JP2003270610A - 液晶光スイッチとその駆動方法 - Google Patents
液晶光スイッチとその駆動方法Info
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- JP2003270610A JP2003270610A JP2002068324A JP2002068324A JP2003270610A JP 2003270610 A JP2003270610 A JP 2003270610A JP 2002068324 A JP2002068324 A JP 2002068324A JP 2002068324 A JP2002068324 A JP 2002068324A JP 2003270610 A JP2003270610 A JP 2003270610A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光ファイバを用いた波長多重(WDM)通信
方式・光化ネットワークに従来のTN型液晶を備えた液
晶パネルをそのまま液晶光スイッチに用いても、光スイ
ッチの応答時間50m秒よりも短くすることができな
い。 【解決手段】 複数の偏光制御用液晶セルと前記残留複
屈折補償用液晶セルは、一対の基板で狭持された液晶層
をアンチパラレルまたはパラレルのいずれかに配向さ
せ、前記複数の偏光制御用液晶セルのセル厚と該液晶層
のリタデーションの比をほぼ等しくし、且つ前記一対の
基板に接するそれぞれの液晶ダイレクタ方位角をほぼ等
しくし、前記残留複屈折補償用液晶セルと前記偏光制御
用液晶セルのそれぞれの液晶ダイレクタ方位角がほぼ直
交となるように構成した。
方式・光化ネットワークに従来のTN型液晶を備えた液
晶パネルをそのまま液晶光スイッチに用いても、光スイ
ッチの応答時間50m秒よりも短くすることができな
い。 【解決手段】 複数の偏光制御用液晶セルと前記残留複
屈折補償用液晶セルは、一対の基板で狭持された液晶層
をアンチパラレルまたはパラレルのいずれかに配向さ
せ、前記複数の偏光制御用液晶セルのセル厚と該液晶層
のリタデーションの比をほぼ等しくし、且つ前記一対の
基板に接するそれぞれの液晶ダイレクタ方位角をほぼ等
しくし、前記残留複屈折補償用液晶セルと前記偏光制御
用液晶セルのそれぞれの液晶ダイレクタ方位角がほぼ直
交となるように構成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信用偏光制御
型液晶光スイッチとその駆動方法に関し、更に詳しくは
光ファイバを用いた波長多重(WDM)通信方式・光化
ネットワークに用いる偏光制御型液晶光スイッチとその
駆動方法に関する。
型液晶光スイッチとその駆動方法に関し、更に詳しくは
光ファイバを用いた波長多重(WDM)通信方式・光化
ネットワークに用いる偏光制御型液晶光スイッチとその
駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ネマティック液晶を用いた偏光制御型光
変調器は、これまで液晶ディスプレイ用途で実用化が進
んできた。その偏光制御型光変調器で使用される偏光回
転子の代表例として90°ツイステッドネマティック
(TN)型液晶が挙げられる。TN型液晶セルは、基本
的にコントラスト比を大きくするのには適しているが、
そのセル厚が応答速度の2乗に比例するため、応答速度
を高速化するために液晶セル厚を薄くする必要がある。
変調器は、これまで液晶ディスプレイ用途で実用化が進
んできた。その偏光制御型光変調器で使用される偏光回
転子の代表例として90°ツイステッドネマティック
(TN)型液晶が挙げられる。TN型液晶セルは、基本
的にコントラスト比を大きくするのには適しているが、
そのセル厚が応答速度の2乗に比例するため、応答速度
を高速化するために液晶セル厚を薄くする必要がある。
【0003】ここで、λは波長、Δnは液晶の屈折率異
方性、dは液晶セルのセル厚とすると、いわゆるモーガ
ン(Mauguin)条件、λ/2がΔn・dに対して充分に
小さい条件を満たさなくなるためウェーブガイド効果が
小さくなる。その結果、コントラスト比が劣化するとい
う現象が生じる。この問題を解決するために今日の高速
応答TN型ディスプレイは、式 d=(λ/2)・(u/Δn) のモーガンパラメータuを三乗根に設定した液晶ディス
プレイのノーマリーブラックモードで言うファースト
(first: 以下1stと記載する)ミニマム条件にセル
パラメータを決めてセル化をする場合が多い。
方性、dは液晶セルのセル厚とすると、いわゆるモーガ
ン(Mauguin)条件、λ/2がΔn・dに対して充分に
小さい条件を満たさなくなるためウェーブガイド効果が
小さくなる。その結果、コントラスト比が劣化するとい
う現象が生じる。この問題を解決するために今日の高速
応答TN型ディスプレイは、式 d=(λ/2)・(u/Δn) のモーガンパラメータuを三乗根に設定した液晶ディス
プレイのノーマリーブラックモードで言うファースト
(first: 以下1stと記載する)ミニマム条件にセル
パラメータを決めてセル化をする場合が多い。
【0004】前記、1stミニマム条件を採用したTN
型液晶を光ファイバ通信用の2×2スイッチに応用した
例として、参考文献は例えば(Y. Hakamata, T. Yoshiz
awaand T. Kodaira, “A 1.3 μm Single-Mode 2X2 Liq
uid Crystal Optical Switch”, IEICE Trans. Commu
n., Vol. E77-B, No.10 October 1994)がある。この文
献では、シングルモード光ファイバをコリメータで平行
光に変換する入出力部を有し、偏光分離器と全反射ミラ
ーとを一体化したプリズムと波長1.3μm帯で1st
ミニマム条件を満たすように設計された2つの該プリズ
ムで挟持されたTN型液晶からなる2×2スイッチが示
されている。
型液晶を光ファイバ通信用の2×2スイッチに応用した
例として、参考文献は例えば(Y. Hakamata, T. Yoshiz
awaand T. Kodaira, “A 1.3 μm Single-Mode 2X2 Liq
uid Crystal Optical Switch”, IEICE Trans. Commu
n., Vol. E77-B, No.10 October 1994)がある。この文
献では、シングルモード光ファイバをコリメータで平行
光に変換する入出力部を有し、偏光分離器と全反射ミラ
ーとを一体化したプリズムと波長1.3μm帯で1st
ミニマム条件を満たすように設計された2つの該プリズ
ムで挟持されたTN型液晶からなる2×2スイッチが示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記文
献の例でも示されているとおり、光ファイバ通信で用い
られる波長は近赤外域であり、ディスプレイとして用い
る場合の可視域の使用波長(例:緑で550nm)と異
なり1300nm帯や1550nm帯が使用されること
が多い。したがって、その使用波長が長いため、前記セ
ル厚dが結果的に厚くなってしまう。このため、従来の
TN型液晶セルを光ファイバ通信用の偏光制御型光スイ
ッチに使用すると、応答速度が遅くなってしまうことが
問題となる。
献の例でも示されているとおり、光ファイバ通信で用い
られる波長は近赤外域であり、ディスプレイとして用い
る場合の可視域の使用波長(例:緑で550nm)と異
なり1300nm帯や1550nm帯が使用されること
が多い。したがって、その使用波長が長いため、前記セ
ル厚dが結果的に厚くなってしまう。このため、従来の
TN型液晶セルを光ファイバ通信用の偏光制御型光スイ
ッチに使用すると、応答速度が遅くなってしまうことが
問題となる。
【0006】例えば、同期光ネットワーク(SONE
T)や同期デジタルハイアラーキ(SDH)などの規格
では、ネットワークに障害が起こったときに復帰時間と
して50m秒以下であることが規定されている。したが
って、ネットワークシステムの光化が今後進展していく
場合も、従来からのネットワークとの親和性が重要であ
り、光スイッチの応答時間は少なくとも50m秒より短
くする必要が生じる。この様な、前記規格に順ずる偏光
制御型光変調器に、従来のTN型液晶をそのまま液晶光
スイッチに適用することができなかった。以下にその詳
細について述べる。
T)や同期デジタルハイアラーキ(SDH)などの規格
では、ネットワークに障害が起こったときに復帰時間と
して50m秒以下であることが規定されている。したが
って、ネットワークシステムの光化が今後進展していく
場合も、従来からのネットワークとの親和性が重要であ
り、光スイッチの応答時間は少なくとも50m秒より短
くする必要が生じる。この様な、前記規格に順ずる偏光
制御型光変調器に、従来のTN型液晶をそのまま液晶光
スイッチに適用することができなかった。以下にその詳
細について述べる。
【0007】まず、光スイッチの偏光回転子をTN型液
晶技術を用いて実現することを考える。中心波長を光フ
ァイバ通信で多用されている1550nmとした場合、
前記1stミニマム条件を満たすセル厚は、液晶をZL
I−4792(メルクジャパンの商品名)を使用すると
Δn(液晶の屈折率異方性)を0.09としたときに、
液晶セル厚dはほぼ15μmとなる。このとき立ち上が
り応答時間τrは、液晶セルに印加する電場の大きさの
2乗に逆比例する。よって、セル厚が厚くても印加電圧
を大きくすれば50m秒以下にすることが可能となる
が、立ち下り応答時間τdは、液晶のセル厚の2乗に比
例するため、室温近傍において150m秒以上になって
しまい、従来の構成の液晶セルのままでは光通信に用い
られる光スイッチには実用上適さない。
晶技術を用いて実現することを考える。中心波長を光フ
ァイバ通信で多用されている1550nmとした場合、
前記1stミニマム条件を満たすセル厚は、液晶をZL
I−4792(メルクジャパンの商品名)を使用すると
Δn(液晶の屈折率異方性)を0.09としたときに、
液晶セル厚dはほぼ15μmとなる。このとき立ち上が
り応答時間τrは、液晶セルに印加する電場の大きさの
2乗に逆比例する。よって、セル厚が厚くても印加電圧
を大きくすれば50m秒以下にすることが可能となる
が、立ち下り応答時間τdは、液晶のセル厚の2乗に比
例するため、室温近傍において150m秒以上になって
しまい、従来の構成の液晶セルのままでは光通信に用い
られる光スイッチには実用上適さない。
【0008】また、偏光回転子に、液晶セルを0次の半
波長板として用いた光スイッチで実現することを考えた
場合、アンチパラレル又はパラレル配向の液晶セルが半
波長板となるためのセル厚は、 d=λ/(2・Δn) となる。ここで、前記ZLI−4792のΔn=0.0
9とし、中心波長λを1550nmとしたときに、セル
厚dは約8.6μmとなる。この場合、TN型液晶セル
より立ち下り応答時間τdは高速になり、約60m秒が
得られるが50m秒以下とするのは容易でない。
波長板として用いた光スイッチで実現することを考えた
場合、アンチパラレル又はパラレル配向の液晶セルが半
波長板となるためのセル厚は、 d=λ/(2・Δn) となる。ここで、前記ZLI−4792のΔn=0.0
9とし、中心波長λを1550nmとしたときに、セル
厚dは約8.6μmとなる。この場合、TN型液晶セル
より立ち下り応答時間τdは高速になり、約60m秒が
得られるが50m秒以下とするのは容易でない。
【0009】本発明の目的は上記のような課題を解決
し、光ファイバ通信に適用可能な、単純な構造で駆動法
も簡単でアレイ化に適し、更に光減衰器にも応用可能な
偏光制御型液晶光スイッチとその駆動方法を提供するこ
とである。
し、光ファイバ通信に適用可能な、単純な構造で駆動法
も簡単でアレイ化に適し、更に光減衰器にも応用可能な
偏光制御型液晶光スイッチとその駆動方法を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、基本的には、下記に記載されたような技術
構成を採用するものである。
するために、基本的には、下記に記載されたような技術
構成を採用するものである。
【0011】すなはち、本発明において上記課題を解決
するための第1の手段は、複数の偏光制御用液晶セル
と、その複数の偏光制御用液晶セルの間または外側のい
ずれかの位置に配した少なくとも1枚の残留複屈折補償
用液晶セルを含む液晶偏光回転子を備え、前記複数の偏
光制御用液晶セルは、一対の基板で狭持された液晶層を
アンチパラレルまたはパラレルのいずれかに統一して配
向させ、前記複数の偏光制御用液晶セルのセル厚と該液
晶層のリタデーションの比をほぼ等しくし、且つ前記一
対の基板に接するそれぞれの液晶ダイレクタ方位角をほ
ぼ等しくしたセルであり、前記残留複屈折補償用液晶セ
ルは、一対の基板で狭持された液晶層をアンチパラレル
またはパラレルのいずれかに配向させたセルであり、前
記残留複屈折補償用液晶セルと前記偏光制御用液晶セル
のそれぞれの液晶ダイレクタ方位角がほぼ直交となる構
成を採用することである。
するための第1の手段は、複数の偏光制御用液晶セル
と、その複数の偏光制御用液晶セルの間または外側のい
ずれかの位置に配した少なくとも1枚の残留複屈折補償
用液晶セルを含む液晶偏光回転子を備え、前記複数の偏
光制御用液晶セルは、一対の基板で狭持された液晶層を
アンチパラレルまたはパラレルのいずれかに統一して配
向させ、前記複数の偏光制御用液晶セルのセル厚と該液
晶層のリタデーションの比をほぼ等しくし、且つ前記一
対の基板に接するそれぞれの液晶ダイレクタ方位角をほ
ぼ等しくしたセルであり、前記残留複屈折補償用液晶セ
ルは、一対の基板で狭持された液晶層をアンチパラレル
またはパラレルのいずれかに配向させたセルであり、前
記残留複屈折補償用液晶セルと前記偏光制御用液晶セル
のそれぞれの液晶ダイレクタ方位角がほぼ直交となる構
成を採用することである。
【0012】また、第2の手段は、前記液晶偏光回転子
は、その液晶偏光回転子へ入射する所定の波長に対し半
波長板として動作する構成とすることであり、第3の手
段は、前記複数の偏光制御用液晶セルはn個で構成され
ており、各液晶セルにおける液晶層のリタデーション
が、前記所定の波長に対し1/2n波長条件である構成
とすることであり、第4の手段は、前記液晶偏光回転子
の光入射側と光出射側に、偏光分離器を設けた構成とす
ることであり、第5の手段は、前記液晶偏光回転子の光
入射側と光出射側に、偏光分離器と全反射ミラーを設け
た構成とすることであり、第6の手段は、前記各偏光制
御用液晶セルの電極を任意の数に分割して、それぞれ別
々に制御が可能な複数の液晶偏光回転素子部を液晶セル
に設けた構成とすることであり、第7の手段は、前記残
留複屈折補償用液晶セルのリタデーションが、前記偏光
制御用液晶セルの電極にオン電圧を印加した際に発生す
る残留複屈折成分よりも少なくとも大きい構成を採用す
ることである。
は、その液晶偏光回転子へ入射する所定の波長に対し半
波長板として動作する構成とすることであり、第3の手
段は、前記複数の偏光制御用液晶セルはn個で構成され
ており、各液晶セルにおける液晶層のリタデーション
が、前記所定の波長に対し1/2n波長条件である構成
とすることであり、第4の手段は、前記液晶偏光回転子
の光入射側と光出射側に、偏光分離器を設けた構成とす
ることであり、第5の手段は、前記液晶偏光回転子の光
入射側と光出射側に、偏光分離器と全反射ミラーを設け
た構成とすることであり、第6の手段は、前記各偏光制
御用液晶セルの電極を任意の数に分割して、それぞれ別
々に制御が可能な複数の液晶偏光回転素子部を液晶セル
に設けた構成とすることであり、第7の手段は、前記残
留複屈折補償用液晶セルのリタデーションが、前記偏光
制御用液晶セルの電極にオン電圧を印加した際に発生す
る残留複屈折成分よりも少なくとも大きい構成を採用す
ることである。
【0013】さらに、第8の手段は、前記液晶光スイッ
チの駆動方法において、前記複数の偏光制御用液晶セル
に印加する所定の駆動波形の実効値をアナログ変調し、
連続的に偏光回転量および入射光の楕円偏光を制御する
方法を採用することである。
チの駆動方法において、前記複数の偏光制御用液晶セル
に印加する所定の駆動波形の実効値をアナログ変調し、
連続的に偏光回転量および入射光の楕円偏光を制御する
方法を採用することである。
【0014】〔作用〕本発明の偏光制御型液晶光スイッ
チにおける液晶偏光回転子は、同じ光軸方向のアンチパ
ラレルまたはパラレル配向のいずれかに統一された少な
くとも2枚以上の複数の偏光制御用液晶セルを多段に配
置し、位相を補正するための少なくとも1枚以上の残留
複屈折補償用液晶セルを光路に挿入した構造である。
チにおける液晶偏光回転子は、同じ光軸方向のアンチパ
ラレルまたはパラレル配向のいずれかに統一された少な
くとも2枚以上の複数の偏光制御用液晶セルを多段に配
置し、位相を補正するための少なくとも1枚以上の残留
複屈折補償用液晶セルを光路に挿入した構造である。
【0015】この複数の偏光制御用液晶セルの第1から
第k番目までの偏光制御用液晶セルについて、初期配向
時のそれぞれの偏光制御用液晶セルの実効的な屈折率異
方性Δniとセル厚diとの積であるリターデーション
(ここで、iは1からkまでとする)φiの和をセル厚
diで割った値を一定値とし、複数の偏光制御用液晶セ
ルにおける個々のΔnが等しいセルを用いた。また、前
記複数の偏光制御用液晶セルの最も光入射側に位置する
第1の偏光制御用液晶セルの光入射側基板に接する液晶
のダイレクタ方位角を基準としたとき、第i番目の偏光
制御用液晶セルの光入射側基板に接する液晶のダイレク
タ方位角は、第i−1番目の偏光制御用液晶セルの光出
射側基板に接する液晶のダイレクタ方位角にほぼ等しく
なるように配置する。さらに、前記残留複屈折補償用液
晶セルのダイレクタ方向を偏光制御用液晶セルのダイレ
クタ方向にほぼ直交とし、さらにそのセルの液晶層をア
ンチパラレルまたはパラレルのいずれかに統一して配向
した構造とする。なお、前記偏光制御用液晶セルと前記
残留複屈折保証用液晶セルの配向は、アンチパラレル、
パラレルの同じ配向としても構わないし、異なる配向と
しても構わない。
第k番目までの偏光制御用液晶セルについて、初期配向
時のそれぞれの偏光制御用液晶セルの実効的な屈折率異
方性Δniとセル厚diとの積であるリターデーション
(ここで、iは1からkまでとする)φiの和をセル厚
diで割った値を一定値とし、複数の偏光制御用液晶セ
ルにおける個々のΔnが等しいセルを用いた。また、前
記複数の偏光制御用液晶セルの最も光入射側に位置する
第1の偏光制御用液晶セルの光入射側基板に接する液晶
のダイレクタ方位角を基準としたとき、第i番目の偏光
制御用液晶セルの光入射側基板に接する液晶のダイレク
タ方位角は、第i−1番目の偏光制御用液晶セルの光出
射側基板に接する液晶のダイレクタ方位角にほぼ等しく
なるように配置する。さらに、前記残留複屈折補償用液
晶セルのダイレクタ方向を偏光制御用液晶セルのダイレ
クタ方向にほぼ直交とし、さらにそのセルの液晶層をア
ンチパラレルまたはパラレルのいずれかに統一して配向
した構造とする。なお、前記偏光制御用液晶セルと前記
残留複屈折保証用液晶セルの配向は、アンチパラレル、
パラレルの同じ配向としても構わないし、異なる配向と
しても構わない。
【0016】まず、本発明に適用する偏光制御用液晶セ
ルのセル厚dについて考察する。アンチパラレルまたは
パラレル配向型液晶素子で良く知られているように、偏
光制御用液晶セルを所定の波長λにおいてスイッチング
可能な半波長板として用いるときのセル厚の条件は、 d=λ/(2・Δn) (1) となる。dは偏光制御用液晶セルの総セル厚、Δnは電
場無印加時の液晶の屈折率異方性、λは波長である。
ルのセル厚dについて考察する。アンチパラレルまたは
パラレル配向型液晶素子で良く知られているように、偏
光制御用液晶セルを所定の波長λにおいてスイッチング
可能な半波長板として用いるときのセル厚の条件は、 d=λ/(2・Δn) (1) となる。dは偏光制御用液晶セルの総セル厚、Δnは電
場無印加時の液晶の屈折率異方性、λは波長である。
【0017】しかし、本発明の構造では、前述の通り、
光スイッチの光路に残留複屈折補償用液晶セルを挿入す
るので、偏光制御用液晶セルと残留複屈折補償用液晶セ
ルの複合素子からなる液晶偏光回転子が半波長板として
作用する必要がある。したがって、液晶偏光回転子の合
成リターデーションΔnt・dtは、偏光制御用液晶セル
のリターデーションをΔn・dとして、残留複屈折補償
用液晶セルのリターデーションをΔnc・dcとおいたと
き という条件を満たす必要がある。この式から、偏光制御
用液晶セルのセル厚dは、 d=λ/(2・Δn(V1))+(Δnc/Δn(V1))dc (3) を満たすように設定することが好ましい。ここで、Δn
cは残留複屈折補償用液晶セルに補償用電圧Vcを印加
したときの補償動作時の複屈折率であり、dcは残留複
屈折補償用セルの厚さである。また、Δn(V1)は、
偏光制御用液晶セルに電圧V1を印加したときの実効複
屈折率を示している。(2)および(3)式において
は、残留複屈折補償用液晶セルの補償動作時の複屈折率
を異常軸の屈折率から常軸の屈折率を引いた値として定
義するためΔncはいつも正の値である。
光スイッチの光路に残留複屈折補償用液晶セルを挿入す
るので、偏光制御用液晶セルと残留複屈折補償用液晶セ
ルの複合素子からなる液晶偏光回転子が半波長板として
作用する必要がある。したがって、液晶偏光回転子の合
成リターデーションΔnt・dtは、偏光制御用液晶セル
のリターデーションをΔn・dとして、残留複屈折補償
用液晶セルのリターデーションをΔnc・dcとおいたと
き という条件を満たす必要がある。この式から、偏光制御
用液晶セルのセル厚dは、 d=λ/(2・Δn(V1))+(Δnc/Δn(V1))dc (3) を満たすように設定することが好ましい。ここで、Δn
cは残留複屈折補償用液晶セルに補償用電圧Vcを印加
したときの補償動作時の複屈折率であり、dcは残留複
屈折補償用セルの厚さである。また、Δn(V1)は、
偏光制御用液晶セルに電圧V1を印加したときの実効複
屈折率を示している。(2)および(3)式において
は、残留複屈折補償用液晶セルの補償動作時の複屈折率
を異常軸の屈折率から常軸の屈折率を引いた値として定
義するためΔncはいつも正の値である。
【0018】ここで、上記(2)式を満たし、全ての偏
光制御用液晶セルのダイレクタ方位角を同じくし、多段
に配した複数の偏光制御用液晶セルの作用について説明
する。本発明の液晶光スイッチは、それぞれの偏光制御
用液晶セルの電極に小バイアス電圧V1を印加した場合
は、半波長板条件と光学的には等価となる。したがっ
て、所定の波長で第1の偏光制御用液晶セルの入射側ダ
イレクタ方位角とπ/4かその奇数倍だけ傾いた方位角
を持つ入射直線偏光は、第k番目の偏光制御用液晶セル
の出射側で楕円偏光となることなく、入射直線偏光の方
位角に対して出射直線偏光の方位角をπ/2ラジアン回
転させることができる。
光制御用液晶セルのダイレクタ方位角を同じくし、多段
に配した複数の偏光制御用液晶セルの作用について説明
する。本発明の液晶光スイッチは、それぞれの偏光制御
用液晶セルの電極に小バイアス電圧V1を印加した場合
は、半波長板条件と光学的には等価となる。したがっ
て、所定の波長で第1の偏光制御用液晶セルの入射側ダ
イレクタ方位角とπ/4かその奇数倍だけ傾いた方位角
を持つ入射直線偏光は、第k番目の偏光制御用液晶セル
の出射側で楕円偏光となることなく、入射直線偏光の方
位角に対して出射直線偏光の方位角をπ/2ラジアン回
転させることができる。
【0019】それに対し、第1から第k番目の各偏光制
御用液晶セルに所定の大バイアス電圧V2を印加した場
合は、各偏光制御用液晶セルのリターデーションが小さ
くなり、更に各偏光制御用液晶セルの残留複屈折分を残
留複屈折補償用液晶セルでほぼ消失することができるた
め、入射直線偏光は、方位角を回転することなく第k番
目の偏光制御用セルから出射させることができる。した
がって、本発明の偏光制御型液晶光スイッチにおいては
出射側に偏光ビームスプリッタや複屈折結晶を用いた偏
光ビームセパレータなどを配置し、上述の如く印加する
電圧V1、電圧V2を制御することで、入射直線偏光の
方路変更および所定の出射方向への出射光強度を可変と
することが可能となり、光スイッチに適用できる。
御用液晶セルに所定の大バイアス電圧V2を印加した場
合は、各偏光制御用液晶セルのリターデーションが小さ
くなり、更に各偏光制御用液晶セルの残留複屈折分を残
留複屈折補償用液晶セルでほぼ消失することができるた
め、入射直線偏光は、方位角を回転することなく第k番
目の偏光制御用セルから出射させることができる。した
がって、本発明の偏光制御型液晶光スイッチにおいては
出射側に偏光ビームスプリッタや複屈折結晶を用いた偏
光ビームセパレータなどを配置し、上述の如く印加する
電圧V1、電圧V2を制御することで、入射直線偏光の
方路変更および所定の出射方向への出射光強度を可変と
することが可能となり、光スイッチに適用できる。
【0020】次に、本発明の液晶光スイッチの応答速度
について説明する。簡単のため、液晶偏光回転子が、等
しいセル厚みを持つ2枚の偏光制御用液晶セルと、残留
複屈折補償用液晶セルで合成したリターデーション(Δ
nt・dt)が2分の1波長板条件からなる本発明の偏光
制御型の液晶光スイッチとした場合について考察する。
について説明する。簡単のため、液晶偏光回転子が、等
しいセル厚みを持つ2枚の偏光制御用液晶セルと、残留
複屈折補償用液晶セルで合成したリターデーション(Δ
nt・dt)が2分の1波長板条件からなる本発明の偏光
制御型の液晶光スイッチとした場合について考察する。
【0021】従来の偏光制御用液晶セル1枚からなる半
波長板液晶セルにおいて、セル厚dは(1)式の通り、 d=λ/(2・Δn) としている。本発明の偏光回転子が2枚のほぼ4分の1
波長板条件の偏光制御用液晶セルからなる偏光制御型液
晶光スイッチの場合は、2枚の偏光制御用液晶セルでセ
ル厚dを2分割できるため、一枚あたりのセル厚をほぼ
d/2とすることができる。アンチパラレルまたはパラ
レル配向の半波長条件の液晶セルにおいて、電場無印加
から電場印加時の立ち上がり応答時間τrは、印加電圧
をVとすると近似的に τr が(d/V)2に比例する という関係が知られている。また、電場印加状態から電
場無印加時の立ち下り応答時間(τd)は、近似で τd が d2に比例する ことが知られている。したがって、従来技術と比較して
本発明の液晶偏光回転子が2枚のほぼ4分の1波長板条
件の偏光制御用液晶セルと残留複屈折補償用液晶セルか
らなる偏光制御型液晶光スイッチの場合、同一液晶材料
で比較すると、それぞれの応答速度を4倍程度にまで高
速にできる。ここで、厚み方向の分割数を増やして、一
枚あたりのセル厚を薄くすればさらに高速化が可能とな
り、従来技術における構成では達成できなかった立ち上
がり応答時間τrと、立ち下り応答時間τdをともに2
0m秒以下にすることが容易となる。
波長板液晶セルにおいて、セル厚dは(1)式の通り、 d=λ/(2・Δn) としている。本発明の偏光回転子が2枚のほぼ4分の1
波長板条件の偏光制御用液晶セルからなる偏光制御型液
晶光スイッチの場合は、2枚の偏光制御用液晶セルでセ
ル厚dを2分割できるため、一枚あたりのセル厚をほぼ
d/2とすることができる。アンチパラレルまたはパラ
レル配向の半波長条件の液晶セルにおいて、電場無印加
から電場印加時の立ち上がり応答時間τrは、印加電圧
をVとすると近似的に τr が(d/V)2に比例する という関係が知られている。また、電場印加状態から電
場無印加時の立ち下り応答時間(τd)は、近似で τd が d2に比例する ことが知られている。したがって、従来技術と比較して
本発明の液晶偏光回転子が2枚のほぼ4分の1波長板条
件の偏光制御用液晶セルと残留複屈折補償用液晶セルか
らなる偏光制御型液晶光スイッチの場合、同一液晶材料
で比較すると、それぞれの応答速度を4倍程度にまで高
速にできる。ここで、厚み方向の分割数を増やして、一
枚あたりのセル厚を薄くすればさらに高速化が可能とな
り、従来技術における構成では達成できなかった立ち上
がり応答時間τrと、立ち下り応答時間τdをともに2
0m秒以下にすることが容易となる。
【0022】更に、本発明の液晶スイッチを構成する液
晶偏光回転子は、偏光制御用液晶セルに電圧を印加した
ときに残る残留複屈折成分を光路に挿入する残留複屈折
補償用液晶セルにより、等価的に0に近づけることがで
きる。このため、光スイッチのクロストークアッテネー
ションを低減することが可能である。
晶偏光回転子は、偏光制御用液晶セルに電圧を印加した
ときに残る残留複屈折成分を光路に挿入する残留複屈折
補償用液晶セルにより、等価的に0に近づけることがで
きる。このため、光スイッチのクロストークアッテネー
ションを低減することが可能である。
【0023】以上の説明で明らかなように、本発明の液
晶光スイッチとその駆動方法では、単純な構成で簡便な
駆動方法により高機能な光スイッチおよび可変光減衰器
を実現できる。また、本発明の目的は、光ファイバを用
いた波長多重(WDM)通信や光化ネットワークに用い
る偏光制御型液晶光スイッチとその駆動方法を提供する
ことだが、本発明の範囲はここに述べる装置により限定
されないで、例えば自由空間光通信装置用の液晶光変調
器への応用も可能であることは言うまでもない。
晶光スイッチとその駆動方法では、単純な構成で簡便な
駆動方法により高機能な光スイッチおよび可変光減衰器
を実現できる。また、本発明の目的は、光ファイバを用
いた波長多重(WDM)通信や光化ネットワークに用い
る偏光制御型液晶光スイッチとその駆動方法を提供する
ことだが、本発明の範囲はここに述べる装置により限定
されないで、例えば自由空間光通信装置用の液晶光変調
器への応用も可能であることは言うまでもない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を実施
するための最良な形態における液晶光スイッチおよび液
晶可変光減衰器とその駆動方法の構成を説明する。
するための最良な形態における液晶光スイッチおよび液
晶可変光減衰器とその駆動方法の構成を説明する。
【0025】はじめに本発明の実施形態における液晶光
スイッチの構成を、図を用いて説明する。図2は本発明
の実施形態における液晶光スイッチを構成する液晶セル
220の構成を説明するための構造断面図を示す。
スイッチの構成を、図を用いて説明する。図2は本発明
の実施形態における液晶光スイッチを構成する液晶セル
220の構成を説明するための構造断面図を示す。
【0026】図2に示すように、本発明の液晶制御型光
スイッチの偏光制御用および残留複屈折補償用に用いる
液晶セル220は、信号電極211を形成した第1の基
板203と共通電極213を形成した第2の基板205
の間にネマティック液晶層201を挟持することにより
構成している。このネマティック液晶層201は、第1
の基板203の信号電極211の上と第2の基板205
の共通電極213の上とに形成した配向層217によっ
て電場無印加時のポジ(p)型液晶分子のダイレクタ2
07のプレティルト角209が、0.5度から20度と
なるようにアンチパラレル配向とする。ここで、配向層
217はポリイミドで形成し、ラビング法により液晶分
子を所定の方向に配向させる。また図2では、アンチパ
ラレル配向の場合を示したがダイレクタ207はパラレ
ル配向としても良い。
スイッチの偏光制御用および残留複屈折補償用に用いる
液晶セル220は、信号電極211を形成した第1の基
板203と共通電極213を形成した第2の基板205
の間にネマティック液晶層201を挟持することにより
構成している。このネマティック液晶層201は、第1
の基板203の信号電極211の上と第2の基板205
の共通電極213の上とに形成した配向層217によっ
て電場無印加時のポジ(p)型液晶分子のダイレクタ2
07のプレティルト角209が、0.5度から20度と
なるようにアンチパラレル配向とする。ここで、配向層
217はポリイミドで形成し、ラビング法により液晶分
子を所定の方向に配向させる。また図2では、アンチパ
ラレル配向の場合を示したがダイレクタ207はパラレ
ル配向としても良い。
【0027】図2には明示しないが、第1の基板203
と第2の基板205は、ネマティック液晶層201が数
μmの所定の一定厚みを保持するようにスペーサを介し
て液晶セル220周辺部をシール材で固定する。また図
2には示していないが、信号電極211と共通電極21
3が短絡するのを防ぐために、信号電極211の上か共
通電極213の上または両方に五酸化タンタル(Ta2
O5)や二酸化シリコン(SiO2)などの透明絶縁膜
を配向層217の下に形成しても良い。
と第2の基板205は、ネマティック液晶層201が数
μmの所定の一定厚みを保持するようにスペーサを介し
て液晶セル220周辺部をシール材で固定する。また図
2には示していないが、信号電極211と共通電極21
3が短絡するのを防ぐために、信号電極211の上か共
通電極213の上または両方に五酸化タンタル(Ta2
O5)や二酸化シリコン(SiO2)などの透明絶縁膜
を配向層217の下に形成しても良い。
【0028】第1の基板203上に形成する信号電極2
11と第2の基板205上に形成する共通電極213
は、アレイ化する場合など必要に応じて透明導電膜から
なる所定のパターンを形成する。透明導電膜として酸化
インジウムスズ(ITO)を用いる時は、膜厚を50n
m以下とし、さらに、近赤外域での透過率を向上するた
めに、成膜時に酸素濃度を多くしたシート抵抗数百Ωか
ら1kΩ程度の膜を使用することが望ましい。これは、
通常低抵抗のITOが可視光領域だと透明であるが近赤
外領域では、入射光の振動数が低抵抗のITOのプラズ
マ周波数より低い振動数となり、金属的な反射特性を示
すためである。酸素濃度の高い高抵抗のITOでは、キ
ャリヤ濃度が小さくなる分だけ近赤外領域の反射率を小
さくする事が出来る。ITOのほかに透明導電膜として
は、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(Sn
O2)、酸化亜鉛(ZnO)などの薄膜が使用可能であ
る。この場合も、膜厚は50nm以下として、シート抵
抗数は数百Ωから1kΩ程度の膜を使うことが望まし
い。
11と第2の基板205上に形成する共通電極213
は、アレイ化する場合など必要に応じて透明導電膜から
なる所定のパターンを形成する。透明導電膜として酸化
インジウムスズ(ITO)を用いる時は、膜厚を50n
m以下とし、さらに、近赤外域での透過率を向上するた
めに、成膜時に酸素濃度を多くしたシート抵抗数百Ωか
ら1kΩ程度の膜を使用することが望ましい。これは、
通常低抵抗のITOが可視光領域だと透明であるが近赤
外領域では、入射光の振動数が低抵抗のITOのプラズ
マ周波数より低い振動数となり、金属的な反射特性を示
すためである。酸素濃度の高い高抵抗のITOでは、キ
ャリヤ濃度が小さくなる分だけ近赤外領域の反射率を小
さくする事が出来る。ITOのほかに透明導電膜として
は、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(Sn
O2)、酸化亜鉛(ZnO)などの薄膜が使用可能であ
る。この場合も、膜厚は50nm以下として、シート抵
抗数は数百Ωから1kΩ程度の膜を使うことが望まし
い。
【0029】ガラスからなる第1の基板203および第
2の基板205のネマティック液晶層201と反対の面
には、空気と基板界面での反射を防止するため必要に応
じて無反射コート215を形成する。また、図2では無
反射コート215は第1の基板203上だけに形成した
場合を示したが、第2の基板205の下にも必要に応じ
て形成する。
2の基板205のネマティック液晶層201と反対の面
には、空気と基板界面での反射を防止するため必要に応
じて無反射コート215を形成する。また、図2では無
反射コート215は第1の基板203上だけに形成した
場合を示したが、第2の基板205の下にも必要に応じ
て形成する。
【0030】次に本発明の液晶偏光回転子に用いる偏光
制御用液晶セルを、セル厚およびプレティルト角の等し
いアンチパラレル配向液晶セル2段で構成した場合につ
いて図3および図4を用いて説明する。図3は第1の偏
光制御用液晶セル301と第2の偏光制御用液晶セル3
03および残留複屈折補償用液晶セル331から構成し
た液晶偏光回転子317を模式的に示す。
制御用液晶セルを、セル厚およびプレティルト角の等し
いアンチパラレル配向液晶セル2段で構成した場合につ
いて図3および図4を用いて説明する。図3は第1の偏
光制御用液晶セル301と第2の偏光制御用液晶セル3
03および残留複屈折補償用液晶セル331から構成し
た液晶偏光回転子317を模式的に示す。
【0031】図3において、第1の偏光制御用液晶セル
301は、第1のガラス基板319と第2のガラス基板
321とで第1の液晶層305を挟持した構造とする。
また、第2の偏光制御用液晶セル303は、第3のガラ
ス基板323と第4のガラス基板325とで第2の液晶
層307を挟持した構造とする。第1の液晶セル301
の第1のセル厚みd1と第2の液晶セル303の第2の
セル厚みd2は等しくする。さらに、第1の液晶セル30
1と第2の液晶セル303との間に残留複屈折補償用液
晶セル331を配置する。残留複屈折補償用液晶セル3
31は第5のガラス基板327と第6のガラス基板32
9とで第3の液晶層306を挟持した構造とする。本実
施例では第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光
制御用液晶セル303との間に前記残留複屈折補償用液
晶セル331を配置する例を示したが、液晶偏光回転子
317の光路内であれば、第1の偏光制御用液晶セル3
01の直前や第2の偏光制御用液晶セル303の直後な
どに配置しても構わない。また、図3には明示しない
が、第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光制御
用液晶セル303および残留複屈折補償用液晶セル33
1は、図2で説明した液晶セル220と同じ構成とす
る。
301は、第1のガラス基板319と第2のガラス基板
321とで第1の液晶層305を挟持した構造とする。
また、第2の偏光制御用液晶セル303は、第3のガラ
ス基板323と第4のガラス基板325とで第2の液晶
層307を挟持した構造とする。第1の液晶セル301
の第1のセル厚みd1と第2の液晶セル303の第2の
セル厚みd2は等しくする。さらに、第1の液晶セル30
1と第2の液晶セル303との間に残留複屈折補償用液
晶セル331を配置する。残留複屈折補償用液晶セル3
31は第5のガラス基板327と第6のガラス基板32
9とで第3の液晶層306を挟持した構造とする。本実
施例では第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光
制御用液晶セル303との間に前記残留複屈折補償用液
晶セル331を配置する例を示したが、液晶偏光回転子
317の光路内であれば、第1の偏光制御用液晶セル3
01の直前や第2の偏光制御用液晶セル303の直後な
どに配置しても構わない。また、図3には明示しない
が、第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光制御
用液晶セル303および残留複屈折補償用液晶セル33
1は、図2で説明した液晶セル220と同じ構成とす
る。
【0032】図3における第1の液晶層305と第2の
液晶層307および第3の液晶層306中の矢印は、液
晶分子の配向状態を示すためのものであり、液晶のダイ
レクタを模式的に示したものである。ここで、第1の偏
光制御用液晶セル301において、第1のガラス基板3
19と第1の液晶層305との界面を第1の界面309
とし、同様に第2のガラス基板321と第1の液晶層3
05との界面を第2の界面311とする。さらに第2の
偏光制御用液晶セル303において、第3のガラス基板
323と第2の液晶層307との界面を第3の界面31
3とし、第4のガラス基板325と第2の液晶層307
との界面を第4の界面315とする。さらに残留複屈折
補償用液晶セル331において、第5のガラス基板32
7と第3の液晶層306との界面を第5の界面333と
し、第6のガラス基板329と第3の液晶層306との
界面を第6の界面335とする。
液晶層307および第3の液晶層306中の矢印は、液
晶分子の配向状態を示すためのものであり、液晶のダイ
レクタを模式的に示したものである。ここで、第1の偏
光制御用液晶セル301において、第1のガラス基板3
19と第1の液晶層305との界面を第1の界面309
とし、同様に第2のガラス基板321と第1の液晶層3
05との界面を第2の界面311とする。さらに第2の
偏光制御用液晶セル303において、第3のガラス基板
323と第2の液晶層307との界面を第3の界面31
3とし、第4のガラス基板325と第2の液晶層307
との界面を第4の界面315とする。さらに残留複屈折
補償用液晶セル331において、第5のガラス基板32
7と第3の液晶層306との界面を第5の界面333と
し、第6のガラス基板329と第3の液晶層306との
界面を第6の界面335とする。
【0033】ここで、x−y−z座標系において、x軸
の正の方向からy軸の正の方向に時計回りの方向を正の
方位角とした場合に、第1の偏光制御用液晶セル301
の第1の界面309側の液晶ダイレクタの方位角をπ/
4ラジアンにとり、厚み方向をz軸に平行となるように
選ぶことにする。
の正の方向からy軸の正の方向に時計回りの方向を正の
方位角とした場合に、第1の偏光制御用液晶セル301
の第1の界面309側の液晶ダイレクタの方位角をπ/
4ラジアンにとり、厚み方向をz軸に平行となるように
選ぶことにする。
【0034】次に各界面309,311,333,33
5,313,315での液晶ダイレクタの方向を、それ
ぞれ図4(a)〜(d)、図5(a)〜(b)の平面図
に示す。以下、図3と図4とを交互に参照しながら説明
する。図4(a)に示す第1の界面309においては、
第1の液晶ダイレクタ401のx軸から測った方位角α
1をπ/4ラジアンとし、図3に示す第1の偏光制御用
液晶セル301は、アンチパラレル配向としてあるの
で、図4(b)に示す第2の界面311においては、第
2の液晶ダイレクタ403の方位角α2もπ/4ラジア
ンとなる。次に図4(c)における第3の界面313の
第3の液晶ダイレクタ405の方位角α3は、第2の液
晶ダイレクタ403と平行にするため、π/4ラジアン
となり、図3に示すように第2の偏光制御用液晶セル3
03もアンチパラレル配向としてあるので、図4(d)
における第4の界面315における第4の液晶ダイレク
タ407の方位角α4はπ/4ラジアンとなる。さら
に、図5(a)に示すように、第5の界面333の第5
の液晶ダイレクタ421の方位角α5は、隣接する第2
の液晶ダイレクタ403と直交させるため、x軸に対し
て−π/4ラジアンとなり、図3に示すように残留複屈
折補償用液晶セル331もアンチパラレル配向としてあ
るので、図5(b)における第6の界面335における
第6の液晶ダイレクタ423の方位角α6は−π/4ラ
ジアンとなる。
5,313,315での液晶ダイレクタの方向を、それ
ぞれ図4(a)〜(d)、図5(a)〜(b)の平面図
に示す。以下、図3と図4とを交互に参照しながら説明
する。図4(a)に示す第1の界面309においては、
第1の液晶ダイレクタ401のx軸から測った方位角α
1をπ/4ラジアンとし、図3に示す第1の偏光制御用
液晶セル301は、アンチパラレル配向としてあるの
で、図4(b)に示す第2の界面311においては、第
2の液晶ダイレクタ403の方位角α2もπ/4ラジア
ンとなる。次に図4(c)における第3の界面313の
第3の液晶ダイレクタ405の方位角α3は、第2の液
晶ダイレクタ403と平行にするため、π/4ラジアン
となり、図3に示すように第2の偏光制御用液晶セル3
03もアンチパラレル配向としてあるので、図4(d)
における第4の界面315における第4の液晶ダイレク
タ407の方位角α4はπ/4ラジアンとなる。さら
に、図5(a)に示すように、第5の界面333の第5
の液晶ダイレクタ421の方位角α5は、隣接する第2
の液晶ダイレクタ403と直交させるため、x軸に対し
て−π/4ラジアンとなり、図3に示すように残留複屈
折補償用液晶セル331もアンチパラレル配向としてあ
るので、図5(b)における第6の界面335における
第6の液晶ダイレクタ423の方位角α6は−π/4ラ
ジアンとなる。
【0035】この様な構成とすることで、前記液晶パネ
ルの偏光制御用液晶セル301,303を小電圧V1印
加状態とし、残留複屈折補償用セル331に所定の電圧
Vcを印加することで図4(a)における入射直線偏光
410を、図4(d)における出射直線偏光413で示
すように方位角をπ/2ラジアン回転させることができ
る。また、前記液晶パネルの偏光制御用液晶セル30
1,303を大電圧V2印加状態とし、残留複屈折補償
用セル331に所定の電圧Vcを印加することで、前記
方位角を回転させることなく出射させることができるこ
とがわかる。
ルの偏光制御用液晶セル301,303を小電圧V1印
加状態とし、残留複屈折補償用セル331に所定の電圧
Vcを印加することで図4(a)における入射直線偏光
410を、図4(d)における出射直線偏光413で示
すように方位角をπ/2ラジアン回転させることができ
る。また、前記液晶パネルの偏光制御用液晶セル30
1,303を大電圧V2印加状態とし、残留複屈折補償
用セル331に所定の電圧Vcを印加することで、前記
方位角を回転させることなく出射させることができるこ
とがわかる。
【0036】ここまででは、等しいセル厚を持った2枚
の偏光制御用液晶セル301,303および残留複屈折
補償用液晶セル331で液晶偏光回転子317を構成す
る場合を説明したが、偏光制御用液晶セルを3枚以上の
k枚で本発明を構成することもできる。この場合、その
全セル厚dは、第1のセル厚d1から第kのセル厚dkと
おいたとき、 d=d1+d2+...dk (4) となる。使用する液晶材料の異常光屈折率をne、常光
屈折率をnoとしたとき局所実効異常光屈折率δn
effは、液晶のティルト角をθとしたとき、 δneff=(sin2θ/no 2+cos2θ/ne 2)-1/2 (5) となる。実際の液晶セル内では局所実効異常光屈折率δ
neffは、印加電場とセルの厚み方向の関数となるた
め、液晶セル厚をdとしたとき、一枚の液晶セル全体と
しての実効異常光屈折率neff(V)はある所定の電圧
Vにおいて、(5)式をセル厚方向に0からdまで積分
した次式(6)の値となる。 neff(V)=∫δneffdz(∫はz=0からdまで) (6) ここで、本発明の液晶光スイッチにおける各偏光制御用
液晶セルの実効複屈折率Δn(V)は、電圧の関数であ
り、 Δn(V)=neff(V)−no (7) とおくことが出来る。したがって、所定の波長λにおい
て3枚以上の液晶セルで構成された全セル厚dtは、前
記(3)式 dt=λ/(2・Δn(V1))+(Δnc/Δn(V1))dc (3) を満たすようにする。ここで、Δncは残留複屈折補償
用液晶セルの補償動作時の複屈折率であり、dcは残留
複屈折補償用液晶セルの厚さである。
の偏光制御用液晶セル301,303および残留複屈折
補償用液晶セル331で液晶偏光回転子317を構成す
る場合を説明したが、偏光制御用液晶セルを3枚以上の
k枚で本発明を構成することもできる。この場合、その
全セル厚dは、第1のセル厚d1から第kのセル厚dkと
おいたとき、 d=d1+d2+...dk (4) となる。使用する液晶材料の異常光屈折率をne、常光
屈折率をnoとしたとき局所実効異常光屈折率δn
effは、液晶のティルト角をθとしたとき、 δneff=(sin2θ/no 2+cos2θ/ne 2)-1/2 (5) となる。実際の液晶セル内では局所実効異常光屈折率δ
neffは、印加電場とセルの厚み方向の関数となるた
め、液晶セル厚をdとしたとき、一枚の液晶セル全体と
しての実効異常光屈折率neff(V)はある所定の電圧
Vにおいて、(5)式をセル厚方向に0からdまで積分
した次式(6)の値となる。 neff(V)=∫δneffdz(∫はz=0からdまで) (6) ここで、本発明の液晶光スイッチにおける各偏光制御用
液晶セルの実効複屈折率Δn(V)は、電圧の関数であ
り、 Δn(V)=neff(V)−no (7) とおくことが出来る。したがって、所定の波長λにおい
て3枚以上の液晶セルで構成された全セル厚dtは、前
記(3)式 dt=λ/(2・Δn(V1))+(Δnc/Δn(V1))dc (3) を満たすようにする。ここで、Δncは残留複屈折補償
用液晶セルの補償動作時の複屈折率であり、dcは残留
複屈折補償用液晶セルの厚さである。
【0037】また、偏光制御用液晶セルに小電圧V1を
印加して、残留複屈折補償用液晶セルに所定の電圧Vc
を印加し、液晶偏光回転子が前記(3)式の条件を満た
す場合、前記液晶偏光回転子は、光学的には良く知られ
ているように、水晶などの光学結晶で作製した0次の半
波長板と等価となる。(参考文献:例えばPochi Yehand
Claire Gu, Optics of Liquid Crystal Displays, Wil
ey, 1999)
印加して、残留複屈折補償用液晶セルに所定の電圧Vc
を印加し、液晶偏光回転子が前記(3)式の条件を満た
す場合、前記液晶偏光回転子は、光学的には良く知られ
ているように、水晶などの光学結晶で作製した0次の半
波長板と等価となる。(参考文献:例えばPochi Yehand
Claire Gu, Optics of Liquid Crystal Displays, Wil
ey, 1999)
【0038】また、偏光制御用液晶セル2枚で構成され
た液晶偏光回転子と同様に、第1から第2kまでの界面
での液晶ダイレクタの方位角αkは、第1の液晶ダイレ
クタの方位角α1と全て等しくする必要がある。例え
ば、 α1=π/4ラジアンとしたときに α1=α2 α2=α3 ... α2k-1=α2k となるように設定する。上記の様に、(3)式を満た
し、かつ3枚以上の複数の偏光制御用液晶セルのそれぞ
れのダイレクタの方位角をほぼ同一とすることで、2枚
の偏光制御用液晶セルで構成された液晶偏光回転子と同
じ様に、偏光制御型液晶光スイッチに適用できることが
わかった。なお、作用欄での説明の如く、3枚以上の偏
光制御用液晶セルであっても本発明の構成とすれば、そ
の分一枚のセル厚を薄くして応答速度を高速化できる。
その応答速度を考慮して、n個の偏光制御用液晶セルで
本発明の液晶偏向回転子を構成した場合に、各偏光制御
用液晶セルのリタデーションをほぼ1/2n波長とする
形態が最も好ましい。
た液晶偏光回転子と同様に、第1から第2kまでの界面
での液晶ダイレクタの方位角αkは、第1の液晶ダイレ
クタの方位角α1と全て等しくする必要がある。例え
ば、 α1=π/4ラジアンとしたときに α1=α2 α2=α3 ... α2k-1=α2k となるように設定する。上記の様に、(3)式を満た
し、かつ3枚以上の複数の偏光制御用液晶セルのそれぞ
れのダイレクタの方位角をほぼ同一とすることで、2枚
の偏光制御用液晶セルで構成された液晶偏光回転子と同
じ様に、偏光制御型液晶光スイッチに適用できることが
わかった。なお、作用欄での説明の如く、3枚以上の偏
光制御用液晶セルであっても本発明の構成とすれば、そ
の分一枚のセル厚を薄くして応答速度を高速化できる。
その応答速度を考慮して、n個の偏光制御用液晶セルで
本発明の液晶偏向回転子を構成した場合に、各偏光制御
用液晶セルのリタデーションをほぼ1/2n波長とする
形態が最も好ましい。
【0039】次に、本発明の液晶偏光回転子の具体的な
構成について詳細に説明する。図3において、液晶偏光
回転子317を構成する偏光制御用液晶セルの全セル厚
dtは、半波長板として機能するセル厚d0に残留複屈折
補償用液晶セルを補正するための補正セル厚dcpを足し
たものと考えることが出来、前述の(3)式と同じ、 dt=d0+dcp =λ/(2・Δn(V1))+(Δnc/Δn(V1))dc となる。
構成について詳細に説明する。図3において、液晶偏光
回転子317を構成する偏光制御用液晶セルの全セル厚
dtは、半波長板として機能するセル厚d0に残留複屈折
補償用液晶セルを補正するための補正セル厚dcpを足し
たものと考えることが出来、前述の(3)式と同じ、 dt=d0+dcp =λ/(2・Δn(V1))+(Δnc/Δn(V1))dc となる。
【0040】ここで、残留複屈折補償用液晶セル331
においては、偏光制御用液晶セル301,303に所定
の電圧を印加したときに残る残留複屈折成分を等価的に
キャンセルできれば良いので、例えば残留複屈折補償用
液晶セル331にリターデーションΔnc・dcが14分
の1波長となる電圧を印加する設計例について説明す
る。はじめに、偏光制御用液晶セルを2枚構成とし、残
留複屈折補償用液晶セルを1枚とする。ここで、各液晶
セルの厚みは3枚とも同じでdとする。先に示したよう
に液晶偏光回転子の見かけ上の全厚みdtと見かけ上の
全複屈折ntの積である見かけ上のリターデーションは
(2)式の関係を満たせば良い。 ここで、先の仮定によりΔnc・dcはλ/14である。
においては、偏光制御用液晶セル301,303に所定
の電圧を印加したときに残る残留複屈折成分を等価的に
キャンセルできれば良いので、例えば残留複屈折補償用
液晶セル331にリターデーションΔnc・dcが14分
の1波長となる電圧を印加する設計例について説明す
る。はじめに、偏光制御用液晶セルを2枚構成とし、残
留複屈折補償用液晶セルを1枚とする。ここで、各液晶
セルの厚みは3枚とも同じでdとする。先に示したよう
に液晶偏光回転子の見かけ上の全厚みdtと見かけ上の
全複屈折ntの積である見かけ上のリターデーションは
(2)式の関係を満たせば良い。 ここで、先の仮定によりΔnc・dcはλ/14である。
【0041】各液晶セルは、中心波長λを1550n
m、プレティルト角を1°として、例えば液晶材料にZ
LI−4792(メルクジャパンの商品名)を用いた場
合、Δnは約0.09である。またこのとき、λ/14
は約0.111[μm]となり、上記式(2)によると、 d=9.8 [μm] となる。したがって、液晶偏光回転子317を2枚の偏
光制御用液晶セルで構成する場合、第1の液晶セル30
1のセル厚d1および第2の液晶セル303のセル厚d2
は、少なくとも、 d1=d2=4.9 [μm] と設定すれば良いことがわかる。ここでは、d1=d2
=5[μm]として若干のバイアスV1を印加すること
で、液晶偏光回転子317を半波長板として動作させる
ことを考える。これは、バイアスを印加することで、温
度等が変化してもバイアスの制御によって液晶セルのリ
ターデーションの変化を最小とし、液晶偏光回転子31
7を常時半波長板として動作することに役立つ。
m、プレティルト角を1°として、例えば液晶材料にZ
LI−4792(メルクジャパンの商品名)を用いた場
合、Δnは約0.09である。またこのとき、λ/14
は約0.111[μm]となり、上記式(2)によると、 d=9.8 [μm] となる。したがって、液晶偏光回転子317を2枚の偏
光制御用液晶セルで構成する場合、第1の液晶セル30
1のセル厚d1および第2の液晶セル303のセル厚d2
は、少なくとも、 d1=d2=4.9 [μm] と設定すれば良いことがわかる。ここでは、d1=d2
=5[μm]として若干のバイアスV1を印加すること
で、液晶偏光回転子317を半波長板として動作させる
ことを考える。これは、バイアスを印加することで、温
度等が変化してもバイアスの制御によって液晶セルのリ
ターデーションの変化を最小とし、液晶偏光回転子31
7を常時半波長板として動作することに役立つ。
【0042】つぎに、前記構成における偏光制御用およ
び残留複屈折率補償用液晶セルに印加する最適なバイア
ス値について説明する。図9は液晶セル厚を5μmとし
たときの液晶セル一枚あたりの駆動電圧―リターデーシ
ョン(Δn・d)特性を示すグラフである。
び残留複屈折率補償用液晶セルに印加する最適なバイア
ス値について説明する。図9は液晶セル厚を5μmとし
たときの液晶セル一枚あたりの駆動電圧―リターデーシ
ョン(Δn・d)特性を示すグラフである。
【0043】中心波長1550nmにおいて、2枚の偏
光制御用液晶セル301および303への小バイアスV
1印加時は、液晶偏光回転子317全体のリターデーシ
ョンΔnt・dtを1.55[μm]の半分の約0.78
[μm]とする必要がある。したがって、(2)式を変形
して、 となる。この結果、図9のグラフから2枚で構成される
偏光制御用液晶セル1枚に対して、バイアスV1は、Δ
n(V1)・d1が0.443[μm]となる1.8[V]
を印加すれば良いことがわかる。また、仮定より、残留
複屈折補正用液晶セル331のリターデーションは、λ
/14で約0.111[μm]であり、セル厚dcはd1お
よびd2と等しいとしたので同じ図9のグラフから、残
留複屈折補償用液晶セル331には、電圧4.8[V]を
常時印加すれば良いことがわかる。
光制御用液晶セル301および303への小バイアスV
1印加時は、液晶偏光回転子317全体のリターデーシ
ョンΔnt・dtを1.55[μm]の半分の約0.78
[μm]とする必要がある。したがって、(2)式を変形
して、 となる。この結果、図9のグラフから2枚で構成される
偏光制御用液晶セル1枚に対して、バイアスV1は、Δ
n(V1)・d1が0.443[μm]となる1.8[V]
を印加すれば良いことがわかる。また、仮定より、残留
複屈折補正用液晶セル331のリターデーションは、λ
/14で約0.111[μm]であり、セル厚dcはd1お
よびd2と等しいとしたので同じ図9のグラフから、残
留複屈折補償用液晶セル331には、電圧4.8[V]を
常時印加すれば良いことがわかる。
【0044】以上のように構成した液晶偏光回転子31
7の偏光制御用液晶セル301および303に、図9よ
り求めた小バイアス1.8[V]を印加した場合を考え
る。図4(a)における第1の界面309の第1の液晶
ダイレクタ401に対して方位角が−π/4だけ傾いた
方位角β1=0ラジアンの入射直線偏光410を入射す
ると、図4(d)における第4の界面315の平面を出
射する出射直線偏光413は第4の液晶ダイレクタ40
7に対して+π/4だけ傾いた方位角β2=π/2ラジ
アンで振動する直線偏光とすることができる。つまり、
2枚の第1および第2の偏光制御用液晶セル301,3
03と複屈折補償用液晶セル331からなる液晶偏光回
転子317は、入射直線偏光410を方位角π/2回転
だけさせて出射直線偏光413に偏光を回転する0次の
半波長板の働きをすることがわかる。
7の偏光制御用液晶セル301および303に、図9よ
り求めた小バイアス1.8[V]を印加した場合を考え
る。図4(a)における第1の界面309の第1の液晶
ダイレクタ401に対して方位角が−π/4だけ傾いた
方位角β1=0ラジアンの入射直線偏光410を入射す
ると、図4(d)における第4の界面315の平面を出
射する出射直線偏光413は第4の液晶ダイレクタ40
7に対して+π/4だけ傾いた方位角β2=π/2ラジ
アンで振動する直線偏光とすることができる。つまり、
2枚の第1および第2の偏光制御用液晶セル301,3
03と複屈折補償用液晶セル331からなる液晶偏光回
転子317は、入射直線偏光410を方位角π/2回転
だけさせて出射直線偏光413に偏光を回転する0次の
半波長板の働きをすることがわかる。
【0045】つぎに、作用欄で説明した、光スイッチの
クロストークアッテネーションについて説明するため
に、図8における本発明の複屈折板に0次の半波長板条
件で作製した液晶偏光回転子特性803と、従来技術の
1stミニマム条件で作製した90°TN型偏光回転子
特性801のアイソレーション特性の比較を示す。図8
は、出射直線偏光413に直交する漏れ光成分の波長依
存性を示している。前述の通り、本発明の構成で小バイ
アス1.8[V]を印加した場合、アイソレーション特
性が理想的な偏光回転子として機能すれば、図4(a)
における入射直線偏光410は、図4(d)における出
射直線偏光413に全て変換されるはずである。しかし
ながら、実際は出射直線偏光413に直交する成分も同
時に生じてしまい、光スイッチのクロストーク成分とな
ってしまう。
クロストークアッテネーションについて説明するため
に、図8における本発明の複屈折板に0次の半波長板条
件で作製した液晶偏光回転子特性803と、従来技術の
1stミニマム条件で作製した90°TN型偏光回転子
特性801のアイソレーション特性の比較を示す。図8
は、出射直線偏光413に直交する漏れ光成分の波長依
存性を示している。前述の通り、本発明の構成で小バイ
アス1.8[V]を印加した場合、アイソレーション特
性が理想的な偏光回転子として機能すれば、図4(a)
における入射直線偏光410は、図4(d)における出
射直線偏光413に全て変換されるはずである。しかし
ながら、実際は出射直線偏光413に直交する成分も同
時に生じてしまい、光スイッチのクロストーク成分とな
ってしまう。
【0046】一例として、実用的に考えてアイソレーシ
ョンが−30dBより大きくなる波長範囲を動作波長範
囲と見なして比較した場合、中心波長を1550[nm]
で比べたときに、従来技術の90°TN型偏光回転子特
性801の−30dB範囲810が約80[nm]に対し
て、本発明の半波長板型の液晶偏光回転子特性803に
おける−30dB範囲813は、約60[nm]と3/4
位となっているが、両者とも十分な帯域を持っているた
め、光スイッチとしての動作上の問題はない。よって、
半波長板として機能する本発明の光スイッチは、全セル
厚dをTN型と比較しておよそ1/31/2だけ薄く出
来る特長から、特に高速スイッチが必要な場合はこの半
波長板型の構成が適していることがわかる。
ョンが−30dBより大きくなる波長範囲を動作波長範
囲と見なして比較した場合、中心波長を1550[nm]
で比べたときに、従来技術の90°TN型偏光回転子特
性801の−30dB範囲810が約80[nm]に対し
て、本発明の半波長板型の液晶偏光回転子特性803に
おける−30dB範囲813は、約60[nm]と3/4
位となっているが、両者とも十分な帯域を持っているた
め、光スイッチとしての動作上の問題はない。よって、
半波長板として機能する本発明の光スイッチは、全セル
厚dをTN型と比較しておよそ1/31/2だけ薄く出
来る特長から、特に高速スイッチが必要な場合はこの半
波長板型の構成が適していることがわかる。
【0047】次に、本発明の光スイッチとして駆動する
ための具体的な方法について詳述する。まず、第1と第
2の偏光制御用液晶セル301,303に十分大きな電
場を印加した場合の動作を説明する。第1の液晶セル3
01と第2の液晶セル303に十分大きな所定の電圧V
2を印加した場合、各セルの液晶分子は、電場方向に並
ぶため異方性が小さくなる。図9は液晶セル厚を5μm
としたときの液晶セル一枚あたりの駆動電圧―リターデ
ーション(Δn・d)特性901を示すグラフであり、
中心波長1550nmにおいて、14分の1波長の複屈
折補正量を与える電圧Vcを印加した複屈折補償用液晶
セル331を用いた場合のリターデーションは0.11
1[μm]であるから、二枚で構成される偏光制御用液晶
セルでは一枚あたり0.055[μm]の補正が必要とな
る。また、このときに偏光制御用液晶セル301,30
3には、図9より印加電圧V2として8.9[V]を印加
すれば良いことがわかる。したがって、このとき液晶偏
光回転子317全体では、常光と異常光との区別が無く
なり複屈折に起因する位相差を生じなくなる。この結
果、入射直線偏光410は、出射しても方位角を入射時
とおなじ0ラジアンとすることができる。
ための具体的な方法について詳述する。まず、第1と第
2の偏光制御用液晶セル301,303に十分大きな電
場を印加した場合の動作を説明する。第1の液晶セル3
01と第2の液晶セル303に十分大きな所定の電圧V
2を印加した場合、各セルの液晶分子は、電場方向に並
ぶため異方性が小さくなる。図9は液晶セル厚を5μm
としたときの液晶セル一枚あたりの駆動電圧―リターデ
ーション(Δn・d)特性901を示すグラフであり、
中心波長1550nmにおいて、14分の1波長の複屈
折補正量を与える電圧Vcを印加した複屈折補償用液晶
セル331を用いた場合のリターデーションは0.11
1[μm]であるから、二枚で構成される偏光制御用液晶
セルでは一枚あたり0.055[μm]の補正が必要とな
る。また、このときに偏光制御用液晶セル301,30
3には、図9より印加電圧V2として8.9[V]を印加
すれば良いことがわかる。したがって、このとき液晶偏
光回転子317全体では、常光と異常光との区別が無く
なり複屈折に起因する位相差を生じなくなる。この結
果、入射直線偏光410は、出射しても方位角を入射時
とおなじ0ラジアンとすることができる。
【0048】更に駆動時には、液晶偏光回転子317に
電場を印加する場合、第1の偏光制御用液晶セル301
と第2の偏光制御用液晶セル303に同時に十分大きな
電圧V2(前記の例においては8.9[V])を印加す
るようにする。また、液晶偏光回転子317を小バイア
スV1印加状態(前記の例の場合は1.8[V])にす
る場合も、第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏
光制御用液晶セル303へ印加している電場を同時に取
り去るようにする。このような駆動方法を採用すること
で、スイッチング時間は厚さを分割した偏光制御用液晶
セル301および303で決められるため、液晶偏光回
転子317の高速スイッチングが可能となる。
電場を印加する場合、第1の偏光制御用液晶セル301
と第2の偏光制御用液晶セル303に同時に十分大きな
電圧V2(前記の例においては8.9[V])を印加す
るようにする。また、液晶偏光回転子317を小バイア
スV1印加状態(前記の例の場合は1.8[V])にす
る場合も、第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏
光制御用液晶セル303へ印加している電場を同時に取
り去るようにする。このような駆動方法を採用すること
で、スイッチング時間は厚さを分割した偏光制御用液晶
セル301および303で決められるため、液晶偏光回
転子317の高速スイッチングが可能となる。
【0049】以上の説明で明らかなように本発明の液晶
偏光回転子を用いた偏光制御型液晶光スイッチにおいて
は、偏光回転時(小バイアス1.8[V]印加)の入射直
線偏光が偏光回転後に楕円偏光となることがなく、光学
特性を最適にすることが可能であるとともに、偏光非回
転時(電場印加時)も入射直線偏光が楕円偏光となるこ
とがなく光学特性を最適にすることが可能であり、さら
に応答時間を短縮することが可能となる。
偏光回転子を用いた偏光制御型液晶光スイッチにおいて
は、偏光回転時(小バイアス1.8[V]印加)の入射直
線偏光が偏光回転後に楕円偏光となることがなく、光学
特性を最適にすることが可能であるとともに、偏光非回
転時(電場印加時)も入射直線偏光が楕円偏光となるこ
とがなく光学特性を最適にすることが可能であり、さら
に応答時間を短縮することが可能となる。
【0050】(実施例1)次に前記偏光制御型の液晶光
スイッチの全体の構成について図1を用いて詳細に説明
する。図1は本発明の偏光制御型の液晶光スイッチ32
0を模式的に示す図である。
スイッチの全体の構成について図1を用いて詳細に説明
する。図1は本発明の偏光制御型の液晶光スイッチ32
0を模式的に示す図である。
【0051】前記液晶偏光回転子317は、第1の偏光
制御用液晶セル301と第2の偏光制御用液晶セル30
3および残留複屈折補償用液晶セル331とから構成す
る。第1の偏光制御用液晶セル301には、第1の信号
源131を第1のスイッチ135を介して接続する。同
様に第2の偏光制御用液晶セル303には、第2の信号
源133を第2のスイッチ137を介して接続する。図
1では理解しやすくするため、偏光制御用液晶セルへの
信号電圧V2の印加、小バイアスV1印加の制御をそれ
ぞれ第1のスイッチ135と第2のスイッチ137のオ
ンとオフに対応させて説明するが、実際はスイッチの代
りに信号源をトランジスタやダイオードまたはICを用
いて電子的に制御することは言うまでもない。また、図
には明示しないが残留複屈折補償用液晶セルにも常時電
圧Vcを印加する外部電源を接続する。
制御用液晶セル301と第2の偏光制御用液晶セル30
3および残留複屈折補償用液晶セル331とから構成す
る。第1の偏光制御用液晶セル301には、第1の信号
源131を第1のスイッチ135を介して接続する。同
様に第2の偏光制御用液晶セル303には、第2の信号
源133を第2のスイッチ137を介して接続する。図
1では理解しやすくするため、偏光制御用液晶セルへの
信号電圧V2の印加、小バイアスV1印加の制御をそれ
ぞれ第1のスイッチ135と第2のスイッチ137のオ
ンとオフに対応させて説明するが、実際はスイッチの代
りに信号源をトランジスタやダイオードまたはICを用
いて電子的に制御することは言うまでもない。また、図
には明示しないが残留複屈折補償用液晶セルにも常時電
圧Vcを印加する外部電源を接続する。
【0052】本発明の偏光制御型の液晶光スイッチ32
0は、第1の偏光分離器121と第2の偏光分離器12
3とで液晶偏光回転子317の第1の領域145を両側
から挟む構成とする。また、第1の全反射ミラー125
と第2の全反射ミラー127とで液晶偏光回転子317
の第2の領域147を両側から挟む構造とし、液晶光ス
イッチ320は、入力Aおよび入力Bと出力Cおよび出
力Dを備え、2×2の光スイッチの構成とすることがで
きる。なお、前記偏向分離器と全反射ミラーの位置は図
1に示す構成に限らず、第1の領域145の光出射側に
全反射ミラー127を、第2の領域147の光出射側に
第2の偏向分離器123を配した構成としても構わな
い。この構成とすることで、本発明の液晶光スイッチ3
20に入射する、入力A,Bと、出力C,Dの全ての光
路長を同じとすることができる。
0は、第1の偏光分離器121と第2の偏光分離器12
3とで液晶偏光回転子317の第1の領域145を両側
から挟む構成とする。また、第1の全反射ミラー125
と第2の全反射ミラー127とで液晶偏光回転子317
の第2の領域147を両側から挟む構造とし、液晶光ス
イッチ320は、入力Aおよび入力Bと出力Cおよび出
力Dを備え、2×2の光スイッチの構成とすることがで
きる。なお、前記偏向分離器と全反射ミラーの位置は図
1に示す構成に限らず、第1の領域145の光出射側に
全反射ミラー127を、第2の領域147の光出射側に
第2の偏向分離器123を配した構成としても構わな
い。この構成とすることで、本発明の液晶光スイッチ3
20に入射する、入力A,Bと、出力C,Dの全ての光
路長を同じとすることができる。
【0053】次に本発明の液晶光スイッチ320の動作
について説明する。以下では、残留複屈折補償用液晶セ
ル331の作用が偏光制御用液晶セル301および30
3の残留複屈折成分を除去するためであり、スイッチン
グ特性の動作説明には本質的でないため残留複屈折補償
用液晶セル331の働きを省略して説明する。はじめ
に、液晶偏光回転子317を構成する第1の偏光制御用
液晶セル301と第2の偏光制御用液晶セル303とに
小バイアスV1印加で液晶偏光回転子317が偏光を回
転する作用をする場合を、図1を用いて説明する。
について説明する。以下では、残留複屈折補償用液晶セ
ル331の作用が偏光制御用液晶セル301および30
3の残留複屈折成分を除去するためであり、スイッチン
グ特性の動作説明には本質的でないため残留複屈折補償
用液晶セル331の働きを省略して説明する。はじめ
に、液晶偏光回転子317を構成する第1の偏光制御用
液晶セル301と第2の偏光制御用液晶セル303とに
小バイアスV1印加で液晶偏光回転子317が偏光を回
転する作用をする場合を、図1を用いて説明する。
【0054】まず、入力Aに第1の入力光101を入射
することを考える。図1には明示しないが第1の入力光
101は、光ファイバから出射した光をコリメータで平
行光とした光とする。第1の入力光101は、第1の偏
光分離器121に対するP偏光となる第1の直線偏光1
03とS偏光となる第2の直線偏光105とに分けて考
える。以降は、P偏光を図面上、垂直か水平の矢印で示
し、S偏光を図面上、斜めの矢印で示すことにする。
することを考える。図1には明示しないが第1の入力光
101は、光ファイバから出射した光をコリメータで平
行光とした光とする。第1の入力光101は、第1の偏
光分離器121に対するP偏光となる第1の直線偏光1
03とS偏光となる第2の直線偏光105とに分けて考
える。以降は、P偏光を図面上、垂直か水平の矢印で示
し、S偏光を図面上、斜めの矢印で示すことにする。
【0055】第1の偏光分離器121に入射した第1の
直線偏光103は、P偏光のため第1の偏光分離器12
1を透過し、液晶偏光回転子317の第1の領域145
を通る第1の光路141に従って液晶偏光回転子317
中を進む。第1の直線偏光103は、液晶偏光回転子3
17を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第2
の偏光制御用液晶セル303が小バイアスV1印加状態
であり、図1に図示しないが、P偏光の方位角と第1の
偏光制御用液晶セル301の入射側の液晶ダイレクタの
方位角とのなす角が45°のため、第1の領域145を
出射したときは、方位角を90°回転してS偏光とな
る。S偏光となった第1の直線偏光103は、第2の偏
光分離器123で進行方向を直角に変えて出力Dから出
射する。
直線偏光103は、P偏光のため第1の偏光分離器12
1を透過し、液晶偏光回転子317の第1の領域145
を通る第1の光路141に従って液晶偏光回転子317
中を進む。第1の直線偏光103は、液晶偏光回転子3
17を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第2
の偏光制御用液晶セル303が小バイアスV1印加状態
であり、図1に図示しないが、P偏光の方位角と第1の
偏光制御用液晶セル301の入射側の液晶ダイレクタの
方位角とのなす角が45°のため、第1の領域145を
出射したときは、方位角を90°回転してS偏光とな
る。S偏光となった第1の直線偏光103は、第2の偏
光分離器123で進行方向を直角に変えて出力Dから出
射する。
【0056】一方、入力Aに入った第2の直線偏光10
5は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直角に向
きを変えて第1の全反射ミラー125に入射し、更に直
角に向きを変えてS偏光のまま液晶偏光回転子317の
第2の領域147を通る第2の光路143に従って液晶
偏光回転子317中を伝搬する。第2の直線偏光105
は、液晶偏光回転子317を構成する第1の偏光制御用
液晶セル301と第2の偏光制御用液晶セル303が小
バイアスV1印加状態であり、第2の領域147を出射
したときは、液晶偏光回転子317が半波長板として働
くため方位角を90°回転してP偏光となる。
5は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直角に向
きを変えて第1の全反射ミラー125に入射し、更に直
角に向きを変えてS偏光のまま液晶偏光回転子317の
第2の領域147を通る第2の光路143に従って液晶
偏光回転子317中を伝搬する。第2の直線偏光105
は、液晶偏光回転子317を構成する第1の偏光制御用
液晶セル301と第2の偏光制御用液晶セル303が小
バイアスV1印加状態であり、第2の領域147を出射
したときは、液晶偏光回転子317が半波長板として働
くため方位角を90°回転してP偏光となる。
【0057】第2の領域147を出射した第2の直線偏
光105は、第2の全反射ミラー127で直角に向きを
変え、更に第2の偏光分離器123では向きを変えるこ
となく透過するため、出力DにP偏光として到達する。
したがって、出力Dでは、第1の領域145を伝搬して
S偏光となった第1の直線偏光103と、第2の領域1
45を伝搬してP偏光となった第2の直線偏光105と
を合成した第1の出力光113として出射する。第1の
出力光113は、図示しないが必要に応じてコリメータ
レンズを介して光ファイバと結合する。
光105は、第2の全反射ミラー127で直角に向きを
変え、更に第2の偏光分離器123では向きを変えるこ
となく透過するため、出力DにP偏光として到達する。
したがって、出力Dでは、第1の領域145を伝搬して
S偏光となった第1の直線偏光103と、第2の領域1
45を伝搬してP偏光となった第2の直線偏光105と
を合成した第1の出力光113として出射する。第1の
出力光113は、図示しないが必要に応じてコリメータ
レンズを介して光ファイバと結合する。
【0058】次に、入力Bに入射した第2の入力光10
7について考える。第2の入力光107は、第1の偏光
分離器121に対するP偏光となる第3の直線偏光10
9とS偏光となる第4の直線偏光111とに分けて考え
る。
7について考える。第2の入力光107は、第1の偏光
分離器121に対するP偏光となる第3の直線偏光10
9とS偏光となる第4の直線偏光111とに分けて考え
る。
【0059】第1の偏光分離器121に入射した第3の
直線偏光109は、P偏光のため第1の偏光分離器12
1を透過し、第1の全反射ミラー125で直角に向きを
変えて液晶偏光回転子317の第2の領域147を通る
第2の光路143に従って液晶偏光回転子317中を進
む。第3の直線偏光109は、液晶偏光回転子317を
構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光
制御用液晶セル303が小バイアスV1印加状態であ
り、図1に図示しないがP偏光の方位角と、第1の偏光
制御用液晶セル301における入射側の液晶ダイレクタ
の方位角との成す角が45°のため、第2の領域147
を出射したときは、方位角を90°回転してS偏光とな
る。S偏光となった第3の直線偏光109は、第2の全
反射ミラー127で直角に向きを変え、更に第2の偏光
分離器123に入射する。しかし、S偏光のため第2の
偏光分離器123で進行方向を直角に変えて出力Cから
出射する。
直線偏光109は、P偏光のため第1の偏光分離器12
1を透過し、第1の全反射ミラー125で直角に向きを
変えて液晶偏光回転子317の第2の領域147を通る
第2の光路143に従って液晶偏光回転子317中を進
む。第3の直線偏光109は、液晶偏光回転子317を
構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光
制御用液晶セル303が小バイアスV1印加状態であ
り、図1に図示しないがP偏光の方位角と、第1の偏光
制御用液晶セル301における入射側の液晶ダイレクタ
の方位角との成す角が45°のため、第2の領域147
を出射したときは、方位角を90°回転してS偏光とな
る。S偏光となった第3の直線偏光109は、第2の全
反射ミラー127で直角に向きを変え、更に第2の偏光
分離器123に入射する。しかし、S偏光のため第2の
偏光分離器123で進行方向を直角に変えて出力Cから
出射する。
【0060】一方、入力Bに入った第4の直線偏光11
1は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直角に向
きを変えて、S偏光のまま液晶偏光回転子317の第1
の領域145を通る第1の光路141に従って偏光回転
子317中を伝搬する。
1は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直角に向
きを変えて、S偏光のまま液晶偏光回転子317の第1
の領域145を通る第1の光路141に従って偏光回転
子317中を伝搬する。
【0061】第4の直線偏光111は、液晶偏光回転子
317を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第
2の液晶セル303が小バイアスV1印加状態であり、
第1の領域145を出射したときは、液晶偏光回転子3
17が半波長板として働くため、方位角を90°回転し
てP偏光となる。第1の領域145を出射した第4の直
線偏光111は、第2の偏光分離器123で向きを変え
ることなく透過するため、出力CにP偏光として到達す
る。したがって、出力Cでは、第2の領域147を伝搬
してS偏光となった第3の直線偏光109と、第1の領
域145を伝搬してP偏光となった第4の直線偏光11
1とを合成した第2の出力光115として出射する。第
2の出力光115は、図示しないが必要に応じてコリメ
ータレンズを介して光ファイバと結合する。
317を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第
2の液晶セル303が小バイアスV1印加状態であり、
第1の領域145を出射したときは、液晶偏光回転子3
17が半波長板として働くため、方位角を90°回転し
てP偏光となる。第1の領域145を出射した第4の直
線偏光111は、第2の偏光分離器123で向きを変え
ることなく透過するため、出力CにP偏光として到達す
る。したがって、出力Cでは、第2の領域147を伝搬
してS偏光となった第3の直線偏光109と、第1の領
域145を伝搬してP偏光となった第4の直線偏光11
1とを合成した第2の出力光115として出射する。第
2の出力光115は、図示しないが必要に応じてコリメ
ータレンズを介して光ファイバと結合する。
【0062】次に、図1における第1の信号源131の
第1のスイッチ135と、第2の信号源133の第2の
スイッチ137とをオン状態とし、液晶偏光回転子31
7を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第2の
偏光制御用液晶セル303とに十分大きな電圧V2(駆
動電圧)を印加して液晶偏光回転子317が偏光回転し
ない場合について説明する。
第1のスイッチ135と、第2の信号源133の第2の
スイッチ137とをオン状態とし、液晶偏光回転子31
7を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第2の
偏光制御用液晶セル303とに十分大きな電圧V2(駆
動電圧)を印加して液晶偏光回転子317が偏光回転し
ない場合について説明する。
【0063】まず、入力Aに第1の入力光101を入射
することを考える。第1の入力光101は、第1の偏光
分離器121に対するP偏光となる第1の直線偏光10
3とS偏光となる第2の直線偏光105とに分けて考え
る。
することを考える。第1の入力光101は、第1の偏光
分離器121に対するP偏光となる第1の直線偏光10
3とS偏光となる第2の直線偏光105とに分けて考え
る。
【0064】第1の偏光分離器121に入射した第1の
直線偏光103は、P偏光のため第1の偏光分離器12
1を透過し、液晶偏光回転子317の第1の領域145
を通る第1の光路141に従って液晶偏光回転子317
中を進む。第1の直線偏光103は、液晶偏光回転子3
17を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第2
の偏光制御用液晶セル303が駆動電圧V2の印加状態
であり、液晶偏光回転子317では方位角の回転が起こ
らないため、第1の領域145を出射したときもP偏光
のままである。したがって、第1の直線偏光103は、
第2の偏光分離器123をそのまま透過して出力Cから
出射する。
直線偏光103は、P偏光のため第1の偏光分離器12
1を透過し、液晶偏光回転子317の第1の領域145
を通る第1の光路141に従って液晶偏光回転子317
中を進む。第1の直線偏光103は、液晶偏光回転子3
17を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第2
の偏光制御用液晶セル303が駆動電圧V2の印加状態
であり、液晶偏光回転子317では方位角の回転が起こ
らないため、第1の領域145を出射したときもP偏光
のままである。したがって、第1の直線偏光103は、
第2の偏光分離器123をそのまま透過して出力Cから
出射する。
【0065】一方、入力Aに入った第2の直線偏光10
5は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直角に向
きを変えて第1の全反射ミラー125に入射し、更に直
角に向きを変えてS偏光のまま液晶偏光回転子317の
第2の領域147を通る第2の光路143に従って液晶
偏光回転子317中を伝搬する。
5は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直角に向
きを変えて第1の全反射ミラー125に入射し、更に直
角に向きを変えてS偏光のまま液晶偏光回転子317の
第2の領域147を通る第2の光路143に従って液晶
偏光回転子317中を伝搬する。
【0066】第2の直線偏光105は、液晶偏光回転子
317を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第
2の偏光制御用液晶セル303が駆動電圧V2印加状態
であり、第2の領域147を出射したときも、偏光状態
を変えずにS偏光のままである。したがって、第2の領
域147を出射した第2の直線偏光105は、第2の全
反射ミラー127で直角に向きを変え、更に第2の偏光
分離器123で直角に向きを変えて、出力CにS偏光の
まま到達する。したがって、出力Cでは、第1の領域1
45を伝搬してP偏光である第1の直線偏光103と、
第2の領域147を伝搬してS偏光である第2の直線偏
光105とを合成した第2の出力光115として出射す
る。第2の出力光115は、図示しないが必要に応じて
コリメータレンズを介して光ファイバと結合する。
317を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第
2の偏光制御用液晶セル303が駆動電圧V2印加状態
であり、第2の領域147を出射したときも、偏光状態
を変えずにS偏光のままである。したがって、第2の領
域147を出射した第2の直線偏光105は、第2の全
反射ミラー127で直角に向きを変え、更に第2の偏光
分離器123で直角に向きを変えて、出力CにS偏光の
まま到達する。したがって、出力Cでは、第1の領域1
45を伝搬してP偏光である第1の直線偏光103と、
第2の領域147を伝搬してS偏光である第2の直線偏
光105とを合成した第2の出力光115として出射す
る。第2の出力光115は、図示しないが必要に応じて
コリメータレンズを介して光ファイバと結合する。
【0067】次に、入力Bに入射した第2の入力光10
7について考える。第2の入力光107は、第1の偏光
分離器121に対するP偏光となる第3の直線偏光10
9とS偏光となる第4の直線偏光111とに分けて考え
る。第1の偏光分離器121に入射した第3の直線偏光
109は、P偏光のため第1の偏光分離器121を透過
し、第1の全反射ミラー125で直角に向きを変えて液
晶偏光回転子317の第2の領域147を通る第2の光
路143に従って液晶偏光回転子317中を進む。
7について考える。第2の入力光107は、第1の偏光
分離器121に対するP偏光となる第3の直線偏光10
9とS偏光となる第4の直線偏光111とに分けて考え
る。第1の偏光分離器121に入射した第3の直線偏光
109は、P偏光のため第1の偏光分離器121を透過
し、第1の全反射ミラー125で直角に向きを変えて液
晶偏光回転子317の第2の領域147を通る第2の光
路143に従って液晶偏光回転子317中を進む。
【0068】第3の直線偏光109は、液晶偏光回転子
317を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第
2の偏光制御用液晶セル303が駆動電圧V2印加状態
であり、偏光回転機能を消失しているため、第2の領域
147を出射したときもP偏光を維持している。第2の
領域147を出射した第3の直線偏光109は、第2の
全反射ミラー127で直角に向きを変え、次に第2の偏
光分離器123に入射する。しかし、P偏光のため第2
の偏光分離機123をそのまま透過して出力Dから出射
する。
317を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第
2の偏光制御用液晶セル303が駆動電圧V2印加状態
であり、偏光回転機能を消失しているため、第2の領域
147を出射したときもP偏光を維持している。第2の
領域147を出射した第3の直線偏光109は、第2の
全反射ミラー127で直角に向きを変え、次に第2の偏
光分離器123に入射する。しかし、P偏光のため第2
の偏光分離機123をそのまま透過して出力Dから出射
する。
【0069】一方、入力Bに入った第4の直線偏光11
1は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直角に向
きを変えて、S偏光のまま液晶偏光回転子317の第1
の領域145を通る第1の光路141に従って液晶偏光
回転子317中を伝搬する。第4の直線偏光111は、
液晶偏光回転子317を構成する第1の偏光制御用液晶
セル301と第2の偏光制御用液晶セル303が駆動電
圧V2印加状態であり、偏光回転機能を消失しているた
め、第1の領域145を出射したときもS偏光を維持す
る。第1の領域145を出射した第4の直線偏光111
は、第2の偏光分離器123で直角に向きを変えて出力
DにS偏光として到達する。したがって出力Dでは、第
2の領域147を伝搬したP偏光の第3の直線偏光10
9と、第1の領域145を伝搬したS偏光の第4の直線
偏光111とを合成した第1の出力光113として出射
する。第1の出力光113は、図示しないが必要に応じ
てコリメータレンズを介して光ファイバと結合する。
1は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直角に向
きを変えて、S偏光のまま液晶偏光回転子317の第1
の領域145を通る第1の光路141に従って液晶偏光
回転子317中を伝搬する。第4の直線偏光111は、
液晶偏光回転子317を構成する第1の偏光制御用液晶
セル301と第2の偏光制御用液晶セル303が駆動電
圧V2印加状態であり、偏光回転機能を消失しているた
め、第1の領域145を出射したときもS偏光を維持す
る。第1の領域145を出射した第4の直線偏光111
は、第2の偏光分離器123で直角に向きを変えて出力
DにS偏光として到達する。したがって出力Dでは、第
2の領域147を伝搬したP偏光の第3の直線偏光10
9と、第1の領域145を伝搬したS偏光の第4の直線
偏光111とを合成した第1の出力光113として出射
する。第1の出力光113は、図示しないが必要に応じ
てコリメータレンズを介して光ファイバと結合する。
【0070】以上の説明から明らかなように、入力Aに
入射した第1の入力光101は、液晶偏光回転子317
を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏
光制御用液晶セル303とに小バイアスV1を印加する
場合、第1の出力光113として出力Dから出射する。
また、入力Aに入射した第1の入力光101は、液晶偏
光回転子317を構成する第1の偏光制御用液晶セル3
01と第2の偏光制御用液晶セル303とに駆動電圧V
2を印加して液晶偏光回転子317が偏光回転機能を消
失した場合、第2の出力光115として出力Cから出射
する。すなわち第1の入力光101は、偏光制御用液晶
セル301、303への電圧がV1かV2かにより異な
る出力Cと出力Dからの出力光となる。
入射した第1の入力光101は、液晶偏光回転子317
を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏
光制御用液晶セル303とに小バイアスV1を印加する
場合、第1の出力光113として出力Dから出射する。
また、入力Aに入射した第1の入力光101は、液晶偏
光回転子317を構成する第1の偏光制御用液晶セル3
01と第2の偏光制御用液晶セル303とに駆動電圧V
2を印加して液晶偏光回転子317が偏光回転機能を消
失した場合、第2の出力光115として出力Cから出射
する。すなわち第1の入力光101は、偏光制御用液晶
セル301、303への電圧がV1かV2かにより異な
る出力Cと出力Dからの出力光となる。
【0071】また、入力Bに入射した第2の入力光10
7は、液晶偏光回転子317を構成する第1の偏光制御
用液晶セル301と第2の偏光制御用液晶セル303と
に小バイアスV1を印加する場合、第2の出力光115
として出力Cから出射する。また、入力Bに入射した第
2の入力光107は、液晶偏光回転子317を構成する
第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光制御用液
晶セル303とに駆動電圧V2を印加して液晶偏光回転
子317が偏光回転機能を消失した場合、第2の出力光
115として出力Cから出射する。すなわち第1の入力
光101は、偏光制御用液晶セル301、303への電
圧がV1かV2かにより異なる出力Dと出力Cからの出
力光となる。
7は、液晶偏光回転子317を構成する第1の偏光制御
用液晶セル301と第2の偏光制御用液晶セル303と
に小バイアスV1を印加する場合、第2の出力光115
として出力Cから出射する。また、入力Bに入射した第
2の入力光107は、液晶偏光回転子317を構成する
第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光制御用液
晶セル303とに駆動電圧V2を印加して液晶偏光回転
子317が偏光回転機能を消失した場合、第2の出力光
115として出力Cから出射する。すなわち第1の入力
光101は、偏光制御用液晶セル301、303への電
圧がV1かV2かにより異なる出力Dと出力Cからの出
力光となる。
【0072】以上の説明から、本発明の液晶光スイッチ
320は、2×2の光スイッチとして動作することがわ
かる。また、図1に示した、第1の入力光101か第2
の入力光107の片方だけを使えば1×2の光スイッチ
として使用できることは言うまでもない。
320は、2×2の光スイッチとして動作することがわ
かる。また、図1に示した、第1の入力光101か第2
の入力光107の片方だけを使えば1×2の光スイッチ
として使用できることは言うまでもない。
【0073】(実施例2)次に本発明の液晶光スイッチ
320の入力光が、初めから直線偏光である場合の動作
について説明する。まず、液晶偏光回転子317を構成
する第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光制御
用液晶セル303とに小バイアスV1を印加して液晶偏
光回転子317が偏光を回転する場合について、図7を
用いて説明する。図7では、図1と同一構成要素には同
一符号をつけている。
320の入力光が、初めから直線偏光である場合の動作
について説明する。まず、液晶偏光回転子317を構成
する第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光制御
用液晶セル303とに小バイアスV1を印加して液晶偏
光回転子317が偏光を回転する場合について、図7を
用いて説明する。図7では、図1と同一構成要素には同
一符号をつけている。
【0074】まず、入力Aに第1の入力光101を入射
することを考える。図7には明示しないが第1の入力光
101および後述する第2の入力光107は、偏波保存
光ファイバから出射した光をコリメータで平行光とした
光で良い。第1の入力光101は、第1の偏光分離器1
21に対するP偏光となる第1の直線偏光103だけか
らなる偏光成分とする。
することを考える。図7には明示しないが第1の入力光
101および後述する第2の入力光107は、偏波保存
光ファイバから出射した光をコリメータで平行光とした
光で良い。第1の入力光101は、第1の偏光分離器1
21に対するP偏光となる第1の直線偏光103だけか
らなる偏光成分とする。
【0075】第1の偏光分離器121に入射した第1の
直線偏光103は、P偏光のため第1の偏光分離器12
1を透過して、液晶偏光回転子317の第1の領域14
5を通る第1の光路141に従って液晶偏光回転子31
7中を進む。第1の直線偏光103は、液晶偏光回転子
317を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第
2の偏光制御用液晶セル303が小バイアス印加V1状
態であり、図7には図示しないがP偏光の方位角と第1
の液晶セル301の入射側の液晶ダイレクタの方位角と
の成す角が45°のため、第1の領域145を出射した
ときは、方位角を90°回転してS偏光となる。第1の
入力光101であるS偏光となった第1の直線偏光10
3は、第2の偏光分離器123で進行方向を直角に変え
て出力Dから第1の出力光113として出射する。第1
の出力光113は、図示しないが必要に応じてコリメー
タレンズを介して光ファイバと結合する。
直線偏光103は、P偏光のため第1の偏光分離器12
1を透過して、液晶偏光回転子317の第1の領域14
5を通る第1の光路141に従って液晶偏光回転子31
7中を進む。第1の直線偏光103は、液晶偏光回転子
317を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第
2の偏光制御用液晶セル303が小バイアス印加V1状
態であり、図7には図示しないがP偏光の方位角と第1
の液晶セル301の入射側の液晶ダイレクタの方位角と
の成す角が45°のため、第1の領域145を出射した
ときは、方位角を90°回転してS偏光となる。第1の
入力光101であるS偏光となった第1の直線偏光10
3は、第2の偏光分離器123で進行方向を直角に変え
て出力Dから第1の出力光113として出射する。第1
の出力光113は、図示しないが必要に応じてコリメー
タレンズを介して光ファイバと結合する。
【0076】次に、入力Bに入射した第2の入力光10
7について考える。第2の入力光107は、第1の偏光
分離器121に対するS偏光となる方位角の第4の直線
偏光111であるとする。入力Bに入った第4の直線偏
光111は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直
角に向きを変えて、S偏光のまま液晶偏光回転子317
の第1の領域145を通る第1の光路141に従って液
晶偏光回転子317中を伝搬する。
7について考える。第2の入力光107は、第1の偏光
分離器121に対するS偏光となる方位角の第4の直線
偏光111であるとする。入力Bに入った第4の直線偏
光111は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直
角に向きを変えて、S偏光のまま液晶偏光回転子317
の第1の領域145を通る第1の光路141に従って液
晶偏光回転子317中を伝搬する。
【0077】第4の直線偏光111は、液晶偏光回転子
317を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第
2の偏光制御用液晶セル303が小バイアスV1印加状
態であり、第1の領域145を出射したときは、液晶偏
光回転子317が半波長板として働くため、方位角を9
0°回転してP偏光となる。第1の領域145を出射し
た第2の入力光107である第4の直線偏光111は、
第2の偏光分離器123で向きを変えることなく透過す
るため、出力CにP偏光として到達する。したがって出
力Cでは、第2の出力光115として出射する。第2の
出力光115は、図示しないが必要に応じてコリメータ
レンズを介して光ファイバと結合する。
317を構成する第1の偏光制御用液晶セル301と第
2の偏光制御用液晶セル303が小バイアスV1印加状
態であり、第1の領域145を出射したときは、液晶偏
光回転子317が半波長板として働くため、方位角を9
0°回転してP偏光となる。第1の領域145を出射し
た第2の入力光107である第4の直線偏光111は、
第2の偏光分離器123で向きを変えることなく透過す
るため、出力CにP偏光として到達する。したがって出
力Cでは、第2の出力光115として出射する。第2の
出力光115は、図示しないが必要に応じてコリメータ
レンズを介して光ファイバと結合する。
【0078】ここで、液晶偏光回転子317を構成する
第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光制御用液
晶セル303とにそれぞれ第1の信号源131および第
2の信号源133を配し、第1のスイッチ135と第2
のスイッチ137を入れることで、各液晶セルに所定の
駆動電圧V2を印加する場合を考える。この場合、液晶
偏光回転子317は、入射偏光の方位角を90°回転す
る作用を消失する。したがって、第1の入力光101は
出力Cに第2の出力光115として出射し、第2の入力
光107は出力Dに第1の出力光113として出射す
る。
第1の偏光制御用液晶セル301と第2の偏光制御用液
晶セル303とにそれぞれ第1の信号源131および第
2の信号源133を配し、第1のスイッチ135と第2
のスイッチ137を入れることで、各液晶セルに所定の
駆動電圧V2を印加する場合を考える。この場合、液晶
偏光回転子317は、入射偏光の方位角を90°回転す
る作用を消失する。したがって、第1の入力光101は
出力Cに第2の出力光115として出射し、第2の入力
光107は出力Dに第1の出力光113として出射す
る。
【0079】以上の説明から、本発明の液晶光スイッチ
320は、液晶偏光回転子317への駆動電圧V2印加
および小バイアスV1印加の切り替えにより出力先を選
択できる2×2の光スイッチとして動作することがわか
る。また、図7に示した第1の偏光分離器121を使用
せずに、P偏光またはS偏光の第1の入力光101か第
2の入力光107のどちらか片方だけが第1の領域14
5に入射するようにすれば、1×2の光スイッチとして
使用できることは言うまでもない。
320は、液晶偏光回転子317への駆動電圧V2印加
および小バイアスV1印加の切り替えにより出力先を選
択できる2×2の光スイッチとして動作することがわか
る。また、図7に示した第1の偏光分離器121を使用
せずに、P偏光またはS偏光の第1の入力光101か第
2の入力光107のどちらか片方だけが第1の領域14
5に入射するようにすれば、1×2の光スイッチとして
使用できることは言うまでもない。
【0080】(実施例3)次に本発明の偏光制御型の液
晶光スイッチ320を可変光減衰器として用いる場合の
構成と、その駆動方法について説明する。本構成におけ
る液晶偏向回転子は、実施例1と同じで、第1、第2の
スイッチ135,137構成と駆動方法のみが異なる。
その一具体例について説明する。
晶光スイッチ320を可変光減衰器として用いる場合の
構成と、その駆動方法について説明する。本構成におけ
る液晶偏向回転子は、実施例1と同じで、第1、第2の
スイッチ135,137構成と駆動方法のみが異なる。
その一具体例について説明する。
【0081】例えば、図1で入力を入力Aに第1の入力
光101だけを入射するとし、出力とし出力Dから出射
する第1の出力光113だけを考える。次に第1のスイ
ッチ135と第2のスイッチ137とをそれぞれ短絡状
態にして、第1の偏光制御用液晶セル301に第1の信
号源131を、第2の偏光制御用液晶セル303に第2
の信号源133をそれぞれ接続する。このとき、第1の
信号源131と第2の信号源133における出力の振幅
またはパルス幅を変えるなどして、偏光制御用液晶セル
301,303に印加する電圧実効値をアナログ的に変
えていくことを考える。
光101だけを入射するとし、出力とし出力Dから出射
する第1の出力光113だけを考える。次に第1のスイ
ッチ135と第2のスイッチ137とをそれぞれ短絡状
態にして、第1の偏光制御用液晶セル301に第1の信
号源131を、第2の偏光制御用液晶セル303に第2
の信号源133をそれぞれ接続する。このとき、第1の
信号源131と第2の信号源133における出力の振幅
またはパルス幅を変えるなどして、偏光制御用液晶セル
301,303に印加する電圧実効値をアナログ的に変
えていくことを考える。
【0082】このとき、液晶偏光回転子317の第1の
領域145と第2の領域147を出射する光は、液晶偏
光回転子317が偏光制御用液晶セル301,303の
変調印加電圧に応じて、偏光回転機能をアナログ的に消
失するため、一般にはその出射する光は楕円偏光とな
る。このため、出力Dへ出射する第1の出力光113
は、強度変調を受けることになるため、第1の信号源1
31と第2の信号源133の出力の実効値に応じて連続
的に出力光強度を任意に制御することが可能となる。し
たがって、本実施例の構成で、偏光制御型液晶光スイッ
チ320を可変光減衰器として使用することができる。
領域145と第2の領域147を出射する光は、液晶偏
光回転子317が偏光制御用液晶セル301,303の
変調印加電圧に応じて、偏光回転機能をアナログ的に消
失するため、一般にはその出射する光は楕円偏光とな
る。このため、出力Dへ出射する第1の出力光113
は、強度変調を受けることになるため、第1の信号源1
31と第2の信号源133の出力の実効値に応じて連続
的に出力光強度を任意に制御することが可能となる。し
たがって、本実施例の構成で、偏光制御型液晶光スイッ
チ320を可変光減衰器として使用することができる。
【0083】なお、液晶偏光回転子317から出射され
る楕円偏光を一度直線偏光に変換する作用をおこなう、
1/4波長板を液晶偏光回転子317の後に1/4波長
板のc軸が偏光制御用液晶セル301および303のダ
イレクタと45度かまたはその奇数倍の方位角を持つよ
うに挿入しても良い。この場合、液晶偏光回転子317
で発生する位相変調量に対する出力光強度の変化特性の
直線性を改善する事ができる。
る楕円偏光を一度直線偏光に変換する作用をおこなう、
1/4波長板を液晶偏光回転子317の後に1/4波長
板のc軸が偏光制御用液晶セル301および303のダ
イレクタと45度かまたはその奇数倍の方位角を持つよ
うに挿入しても良い。この場合、液晶偏光回転子317
で発生する位相変調量に対する出力光強度の変化特性の
直線性を改善する事ができる。
【0084】(実施例4)本発明の液晶を用いた偏光制
御型光スイッチをアレイ化する場合の構成について図6
を用いて説明する。図6は、アレイ化した液晶セルを用
いた偏光制御型の液晶光スイッチの構成を示す図であ
る。
御型光スイッチをアレイ化する場合の構成について図6
を用いて説明する。図6は、アレイ化した液晶セルを用
いた偏光制御型の液晶光スイッチの構成を示す図であ
る。
【0085】アレイ化する場合は、複数のセルからなる
液晶偏光回転子317をアレイの数に面内で分割して構
成する。その具体的な分割方法は図6には図示していな
いが、液晶偏光回転子317を構成する偏光制御用液晶
セルの透明電極を所定の領域に電極面内で分割して、複
数の液晶偏光回転素子部を構成し、その複数に分割され
た液晶偏向回転素子部をそれぞれ任意に制御することで
実現する。図6では、液晶偏光回転子317を第1の液
晶偏光回転素子部621と、第2の液晶偏光回転素子部
623とに2分割する場合を示す。
液晶偏光回転子317をアレイの数に面内で分割して構
成する。その具体的な分割方法は図6には図示していな
いが、液晶偏光回転子317を構成する偏光制御用液晶
セルの透明電極を所定の領域に電極面内で分割して、複
数の液晶偏光回転素子部を構成し、その複数に分割され
た液晶偏向回転素子部をそれぞれ任意に制御することで
実現する。図6では、液晶偏光回転子317を第1の液
晶偏光回転素子部621と、第2の液晶偏光回転素子部
623とに2分割する場合を示す。
【0086】図6に示すように、第1の複合プリズム部
631を第1の偏光分離器121と第1の全反射ミラー
125により構成し、第2の複合プリズム部633を第
2の偏光分離器123と第2の全反射ミラー127によ
り構成する。アレイ化偏光制御型光スイッチは、前述の
通り、分割された複数の液晶偏向回転素子部を有する液
晶偏光回転子317を、第1の複合プリズム部631と
第2の複合プリズム部633との間に配置することで構
成する。図6では、2×2素子を2つ配置したアレイ化
素子を示す。第1の液晶偏光回転素子部621では、第
1Aの入力601と第1Bの入力603からの入射光を
制御し、第1Cの出力611および第1Dの出力613
から出射するようにする。また、第2の液晶偏光回転素
子部623では、第2Aの入力605と第2Bの入力6
07からの入射光を制御し、第2Cの出力615および
第2Dの出力617から出射するようにする。
631を第1の偏光分離器121と第1の全反射ミラー
125により構成し、第2の複合プリズム部633を第
2の偏光分離器123と第2の全反射ミラー127によ
り構成する。アレイ化偏光制御型光スイッチは、前述の
通り、分割された複数の液晶偏向回転素子部を有する液
晶偏光回転子317を、第1の複合プリズム部631と
第2の複合プリズム部633との間に配置することで構
成する。図6では、2×2素子を2つ配置したアレイ化
素子を示す。第1の液晶偏光回転素子部621では、第
1Aの入力601と第1Bの入力603からの入射光を
制御し、第1Cの出力611および第1Dの出力613
から出射するようにする。また、第2の液晶偏光回転素
子部623では、第2Aの入力605と第2Bの入力6
07からの入射光を制御し、第2Cの出力615および
第2Dの出力617から出射するようにする。
【0087】図6では、簡単のため液晶偏光回転子31
7を2分割した1次元2アレイ構成の場合を示したが、
アレイ化は上記と同様な手法で2次元面内に展開するこ
とが可能なので、1次元2アレイには限定しないことは
言うまでもない。
7を2分割した1次元2アレイ構成の場合を示したが、
アレイ化は上記と同様な手法で2次元面内に展開するこ
とが可能なので、1次元2アレイには限定しないことは
言うまでもない。
【0088】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の液晶光スイッチとその駆動方法では、単純な構成で簡
便な駆動方法により可変光減衰器としても利用可能で高
機能な光スイッチを実現できる。
の液晶光スイッチとその駆動方法では、単純な構成で簡
便な駆動方法により可変光減衰器としても利用可能で高
機能な光スイッチを実現できる。
【図1】本発明の実施例1または3における、偏光制御
型または可変光減衰器として用いた場合の液晶光スイッ
チの装置構成を示す模式図である。
型または可変光減衰器として用いた場合の液晶光スイッ
チの装置構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態における偏光制御型の液晶光
スイッチの液晶偏光回転子を構成する液晶セルの構造を
示す模式断面図である。
スイッチの液晶偏光回転子を構成する液晶セルの構造を
示す模式断面図である。
【図3】本発明の実施形態における偏光制御型の液晶光
スイッチの液晶偏光回転子の構造を示す模式図である。
スイッチの液晶偏光回転子の構造を示す模式図である。
【図4】本発明の実施形態における偏光制御型の液晶光
スイッチの液晶偏光回転子を構成する偏光制御用液晶セ
ルの各基板界面での液晶ダイレクタの方位角を説明する
ための平面図である。
スイッチの液晶偏光回転子を構成する偏光制御用液晶セ
ルの各基板界面での液晶ダイレクタの方位角を説明する
ための平面図である。
【図5】本発明の実施形態における偏光制御型の液晶光
スイッチの液晶偏光回転子を構成する複屈折補償用液晶
セルの基板界面での液晶ダイレクタの方位角を説明する
ための平面図である。
スイッチの液晶偏光回転子を構成する複屈折補償用液晶
セルの基板界面での液晶ダイレクタの方位角を説明する
ための平面図である。
【図6】本発明の実施例4における、偏光制御型の液晶
光スイッチをアレイ化したときの構成を示す模式図であ
る。
光スイッチをアレイ化したときの構成を示す模式図であ
る。
【図7】本発明の実施例2における、入射光が直線偏光
に限定できる場合の偏光制御型の液晶光スイッチ構成を
示す模式断面図である。
に限定できる場合の偏光制御型の液晶光スイッチ構成を
示す模式断面図である。
【図8】偏光制御型の液晶光スイッチに用いる液晶セル
に、TN型を用いた場合と半波長板型を用いた場合との
アイソレーション特性の波長依存性を比較するためのグ
ラフである。
に、TN型を用いた場合と半波長板型を用いた場合との
アイソレーション特性の波長依存性を比較するためのグ
ラフである。
【図9】偏光制御型の液晶光スイッチに用いる液晶セル
の駆動電圧―リターデーション特性を示すグラフであ
る。
の駆動電圧―リターデーション特性を示すグラフであ
る。
101 第1の入力光
103 第1の直線偏光
105 第2の直線偏光
107 第2の入力光
109 第3の直線偏光
111 第4の直線偏光
113 第1の出力光
115 第2の出力光
121 第1の偏光分離器
123 第2の偏光分離器
125 第1の全反射ミラー
127 第2の全反射ミラー
131 第1の信号源
133 第2の信号源
141 第1の光路
143 第2の光路
145 第1の領域
147 第2の領域
301 第1の偏光制御用液晶セル
303 第2の偏光制御用液晶セル
317 液晶偏光回転子
320 液晶光スイッチ
331 残留複屈折補償用液晶セル
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G02F 1/1347 G02F 1/1347 2K002
1/139 1/139
1/31 1/31
Fターム(参考) 2H049 BA05 BA06 BA08 BA42 BB03
BC25
2H088 EA40 EA45 EA47 GA02 HA02
HA06 HA18 HA21 HA23 JA04
KA02 KA07 KA14 KA30 LA06
LA07 MA02 MA10
2H089 HA21 HA25 HA32 QA16 RA04
SA04 SA17 TA07 TA15 TA17
UA09
2H091 FA07Z FA14Z FA21Z GA02
GA11 KA02 KA04 KA05 LA17
LA30 MA10
2H093 NA25 NA53 ND32 NE06 NF04
NG11
2K002 AA02 AB05 BA06 CA14 DA14
GA02 HA04
Claims (8)
- 【請求項1】 複数の偏光制御用液晶セルと、その複数
の偏光制御用液晶セルの間または外側のいずれかの位置
に配した少なくとも1枚の残留複屈折補償用液晶セルを
含む液晶偏光回転子を備え、前記複数の偏光制御用液晶
セルは、一対の基板で狭持された液晶層をアンチパラレ
ルまたはパラレルのいずれかに統一して配向させ、前記
複数の偏光制御用液晶セルのセル厚と該液晶層のリタデ
ーションの比をほぼ等しくし、且つ前記一対の基板に接
するそれぞれの液晶ダイレクタ方位角をほぼ等しくした
セルであり、前記残留複屈折補償用液晶セルは、一対の
基板で狭持された液晶層をアンチパラレルまたはパラレ
ルのいずれかに配向させたセルであり、さらに前記残留
複屈折補償用液晶セルと前記偏光制御用液晶セルのそれ
ぞれの液晶ダイレクタ方位角がほぼ直交となるように配
したことを特徴とする液晶光スイッチ。 - 【請求項2】 前記液晶偏光回転子は、その液晶偏光回
転子へ入射する所定の波長に対し半波長板として動作す
ることを特徴とする請求項1に記載の液晶光スイッチ。 - 【請求項3】 前記複数の偏光制御用液晶セルはn個で
構成されており、各液晶セルにおける液晶層のリタデー
ションが、前記所定の波長に対し1/2n波長条件であ
ることを特徴とする請求項2に記載の液晶光スイッチ。 - 【請求項4】 前記液晶偏光回転子の光入射側と光出射
側に、偏光分離器を設けたことを特徴とする請求項1か
ら3のいずれか一に記載の液晶光スイッチ。 - 【請求項5】 前記液晶偏光回転子の光入射側と光出射
側に、偏光分離器と全反射ミラーを設けたことを特徴と
する請求項1から3のいずれか一に記載の液晶光スイッ
チ。 - 【請求項6】 前記各偏光制御用液晶セルの電極を任意
の数に分割して、それぞれ別々に制御が可能な複数の液
晶偏光回転素子部を偏光制御用液晶セルに設けたことを
特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の液晶光
スイッチ。 - 【請求項7】 前記残留複屈折補償用液晶セルのリタデ
ーションが、前記偏光制御用液晶セルの電極にオン電圧
を印加した際に発生する残留複屈折成分よりも少なくと
も大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれか一
に記載の液晶光スイッチ。 - 【請求項8】 請求項1から7のいずれか一に記載の液
晶光スイッチの駆動方法において、前記複数の偏光制御
用液晶セルに印加する所定の駆動波形の実効値をアナロ
グ変調し、連続的に偏光回転量および入射光の楕円偏光
を制御することを特徴とする液晶光スイッチの駆動方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002068324A JP2003270610A (ja) | 2002-03-13 | 2002-03-13 | 液晶光スイッチとその駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002068324A JP2003270610A (ja) | 2002-03-13 | 2002-03-13 | 液晶光スイッチとその駆動方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003270610A true JP2003270610A (ja) | 2003-09-25 |
Family
ID=29199446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002068324A Pending JP2003270610A (ja) | 2002-03-13 | 2002-03-13 | 液晶光スイッチとその駆動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003270610A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102591058A (zh) * | 2012-03-22 | 2012-07-18 | 信利半导体有限公司 | 一种通用型高效旋光液晶盒 |
CN102591057A (zh) * | 2012-03-22 | 2012-07-18 | 信利半导体有限公司 | 一种通用型高效液晶旋光器件 |
JP2023151086A (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-16 | 国立中央大学 | 電気連続制御式直線偏光回転子 |
JP7494297B2 (ja) | 2019-11-22 | 2024-06-03 | マジック リープ, インコーポレイテッド | 液晶層をパターン化するための方法およびシステム |
-
2002
- 2002-03-13 JP JP2002068324A patent/JP2003270610A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102591058A (zh) * | 2012-03-22 | 2012-07-18 | 信利半导体有限公司 | 一种通用型高效旋光液晶盒 |
CN102591057A (zh) * | 2012-03-22 | 2012-07-18 | 信利半导体有限公司 | 一种通用型高效液晶旋光器件 |
JP7494297B2 (ja) | 2019-11-22 | 2024-06-03 | マジック リープ, インコーポレイテッド | 液晶層をパターン化するための方法およびシステム |
JP2023151086A (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-16 | 国立中央大学 | 電気連続制御式直線偏光回転子 |
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