JP2003075800A - 液晶光スイッチとその駆動方法 - Google Patents

液晶光スイッチとその駆動方法

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JP2003075800A
JP2003075800A JP2001266600A JP2001266600A JP2003075800A JP 2003075800 A JP2003075800 A JP 2003075800A JP 2001266600 A JP2001266600 A JP 2001266600A JP 2001266600 A JP2001266600 A JP 2001266600A JP 2003075800 A JP2003075800 A JP 2003075800A
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optical switch
cell
polarization
light
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Masashi Ide
昌史 井出
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバを用いた波長多重(WDM)通信
方式・光化ネットワークに用いる可変光減衰器としても
適用可能な偏光制御型液晶光スイッチに適した液晶セル
構成と駆動方法を提供する。 【解決手段】 液晶を用いた液晶光スイッチにおいて、
液晶光スイッチは、複数の液晶セル301、302から
なる液晶偏光回転子317を有し、各液晶セル301、
302のセル厚d1,d2と、液晶セルの液晶層のツイ
スト角との比がほぼ等しく、各液晶セル301、302
のねじれ方向は等しく、液晶セル301、302間で光
出射側基板311と光入射側基板313とが対向し、光
出射側基板311に接する液晶層の液晶ダイレクタ方位
角と光入射側基板313に接する液晶層の液晶ダイレク
タ方位角とがほぼ等しいことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信用偏光制御
型液晶光スイッチに関し、更に詳しくは光ファイバを用
いた波長多重(WDM)通信方式・光化ネットワークに
用いる偏光制御型の液晶光スイッチとその駆動方法とに
関する。
【0002】
【従来の技術】ネマティック液晶を用いた偏光制御型の
光変調器は、これまで液晶ディスプレイ用途で実用化が
進んできた。代表例として90°ツイステッドネマティ
ック(TN)型液晶が挙げられる。TN型液晶では、応
答時間がセル厚の2乗に比例するため、高速応答セルを
実現するためには液晶セル厚の薄型化が必要となる。こ
こで、λを波長、Δnを液晶の屈折率異方性、dを液晶
セル厚とすると、いわゆるモーガン(Mauguin)条件、 λ/2がΔn・dより十分に小さい条件 を満たさなくなるためウェーブガイド効果が小さくな
る。その結果、コントラスト比が劣化するという現象が
生じる。この問題を解決するために今日の高速応答TN
型ディスプレイは、式 d=(λ/2)・(u/Δn) のモーガンパラメータuを平方根3に設定した液晶ディ
スプレイのノーマリーブラックモードで言うファースト
(first)ミニマム(以下1stミニマムと記載する)条
件にセルパラメータを決めてセル化する場合が多い。
【0003】TN型液晶を光ファイバ通信用の2×2ス
イッチに応用した参考文献としては例えば(Y. Hakamat
a, T. Yoshizawa and T. Kodaira, "A 1.3 μm Single-
Mode 2X2Liquid Crystal Optical Switch", IEICE Tran
s. Commun., Vol. E77-B, No.10October 1994)があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光ファ
イバ通信で用いられる波長は赤外域であり、ディスプレ
イでの可視域の使用波長(例:緑で550nm)と異な
り1300nm帯や1550nm帯が使用されることが
多い。したがって、使用波長が長いためセル厚が結果的
に厚くなってしまう。このため、従来のTN型セルを光
ファイバ通信用の偏光制御型光スイッチに使用すると、
応答速度が遅くなってしまうことが問題となる。例え
ば、同期光ネットワーク(SONET)や同期デジタル
ハイアラーキ(SDH)などの規格では、ネットワーク
に障害が起こったときに復帰時間として50m秒以下で
あることが規定されている。したがって、システムの光
化が今後、進展していく場合も、従来からのネットワー
クとの親和性が重要であり、光スイッチの応答時間は少
なくとも50m秒より短い必要が生じる。
【0005】一例としてTN型液晶技術で光スイッチを
実現することを考える。中心波長を1550nmの光フ
ァイバ通信に用いられる波長とした場合、1stミニマム
条件を満たすセル厚は、液晶をZLI−4792(メル
クジャパンの商品名)を使用するとΔnを0.09とし
たときに、液晶セル厚dはほぼ15μmとなる。このと
き立ち上がり応答時間τrは、液晶セルに印加する電場
の大きさの2乗に逆比例するためセル厚が厚くても、印
加電圧を大きくすれば50m秒以下にすることが可能で
あるが、立下り応答時間τdは、液晶のセル厚の2乗に
比例するため室温近傍において150m秒以上になって
しまう。したがって、光通信に用いられる光スイッチに
は適していない。
【0006】本発明の目的は上記のような課題を解決
し、光ファイバ通信に適用可能な、単純な構造で駆動法
も簡単でアレイ化に適し、更に光減衰器にも応用可能な
偏光制御型液晶光スイッチとその駆動方法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明における液晶を用いた偏光制御型の液晶光
スイッチおよびその駆動方法は、下記記載の手段を採用
する。
【0008】本発明における液晶光スイッチは、液晶を
用いた液晶光スイッチにおいて、前記液晶光スイッチ
は、複数の液晶セルからなる液晶偏光回転子を有し、前
記各液晶セルのセル厚と、前記各液晶セルの液晶層のツ
イスト角との比がほぼ等しく、前記各液晶セルのねじれ
方向は等しく、前記液晶セル間で光出射側基板と光入射
側基板とが対向し、前記光出射側基板に接する前記液晶
層の液晶ダイレクタ方位角と前記光入射側基板に接する
前記液晶層の液晶ダイレクタ方位角とがほぼ等しいこと
を特徴とする。
【0009】本発明における液晶光スイッチは、前記複
数の液晶セルの前記液晶層のツイスト角の和がπ/2ラ
ジアンであることを特徴とする。
【0010】本発明における液晶光スイッチは、前記液
晶セルが2つであり、前記各液晶セルの前記液晶層のツ
イスト角がπ/4ラジアンであることを特徴とする。
【0011】本発明における液晶光スイッチは、前記液
晶偏光回転子の光入射側と光出射側とに偏光分離器を設
けたことを特徴とする。
【0012】本発明における液晶光スイッチは、前記液
晶偏光回転子の光入射側と光出射側とに偏光分離器と全
反射ミラーとを設けたことを特徴とする。
【0013】本発明における液晶光スイッチでは、前記
液晶セルに設ける電極を複数に分割し、前記液晶セルに
複数の液晶偏光回転素子部を設けたことを特徴とする。
【0014】本発明の液晶光スイッチの駆動方法におい
ては、液晶光スイッチは、複数の液晶セルからなる液晶
偏光回転子を有し、前記各液晶セルのセル厚と、液晶層
のツイスト角との比がほぼ等しく、前記各液晶セルのね
じれ方向は等しく、前記液晶セル間でそれぞれ対向する
光出射側基板と光入射側基板が、前記光出射側基板に接
する前記液晶層の液晶ダイレクタ方位角と前記光入射側
基板に接する前記液晶層の液晶ダイレクタ方位角とがほ
ぼ等しい液晶光スイッチの駆動方法であって、前記液晶
セルに印加する所定の駆動波形の実効値をアナログ変調
し、連続的に偏光回転量および入射光の楕円率を制御す
ることを特徴とする。
【0015】〔作用〕本発明の偏光制御型液晶光スイッ
チにおいては、該光スイッチを構成する偏光回転子が2
枚以上の所定の枚数で、同じ捩れ方向のツイステッドネ
マティック型液晶素子を多段に配置した構造であり、第
1から第k番目までのツイステッドネマティック型液晶
素子について、初期配向時のそれぞれの素子の実効的な
屈折率異方性Δniとセル厚diとの積であるリターデー
ション(ここで、iは1からkまでとする)の和を、所
定の波長λで割った値が、31/2/2とし、ツイスト
角は、右捩れでも左捩れでも正の値で考えるとして、第
1から第k番目までの液晶素子のそれぞれのツイスト角
φiがπ/3以下であり(ここで、iは1からkまでと
する)、ツイスト角φiをセル厚diで割った値が一定値
であり、第1から第k番目までの液晶素子のそれぞれの
ツイスト角φiの和をπ/2とし、第1のツイステッド
ネマティック型液晶素子の光入力側基板に接する液晶の
ダイレクタ方位角を基準とし0ラジアンとしたとき、第
i番目のツイステッドネマティック型液晶素子の光入力
側基板に接する液晶のダイレクタ方位角は、第i−1番
目のツイステッドネマティック型液晶素子の光出射側基
板に接する液晶のダイレクタ方位角に等しくなるように
配置した構造とする。
【0016】90°ツイステッドネマティック(TN)
型ディスプレイで良く知られているように、いわゆるモ
ーガン(Mauguin)パラメータuは、90°ツイスト
(TN)セルの場合、 u=2・d・Δn/λ となる。dはセル厚、Δnはリターデーション、λは波
長である。ここで、入射直線偏光の方位角と入射側の9
0°TN液晶セル表面のダイレクタ方位角を平行とし、
出射側に入射直線偏光の方位角と平行に透過軸を設定し
た偏光子を配置した、液晶ディスプレイで言うノーマリ
ーブラックモードの透過率の1stミニマム条件は、 u=31/2 としたときである。これは、u=31/2を満たす波長に
おいて、出射側平面上で、液晶分子の遅相軸および進相
軸座標上のノーマルモードの偏光状態が直線偏光となる
からである。
【0017】本発明の構造とすることで、それぞれの液
晶素子の電極に電場を印加しない場合は、1stミニマ
ム条件のTNセルと光学的には等価となる。したがっ
て、所定の波長で第1のTNセルの入射側ダイレクタ方
位角と平行かまたは直交した入射直線偏光は、第k番目
の液晶セルの出射側で楕円偏光となることなくツイスト
方向に応じ、方位角を90゜回転する。
【0018】ここで、第1から第k番目の液晶セルに電
場を印加した場合を考える。所定の電場を各セルに印加
することで各セルのツイスト構造を消失することができ
るため、入射直線偏光は、方位角を回転することなく第
k番目のセルから出射する。したがって、本発明の偏光
制御型液晶光スイッチおよび液晶可変光減衰器において
は出射側に偏光ビームスプリッタや複屈折結晶を用いた
偏光ビームセパレータなどを配置することで入射偏光の
方路変更および所定の出射方向への出射光強度を可変す
ることが可能である。
【0019】簡単のため、偏光回転子が等しいセル厚み
を持つ2枚の45°ツイステッドネマティック(TN)
セルからなる本発明の偏光制御型液晶光スイッチを考え
る。
【0020】従来の90°TNセルにおいて、セル厚d
は、電場印加時と電場無印加時のコントラスト比を最大
にするため、いわゆる1stミニマム条件を満たすよう
に d=31/2・λ/(2・Δn) としている。本発明の偏光回転子が2枚の45°TNセ
ルからなる偏光制御型液晶光スイッチの場合は、セル厚
dを2分割するため一枚あたりのセル厚をd/2とする
ことができる。TN型セルにおいて電場無印加から電場
印加時の応答時間τrは、印加電圧をVとすると近似的
に τrが(d/V)2に比例する ことが知られている。また、電場印加状態から電場無印
加時の応答時間τdは、近似でτdがd2に比例するこ
とが知られている。したがって、従来技術と比較して本
発明の偏光回転子が2枚の45°TNセルからなる偏光
制御型液晶光スイッチの場合、同一液晶材料で比較した
場合、応答速度を4倍程度高速にできる。ここで、厚み
方向の分割数を増やして、一枚あたりのセル厚を薄くす
ればさらに高速化が可能である。
【0021】高速化は、光通信用光スイッチにおいては
重要である。一般的には、応答時間は、50m秒以下が
望まれている。しかし、従来技術で中心波長を1550
nmの光ファイバ通信に用いられる波長とした場合、前
記1stミニマム条件を満たすセル厚は、例えば液晶にZ
LI−4792(メルクジャパンの商品名)を使用した
ときΔnは約0.09であるからセル厚dは、約15μ
mとなってしまう。このときτrは、印加電圧を大きく
すれば50m秒以下にすることが可能であるがτdは、
室温付近では150m秒以上になってしまう。したがっ
て、光スイッチには適していない。しかし、本発明の例
えば、偏光回転子が2枚の45°TNセルからなる偏光
制御型液晶光スイッチを採用すれば、応答時間τdを5
0m秒以下にすることが容易である。
【0022】以上の説明で明らかなように本発明の液晶
光スイッチとその駆動方法では、単純な構成で簡便な駆
動方法により高機能な光スイッチおよび可変光減衰器を
実現できる。また、本発明は、光ファイバを用いた波長
多重(WDM)通信や光化ネットワークに用いる偏光制
御型液晶光スイッチとその駆動方法を提供することだ
が、本発明の範囲はここに述べる装置により限定されな
いで、例えば自由空間光通信装置用の液晶光変調器への
応用も可能であることは言うまでもない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を実施
するための最良な形態における液晶光スイッチとその駆
動方法の構成を説明する。
【0024】はじめに本発明の実施形態における液晶光
スイッチの構成を、図面を用いて説明する。図2は本発
明の実施形態における液晶光スイッチを構成する液晶セ
ル220の構成を説明するための断面図である。
【0025】図2に示すように、本発明の液晶光変調装
置の液晶セル220は、信号電極211を形成した第1
の基板203と共通電極213を形成した第2の基板2
05の間にネマティック液晶層201を挟持することに
より構成している。ネマティック液晶層201は第1の
基板203の信号電極211の上と第2の基板205の
共通電極213の上とに形成した配向層217によって
電場無印加時のポジ(p)型液晶分子のダイレクタ20
7のプレティルト角209が0.5度から20度となる
ように、60°以下のツイスト配向とする。ここで、配
向層217は、ポリイミドで形成し、ラビング法により
液晶分子を所定の方向に配向する。
【0026】図2には明示しないがネマティック液晶層
201が数μmの所定の一定厚みを保持するように第1
の基板203と第2の基板205はスペーサを介して液
晶セル220周辺部をシール材で固定する。また、図2
には示していないが信号電極211と共通電極213が
短絡するのを防ぐために信号電極211の上か共通電極
213の上または両方に五酸化タンタル(Ta2O5)や
二酸化シリコン(SiO2)などの透明絶縁膜を配向層
217の下に形成しても良い。第1の基板203上に形
成する信号電極211と第2の基板205上に形成する
共通電極213はアレイ化する場合など必要に応じて透
明導電膜からなる所定のパタンを形成する。透明導電膜
として酸化インジウムスズ(ITO)を用いるときは、
膜厚を50nm以下とし、さらに、赤外域での透過率を
向上するために、成膜時に酸素濃度を多くしたシート抵
抗数百Ωから1kΩ程度の膜を使用することが望まし
い。ITOのほかに透明導電膜としては、酸化インジウ
ム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(Z
nO)などの薄膜が使用可能である。この場合も、膜厚
は50nm以下として、シート抵抗数は数百Ωから1k
Ω程度の膜を使うことが望ましい。
【0027】ガラスからなる第1の基板203および第
2の基板205のネマティック液晶層201と反対の面
には空気と基板界面での反射を防止するため必要に応じ
て無反射コート215を形成する。
【0028】次に本発明の液晶偏光回転子を、セル厚お
よびプレティルト角の等しい時計回りのツイスト方向を
持つ45°ツイスト液晶セル2段で構成した場合につい
て図3および図4を用いて説明する。図3は第1の液晶
セル301と第2の液晶セル303から構成した液晶偏
光回転子317を模式的に示す図面である。図3におい
て、第1の液晶セル301は、第1のガラス基板319
と第2のガラス基板321とで第1の液晶層305を挟
持した構造とする。また、第2の液晶セル303は、第
3のガラス基板323と第4のガラス基板325とで第
2の液晶層307を挟持した構造とする。第1の液晶セ
ル301の第1のセル厚みd1と第2の液晶セル303
の第2のセル厚みd2は、等しくする。図3には、明示
しないが第1の液晶セル301および第2の液晶セル3
05は、図2で説明した液晶セル220と同じ構成とす
る。
【0029】図3の第1の液晶層305と第2の液晶層
307中の矢印は、液晶分子の配向状態を示すためのも
のであり、液晶のダイレクタを模式的に示す。ここで、
第1の液晶セル301において、第1のガラス基板31
9と第1の液晶層305との界面を第1の界面309と
する。同様に第2のガラス基板321と第1の液晶層3
05との界面を第2の界面311とする。さらに第2の
液晶セル303において、第3のガラス基板323と第
2の液晶層307との界面を第3の界面313とする。
最後に第4のガラス基板325と第2の液晶層307と
の界面を第4の界面315とする。ここで、x−y−z
座標系において、第1の液晶セル301の第1の界面3
09側の液晶ダイレクタの向きをx軸の正の方向にと
り、厚み方向をz軸に平行となるように選ぶことにす
る。
【0030】次に各界面309,311,313,31
5での液晶ダイレクタの方向を図4の平面図に示す。以
下、図3と図4とを交互に参照して説明する。第1の界
面309においては、第1の液晶ダイレクタ401のx
軸から測った方位角α1を0°とする。第1の液晶セル
301は45°ツイストとするので第2の界面311に
おいては、第2の液晶ダイレクタ403の方位角α2も
45°とする。次に第3の界面313の第3の液晶ダイ
レクタ405の方位角α3は、第2の液晶ダイレクタ4
03と平行にするため、45°とする。さらに、第2の
液晶セル302も45°ツイストとするので第4の界面
315における、第4の液晶ダイレクタ407の方位角
α4は90°とする。図4では、液晶セルは右捩れセル
で説明したが左捩れセルでは、第1の界面309におい
て、第1の液晶ダイレクタ401のx軸から測った方位
角α1を0°とした場合、捩れ角がマイナス方向になる
ため、第1の液晶セル301は反時計回りに45°ツイ
ストとするので第2の界面311においては、第2の液
晶ダイレクタ403の方位角α2は―45°とする。次
に第3の界面313の第3の液晶ダイレクタ405の方
位角α3は、第2の液晶ダイレクタ403と平行にする
ため、―45°とする。さらに、第2の液晶セル302
も反時計回りに45°ツイストとするので第4の界面3
15における、第4の液晶ダイレクタ407の方位角α
4は―90°となる。
【0031】ここまででは、等しいセル厚とツイスト角
およびツイスト方向を持った2枚の液晶セルで偏光回転
子を構成する場合を説明したが、液晶セルを3枚以上の
k枚で構成することもできる。この場合、全セル厚d
は、第1のセル厚d1から第kのセル厚dkとおいたと
き、 d=d1+d2+...dk (1) となる。使用する液晶材料の異常光屈折率をne、常光
屈折率をnoとしたとき実効異常光屈折率neffは、液
晶セルのプレティルト角をθとしたとき、 neff=(sin2θ/no2+cos2θ/ne2)-1/2 (2) となる。ここで、各液晶セルのプレティルト角θは、等
しいとして、 Δn=neff−no (3) とおいて、所定の波長λにおいて全セル厚は d=31/2・λ/(2・Δn) (4) を満たすようにする。これは、良く知られているように
一般に通常のTN型液晶ディスプレイに用いられるノー
マリーブラックモードを想定して入射側の偏光子の透過
軸と入射側の液晶ダイレクタの方位角を平行とし、出射
側の偏光子の透過軸を出射側の液晶ダイレクタと直交す
るように配置した場合、透過率Tは、φをツイスト角と
したとき、 T=φ2sin2X/(2X2) (5) となる。ここで、Γを以下の(7)式とすると X2=φ2+Γ2/4 (6) Γ=2πΔn・d/λ (7) とする。(参考文献:例えばPochi Yeh and Claire Gu,
Optics of Liquid Crystal Displays, Wiley, 1999)
(5)式において、ツイスト角φが0でない場合に透過
率Tが0となるためにはXがπの自然数倍となる必要が
ある(X=π、2π、3π...)。このときに、最初
に透過率Tが0になるX=πのときが1stミニマム
で、90°TNの場合は、φ=π/2、X=πを用いて
(6)式および(7)に代入し、解くことで(4)式を
得る。
【0032】第1〜第kの液晶セルのツイスト角は、ツ
イスト方向は全ての液晶セルで同方向として、全ツイス
ト角をφとしたときに、第1のツイスト角φ1から第k
のツイスト角φkとして、 φ=φ1+φ2...φk とする。本発明の、偏光回転子を構成するk枚の液晶セ
ルにおいては、 φ=π/2 ラジアン (または、φ=90°) に等しいかできるだけ近い値とすることが望ましい。こ
れはφ=π/2から外れると(4)式に基づいて設定し
たセル厚において1stミニマム条件からずれるため偏
光回転子からの出射光が完全な直線偏光ではなくなり、
結果として光スイッチのコントラスト比を劣化させるた
めである。このとき、第kのツイスト角は(弧度法で表
記した場合) φk=(π/2)×(dk/d) の関係を満たすようにすることが必要である。
【0033】また、第1から第2kまでの界面での液晶
ダイレクタの方位角αkは、第1の液晶ダイレクタの方
位角α1をx軸から測ってゼロラジアン(x軸に平行)
としたときに、 α1=0 α2=α3 α4=α5 ・・・・・ というように設定するが、一般にk枚の場合は、 α2(m−1)=α2m−1 (ここでmは、2から
k) α2k=π/2(右捩れの場合、左捩れの場合は―π/
2) という関係が成り立つように各界面での液晶ダイレクタ
の方位角αkを設定する。
【0034】ここで、2枚の右捩れでツイスト角が等し
く同じ液晶材料からなる液晶セルで偏光回転子を構成す
る場合をまとめると、第1の液晶セルの第1のツイスト
角φ1と第2の液晶セルの第2のツイスト角φ2とは等
しく、 φ1=φ2=π/4 ラジアン とする。また、第1から第4の液晶ダイレクタの方位角
α1からα4はそれぞれ、 α1=0 ラジアン α2=α3=π/4 ラジアン α4=π/2 ラジアン とする。
【0035】図3において、液晶偏光回転子317を構
成する液晶セルの全セル厚dは、 d=31/2・λ/(2・Δn) とする。中心波長λを1550nm、プレティルト角を
1°として、例えば液晶材料にZLI−4792(メル
クジャパンの商品名)を用いた場合、Δnは、約0.0
9であるから、 d=15 〔μm〕 とする。したがって、液晶偏光回転子317を2枚の液
晶セルで構成する場合、第1の液晶セル301のセル厚
d1および第2の液晶セル303のセル厚d2は、 d1=d2=7.5 〔μm〕 と設定すれば良い。
【0036】更に駆動は、偏光回転子に電場を印加する
場合、第1の液晶セル301と第2の液晶セル303に
同時に電場を印加するようにする。また、偏光回転子を
電場無印加状態にする場合も、第1の液晶セル301と
第2の液晶セル302へ印加している電場を同時に取り
去るようにする。このような駆動方法を採用すること
で、偏光回転子の高速スイッチングが可能となる。
【0037】以上の説明で明らかなように本発明の液晶
偏光回転子を用いた偏光制御型液晶光スイッチにおいて
は偏光回転時(印加電場無し)の入射直線偏光が偏光回
転後に楕円偏光となることがなく光学特性を最適にする
ことが可能であるとともに、偏光非回転時(電場印加
時)の応答時間を短縮することが可能となる。
【0038】次に前記、偏光制御型の液晶光スイッチの
全体の構成について図1を用いて詳しく説明する。
【0039】図1は本発明の実施形態における偏光制御
型の液晶光スイッチ320を模式的に示す図面である。
液晶偏光回転子317は、第1の液晶セル301と第2
の液晶セル303とから構成する。第1の液晶セル30
1には、第1の信号源131を第1のスイッチ135を
介して接続する。同様に第2の液晶セル303には、第
2の信号源133を第2のスイッチ137を介して接続
する。図1では、理解しやすくするため液晶セルへの信
号の印加、無印加の制御を第1のスイッチ135と第2
のスイッチ137でおこなう方法で説明するが、スイッ
チの代りに信号源をトランジスタやダイオードまたはI
Cを用いて電子的に制御しても良いことは、言うまでも
ない。
【0040】本発明の偏光制御型の液晶光スイッチ32
0は、第1の偏光分離器121と第2の偏光分離器12
3とで、液晶偏光回転子317の第1の領域145を両
側から挟む構成とする。また、第1の全反射ミラー12
5と第2の全反射ミラー127とで、液晶偏光回転子3
17の第2の領域147を両側から挟む構造とする。こ
のように構成した液晶光スイッチ320は、入力Aおよ
び入力Bと、出力Cおよび出力Dを備える。
【0041】次に本発明の液晶光スイッチ320の動作
について説明する。はじめに、液晶偏光回転子317を
構成する第1の液晶セル301と第2の液晶セル303
とに電圧を無印加で液晶偏光回転子317が偏光を回転
する作用をする場合を、図1を用いて説明する。まず、
入力Aに第1の入力光101を入射することを考える。
図1には明示しないが第1の入力光101は、光ファイ
バから出射した光をコリメータで平行光とした光とす
る。第1の入力光101は、第1の偏光分離器121に
対するP偏光となる第1の直線偏光103とS偏光とな
る第2の直線偏光105とに分けて考える。以降は、P
偏光を図面上、垂直か水平の矢印で示し、S偏光を図面
上、斜めの矢印で示すことにする。第1の偏光分離器1
21に入射した第1の直線偏光103は、P偏光のため
第1の偏光分離器121を透過し、液晶偏光回転子31
7の第1の領域145を通る第1の光路141に従って
液晶偏光回転子317中を進む。第1の直線偏光103
は、液晶偏光回転子317を構成する第1の液晶セル3
01と第2の液晶セル303が電圧無印加であり、図1
に図示しないがP偏光の方位角と第1の液晶セル301
の入射側の液晶ダイレクタの方位角が平行のため、第1
の領域145を出射したときは、液晶分子の異常光軸に
沿って方位角を90°回転して、S偏光となる。S偏光
となった第1の直線偏光103は、第2の偏光分離器1
23で、進行方向を直角に変えて出力Dから出射する。
一方、入力Aに入った第2の直線偏光105は、S偏光
のため第1の偏光分離器121で直角に向きを変えて、
第1の全反射ミラー125に入射し、更に、直角に向き
を変えてS偏光のまま、液晶偏光回転子317の第2の
領域147を通る第2の光路143に従って液晶偏光回
転子317中を伝搬する。第2の直線偏光105は、液
晶偏光回転子317を構成する第1の液晶セル301と
第2の液晶セル303が電圧無印加であり、第2の領域
147を出射したときは、液晶分子の常光軸に沿って方
位角を90°回転して、P偏光となる。第2の領域14
7を出射した第2の直線偏光105は、第2の全反射ミ
ラー127で直角に向きを変え、更に第2の偏光分離器
123では向きを変えることなく透過するため、出力D
にP偏光として到達する。したがって、出力Dでは、第
1の領域145を伝搬しS偏光となった第1の直線偏光
103と、第2の領域145を伝搬しP偏光となった第
2の直線偏光105とを合成した第1の出力光113と
して出射する。第1の出力光113は、図示しないが必
要に応じてコリメータレンズを介して光ファイバと結合
する。
【0042】次に、入力Bに入射した第2の入力光10
7について考える。第2の入力光107は、第1の偏光
分離器121に対するP偏光となる第3の直線偏光10
9とS偏光となる第4の直線偏光111とに分けて考え
る。第1の偏光分離器121に入射した第3の直線偏光
109は、P偏光のため第1の偏光分離器121を透過
し、第1の全反射ミラー125で直角に向きを変えて液
晶偏光回転子317の第2の領域147を通る第2の光
路143に従って液晶偏光回転子317中を進む。第3
の直線偏光109は、液晶偏光回転子317を構成する
第1の液晶セル301と第2の液晶セル303が電圧無
印加であり、図1に図示しないがP偏光の方位角と第1
の液晶セル301の入射側の液晶ダイレクタの方位角が
平行のため、第2の領域147を出射したときは、液晶
分子の異常光軸に沿って方位角を90°回転して、S偏
光となる。S偏光となった第3の直線偏光109は、第
2の全反射ミラー127で直角に向きを変え、更に第2
の偏光分離器123に入射する。しかし、S偏光のため
第2の偏光分離器123で進行方向を直角に変えて出力
Cから出射する。一方、入力Bに入った第4の直線偏光
111は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直角
に向きを変えて、S偏光のまま、液晶偏光回転子317
の第1の領域145を通る第1の光路141に従って偏
光回転子317中を伝搬する。第4の直線偏光111
は、液晶偏光回転子317を構成する第1の液晶セル3
01と第2の液晶セル303が電圧無印加であり、第1
の領域145を出射したときは、液晶分子の常光軸に沿
って方位角を90°回転して、P偏光となる。第1の領
域145を出射した第4の直線偏光111は、第2の偏
光分離器123で向きを変えることなく透過するため、
出力CにP偏光として到達する。したがって、出力Cで
は、第2の領域147を伝搬しS偏光となった第3の直
線偏光109と、第1の領域145を伝搬しP偏光とな
った第4の直線偏光111とを合成した第2の出力光1
15として出射する。第2の出力光115は、図示しな
いが必要に応じてコリメータレンズを介して光ファイバ
と結合する。
【0043】次に、第1の信号源131の第1のスイッ
チ135と第2の信号源133の第2のスイッチ137
とをオン状態とし、液晶偏光回転子317を構成する第
1の液晶セル301と第2の液晶セル303とに十分大
きな電圧を印加して液晶偏光回転子317が偏光回転し
ない場合を図5を用いて説明する。この図5では、図1
と同一構成要素には同一符号を付けている。まず、入力
Aに第1の入力光101を入射することを考える。第1
の入力光101は、第1の偏光分離器121に対するP
偏光となる第1の直線偏光103とS偏光となる第2の
直線偏光105とに分けて考える。第1の偏光分離器1
21に入射した第1の直線偏光103は、P偏光のため
第1の偏光分離器121を透過し、液晶偏光回転子31
7の第1の領域145を通る第1の光路141に従って
液晶偏光回転子317中を進む。第1の直線偏光103
は、液晶偏光回転子317を構成する第1の液晶セル3
01と第2の液晶セル303が電圧印加状態であり、液
晶偏光回転子317では、方位角の回転が起こらないた
め、第1の領域145を出射したときもP偏光のままで
ある。したがって、第1の直線偏光103は、第2の偏
光分離器123をそのまま透過し、出力Cから出射す
る。一方、入力Aに入った第2の直線偏光105は、S
偏光のため第1の偏光分離器121で直角に向きを変え
て、第1の全反射ミラー125に入射し、更に、直角に
向きを変えてS偏光のまま、液晶偏光回転子317の第
2の領域147を通る第2の光路143に従って液晶偏
光回転子317中を伝搬する。第2の直線偏光105
は、液晶偏光回転子317を構成する第1の液晶セル3
01と第2の液晶セル303が電圧印加状態であり、第
2の領域147を出射したときも、偏光状態を変えずに
S偏光のままである。したがって、第2の領域147を
出射した第2の直線偏光105は、第2の全反射ミラー
127で直角に向きを変え、更に第2の偏光分離器12
3で直角に向きを変えて、出力CにS偏光のまま到達す
る。したがって、出力Cでは、第1の領域145を伝搬
しP偏光である第1の直線偏光103と、第2の領域1
47を伝搬しS偏光である第2の直線偏光105とを合
成した第2の出力光115として出射する。第2の出力
光115は、図示しないが必要に応じてコリメータレン
ズを介して光ファイバと結合する。
【0044】次に、入力Bに入射した第2の入力光10
7について考える。第2の入力光107は、第1の偏光
分離器121に対するP偏光となる第3の直線偏光10
9とS偏光となる第4の直線偏光111とに分けて考え
る。第1の偏光分離器121に入射した第3の直線偏光
109は、P偏光のため第1の偏光分離器121を透過
し、第1の全反射ミラー125で直角に向きを変えて液
晶偏光回転子317の第2の領域147を通る第2の光
路143に従って液晶偏光回転子317中を進む。第3
の直線偏光109は、液晶偏光回転子317を構成する
第1の液晶セル301と第2の液晶セル303が電圧印
加状態であり、偏光回転機能を消失しているため、第2
の領域147を出射したときもP偏光を維持している。
第2の領域147を出射した第3の直線偏光109は、
第2の全反射ミラー127で直角に向きを変え、次に第
2の偏光分離器123に入射する。しかし、P偏光のた
め第2の偏光分離機123をそのまま透過し、出力Dか
ら出射する。一方、入力Bに入った第4の直線偏光11
1は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直角に向
きを変えて、S偏光のまま、液晶偏光回転子317の第
1の領域145を通る第1の光路141に従って液晶偏
光回転子317中を伝搬する。第4の直線偏光111
は、液晶偏光回転子317を構成する第1の液晶セル3
01と第2の液晶セル303が電圧印加状態であり、偏
光回転機能を消失しているため、第1の領域145を出
射したときもS偏光を維持する。第1の領域145を出
射した第4の直線偏光111は、第2の偏光分離器12
3で直角に向きを変えて、出力DにS偏光として到達す
る。したがって、出力Dでは、第2の領域147を伝搬
したP偏光の第3の直線偏光109と、第1の領域14
5を伝搬したS偏光の第4の直線偏光111とを合成し
た第1の出力光113として出射する。第1の出力光1
13は、図示しないが必要に応じてコリメータレンズを
介して光ファイバと結合する。
【0045】以上の説明から明らかなように入力Aに入
射した第1の入力光101は、液晶偏光回転子317を
構成する第1の液晶セル301と第2の液晶セル303
とに電圧を印加しない場合、第1の出力光113として
出力Dから出射する。また、入力Aに入射した第1の入
力光101は、液晶偏光回転子317を構成する第1の
液晶セル301と第2の液晶セル303とに電圧印加し
て液晶偏光回転子317が偏光回転機能を消失した場
合、第2の出力光115として出力Cから出射する。す
なわち第1の入力光101は、液晶セル301、303
への電圧印加の有無により異なる出力Cと出力Dからの
出力光となる。
【0046】また、入力Bに入射した第2の入力光10
7は、液晶偏光回転子317を構成する第1の液晶セル
301と第2の液晶セル303とに電圧を印加しない場
合、第2の出力光115として出力Cから出射する。ま
た、入力Bに入射した第2の入力光107は、液晶偏光
回転子317を構成する第1の液晶セル301と第2の
液晶セル303とに電圧印加して液晶偏光回転子317
が偏光回転機能を消失した場合、第2の出力光115と
して出力Cから出射する。すなわち第2の入力光107
は、液晶セル301、303への電圧印加の有無にかか
わらず同じ出力Cと出力Dからの出力光となる。
【0047】以上の説明から、本発明の液晶光スイッチ
320は、2×2の光スイッチとして動作することがわ
かる。また、図1に示した、第1の入力光101か第2
の入力光107の片方だけを使えば1×2の光スイッチ
として使用できることは言うまでもない。
【0048】次に本発明の液晶光スイッチ320の入力
光がはじめから直線偏光である場合の動作について説明
する。はじめに、液晶偏光回転子317を構成する第1
の液晶セル301と第2の液晶セル303とに電圧を無
印加で液晶偏光回転子317が偏光を回転する場合を図
7を用いて説明する。図7では、図1と同一構成要素に
は同一符号をつけている。まず、入力Aに第1の入力光
101を入射することを考える。図7には明示しないが
第1の入力光101および後述する第2の入力光107
は、偏波保存光ファイバから出射した光をコリメータで
平行光とした光で良い。第1の入力光101は、第1の
偏光分離器121に対するP偏光となる第1の直線偏光
103だけからなるような偏光とする。第1の偏光分離
器121に入射した第1の直線偏光103は、P偏光の
ため第1の偏光分離器121を透過し、液晶偏光回転子
317の第1の領域145を通る第1の光路141に従
って液晶偏光回転子317中を進む。第1の直線偏光1
03は、液晶偏光回転子317を構成する第1の液晶セ
ル301と第2の液晶セル303が電圧無印加であり、
図7には図示しないがP偏光の方位角と第1の液晶セル
の入射側の液晶ダイレクタの方位角が平行のため、第1
の領域145を出射したときは、液晶分子の異常光軸に
沿って方位角を90°回転して、S偏光となる。第1の
入力光101であるS偏光となった第1の直線偏光10
3は、第2の偏光分離器123で、進行方向を直角に変
えて出力Dから第1の出力光113として出射する。第
1の出力光113は、図示しないが必要に応じてコリメ
ータレンズを介して光ファイバと結合する。
【0049】次に、入力Bに入射した第2の入力光10
7について考える。第2の入力光107は、第1の偏光
分離器121に対するS偏光となる方位角の第4の直線
偏光111であるとする。入力Bに入った第4の直線偏
光111は、S偏光のため第1の偏光分離器121で直
角に向きを変えて、S偏光のまま、液晶偏光回転子31
7の第1の領域145を通る第1の光路141に従って
液晶偏光回転子317中を伝搬する。第4の直線偏光1
11は、液晶偏光回転子317を構成する第1の液晶セ
ル301と第2の液晶セル303が電圧無印加であり、
第1の領域145を出射したときは、液晶分子の常光軸
に沿って方位角を90°回転して、P偏光となる。第1
の領域145を出射した第2の入力光107である第4
の直線偏光111は、第2の偏光分離器123で向きを
変えることなく透過するため、出力CにP偏光として到
達する。したがって、出力Cでは、第2の出力光115
として出射する。第2の出力光115は、図示しないが
必要に応じてコリメータレンズを介して光ファイバと結
合する。
【0050】ここで、液晶偏光回転子317を構成する
第1の液晶セル301と第2の液晶セル303とにそれ
ぞれ第1の信号源131および第2の信号源133によ
って所定の駆動電圧を第1のスイッチ135と第2のス
イッチ137を入れることで印加する場合を考える。こ
の場合、液晶偏光回転子317は、入射偏光の方位角を
90°回転する作用を消失する。したがって、第1の入
力光101は出力Cに第2の出力光115として出射
し、第2の入力光107は出力Dに第1の出力光113
として、出射する。
【0051】以上の説明から、本発明の液晶光スイッチ
320は、液晶偏光回転子317への電圧印加および無
印加により出力先を選択できる2×2の光スイッチとし
て動作することがわかる。また、図7に示した、第1の
偏光分離器121を使用せずに第1の入力光101か第
2の入力光107のどちらか片方だけを第1の領域14
5にP偏光またはS偏光として入射して使えば1×2の
光スイッチとして使用できることは言うまでもない。
【0052】次に本発明の偏光制御型の液晶光スイッチ
320を可変光減衰器として用いる場合の構成と駆動方
法について説明する。例えば図1で入力を入力Aに第1
の入力光101だけを入射するとし、出力としては、出
力Dから出射する第1の出力光113だけを考える。次
に第1のスイッチ135と第2のスイッチ137とをそ
れぞれ短絡状態にして、第1の液晶セル301に第1の
信号源131を、第2の液晶セル303に第2の信号源
133をそれぞれ接続する。このとき、第1の信号源1
31と第2の信号源133の出力の振幅を変えるかパル
ス幅を変えるなどして液晶セル301,303に印加す
る電圧実効値をアナログ的に変えていくことを考える。
このとき、液晶偏光回転子317の第1の領域145と
第2の領域147を出射する光は、液晶偏光回転子31
7が、液晶セル301,303の変調印加電圧に応じ
て、偏光回転機能をアナログ的に消失するため、一般に
は楕円偏光となる。このため、出力Dへ出射する第1の
出力光113は、強度変調を受けることになるため、第
1の信号源131と第2の信号源133の出力の実効値
に応じて連続的に出力光強度を制御することが可能とな
る。したがって、偏光制御型液晶光スイッチ320を可
変光減衰器として使用することができる。
【0053】本発明の液晶を用いた液晶光スイッチをア
レイ化する場合の構成について図6を用いて説明する。
図6は、アレイ化した液晶を用いた偏光制御型の液晶光
スイッチの構成を示す図である。アレイ化する場合は、
複数のセルからなる液晶偏光回転子317をアレイの数
に面内で分割することで構成する。分割方法としては図
6には図示していないが液晶偏光回転子317を構成す
る液晶セルの透明電極を所定の領域に電極面内で分割す
ることで実現する。図6では、液晶偏光回転子317を
第1の液晶偏光回転素子部621と第2の液晶偏光回転
素子部623とに2分割する場合を示す。図6に示すよ
うに第1の複合プリズム部631を、第1の偏光分離器
121と第1の全反射ミラー125から構成し、第2の
複合プリズム部633を第2の偏光分離器123と第2
の全反射ミラー127から構成する。アレイ化偏光制御
型光スイッチは前記分割素子部を持つ液晶偏光回転子3
17を、第1の複合プリズム部631と第2の複合プリ
ズム部633との間に配置することで構成する。図6で
は、2×2素子を2つ配置したアレイ化素子を示す。第
1の液晶偏光回転素子部621では、第1Aの入力60
1と第1Bの入力603からの入射光を制御し、第1C
の出力611および第1Dの出力613から、出射する
ようにする。また、第2の液晶偏光回転素子部623で
は、第2Aの入力605と第2Bの入力607からの入
射光を制御し、第2Cの出力615および第2Dの出力
617から、出射するようにする。
【0054】図6では、簡単のため液晶偏光回転子31
7を2分割した1次元2アレイ構成の場合を示したがア
レイ化は、同様な手法で2次元面内に展開することが可
能なので1次元2アレイには限定しないことは言うまで
もない。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の液晶光スイッチおよびその駆動方法では、単純な構成
で簡便な駆動方法により可変光減衰器としても利用可能
で高機能な光スイッチを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における液晶光スイッチの構
成を模式的に示す図面である。
【図2】本発明の実施形態における液晶光スイッチの液
晶偏光回転子を構成する液晶セルの構造を模式的に示す
図面である。
【図3】本発明の実施形態における液晶光スイッチの液
晶偏光回転子の構造を模式的に示す図面である。
【図4】本発明の実施形態における液晶光スイッチの液
晶偏光回転子を構成する液晶セルの各基板界面での液晶
ダイレクタの方位角を説明するための図面である。
【図5】本発明の実施形態における液晶光スイッチの液
晶偏光回転子に信号源を接続した構成を模式的に示す図
面である。
【図6】本発明の実施形態における液晶光スイッチをア
レイ化したときの構成を模式的に示す図面である。
【図7】本発明の実施形態における液晶光スイッチの入
射光が直線偏光である場合の構成を模式的に示す図面で
ある。
【符号の説明】
101:第1の入力光 103:第1の直線
偏光 105:第2の直線偏光 107:第2の入
力光 109:第3の直線偏光 111:第4の直
線偏光 113:第1の出力光 115:第2の出力
光 121:第1の偏光分離器 123:第2の
偏光分離器 125:第1の全反射ミラー 127:第2
の全反射ミラー 131:第1の信号源 133:第2の信号
源 135:第1のスイッチ 137:第2のス
イッチ 141:第1の光路 143:第2の光路 145:第1の領域 147:第2の領域 201:ネマティック液晶層 203:第1
の基板 205:第2の基板 207:ダイレクタ 209:プレティルト角 211:信号電極 213:共通電極 215:無反射コート 217:配向層 220:液晶セル 301:第1の液晶セル 303:第2の液
晶セル 305:第1の液晶層 307:第2の液晶
層 309:第1の界面 311:第2の界面 313:第3の界面 315:第4の界面 317:液晶偏光回転子 319:第1のガ
ラス基板 320:液晶光スイッチ 321:第2のガ
ラス基板 323:第3のガラス基板 325:第4の
ガラス基板 401:第1の液晶ダイレクタ 403:第
2の液晶ダイレクタ 405:第3の液晶ダイレクタ 407:第
4の液晶ダイレクタ 601:第1Aの入力 603:第1Bの入
力 605:第2Aの入力 607:第2Bの入
力 611:第1Cの出力 613:第1Dの出
力 615:第2Cの出力 617:第2Dの出
力 621:第1の液晶偏光回転素子部 623:第2の液晶偏光回転素子部 631:第1の複合プリズム部 633:第
2の複合プリズム部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶を用いた液晶光スイッチにおいて、 前記液晶光スイッチは、複数の液晶セルからなる液晶偏
    光回転子を有し、 前記各液晶セルのセル厚と、前記各液晶セルの液晶層の
    ツイスト角との比がほぼ等しく、 前記各液晶セルのねじれ方向は等しく、 前記液晶セル間で光出射側基板と光入射側基板とが対向
    し、前記光出射側基板に接する前記液晶層の液晶ダイレ
    クタ方位角と前記光入射側基板に接する前記液晶層の液
    晶ダイレクタ方位角とがほぼ等しいことを特徴とする液
    晶光スイッチ。
  2. 【請求項2】 前記複数の液晶セルの前記液晶層のツイ
    スト角の和がπ/2ラジアンであることを特徴とする請
    求項1記載の液晶光スイッチ。
  3. 【請求項3】 前記液晶セルが2つであり、 前記各液晶セルの前記液晶層のツイスト角がπ/4ラジ
    アンであることを特徴とする請求項1記載の液晶光スイ
    ッチ。
  4. 【請求項4】 前記液晶偏光回転子の光入射側と光出射
    側とに偏光分離器を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の液晶光スイッチ。
  5. 【請求項5】 前記液晶偏光回転子の光入射側と光出射
    側とに偏光分離器と全反射ミラーとを設けたことを特徴
    とする請求項1記載の液晶光スイッチ。
  6. 【請求項6】 前記液晶セルに設ける電極を複数に分割
    し、前記液晶セルに複数の液晶偏光回転素子部を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶光スイッチ。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の液晶光スイッチの駆動方
    法であって、 前記液晶セルに印加する所定の駆動波形の実効値をアナ
    ログ変調し、連続的に偏光回転量および入射光の楕円率
    を制御することを特徴とする液晶光スイッチの駆動方
    法。
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JP2009294378A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Asahi Glass Co Ltd 旋光子および光ヘッド装置

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