配置された導体によって形成された1ターンの第2
の二次巻線262を有している。第2の二次巻線262
の一端部は、スルーホール268に接続され、このスル
ーホール268を介して、図19に示した端子接続部2
67に接続されている。端子接続部267は、スルーホ
ール256aを介して、S42層における第2の出力端
子部256に接続されている。従って、第2の二次巻線
262の一端部は、スルーホール268、端子接続部2
67およびスルーホール256aを介して、第2の出力
端子部256に接続されている。第2の二次巻線262
の他端部は、スルーホール257aを有する第3の出力
端子部257に接続されている。このようにして、第1
の二次巻線261と第2の二次巻線262は、第3の出
力端子部257を介して直列に接続されている。第2の
二次巻線262は、一端部から他端部にかけて時計回り
方向に巻回されている。
【0103】S42層は、更に、3つの第2の整流素子
搭載部282に搭載される3つの第2の整流素子222
と第2の出力端子部256とを接続するための第2の接
続部292を有している。スルーホール294は第2の
接続部292に接続されている。スルーホール293は
第2の接続部292に接続されていない。
【0104】多層基板250は12層の導体層を有して
いる。この12層の導体層を、多層基板250の上面側
から順に、第1層、第2層、第3層、…、第11層、第
12層と呼ぶ。図19に示したS41層は第1層、第5
層および第9層に用いられている。図20に示したP4
1層は第2層、第6層および第10層に用いられてい
る。図21に示したP42層は第3層、第7層および第
11層に用いられている。図22に示したS42層は第
4層、第8層および第12層に用いられている。
【0105】従って、本実施の形態では、第1の二次巻
線261および第2の二次巻線262と、これらの間の
絶縁層270は、3組設けられている。3つの第1の二
次巻線261同士はスルーホール255a,257aを
介して並列に接続され、3つの第2の二次巻線262同
士はスルーホール256a,257aを介して並列に接
続されている。
【0106】本実施の形態に係る多層基板250では、
第2の実施の形態に係る平面トランス41と同様に、第
1の二次巻線261と第2の二次巻線262は、絶縁層
270を介して重ね合わされている。第1の二次巻線2
61の一端部には第1の出力端子部255が設けられ、
第2の二次巻線262の一端部には第2の出力端子部2
56が設けられている。第1の二次巻線261の他端部
および第2の二次巻線262の他端部は第3の出力端子
部257に接続されている。
【0107】図19に示したように、第1の出力端子部
255と第2の出力端子部256は、両者の間に第3の
出力端子部257が配置されることなく、第1の二次巻
線261の面および第2の二次巻線262の面に平行な
方向に沿って、互いに隣接するように配置されている。
第3の出力端子部257は、第1の二次巻線261の面
および第2の二次巻線262の面に平行な方向に沿っ
て、第2の出力端子部256に隣接するように配置され
ている。また、第2の二次巻線262の一端部は、第1
の出力端子部255および第2の出力端子部256より
も、第1の二次巻線261および第2の二次巻線262
の内周部に近い位置に配置されている。第2の二次巻線
262の一端部と第2の出力端子部256とは、第1の
二次巻線261と同一平面上に配置された端子接続部2
67によって接続されている。
【0108】また、本実施の形態に係る多層基板250
は、3つの第1の整流素子221が搭載される3つの第
1の整流素子搭載部281と、3つの第2の整流素子2
22が搭載される3つの第2の整流素子搭載部282と
を備えている。これらの第1の整流素子搭載部281と
第2の整流素子搭載部282は、多層基板250の面に
平行な方向に沿って交互に配置されている。
【0109】また、図19に示したS41層および図2
1に示したP42層は、3つの第1の整流素子搭載部2
81に搭載される3つの第1の整流素子221と第1の
出力端子部255とを接続するための第1の接続部29
1を含んでいる。以下、S41層およびP42層を、第
1の接続層とも言う。また、図20に示したP41層お
よび図22に示したS42層は、3つの第2の整流素子
搭載部282に搭載される3つの第2の整流素子222
と第2の出力端子部256とを接続するための第2の接
続部292を含んでいる。以下、P41層およびS42
層を、第2の接続層とも言う。第1の接続層と第2の接
続層は、多層基板250の厚さ方向に交互に配置されて
いる。
【0110】以下、本実施の形態における第1の出力端
子部255、第2の出力端子部256および第3の出力
端子部257の配置と、第1の接続層および第2の接続
層の配置とに基づく作用、効果について説明する。
【0111】まず、本実施の形態に係る多層基板との比
較のための比較例を挙げる。この比較例の多層基板の構
成について、図23ないし図26を参照して説明する。
比較例の多層基板は、本実施の形態におけるS41層、
S42層、P41層、P42層に対応するS51層、S
52層、P51層、P52層の4種類の導体層と、隣接
する導体層の間に配置された絶縁層とを有している。
【0112】図23はS51層とその下の絶縁層370
とを示す平面図、図24はP51層とその下の絶縁層3
70とを示す平面図、図25はP52層とその下の絶縁
層370とを示す平面図、図26はS52層とその下の
絶縁層370とを示す平面図である。
【0113】図23に示したように、比較例の多層基板
には、本実施の形態における第1の出力端子部255、
第2の出力端子部256、第3の出力端子部257に対
応する第1の出力端子部355、第2の出力端子部35
6、第3の出力端子部357が設けられている。ただ
し、比較例の多層基板では、第3の出力端子部357
は、第1の出力端子部355と第2の出力端子部356
との間に配置されている。
【0114】また、図23に示したように、比較例の多
層基板は、本実施の形態と同様に、3つの第1の整流素
子221が搭載される3つの第1の整流素子搭載部28
1と、3つの第2の整流素子222が搭載される3つの
第2の整流素子搭載部282とを備えている。
【0115】図23に示したように、S51層は、平面
的に配置された導体によって形成された1ターンの第1
の二次巻線361を有している。第1の二次巻線361
の一端部は第1の出力端子部355に接続され、他端部
は第3の出力端子部357に接続されている。S51層
は、更に、3つの第1の整流素子搭載部281に搭載さ
れる3つの第1の整流素子221と第1の出力端子部3
55とを接続するための第1の接続部391を有してい
る。この第1の接続部391の形状は、本実施の形態に
おける第1の接続部291と同様である。
【0116】図24に示したように、P51層は、本実
施の形態における巻線263とほぼ同様の形状の巻線3
63を有している。P51層は、更に、3つの第2の整
流素子搭載部282に搭載される3つの第2の整流素子
222と第2の出力端子部356とを接続するための第
2の接続部392を有している。
【0117】図25に示したように、P52層は、本実
施の形態における巻線264とほぼ同様の形状の巻線3
64を有している。P52層は、更に、3つの第1の整
流素子搭載部281に搭載される3つの第1の整流素子
221と第1の出力端子部355とを接続するための第
1の接続部391を有している。
【0118】図26に示したように、S52層は、平面
的に配置された導体によって形成された1ターンの第2
の二次巻線362を有している。第2の二次巻線362
の一端部は第2の出力端子部356に接続され、他端部
は第3の出力端子部357に接続されている。S52層
は、更に、3つの第2の整流素子搭載部282に搭載さ
れる3つの第2の整流素子222と第2の出力端子部3
56とを接続するための第2の接続部392を有してい
る。
【0119】ここで、図27および図28を参照して、
本実施の形態に係る多層基板における第1の接続部29
1および第2の接続部292と、比較例の多層基板にお
ける第1の接続部391および第2の接続部392とに
ついて、それらを流れる電流の交流成分の方向について
考える。
【0120】図27は、本実施の形態に係る多層基板に
おける第1の接続部291および第2の接続部292を
流れる各電流の交流成分の方向を示す説明図である。図
27中の(a)は、第1の接続部291のうち、第1の
出力端子部255と図27において最も上に配置された
第1の整流素子221との間で流れる電流の交流成分の
方向を示している。また、図27中の(b)は、第2の
接続部292のうち、第2の出力端子部256と図27
において最も上に配置された第2の整流素子222との
間で流れる電流の交流成分の方向を示している。なお、
(a)と(b)は、ある同一の時点における電流の交流
成分の方向を表わしている。
【0121】第1の接続部291および第2の接続部2
92において、第1の出力端子部255の近傍位置から
第2の整流素子222の近傍位置までの領域A1では、
交互に配置された接続部291,292を流れる各電流
の交流成分の方向は、互いに逆方向になる。これに対
し、第1の接続部291および第2の接続部292にお
いて、第1の出力端子部255の近傍位置から第2の出
力端子部256の近傍位置までの領域A2では、接続部
291,292を流れる電流の交流成分の方向は一つの
方向しか存在しない。
【0122】領域A1では、第1の接続部291を流れ
る電流が発生する磁界と第2の接続部292を流れる電
流が発生する磁界とが互いに打ち消されるため、表皮効
果および近接効果の影響が低減され、その結果、交流抵
抗が低減され、損失も低減される。しかし、領域A2で
は、電流の交流成分の方向が一つの方向しか存在しない
ので、表皮効果および近接効果の影響が大きく、その結
果、交流抵抗が大きく、損失も大きくなる。
【0123】図28は、比較例の多層基板における第1
の接続部391および第2の接続部392を流れる各電
流の交流成分の方向を示す説明図である。図28中の
(a)は、第1の接続部391のうち、第1の出力端子
部355と図28において最も上に配置された第1の整
流素子221との間で流れる電流の交流成分の方向を示
している。また、図28中の(b)は、第2の接続部3
92のうち、第2の出力端子部356と図28において
最も上に配置された第2の整流素子222との間で流れ
る電流の交流成分の方向を示している。なお、(a)と
(b)は、ある同一の時点における電流の交流成分の方
向を表わしている。
【0124】第1の接続部391および第2の接続部3
92において、第1の出力端子部355の近傍位置から
第2の整流素子222の近傍位置までの領域A1では、
交互に配置された接続部391,392を流れる各電流
の交流成分の方向は、互いに逆方向になる。これに対
し、第1の接続部391および第2の接続部392にお
いて、第1の出力端子部355の近傍位置から第2の出
力端子部356の近傍位置までの領域A2では、接続部
391,392を流れる電流の交流成分の方向は一つの
方向しか存在しない。
【0125】前述のように、領域A1では、表皮効果お
よび近接効果の影響が低減され、その結果、交流抵抗お
よび損失が低減される。しかし、領域A2では、表皮効
果および近接効果の影響が大きく、その結果、交流抵抗
および損失が大きくなる。
【0126】図27と図28を比較すると分かるよう
に、本実施の形態に係る多層基板における領域A2の電
流通過方向の長さは、比較例の多層基板における領域A
2の電流通過方向の長さよりも短くなる。従って、本実
施の形態によれば、スイッチング電源装置において、平
面トランス203と整流素子221,222との間の接
続部291,292における交流抵抗および損失を低減
することができる。
【0127】ここで、絶縁層を介して積層された複数の
導体層における電流の方向と交流抵抗との関係を調べた
解析結果について説明する。この解析では、幅3mm、
厚さ0.1mmの銅箔よりなる導体層を12層重ねて構
成された積層体をモデルとし、有限要素法による磁場解
析により電流分布を求めて損失を計算し、積層体全体の
交流抵抗を求め、更に、直流抵抗値(Rdc)と交流抵
抗値(Rac)との比(Rac/Rdc)を解析した。
また、この解析では、12層の全ての導体層に対して同
一方向の電流を流した場合と、12層の導体層に対して
交互に逆方向の電流を流した場合とを比較している。図
29に解析結果を示す。図29において、横軸は交流電
流の周波数、縦軸はRac/Rdcである。また、図2
9において、破線は、12層の全ての導体層に対して同
一方向の電流を流したときの解析結果を示し、実線は、
12層の導体層に対して交互に逆方向の電流を流したと
きの解析結果を示している。
【0128】図29から分かるように、12層の全ての
導体層に対して同一方向の電流を流した場合には、周波
数が高くなるほど、表皮効果および近接効果の影響によ
り、積層体全体における表面近傍にしか電流が流れなく
なる。その結果、周波数が高いほど交流抵抗値が増加す
る。これに対し、12層の導体層に対して交互に逆方向
の電流を流した場合には、表皮効果および近接効果の影
響が小さくなり、その結果、交流抵抗値が低減される。
【0129】上記の解析結果によれば、例えば、直流抵
抗値(Rdc)と周波数200kHzの交流電流に対す
る交流抵抗値(Rac)との比(Rac/Rdc)は、
12層の全ての導体層に対して同一方向の電流を流した
場合には3.90となるのに対し、12層の導体層に対
して交互に逆方向の電流を流した場合には1.03とな
る。また、例えば、直流抵抗値(Rdc)と周波数60
0kHzの交流電流に対する交流抵抗値(Rac)との
比(Rac/Rdc)は、12層の全ての導体層に対し
て同一方向の電流を流した場合には6.12となるのに
対し、12層の導体層に対して交互に逆方向の電流を流
した場合には1.06となる。
【0130】以上の解析結果から、図27および図28
における領域A1では交流抵抗値が小さく、領域A2で
は交流抵抗値が大きくなることが分かる。本実施の形態
によれば、第3の出力端子部が2つの出力端子部の間に
配置される場合に比べて、領域A2の電流通過方向の長
さを短くすることができる。その結果、本実施の形態に
よれば、第1の接続部291および第2の接続部292
における交流抵抗値を低減して、第1の接続部291お
よび第2の接続部292における損失を低減することが
できる。
【0131】また、本実施の形態では、第1の接続部2
91と第2の接続部292を厚さ方向に交互に配置して
いる。これにより、効果的に表皮効果および近接効果の
影響を低減することができる。しかし、例えば、隣接す
る複数(例えば2つ)の第1の接続部291の組と、隣
接する複数(例えば2つ)の第2の接続部292の組と
を交互に配置してもよい。この場合にも、表皮効果およ
び近接効果の影響を低減して、第1の接続部291およ
び第2の接続部292における損失を低減することが可
能である。
【0132】本実施の形態におけるその他の作用および
効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0133】[第4の実施の形態]次に、図30ないし
図33を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る多
層基板およびスイッチング電源装置について説明する。
本実施の形態に係る多層基板300は、第3の実施の形
態における多層基板250に、第3の出力端子部257
に接続された導体部を加えた構成になっている。本実施
の形態に係るスイッチング電源装置の構成は、多層基板
の構成の相違を除いて、第3の実施の形態にかかるスイ
ッチング電源装置と同様である。
【0134】本実施の形態に係る多層基板300は、S
61層、S62層、P61層、P62層の4種類の導体
層と、隣接する導体層の間に配置された絶縁層とを有し
ている。4種類の導体層は、それぞれ箔状を含む平板状
の導体によって形成されている。
【0135】図30はS61層とその下の絶縁層270
とを示す平面図、図31はP61層とその下の絶縁層2
70とを示す平面図、図32はP62層とその下の絶縁
層270とを示す平面図、図33はS62層とその下の
絶縁層270とを示す平面図である。S61層は多層基
板300の最上層に用いられるため、図30は多層基板
300の平面図でもある。
【0136】図30に示したように、S61層は、図1
9に示したS41層の構成に、第3の出力端子部257
に接続された導体部258を加えた構成になっている。
【0137】図31に示したように、P61層は、図2
0に示したP41層の構成に、第3の出力端子部257
に接続された導体部258を加えた構成になっている。
【0138】図32に示したように、P62層は、図2
1に示したP42層の構成に、第3の出力端子部257
に接続された導体部258を加えた構成になっている。
【0139】図33に示したように、S62層は、図2
2に示したS42層の構成に、第3の出力端子部257
に接続された導体部258を加えた構成になっている。
【0140】上記の各導体部258は、第1の接続部2
91および第2の接続部292を迂回するように配置さ
れている。この導体部258には、例えば図18に示し
たスイッチ電源装置におけるチョークコイル223を接
続したり、整流平滑回路の構成によっては出力端子等を
接続したりすることが可能である。
【0141】図23ないし図26に示した比較例の多層
基板では、第3の出力端子部357が、第1の出力端子
部355、第2の出力端子部356、第1の接続部39
1および第2の接続部392によって囲まれた位置に配
置されている。そのため、この多層基板では、第3の出
力端子部357にスイッチング電源装置のチョークコイ
ルや出力端子等を接続する場合、これらを、多層基板に
形成された導体部を用いて接続することができない。そ
のため、この多層基板では、例えば、第3の出力端子部
357に設けられたスルーホールにバスバーを挿入し、
このバスバーにチョークコイルや出力端子等を接続する
ことになる。その結果、スイッチング電源装置の構造が
複雑になる。
【0142】これに対し、本実施の形態では、多層基板
300に設けられた導体部258を用いて、第3の出力
端子部257にチョークコイルや出力端子等を接続する
ことが可能になる。従って、本実施の形態によれば、ス
イッチング電源装置の構造を簡単になる。
【0143】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第3の実施の形態と同様である。
【0144】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れず、種々の変更が可能である。例えば、第3および第
4の実施の形態では、第1の整流素子221と第2の整
流素子222をそれぞれ3個ずつとしたが、これらはそ
れぞれ複数であればよい。
【0145】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし4の
いずれかに記載の平面トランスは、第1の二次巻線およ
び第2の二次巻線と、第1の二次巻線の一端部に接続さ
れた第1の端子部と、第2の二次巻線の一端部に接続さ
れた第2の端子部と、第1の二次巻線の他端部および第
2の二次巻線の他端部に接続された第3の端子部とを備
えている。第1の端子部と第2の端子部は、両者の間に
第3の端子部が配置されることなく、第1の二次巻線の
面および第2の二次巻線の面に平行な方向に沿って、互
いに隣接するように配置されている。これにより、第1
の二次巻線および第2の二次巻線における漏れインダク
タンスおよび平面トランスにおける損失が低減される。
従って、本発明によれば、平面トランスにおける伝送効
率を向上させ、且つ損失を低減することができるという
効果を奏する。
【0146】また、請求項5ないし8のいずれかに記載
の多層基板、もしくは請求項9ないし12のいずれかに
記載のスイッチング電源装置は、上記平面トランスと同
様の特徴を有している。従って、本発明によれば、上記
平面トランスと同様の効果を奏する。また、本発明の多
層基板、もしくは本発明のスイッチング電源装置におけ
る多層基板は、複数の第1の整流素子が搭載される複数
の第1の整流素子搭載部と、複数の第2の整流素子が搭
載される複数の第2の整流素子搭載部とを備え、第1の
整流素子搭載部と第2の整流素子搭載部は、多層基板の
面に平行な方向に沿って交互に配置されている。多層基
板は、更に、複数の第1の整流素子搭載部に搭載される
複数の第1の整流素子と第1の端子部とを接続するため
の第1の接続部を含む第1の接続層と、複数の第2の整
流素子搭載部に搭載される複数の第2の整流素子と第2
の端子部とを接続するための第2の接続部を含む第2の
接続層とを備えている。本発明によれば、第1の端子部
と第2の端子部の間に第3の端子部が配置される場合に
比べて、第1の接続部および第2の接続部において、第
1の接続部および第2の接続部を流れる電流の交流成分
の方向が一つの方向のみとなる領域の長さが短くなる。
従って、本発明によれば、第1の接続部および第2の接
続部における損失を低減することができるという効果を
奏する。
【0147】また、請求項8記載の多層基板または請求
項12記載のスイッチング電源装置によれば、第1の接
続層と第2の接続層が、多層基板の厚さ方向に交互に配
置されているので、第1の接続部および第2の接続部に
おける損失をより一層低減することができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る平面トランス
の平面図である。
【図2】図1に示した平面トランスの正面図である。
【図3】図1に示した平面トランスにおけるS11層と
その下の絶縁層とを示す平面図である。
【図4】図1に示した平面トランスにおけるS12層と
その下の絶縁層とを示す平面図である。
【図5】図1に示した平面トランスにおけるP11層と
その下の絶縁層とを示す平面図である。
【図6】図1に示した平面トランスにおけるP12層と
その下の絶縁層とを示す平面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る平面トランス
の平面図である。
【図8】図7に示した平面トランスの正面図である。
【図9】図7に示した平面トランスにおけるS21層と
その下の絶縁層とを示す平面図である。
【図10】図7に示した平面トランスにおけるS22層
とその下の絶縁層とを示す平面図である。
【図11】図7に示した平面トランスにおけるP21層
とその下の絶縁層とを示す平面図である。
【図12】図7に示した平面トランスにおけるP22層
とその下の絶縁層とを示す平面図である。
【図13】比較例の平面トランスの平面図である。
【図14】図13に示した平面トランスにおけるS31
層とその下の絶縁層とを示す平面図である。
【図15】図13に示した平面トランスにおけるS32
層とその下の絶縁層とを示す平面図である。
【図16】図13に示した平面トランスにおけるP31
層とその下の絶縁層とを示す平面図である。
【図17】図13に示した平面トランスにおけるP32
層とその下の絶縁層とを示す平面図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係るスイッチン
グ電源装置の回路構成の一例を示す回路図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る多層基板に
おけるS41層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る多層基板に
おけるP41層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図21】本発明の第3の実施の形態に係る多層基板に
おけるP42層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係る多層基板に
おけるS42層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図23】比較例の多層基板におけるS51層とその下
の絶縁層とを示す平面図である。
【図24】比較例の多層基板におけるP51層とその下
の絶縁層とを示す平面図である。
【図25】比較例の多層基板におけるP52層とその下
の絶縁層とを示す平面図である。
【図26】比較例の多層基板におけるS52層とその下
の絶縁層とを示す平面図である。
【図27】本発明の第3の実施の形態に係る多層基板に
おける第1の接続部および第2の接続部を流れる各電流
の交流成分の方向を示す説明図である。
【図28】比較例の多層基板における第1の接続部およ
び第2の接続部を流れる各電流の交流成分の方向を示す
説明図である。
【図29】絶縁層を介して積層された複数の導体層にお
ける電流の方向と交流抵抗との関係を調べた解析結果を
示す特性図である。
【図30】本発明の第4の実施の形態に係る多層基板に
おけるS61層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図31】本発明の第4の実施の形態に係る多層基板に
おけるP61層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図32】本発明の第4の実施の形態に係る多層基板に
おけるP62層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【図33】本発明の第4の実施の形態に係る多層基板に
おけるS62層とその下の絶縁層とを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1…平面トランス、2A,2B…コア、10…積層体、
13,14…入力端子部、15…第1の出力端子部、1
6…第2の出力端子部、17…第3の出力端子部、21
…第1の二次巻線、22…第2の二次巻線、23,24
…巻線。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次巻線と、 平面的に配置された導体によって形成された第1の二次
    巻線と、 前記第1の二次巻線に対して、第1の二次巻線の厚さ方
    向に隣接するように配置された絶縁層と、 平面的に配置された導体によって形成され、前記第1の
    二次巻線に対して前記絶縁層を介して重ね合わされた第
    2の二次巻線と、 前記第1の二次巻線の一端部に接続された第1の端子部
    と、 前記第2の二次巻線の一端部に接続された第2の端子部
    と、 前記第1の二次巻線の他端部および第2の二次巻線の他
    端部に接続された第3の端子部とを備え、 前記第1の端子部と第2の端子部は、両者の間に前記第
    3の端子部が配置されることなく、前記第1の二次巻線
    の面および第2の二次巻線の面に平行な方向に沿って、
    互いに隣接するように配置されていることを特徴とする
    平面トランス。
  2. 【請求項2】 前記第3の端子部は、前記第1の端子部
    および第2の端子部よりも、前記第1の二次巻線および
    第2の二次巻線の内周部に近い位置に配置されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の平面トランス。
  3. 【請求項3】 前記第3の端子部は、前記第1の二次巻
    線の面および第2の二次巻線の面に平行な方向に沿っ
    て、前記第2の端子部に隣接するように配置され、 前記第2の二次巻線の一端部は、前記第1の端子部およ
    び第2の端子部よりも、前記第1の二次巻線および第2
    の二次巻線の内周部に近い位置に配置され、 更に、前記第2の二次巻線の一端部と前記第2の端子部
    とを接続する端子接続部を備えたことを特徴とする請求
    項1記載の平面トランス。
  4. 【請求項4】 厚さ方向に積層された複数組の絶縁層、
    第1の二次巻線および第2の二次巻線を備え、複数の第
    1の二次巻線同士は並列に接続され、複数の第2の二次
    巻線同士は並列に接続されていることを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載の平面トランス。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の平面トランスのうちの少
    なくとも前記第1の二次巻線、絶縁層、第2の二次巻
    線、第1の端子部、第2の端子部および第3の端子部を
    含み、スイッチング電源装置を構成するために用いられ
    る多層基板であって、 複数の第1の整流素子が搭載される複数の第1の整流素
    子搭載部と、複数の第2の整流素子が搭載される複数の
    第2の整流素子搭載部とを備え、前記第1の整流素子搭
    載部と第2の整流素子搭載部は、多層基板の面に平行な
    方向に沿って交互に配置され、 更に、複数の前記第1の整流素子搭載部に搭載される複
    数の第1の整流素子と前記第1の端子部とを接続するた
    めの第1の接続部を含む第1の接続層と、複数の前記第
    2の整流素子搭載部に搭載される複数の第2の整流素子
    と前記第2の端子部とを接続するための第2の接続部を
    含む第2の接続層とを備えたことを特徴とする多層基
    板。
  6. 【請求項6】 前記第3の端子部は、前記第1の二次巻
    線の面および第2の二次巻線の面に平行な方向に沿っ
    て、前記第2の端子部に隣接するように配置され、 前記第2の二次巻線の一端部は、前記第1の端子部およ
    び第2の端子部よりも、前記第1の二次巻線および第2
    の二次巻線の内周部に近い位置に配置され、 更に、前記第2の二次巻線の一端部と前記第2の端子部
    とを接続する端子接続部を備えたことを特徴とする請求
    項5記載の多層基板。
  7. 【請求項7】 厚さ方向に積層された複数組の絶縁層、
    第1の二次巻線および第2の二次巻線を備え、複数の第
    1の二次巻線同士は並列に接続され、複数の第2の二次
    巻線同士は並列に接続されていることを特徴とする請求
    項5または6記載の多層基板。
  8. 【請求項8】 前記第1の接続層と第2の接続層は、多
    層基板の厚さ方向に交互に配置されていることを特徴と
    する請求項5ないし7のいずれかに記載の多層基板。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の平面トランスと、入力直
    流電圧を交流電圧に変換し、この交流電圧を前記平面ト
    ランスの一次巻線に供給するスイッチング回路と、前記
    平面トランスの第1の二次巻線および第2の二次巻線よ
    り出力される交流電圧を整流する整流回路とを備え、前
    記整流回路は、前記第1の端子部に接続される複数の第
    1の整流素子と、前記第2の端子部に接続される複数の
    第2の整流素子とを含むスイッチング電源装置であっ
    て、 前記平面トランスのうちの少なくとも前記第1の二次巻
    線、絶縁層、第2の二次巻線、第1の端子部、第2の端
    子部および第3の端子部を含む多層基板を備え、 前記多層基板は、複数の前記第1の整流素子が搭載され
    る複数の第1の整流素子搭載部と、複数の前記第2の整
    流素子が搭載される複数の第2の整流素子搭載部とを有
    し、前記第1の整流素子搭載部と第2の整流素子搭載部
    は、多層基板の面に平行な方向に沿って交互に配置さ
    れ、 前記多層基板は、更に、複数の前記第1の整流素子搭載
    部に搭載される複数の第1の整流素子と前記第1の端子
    部とを接続するための第1の接続部を含む第1の接続層
    と、複数の前記第2の整流素子搭載部に搭載される複数
    の第2の整流素子と前記第2の端子部とを接続するため
    の第2の接続部を含む第2の接続層とを有することを特
    徴とするスイッチング電源装置。
  10. 【請求項10】 前記第3の端子部は、前記第1の二次
    巻線の面および第2の二次巻線の面に平行な方向に沿っ
    て、前記第2の端子部に隣接するように配置され、 前記第2の二次巻線の一端部は、前記第1の端子部およ
    び第2の端子部よりも、前記第1の二次巻線および第2
    の二次巻線の内周部に近い位置に配置され、 前記多層基板は、更に、前記第2の二次巻線の一端部と
    前記第2の端子部とを接続する端子接続部を有すること
    を特徴とする請求項9記載のスイッチング電源装置。
  11. 【請求項11】 前記多層基板は、厚さ方向に積層され
    た複数組の絶縁層、第1の二次巻線および第2の二次巻
    線を有し、複数の第1の二次巻線同士は並列に接続さ
    れ、複数の第2の二次巻線同士は並列に接続されている
    ことを特徴とする請求項9または10記載のスイッチン
    グ電源装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の接続層と第2の接続層は、
    多層基板の厚さ方向に交互に配置されていることを特徴
    とする請求項9ないし11のいずれかに記載のスイッチ
    ング電源装置。
JP2002073578A 2002-03-18 2002-03-18 平面トランス、多層基板およびスイッチング電源装置 Expired - Lifetime JP3973084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002073578A JP3973084B2 (ja) 2002-03-18 2002-03-18 平面トランス、多層基板およびスイッチング電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002073578A JP3973084B2 (ja) 2002-03-18 2002-03-18 平面トランス、多層基板およびスイッチング電源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003272929A true JP2003272929A (ja) 2003-09-26
JP3973084B2 JP3973084B2 (ja) 2007-09-05

Family

ID=29203202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002073578A Expired - Lifetime JP3973084B2 (ja) 2002-03-18 2002-03-18 平面トランス、多層基板およびスイッチング電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3973084B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009131059A1 (ja) 2008-04-24 2009-10-29 パナソニック電工株式会社 トランスならびにそれを用いた電力変換装置、点灯装置、車両用灯具および車両
EP1760867A3 (en) * 2005-08-31 2010-01-27 TDK Corporation Switching power supply unit
JP2010034310A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Toyota Industries Corp トランス及び電力変換装置
JP2014207406A (ja) * 2013-04-16 2014-10-30 オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 磁気デバイス
JP2016001992A (ja) * 2010-01-23 2016-01-07 ソーラーワット リミテッド 発電のための太陽光システム
JP2016092267A (ja) * 2014-11-06 2016-05-23 株式会社豊田自動織機 リアクトルコイル
CN109427466A (zh) * 2017-08-23 2019-03-05 胜美达集团株式会社 线圈部件
DE112017007516T5 (de) 2017-05-10 2020-01-23 Yazaki Corporation Transformatorvorrichtung
JP2020021885A (ja) * 2018-08-02 2020-02-06 富士電機株式会社 トランス
CN113889324A (zh) * 2020-07-03 2022-01-04 三菱电机株式会社 绝缘变压器及使用该绝缘变压器的功率转换装置
WO2022070844A1 (ja) * 2020-09-30 2022-04-07 オムロン株式会社 基板コイル及びトランス
JP2022104547A (ja) * 2020-12-28 2022-07-08 天津大学 奇数巻数比の平面変圧器の製造方法
WO2022153916A1 (ja) * 2021-01-13 2022-07-21 株式会社村田製作所 変成器

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1760867A3 (en) * 2005-08-31 2010-01-27 TDK Corporation Switching power supply unit
US8502632B2 (en) 2008-04-24 2013-08-06 Panasonic Corporation Transformer, power converter, lighting device, lighting device for vehicle, and vehicle using the same
WO2009131059A1 (ja) 2008-04-24 2009-10-29 パナソニック電工株式会社 トランスならびにそれを用いた電力変換装置、点灯装置、車両用灯具および車両
JP2010034310A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Toyota Industries Corp トランス及び電力変換装置
JP2016001992A (ja) * 2010-01-23 2016-01-07 ソーラーワット リミテッド 発電のための太陽光システム
JP2014207406A (ja) * 2013-04-16 2014-10-30 オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 磁気デバイス
JP2016092267A (ja) * 2014-11-06 2016-05-23 株式会社豊田自動織機 リアクトルコイル
US11189417B2 (en) 2017-05-10 2021-11-30 Yazaki Corporation Transformer device
DE112017007516T5 (de) 2017-05-10 2020-01-23 Yazaki Corporation Transformatorvorrichtung
CN109427466A (zh) * 2017-08-23 2019-03-05 胜美达集团株式会社 线圈部件
JP2019040938A (ja) * 2017-08-23 2019-03-14 スミダコーポレーション株式会社 コイル部品
JP2020021885A (ja) * 2018-08-02 2020-02-06 富士電機株式会社 トランス
JP7147342B2 (ja) 2018-08-02 2022-10-05 富士電機株式会社 トランス
CN113889324A (zh) * 2020-07-03 2022-01-04 三菱电机株式会社 绝缘变压器及使用该绝缘变压器的功率转换装置
JP2022013055A (ja) * 2020-07-03 2022-01-18 三菱電機株式会社 絶縁トランス、及びそれを用いた電力変換装置
US11705816B2 (en) 2020-07-03 2023-07-18 Mitsubishi Electric Cornoration Isolation transformer, and power conversion device in which the isolation transformer is used
JP7337032B2 (ja) 2020-07-03 2023-09-01 三菱電機株式会社 電力変換装置
WO2022070844A1 (ja) * 2020-09-30 2022-04-07 オムロン株式会社 基板コイル及びトランス
JP2022104547A (ja) * 2020-12-28 2022-07-08 天津大学 奇数巻数比の平面変圧器の製造方法
WO2022153916A1 (ja) * 2021-01-13 2022-07-21 株式会社村田製作所 変成器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3973084B2 (ja) 2007-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5304231B2 (ja) コイル基板構造及びスイッチング電源装置
US7671713B2 (en) Integrated structure of passive elements in LLC resonance converter realized by flexible circuit boards
JP6421484B2 (ja) コイル部品、コイル部品複合体およびトランス、ならびに電源装置
US7342477B2 (en) Inductor
JP3973084B2 (ja) 平面トランス、多層基板およびスイッチング電源装置
JP5939274B2 (ja) 電源装置
US6741155B2 (en) Transformer
US6972656B2 (en) Switching power supply device
JP2002270437A (ja) 平面コイルおよび平面トランス
JP4757683B2 (ja) 電源
JP2014063856A (ja) 複合磁性部品及びスイッチング電源装置
JP3687793B2 (ja) プリントコイル
JP5224472B2 (ja) 配線パターン長の増大を低減した電源装置
US9472333B2 (en) Planar type transformer and switching power supply circuit
JP3829572B2 (ja) トランス及びその製造方法
JP2002299130A (ja) 電源用複合素子
JP4674545B2 (ja) 電磁誘導部品および電源装置
JP2008205350A (ja) 磁気デバイス
JP2010062409A (ja) インダクター部品
JP5311462B2 (ja) 多層基板トランス
JP3650419B2 (ja) プリントコイル
JP2970303B2 (ja) プリントコイル形トランス
JP4387142B2 (ja) スイッチング電源装置
JP2007180436A (ja) 電磁誘導部品および電源装置
US20190180922A1 (en) Egg-shaped continuous coils for inductive components

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3973084

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100622

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110622

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130622

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140622

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term