JP2001015329A - 電磁駆動弁のバルブクリアランス推定装置 - Google Patents

電磁駆動弁のバルブクリアランス推定装置

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JP2001015329A
JP2001015329A JP11181632A JP18163299A JP2001015329A JP 2001015329 A JP2001015329 A JP 2001015329A JP 11181632 A JP11181632 A JP 11181632A JP 18163299 A JP18163299 A JP 18163299A JP 2001015329 A JP2001015329 A JP 2001015329A
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valve
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speed
detecting
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JP11181632A
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Yasuhiro Taniguchi
育宏 谷口
Taketoshi Kawabe
武俊 川邊
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】弁体の位置を検出する位置センサを用いること
なく、弁体が着座したか否かの確認を可能とする技術を
提供する。 【解決手段】可動子と弁体との間のクリアランス(バル
ブクリアランス)を検出する。閉弁制御時には、バルブ
クリアランスに基づいて可動子と弁体との相対的な関係
を把握し、着座制御を行う。バルブクリアランスは、開
弁制御時に、開弁用電磁コイルに通電して可動子が動き
始めてから(弁体と衝突することにより)可動子の加速
度が一時的に負になるまでの可動子の変位量とする。変
位量は、可動子位置の変動値(変位量=z12)、或いは
速度の積分値(変位量=A12)に基づいて算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの吸排気
弁としての使用に適する電磁駆動弁のバルブクリアラン
ス推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの更なる高性能化の要求
に対応するため、吸排気弁として電磁駆動弁の採用が検
討されている。従来より、かかる電磁駆動弁における可
動子は、弁体に固定された状態で、該弁体と一体に駆動
するものであった(特開平9−320841号公報参
照)。即ち、吸気ポート或いは排気ポートに介装された
弁体と、その一部に装着されたプレート状の可動子と
を、該可動子の上下に対向配置された電磁コイルを用い
て一体に駆動させることにより、吸気或いは排気を制御
していたのである。このため、弁体の熱膨張、弁座の摩
耗或いはディポジットの堆積等による動作環境の変化に
より、また弁体自体の固体差もあるため、可動子の位置
は一定とはならず、可動子の位置が変化した状態では、
弁体を確実に閉弁させることは困難であった。
【0003】この問題に対し、可動子と弁体とを別体と
して(切り離して)形成し、これらの間に所定のクリア
ランスを設けることで、動作環境の変化の影響を受ける
弁体を、可動子の位置によらず確実に閉弁させる方法が
提唱されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このクリアランスは、
前述と同様に、弁体の熱膨張などにより運転中に変化す
る。従って、電磁駆動弁を高精度に制御する(特に、弁
体の閉弁動作を確実にする)ためには、弁体の位置を把
握して、弁体が弁座に着座したことを確認する必要があ
る。しかし、このために弁体に対して位置センサを設け
ることは、レイアウト的にも、燃焼室からの熱的な影響
を考慮しても困難である。一方、可動子に対して位置セ
ンサを設けることは可能であるが、可動子の位置を検出
してもクリアランスが変化してしまえば、弁体の正確な
位置を把握することはできない。
【0005】かかる実情に鑑み、本発明の目的は、可動
子と弁体とを別体として形成した電磁駆動弁において弁
体の位置を検出する位置センサを用いることなく弁体の
位置を把握可能とすることにより弁体が閉弁したか否か
の確認を可能とするため、電磁駆動弁のバルブクリアラ
ンス推定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の構成要
素を含んで構成される装置を用いて、電磁駆動弁におけ
る可動子と弁体との間の実際のクリアランス(バルブク
リアランス)を検出(推定)するものである。バルブク
リアランスを検出することにより、可動子と弁体との相
対的な関係から弁体が着座して各ポートが閉じているか
否かの判定を行い、閉弁動作を確実化することができ
る。
【0007】そこで、請求項1に係る発明によって、図
1に示すように、開弁用電磁コイルと閉弁用電磁コイル
とを有し、各電磁コイルに供給する電流を制御すること
により可動子を駆動して弁体の開閉動作を制御するバル
ブクリアランス推定装置であって、前記可動子の加速度
を検出する可動子加速度検出手段と、開弁制御時に前記
可動子が動き始めてから前記可動子の加速度が一時的に
負になるまでの前記可動子の変位量を検出する変位量検
出手段とを有し、前記可動子の変位量に基づいてバルブ
クリアランスを推定することを特徴とする電磁駆動弁の
バルブクリアランス推定装置を提供する。
【0008】ここで、前記変位量検出手段は、前記可動
子の位置を検出する可動子位置検出手段からの信号に基
づいて、前記可動子の変位量を検出する(請求項2)
か、或いは前記可動子の速度を検出する可動子速度検出
手段からの信号に基づいて、前記可動子の速度を積分す
ることにより、前記可動子の変位量を検出する(請求項
3)。
【0009】また、前記可動子加速度検出手段は、加速
度センサを用いて構成することもできるが、本発明にお
いては、前記可動子の速度を検出する可動子速度検出手
段からの信号に基づいて、前記可動子の速度の微分又は
差分により、前記可動子の加速度を検出する(請求項
4)か、或いは前記可動子位置検出手段と、前記可動子
速度検出手段と、前記各電磁コイルに流れる電流値を検
出する電流検出手段とから検出された前記可動子の位
置、速度及び前記各電磁コイルに流れる電流値に基づい
て前記可動子の加速度を算出する(請求項5)ことが好
ましい。
【0010】さらに、前記可動子速度検出手段は、速度
センサを用いて構成することもできるが、本発明におい
ては、前記可動子位置検出手段と前記電流検出手段とか
ら検出された前記可動子の位置及び前記各電磁コイルに
流れる電流値に基づいて前記可動子の速度を算出する
(請求項6)ことが好ましい。
【0011】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、開弁制御
時に可動子が弁体と衝突することにより可動子の加速度
が一時的に負になるので、加速度を監視して可動子が動
き始めてから加速度が一時的に負になるまでの可動子の
変位量を検出することで、これに基づいてバルブクリア
ランスを簡易に検出することができる。また、熱膨張等
による動作環境の変化にかかわらずバルブクリアランス
を検出することができるため、信頼性も高い。
【0012】従って、本発明を使用すれば、検出された
バルブクリアランスに基づいて可動子と弁体との相対的
な関係が把握できるため、可動子の状態から弁体が着座
したか否かを判定して、閉弁動作を確実化することでき
る。
【0013】請求項2或いは請求項3記載の発明によれ
ば、開弁制御時に可動子が動き始めてから弁体と衝突す
るまでの可動子の位置の変化或いは可動子の速度の積分
値から、前記変位量を容易に検出することができる。
【0014】請求項4或いは請求項5記載の発明によれ
ば、検出された可動子の速度の微分或いは差分により、
又は検出された可動子の位置、速度及び各電磁コイルに
流れる電流値に基づいて、可動子の加速度を容易に検出
することができる。このため、装置の大型化を招くこと
なく、可動子と弁体との衝突タイミングを判定すること
ができる。
【0015】請求項6記載の発明によれば、可動子の速
度は、検出された可動子の位置と各電磁コイルに流れる
電流値とに基づいて算出されるため、サンプル周期にか
かわらず、より正確に検出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。図2は、エンジンの吸排
気弁として使用する電磁駆動弁Aの構成を示している。
ここに電磁駆動弁Aは、吸気弁或いは排気弁をなす弁体
11に対し、可動子12と開弁用電磁コイル13と閉弁
用電磁コイル14とを設けて構成される。電子制御ユニ
ット(ECU)21が各電磁コイル13、14に供給す
る電流を制御することにより、可動子12を各電磁コイ
ル13、14間で往復駆動し、弁体11の開閉動作を制
御する。
【0017】弁体11は、弁軸11a と弁頭11b とか
ら構成される。弁軸11a は、シリンダヘッドSに埋設
された図示しない弁ガイド内に摺動自在に保持されてお
り、上下に案内されている。弁軸11a の上端部には、
コッタ15を介してスプリングリテーナ16が取り付け
られいる。弁体11は、スプリングリテーナ16に下方
より作用するリターンスプリング17により、閉弁方
向、即ち、シリンダヘッドSに形成された吸気ポート
(或いは排気ポート)31の燃焼室への開口部における
弁座32に弁頭11b のフェース面が着座する方向へ付
勢されている。ここに弁体11は、前記フェース面が弁
座32に着座し、また離座することにより、吸気ポート
31を開閉する。
【0018】弁体11の上方には、開弁用電磁コイル1
3及び閉弁用電磁コイル14が配設され、これらは、磁
性体を含んで構成されるプレート状の可動子12を挟ん
で、その上下に対向配置されている。
【0019】可動子12の中心部には、非磁性体から成
る可動子軸12a 、12b が一体に取り付けられてい
る。可動子12より下側に延びる可動子軸12a は、開
弁用電磁コイル13の中心部を往復動自在に貫通し、そ
の下端部端面は、弁軸11a の上端部端面に当接するよ
うになっている。一方、可動子12より上側に延びる可
動子軸12b は、閉弁用電磁コイル14の中心部を往復
動自在に貫通し、その上端部には、コッタ18を介して
スプリングリテーナ19が取り付けられている。スプリ
ングリテーナ19に上方より作用するリターンスプリン
グ20により、可動子12と可動子軸12a 、12b と
は、下向きに付勢されている。
【0020】従って、可動子12は、リターンスプリン
グ20の作用と、弁体11を介したリターンスプリング
17の作用とにより、中間位置(具体的には、開弁用電
磁コイル13と閉弁用電磁コイル14との中間位置)方
向へ付勢されている。
【0021】電子制御ユニット21には、アクセル開度
信号とクランク角度信号とが入力されるとともに、各電
磁コイル13、14に流れる電流を検出する電流検出手
段としての電流センサ41と、可動子12の位置を検出
する可動子位置検出手段としての位置センサ(レーザ位
置変位計等)51とからの検出信号が入力されて、後述
する制御が行われる。
【0022】図3は、弁体11の開閉動作を説明する図
であり、図3(a) は全閉(ノーリフト)状態を、図3
(b) は全開(フルリフト)状態を示している。各電磁コ
イル13、14のいずれにも通電しない場合に中間位置
にある可動子12は、弁閉期間において、閉弁用電磁コ
イル14に通電することにより発生する電磁力を利用し
て上方へ駆動され、閉弁用電磁コイル14に吸着され
る。ここで、弁体11はリターンスプリング17の作用
により上方へ駆動され、弁頭11b のフェース面が弁座
32に着座して吸気ポート31を閉じ、全閉状態に至る
(図3(a) )。このとき、弁軸11a の上端部端面と、
可動子軸12a の下端部端面との間には、弁体11の熱
膨張などの影響を考慮して設けられたバルブクリアラン
スCが存在する。
【0023】また、弁開期間において閉弁用電磁コイル
14への通電を停止すると、電磁力が消滅して可動子1
2はリターンスプリング20の作用により下方へ駆動さ
れる。可動子軸12a の下端部端面が弁軸11a の上端
部端面に当接(衝突)した後は、可動子12と弁体11
とが一体的に駆動して、弁頭11b は弁座32から離座
する。この後の所定のタイミングで開弁用電磁コイル1
3に通電すると、電磁力の同様な作用により可動子12
が開弁用電磁コイル13に吸着され、リターンスプリン
グ17の作用に抗して弁体11が更に下方へ駆動され、
全開状態に至る(図3(b) )。
【0024】再び弁閉期間には、開弁用電磁コイル13
への通電を停止してから、所定のタイミングで閉弁用電
磁コイル14に通電する。電磁駆動弁Aは、これらの動
作の繰り返しにより、スムーズな吸排気作業を達成す
る。
【0025】しかしながら、可動子12の駆動力たる電
磁力は、各電磁コイル13、14に供給される電流を一
定とすれば、可動子が各電磁コイルに接近する程増大す
る特性を有している。従って、この場合、可動子12は
各電磁コイルに対して激しく衝突するため、騒音の問題
が生ずる。そこで、可動子12が各電磁コイルに接近し
た際に電流を制御して可動子の速度を減少させるとも
に、全閉状態及び全開状態において、可動子と各電磁コ
イルとの間に所定のギャップを保持し、これらの衝突に
よる騒音を抑制する制御(着座制御)を行う。
【0026】即ち、図4(a) に示すように、電磁コイル
に通電する所定のタイミングをtswとして、tsw後の可
動子12の速度を目標速度にフィードバック制御する。
目標速度は、可動子12の位置に応じて生成される。図
4(b) を参照して、通電を停止した状態(リターンスプ
リングのみによる駆動) での可動子12の軌道を曲線oa
c とすれば、通電開始点aから線adで示す目標速度が生
成される。全閉状態及び全開状態では、可動子12は所
定のギャップ(db)を保って制御される。着座制御によ
り、可動子12と各電磁コイル13、14との衝突が回
避され、騒音を抑制することができる。
【0027】ここで、全閉状態におけるギャップ(db)
をバルブクリアランスに相当する範囲内で設定すれば、
可動子軸12a と弁軸11a とは少なくとも接触してお
らず、弁体11に下向きの作用力が働くことはないもの
として、弁頭11b が着座して吸気ポート31が閉じた
か否かの判定を確実に行うことができる。
【0028】実際の運転では、バルブクリアランスは、
弁体11やシリンダヘッドSの熱膨張、弁座32の摩耗
或いはディポジットの堆積等の動作環境の変化により、
変動する。従って、電磁駆動弁Aの高精度な制御のため
には、経時的に変動するバルブクリアランスを各制御実
行毎に検出する必要がある。
【0029】そこで、以下において、上記着座制御のた
めの制御装置において使用する本発明に係るバルブクリ
アランス推定装置について説明する。本バルブクリアラ
ンス推定装置は、図5に示すように、バルブクリアラン
スを、開弁制御時に閉弁用電磁コイル14への通電を停
止した後、可動子12が動き始めてから(可動子軸12
a の下端部端面が弁軸11a の上端部端面と衝突するこ
とにより)可動子加速度が一時的に負になるまで(t1
〜t2 )の可動子12の変位量に基づいて、検出する。
【0030】可動子12の変位量は、位置センサ51か
らの検出信号に基づいて時刻t1 における可動子位置と
時刻t2 における可動子位置との変動分として検出する
(変位量=z12)か、或いは時刻t1 からt2 までの可
動子速度を積分することにより検出する(変位量=
12)。
【0031】可動子12の加速度は、電流センサ41及
び位置センサ51からの検出信号に基づいて、電子制御
ユニット21により算出される。以下、その方法につい
て説明する。但し、ここでの説明において、可動子質量
をm、可動子に関わる弾性係数をk、可動子に関わる粘
性摩擦係数をcとする。また、可動子に作用する電磁力
fは電磁コイルを流れる電流値iと可動子位置zとの関
数によって表されるものとし、zの原点を全閉状態にお
ける可動子位置に設定する。
【0032】ここに可動子の運動を、式(1)の方程式
により表す。
【0033】
【数1】 従って、対象の状態は、下記のモデルにより表すことが
できる。
【0034】
【数2】 電磁力f(z,i) は、磁気回路の形状や材質等により求ま
る関数であり、磁場解析等により予め知ることができ
る。実際の制御では、電流センサ41により検出された
電流値iと、位置センサ51により検出された可動子位
置zとを参照して、記憶装置に格納されるマップより検
索する。また、rは、リターンスプリングの弾性力のう
ち、オフセット加重成分を表す。これらの式をもとに、
可動子速度は、オブザーバを用いて、式(3)により算
出することができる。
【0035】
【数3】 Hは、オブザーバゲインであり、極配置より求めること
ができる。速度推定値υは下式により抽出される。
【0036】
【数4】 さらに、加速度推定値αは、速度推定値υの微分或いは
差分によるか、又はオブザーバを用いて、式(5)によ
り算出することができる。
【0037】
【数5】 ここで、バルブクリアランス推定装置によるバルブクリ
アランス検出ルーチンの処理手順について、図6及び図
7のフローチャートを参照して説明する。尚、図6及び
図7に示すフローチャートは、それぞれバルブクリアラ
ンス検出ルーチンを構成する第1の形態及び第2の形態
を示している。また、各ルーチンは、所定時間周期(例
えば、50μsec )で実行されるように構成されてい
る。
【0038】図6に示す第1のルーチンにおいて、電子
制御ユニット21は、S11(ステップ11、以下同
じ。)において、位置センサ51の検出信号に基づく可
動子位置zと、電流センサ41の検出信号に基づく電流
値iとを読み込み、S12において、読み込まれた可動
子位置zと電流値iとから、上記オブザーバを用いて、
式(3)及び式(4)により可動子12の速度推定値υ
を算出する。ここに、S12が可動子速度検出手段を構
成する。
【0039】S13において電子制御ユニット21は、
閉弁用電磁コイル14への通電を停止したか否かを判定
する。停止していなければ(即ち、通電中であれば)、
S14において後述するバルブクリアランス検出用フラ
グF1 及び初回判定用フラグN1 をそれぞれ0に設定し
て、本ルーチンをリターンする。
【0040】一方、閉弁用電磁コイル14への通電を停
止していれば、S15において初回判定用フラグN1 を
1だけ加算した値に更新し、S16において更新された
フラグN1 が1であるか否かを判定する。N1 =1であ
れば、S17において可動子位置初期値z1 をS11に
おいて読み込まれた値zに設定した後、本ルーチンをリ
ターンする。
【0041】N1 =1でなければ、S18において可動
子加速度を検出する。可動子加速度は、上記オブザーバ
を用いて式(5)により、或いは速度推定値υの微分或
いは差分により、加速度推定値αとして算出する。ここ
に、S18が可動子加速度検出手段を構成する。
【0042】S19では、S18において検出された可
動子加速度(加速度推定値α)が負であるか否かを判定
する。α≧0であれば、本ルーチンをリターンし、α<
0であれば、S20ヘ進んでバルブクリアランス検出用
フラグF1 を1だけ加算した値に更新する。
【0043】S21では、S20において更新されたバ
ルブクリアランス検出用フラグF1が1であるか否かを
判定する。F1 =1でなければ、本ルーチンをリターン
する。F1 =1であれば、S22において、バルブクリ
アランスCとして、新たに読み込まれた可動子位置zと
可動子位置初期値z1 との差である変位量(=z12)を
検出し、その後本ルーチンをリターンする。ここに、S
17及びS22が変位量検出手段を構成する。
【0044】図7に示す第2のルーチンは、変位量検出
手段の構成が異なる。即ち、電子制御ユニット21は、
S36において1だけ加算した値に更新されたフラグN
1 が1であると判定した場合、S37において、可動子
速度(速度推定値υ)の積分を開始し、積分値SをS3
2において算出された値υに設定する。
【0045】また、S39において検出された可動子加
速度(加速度推定値α)がα≧0と判定した場合、S4
3において、積分値Sを新たに算出された速度推定値υ
だけ加算した値に更新する。
【0046】一方、S39においてα<0と判定され、
且つ、S41において1だけ加算した値に更新されたフ
ラグF1 が1であると判定した場合、S42において、
バルブクリアランスCとして、新たに算出された速度推
定値υだけ加算した値に更新された積分値Sである変位
量(=A12)を検出する。ここに、S37、S42及び
43が変位量検出手段を構成する。
【0047】次に、本発明に係るバルブクリアランス推
定装置を用いた着座制御のための制御装置について、図
8〜図10のフローチャートを参照して、説明する。
尚、本ルーチンも前述と同様に所定時間周期(例えば、
50μsec )で実行されるように構成されており、S5
1、S52、S54及びS56がバルブクリアランス推
定装置を構成している。
【0048】電子制御ユニット21は、S51において
同様に可動子位置zと電流値iとを読み込み、S52に
おいて可動子12の速度推定値υを算出した後、S53
においてバルブタイミングを判定する。
【0049】バルブタイミングが弁開期間であれば、S
55〜S57に示す一連の開弁制御が実行される。即
ち、S55で閉弁用電磁コイル14への通電を停止し、
S56でバルブクリアランス推定装置によりバルブクリ
アランスを検出した後、S57で図9に示すフローチャ
ートに従って開弁用電磁コイル13に供給する電流を制
御する。
【0050】S56におけるバルブクリアランスの検出
は、図6に示すフローチャートを構成するS13及びS
15からS22までのプロセスにより、又は図7に示す
フローチャートを構成するS33及びS35からS43
までのプロセスにより、実行する。
【0051】また、S57における開弁用電流制御は、
以下のプロセスで行われる。即ち、電子制御ユニット2
1は、S71において可動子12が所定の位置に達した
か(所定のタイミングtswに達したか)否かを判定す
る。達していなければ、本サブルーチンは終了し、可動
子12はリターンスプリング20の弾性力のみにより駆
動される。これに対し、所定の位置に達していれば、S
72において駆動期間(可動子12が行程の途中にある
状態)であるか否かを判定する。駆動期間であれば、S
73において、開弁用電磁コイル13に供給する電流
(駆動電流)を制御することにより可動子12の速度を
その位置に応じて目標速度へフィードバック制御して、
着座制御を行う。駆動期間でなければ(即ち、全開状態
においては)、S74において、可動子12を開弁用電
磁コイル13から所定のギャップ内に保持するように電
流(保持電流)を制御する。
【0052】一方、S53においてバルブタイミングが
弁開期間でなければ、S54においてバルブクリアラン
ス検出用フラグF1 及び初回判定用フラグN1 をそれぞ
れ0に設定し、S58へ進む。
【0053】S58においてバルブタイミングが弁閉期
間であれば、S59、S60に示す一連の閉弁制御が実
行される。即ち、S59で開弁用電磁コイル13への通
電を停止し、S60で図10に示すフローチャートに従
って閉弁用電磁コイル13に供給する電流を制御する。
一方、弁閉期間でなければ、本ルーチンはリターンされ
る。
【0054】S60における閉弁用電流制御は、以下の
プロセスで行われる。即ち、電子制御ユニット21は、
S81で、可動子12が所定の位置に達したか(所定の
タイミングtswに達したか)否かを判定する。達してい
なければ、本サブルーチンを終了し、可動子12はリタ
ーンスプリング17の弾性力のみにより駆動される。こ
れに対し、所定の位置に達していれば、S82におい
て、駆動期間(可動子12が行程の途中にある状態)で
あるか否かを判定する。駆動期間であれば、S83にお
いて、閉弁用電磁コイル14に供給する電流(駆動電
流)を制御することにより可動子12の速度をその位置
に応じて目標速度へフィードバック制御して、着座制御
を行う。駆動期間でなければ(即ち、全閉状態において
は)、S84において、可動子12を閉弁用電磁コイル
14からS56(S22或いはS42)で検出されたバ
ルブクリアランスに相当する範囲内に保持するように電
流(保持電流)を制御する。
【0055】その後本ルーチンはリターンされ、同様の
処理を繰り返す。このように、本発明によれば、運転中
に経時的に変動するバルブクリアランスを各制御実行毎
に検出することにより、弁体11の位置を直接検出する
ことなく可動子12と弁体11との相対的な関係から、
即ち、閉弁制御時に可動子12が閉弁用電磁コイル14
から検出されたバルブクリアランスに相当する範囲内に
あれば、可動子軸12a と弁軸11a とは少なくとも接
触しておらず、弁体11に下向きの作用力が働くことは
ないことから、弁頭11b が弁座32に着座して吸気ポ
ート(或いは排気ポート)31が閉じているものと判定
して、閉弁動作を確実化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の一実施形態に係る電磁駆動弁の構成
【図3】 同上電磁駆動弁の動作を説明する図
【図4】 目標速度の生成例を説明する図
【図5】 バルブクリアランスの検出方法を説明する図
【図6】 本発明に係るバルブクリアランス推定装置に
よるバルブクリアランス検出処理を示す第1のフローチ
ャート
【図7】 本発明に係るバルブクリアランス推定装置に
よるバルブクリアランス検出処理を示す第2のフローチ
ャート
【図8】 同上バルブクリアランス推定装置を用いた着
座制御のための制御装置による電流制御を示すフローチ
ャート
【図9】 開弁用電流制御を示すフローチャート
【図10】閉弁用電流制御を示すフローチャート
【符号の説明】
A 電磁駆動弁 11 弁体 12 可動子 13 開弁用電磁コイル 14 閉弁用電磁コイル 16、19 スプリングリテーナ 17、20 リターンスプリング 21 電子制御ユニット 31 吸気ポート(排気ポート) 41 電流センサ 51 位置センサ(レーザ位置変位計)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H106 DA07 DA25 DB02 DB12 DB26 DB32 DC02 DD03 EE48 FB27 GC29 KK17 5E048 AB01 AD07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開弁用電磁コイルと閉弁用電磁コイルとを
    有し、各電磁コイルに供給する電流を制御することによ
    り可動子を駆動して弁体の開閉動作を制御する電磁駆動
    弁における前記可動子と前記弁体との間の実際のバルブ
    クリアランスを推定するバルブクリアランス推定装置で
    あって、 前記可動子の加速度を検出する可動子加速度検出手段
    と、 開弁制御時に前記可動子が動き始めてから前記可動子の
    加速度が一時的に負になるまでの前記可動子の変位量を
    検出する変位量検出手段と、を有し、 前記可動子の変位量に基づいて前記バルブクリアランス
    を推定することを特徴とする電磁駆動弁のバルブクリア
    ランス推定装置。
  2. 【請求項2】前記変位量検出手段は、前記可動子の位置
    を検出する可動子位置検出手段からの信号に基づいて、
    前記可動子の変位量を検出するものであることを特徴と
    する請求項1記載の電磁駆動弁のバルブクリアランス推
    定装置。
  3. 【請求項3】前記変位量検出手段は、前記可動子の速度
    を検出する可動子速度検出手段からの信号に基づいて、
    前記可動子の速度を積分することにより、前記可動子の
    変位量を検出するものであることを特徴とする請求項1
    記載の電磁駆動弁のバルブクリアランス推定装置。
  4. 【請求項4】前記可動子加速度検出手段は、前記可動子
    の速度を検出する可動子速度検出手段からの信号に基づ
    いて、前記可動子の速度の微分又は差分により、前記可
    動子の加速度を検出するものであることを特徴とする請
    求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電磁駆動弁の
    バルブクリアランス推定装置。
  5. 【請求項5】前記可動子加速度検出手段は、前記可動子
    の位置を検出する可動子位置検出手段と、前記各電磁コ
    イルに流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記可
    動子の速度を検出する可動子速度検出手段と、検出され
    た前記可動子の位置と前記各電磁コイルに流れる電流値
    と前記可動子の速度とに基づいて前記可動子の加速度を
    算出する手段とから構成されることを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれか1つに記載の電磁駆動弁のバル
    ブクリアランス推定装置。
  6. 【請求項6】前記可動子速度検出手段は、前記可動子の
    位置を検出する可動子位置検出手段と、前記各電磁コイ
    ルに流れる電流値を検出する電流検出手段と、検出され
    た前記可動子の位置と前記各電磁コイルに流れる電流値
    とに基づいて前記可動子の速度を算出する手段とから構
    成されることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれ
    か1つに記載の電磁駆動弁のバルブクリアランス推定装
    置。
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