JP2003270334A - 車載用レーダー装置 - Google Patents

車載用レーダー装置

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JP2003270334A
JP2003270334A JP2002067902A JP2002067902A JP2003270334A JP 2003270334 A JP2003270334 A JP 2003270334A JP 2002067902 A JP2002067902 A JP 2002067902A JP 2002067902 A JP2002067902 A JP 2002067902A JP 2003270334 A JP2003270334 A JP 2003270334A
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mixer
pseudo noise
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circuit
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JP2002067902A
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Takashi Sueda
岳志 末田
Yoshihiro Tsubota
吉弘 坪田
Satoshi Hamano
聡 濱野
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送信信号が直接受信系に漏れ込むことにより
最大探知距離が低下する課題があった。 【解決手段】 疑似雑音デジタルコードでPSK変調し
た信号を送信し、受信した信号をベースバンド信号に変
換する際において、周波数変換のためにダブルバランス
ドミキサを用いるとともに、このミキサに入力される送
信漏れ信号とローカル信号との位相を調整する構成とし
た。もしくはPSK変調用信号から時間遅延と振幅調整
により送信漏れに起因するベースバンド信号と同じ波形
の信号を作成し、ベースバンド信号から同じ波形の信号
を電圧減算して送信漏れ信号を相殺するように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車載用レーダー
装置に関し、特にレーダー装置を小型に構成した場合に
おいて、自らの送信信号が自らの受信アンテナに直接到
達することにより受信系が飽和し、これによりレーダー
の最大探知距離が低下することを防止できる車載用レー
ダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】目標までの距離測定を行う従来のレーダ
ーに関して、例えば、UK Patent(GB234
5149B)“Time delay determination and determi
nationof signal shift”で示された一事例を用いて、
説明する。従来、疑似雑音デジタルコードに基づいて、
送信電波を位相シフトキーイング(以後、PSK変調と
呼ぶ)して空間に送信すると共に、この送信電波が目標
に当たって反射してきた電波を受信し、ベースバンド信
号に周波数変換した後、このベースバンド信号を、任意
の基準時刻から、上記疑似雑音デジタルコードがHig
hからLow(LowからHighでも可)へ変化する
までの時間分だけ、時間を順次移動させて積算すること
により、電圧波形の正負が急激に反転する(いわゆるS
字型)波形を作り出し、上記で設定した基準時刻からS
字波形までの時間間隔を測定することにより、目標まで
の距離を測定する方式のレーダーがある。
【0003】以後この方式のレーダーをカオスレーダー
と呼ぶ。また、この様な信号処理方式をカオス信号処理
と呼ぶ。
【0004】図7は、カオスレーダーを乗用車に搭載し
たイメージを示す図であり、図7(a)は乗用車の側面
から見た図、図7(b)は乗用車の前方から見た図であ
る。また、図8は、カオスレーダーの運用イメージを示
す図であり、図9は従来のカオスレーダーの構成を示す
図である。図7において、1はカオスレーダー、2は自
車である。図8において、3は走行している他車、4は
道路、5は自車2の運転席に搭載された車間距離表示
器、6はカオスレーダー1の送信電波である。
【0005】また、図9において、7は発振器、8は分
配器、9は疑似雑音信号発生器、10は変調器、11は
電力増幅器、12は送信アンテナ、13は受信アンテ
ナ、14は低雑音増幅器、15はミキサ、16はフィル
タ、17はビデオ増幅器、18はA/D変換器、19は
カオス信号処理器、20は従来のカオスレーダー、21
は車間距離表示器、22はアクセル/ブレーキ制御器、
23はバッテリーである。
【0006】図7のカオスレーダーの搭載イメージ図に
おいて、カオスレーダー1は前部バンパー付近に装備
し、運転者の視界を妨げないように、また乗用車の美的
デザイン性を確保するように留意して搭載される。図8
のカオスレーダーの運用イメージ図において、カオスレ
ーダー1は主に前方を走行する他車3と自車2との車間
距離測定のために用いられ、その測定結果を表示する車
間距離表示器5は運転席に装備する。なお、カオスレー
ダー1の電源はボンネット内バッテリーから供給を受け
る。
【0007】図9により、従来のカオスレーダーの動作
を説明する。発振器7で作成した高周波信号は変調器1
0により、疑似雑音信号発生器9で作成したランダムコ
ードによりPSK変調される。PSK変調された高周波
信号は送信アンテナ12から空間に放射され、目標(多
くは前方を走行する他車)で反射し、受信アンテナ13
に到着する。この信号は低雑音増幅器14で増幅された
のちミキサ15により発振器7の出力信号の一部と混合
されベースバンド信号となり、フィルタ16にて不要波
を除去された後、ビデオ増幅器17で増幅されA/D変
換器18にてデジタル信号となり、カオス信号処理器1
9に入力される。カオス信号処理の処理方式については
前述したのでここでの記述は省略する。カオス信号処理
の結果、自車と他車との距離を知ることができ、この結
果は車内の車間距離表示器21に表示され、運転者は車
間距離を知ることができる。
【0008】さて、乗用車の美的デザインを確保する観
点から車両に搭載されるレーダーに対しては、その外形
寸法を小型にして構成することが求められる。この場
合、必然的にレーダーの送信アンテナと受信アンテナと
の距離は小さくなる。送信アンテナから空間に放射され
たこのレーダーの送信電波は、その一部が受信アンテナ
に直接飛び込む。以後、この現象を漏れ込みと呼ぶ。上
述の理由により、送信アンテナと受信アンテナとの距離
は小さくなるため、受信系への漏れ込む信号レベルは大
となり、目標からの反射信号(通常は前方走行車からの
反射信号)のレベルよりも非常に大きいものとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のカオスレーダー
は、受信アンテナからA/D変換器までの受信系におい
て、このレベルの大きい漏れ込み信号とレベルの小さい
目標からの反射信号の両方を取り扱わなければならなか
った。カオスレーダーの受信系は大信号による飽和を起
こすこと無しに信号を取り扱う必要があるが、一方で、
受信系を構成している増幅器、フィルタ、A/D変換器
等が同時に扱える大信号と小信号との比、すなわちダイ
ナミックレンジは有限であることから、レベルの大きい
漏れ込み信号により受信系が飽和しないように受信系の
信号利得を小さく設計すると、必然的にレベルの小さい
目標からの反射信号を十分なレベルにまで増幅すること
ができなくなり、この結果カオスレーダーの最大探知距
離が短くなるという課題があった。
【0010】この発明は、上記の様な課題を解決するた
めになされたものであり、レーダー筐体の寸法を小型に
して構成しても、送信波の受信系への漏れ込みに起因す
るレーダーの最大探知距離性能低下が起こらない車載用
レーダー装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る車載用
レーダ装置は、高周波発振器と、疑似雑音デジタルコー
ド信号を発生する疑似雑音信号発生器と、上記高周波発
振器の出力信号を疑似雑音デジタルコードでPSK変調
する変調器と、この変調器に接続され送信する送信アン
テナと、反射信号を受信する受信アンテナと、上記送信
アンテナから上記受信アンテナへ直接入力される高周波
信号との位相と、上記高周波発振器の出力信号の位相と
を直交させる移相器と、受信した反射信号と上記移相器
の出力信号とを混合しベースバンド信号として出力する
ミキサとを備えたものである。
【0012】第2の発明に係る車載用レーダ装置は、第
1の発明において、上記移相器を、上記変調器出力と上
記送信アンテナとの間に備えたものである。
【0013】第3の発明に係る車載用レーダ装置は、第
1の発明において、上記移相器を、上記受信アンテナと
上記ミキサとの間に備えたものである。
【0014】第4の発明に係る車載用レーダ装置は、高
周波発振器と、疑似雑音デジタルコード信号を発生する
疑似雑音信号発生器と、上記高周波発振器の出力信号を
疑似雑音デジタルコードでPSK変調する変調器と、こ
の変調器に接続され送信する送信アンテナと、反射信号
を受信する受信アンテナと、受信した反射信号と上記高
周波発振器の出力信号とを混合し、ベースバンド信号に
変換するミキサと、上記送信アンテナから上記受信アン
テナへ直接入力される信号に起因してベースバンド信号
で発生する疑似雑音デジタルコードと、上記疑似雑音信
号発生器が発生する疑似雑音デジタルコードとの時間差
を等しくする遅延回路と、この遅延回路の出力信号の振
幅を、上記送信アンテナから上記受信アンテナへ直接入
力される信号に起因してベースバンド信号で発生する疑
似雑音デジタルコードの振幅と等しくするための振幅調
整回路と、このミキサが出力する信号から上記振幅調整
回路の信号を減算する電圧減算回路とを備えたとを備え
たものである。
【0015】第5の発明に係る車載用レーダ装置は、第
4の発明において、信号の極性を反転する極性反転回路
を備え、上記疑似雑音信号発生器の出力信号をこの極性
反転回路にて極性反転させたのちに上記遅延回路に入力
するとともに、上記電圧減算回路は、上記ミキサの出力
信号と上記振幅調整回路の出力信号を加算する電圧加算
回路としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1によるカオスレーダーを示す図である。
図において、7は発振器、8は分配器、9は疑似雑音信
号発生器、10は変調器、11は電力増幅器、12は送
信アンテナ、13は受信アンテナ、14は低雑音増幅
器、15はミキサ、16はフィルタ、17はビデオ増幅
器、18はA/D変換器、19はカオス信号処理器、2
1は車間距離表示器、22はアクセル/ブレーキ制御
器、23はバッテリーである。24は移相器、25はこ
の実施の形態1によるカオスレーダーである。
【0017】この実施の形態1の狙いは、発振器7の信
号の一部を分配器8で取り出し、ミキサ15に入力する
際、その信号の移相を変化させ、ミキサ15に入力され
る送信漏れ信号と分配器8からの信号とが、適切な位相
関係となるようにすることである。
【0018】以下、図1により、カオスレーダー25の
概要を説明する。カオスレーダー25は、送信アンテナ
12、受信アンテナ13が希望する方向(通常は前方)
を向く様に、例えば、自車2のフロントバンパー付近に
装備される。カオスレーダー25でのカオス信号処理で
は、前方を走行する他車3と自車2との車間距離を算出
して出力し、その結果は自車2の運転席に装備された車
間距離表示器5に表示され、運転者はこれを見て他車3
と自車2との車間距離を知ることができる。
【0019】また、車間距離が一定値を下回った場合に
は、運転席内に警報音を鳴らして運転者に“車間距離不
保持警報”、もしくは“追突警報”を発するすることも
できることは勿論である。また、カオスレーダー25で
測定した車間距離を自車2のアクセル・ブレーキ制御器
22(いわゆる、オートクルーズ装置)に出力し、車間
距離が常に一定になる様にアクセル・ブレーキを制御さ
せることにより、アクセルペダル、ブレーキペダルを操
作すること無く、車間距離を一定に保って巡航走行を行
うことも可能となる。
【0020】次に、図1により実施の形態1の動作を詳
述する。発振器7で発生した高周波信号は、分配器8に
て2分配され、その一方は変調器10に入力される。変
調器10は発振器7から入力された高周波信号を疑似雑
音デジタルコード信号で、PSK変調する。このPSK
変調された高周波信号は、電力増幅器11にて所要の高
周波電力にまで増幅された後、送信アンテナ12から前
方空間に放射される。
【0021】放射された信号は、目標(多くは前方走行
車両である他車3の後部)に照射さて、反射して受信ア
ンテナ13に到来する。一方、送信アンテナ12で放射
された信号の一部は送信漏れ込み信号として直接受信ア
ンテナ13に到達する。受信アンテナ13で受信した反
射信号と送信漏れ込み信号とは低雑音増幅器14で増幅
された後、ミキサー15に入力される。ただし、低雑音
増幅器14はレーダー回線設計上必要な場合にのみ装備
され、低雑音増幅器14を装備せずに受信アンテナ13
とミキサ15とを直結しても、本発明の本質には何ら影
響は無い。また,電力増幅器11もレーダー回線設計上
必要な場合にのみ装備され、電力増幅器11を装備せず
に変調器10と送信アンテナ12とを直接接続しても、
本発明の本質には何ら影響は無い。
【0022】カオスレーダー25を小型化すると、送信
漏れ込み信号のレベルが非常に大きくなるため、これを
抑圧する必要がある。このための手段として、たとえ
ば、特開平7−167948「CWレーダ装置」に述べ
られている、サーキュレーターからの送信漏れ込み信号
の抑圧方法を、送信アンテナ12から受信アンテナ13
への送信漏れ込み信号抑圧にも流用することが考えられ
る。すなわち、低雑音増幅器14とミキサ15との間に
信号合成器を配置し、移相器24の信号出力を減衰した
信号と、送信漏れ込み信号とをこの合成器に入力し、送
信漏れ信号を電力合成作用で抑圧するように構成するも
のである。しかし、カオスレーダーは、送信信号がPS
K変調されているため、上記の方法を適用した場合に
は、送信波が、PSK変調におけるどちらか一方の位相
状態にある場合は漏れ込み信号抑圧ができるが、もう一
方の位相状態に変化した場合は、漏れ込み信号は抑圧さ
れず、逆に、電力合成作用により送信漏れ込み信号のレ
ベルが増加してしまう。したがって上記の方法はカオス
レーダーには適用できない。
【0023】そこで、実施の形態1では、ダブルバラン
スドミキサにおいて、二つの入力信号の位相が直交した
場合はミキサの出力信号が発生しない機能を有している
ことを利用して、送信漏れ込み信号の抑圧を行うことと
した。
【0024】再度、図1に戻って動作の詳細の説明を継
続する。分配器8で分配された発振器7の出力信号のも
う一方は、移相器24で移相を変えられミキサ15に入
力される。ミキサ15は低雑音増幅器14からの信号と
移相器24からの信号とを混合し、ベースバンド信号に
変換する。ミキサー15はダブルバランスド型を用い
る。ミキサー15に入力される2つの信号、すなわち送
信漏れ込み信号と、移相器24の出力信号との位相が直
交するように、移相器24の移相量を調整すれば、ダブ
ルバランスドミキサーの特性上、ミキサー15の出力に
おいて、送信漏れ込み信号に起因するベースバンド信号
は出力されない。送信信号はPSK変調されているが、
送信波のPSK変調における一方の位相状態において、
送信漏れ込み信号と移相器24の出力信号との位相が直
交するように調整すれば、送信波のPSK変調がもう一
方の位相状態に変化しても、その位相変化量は180度
であるので、送信漏れ込み信号と移相器24の出力信号
との位相関係が直交していることには変わりが無く、こ
の場合でも送信漏れ込み信号の抑圧効果を有する。すな
わち送信波のPSK変調における位相状態にかかわら
ず、常に、送信漏れ込み信号の抑圧を行うことができ
る。
【0025】ミキサ15が出力するベースバンド信号
は、フィルタ16を通過して不要な信号を除去された
後、ビデオ増幅器17で信号処理が可能となる所要のレ
ベルまで増幅され、A/D変換器18でデジタル信号に
変換された後、カオス信号処理器19に入力される。カ
オス信号処理内部での信号処理方式は、前述の通りであ
るのでここでの記述は省略する。このようにして得た目
標(多くは前方走行中の他車3)までの距離情報は、運
転席内の車間距離表示器21やアクセル・ブレーキ制御
器22に入力される。
【0026】この実施の形態によれば、受信信号のベー
スバンド信号への変換をダブルバランスドミキサで行う
とともに、分配器とミキサとの間に備えた移相器を調整
することにより、このダブルバランスドミキサに入力さ
れる移相器の出力信号と、送信漏れ信号とが、位相にお
いて直交するように構成したので、ベースバンドには送
信漏れに起因する疑似雑音デジタルコードは発生せず、
よって、ミキサ以降の受信系の信号利得を大きく設定で
きるので、微弱な反射信号を取り扱うことができ、結果
として、レーダーの最大探知距離が大きくなるという効
果を有する。
【0027】実施の形態2.図2は、この発明の実施の
形態2によるカオスレーダーを示す図である。図におい
て、実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を
付してあるので、説明は省略する。26はこの実施の形
態2によるカオスレーダーである。
【0028】この実施の形態2は、実施の形態1と比較
して分配器8とミキサ15とを移相器無しで直接接続す
るとともに、移相器24を変調器10と電力増幅器11
との間に設けたものである。
【0029】図2により実施の形態2の動作を説明す
る。PSK変調された高周波信号を送信アンテナ12か
ら空間に放射することは実施の形態1と同様である。し
かし、実施の形態2では、変調器10の出力を、移相器
24を経由して送信するため、送信アンテナ12から送
信される信号の位相を移相器24で変えることができ
る。
【0030】受信アンテナ13にて送信漏れ信号を受信
し、これがミキサ15に入力されるのも実施の形態1と
同様であるが、実施の形態2では上記移相器24により
送信波の位相が変えられるので、必然的に送信漏れ信号
の位相も変えられることとなり、よってミキサ15に入
力される送信漏れ信号の位相も移相器24で変えられる
ことになる。したがって、ミキサ15に入力される分配
器8からの信号と、低雑音増幅器14を経由してくる送
信漏れ信号との位相が直交するように移相器24を調整
すれば、実施の形態1と同様にミキサ15の出力には送
信漏れに起因するベースバンド信号は発生しなくなる。
【0031】この実施の形態によれば、受信信号のベー
スバンド信号への変換をダブルバランスドミキサで行う
とともに、変調器と電力増幅器との間に備えた移相器を
調整することにより、このダブルバランスドミキサに入
力される、発振器の出力信号の一部分と、送信漏れ信号
とが、位相において直交するように構成したので、ベー
スバンドには送信漏れに起因する疑似雑音デジタルコー
ドは発生せず、よって、ミキサ以降の受信系の信号利得
を大きく設定できるので、微弱な反射信号を取り扱うこ
とができ、結果として、レーダーの最大探知距離が大き
くなるという効果を有する。
【0032】なお、実施の形態2においても、低雑音増
幅器14が無くても本発明の本質には影響がないこと
は、実施の形態1と同じである。また、電力増幅器11
が無くても本発明の本質に影響がないことも、実施の形
態1と同じである。
【0033】実施の形態3.図3は、この発明の実施の
形態3によるカオスレーダーを示す図である。図におい
て、実施の形態1または2と同一または相当部分には同
一符号を付してあるので、説明は省略する。27はこの
実施の形態によるカオスレーダーである。
【0034】この実施の形態3は、実施の形態1と比較
して分配器8とミキサ15とを移相器無しで直接接続す
るとともに、移相器24を低雑音増幅器14とミキサ1
5との間に設けたものである。
【0035】図3により実施の形態3の動作を説明す
る。PSK変調された高周波信号を送信アンテナ12か
ら空間に放射することは実施の形態1と同様である。
【0036】受信アンテナ13にて送信漏れ信号を受信
し、これがミキサ15に入力されるのも実施の形態1と
同様であるが、実施の形態3では移相器24により低雑
音増幅器14から出力されミキサ15に入力される送信
漏れ信号の位相を変えることができる、したがって、ミ
キサ15に入力される分配器8からの信号と、移相器2
4を経由してくる送信漏れ信号との位相が直交するよう
に移相器24を調整すれば、実施の形態1と同様にミキ
サ15の出力には送信漏れに起因するベースバンド信号
は発生しなくなる。
【0037】この実施の形態によれば、受信信号のベー
スバンド信号への変換をダブルバランスドミキサで行う
とともに、低雑音増幅器とミキサとの間に備えた移相器
を調整することにより、このダブルバランスドミキサに
入力される、発振器の出力信号の一部分と、送信漏れ信
号とが、位相において直交するように構成したので、ベ
ースバンドには送信漏れに起因する疑似雑音デジタルコ
ードは発生せず、よって、ミキサ以降の受信系の信号利
得を大きく設定できるので、微弱な反射信号を取り扱う
ことができ、結果として、レーダーの最大探知距離が大
きくなるという効果を有する。
【0038】なお、実施の形態3においても、低雑音増
幅器14が無くても本発明の本質には影響がないこと
は、実施の形態1と同じである。また、電力増幅器11
が無くても本発明の本質に影響がないことも、実施の形
態1と同じである。
【0039】実施の形態4.図4は、この発明の実施の
形態4によるカオスレーダーを示す図である。図におい
て、実施の形態1乃至3と同一または相当部分には同一
符号を付してあるので、説明は省略する。28は遅延回
路、29は振幅調整回路、30は電圧減算回路、31は
この実施の形態によるカオスレーダーである。
【0040】この実施の形態4の狙いは、送信漏れに起
因するベースバンド信号と同じ波形信号を、疑似雑音デ
ジタルコード信号と遅延回路28と振幅調整回路29と
を用いて作成し、電圧減算回路30にてミキサ15の出
力信号から上記同じ波形の信号を電圧減算することによ
り、ミキサ15が出力するベースバンド信号の内、送信
漏れに起因するベースバンド信号のみを相殺することで
ある。
【0041】では、図4により実施の形態4の動作を詳
述する。PSK変調された高周波信号を送信アンテナ1
2から空間に放射することは実施の形態1と同様であ
る。
【0042】放射された信号は、目標(多くは前方走行
車両である他車3の後部)に照射され反射して受信アン
テナ13に到来する。一方送信アンテナ12で放射され
た信号の一部は送信漏れ込み信号として直接受信アンテ
ナ13に到達する。受信アンテナ13で受信した反射信
号と送信漏れ込み信号とは低雑音増幅器14で増幅され
た後、ミキサー15に入力される。
【0043】分配器8で分配された発振器の出力信号の
もう一方はミキサ15に入力される。ミキサ15は低雑
音増幅器14からの信号と分配器8からの信号とを混合
し、ベースバンド信号に変換する。このベースバンド信
号は電圧減算回路30に入力される。
【0044】一方、疑似雑音信号発生器9で発生した疑
似雑音デジタルコードは遅延回路28にて時間遅延され
る。遅延回路28での時間遅延量は疑似雑音信号発生器
9が出力する疑似雑音デジタルコードと、ミキサ15が
出力する送信漏れに起因するベースバンド信号における
疑似雑音デジタルコード成分との時間差に等しく設定す
る。遅延回路28の出力は振幅調整回路29にてその振
幅が、ミキサ15が出力する送信漏れに起因するベース
バンド信号における疑似雑音デジタルコード成分の振幅
と等しくなるように調整される。振幅調整回路29の出
力は電圧減算回路30の減算端子に入力される。
【0045】図5は電圧減算回路30の入出力信号の波
形を示す図であり、図5を用いて電圧減算回路30に入
出力する信号の波形を説明する。図5の(a)の図はミ
キサ15のベースバンド出力信号の波形を示すものであ
る。この信号には送信漏れに起因する振幅の大きな疑似
雑音デジタルコード信号成分の上に目標からの反射信号
に起因する振幅の小さな疑似雑音デジタルコード成分が
重畳している。
【0046】図5の(b)の図は振幅調整回路29が出
力する疑似雑音デジタルコード信号の波形を示すもので
ある。ミキサ15が出力する送信漏れに起因する疑似雑
音デジタルコード信号と同じタイミングになるように時
間遅延されていること、およびミキサ15が出力する送
信漏れに起因する疑似雑音デジタルコードと同じ振幅と
なるように振幅調整されているのは上述の通りである。
【0047】図5の(c)の図は(a)図の波形から
(b)図の波形を電圧減算した結果を示しており、これ
はすなわち電圧減算回路30の出力信号波形である。送
信漏れに起因する疑似雑音デジタルコード成分は相殺さ
れ、目標からの反射信号に起因する疑似デジタルコード
成分のみが出力されている。
【0048】再度、図4に戻って、以降の動作を説明す
る。上述のように目標からの反射信号に起因する疑似雑
音デジタルコード成分ベースバンド信号のみがフィルタ
16に入力され、不要波を抑圧されたのち、ビデオ増幅
器17にて信号処理に適したレベルまでビデオ増幅さ
れ、A/D変換器18にてデジタル信号に変換され、カオ
ス信号処理器19にてカオス信号処理される。カオス信
号処理については前述したのでここでは記述を省略す
る。このようにして得た目標(多くは前方走行中の他車
3)までの距離情報は、運転席内の車間距離表示器21
やアクセル・ブレーキ制御器22に入力される。
【0049】この発明の実施例によれば、PSK変調に
用いる疑似雑音デジタルコードを分岐し、この分岐した
デジタルコードの時間タイミングをベースバンドにおけ
る送信漏れに起因する疑似雑音デジタルコードの時間タ
イミングに合わせるように調整するとともに、この時間
タイミングを合わせたデジタルコードの振幅をベースバ
ンドにおける送信漏れに起因する疑似雑音デジタルコー
ドと合わせるように調整してから、ミキサの出力信号か
らこの調整済みデジタルコードを電圧減算するように構
成したので、電圧減算後には送信漏れに起因する疑似雑
音デジタルコードは存在せず、よって、電圧減算以降の
受信系の信号利得を大きく設定できるので、微弱な反射
信号を取り扱うことができ、結果として、レーダーの最
大探知距離が大きくなるという効果を有する。
【0050】なお、実施の形態4においても、低雑音増
幅器14が無くても本発明の本質には影響がないこと
は、実施の形態1と同じである。また電力増幅器11が
無くても本発明の本質には影響が無いことも、実施の形
態1と同じである。
【0051】実施の形態5.図6は、この発明の実施の
形態5によるカオスレーダーを示す図である。図におい
て、実施の形態1乃至4と同一または相当部分には同一
符号を付してあるので、説明は省略する。32は極性反
転回路、33は電圧加算回路、34はこの実施の形態に
よるカオスレーダーである。
【0052】この実施の形態5は、実施の形態4と比較
してミキサ15とフィルタ16の間に電圧減算回路では
なく、電圧加算回路33を挿入したものである。さらに
実施の形態4と比較して、疑似雑音信号発生器9と遅延
回路28との間に極性反転回路32を新設したものであ
る。
【0053】このため、入力信号のインピーダンスマッ
チング設計や電圧オフセット設計に困難を伴なう電圧減
算回路では無く、これらの設計が容易な、電圧加算回路
を用いることができる。さらに、極性が異なる2つの疑
似雑音デジタルコードを有するので、車載機器にとって
重要な、不要信号の空間放射特性(いわゆるEMC特
性)が改善する。
【0054】図6により実施の形態5の動作を説明す
る。PSK変調された高周波信号を送信アンテナ12か
ら空間に放射すること、および、ミキサ15は送信漏れ
に起因する疑似雑音デジタルコード成分のベースバンド
と、目標からの反射信号に起因する疑似雑音デジタルコ
ード成分のベースバンドとを出力するこは実施の形態4
と同じである。
【0055】さて、疑似雑音信号発生器9の出力は極性
反転回路32によりHigh/Lowレベルが反転され
る。その後、遅延回路28および振幅調整回路29にて
疑似雑音信号発生器9が出力する疑似雑音デジタルコー
ド信号の時間タイミングと振幅とを、ミキサ15が出力
する送信漏れに起因する疑似雑音デジタルコードベース
バンド信号の時間タイミングと振幅とに等しくなるよう
に各々調整する。このように調整された信号と、ミキサ
15の出力ベースバンド信号とを電圧加算回路33にて
電圧加算する。振幅調整回路29が出力する疑似雑音デ
ジタルコード信号は極性が反転されているので、電圧加
算回路33にて送信漏れに起因する疑似雑音デジタルコ
ード信号成分は相殺され出力されない。以後フィルタ1
6以降の動作については実施の形態4と同じである。
【0056】この発明の実施例によれば、PSK変調に
用いる疑似雑音デジタルコードを分岐し、この分岐した
デジタルコードの極性を反転した後、時間タイミングを
ベースバンドにおける送信漏れに起因する疑似雑音デジ
タルコードの時間タイミングに合わせるように調整する
とともに、このタイミングを調整したデジタルコードの
振幅をベースバンドにおける送信漏れに起因する疑似雑
音デジタルコードと合わせるように調整してから、ミキ
サの出力信号とこの調整済みデジタルコードを電圧加算
するように構成したので、電圧加算後には送信漏れに起
因する疑似雑音デジタルコードは存在せず、よって、電
圧減算以降の受信系の信号利得を大きく設定できるの
で、微弱な反射信号を取り扱うことができ、結果とし
て、レーダーの最大探知距離が大きくなるという効果を
有する。
【0057】なお、実施の形態5においても、低雑音増
幅器14が無くても本発明の本質には影響がないこと
は、実施の形態1と同じである。また電力増幅器11が
無くても本発明の本質には影響が無いことも、実施の形
態1と同じである。
【0058】
【発明の効果】第1乃至第3の発明によれば、レーダー
の筐体を小型に構成しその結果送信アンテナと受信アン
テナとが近接して送信漏れの量が大きくなっても、送信
漏れによる信号はミキサから出力されなくなるので、送
信漏れによるレーダーの受信系の飽和を回避できる。し
たがってレーダーの受信系の信号利得を高いものにで
き、結果としてレーダーの最大探知距離を大きくでき
る。
【0059】第4または第5の発明によれば、レーダー
の筐体を小型に構成しその結果送信アンテナと受信アン
テナとが近接して送信漏れの量が大きくなっても、送信
漏れによる信号は疑似雑音デジタルコードと相殺される
ので、送信漏れによるレーダーの受信系の飽和を回避で
きる。したがってレーダーの受信系の信号利得を高いも
のにでき、結果としてレーダーの最大探知距離を大きく
できる
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるカオスレーダ
ーの構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態2によるカオスレーダ
ーの構成を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態3によるカオスレーダ
ーの構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態4によるカオスレーダ
ーの構成を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による電圧減算回路
に入出力される信号の波形を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態5によるカオスレーダ
ーの構成を示す図である。
【図7】 従来のカオスレーダーを乗用車に搭載したイ
メージを示す図である。
【図8】 従来のカオスレーダーの運用イメージを示す
図である。
【図9】 従来のカオスレーダーの構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 カオスレーダー、2 自車、3 他車、4 道路、
5 車間距離表示器、6 送信電波、7 発振器、8
分配器、9 疑似雑音信号発生器、10 変調器、11
電力増幅器、12 送信アンテナ、13 受信アンテ
ナ、14 低雑音増幅器、15 ミキサ、16 フィル
タ、17 ビデオ増幅器、18 A/D変換器、19
カオス信号処理器、20 従来のカオスレーダー、21
車間距離表示器、22 アクセル/ブレーキ制御器、
23 バッテリ、24 移相器、25 実施の形態1に
おけるカオスレーダー、26 実施の形態2におけるカ
オスレーダー、27 実施の形態3におけるカオスレー
ダー、28 遅延回路、29 振幅調整回路、30 電圧
減算回路、31 実施の形態4におけるカオスレーダ
ー、32 極性反転回路、33 電圧加算回路、34 実
施の形態5におけるカオスレーダー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱野 聡 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J070 AB10 AC02 AE01 AF03 AH39 AK06 AK34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車載用レーダー装置において、高周波発
    振器と、疑似雑音デジタルコード信号を発生する疑似雑
    音信号発生器と、上記高周波発振器の出力信号を疑似雑
    音デジタルコードでPSK変調する変調器と、この変調
    器に接続され送信する送信アンテナと、反射信号を受信
    する受信アンテナと、上記送信アンテナから上記受信ア
    ンテナへ直接入力される高周波信号の位相と、上記高周
    波発振器の出力信号の位相とを直交させる移相器と、受
    信した反射信号と上記移相器の出力信号とを混合しベー
    スバンド信号として出力するミキサとを備えたことを特
    徴とする車載用レーダー装置。
  2. 【請求項2】 上記移相器は、上記変調器出力と上記送
    信アンテナとの間に備えたことを特徴とする、請求項1
    に記載の車載用レーダー装置。
  3. 【請求項3】 上記移相器は、上記受信アンテナと上記
    ミキサとの間に備えたことを特徴とする、請求項1に記
    載の車載用レーダー装置。
  4. 【請求項4】 車載用レーダー装置において、高周波発
    振器と、疑似雑音デジタルコード信号を発生する疑似雑
    音信号発生器と、上記高周波発振器の出力信号を疑似雑
    音デジタルコードでPSK変調する変調器と、この変調
    器に接続され送信する送信アンテナと、反射信号を受信
    する受信アンテナと、受信した反射信号と上記高周波発
    振器の出力信号とを混合し、ベースバンド信号に変換す
    るミキサと、上記送信アンテナから上記受信アンテナへ
    直接入力される信号に起因して、ベースバンド信号で発
    生する疑似雑音デジタルコードと、上記疑似雑音信号発
    生器が発生する疑似雑音デジタルコードとの時間差を等
    しくする遅延回路と、この遅延回路の出力信号の振幅
    を、上記送信アンテナから上記受信アンテナへ直接入力
    される信号に起因して、ベースバンド信号で発生する疑
    似雑音デジタルコードの振幅と等しくするための振幅調
    整回路と、このミキサが出力する信号から上記振幅調整
    回路の信号を減算する電圧減算回路とを備えたことを特
    徴とする車載用レーダー装置。
  5. 【請求項5】 信号の極性を反転する極性反転回路を備
    え、上記疑似雑音信号発生器の出力信号をこの極性反転
    回路にて極性反転させたのちに上記遅延回路に入力する
    とともに、上記電圧減算回路は、上記ミキサの出力信号
    と、上記振幅調整回路の出力信号とを加算する電圧加算
    回路であることを特徴とする、請求項4に記載の車載用
    レーダー装置。
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