JP2003272867A - 発光素子およびアクティブマトリクス型表示装置 - Google Patents

発光素子およびアクティブマトリクス型表示装置

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JP2003272867A
JP2003272867A JP2002071149A JP2002071149A JP2003272867A JP 2003272867 A JP2003272867 A JP 2003272867A JP 2002071149 A JP2002071149 A JP 2002071149A JP 2002071149 A JP2002071149 A JP 2002071149A JP 2003272867 A JP2003272867 A JP 2003272867A
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electron injection
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い開口率を有する逆構造の素子を簡単な製造
プロセスにより形成することが可能な発光素子を提供す
る。 【解決手段】この発光素子は、基板1上に形成された陰
極4と、陰極4を取り囲むように形成された画素分離層
5と、陰極4および画素分離層5を覆うように形成さ
れ、島状または極薄状の電子注入層6と、陰極4上に電
子注入層6を介して形成され、電流注入により発光する
有機層7と、有機層7上および電子注入層6上に形成さ
れた陽極8とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光素子およびア
クティブマトリクス型表示装置に関し、特に、電子注入
層を有する発光素子およびアクティブマトリクス型表示
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の多様化に伴い、従来か
ら一般に使用されているCRTに比べ、消費電力の少な
い平面表示素子のニーズが高まってきている。そうした
中、高効率、薄型、軽量、視野角依存性がないなどの特
徴を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(有機E
L素子)を用いたディスプレイの研究開発が活発に行わ
れている。有機EL素子は、電子注入電極とホール注入
電極とからそれぞれ電子とホールとを発光部内へと注入
し、電子とホールとを発光中心で再結合させて有機分子
を励起状態にする。この有機分子が励起状態から基底状
態へと戻るときに発する蛍光により発光する。有機EL
素子では、発光材料である蛍光物質を選択することによ
り、発光色を変化させることができる。これにより、フ
ルカラーの小型ディスプレイ装置への応用が期待されて
いる。
【0003】特に高精細型ディスプレイへの応用とし
て、基板上にポリシリコン型TFT(薄膜トランジス
タ;Thin Film Transistor)を形
成し、その上に有機層とカソード(陰極)とを設けたア
クティブマトリクス型表示装置の開発が進んでいる。こ
のアクティブマトリクス型表示装置では、通常、透明な
基板を通して、基板側の方向に光が取り出される仕組み
になっている。そのため、基板上のTFTなどにより、
実際に光を取り出すことのできる部分の割合(開口率)
が制限されるという問題点がある。この問題点を解決す
るため、基板方向とは逆方向に光を取り出す構造、いわ
ゆるトップエミッション構造のアクティブマトリクス型
表示装置が提案されている。この表示装置では、発光部
分の上部にTFTなどが存在しないので、開口率をほぼ
100%にすることが可能になる。
【0004】図7は、従来のトップエミッション構造の
アクティブマトリクス型表示装置の1画素分を示した断
面図である。図7を参照して、従来のトップエミッショ
ン構造のアクティブマトリクス型表示装置では、基板1
1上に、TFT13がマトリクス状に形成されている。
TFT13は、ゲート電極13aを含む。基板11およ
びTFT13の上面上には、絶縁膜12が形成されてい
る。絶縁膜12上には、TFT13のソース領域とドレ
イン領域とにそれぞれ接続するように、電極13bと電
極13cとが形成されている。電極13cの側面に接触
するように、陽極14が形成されている。また、絶縁膜
12、電極13b、電極13cおよび陽極14の上面上
に、開口部15aを有する絶縁膜からなる画素分離層1
5が、形成されている。この開口部15a内で、陽極1
4の上面に接触するように、発光層を含む有機層16が
形成されている。
【0005】また、有機層16および画素分離層15の
上面の全面を覆うように、AlやAgなどと、LiFや
LiO2などとからなる電子注入層17が形成されてい
る。このように、仕事関数の小さな金属膜からなる電子
注入層17を陰極の一部として用いることによって、陰
極における電子注入効率を向上させることができる。こ
れにより、表示装置の発光効率の向上を図ることができ
る。また、電子注入層17の上面の全面を覆うように、
ITO(酸化インジウムチタン)からなる陰極(透明電
極)18が形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示した従来のトップエミッション構造のアクティブマト
リクス型表示装置では、発光層を含む有機層16の上面
の全面を覆うように、金属膜からなる電子注入層17が
形成されているので、光の透過率を大きくするのが困難
であるという不都合があった。その結果、図7に示した
従来のトップエミッション構造のアクティブマトリクス
型表示装置では、開口率を大きくすることができる反
面、光の透過率は最大でも70%程度にとどまってしま
うという問題点があった。
【0007】そこで、図7に示した従来のトップエミッ
ション構造と異なり、基板11側に陰極を形成すること
によって、透過率の低い金属膜からなる電子注入層を基
板11側に形成する逆構造のトップエミッション型のア
クティブマトリクス型表示装置も考えられる。
【0008】図8は、陰極および電子注入層を基板側に
形成した逆構造のトップエミッション型のアクティブマ
トリクス型表示装置の1画素分を示した断面図である。
図9は、図8に示した逆構造の表示装置において、電子
注入層を、陰極および画素分離層の上面の全面を覆うよ
うに形成した場合を示した断面図である。なお、この逆
構造の表示装置は、電極構成が逆になっていること以外
は、図7に示した従来のトップエミッション構造の表示
装置の構成と同様である。すなわち、図8に示すよう
に、基板11上に、TFT13、絶縁膜12、ゲート電
極13a、電極13bおよび電極13cが形成されてい
る。また、電極13cの側面に接触するように、陰極2
4が形成されている。絶縁膜12、電極13b、電極1
3cおよび陰極24の上面上には、開口部15aを有す
る画素分離層15が形成されている。
【0009】また、図8に示した逆構造の表示装置で
は、メタルマスクによる塗り分けや画素間にリブを設け
るなどの方法を用いて、開口部15a内で陰極24の上
面に接触するように、電子注入層27が形成されてい
る。この電子注入層27上には、発光層を含む有機層1
6が形成されている。画素分離層15および有機層16
の上面の全面を覆うように、ITOからなる陽極(透明
電極)28が形成されている。
【0010】なお、逆構造のトップエミッション型のア
クティブマトリクス型表示装置において、図9に示すよ
うに、電子注入層27aを、陰極24および画素分離層
15の全面を覆うように形成した場合には、上記したメ
タルマスクによる塗り分け等が不要となる。しかし、こ
の場合には、陰極24と陽極28とが、電子注入層27
aを介して電気的に短絡(ショート)してしまうという
不都合が生じる。そのため、上記したように、メタルマ
スクによる塗り分けや画素間にリブを設けるなどの方法
を用いて、電子注入層27を開口部15a内で陰極24
の上面上にのみ形成する製造プロセスが必要になる。そ
の結果、製造プロセスが複雑になるという問題点があっ
た。
【0011】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、この発明の1つの目的は、
高い開口率を有する逆構造の素子を簡単な製造プロセス
により形成することが可能な発光素子を提供することで
ある。
【0012】この発明のもう1つの目的は、高い開口率
を有する逆構造の素子を簡単な製造プロセスにより形成
することが可能なアクティブマトリクス型表示装置を提
供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の局面による発光素子は、基板上に
形成された第1電極と、第1電極を取り囲むように形成
された絶縁膜と、第1電極および絶縁膜を覆うように形
成され、島状または極薄状の電子注入層と、第1電極上
に電子注入層を介して形成され、電流注入により発光す
る有機層と、有機層上および電子注入層上に形成された
第2電極とを備えている。
【0014】この第1の局面による発光素子では、上記
のように、第1電極および絶縁膜を覆うように島状また
は極薄状の電子注入層を形成することによって、絶縁膜
上の電子注入層上に第2電極が形成された場合にも、第
1電極と第2電極とが電子注入層を介して電気的に短絡
するのを実質的に防止することができる。すなわち、島
状または極薄状の電子注入層により、第1電極と第2電
極との間は、絶縁状態または極めて高抵抗な状態になる
ので、第1電極と第2電極とが電子注入層を介して電気
的に短絡するのを実質的に防止することができる。ま
た、電子注入層を第1電極および絶縁膜を覆うように形
成することによって、第1電極上のみに選択的に電子注
入層を形成する場合に比べて、製造プロセスを簡略化す
ることができる。この場合、基板から遠い側の第2電極
として透明陽極を用いれば、基板側とは逆方向に光を取
り出す逆構造の発光素子を簡略化された製造プロセスに
より形成することができる。その結果、高い開口率を有
する逆構造の発光素子を簡単な製造プロセスにより形成
することができる。
【0015】上記第1の局面による発光素子において、
好ましくは、電子注入層は、Liを含有する。このよう
に構成すれば、注入効率の高いLiによって、発光効率
を高めることができる。
【0016】上記の発光素子において、好ましくは、電
子注入層は、5nm以下の膜厚を有する。このように構
成すれば、容易に、第1電極と第2電極とが電気的に短
絡するのを実質的に防止することが可能な島状または極
薄状の電子注入層を形成することができる。この場合、
好ましくは、電子注入層は、1.5nm程度の膜厚を有
する。このように構成すれば、発光輝度を最大にするこ
とができる。この点は実験により確認済みである。
【0017】上記の発光素子において、好ましくは、有
機層からの光の放出方向は、基板と逆方向である。この
ように構成すれば、基板側とは逆方向に光を取り出す逆
構造の発光素子を得ることができるので、基板側にトラ
ンジスタが形成されていても、開口率を高めることがで
きる。
【0018】この発明の第2の局面によるアクティブマ
トリクス型表示装置は、基板上にマトリクス状に配置さ
れたトランジスタと、トランジスタに接続された第1電
極と、第1電極を取り囲むように形成された絶縁膜と、
第1電極および絶縁膜を覆うように形成され、島状また
は極薄状の電子注入層と、第1電極上に電子注入層を介
して形成され、電流注入により発光するとともに、基板
と逆方向に光を放出する有機層と、有機層上および電子
注入層上に形成された第2電極とを備えている。
【0019】この第2の局面によるアクティブマトリク
ス型表示装置では、上記のように、第1電極および絶縁
膜を覆うように島状または極薄状の電子注入層を形成す
ることによって、絶縁膜上の電子注入層上に第2電極が
形成された場合にも、第1電極と第2電極とが電子注入
層を介して電気的に短絡するのを実質的に防止すること
ができる。すなわち、島状または極薄状の電子注入層に
より、第1電極と第2電極との間は、絶縁状態または極
めて高抵抗な状態になるので、第1電極と第2電極とが
電子注入層を介して電気的に短絡するのを実質的に防止
することができる。また、電子注入層を第1電極および
絶縁膜を覆うように形成することによって、第1電極上
のみに選択的に電子注入層を形成する場合に比べて、製
造プロセスを簡略化することができる。この場合、基板
から遠い側の第2電極として透明陽極を用いれば、基板
側とは逆方向に光を取り出す逆構造の発光素子を簡略化
された製造プロセスにより形成することができる。その
結果、高い開口率を有する逆構造の発光素子を含むアク
ティブマトリクス型表示装置を簡単な製造プロセスによ
り形成することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、実施例および比較例では、電子注入層の膜
厚を変化させた同一構成のアクティブマトリクス型表示
装置を複数作製した。また、これらの表示装置は、基板
側と逆方向に光を取り出すトップエミッション型構造を
有するとともに、陰極および電子注入層を基板側に配置
した逆構造を有するように作製した。
【0021】(実施例)図1は、本発明の実施例により
作製したアクティブマトリクス型表示装置の1画素分を
示した断面図である。図2は、図1に示した実施例によ
るアクティブマトリクス型表示装置の電子注入層の詳細
を示した拡大平面図である。また、図3は、図1に示し
た実施例による表示装置の発光層として用いたAlq3
の原子構造を示した構造図である。図4は、図1に示し
た実施例による表示装置のホール輸送層として用いたα
−NPBの原子構造を示した構造図である。なお、この
実施例では、電子注入層6の膜厚を5nm以下の範囲で
変化させた複数の表示装置を作製した。
【0022】図1〜図4を参照して、本発明の実施例の
表示装置の作製プロセスについて説明する。まず、基板
1上に、ゲート電極3aを含むポリシリコン型TFT3
をマトリクス状に形成した。この基板1およびTFT3
の上面上に、SiO2からなる絶縁膜2を形成した。そ
して、絶縁膜2上に、TFT3のソース領域およびドレ
イン領域の上面にそれぞれ接触するように、電極3bお
よび電極3cを形成した。次に、電極3cの側面に接触
するように、ITOからなる陰極4を形成した。その
後、絶縁膜2、電極3b、電極3cおよび陰極4の上面
上に、陰極4の上面の一部に開口部5aを有するPMM
A(ポリメチルメタクリレート)からなる画素分離層5
を形成した。なお、陰極4は、本発明の「第1電極」の
一例であり、画素分離層5は、本発明の「絶縁膜」の一
例である。
【0023】この後、実施例では、真空蒸着法を用い
て、133×10ー7Pa以下の真空度で電子注入効率の
高いLiを含むAl0.5Li0.5合金からなる電子注入層
6を、陰極4および画素分離層5の上面の全面を覆うよ
うに、5nm以下の厚みで形成した。このように、電子
注入層6の厚みを非常に薄く形成することによって、陰
極4(画素分離層5)上の電子注入層6は、層状となら
ず、図2に示すような島状に形成されるか、または、極
薄状(図示せず)に形成されると考えられる。このよう
に電子注入層6が島状に形成されると、電子注入層6を
電流が流れて陰極4と陽極8との間でショートが発生す
ることがない。また、電子注入層6が極薄状に形成され
た場合にも、電子注入層6の面内方向の抵抗値が非常に
高くなるので、電流が非常に流れにくくなる。
【0024】上記した電子注入層6の形成後、電子注入
層6の酸化を避けるために、133×10ー7Pa以下の
真空度を保持した状態で、メタルマスクを用いて表示装
置の画素に相当する領域に、有機層7を形成した。具体
的には、開口部5a内の電子注入層6に囲まれた領域
に、下層から上層に向かって、30nmの厚みを有する
Alq3からなる電子輸送層と、緑色発光ドーパントと
して3%のメチルキナクリドンを含有するAlq3から
なる発光層と、50nmの厚みを有するα−NPBから
なるホール輸送層と、10nmの厚みを有するCuPc
(銅フタロシアニン)からなるホール注入層とから構成
される有機層7を形成した。なお、有機層7の発光層に
用いたAlq3は、図3に示すような原子構造を有して
おり、有機層7のホール輸送層に用いたα−NPBは、
図4に示すような原子構造を有している。
【0025】最後に、有機層7および電子注入層6の上
面の全面を覆うように、ITOからなる陽極(透明電
極)8を形成することによって、実施例のアクティブマ
トリクス型表示装置を作製した。なお、陽極8は、本発
明の「第2電極」の一例である。
【0026】(比較例)図5は、比較例により作製した
アクティブマトリクス型表示装置の1画素分を示した断
面図である。なお、比較例による表示装置では、電子注
入層6aの膜厚を5nmを越える範囲で変化させたこと
以外の作製プロセスは、実施例の作製プロセスと同様で
ある。すなわち、図5に示すように、基板1上に、TF
T3と、絶縁膜2と、電極3bおよび電極3cと、陰極
4と、開口部5aを有するPMMAからなる画素分離層
5とを順次形成した。次に、Al0.5Li0.5合金からな
る電子注入層6aを、5nmを超える範囲で厚みを変化
させて陰極4および画素分離層5の上面の全面を覆うよ
うに形成した。
【0027】最後に、実施例と同様、電子注入層6a上
に、有機層7と陽極8とを順次形成することによって、
比較例のアクティブマトリクス型表示装置を作製した。
【0028】(発光輝度測定試験)図6は、実施例およ
び比較例で作製した表示装置の発光輝度測定の実験結果
を示したグラフである。この発光輝度測定では、各表示
装置に一定電流を印加した場合の、それぞれの表示装置
における単位面積当たりの発光輝度(cd/m2)を測
定した。これにより、各表示装置における、電子注入層
6(6a)の膜厚と発光輝度との関係を測定した。図6
を参照して、電子注入層6の膜厚を5nm以下の範囲で
作製した実施例の表示装置では、電子注入層6の膜厚が
0nmに近い表示装置を除いて、高い発光輝度を得るこ
とができることが判明した。特に、電子注入層6の膜厚
が1.5nm程度の表示装置では、300cd/m2
上の最も高い発光輝度を得ることができた。これは、
1.5nm程度の極めて薄い厚みで形成された電子注入
層6では、電子注入層6は完全な層状とならず、図2に
示したような島状に形成されると考えられるため、陰極
4と陽極8とは電気的に絶縁されるためであると考えら
れる。これにより、陰極4と陽極8とが電子注入層6を
介して電気的に短絡するのを防止することができるの
で、電子注入層6と陽極8との接点でリーク電流が発生
するのを防止することができる。
【0029】一方、電子注入層6の膜厚が5nmに近い
実施例の表示装置では、発光輝度が低下しているが、約
200cd/m2の高い発光輝度を得ることができた。
このように輝度が低下するのは、電子注入層6の膜厚が
厚くなることにより、電子注入層6が層状に形成される
ため、電子注入層6は導電状態となり、その結果、陰極
4と陽極8とが完全に絶縁された状態ではなくなるため
であると考えられる。ただし、電子注入層6の膜厚が5
nm以下である場合には、電子注入層6の膜厚は極めて
薄いため、電子注入層6は極めて高抵抗になる。このた
め、電流は、電子注入層6を介して陰極4と陽極8との
間を流れるよりも、有機層7を介して、陰極4と陽極8
との間を流れる。これにより、陰極4と陽極8とが電子
注入層6を介して電気的に短絡するのを実質的に防止す
ることができる。
【0030】一方、電子注入層6aの膜厚が5nmを超
える比較例の表示装置では、電子注入層6aの膜厚の増
加に伴い発光輝度が急激に低下した。これは、電子注入
層6aの膜厚が5nmを越えて増加するにつれて、電子
注入層6aの抵抗値が減少するので、印加された電流
が、電子注入層6aを介して陰極4と陽極8との間にも
流れ始めるためであると考えられる。また、電子注入層
6aの膜厚が8nm以上の比較例の表示装置では、陰極
4と陽極8とが電子注入層6aを介して完全に短絡する
ことによって、非点灯となった。
【0031】実施例では、上記したように、陰極4およ
び画素分離層5を覆うように島状または極薄状の5nm
以下の厚みを有する電子注入層6を形成することによっ
て、画素分離層5上の電子注入層6上に、陽極8が形成
された場合にも、陰極4と陽極8とが電子注入層6を介
して電気的に短絡するのを実質的に防止することができ
る。
【0032】また、実施例では、上記したように、電子
注入層6を、陰極4および画素分離層5の上面の全面を
覆うように形成することによって、陰極4上にのみ選択
的に電子注入層6を形成する場合に比べて、製造プロセ
スを簡略化することができる。また、基板1から遠い側
の陽極8に透明電極を用いるとともに、導電率の低い金
属膜からなる電子注入層6を基板1側に形成することに
よって、トップエミッション型の逆構造のアクティブマ
トリクス型表示装置を形成することができる。このよう
にして、高い開口率と高い透過率を有する、逆構造のア
クティブマトリクス型表示装置を、簡単な製造プロセス
により形成することが可能になる。
【0033】また、実施例では、上記したように、電子
注入層6にLiを含有させることにより、Liは電子注
入効率が高いので、発光効率を高くすることができる。
【0034】なお、今回開示された実施例は、すべての
点で例示であって制限的なものではないと考えられるべ
きである。本発明の範囲は、上記した実施例の説明では
なく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の
範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含ま
れる。
【0035】たとえば、上記実施例では、アクティブマ
トリクス型有機EL表示装置について説明したが、本発
明はこれに限らず、他の有機EL表示装置や発光素子に
本発明を適用してもよい。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高い開
口率を有する逆構造の素子を簡単な製造プロセスにより
形成することが可能な発光素子およびアクティブマトリ
クス型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例により作製したアクティブマト
リクス型表示装置の1画素分を示した断面図である。
【図2】図1に示した実施例によるアクティブマトリク
ス型表示装置の電子注入層の詳細を示した拡大平面図で
ある。
【図3】図1に示した実施例によるアクティブマトリク
ス型表示装置の発光層として用いたAlq3の原子構造
を示した構造図である。
【図4】図1に示した実施例によるアクティブマトリク
ス型表示装置のホール輸送層として用いたα−NPBの
原子構造を示した構造図である。
【図5】比較例により作製したアクティブマトリクス型
表示装置の1画素分を示した断面図である。
【図6】実施例および比較例で作製した表示装置の発光
輝度測定の実験結果を示したグラフである。
【図7】従来のトップエミッション構造のアクティブマ
トリクス型表示装置の1画素分を示した断面図である。
【図8】陰極および電子注入層を基板側に形成した逆構
造からなるトップエミッション型のアクティブマトリク
ス型表示装置の1画素分を示した断面図である。
【図9】図8に示した逆構造の表示装置において、電子
注入層を、陰極および画素分離層の上面の全面を覆うよ
うに形成した場合を示した断面図である。
【符号の説明】
1 基板 3 TFT(トランジスタ) 4 陰極(第1電極) 5 画素分離層(絶縁膜) 6 電子注入層 7 有機層 8 陽極(第2電極)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された第1電極と、 前記第1電極を取り囲むように形成された絶縁膜と、 前記第1電極および前記絶縁膜を覆うように形成され、
    島状または極薄状の電子注入層と、 前記第1電極上に前記電子注入層を介して形成され、電
    流注入により発光する有機層と、 前記有機層上および前記電子注入層上に形成された第2
    電極とを備えた、発光素子。
  2. 【請求項2】 前記電子注入層は、Liを含有する、請
    求項1に記載の発光素子。
  3. 【請求項3】 前記電子注入層は、5nm以下の膜厚を
    有する、請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 【請求項4】 前記電子注入層は、1.5nm程度の膜
    厚を有する、請求項3に記載の発光素子。
  5. 【請求項5】 前記有機層からの光の放出方向は、前記
    基板と逆方向である、請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の発光素子。
  6. 【請求項6】 基板上にマトリクス状に配置されたトラ
    ンジスタと、 前記トランジスタに接続された第1電極と、 前記第1電極を取り囲むように形成された絶縁膜と、 前記第1電極および前記絶縁膜を覆うように形成され、
    島状または極薄状の電子注入層と、 前記第1電極上に前記電子注入層を介して形成され、電
    流注入により発光するとともに、前記基板と逆方向に光
    を放出する有機層と、 前記有機層上および前記電子注入層上に形成された第2
    電極とを備えた、アクティブマトリクス型表示装置。
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