JP2003269119A - 電磁駆動弁制御装置 - Google Patents

電磁駆動弁制御装置

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JP2003269119A JP2002065801A JP2002065801A JP2003269119A JP 2003269119 A JP2003269119 A JP 2003269119A JP 2002065801 A JP2002065801 A JP 2002065801A JP 2002065801 A JP2002065801 A JP 2002065801A JP 2003269119 A JP2003269119 A JP 2003269119A
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    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L9/00Valve-gear or valve arrangements actuated non-mechanically
    • F01L9/20Valve-gear or valve arrangements actuated non-mechanically by electric means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16KVALVES; TAPS; COCKS; ACTUATING-FLOATS; DEVICES FOR VENTING OR AERATING
    • F16K31/00Actuating devices; Operating means; Releasing devices
    • F16K31/02Actuating devices; Operating means; Releasing devices electric; magnetic
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ばね・質量振動系モデルを用いた電磁駆動弁の
制御精度の向上。 【解決手段】アーマチャが弁体に対して係合状態で作動
している期間と非係合状態でアーマチャのみ作動してい
る期間とをアーマチャの位置情報にて判断して(S11
8)、モデルパラメータを切り替えている(S120,
S128)。このことにより実際のばね・質量振動系の
変化に対応してモデルパラメータを常に好適に設定する
ことができ、モデルを用いた電磁駆動弁の制御精度を向
上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁駆動弁制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸気弁や排気弁などを対象と
して電磁駆動弁を採用した場合の制御装置が提案されて
いる(特開2001−207875、特開2000−2
34534、特開2001−221022、特開200
1−221360)。これらの制御装置の内、例えば可
動子による衝突騒音の低減を図るために内燃機関の特定
の運転領域において可動子を着座させないようにした
り、可動子の速度を着座時に「0」に近づけたり、可動
子の速度を切り替えたりするなどの目標作動特性になる
ように可動子の位置制御が行われている。
【0003】これらの開示技術においては、上述した目
標作動特性を達成するために、電磁駆動弁をばね・質量
振動系としてモデル化するものが提案されており、可動
部の質量、ばね定数、粘性係数をモデルパラメータとし
た物理モデルに基づいて、目標作動特性を得るために電
磁石に出力される電流値を調整している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した開示技術では
可動部の質量、ばね定数及び粘性係数を固定したモデル
パラメータにより電磁駆動弁制御を実行している。しか
し電磁駆動弁は、ばね力と電磁力との協働により駆動さ
れる可動子と該可動子と係合可能な弁体とを備えてお
り、可動子の駆動に応じて可動子が弁体に係合すること
により開閉動作を実行している。このため可動子が弁体
に対して係合状態で作動している期間ばかりでなく、可
動子が弁体に対して非係合状態で作動している期間が存
在する。
【0005】前記開示技術では、この非係合状態での作
動期間を考慮せず、全て係合状態で作動しているものと
考えて、固定したモデルパラメータによるモデルに基づ
いて電磁駆動弁制御を実行している。このため非係合状
態での作動期間では、ばね・質量振動系モデルが実際の
ばね・質量振動系とのずれが発生する。例えば、可動子
が閉弁側に移動する場合に弁体が着座した後は、可動子
は弁体から離れるので、実際の質量は可動子のみとな
り、実際のばね定数も可動子を付勢しているばねのみの
ばね定数となる。更に、実際の粘性係数についても可動
子のみの運動に起因した粘性係数となる。このようなば
ね・質量振動系モデルにおけるずれが生じることによ
り、電磁石による電磁力特性が目標作動特性に対応しな
くなり電磁駆動弁制御の精度が悪化する問題が生じる。
【0006】本発明は、電磁駆動弁におけるばね・質量
振動系の変化に対応して、モデルパラメータひいてはモ
デルを常に好適なものとすることにより、モデルを用い
た電磁駆動弁の制御精度を向上させることを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1記載の電磁駆動弁制御装置は、ばね力と電磁力との
協働により駆動される可動子と該可動子と係合可能な弁
体とを備えて前記可動子の駆動に応じて前記可動子が前
記弁体に係合することにより前記弁体が開閉動作を実行
する電磁駆動弁に対する電磁駆動弁制御装置であって、
前記可動子の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
ばね・質量振動系として得られている前記電磁駆動弁の
モデルと前記位置情報検出手段にて検出された位置情報
とに基づいて前記可動子が目標作動状態となるように前
記可動子を駆動するための電磁力を調整する電磁力調整
手段と、前記位置情報検出手段により検出された位置情
報に基づいて、前記可動子が前記弁体に対して係合状態
で作動している期間か、前記可動子が前記弁体に対して
非係合状態で作動している期間かを判別し、判別された
期間に対応して前記電磁力調整手段における前記モデル
のモデルパラメータを切り替えるモデルパラメータ切替
手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】このようにモデルパラメータ切替手段が、
可動子と弁体との係合時と非係合時とで電磁力調整手段
におけるモデルパラメータを切り替えているので、電磁
力調整手段は実際のばね・質量振動系の変化に対応して
適切なモデルを利用できるようになる。このため電磁力
調整手段による可動子の駆動を高精度なものにでき、モ
デルを用いた電磁駆動弁の制御精度を向上させることが
できる。
【0009】尚、前記「位置情報」とは座標位置そのも
のを表すばかりでなく位置変化、例えば速度や加速度な
どの位置に関する情報を含む概念である。他の請求項に
おいても同じである。
【0010】又、前記モデルは、直接的にモデルを表す
関係式ばかりでなく、この関係式から導かれる各種の関
係式、例えばモデルから導かれる電磁力要求値算出式や
状態観測器なども含まれる。他の請求項においても同じ
である。
【0011】請求項2記載の電磁駆動弁制御装置では、
請求項1において、前記電磁駆動弁は、前記可動子が第
1ばねにより前記弁体を開側に移動する方向に付勢さ
れ、前記弁体が第2ばねにより閉側に付勢されているこ
とを特徴とする。
【0012】可動子が第1ばねにより弁体が第2ばねに
よりそれぞれ上述したごとくに付勢されていることによ
り、可動子と弁体との係合有無によりばねに関するモデ
ルパラメータが異なることになる。したがってモデルパ
ラメータ切替手段が係合有無によりモデルパラメータを
切り替えることにより、電磁力調整手段は実際のばね・
質量振動系の変化に対応して適切なモデルを利用できる
ようになる。このため、電磁力調整手段による可動子の
駆動を高精度なものにでき、モデルを用いた電磁駆動弁
の制御精度を向上させることができる。
【0013】請求項3記載の電磁駆動弁制御装置では、
請求項1又は2において、前記モデルパラメータ切替手
段は、前記判別された期間に対応して、前記モデルパラ
メータ内における質量に関するパラメータを切り替える
ことを特徴とする。
【0014】可動子と弁体との係合有無により、可動子
の運動に伴う移動質量が異なる。したがってモデルパラ
メータ切替手段は係合有無により質量に関するモデルパ
ラメータを切り替える。このことにより電磁力調整手段
は実際のばね・質量振動系に対応して適切なモデルを利
用できるようになる。このためモデルを用いた電磁駆動
弁の制御精度を向上させることができる。
【0015】請求項4記載の電磁駆動弁制御装置では、
請求項3において、前記モデルパラメータ切替手段は、
前記判別された期間が、前記可動子が前記弁体に対して
係合状態で作動している期間である場合は、前記可動子
と前記弁体との合計の質量に基づいて前記モデルパラメ
ータ内の質量に関するパラメータを設定し、前記判別さ
れた期間が、前記可動子が前記弁体に対して非係合状態
で作動している期間である場合は、前記可動子の質量に
基づいて前記モデルパラメータ内の質量に関するパラメ
ータを設定することで、前記モデルパラメータの内で質
量に関するパラメータを切り替えることを特徴とする。
【0016】可動子と弁体との係合時には可動子の運動
に伴って弁体も移動し、非係合時には可動子が運動して
も弁体は連動しない。したがって係合の有無による質量
上の差は、可動子と弁体との合計の質量と、可動子のみ
の質量との間の差が含まれている。このためモデルパラ
メータ切替手段は係合時は可動子と弁体との合計の質量
に基づくモデルパラメータとし、非係合時は可動子の質
量に基づくモデルパラメータとする。このことにより電
磁力調整手段は実際のばね・質量振動系に対応して適切
なモデルを利用できるようになり、モデルを用いた電磁
駆動弁の制御精度を向上させることができる。
【0017】請求項5記載の電磁駆動弁制御装置では、
請求項2において、前記モデルパラメータ切替手段は、
前記判別された期間が、前記可動子が前記弁体に対して
係合状態で作動している期間である場合は、前記可動
子、前記弁体、前記第1ばね及び前記第2ばねの合計の
質量に基づいて前記モデルパラメータ内の質量に関する
パラメータを設定し、前記判別された期間が、前記可動
子が前記弁体に対して非係合状態で作動している期間で
ある場合は、前記可動子及び前記第1ばねの質量に基づ
いて前記モデルパラメータ内の質量に関するパラメータ
を設定することで、前記モデルパラメータの内で質量に
関するパラメータを切り替えることを特徴とする。
【0018】尚、係合の有無により作用するばねの数も
異なる場合には、係合の有無による質量上の差は、第1
ばねと第2ばねとの合計の質量と、第1ばねのみの質量
との間の差も含むことにより、より適切な質量差を得る
ことができる。
【0019】このためモデルパラメータ切替手段は、係
合時は可動子、弁体、第1ばね及び第2ばねの合計の質
量に基づいてモデルパラメータを設定し、非係合時は可
動子及び第1ばねの質量に基づいてモデルパラメータを
設定する。このことにより電磁力調整手段は実際のばね
・質量振動系に対応して適切なモデルを利用できるよう
になりモデルを用いた電磁駆動弁の制御精度を更に向上
させることができる。
【0020】請求項6記載の電磁駆動弁制御装置では、
請求項2において、前記モデルパラメータ切替手段は、
前記判別された期間に対応して、前記モデルパラメータ
内におけるばね定数に関するパラメータを切り替えるこ
とを特徴とする。
【0021】係合時には可動子を付勢する第1ばねと弁
体を付勢する第2ばねとが可動子の運動に関わり、非係
合時には可動子を付勢する第1ばねのみが可動子の運動
に関わる。したがってモデルパラメータ切替手段は係合
有無によりばね定数に関するモデルパラメータを切り替
えることにより、電磁力調整手段は実際のばね・質量振
動系に対応して適切なモデルを利用できるようになり、
モデルを用いた電磁駆動弁の制御精度を向上させること
ができる。
【0022】請求項7記載の電磁駆動弁制御装置では、
請求項6において、前記モデルパラメータ切替手段は、
前記判別された期間が、前記可動子が前記弁体に対して
係合状態で作動している期間である場合は、前記第1ば
ねと前記第2ばねとの合成ばねのばね定数に基づいて前
記モデルパラメータ内のばね定数に関するパラメータを
設定し、前記判別された期間が、前記可動子が前記弁体
に対して非係合状態で作動している期間である場合は、
前記第1ばねのばね定数に基づいて前記モデルパラメー
タ内のばね定数に関するパラメータを設定することで、
前記モデルパラメータの内でばね定数に関するパラメー
タを切り替えることを特徴とする。
【0023】モデルパラメータ切替手段は、係合時には
第1ばねと第2ばねとの合成のばね定数に基づき、非係
合時には第1ばねのみのばね定数に基づいて、ばね定数
に関するモデルパラメータを切り替える。このことによ
り電磁力調整手段は、実際のばね・質量振動系に対応し
て適切なモデルを利用できるようになり、モデルを用い
た電磁駆動弁の制御精度を向上させることができる。
【0024】請求項8記載の電磁駆動弁制御装置では、
請求項2において、前記モデルパラメータ切替手段は、
前記判別された期間に対応して、前記モデルパラメータ
内におけるばね定数及びばねのオフセットに関するパラ
メータを切り替えることを特徴とする。
【0025】可動子と弁体との係合時には可動子を付勢
する第1ばねと弁体を付勢する第2ばねとが可動子の運
動に関わり、非係合時には可動子を付勢する第1ばねの
みが可動子の運動に関わる。この場合、単にばね定数が
切り替わるのみでなく、オフセットが切り替わる場合が
ある。
【0026】したがってモデルパラメータ切替手段は、
係合有無によりばね定数とばねのオフセットとに関する
モデルパラメータを切り替えることにより、電磁力調整
手段は、実際のばね・質量振動系に対応して適切なモデ
ルを利用できるようになり、モデルを用いた電磁駆動弁
の制御精度を一層向上させることができる。
【0027】請求項9記載の電磁駆動弁制御装置では、
請求項8において、前記モデルパラメータ切替手段は、
前記判別された期間が、前記可動子が前記弁体に対して
係合状態で作動している期間である場合は、前記第1ば
ねと前記第2ばねとの合成ばねのばね定数及び該合成ば
ねのオフセットに基づいて前記モデルパラメータ内のば
ね定数及びオフセットに関するパラメータを設定し、前
記判別された期間が、前記可動子が前記弁体に対して非
係合状態で作動している期間である場合は、前記第1ば
ねのばね定数及び該第1ばねのオフセットに基づいて前
記モデルパラメータ内のばね定数及びオフセットに関す
るパラメータを設定することで、前記モデルパラメータ
の内でばね定数及びオフセットに関するパラメータを切
り替えることを特徴とする。
【0028】モデルパラメータ切替手段は、係合時には
第1ばねと第2ばねとの合成のばね定数とそのオフセッ
トとに基づき、非係合時には第1ばねのみのばね定数と
そのオフセットとに基づいて、ばね定数及びオフセット
に関するモデルパラメータを切り替える。このことによ
り電磁力調整手段は、実際のばね・質量振動系に対応し
て適切なモデルを利用できるようになり、モデルを用い
た電磁駆動弁の制御精度を一層向上させることができ
る。
【0029】請求項10記載の電磁駆動弁制御装置で
は、請求項1又は2において、前記モデルパラメータ切
替手段は、前記判別された期間に対応して、前記モデル
パラメータ内における粘性係数に関するパラメータを切
り替えることを特徴とする。
【0030】可動子と弁体との係合有無により可動子の
運動時における粘性係数が異なる。係合時に可動子と弁
体とが共に運動する場合には、可動子のみが移動する場
合に比較して、移動速度に応じて発生する抵抗力が変化
する。すなわち粘性係数が変わる。したがってモデルパ
ラメータ切替手段は係合有無により粘性係数に関するモ
デルパラメータを切り替えることにより、電磁力調整手
段は実際のばね・質量振動系に対応して適切なモデルを
利用できるようになり、モデルを用いた電磁駆動弁の制
御精度を向上させることができる。
【0031】請求項11記載の電磁駆動弁制御装置で
は、請求項10において、前記モデルパラメータ切替手
段は、前記判別された期間が、前記可動子が前記弁体に
対して係合状態で作動している期間である場合は、前記
可動子の運動に起因する粘性係数と前記弁体の運動に起
因する粘性係数との合計の粘性係数に基づいて前記モデ
ルパラメータ内の粘性係数に関するパラメータを設定
し、前記判別された期間が、前記可動子が前記弁体に対
して非係合状態で作動している期間である場合は、前記
可動子の運動に起因する粘性係数に基づいて前記モデル
パラメータ内の粘性係数に関するパラメータを設定する
ことで、前記モデルパラメータの内で粘性係数に関する
パラメータを切り替えることを特徴とする。
【0032】モデルパラメータ切替手段は係合時には可
動子と弁体との両者の運動に起因する粘性係数に基づ
き、非係合時には可動子の運動に起因する粘性係数に基
づいてモデルパラメータを切り替える。このことにより
電磁力調整手段は実際のばね・質量振動系に対応して適
切なモデルを利用できるようになり、モデルを用いた電
磁駆動弁の制御精度を向上させることができる。
【0033】請求項12記載の電磁駆動弁制御装置で
は、請求項2において、前記モデルパラメータ切替手段
は、前記判別された期間に対応して、前記モデルパラメ
ータ内における質量、ばね定数、ばねのオフセット及び
粘性係数から選択された2〜4個のいずれかの組み合わ
せからなる物理量に関するパラメータを切り替えること
を特徴とする。
【0034】このようにモデルパラメータ切替手段は、
係合有無により、モデルパラメータの内で質量、ばね定
数、ばねのオフセット及び粘性係数から選択された2〜
4個のいずれかの組み合わせからなる物理量に関するパ
ラメータを切り替える。このことにより、電磁力調整手
段は実際のばね・質量振動系に対応して適切なモデルを
利用できるようになり、モデルを用いた電磁駆動弁の制
御精度を更に向上させることができる。
【0035】請求項13記載の電磁駆動弁制御装置で
は、請求項12において、前記モデルパラメータ切替手
段は、前記判別された期間が、前記可動子が前記弁体に
対して係合状態で作動している期間である場合は、前記
可動子に関する前記物理量と前記弁体に関する前記物理
量との組み合わせにより得られた物理量に基づいて前記
モデルパラメータ内の前記物理量に関するパラメータを
設定し、前記判別された期間が、前記可動子が前記弁体
に対して非係合状態で作動している期間である場合は、
前記可動子に関する前記物理量に基づいて前記モデルパ
ラメータ内の前記物理量に関するパラメータを設定する
ことで、前記モデルパラメータの内で前記物理量に関す
るパラメータを切り替えることを特徴とする。
【0036】モデルパラメータ切替手段は、係合時には
可動子と弁体との両方の組み合わせによる前記物理量に
関するモデルパラメータとし、非係合時には可動子につ
いての前記物理量に関するモデルパラメータとする。こ
のことにより電磁力調整手段は実際のばね・質量振動系
に対応して適切なモデルを利用できるようになり、モデ
ルを用いた電磁駆動弁の制御精度を更に向上させること
ができる。
【0037】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は上述した
発明が適用された電磁駆動弁2の概略構成図である。こ
こで電磁駆動弁2は、車両に搭載された内燃機関の吸気
弁及び排気弁として用いられているものである。尚、吸
気弁も排気弁も共に基本的な構成は同じであるので、図
1の電磁駆動弁2を吸気弁であるとして説明する。
【0038】電磁駆動弁2はバルブ部4、電磁駆動部6
及び変位センサ部7(位置情報検出手段に相当)を備え
て構成されている。バルブ部4はポペット型の弁体8を
有し、弁軸8aによりシリンダヘッド10に往復動可能
に支持されている。シリンダヘッド10には燃焼室12
に通じる吸気ポート14が形成されており、吸気ポート
14の燃焼室12側の開口部には、弁体8が離着座する
弁座16が形成されている。
【0039】弁軸8aの一端側にはロアリテーナ18が
設けられている。ロアリテーナ18とシリンダヘッド1
0との間にはロアスプリング20(第2ばねに相当)が
圧縮状態で配設されている。このロアスプリング20に
より弁体8全体は閉弁方向(図1の上方向)に付勢され
ている。
【0040】電磁駆動部6はアーマチャ22(可動子に
相当)、ロアコア24及びアッパコア26を備えてい
る。これらアーマチャ22、ロアコア24及びアッパコ
ア26は高透磁率材料からなる。円盤状のアーマチャ2
2の中心部にはアーマチャシャフト22aが設けられて
ロアコア24及びアッパコア26の中心孔を摺動可能に
貫通している。そしてアッパコア26を貫通したアーマ
チャシャフト22aにはアッパリテーナ28が固定され
ており、このアッパリテーナ28と電磁駆動部6のケー
シング6aとの間にはアッパスプリング30(第1ばね
に相当)が圧縮状態で配置されている。このアッパスプ
リング30によりアーマチャシャフト22aは弁体8方
向(図1の下方向)に付勢されている。
【0041】したがってアーマチャシャフト22aの下
端部22bと弁軸8aの上端部8bとは、アッパスプリ
ング30とロアスプリング20との付勢力により当接す
ることで、アーマチャ22と弁体8とは図示したごとく
係合でき、この係合状態でアーマチャ22と弁体8とは
一体となって移動できる。そしてロアコア24及びアッ
パコア26が励磁されていない場合には、ロアスプリン
グ20とアッパスプリング30とのばね力の平衡する位
置にてアーマチャシャフト22aと弁軸8aとは停止す
る。尚、ロアスプリング20とアッパスプリング30と
は同一のばねを用いている。このばね力の平衡位置では
アーマチャ22はロアコア24とアッパコア26との中
央に位置するように設定されている。図1はこの平衡状
態を示している。この平衡位置をアーマチャ22の変位
量X=0(mm)とし、ロアコア24側をマイナス、ア
ッパコア26側をプラスとする。
【0042】変位センサ部7は電磁駆動部6のケーシン
グ6aに取り付けられ、ケーシング6aを貫通して挿入
されているアーマチャシャフト22aの挿入量を検出す
ることでアーマチャ22の変位量Xを検出し、この変位
量Xを表す変位信号を電子制御ユニット(ECU)32
に出力している。このアーマチャ22の変位量Xは、開
側(図1の下側)から全閉状態(弁体8が弁座16に当
接した状態)までは、アーマチャ22と弁体8との一体
物の移動位置を表している。しかし後述するごとく全閉
状態からアーマチャ22が更に閉側(図1の上側)に移
動すると、弁体8は弁座16に着座したままで位置は変
化しなくなる。このような領域では、変位量Xは弁体8
から分離したアーマチャ22のみの移動位置を示すこと
になる。
【0043】ロアコア24内部にはロアコイル24a
が、アッパコア26内部にはアッパコイル26aが配置
されており、それぞれECU32から出力される励磁電
流により、ロアコア24及びアッパコア26にアーマチ
ャ22を吸引あるいは保持する電磁力を生じさせること
ができる。ロアコイル24aに励磁電流Ilowが供給
されてロアコア24が離れているアーマチャ22を吸引
すると、アーマチャ22はアッパスプリング30のばね
力とロアコア24による電磁力とを、弁体8側に付与す
る。このことにより弁体8は、ロアスプリング20のば
ね力に抗して弁座16から離れる方向に移動し吸気弁と
しての開度を大きくする。そしてアーマチャ22がロア
コア24に当接した状態にて吸気弁は最大の開度とな
る。このように弁体8を弁座16から離している時は、
図1及び図2(A)に示すごとく、アーマチャシャフト
22aの下端部22bは弁軸8aの上端部8bに当接し
たままであり、アーマチャ22と弁体8とは一体に移動
する状態となっている。尚、図2(A)は全開状態を示
している。
【0044】アッパコイル26aに励磁電流Iupが供
給されてアッパコア26がアーマチャ22を吸引した場
合には、アーマチャ22はアッパスプリング30のばね
力に抗してアッパコア26側に移動する。このことによ
り弁体8はロアスプリング20のばね力により弁体8を
弁座16に近づける方向に移動させて、吸気弁としての
開度を小さくする。図2(B)に示すごとく、アーマチ
ャ22がアッパコア26に当接した状態では既に弁体8
は弁座16に当接しており吸気弁は全閉となっている。
尚、アーマチャ22がアッパコア26に当接する前の段
階で、弁体8が弁座16に着座するために、アーマチャ
シャフト22aの下端部22bは弁軸8aの上端部8b
から離れる。したがって閉弁時の最終段階(図示、タペ
ットクリアランスである距離xg分の移動)において
は、ロアスプリング20の付勢力はアーマチャ22側に
は作用せず、アーマチャ22のみが電磁力によりアッパ
スプリング30のばね力に抗して図示上方へ移動する。
【0045】ECU32はマイクロコンピュータを中心
として構成された電子回路である。ECU32は、図1
に示したごとく変位センサ部7や内燃機関等に配置され
た各種センサを含むセンサ類34からの信号や、内燃機
関制御用ECUを含む他のECU36とのデータ通信に
より各種情報を得ている。そしてこれらの情報に基づい
て各コイル24a,26aへの励磁電流Ilow,Iu
pを調整して電磁駆動弁2の駆動制御を実行している。
【0046】内燃機関の運転に伴う電磁駆動弁2の駆動
制御は、ECU32により図3のタイミングチャートに
例示するごとく行われる。尚、図示していないが内燃機
関の始動時においては、図1に示した状態から、ECU
32はロアコイル24aとアッパコイル26aとに繰り
返し励磁電流を流すことにより、アーマチャ22と弁体
8とを励振し、振幅を次第に大きくすることにより、電
磁駆動弁2を開弁状態あるいは閉弁状態に誘導してい
る。
【0047】図3の時刻t0以前においては、既に図2
(A)に示したごとくアーマチャ22はロアコア24に
当接して保持状態にあるものとする。閉弁要求が他のE
CU36からなされた場合には、直ちに、ロアコイル2
4aに保持電流として供給されている励磁電流Ilow
が停止される(時刻t0)。このことによりロアスプリ
ング20とアッパスプリング30との合成ばねのばね力
によりアーマチャ22と弁体8とは一体となって閉弁側
(図示上方)への移動を開始する。そしてアーマチャ2
2がロアコア24とアッパコア26との中央位置(変位
量X=0)よりもアッパコア26側に設定してある閉弁
時通過基準位置Xupに到達すると(時刻t1)からア
ッパコイル26aの励磁電流Iupとして吸引電流の供
給が開始されて、アーマチャ22をアッパコア26側へ
吸引する。そしてアーマチャ22の変位量Xが最大変位
量Xmaxとなると(時刻t3)、アーマチャ22がア
ッパコア26に当接するので、アッパコイル26aに対
する励磁電流Iupは保持電流に変化し、アーマチャ2
2はアッパコア26に保持される(時刻t3〜t4)。
尚、アーマチャ22の変位量Xが最大変位量Xmaxと
なる途中(時刻t2)にて弁体8は弁座16に着座して
全閉となり弁体8は停止する。このことによりアーマチ
ャ22は弁体8とは分離し非係合状態で最大変位量Xm
axまで移動する。
【0048】次に開弁要求が他のECU36からなされ
た場合には、直ちにアッパコイル26aに保持電流とし
て供給されている励磁電流Iupが停止される(時刻t
4)。このことにより最初は(時刻t4〜t5)アーマ
チャ22は弁体8とは非係合状態にあるので、アッパス
プリング30のみのばね力によりアーマチャ22は開弁
側(図示下方)への移動を開始する。更にアーマチャシ
ャフト22aの下端部22bが弁軸8aの上端部8bに
当接した後は(時刻t5〜)、アーマチャ22は弁体8
と係合状態となるので、ロアスプリング20とアッパス
プリング30との合成ばねのばね力によりアーマチャ2
2と弁体8とは一体となって開弁側(図示下方)へ移動
する。そしてアーマチャ22がロアコア24とアッパコ
ア26との中央位置(変位量X=0)よりもロアコア2
4側に設定してある開弁時通過基準位置Xlowに到達
すると(時刻t6)、ロアコイル24aに対する励磁電
流Ilowとして吸引電流の供給が開始されて、アーマ
チャ22をロアコア24へ吸引する。そしてアーマチャ
22の変位量Xが最小変位量Xminとなると(時刻t
7)、アーマチャ22がロアコア24に当接するので、
ロアコイル24aに対する励磁電流Ilowは保持電流
に変化し、アーマチャ22をロアコア24に保持する
(時刻t7〜)。
【0049】このようにECU32がアーマチャ22に
対して電磁力を作用させることにより、ECU32は内
燃機関の回転に同期させて吸気弁の開閉及び開度を所望
の状態に制御できる。排気弁についても同様である。
【0050】次にECU32が実行する前述した閉弁時
のアッパコイル26aに対する励磁電流供給処理を電磁
駆動弁閉弁時制御処理として図4に、開弁時のロアコイ
ル24aに対する励磁電流供給処理を電磁駆動弁開弁時
制御処理として図5に示す。本処理は内燃機関の始動時
以後に実行される処理であり、極めて短い一定時間周期
で繰り返し実行される。本処理は吸気弁についての説明
であるが、排気弁側についても排気弁としての電磁駆動
弁制御処理が同様に行われる。
【0051】閉弁要求によりロアコイル24aへの励磁
電流が停止されることで開始される電磁駆動弁閉弁時制
御処理(図4)について説明する。本処理が開始される
と、まず変位センサ部7の検出に基づいて別途実行され
ている計算処理により常に算出されているアーマチャ2
2の現在の変位量X(i)が読み込まれる(S100)。
ここで添え字(i)は今回の制御周期での値を示してい
る。
【0052】次にこの変位量X(i)が図3に示した最大
変位量Xmaxに未到達か否かが判定される(S10
2)。ロアコイル24aの励磁電流Ilowの供給が停
止されて(図3の時刻t0)から未だアーマチャ22が
アッパコア26に到達しておらず、X(i)<Xmaxで
あれば(S102で「YES」)、次に変位量X(i)が
閉弁時通過基準位置Xup以上か否かが判定される(S
104)。X(i)<Xupであれば(S104で「N
O」)、アッパコイル26aに対して電流供給を停止状
態にしておくため、アッパ吸引電流値Iuppには
「0」を設定する(S106)。次にこのアッパ吸引電
流値Iuppに基づいてアッパコイル26aに対する励
磁電流Iupが供給される(S126)。尚、ここでは
上述したごとくIupp=「0」であるので、励磁電流
Iupの供給はなされない(図3、時刻t0〜t1)。
【0053】X(i)<Xup(S104で「NO」)で
ある限り、ステップS100〜S106が繰り返され、
アーマチャ22は弁体8とは係合状態で、ロアスプリン
グ20及びアッパスプリング30の合成ばねのばね力の
みによりアッパコア26に向かって移動する。そして変
位量X(i)の増加により、X(i)≧Xupとなれば(S1
04で「YES」)、次に次式1によりアーマチャ22
の実駆動速度Va(i)が算出される(S108)。
【0054】
【数1】 Va(i) ← { X(i) − X(i-1) }/Δt … [式1] ここで添え字(i-1)は前回の制御周期での値、後述する
(i+1)は次回の制御周期での値を示している。すなわち
X(i-1)は前回の制御周期で検出された変位量Xを表し
ている。尚、Δtは本処理の制御周期を表している。
【0055】次に次式2により次回の制御周期における
変位量X(i+1)が推定される(S110)。
【0056】
【数2】 X(i+1) ← X(i) + Va(i)・Δt … [式2] 次に変位量Xに対してアーマチャ22の目標駆動速度V
tを設定しているマップVにより、次回の制御周期の変
位量X(i+1)に対応する目標駆動速度Vtを設定する
(S112)。
【0057】ここでマップVを図6に示す。このマップ
VはECU32内のROMに記憶されているものであ
り、実線で示すごとくアーマチャ22の変位量Xに対す
る目標駆動速度Vtがリング状に設定されている。この
内、状態Aは、既に弁体8が弁座16に着座して電磁駆
動弁2が全閉となっておりアーマチャ22がアッパコア
26に保持されている状態である。状態Cはアーマチャ
22がロアコア24に保持され、弁体8が弁座16から
最も離れた状態となって、電磁駆動弁2が全開となって
いる状態である。全閉状態(状態A)から全開状態(状
態C)に移行する場合には、状態Aから状態Bを経て状
態Cに至る。状態Aと状態Cとの間は、アーマチャ22
の目標駆動速度Vtはマイナス(図1,2の下方への移
動)であり、アーマチャ22がロアコア24とアッパコ
ア26との中央位置(状態B)にある時に最低(絶対値
で最大)の目標駆動速度Vtとなる。又、全開状態(状
態C)から全閉状態(状態A)に移行する場合には、状
態Cから状態Dを経て状態Aに至る。状態Cと状態Aと
の間は、アーマチャ22の目標駆動速度Vtはプラスで
あり、アーマチャ22がロアコア24とアッパコア26
との中央位置(状態D)にある時に最高の目標駆動速度
Vtとなる。
【0058】例えば、図6において変位量X(i)でのア
ーマチャ22の実駆動速度Vaが状態Gにおける速度で
表されるとすると、前記式2で求められた次回の制御周
期での変位量X(i+1)における目標駆動速度Vt(i+1)は
状態Hでの速度で表される。
【0059】尚、上述したマップVは、図6に示した構
成に限らず、電磁駆動弁2の種類や要求される性能によ
り適宜設定される。例えば、ここではロアスプリング2
0及びアッパスプリング30に蓄積される弾性エネルギ
ーをアーマチャ22の運動エネルギーに効率的に変換す
ることにより電磁駆動弁2を駆動する際のエネルギー損
失を最も少なくするとの観点から図6のごとく構成して
いる。
【0060】次に加速度要求値aが次式3のごとく算出
される(S114)。
【0061】
【数3】 a ← { Vt(i+1) − Va(i) }/Δt … [式3] 次に次式4に示すごとく電磁駆動弁2に作用する外力F
が推定される(S116)。
【0062】
【数4】F ← fa − fb … [式4] ここでfaは筒内圧力(燃焼室12内の圧力)と吸気ポ
ート14側の吸気圧との差圧に応じて主に弁体8に対し
て作用する力であり、例えば、前記差圧に正比例した値
が設定される。電磁駆動弁2が排気弁である場合には、
前記差圧は筒内圧と排気圧との差となる。
【0063】又、fbは電磁駆動弁2の摺動部における
摩擦抵抗であり、予め実験等により設定される一定値で
ある。尚、この摩擦抵抗の大きさは摺動部位の潤滑状
態、特に潤滑油の温度に応じて変化するため、fbを内
燃機関の温度に応じて温度が低いほど大きくするように
しても良い。
【0064】次にアーマチャ22の変位量X(i)が境界
値Xupb未満か否かが判定される(S118)。この
境界値Xupbは、アーマチャシャフト22aの下端部
22bと弁軸8aの上端部8bとが当接するか否かの境
界、すなわちアーマチャ22と弁体8とが係合状態で移
動するか非係合状態で移動するかの境界の変位量を表し
ている。ここで図6に示した状態Gの位置であるとする
と、X(i)<Xupbであるので(S118で「YE
S」)、次に後述する電磁力要求値Femの算出式(式
5)におけるパラメータとして閉弁時第1モデルパラメ
ータを設定する(S120)。
【0065】電磁力要求値Femの算出式(式5)にお
けるモデルパラメータは、質量パラメータm、粘性係数
パラメータc、ばね定数k及びオフセット量xofsで
ある。閉弁時第1モデルパラメータとして設定する場合
には、質量パラメータmにはアーマチャ22、弁体8、
ロアスプリング20及びアッパスプリング30との合計
の質量mpが設定される。尚、ロアスプリング20及び
アッパスプリング30については正味の質量でなく可動
部としての質量であり、実際の質量より小さい。又、粘
性係数パラメータcにはアーマチャ22と弁体8とが共
に移動する場合の粘性係数cpが、ばね定数kにはロア
スプリング20とアッパスプリング30との合成ばねの
ばね定数kpが設定される。オフセット量xofsは閉
弁時第1モデルパラメータにおいては「0」である。
【0066】これらのパラメータの値はそれぞれ予め実
験にて求められ、ECU32のROM中に記憶されてい
る。そして、次式5に示すごとく電磁力要求値Femが
算出される(S122)。
【0067】
【数5】 Fem ← m・a + c・Va(i) + k・X(i) + k・xofs − F … [式5] ここで、「m・a」は質量mの物体を加速度要求値aに
て移動させるに必要な力、「c・Va(i)」は実駆動速
度Va(i)で物体を移動させる場合に抵抗力として生じ
る力、「k・X(i)」は変位量X(i)でのばね力である。
「k・xofs」はオフセットにより発生するばね力
(オフセット荷重)であるが、ここでは「0」である。
これらの力に前記外力Fを加味して、電磁力要求値Fe
mが算出されている。
【0068】次にこの電磁力要求値Femを出力するた
めに、アッパコイル26aに供給すべきアッパ吸引電流
値Iuppが算出される(S124)。尚、アッパ吸引
電流値Iuppの算出は、電磁力要求値Femと変位量
X(i)との吸引電流マップにより算出される。この吸引
電流マップは予め実験にて求められてECU32のRO
M中に記憶されている。この吸引電流マップでは、アッ
パ吸引電流値Iuppは、アーマチャ22とアッパコア
26とのギャップが大きければ大きく設定され電磁力要
求値Femが大きくなれば大きく設定される傾向にあ
る。
【0069】このように求められたアッパ吸引電流値I
uppに基づいてアッパコイル26aに対する励磁電流
Iupが供給される(S126)。以後の制御周期にて
は、変位量X(i)が境界値Xupbに至らない限り(S
118で「YES」)、閉弁時第1モデルパラメータを
用いて電磁力要求値Femが算出されて(S120,S
122)、対応するアッパ吸引電流値Iuppの励磁電
流Iup出力(S124,S126)が継続する(時刻
t1〜t2)。
【0070】そして変位量X(i)が境界値Xupb以上
となると(S118で「NO」)、前記電磁力要求値F
emの算出式(式5)におけるモデルパラメータとし
て、閉弁時第2モデルパラメータを設定する(S12
8)。閉弁時第2モデルパラメータとしては、質量パラ
メータmにはアーマチャ22及びアッパスプリング30
との合計の質量msが設定される。ここでもアッパスプ
リング30については正味の質量でなく可動部としての
質量であり実際の質量より小さい。又、粘性係数パラメ
ータcにはアーマチャ22が移動する場合の粘性係数c
sが、ばね定数kにはアッパスプリング30のみのばね
定数ksが設定される。尚、X(i)>Xupbではアー
マチャシャフト22aが弁軸8aから離れて、ロアスプ
リング20のばね力を受けなくなる。このため、閉弁時
第2モデルパラメータでは、オフセット量xofsに
は、図1に示したアーマチャ22の中立状態におけるア
ッパスプリング30の圧縮変位量が設定される。これら
の値はそれぞれ予め実験にて求められ、ECU32のR
OM中に記憶されている。
【0071】そして、これらのパラメータを用いて前記
式5に示すごとく電磁力要求値Femが算出される(S
122)。この時にはxofs>0であるので「k・x
ofs」は「0」にはならない。
【0072】そして、この電磁力要求値Femを出力す
るために、アッパコイル26aに供給すべきアッパ吸引
電流値Iuppが算出され(S124)、アッパ吸引電
流値Iuppに基づいてアッパコイル26aに対する励
磁電流Iupが供給される(S126)。以後の制御周
期にては、変位量X(i)が最大変位量Xmaxに至らな
い限り(S102で「YES」)、閉弁時第2モデルパ
ラメータを用いて電磁力要求値Femが算出されて(S
128,S122)、対応するアッパ吸引電流値Iup
pの励磁電流Iup出力(S124,S126)が継続
する(時刻t2〜t3)。
【0073】変位量X(i)が最大変位量Xmaxに至れ
ば(S102で「NO」)、アッパ保持電流値Iups
が算出される(S130)。このアッパ保持電流値Iu
psは、この時(時刻t3〜t4)でのばね力(ここで
はアッパスプリング30のみのばね力「ks・X(i)+
ks・xofs」)に対抗して安定してアーマチャ22
をアッパコア26に保持するだけの電磁力を発生する電
流値である。そしてこのアッパ保持電流値Iupsが励
磁電流Iupとして出力される(S126)。
【0074】次に開弁要求によりアッパコイル26aへ
の励磁電流Iup供給が停止される(時刻t4)ことで
開始される電磁駆動弁開弁時制御処理(図5)について
説明する。本処理が開始されると、まず変位センサ部7
の検出に基づいて前述したごとく別途算出されているア
ーマチャ22の現在の変位量X(i)が読み込まれる(S
200)。
【0075】次にこの変位量X(i)が図3に示した最小
変位量Xminに未到達か否かが判定される(S20
2)。アッパコイル26aの励磁電流Iupの供給が停
止されて(時刻t4)から未だアーマチャ22がロアコ
ア24に到達しておらず、X(i)>Xminであれば
(S202で「YES」)、次に変位量X(i)が開弁時
通過基準位置Xlow以下か否かが判定される(S20
4)。X(i)>Xlowであれば(S204で「N
O」)、ロアコイル24aに対して電流供給を停止状態
にしておくため、ロア吸引電流値Ilowpには「0」
を設定する(S206)。次にこのロア吸引電流値Il
owpに基づいてロアコイル24aに対する励磁電流I
lowが供給される(S224)。ここではIlowp
=「0」であるので、励磁電流Ilowの供給はなされ
ない(時刻t4〜t6)。尚、開弁時においても電磁駆
動弁2のばね・質量振動系としてのモデルはアーマチャ
シャフト22aが弁軸8aに当接することにより切り替
わる(時刻t5)。しかし、このタイミング(時刻t
5)では未だ励磁電流による吸引制御をしていない期間
であるので、電磁駆動弁開弁時制御処理(図5)にては
モデルパラメータの切り替わり処理はない。
【0076】X(i)>Xlow(S204で「NO」)
である限り、ステップS200〜S206が繰り返さ
れ、アーマチャ22は変位量X(i)が境界値Xupbに
至るまではアッパスプリング30のばね力のみによりロ
アコア24に向かって移動する。この時は、弁体8は移
動しておらず開弁は開始していない。そして変位量X
(i)が境界値Xupbを越えると、アーマチャ22は弁
体8と一体となってロアスプリング20及びアッパスプ
リング30の合成ばねのばね力によりロアコア24に向
かって移動し開弁を開始する。
【0077】そして変位量X(i)の減少により、X(i)≦
Xlowとなれば(S204で「YES」)、次に前記
式1によりアーマチャ22の実駆動速度Va(i)が算出
される(S208)。式1の内容についてはステップS
108にて述べたごとくである。
【0078】次に前記式2により次回の制御周期におけ
る変位量X(i+1)が推定される(S210)。次に前述
したマップV(図6)により、次回の制御周期における
変位量X(i+1)に対応する目標駆動速度Vtを設定し
(S212)、加速度要求値aが前記式3のごとく算出
される(S214)。そして前記式4に示したごとく電
磁駆動弁2に作用する外力Fが推定される(S21
6)。
【0079】次に前記電磁力要求値Femの算出式(式
5)における開弁時モデルパラメータを設定する(S2
18)。開弁時モデルパラメータとしては、既にアーマ
チャ22と弁体8とは一体に移動する状態であるので、
前述したステップS120にて述べたごとく質量パラメ
ータmには質量mpが、粘性係数パラメータcには粘性
係数cpが、ばね定数kにはばね定数kpが、オフセッ
ト量xofsには「0」が設定される。すなわち閉弁時
第1モデルパラメータと同じパラメータが設定される。
【0080】次に前記式5に示したごとく電磁力要求値
Femが算出される(S220)。そしてこの電磁力要
求値Femを出力するために、ロアコイル24aに供給
すべきロア吸引電流値Ilowpが算出される(S22
2)。尚、ロア吸引電流値Ilowpについても前記ス
テップS124にて述べたごとくアッパ吸引電流値Iu
ppと同様に電磁力要求値Femと変位量X(i)との吸
引電流マップにより算出される。
【0081】このように求められたロア吸引電流値Il
owpに基づいてロアコイル24aに対する励磁電流I
lowが供給される(S224)。以後の制御周期では
X(i)がXminに至らない限り(S202で「YE
S」、S204で「YES」)、開弁時モデルパラメー
タを用いて電磁力要求値Femが算出され(S218,
S220)、対応するロア吸引電流値Ilowpの励磁
電流Ilow出力(S222,S224)が継続する
(時刻t6〜t7)。
【0082】そして変位量X(i)が最小変位量Xmin
に至れば(S202で「NO」)、ロア保持電流値Il
owsが算出される(S226)。このロア保持電流値
Ilowsは、この時(時刻t7〜)のばね力(ここで
はロアスプリング20とアッパスプリング30との合成
ばねのばね力「kp・X(i)」)に対抗して安定してア
ーマチャ22をロアコア24に保持するだけの電磁力を
発生する電流値である。そしてこのロア吸引電流値Il
owpが励磁電流Ilowとして出力される(S22
4)。
【0083】上述した実施の形態1において変位センサ
部7が位置情報検出手段に、電磁駆動弁閉弁時制御処理
(図4)のステップS118,S120,S128及び
電磁駆動弁開弁時制御処理(図5)のステップS218
がモデルパラメータ切替手段としての処理に相当する。
また、ステップS118,S120,S128,S21
8を除く電磁駆動弁閉弁時制御処理(図4)及び電磁駆
動弁開弁時制御処理(図5)が電磁力調整手段としての
処理に相当する。
【0084】以上説明した本実施の形態1によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).可動子であるアーマチャ22が弁体8に対して
係合状態で作動している期間(時刻t1〜t2)と非係
合状態でアーマチャ22のみ作動している期間(時刻t
2〜t3)とをアーマチャ22の位置情報にて判断して
(S118)、モデルパラメータを切り替えている(S
120,S128)。このことにより実際のばね・質量
振動系の変化に対応してモデルパラメータを常に好適に
設定することができ、モデルを用いた電磁駆動弁2の制
御精度を向上させることができる。
【0085】(ロ).パラメータの切り替えは、質量、
粘性係数、ばね定数及びオフセットのすべてについて行
っている。このため、実際のばね・質量振動系の変化に
対応してモデルパラメータを十分正確に設定することが
でき、モデルを用いた電磁駆動弁2の制御精度を十分に
向上させることができる。
【0086】[実施の形態2]本実施の形態では、前記
図4に示した電磁駆動弁閉弁時制御処理のステップS1
12の代わりに図7に示す処理が行われる。又、前記図
6に示したマップVの代わりに図8に示すマップV2が
用いられる。これ以外の点は前記実施の形態1と同じで
ある。
【0087】マップV2(図8)では、閉弁駆動期間の
内、状態D→Aにおける変位量X(i)の増加期間に、ア
ーマチャ22と弁体8とが分離する境界値Xupbにて
一旦目標駆動速度Vtが「0」(mm/sec)となっ
ている(状態P1)。そして、同じ境界値Xupbにお
いてもう一つの目標駆動速度Vt(>0)が設定され
(状態P2)、この状態P2から変位量X(i)の増加と
共に目標駆動速度Vtは再度低下して、状態Aで目標駆
動速度Vtが「0」(mm/sec)となっている。
尚、これ以外の閉弁駆動期間(状態C→D)及び開弁駆
動期間(状態A→B→C)については前記マップV(図
6)と同じである。
【0088】電磁駆動弁閉弁時制御処理においては、ス
テップS110(図4)にて前記式2により次回の制御
周期における変位量X(i+1)が推定された後に、アーマ
チャ22の現在の変位量X(i)が境界値Xupb未満か
否かが判定される(図7、S111a)。X(i)<Xu
pbである場合には(S111aで「YES」)、アー
マチャ22が弁体8を移動している状態であるので、マ
ップV2(図8)の内でアーマチャ・弁体一体時(状態
C−P1)の部分で推定される変位量X(i+1)に基づい
て目標駆動速度Vtが決定される。
【0089】ただし変位量X(i)がアーマチャ・弁体一
体時(状態C−P1)であっても、推定された変位量X
(i+1)がアーマチャ22が弁体8とは非係合状態となっ
て単独で移動している領域(状態P2−A)に入る場合
がある。このような場合には、目標駆動速度Vtは状態
P1での目標駆動速度(ここでは「0」)が設定され
る。
【0090】尚、このようにする以外に、制御周期は十
分に短いので、推定された変位量X(i+1)がアーマチャ
22が単独で移動している領域(状態P2−A)に入っ
ていれば、状態P2−Aでのマップをそのまま適用して
も良い。このようにしても変位量X(i)が境界値Xup
bに到達するまでにはアーマチャ22と弁体8との一体
物の速度を十分に「0」に近づけることができる。
【0091】ステップS111bにて目標駆動速度Vt
が設定されると、この目標駆動速度Vtと実駆動速度V
a(i)とに基づいて前記式3のごとく加速度要求値aが
算出される(図4、S114)。そして以後、前記実施
の形態1にて説明したごとくの処理(図4、S116〜
126)が実行される。
【0092】このためX(i)<Xupbである限りは
(S111aで「YES」)、境界値Xupbにてアー
マチャ22と弁体8との一体物が停止するようにアッパ
コイル26aの励磁電流Iupが調整される。
【0093】そしてX(i)≧Xupbとなると(S11
1aで「NO」)、図8における状態P2−A部分のマ
ップにより目標駆動速度Vt(>0)が設定される(S
111c)。そしてこの目標駆動速度Vtと実駆動速度
Va(i)とに基づいて前記式3のごとく加速度要求値a
が算出され(図4、S114)、前記実施の形態1にて
説明したごとくの処理(図4、S116,S118,S
128,S122〜126)が実行される。
【0094】このため変位量X(i)が境界値Xupbに
到達すると、アーマチャ22は実駆動速度Va(i)を上
昇させてアッパコア26に向かって移動する。そしてア
ーマチャ22がアッパコア26に当接する位置(状態
A)で実駆動速度Va(i)が「0」となるようにアッパ
コイル26aの励磁電流Iupが調整される。
【0095】上述した処理が行われることにより、アー
マチャ22は図9のタイミングチャートに示すごとくロ
アコア24とアッパコア26との間を移動する。すなわ
ち、ロアコイル24aの保持電流の供給が停止される
(t10)と、アーマチャ22と弁体8との一体物は、
ロアスプリング20とアッパスプリング30との合成ば
ねのばね力によりアッパコア26側に向かって移動し始
め、変位量Xは上昇する。そして変位量Xが閉弁時通過
基準位置Xupを越えると(t11)、前述した閉弁時
第1モデルパラメータに基づいて算出されたアッパ吸引
電流値Iupp(S120,S122,S124)によ
りアッパコイル26aに励磁電流Iupが供給される。
このアッパ吸引電流値Iuppは、マップV2(図8)
における閉弁時通過基準位置Xupから状態P1の間に
示す目標駆動速度Vtが達成されるように調整される。
このため変位量Xが境界値Xupbとなる位置で実駆動
速度Vaは「0」となるように制御され、この境界値X
upbの位置で一旦アーマチャ22と弁体8との一体物
は停止あるいはほぼ停止する(t12)。この位置で
は、丁度、弁体8は弁座16に当接することから、弁体
8と弁座16との衝突が緩和され、衝突騒音が防止され
る。
【0096】そして変位量Xが境界値Xupbと一致あ
るいは境界値Xupbをわずかに越えると(時刻t12
〜)、目標駆動速度Vtは状態P2−Aのマップが採用
されるので、再度、目標駆動速度Vtはプラスの値とな
って、アーマチャ22はアッパコア26に向けて移動速
度を上げる。この時はアーマチャ22は弁体8から離れ
て単独で移動するので、前述した閉弁時第2モデルパラ
メータに基づいて算出されたアッパ吸引電流値Iupp
(S128,S122,S124)によりアッパコイル
26aに励磁電流Iupが供給される。このアッパ吸引
電流値Iuppは、マップV2(図8)の状態P2から
状態Aに示す目標駆動速度Vtが達成されるように調整
されるので、変位量Xが最大変位量Xmaxとなる位置
で、目標駆動速度Vtは「0」(状態A)となりアーマ
チャ22は停止する(t13)。この停止位置で、丁
度、アーマチャ22はアッパコア26に当接することか
ら、アーマチャ22とアッパコア26との衝突が緩和さ
れ、衝突騒音が防止される。
【0097】以後、アッパコイル26aに供給される保
持電流によりアーマチャ22がアッパコア26に当接し
た状態が維持される(t13〜t14)。そして開弁の
ためにアッパコイル26aへの保持電流の供給が停止さ
れると(t14)、前記電磁駆動弁開弁時制御処理(図
5)と同じ処理により、アーマチャ22はロアコア24
側に移動を開始する。そして、途中で弁体8に当接する
ことによりアーマチャ22と弁体8とは係合状態となり
(t15)、一体としてロアコア24側に移動する。そ
の後(t16〜)、ロアコイル24aに吸引電流が流さ
れることにより、アーマチャ22はロアコア24側に吸
引されるととも、変位量Xが最小変位量Xminに到達
した時(t17)にはアーマチャ22と弁体8との一体
物の速度は「0」となり停止する。この最小変位量Xm
inの位置でアーマチャ22は丁度ロアコア24に当接
するので、アーマチャ22とロアコア24との衝突が緩
和され、衝突騒音が防止される。
【0098】尚、開弁駆動時においてアーマチャ22が
弁体8に当接して係合状態となる時点で目標駆動速度V
tを「0」としていない。これは開弁駆動時においては
アーマチャ22が移動し始めて短時間後に弁体8に当接
するため、アーマチャ22の速度が比較的低く、アーマ
チャ22と弁体8との衝突音が小さくなる傾向にあるた
めである。
【0099】上述した実施の形態2において変位センサ
部7が位置情報検出手段に、電磁駆動弁閉弁時制御処理
(図4,図7)のステップS118,S120,S12
8及び電磁駆動弁開弁時制御処理(図5)のステップS
218がモデルパラメータ切替手段としての処理に相当
する。また、ステップS118,S120,S128,
S218を除く電磁駆動弁閉弁時制御処理(図4,図
7)及び電磁駆動弁開弁時制御処理(図5)が電磁力調
整手段としての処理に相当する。
【0100】以上説明した本実施の形態2によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態1の(イ)及び(ロ)の効果を
生じる。 (ロ).閉弁駆動時においては、弁体8と係合状態にあ
るアーマチャ22の速度を「0」に制御して弁体8を弁
座16に当接させる処理と、アーマチャ22のみの移動
時にアーマチャ22の速度を「0」に制御してアッパコ
ア26に当接させる処理との両方を実行する。この両者
の処理について、モデルパラメータを切り替えることに
より、共に精密な電磁駆動弁2の駆動制御を実行するこ
とができ、衝突音の低減効果を顕著なものとすることが
できる。
【0101】[実施の形態3]本実施の形態では、前記
図5の電磁駆動弁開弁時制御処理においてステップS2
04にて「NO」と判定された場合に、ステップS20
6の実行の前に図10に示す処理が実行される。又、目
標駆動速度Vtのマップとしては、図11に示すごとく
のマップV3が用いられる。これ以外は前記実施の形態
2と同じである。尚、本実施の形態の制御の一例を示す
タイミングチャートを図12に示す。
【0102】電磁駆動弁開弁時制御処理(図5,10)
について説明する。本処理は開弁要求発生によりアッパ
コイル26aへの電流供給が一旦停止された時(図1
2、時刻t24)以後に実行される。この時、アーマチ
ャ22は、アッパスプリング30のばね力によりアッパ
コア26から離れてロアコア24側へ移動しようとす
る。開弁時の初期においては変位量X(i)は最小変位量
Xminより大きく(図5、S202で「YES」)、
更に開弁時通過基準位置Xlowよりも大きいので(図
5、S204で「NO」)、図10に示した処理に移行
する。
【0103】図10の処理では現在の変位量X(i)が境
界値Xupbを越えているか否かが判定される(S20
5a)。開弁駆動時の初期においてはX(i)>Xupb
である(S205aで「YES」)。したがって開弁駆
動時であるがアッパコイル26aへの励磁電流Iupの
供給によりアーマチャ22の実駆動速度Vaを、図11
に状態A〜P1の間のラインLmで示すごとくの目標駆
動速度Vtとなるように制御する処理を実行する(S2
05b〜S205j)。これら一連の処理(S205b
〜S205j)は、前記電磁駆動弁閉弁時制御処理(図
4)にて第2モデルパラメータを用いた際の処理のステ
ップS108〜S116,S128,S122〜S12
6と同じ処理が行われる。このことによりアーマチャ2
2は図11にラインLmにて示したごとく一旦、アッパ
スプリング30のばね力によりロアコア24側へ移動し
始めるが(t24〜)、アッパコア26による電磁力が
作用することにより境界値Xupbの位置にて停止する
(t25)。すなわちアーマチャ22が弁体8に当接す
る際にはアーマチャ22の速度は「0」とされる。この
ため当接時の衝撃を生じずにアーマチャ22と弁体8と
は係合できる。尚、一連の処理(S205b〜S205
j)の後は、前述したステップS206,S224の処
理が行われ、ロアコイル24aへの電流供給はなされな
い。
【0104】そしてアーマチャ22が弁体8に当接して
変位量X(i)が境界値Xupbに到達すれば(S205
aで「NO」)、以後、アッパコイル26aに対する励
磁電流Iupの出力が停止される(S205k、時刻t
25)。そしてロアコイル24aの電流供給停止状態は
維持される(S206,S224)。これ以後、アーマ
チャ22は弁体8と一体となった状態で、アッパスプリ
ング30とアッパスプリング30との合成ばねのばね力
によりロアコア24に向かって移動を開始する。
【0105】以後、変位量X(i)が開弁時通過基準位置
Xlowよりも大きい限り(S204で「NO」、S2
05aで「NO」)、アーマチャ22と弁体8との一体
物が両スプリング20,30の合成ばね力によりロアコ
ア24に向かって移動する状態が継続する(t25〜t
26)。そしてX(i)がXlowに到達すると(S20
4で「YES」)、前記実施の形態1にて説明したごと
く、ロアコイル24aに励磁電流Ilowが供給されて
ロアコア24によるアーマチャ22の吸引制御(S20
8〜S222、t26〜t27)とアーマチャ22の保
持制御(S226、t27〜)とが実行される。
【0106】尚、閉弁時の処理については(t20〜t
24)、前記実施の形態2の電磁駆動弁閉弁時制御処理
(図4,7)にて述べたごとくである。上述した実施の
形態3において変位センサ部7が位置情報検出手段に、
電磁駆動弁閉弁時制御処理(図4,図7)のステップS
118,S120,S128及び電磁駆動弁開弁時制御
処理(図5,図10)のステップS218,S205g
(S128と同じ処理)がモデルパラメータ切替手段と
しての処理に相当する。また、ステップS118,S1
20,S128,S218,S205gを除く電磁駆動
弁閉弁時制御処理(図4,図7)及び電磁駆動弁開弁時
制御処理(図5,図10)が電磁力調整手段としての処
理に相当する。
【0107】以上説明した本実施の形態3によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態2の(イ)及び(ロ)の効果を
生じる。 (ロ).開弁駆動時においては、アーマチャ22の実駆
動速度Vaを一旦「0」に制御してアーマチャ22を弁
体8に当接させる処理(S205b〜S205j)と、
アーマチャ22と弁体8との一体化物の移動時にこの一
体化物の速度を制御してロアコア24に当接させる処理
との両方を実行する。この両者の処理について、アーマ
チャ22の位置に応じてそれぞれ適切なモデルパラメー
タに切り替えることにより、共に精密な電磁駆動弁2の
駆動制御を実行することができ、衝突音の低減効果を顕
著なものとすることができる。
【0108】[実施の形態4]本実施の形態では、アー
マチャ22と弁体8との係合状態と非係合状態との間で
の状態変化に対応して、それぞれ異なるモデルパラメー
タを用いて予め設計しておいた2つのばね・質量振動系
モデルのいずれかをまず選択する。そしてこれによりア
ーマチャ22と弁体8との係合状態と非係合状態との間
でばね・質量振動系モデルに用いるモデルパラメータひ
いてはモデルを切り替えるものである。
【0109】更に、本実施の形態においては、前記選択
対象となっている2つのばね・質量振動系モデルに基づ
いて、それぞれ予め形成しておいた内部状態を観測する
オブザーバを用いる。このオブザーバは、電磁駆動弁2
の実駆動速度Vaを推定すると共に、筒内圧と吸気圧と
の差圧(排気弁の場合は筒内圧と排気圧との差)に応じ
て電磁駆動弁2に作用する力及び電磁駆動弁2の摺動部
における摩擦抵抗の合力を推定するものである。
【0110】予め行われるオブザーバ(状態観測器)の
設計について述べる。まず、図2(A)に示したごとく
アーマチャ22と弁体8とが係合状態である場合は、電
磁駆動弁2をばね・質量振動系としてモデル化して次式
6に示すごとくの運動方程式を得る。
【0111】
【数6】 ここで質量mp、粘性係数cp及びばね定数kpはアー
マチャ22と弁体8とが係合状態で移動する場合の値で
あり、前記実施の形態1で述べたごとくである。又、x
はアーマチャ22の変位量、wは電磁駆動弁2に作用す
る外力である。この外力wは、筒内圧と吸気圧との差圧
(排気弁の場合は筒内圧と排気圧との差)に応じて電磁
駆動弁2に作用する力faと電磁駆動弁2の摺動部にお
ける摩擦抵抗fbとの合力である。uはモデルに対する
制御入力、すなわちロアコイル24a、アッパコイル2
6aにより発生する電磁力である。
【0112】ここで状態変数Xを次式7のごとく定義す
る。
【0113】
【数7】 前記式6及び式7から電磁駆動弁2におけるばね・質量
振動系のモデルについて次式8に示す状態方程式が得ら
れる。
【0114】
【数8】 一方、電磁駆動弁2のばね・質量振動系のモデルについ
て次式9に示すごとく出力方程式が表される。
【0115】
【数9】 次に状態変数Xの推定値Zを求めるためのオブザーバ
(以下、「第1オブザーバ」と称する)は次式10のご
とく表される。
【0116】
【数10】 尚、Lはオブザーバゲインである。
【0117】そして状態変数Xとその推定値Zとの間の
推定誤差(X−Z)をeとすると、前記式8〜10から
次式11が導かれる。
【0118】
【数11】 この式11によって求められる推定誤差eが「0」に収
束するように前記オブザーバゲインLを適宜設計するこ
とにより、前記式10にて表された第1オブザーバによ
り推定値Zを算出することができる。すなわち、アーマ
チャ22と弁体8とが係合状態で移動する期間での電磁
駆動弁2の実駆動速度Vaや外力wを推定することがで
き、更にこの推定された外力wから各コイル24a,2
6aにより生じる電磁力を減算すると、前記差圧による
力faと前記摩擦抵抗fbとの合力Fを推定することが
できる。
【0119】又、図2(B)に示したごとくアーマチャ
22と弁体8とが非係合状態であって、アーマチャ22
が単独で移動する場合は、電磁駆動弁2をばね・質量振
動系としてモデル化すると次式12に示すごとくの運動
方程式を得る。
【0120】
【数12】 ここで質量ms、粘性係数cs、ばね定数ks及びオフ
セット量xofsはアーマチャ22が弁体8とは非係合
状態で移動する場合の値であり、前記実施の形態1で述
べたごとくである。尚、オフセット量xofsは一定で
あることからオフセット荷重ks・xofsも一定であ
る。このため前記式12の両辺からオフセット荷重ks
・xofsを減算すると、左辺は前記式6と同じ形式と
なる。又、右辺において「−ks・xofs」を外力w
に含めてwofsと表すことにより、前記式12は次式
13のごとくとなる。
【0121】
【数13】 この式13を用いて、前記式6〜11にて述べたごとく
の処理を行うことにより、アーマチャ22が単独で移動
する場合のオブザーバ(以下、「第2オブザーバ」と称
する)を設計できる。そしてこの第2オブザーバを用い
ることにより、アーマチャ22が単独で移動する期間で
の電磁駆動弁2の実駆動速度Vaや外力wofsを推定
することができる。更にこの推定された外力wofsか
らオフセット分「−ks・xofs」と各コイル24
a,26aにより生じる電磁力とを減算すると、前記差
圧による力faと前記摩擦抵抗fbとの合力Fを推定す
ることができる。
【0122】したがって本実施の形態では、前記実施の
形態1の電磁駆動弁閉弁時制御処理(図4)の代わり
に、前述したごとく第1モデル(式6)、第2モデル
(式12)及び対応する2つのオブザーバを用いて、図
13に示すごとくの電磁駆動弁閉弁時制御処理が実行さ
れる。更に電磁駆動弁開弁時制御処理(図5)の代わり
に第1モデルと第1オブザーバとを用いて、図14に示
すごとくの電磁駆動弁開弁時制御処理が実行される。
【0123】電磁駆動弁閉弁時制御処理(図13)のス
テップS300〜S306,S326〜S330につい
ては前記図4におけるステップS100〜S106,S
124,S126,S130と同じ処理である。以下、
図4の処理と異なる点を中心に説明する。
【0124】変位量X(i)の増加によりX(i)≧Xupと
なれば(S304で「YES」)、次にアーマチャ22
の変位量X(i)が境界値Xupb未満か否かが判定され
る(S308)。この境界値Xupbは前記実施の形態
1にて述べたごとくアーマチャ22と弁体8とが係合状
態で移動するか非係合状態で移動するかの境界の変位量
を表している。
【0125】ここでX(i)<Xupbとすると(S30
8で「YES」)、前述したごとく設計した2つのモデ
ルとオブザーバとの内で、第1モデルと第1オブザーバ
とを選択する(S310)。又、X(i)≧Xupbとな
った場合には(S308で「NO」)、第2モデルと第
2オブザーバとを選択する(S312)。すなわちX
(i)<Xupbである場合は、アーマチャ22は弁体8
と共に移動している状態でのモデルパラメータにて設定
されている第1モデルと第1オブザーバとを選択する。
一方、X(i)≧Xupbである場合は、アーマチャ22
が単独で移動している状態でのモデルパラメータにて設
定されている第2モデルと第2オブザーバとを選択す
る。
【0126】そして、選択されたオブザーバにより、前
述したごとくにアーマチャ22の実駆動速度Vaが推定
される(S314)。次に前記式2により次回の制御周
期における変位量X(i+1)が推定される(S316)。
次に前記マップV(図6)により、次回の制御周期にお
ける変位量X(i+1)に対応する目標駆動速度Vtが設定
される(S318)。次に加速度要求値aが次前記式3
のごとく算出される(S320)。次に選択されたオブ
ザーバにより前述したごとく外力Fが推定される(S3
22)。
【0127】そして、選択されたモデルから得られてい
る式に基づいて電磁力要求値Femが算出される(S3
24)。ここで第1モデルが選択されている場合には第
1モデルに対応する次式14により電磁力要求値Fem
が算出される。
【0128】
【数14】 Fem ← mp・a + cp・Va(i) + kp・X(i) − F … [式14] 又、第2モデルが選択されている場合には第2モデルに
対応する次式15により電磁力要求値Femが算出され
る。
【0129】
【数15】 Fem ← ms・a + cs・Va(i) + ks・( X(i) + xofs ) − F … [式15] 次にこの電磁力要求値Femを出力するために、アッパ
コイル26aに供給すべきアッパ吸引電流値Iuppが
算出される(S326)。このアッパ吸引電流値Iup
pの算出については前記実施の形態1にて説明したごと
く電磁力要求値Femと変位量X(i)との吸引電流マッ
プにより算出される。
【0130】このように求められたアッパ吸引電流値I
uppに基づいてアッパコイル26aに対する励磁電流
Iupが供給される(S328)。尚、変位量X(i)が
最大変位量Xmaxに至れば(S302で「NO」)、
アッパ保持電流値Iupsが算出され(S330)、こ
のアッパ保持電流値Iupsが励磁電流Iupとして出
力される(S328)。アッパ保持電流値Iupsにつ
いては前記実施の形態1にて述べたごとくである。
【0131】次に開弁要求によりアッパコイル26aへ
の励磁電流Iup供給が停止された後に実行される電磁
駆動弁開弁時制御処理(図14)について説明する。こ
の内、ステップS400〜S406,S422〜S42
6は前記図5におけるステップS200〜S206,S
222〜S226と同じ処理である。以下、図5の処理
と異なる点を中心に説明する。
【0132】変位量X(i)が開弁時通過基準位置Xlo
w以下となった場合に(S404で「YES」)、第1
モデルと第1オブザーバとが選択される(S408)。
したがって次に行われるアーマチャ22の実駆動速度V
aの推定は、選択された第1オブザーバにより行われる
(S410)。
【0133】次に前記式2により次回の制御周期におけ
る変位量X(i+1)が推定される(S412)。次に前記
マップV(図6)により、次回の制御周期における変位
量X(i+1)に対応する目標駆動速度Vtが設定される
(S414)。次に加速度要求値aが次前記式3のごと
く算出される(S416)。次に選択された第1オブザ
ーバにより前述したごとく外力Fが推定される(S41
8)。
【0134】そして第1モデルに対応する前記式14に
より電磁力要求値Femが算出される(S420)。以
下、ステップS422,S424の処理が行われる。上
述した実施の形態4において変位センサ部7が位置情報
検出手段に、ステップS308〜S312,S408が
モデルパラメータ切替手段としての処理に、ステップS
308〜S312,S408を除く図13,14の処理
が電磁力調整手段としての処理に相当する。
【0135】以上説明した本実施の形態4によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).アーマチャ22が弁体8に対して係合状態で一
体で作動している期間と非係合状態でアーマチャ22の
み作動している期間とをアーマチャ22の位置情報にて
判断して、適切なモデル(具体的には、電磁力要求値F
emの算出式)とオブザーバとを選択している(S31
0,S312,S408)。このことにより、実際のば
ね・質量振動系の変化に対応するモデルパラメータに基
づくモデルを常に好適に利用することができ、モデルを
用いた電磁駆動弁2の制御精度を向上させることができ
る。
【0136】(ロ).モデルの選択は、質量、粘性係
数、ばね定数及びオフセットのすべてについて各ばね・
質量振動系の状態に対応させて設定されているモデル群
から選択したものである。このため、実際のばね・質量
振動系の変化に対応するモデルを十分正確に設定するこ
とができ、電磁駆動弁2の制御精度を十分に向上させる
ことができる。
【0137】(ハ).尚、オブザーバにより外力Fを推
定しているため、電磁駆動弁2に作用する吸気圧(排気
弁の場合は排気圧)と筒内圧との差圧を測定する必要が
無く、センサ類34の構成を簡略化することができる。
【0138】[その他の実施の形態] (a).前記各実施の形態において、閉弁時において
は、弁体8が弁座16に当接した後はアーマチャ22を
アッパコア26に当接させていたが、アーマチャ22が
弁体8から離れた後は、アッパコア26に当接させない
ようにしても良い。すなわちアッパコイル26aの電磁
力を調整することでアッパコア26に対してギャップを
設けた状態、いわゆる宙づりで停止させても良い。この
ことによりアーマチャ22とアッパコア26との衝突を
完全に避けることができる。そしてこのような宙づり制
御においても適切なモデルパラメータの切り替えやモデ
ル選択がなされるので高精度に駆動制御が可能となり、
閉弁時の衝突音を的確に防止できる。
【0139】又、全開弁時においてもアーマチャ22を
ロアコア24に当接させないようにしても良い。すなわ
ちロアコイル24aの電磁力を調整することでロアコア
24に対してわずかにギャップを設けて宙づりで停止さ
せても良い。このことによりアーマチャ22とロアコア
24との衝突を完全に避けることができる。そしてこの
ような宙づり制御においても上述したごとく適切なモデ
ルパラメータの切り替えやモデル選択がなされるので高
精度に駆動制御が可能となり、開弁時の衝突音を的確に
防止できる。
【0140】(b).前記実施の形態1〜3では、モデ
ルパラメータは質量、粘性係数、ばね定数及びばねのオ
フセットのすべてについて、アーマチャ22と弁体8と
の係合・非係合に応じて切り替えたが、モデルパラメー
タの内のいずれか1つでも良く、モデルパラメータの内
の2又は3つに限って切り替えても良い。
【0141】例えば、アッパスプリング30におけるオ
フセット量が小さい場合、あるいはオフセット量が他の
パラメータに対して制御に与える影響が小さい場合に
は、オフセット量の切り替えはせずに、質量、粘性係数
及びばね定数のみの切り替えでも良い。又、弁体8の質
量がアーマチャ22に対してかなり小さい場合、あるい
はアーマチャ22の質量も含めて質量全体が小さくて他
のパラメータに対して制御に与える影響が小さい場合に
は、質量は切り替えずに粘性係数、ばね定数及びばねの
オフセットのみの切り替えでも良い。又、弁体8の運動
による粘性係数がアーマチャ22の運動に対してかなり
小さい場合、あるいはアーマチャ22の運動による粘性
係数も含めて粘性係数全体が小さくて他のパラメータに
対して制御に与える影響が小さい場合には、粘性係数は
切り替えずに質量、ばね定数及びばねのオフセットのみ
の切り替えでも良い。又、ロアスプリング20における
ばね定数がアッパスプリング30に比較して小さい場合
は、あるいはアッパスプリング30のばね定数も含めて
ばね定数自体が小さくて他のパラメータに対して制御に
与える影響が小さい場合は、ばね定数は切り替えずに質
量、粘性係数及びばねのオフセットのみの切り替えでも
良い。又、質量、粘性係数、ばね定数及びばねのオフセ
ットの内の2つのモデルパラメータが特に制御に対する
影響が大きければ、この2つのモデルパラメータを切り
替えの対象とし、他の2つのモデルパラメータは切り替
えないこととしても良い。又、質量、粘性係数、ばね定
数及びばねのオフセットの内の1つのモデルパラメータ
が特に制御に対する影響が大きければ、この1つのモデ
ルパラメータを切り替えの対象とし、他の3つのモデル
パラメータは切り替えないこととしても良い。
【0142】更に、質量において、ロアスプリング20
やアッパスプリング30の質量が、他の可動部であるア
ーマチャ22や弁体8、特にアーマチャ22の質量に比
較して小さいものであれば、質量にはアーマチャ22及
び弁体8の質量のみを反映させても良い。
【0143】このことは前記実施の形態4のモデルを反
映したオブザーバや電磁力要求値Femの算出式を設定
する場合も同じである。すなわち、設定に用いられるモ
デルパラメータは質量、粘性係数、ばね定数及びばねの
オフセットのすべてについて、アーマチャ22と弁体8
との係合・非係合に応じて選択してオブザーバや電磁力
要求値Femの算出式の設定に用いても良い。又は、設
定に用いられるモデルパラメータは、モデルパラメータ
の内のいずれか1つのみ選択の対象にしても良く、モデ
ルパラメータの内の2又は3つに限って選択の対象にし
ても良い。
【0144】(c).実施の形態1〜3は前記式5に表
されているモデルにおけるモデルパラメータの切り替え
を実行したが、これ以外にステップS120,S12
8,S218,S205gにおいてはモデルの選択をす
る処理にしても良い。すなわちステップS120,S2
18においては前記式14を選択し、ステップS12
8,S205gにおいては前記式15を選択して用いる
ようにしても良い。
【0145】(d).各実施の形態の電磁駆動弁2は内
燃機関の吸気弁と排気弁とに用いられている例を挙げた
が、本発明はこれ以外の開閉弁においても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の電磁駆動弁の概略構成図。
【図2】上記電磁駆動弁の開閉駆動状態の説明図。
【図3】実施の形態1における電磁駆動弁駆動の一例を
示すタイミングチャート。
【図4】実施の形態1の電磁駆動弁閉弁時制御処理のフ
ローチャート。
【図5】同じく電磁駆動弁開弁時制御処理のフローチャ
ート。
【図6】実施の形態1にて目標駆動速度Vtを設定する
ためのマップVの構成説明図。
【図7】実施の形態2の電磁駆動弁閉弁時制御処理の一
部を表すフローチャート。
【図8】実施の形態2にて目標駆動速度Vtを設定する
ためのマップV2の構成説明図。
【図9】実施の形態2における電磁駆動弁駆動の一例を
示すタイミングチャート。
【図10】実施の形態3の電磁駆動弁開弁時制御処理の
一部を表すフローチャート。
【図11】実施の形態3にて目標駆動速度Vtを設定す
るためのマップV3の構成説明図。
【図12】実施の形態3における電磁駆動弁駆動の一例
を示すタイミングチャート。
【図13】実施の形態4の電磁駆動弁閉弁時制御処理の
フローチャート。
【図14】実施の形態4の電磁駆動弁開弁時制御処理の
フローチャート。
【符号の説明】
2…電磁駆動弁、4…バルブ部、6…電磁駆動部、6a
…ケーシング、7…変位センサ部、8…弁体、8a…弁
軸、8b…上端部、10…シリンダヘッド、12…燃焼
室、14…吸気ポート、16…弁座、18…ロアリテー
ナ、20…ロアスプリング、22…アーマチャ、22a
…アーマチャシャフト、22b…下端部、24…ロアコ
ア、24a…ロアコイル、26…アッパコア、26a…
アッパコイル、28…アッパリテーナ、30…アッパス
プリング、32…ECU、34…センサ類、36…他の
ECU。
フロントページの続き Fターム(参考) 3G018 AB09 BA38 DA24 DA37 DA38 DA41 DA66 EA21 GA04 3G092 AA11 DA01 DA02 DA07 DF05 DG02 DG09 EA11 FA06 HA13X HA13Z 3H106 DA07 DA25 DB03 DB12 DB26 DB32 DC02 DC17 DD04 EE04 EE20 FA01 FA07 FB01 FB07 KK17

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ばね力と電磁力との協働により駆動される
    可動子と該可動子と係合可能な弁体とを備えて前記可動
    子の駆動に応じて前記可動子が前記弁体に係合すること
    により前記弁体が開閉動作を実行する電磁駆動弁に対す
    る電磁駆動弁制御装置であって、 前記可動子の位置情報を検出する位置情報検出手段と、 ばね・質量振動系として得られている前記電磁駆動弁の
    モデルと前記位置情報検出手段にて検出された位置情報
    とに基づいて前記可動子が目標作動状態となるように前
    記可動子を駆動するための電磁力を調整する電磁力調整
    手段と、 前記位置情報検出手段により検出された位置情報に基づ
    いて、前記可動子が前記弁体に対して係合状態で作動し
    ている期間か、前記可動子が前記弁体に対して非係合状
    態で作動している期間かを判別し、判別された期間に対
    応して前記電磁力調整手段における前記モデルのモデル
    パラメータを切り替えるモデルパラメータ切替手段と、 を備えたことを特徴とする電磁駆動弁制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記電磁駆動弁は、前
    記可動子が第1ばねにより前記弁体を開側に移動する方
    向に付勢され、前記弁体が第2ばねにより閉側に付勢さ
    れていることを特徴とする電磁駆動弁制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記モデルパラ
    メータ切替手段は、前記判別された期間に対応して、前
    記モデルパラメータ内における質量に関するパラメータ
    を切り替えることを特徴とする電磁駆動弁制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記モデルパラメータ
    切替手段は、前記判別された期間が、前記可動子が前記
    弁体に対して係合状態で作動している期間である場合
    は、前記可動子と前記弁体との合計の質量に基づいて前
    記モデルパラメータ内の質量に関するパラメータを設定
    し、前記判別された期間が、前記可動子が前記弁体に対
    して非係合状態で作動している期間である場合は、前記
    可動子の質量に基づいて前記モデルパラメータ内の質量
    に関するパラメータを設定することで、前記モデルパラ
    メータの内で質量に関するパラメータを切り替えること
    を特徴とする電磁駆動弁制御装置。
  5. 【請求項5】請求項2において、前記モデルパラメータ
    切替手段は、前記判別された期間が、前記可動子が前記
    弁体に対して係合状態で作動している期間である場合
    は、前記可動子、前記弁体、前記第1ばね及び前記第2
    ばねの合計の質量に基づいて前記モデルパラメータ内の
    質量に関するパラメータを設定し、前記判別された期間
    が、前記可動子が前記弁体に対して非係合状態で作動し
    ている期間である場合は、前記可動子及び前記第1ばね
    の質量に基づいて前記モデルパラメータ内の質量に関す
    るパラメータを設定することで、前記モデルパラメータ
    の内で質量に関するパラメータを切り替えることを特徴
    とする電磁駆動弁制御装置。
  6. 【請求項6】請求項2において、前記モデルパラメータ
    切替手段は、前記判別された期間に対応して、前記モデ
    ルパラメータ内におけるばね定数に関するパラメータを
    切り替えることを特徴とする電磁駆動弁制御装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記モデルパラメータ
    切替手段は、前記判別された期間が、前記可動子が前記
    弁体に対して係合状態で作動している期間である場合
    は、前記第1ばねと前記第2ばねとの合成ばねのばね定
    数に基づいて前記モデルパラメータ内のばね定数に関す
    るパラメータを設定し、前記判別された期間が、前記可
    動子が前記弁体に対して非係合状態で作動している期間
    である場合は、前記第1ばねのばね定数に基づいて前記
    モデルパラメータ内のばね定数に関するパラメータを設
    定することで、前記モデルパラメータの内でばね定数に
    関するパラメータを切り替えることを特徴とする電磁駆
    動弁制御装置。
  8. 【請求項8】請求項2において、前記モデルパラメータ
    切替手段は、前記判別された期間に対応して、前記モデ
    ルパラメータ内におけるばね定数及びばねのオフセット
    に関するパラメータを切り替えることを特徴とする電磁
    駆動弁制御装置。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記モデルパラメータ
    切替手段は、前記判別された期間が、前記可動子が前記
    弁体に対して係合状態で作動している期間である場合
    は、前記第1ばねと前記第2ばねとの合成ばねのばね定
    数及び該合成ばねのオフセットに基づいて前記モデルパ
    ラメータ内のばね定数及びオフセットに関するパラメー
    タを設定し、前記判別された期間が、前記可動子が前記
    弁体に対して非係合状態で作動している期間である場合
    は、前記第1ばねのばね定数及び該第1ばねのオフセッ
    トに基づいて前記モデルパラメータ内のばね定数及びオ
    フセットに関するパラメータを設定することで、前記モ
    デルパラメータの内でばね定数及びオフセットに関する
    パラメータを切り替えることを特徴とする電磁駆動弁制
    御装置。
  10. 【請求項10】請求項1又は2において、前記モデルパ
    ラメータ切替手段は、前記判別された期間に対応して、
    前記モデルパラメータ内における粘性係数に関するパラ
    メータを切り替えることを特徴とする電磁駆動弁制御装
    置。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記モデルパラメ
    ータ切替手段は、前記判別された期間が、前記可動子が
    前記弁体に対して係合状態で作動している期間である場
    合は、前記可動子の運動に起因する粘性係数と前記弁体
    の運動に起因する粘性係数との合計の粘性係数に基づい
    て前記モデルパラメータ内の粘性係数に関するパラメー
    タを設定し、前記判別された期間が、前記可動子が前記
    弁体に対して非係合状態で作動している期間である場合
    は、前記可動子の運動に起因する粘性係数に基づいて前
    記モデルパラメータ内の粘性係数に関するパラメータを
    設定することで、前記モデルパラメータの内で粘性係数
    に関するパラメータを切り替えることを特徴とする電磁
    駆動弁制御装置。
  12. 【請求項12】請求項2において、前記モデルパラメー
    タ切替手段は、前記判別された期間に対応して、前記モ
    デルパラメータ内における質量、ばね定数、ばねのオフ
    セット及び粘性係数から選択された2〜4個のいずれか
    の組み合わせからなる物理量に関するパラメータを切り
    替えることを特徴とする電磁駆動弁制御装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記モデルパラメ
    ータ切替手段は、前記判別された期間が、前記可動子が
    前記弁体に対して係合状態で作動している期間である場
    合は、前記可動子に関する前記物理量と前記弁体に関す
    る前記物理量との組み合わせにより得られた物理量に基
    づいて前記モデルパラメータ内の前記物理量に関するパ
    ラメータを設定し、前記判別された期間が、前記可動子
    が前記弁体に対して非係合状態で作動している期間であ
    る場合は、前記可動子に関する前記物理量に基づいて前
    記モデルパラメータ内の前記物理量に関するパラメータ
    を設定することで、前記モデルパラメータの内で前記物
    理量に関するパラメータを切り替えることを特徴とする
    電磁駆動弁制御装置。
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