JP2003272260A - 光ディスク製造用シート - Google Patents
光ディスク製造用シートInfo
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Abstract
写面にボイド状の欠点が生じ難い光ディスク製造用シー
トを提供する。 【解決手段】 エネルギー線硬化性を有し、硬化前の貯
蔵弾性率が103〜10 6Paであるスタンパー受容層
11と、スタンパー受容層11の少なくとも片面に、残
留接着率が85%以上である剥離層122を有する剥離
シート12を積層して光ディスク製造用シート1とす
る。
Description
のシートに関するものであり、特に、スタンパーの凹凸
パターンが転写されるスタンパー受容層に欠陥が生じ難
い光ディスク製造用シートに関するものである。
を記録するピットやグルーブと呼ばれる凹凸形状を形成
する手段として、その凹凸形状に対応する凹凸パターン
を有するスタンパーから、当該凹凸パターンを光ディス
クの構成層に転写する方法が知られている。この凹凸パ
ターンが転写される層としては、スタンパーから凹凸パ
ターンが転写された後、エネルギー線が照射されること
により硬化し、凹凸パターンが固定化される性質を有す
るスタンパー受容層が検討されている。このようなスタ
ンパー受容層を有する光ディスク製造用シートは、一般
的に、スタンパー受容層の片面または両面が剥離シート
で保護されている構造を有する。
写された凹凸パターンは、光ディスクの記録情報として
重要なピットまたはグルーブを構成するものであるた
め、記録情報を正確に再生するためにも、スタンパー受
容層の凹凸パターン転写面には、凹凸パターン以外の凹
凸がないことが望ましい。
ートにおいて、硬化したスタンパー受容層の凹凸パター
ン転写面を原子間力顕微鏡で観察すると、ナノサイズの
ボイド状の欠点が多数見られる。硬化したスタンパー受
容層の凹凸パターン転写面にこのようなボイド状の欠点
が存在すると、その欠点部分が光ディスクにおける欠陥
となり、記録情報を正確に再生できないおそれがある。
たものであり、硬化したスタンパー受容層の凹凸パター
ン転写面にボイド状の欠点が生じ難い光ディスク製造用
シートを提供することを目的とする。
に、本発明は、エネルギー線硬化性を有し、硬化前の貯
蔵弾性率が103〜106Paであるスタンパー受容層
と、前記スタンパー受容層の少なくとも片面に、残留接
着率が85%以上である剥離層を有する剥離シートが積
層されていることを特徴とする光ディスク製造用シート
を提供する(請求項1)。
ンパー受容層の一方の面には、残留接着率が85%以上
であるシリコーン系の剥離層を有する剥離シートが積層
されており、前記スタンパー受容層の他方の面には、カ
バーシートが積層されていてもよい(請求項2)。
記スタンパー受容層の一方の面には、前記スタンパー受
容層との剥離力が50mN/20mm以下であり、かつ
残留接着率が85%以上である剥離層を有する軽剥離シ
ートが積層されており、前記スタンパー受容層の他方の
面には、前記スタンパー受容層との剥離力が70〜30
0mN/20mmであり、かつ残留接着率が85%以上
である剥離層を有する重剥離シートが積層されていても
よい(請求項3)。
凸パターン転写面におけるボイド状の欠点の発生原因に
ついて鋭意研究した結果、剥離シートの剥離剤層に含ま
れる残留接着率低下成分がスタンパー受容層に移行する
ことによって、硬化時にスタンパー受容層にこのような
欠点が形成されることを見出した。したがって、残留接
着率の高い、すなわち残留接着率低下成分の含有量の少
ない剥離剤層を有する剥離シートを使用した本発明の光
ディスク製造用シートによれば、硬化したスタンパー受
容層の凹凸パターン転写面にボイド状の欠点が生じるこ
とが防止される。
説明する。図1は本発明の一実施形態に係る光ディスク
製造用シートの断面図であり、図2(a)〜(e)は同
実施形態に係る光ディスク製造用シートを用いた光ディ
スクの製造方法の一例を示す断面図である。
ィスク製造用シート1は、スタンパー受容層11と、ス
タンパー受容層11の一方の面(図1では上面)に積層
された剥離シート12と、スタンパー受容層11の他方
の面(図1では下面)に積層されたカバーシート13と
からなる。
成されている凹凸パターンが転写され、ピットまたはグ
ルーブが構成される層である。このスタンパー受容層1
1は、エネルギー線硬化性を有する高分子材料、好まし
くは、側鎖にエネルギー線硬化性基を有するアクリル酸
エステル共重合体、特に好ましくは、官能基含有モノマ
ー単位を有するアクリル系共重合体と、その官能基に結
合する置換基を有する不飽和基含有化合物とを反応させ
て得られる、側鎖にエネルギー線硬化性基を有する分子
量100,000以上のエネルギー線硬化型共重合体を
主成分とし、所望により、光重合開始剤、エネルギー線
硬化性を有しないポリマー成分またはオリゴマー成分、
エネルギー線硬化性の多官能モノマーまたはオリゴマー
成分、架橋剤、その他の添加剤(紫外線吸収剤、可塑
剤、充填剤、酸化防止剤、粘着付与剤、顔料、染料、カ
ップリング剤等)を含有する材料からなる。
率は103〜106Paであり、好ましくは104〜5
×105Paである。
度は、スタンパーと光ディスク製造用シート1とを重ね
合わせる(圧着する)作業環境と同じ温度であるものと
する。すなわち、スタンパーと光ディスク製造用シート
1とを室温で重ね合わせる場合、貯蔵弾性率は、室温下
で測定したものであり、スタンパーと光ディスク製造用
シート1とを加熱下で重ね合わせる場合、貯蔵弾性率
は、加熱温度と同じ温度で測定したものである。
率が上記のような範囲にあると、スタンパーをスタンパ
ー受容層11に圧着するだけで、スタンパーに形成され
ている凹凸パターンがスタンパー受容層11に精密に転
写され、光ディスクの製造が極めて簡単になる。
蔵弾性率は、107Pa以上であるのが好ましく、特
に、108〜1010Paであるのが好ましい。ここ
で、「硬化後の貯蔵弾性率」の測定温度は、光ディスク
の保管環境と同じ温度、すなわち室温であるものとす
る。
率が上記のような範囲にあると、スタンパー受容層11
に転写されたピットやグルーブが硬化によって確実に固
定され、スタンパーとスタンパー受容層11とを分離す
る際に、ピットやグルーブが破壊されたり、変形したり
するおそれがなくなる。
きピットまたはグルーブの深さに応じて決定されるが、
通常は5〜100μm程度であり、好ましくは5〜50
μm程度である。
21のスタンパー受容層11が積層される側の面に形成
された剥離剤層122とから構成される。
されるものではなく、従来の剥離シートにおいて基材と
して使用されているものの中から、任意のものを適宜選
択して用いることができる。このような基材121とし
ては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロ
ピレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリ酢酸ビニルフィル
ムなどの樹脂フィルムを挙げることができる。
ではないが、通常10〜200μm程度であり、好まし
くは25〜75μm程度である。
離タイプの剥離剤(以下「剥離剤K」という。)を塗布
・形成してなる層であり、スタンパー受容層11からの
剥離力は50mN/20mm以下であるのが好ましく、
特に30mN/20mm未満であるのが好ましい。
樹脂、好ましくはシリコーン樹脂を主成分とし、残留接
着率が85%以上、好ましくは90%以上のものであ
る。
は、以下の方法で測定したものである。剥離シートの剥
離剤層と、粘着テープ(日東電工社製,商品名:ポリエ
ステル粘着テープ31B)とを貼り合わせ、9.81mN
/mm2の荷重をかけ、70℃で24時間放置し、さらに
23℃、65%RHの条件下で24時間放置した後、粘
着テープを剥がし、ステンレス板に貼り付ける。この粘
着テープを180°の角度、300mm/分の速度でステ
ンレス板から剥がして、接着力を測定する。このように
して測定した接着力を、剥離シートに接触していない粘
着テープ本来の接着力に対する百分率で表し、残留接着
率とする。
る剥離シートを使用した場合に、硬化時にスタンパー受
容層の凹凸パターン転写面にボイド状の欠点が形成され
ることを見出した。すなわち、残留接着率を大きく低下
させる成分が剥離剤層に含まれない剥離シートを使用し
た場合には、硬化したスタンパー受容層の凹凸パターン
転写面にボイド状の欠点が生じることを防止することが
できる。
しては、例えば、剥離シートの剥離特性を調節するため
に主剤に添加される、シリコーン系の低分子量成分等が
挙げられる。剥離剤としてシリコーン系剥離剤を用いる
場合は、主剤として重合されたシリコーンポリマーの未
反応モノマーや、低重合度のオリゴマーがボイド状の欠
点の発生に影響を及ぼしている可能性がある。
の剥離剤に比べて低剥離力であるため、剥離する際にス
タンパー受容層に対して変形を伴うダメージを与えにく
い。また、剥離速度の条件の観点からも、シリコーン系
の剥離剤を用いた剥離シートは、広く低速から高速にか
けて低剥離力で安定した特性が得られる。このため、光
ディスクの製造工程を自動化する場合であっても、シリ
コーン系剥離剤を使用した剥離シートによれば、製造装
置の能力が制限されず、製造効率を高めることができ
る。
ン系の剥離剤から選択するのが好ましい。シリコーン系
の剥離剤としては、付加反応型シリコーン樹脂および架
橋剤、ならびに所望により触媒、光増感剤、付加反応抑
制剤、密着性向上剤等を含有する付加反応型シリコーン
樹脂組成物を使用するのが好ましい。
ン樹脂を選択することにより、残留接着率を低下させず
に軽剥離タイプの剥離剤を得ることができる。付加反応
型シリコーン樹脂は、特に、加熱処理および紫外線照射
処理により硬化する光硬化性のシリコーン樹脂であるの
が好ましい。
ては、分子中に官能基としてアルケニル基を有するポリ
オルガノシロキサンが好ましく、アルケニル基として
は、例えば、ビニル基、アリル基、メタクリル基、ヘキ
セニル基、ブタジエニル基、ヘキサジエニル基、シクロ
ペンテニル基、シクロペンタジニル基、シクロヘキセニ
ル基等が挙げられ、特に好ましくはビニル基およびアリ
ル基が挙げられる。
くとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するポリオル
ガノシロキサン、具体的には、ジメチルハイドロジェン
シロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイド
ロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末
端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロ
キサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖ポリ
(メチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(ハイドロ
ジェンシルセスキオキサン)等のシリコーン樹脂が挙げ
られる。架橋剤の使用量は、付加反応型シリコーン樹脂
100重量部に対し、通常0.1〜100重量部、好ま
しくは0.3〜50重量部である。
れる。この白金系化合物の例としては、微粒子状白金、
炭素粉末担体上に吸着された微粒子状白金、塩化白金
酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィ
ン錯体、パラジウム、ロジウム触媒等が挙げられる。触
媒の使用量は、付加反応型シリコーン樹脂と架橋剤の合
計量に対し、金属として1〜1000ppm程度であ
る。
硬化型樹脂に通常使用されているものの中から、任意の
ものを適宜選択して用いることができる。この光増感剤
としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン
類、ベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾ
フェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等の
ベンゾフェノン類、アセトフェノン、N,N−ジメチル
アミノアセトフェノン、プロピオフェノン等のアセトフ
ェノン類、(1−ヒドロキシ)シクロヘキシルフェニル
ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノ
ン}等のα−ヒドロキシケトン類、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル−2−モルホリノプロパ
ン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン等のα
−アミノケトン類、ベンジル等のα−ジケトン類、ベン
ジルジメチルアセタール等のα−ジケトンジアルキルア
セタール類、2−アミノアントラキノン等のアントラキ
ノン類、2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサ
ントン類、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の三級
アミン類、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ化合物などが挙げられる。
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その
使用量は、付加反応型シリコーン樹脂と架橋剤との合計
量100重量部に対し、通常0.01〜30重量部、好
ましくは0.05〜20重量部の範囲で選定される。
樹脂組成物に対して室温における保存安定性を付与する
ために用いられる成分であり、具体例としては、3,5
−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−
1−ペンテン−3−オール、3−メチル−3−ペンテン
−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イ
ン、テトラビニルシロキサン環状体、ベンゾトリアゾー
ル等が挙げられる。
には、最初に、剥離剤Kの各成分をそれぞれ所定の割合
で配合し、塗工可能な粘度を有する塗工液を調製する。
このとき使用する有機溶剤としては特に制限はなく、様
々なものを用いることができる。例えばトルエン、ヘキ
サン、ヘプタン等の炭化水素化合物を始め、酢酸エチ
ル、メチルエチルケトンおよびこれらの混合物等が用い
られる。
グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法等
により基材121の表面に塗工する。固形分換算塗工量
は、通常0.01〜3.0g/m2 、好ましくは0.0
2〜1.5g/m2 となるよう適宜調整される。
成分とする場合には、上記のように塗工液を塗工した基
材121を、まず加熱処理により予備硬化させ、次いで
紫外線照射により完全に硬化させるのが好ましい。予備
硬化の加熱温度は、40〜120℃であるのが好まし
く、特に50〜100℃であるのが好ましい。
プ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライド
ランプ、無電極紫外線ランプ等の紫外線ランプを使用す
ることができ、中でも、紫外線発光効率、赤外線照射量
等から基材に対する熱損傷が少なく、かつシリコーン樹
脂の硬化性が良いことを理由に、無電極紫外線ランプを
使用するのが好ましい。
cm、好ましくは50〜360W/cmとする。紫外線照射処
理時の温度については特に制限はなく、インラインにお
いて紫外線照射処理を行うのであれば、加熱処理直後の
加熱された状態や、室温状態などのいずれであってもよ
い。
シート12が積層される側の面にスタンパーの凹凸パタ
ーンが転写される場合には、剥離シート12の剥離剤層
122の表面は、スタンパー受容層11に平滑性を付与
するために、表面粗さ(Ra)が0.1μm以下である
のが好ましい。
光ディスクの受光面やラベル面など、光ディスクの一部
を構成するものである。カバーシート13の材料として
は、カバーシート13が受光面を構成する場合には、情
報読み取りのための光の波長域に対し十分な光透過性を
有するものであればよく、カバーシート13がラベル面
を構成する場合には、ラベル印刷用のインキが定着しや
すい易接着表面を有するものが好ましい。また、いずれ
の場合も、カバーシート13の材料は、光ディスクを容
易に製造するために、剛性や柔軟性が適度にあるものが
好ましく、光ディスクの保管のために、温度に対して安
定なものであるのが好ましい。このような材料として
は、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン等の樹脂を用いることができる。
光ディスクが反りを起こさないよう、光ディスク基板の
線膨張係数とほぼ同じであるのが好ましい。例えば、光
ディスク基板がポリカーボネート樹脂からなる場合に
は、カバーシート13も同じポリカーボネート樹脂から
なるのが好ましい。
種類や光ディスクのその他の構成部位の厚みに応じて決
定されるが、通常は25〜300μm程度であり、好ま
しくは50〜200μm程度である。
1は、スタンパー受容層11を構成する材料と、所望に
よりさらに溶媒とを含有する塗布剤を調製し、キスロー
ルコーター、リバースロールコーター、ナイフコータ
ー、ロールナイフコーター、ダイコーター等の塗工機に
よってカバーシート13上に塗布して乾燥させ、スタン
パー受容層11を形成した後、そのスタンパー受容層1
1の表面に剥離シート12を積層することによって、あ
るいは、上記塗布剤を剥離シート12上に塗布して乾燥
させ、スタンパー受容層11を形成した後、そのスタン
パー受容層11の表面にカバーシート13を積層するこ
とによって得られる。
用した光ディスクの製造方法の一例について説明する。
スク製造用シート1の剥離シート12を剥離除去し、ス
タンパー受容層11を露出させる。
露出したスタンパー受容層11の表面にスタンパーSを
圧着し、スタンパー受容層11にスタンパーSの凹凸パ
ターンを転写する。
パー受容層11にスタンパーSを密着させた状態で、エ
ネルギー線照射装置(図2(b)中では一例としてUV
ランプL)を使用して、カバーシート13側からスタン
パー受容層11に対してエネルギー線を照射する。これ
により、スタンパー受容層11が硬化し、貯蔵弾性率が
上昇する。
パーSをスタンパー受容層11から分離する。このよう
にしてスタンパー受容層11にスタンパーSの凹凸パタ
ーンが転写・固定され、ピットまたはグルーブが形成さ
れるが、本実施形態の光ディスク製造用シート1では、
残留接着率が85%以上である剥離層122を有する剥
離シート12を使用しているため、剥離層122の残留
接着率低下成分がスタンパー受容層11に移行して凹凸
パターン転写面にボイド状の欠点が形成されることが防
止される。
リング等の手段によりスタンパー受容層11の表面に反
射膜4を形成する。反射膜4としては、相変化記録層等
の記録層をさらに含む多層膜であってもよい。
射膜4に接着剤5を介して光ディスク基板3を積層し、
光ディスクとする。
ーシートが積層されておらず、スタンパー受容層の両面
にそれぞれ剥離シートが積層された積層構造であっても
よい。このような構成を有する光ディスク製造用シート
1’の断面図を図3に示す。
は、それぞれの剥離シートが順次スムーズに剥離できる
ように、スタンパー受容層11の一方の面に、上記光デ
ィスク製造用シート1の剥離シート12と同じ剥離シー
ト12(軽剥離タイプ)、スタンパー受容層11の他方
の面に、剥離力の大きい重剥離シート12’が積層され
る。
同様に、基材121’と基材121’のスタンパー受容
層11が積層される側の面に形成された剥離剤層12
2’とから構成される。重剥離シート12’の基材12
1’は、前述の剥離シート12の基材121と同じ材料
から選択できる。基材121’の厚さは、通常10〜2
00μm程度であり、好ましくは25〜75μm程度で
ある。
重剥離タイプの剥離剤(以下「剥離剤J」という。)を
塗布・形成してなる層であり、その剥離力は70〜30
0mN/20mmであるのが好ましく、特に80〜15
0mN/20mmであるのが好ましい。
が85%以上、特に90%以上のものが好ましい。剥離
剤Jの成分としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ア
ルキッド樹脂、長鎖アルキル樹脂等を例示することがで
き、好ましくはシリコーン樹脂を主成分とする。一般的
な重剥離用のシリコーン樹脂は、高い残留接着率を示す
傾向があるため、特に調整することなく剥離剤Jとして
使用できる場合が多い。また、前述した剥離剤Kとして
使用される剥離剤組成物であっても、上記剥離力が得ら
れるように配合を調整すれば、剥離剤Jとして使用する
ことができる。
離シート12と同様の方法で行うことができる。剥離剤
層122’の固形分換算塗工量は、通常0.01〜3.
0g/m2 、好ましくは0.02〜1.5g/m2 となる
よう適宜調整される。
1’を製造するには、スタンパー受容層11を構成する
材料の塗工液を調製し、例えばグラビアコート法、バー
コート法、スプレーコート法等により一方の剥離シート
(剥離シート12または重剥離シート12’)の剥離剤
層上に塗工して乾燥させ、スタンパー受容層11を形成
した後、そのスタンパー受容層11の表面に他方の剥離
シート(重剥離シート12’または剥離シート12)の
剥離剤層が接するようにその剥離シートを積層すればよ
い。
容易にするために記載されたものであって、本発明を限
定するために記載されたものではない。したがって、上
記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲
に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定
されるものではない。
メチルシロキサンと架橋剤であるポリメチルハイドロジ
ェンシロキサンとを主剤とした付加反応型シリコーン樹
脂剥離剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,商
品名:SRX−211)100重量部に、白金系触媒
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,商品名:S
RX−212)を2重量部加え、さらに、その主剤10
0重量部当たり、光増感剤としてのα−ジケトンジアル
キルアセタール類のベンジルジメチルアセタール0.1
重量部を添加し、トルエンを主成分とする有機溶剤で希
釈して固形分濃度1重量%の剥離剤の塗工液を調製し
た。
テレフタレートフィルム(厚さ:38μm)上に、固形
分換算塗工量が0.13g/m2 になるようにグラビア
コート法により均一に塗工した。次いで、50℃の熱風
循環式乾燥機にて20秒間加熱処理したのち、直ちにフ
ュージョン社製のHバルブ240W/cm1灯取付のコ
ンベア式の無電極紫外線照射機(熱線カットフィルター
はハイディフュージョンタイプを使用)により、コンベ
アスピード200m/分の条件で紫外線を照射して剥離
剤を硬化させ、軽剥離シートを作製した。
%、剥離剤層の表面粗さ(Ra)は0.024μmであ
った。
アクリレート62重量部と、メチルメタクリレート10
重量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート28重量
部とを酢酸エチル中で反応させて、官能基にヒドロキシ
ル基を有するアクリル系共重合体の酢酸エチル溶液(固
形分濃度40重量%)を得た。さらに、そのアクリル系
共重合体の酢酸エチル溶液250重量部に、酢酸エチル
100重量部と、置換基にイソシアナート基を有する不
飽和基含有化合物としてのメタクリロイルオキシエチル
イソシアナート30重量部(アクリル系共重合体の2−
ヒドロキシエチルアクリレート100当量に対し80.
5当量)と、触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.
12重量部とを添加し、窒素雰囲気下、室温で24時間
反応させて、エネルギー線硬化型共重合体を得た。この
エネルギー線硬化型共重合体の重量平均分子量(Mw)
は、600,000であった。
形分100重量部に、光重合開始剤である1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリテ
ィ・ケミカルズ株式会社製,商品名:イルガキュア18
4)3.7重量部を溶解させて、固形分濃度を35重量
%に調整し、スタンパー受容層用の塗工剤とした。
ナイフコーターによって上記軽剥離シートの剥離剤層上
に塗工して90℃で1分間乾燥させ、厚さ20μmのス
タンパー受容層を形成した。そして、そのスタンパー受
容層の表面に、ポリカーボネートフィルム(帝人社製,
商品名:ピュアエースC110−80,厚さ:80μ
m)からなるカバーシートを積層し、これを光ディスク
製造用シートとした。
て、軽剥離シートとスタンパー受容層との剥離力は43
mN/20mmであった。また、スタンパー受容層の硬
化前の貯蔵弾性率を、粘弾性測定装置(Rheomet
rics社製,装置名:DYNAMIC ANALYZ
ER RDA II)を用いて1Hzで25℃の値を測定し
たところ、硬化前の貯蔵弾性率は1.4×104Paで
あった。
剥離し、露出したスタンパー受容層の表面にスタンパー
を29Nの圧力で圧着した。そのスタンパー受容層に対
してカバーシート側より紫外線を照射し(リンテック株
式会社製,装置名:Adwill RAD−2000m
/8を使用。照射条件:照度310mW/cm2,光量300
mJ/cm2)、スタンパー受容層を硬化させた。
を、粘弾性測定装置(オリエンテック株式会社製,装置
名:レオパイブロンDDV−II−EP)を用いて3.5
Hzで25℃の値を測定したところ、硬化後の貯蔵弾性
率は6.0×108Paであった。
を分離し、スタンパー受容層の凹凸パターン転写面につ
いて、原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ社
製,装置名:SPI3800N/SPA300HV)に
よりスキャンサイズ2μm×2μmを観察して、スタン
パー受容層表面のボイド状欠点の数を確認した。その結
果を表1に示す。
トの代わりに、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを基材とした重剥離シート(リンテック社
製,商品名:SP−PET3811,残留接着率:85
%,剥離剤層の表面粗さ(Ra):0.029μm)を
スタンパー受容層に積層し、その他は実施例1と同様に
して、スタンパー受容層の両面に剥離シートを設けた光
ディスク製造用シートを製造した。
て、重剥離シートとスタンパー受容層との剥離力は88
mN/20mmであった。
剥離し、露出したスタンパー受容層の表面をポリカーボ
ネートよりなる光ディスク基板(厚さ:1.1mm、外
径120mm)に圧着した。続いて重剥離シートを剥離
し、露出したスタンパー受容層の表面にスタンパーを2
9Nの圧力で圧着した後、光ディスク基板側より実施例
1と同様にして紫外線を照射し、スタンパー受容層を硬
化させた。
を分離し、スタンパー受容層の凹凸パターン転写面につ
いて、原子間力顕微鏡によりスキャンサイズ2μm×2
μmを観察してスタンパー受容層表面のボイド状欠点の
数を確認した。その結果を表1に示す。
塗工液を、硬化型シリコーン樹脂(信越化学工業(株)
製,商品名:KS847H)100重量部、硬化剤(信
越化学工業(株)製,商品名:PL50T)1.0重量
部およびジメチルシリコーンオイル(信越化学工業
(株)製,商品名:KF96H−100万cs)2.5
重量部を含む固形分濃度1%の溶液に調整した以外は、
実施例1と同様にして軽剥離シート、さらには光ディス
ク製造用シートを製造した。この軽剥離シートの残留接
着率は78%であり、剥離剤面の表面粗さ(Ra)は
0.028μmであり、スタンパー受容層との剥離力は
35mN/20mmであった。
の圧着および紫外線の照射を行い、スタンパー受容層表
面のボイド状欠点の数を確認した。その結果を表1に示
す。
塗工液を、硬化型シリコーン樹脂(信越化学工業(株)
製,商品名:KS847H)100重量部、硬化剤(信
越化学工業(株)製,商品名:PL50T)1.0重量
部およびメチルフェニルシリコーンオイル(信越化学工
業(株)製,商品名:KF54)0.30重量部を含む
固形分濃度1%の溶液に調整した以外は、実施例1と同
様にして軽剥離シート、さらには光ディスク製造用シー
トを製造した。この軽剥離シートの残留接着率は76%
であり、剥離剤面の表面粗さ(Ra)は0.030μm
であり、スタンパー受容層との剥離力は30mN/20
mmであった。
の圧着および紫外線の照射を行い、スタンパー受容層表
面のボイド状欠点の数を確認した。その結果を表1に示
す。
製造した軽剥離シートを使用した光ディスク製造用シー
トにおいては、光硬化したスタンパー受容層の凹凸パタ
ーン転写面にはボイド状の欠点は見られず、比較例1,
2で製造した軽剥離シートを使用した光ディスク製造用
シートにおいては、光硬化したスタンパー受容層の凹凸
パターン転写面にボイド状の欠点が見られた。
容層の凹凸パターン転写面にボイド状の欠点が生じるこ
とが防止される。
ートの断面図である。
用した光ディスク製造方法の一例を示す断面図である。
シートの断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 エネルギー線硬化性を有し、硬化前の貯
蔵弾性率が103〜106Paであるスタンパー受容層
と、 前記スタンパー受容層の少なくとも片面に、残留接着率
が85%以上である剥離層を有する剥離シートが積層さ
れていることを特徴とする光ディスク製造用シート。 - 【請求項2】 前記スタンパー受容層の一方の面に、残
留接着率が85%以上であるシリコーン系の剥離層を有
する剥離シートが積層されており、 前記スタンパー受容層の他方の面に、カバーシートが積
層されていることを特徴とする請求項1に記載の光ディ
スク製造用シート。 - 【請求項3】 前記スタンパー受容層の一方の面に、前
記スタンパー受容層との剥離力が50mN/20mm以
下であり、かつ残留接着率が85%以上である剥離層を
有する軽剥離シートが積層されており、 前記スタンパー受容層の他方の面に、前記スタンパー受
容層との剥離力が70〜300mN/20mmであり、
かつ残留接着率が85%以上である剥離層を有する重剥
離シートが積層されていることを特徴とする請求項1に
記載の光ディスク製造用シート。
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