JP2003268222A - 自然崩壊性を有するプラスチック成形品 - Google Patents
自然崩壊性を有するプラスチック成形品Info
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Abstract
チックとし、植物由来のリグノフェノール誘導体とその
フェノール活性を利用して複合化させ、力学的初期性能
を低下させることなく、太陽光,雨水の作用による自然
崩壊性をもつプラスチック成形品を提供する。 【解決手段】 ポリ乳酸 100重量部に対し、フェノ
ール誘導体が収着されたリグノセルロース系材料に酸を
添加し混合して前記リグノセルロース系材料をリグノフ
ェノール誘導体と炭水化物に分離することによって得ら
れるリグノフェノール誘導体を0.3重量部以上で5重
量部未満の範囲の量を配合し、且つこのリグノフェノー
ル誘導体 100重量部に対し補助剤を5〜20重量部
配合して成形される。
Description
による自然崩壊性を有するプラスチック成形品に関す
る。
を背景として、生体系において分解される高分子材料が
広く研究されている。その1つとして植物由来の原料か
ら乳酸を経由して得られるポリ乳酸は、高融点を有し力
学的性能及び生体適合性に優れ、包装資材を始め多方面
への展開が最も期待されている。
酸は反面、固くて脆く、そのうえ生分解速度が極めて緩
慢であるという短所も併せ持った材料でもある。またポ
リ乳酸は太陽光,雨水の自然環境下で、それらの作用に
よる材料劣化が進みにくいという優れた性能が、土中で
の微生物による分解を遅らせる原因にもなっている。一
方、再生可能な植物資源の有効利用技術の確立が資源循
環型社会を構築する上で重要な課題となっているなか、
植物資源に含まれるリグニンを新規分子素材としてのリ
グノフェノール誘導体に変換分離して取り出す方法、即
ち「相分離システム」と呼ばれる方法が開発された(特
許第2895087号)。植物資源をより完全に活用し
ていくためにも、このリグノフェノール誘導体の新規用
途の開拓が必要となっている。当該リグノフェノール誘
導体は、従来の工業リグニン(リグニンスルフォン酸
等)に比べて、化学的変性が少なく活性で極性有機溶媒
に可溶等の特徴をもつ分子素材であるが、ポリ乳酸に単
にリグノフェノール誘導体を配合させて例えばプラスチ
ックフィルム成形しても力学的初期性能が低下し、また
自然崩壊性を促すに至らないなどの問題があった。
物由来の生分解性ポリ乳酸をベースプラスチックとし、
植物由来のリグノフェノール誘導体とそのフェノール活
性を利用して複合化させ、力学的初期性能を低下させる
ことなく、太陽光,雨水の作用による自然崩壊性をもつ
プラスチック成形品を提供することを目的とする。
請求項1の発明の要旨は、ポリ乳酸 100重量部に対
し、フェノール誘導体が収着されたリグノセルロース系
材料に酸を添加し混合して前記リグノセルロース系材料
をリグノフェノール誘導体と炭水化物に分離することに
よって得られるリグノフェノール誘導体を0.3重量部
以上で5重量部未満の範囲の量を配合し、且つこのリグ
ノフェノール誘導体 100重量部に対し補助剤を5〜
20重量部配合して成形されることを特徴とする自然崩
壊性を有するプラスチック成形品にある。ここで、「補
助剤」はエステル結合をもつ多官能性ビニル化合物をい
い、多官能性化合物とは2つ以上の官能基をもつものを
意味する。補助剤には例えば無水マレイン酸,メタクリ
ル酸グリシジル等がある。
アミドを10重量%以下の割合(但し、0を除く。)で
添加し両者の合計 100重量部に対し、フェノール誘
導体が収着されたリグノセルロース系材料に酸を添加し
混合して前記リグノセルロース系材料をリグノフェノー
ル誘導体と炭水化物に分離することによって得られるリ
グノフェノール誘導体を0.3重量部以上で5重量部未
満の範囲の量を配合し、且つこのリグノフェノール誘導
体 100重量部に対し補助剤を5〜20重量部と、触
媒を1〜3重量部配合して成形されることを特徴とする
自然崩壊性を有するプラスチック成形品にある。ここ
で、「触媒」とは主としてベースのポリ乳酸とポリアミ
ドの加水分解を促すための触媒をいい、例えば無水炭酸
カリウム,無水炭酸ナトリウム等が挙げられる。請求項
3の発明たるプラスチック成形品は、請求項2で、ポリ
アミドに代って、主鎖にアミド結合、エステル結合、ウ
レタン結合からなる群の少なくとも1つの結合を有する
熱可塑性エラストマーを用いることを特徴とする。
有するプラスチック成形品について詳述する。本実施形
態はプラスチック成形品としてプラスチックフィルム成
形品(以下、フィルム成形品という。)を取り上げる。
図1はフィルム成形品の初期の引張強度のグラフ、図2
はフィルム成形品の暴露時間に対する引張強度を示すグ
ラフである。
に対し、フェノール誘導体が収着されたリグノセルロー
ス系材料に酸を添加し混合して前記リグノセルロース系
材料をリグノフェノール誘導体と炭水化物に分離するこ
とによって得られるリグノフェノール誘導体を0.3重
量部以上で5重量部未満の範囲の量を配合し、且つこの
リグノフェノール誘導体 100重量部に対し補助剤を
5〜20重量部配合して成形される。フィルム成形品は
例えば次のようにして造られる。まずリグノフェノール
誘導体と補助剤を充分混合し、次いで、ポリ乳酸と混合
する。そして、混合したものを一軸押出成形機等により
複合化ペレットを製造し、その後、このペレットを複合
材料としてフィルム成形してフィルム成形品が造られ
る。
等のデンプンを発酵させてできる乳酸を重合させたもの
である。本実施形態ではポリ乳酸として株式会社島津製
作所の商品名「ラクティ」で品番9030を用いてい
る。
導体が収着されたリグノセルロース系材料に酸を添加し
て混合し、その後、過剰の水を加えて不溶区分として分
離して得られるものである。木粉等のリグノセルロース
系材料にフェノール誘導体が溶解した溶媒を浸透させた
後、溶媒を留去する(フェノール誘導体の収着工程)。
次に、このリグノセルロース系材料に酸を混合しセルロ
ース分を酸に溶解させる。リグニンとフェノール誘導体
が反応したリグノフェノール誘導体相がセルロース成分
を溶解した酸の相から相分離される。その後、この相分
離した反応液に過剰の水を加えて不溶区分を回収してリ
グノフェノール誘導体を得る。前記リグノセルロース系
材料とはリグニンとセルロースを含有する針葉樹,広葉
樹などの植物で、例えば木材,木片,木粉、木質材料とし
ての合板,集成材,パーティクルボード等、さらにそれら
の廃材がある。また各種草本植物、農産廃棄物等も該当
する。本実施形態は特許第2895087号の「相分離
システム」に準拠して木粉(製材所の鋸屑)から製造し
たリグノフェノール誘導体を用いる。
ル誘導体,2価のフェノール誘導体,3価のフェノール誘
導体などを用いることができる。具体的には、フロログ
ルシノール・ヒドロキシヒドロキノン・ピロガロール等
の三価体、カテコール・レゾルシノール・ハイドロキノ
ン等の二価体、フェノールなどを挙げることができる。
リグノセルロース系材料がフェノール誘導体により合成
されるリグノフェノール誘導体が疎水性の反応なので一
価のフェノールをフェノール誘導体として使用するのが
好ましく、コスト,安定性,取り扱い易さ等を鑑みればク
レゾールがより好ましい。なお、フェノール誘導体が有
していてもよい置換基の種類は限定されない。前記酸と
はセルロースに対して膨潤性を有する酸で、65重量%以
上の硫酸(例えば、72重量%の硫酸)、85重量%以上のリン
酸、38重量%以上の塩酸、p-トルエンスルホン酸、トリ
フルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ギ酸などを挙げること
ができる。
スチックとし、リグノフェノール誘導体とそのフェノー
ル活性を利用して複合化させるが、ポリ乳酸 100重
量部に対しリグノフェノール誘導体は0.3重量部以上
で5重量部未満の範囲の量を配合する。リグノフェノー
ル誘導体が5重量部以上になると、補助剤があってもフ
ィルム成形が困難でまた力学的初期特性が得られず、一
方、リグノフェノール誘導体が0.3重量部未満では本
発明の効果が得られないからである。本実施形態のフィ
ルム成形品は、押出成形で複合材料を製造し、その複合
材料を用いてフィルム化するという製造工程を辿るた
め、最初に、ポリ乳酸とリグノフェノール誘導体との配
合比を変化させたうえで、それら混合物の押出成形性を
確認する必要がある。リグノフェノール誘導体の配合量
を5重量部以上にすると、複合材料の流動性が高くなり
過ぎ成形不良(或いは成形不能)を招くことから、配合
量をそれより少なくする。より好ましい範囲として、ポ
リ乳酸 100重量部に対しリグノフェノール誘導体は
0.3〜3重量部配合する。ただ、配合量を3重量部に減
らして良く成形できたフィルムについても、ベースのポ
リ乳酸フィルムに比べて、力学的初期性能については低
下し、紫外線照射72時間後の力学的性能についても低下
したまま平行移動すると共に紫外線吸収能も落ちるとい
う特徴のないフィルムになってしまう。そこで、リグノ
フェノール誘導体が持っている高反応性を効果的に引き
出し、目的とする力学的初期性能を具備し且つ自然崩壊
性を備えるフィルムとするため補助剤が選定される。
多官能性ビニル化合物をいい、具体的には無水マレイン
酸,メタクリル酸グリシジル, シトラコン酸無水物,イタ
コン酸無水物,アクリル酸グリシジル等が挙げられる。
本発明は高温,高剪断が加わる押出成形下及び太陽光,雨
水が作用する自然環境下におけるリグノフェノール誘導
体のフェノール活性(ラジカル活性種が容易に発生)に
着目し、ポリ乳酸に対するリグノフェノール誘導体の配
合量、併せて用いる補助剤の選定とその配合量によって
リグノフェノール誘導体の高反応性を制御するもので、
力学的初期性能を低下させることなく自然崩壊性を発現
させている。補助剤は初期にポリ乳酸とリグノフェノー
ル誘導体間の仲立ちをして相溶性を高め、相溶化剤的な
働きをして強度を発現させる。と同時に、出来上がった
フィルム成形品の材料劣化(高分子主鎖の切断による分
子量の低下)を促す役割を果たす。この材料劣化は、生
分解性を促進させるうえでの必要条件にもなる。ポリ乳
酸とリグノフェノール誘導体を配合しただけでは、既述
のごとくベースのポリ乳酸フィルムに比べて力学的初期
性能が低下し、また力学的性能についても低下したまま
推移するという特徴のないフィルムになってしまう。し
かるに、これらに補助剤が配合されることによってリグ
ノフェノール誘導体がもっている高反応性を効果的に引
き出し、力学的初期性能を保有し、且つ太陽光,雨水の
作用による自然崩壊性を持つフィルム成形品ができる。
本発明では補助剤をリグノフェノール誘導体 100重
量部に対し5〜20重量部配合するが、この範囲とする
のは5重量部未満になると初期強度の低下をくい止める
ことが困難になり、一方、20重量部を越えると押出成
形での複合材料の製造工程で成形不良を起こすといった
問題が生じるからである。こうした不具合をより確実に
解決するため、リグノフェノール誘導体 100重量部
に対し、補助剤は7〜20重量部配合するのがより好ま
しく、10〜20重量部配合するのが特に好ましい範囲
となる。
に成形することもできる。すなわち、ポリ乳酸にポリア
ミドを10重量%以下の割合(但し0を除く)で添加し
両者の合計 100重量部に対し、フェノール誘導体が
収着されたリグノセルロース系材料に酸を添加し混合し
て前記リグノセルロース系材料をリグノフェノール誘導
体と炭水化物に分離することによって得られるリグノフ
ェノール誘導体を0.3重量部以上で5重量部未満の範
囲の量を配合し、且つこのリグノフェノール誘導体 1
00重量部に対し補助剤を5〜20重量部と、加水分解
を促す触媒を1〜3重量部配合して成形するのである。
ここで、ポリ乳酸とリグノフェノール誘導体と補助剤に
ついては前記内容と同様でありその説明を省く。
にアミド結合-NH-CO-をもつ重合体の総称で、繊維形成
能のあるものをナイロンという(『化学大辞典』,東京
化学同人)」とされるが、ポリアミドとしてはその融点
がポリ乳酸の融点に近いものが好ましい。押出成形によ
る異なる材料間の複合化では、成形条件の類似性、特に
成形温度に大きな差がないこと(目安として30℃程)が
重要とされるからである。こうしたことから本発明で使
用されるポリアミドはナイロン12やナイロン11等が
好ましい。ポリアミドの量はポリ乳酸にポリアミドを1
0重量%以下の割合(但し0を除く)で添加されるが、
10重量%以下とするのは本発明が植物由来の生分解性
ポリ乳酸をベースに植物由来のリグノフェノール誘導体
とそのフェノール活性を利用して複合化させる自然還元
型エコ素材たるフィルム成形品を目指しているからであ
る。ここで、石油由来のポリアミド(ナイロン12等)
を加えるのは別の視点で捉え、今後ポリ乳酸のような植
物由来の材料との複合化の進展が期待できるからであ
る。ポリアミドに関しては、成形温度等の成形条件が類
似していることを前提に、主鎖にアミド結合、エステル
結合、ウレタン結合、及びそれらが混在したプラスチッ
クに変更可能である。例えば、熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマー、ポリアミド系,ポリエステル系の熱可塑性
エラストマー等である。
ポリ乳酸とポリアミドの加水分解を促すための触媒をい
い、例えば無水炭酸カリウム,無水炭酸ナトリウム等で
ある。リグノフェノール誘導体 100重量部に対し、
触媒を1〜3重量部と配合を少なくするのは、この範囲
で発明の効果が十分得られると同時に、環境配慮の観点
からより少ない方が望ましいからである。
性能と自然崩壊性を調べるため、以下のような試験を行
った。 (1)成形方法と性能試験 実施例1 リグノフェノール誘導体(粉体)30g(3重量部)と乳鉢
により充分に粉砕した無水マレイン酸6gをビーカー内で
混合した後、所定の温度で充分乾燥させたポリ乳酸(ペ
レット)1kgとポリ袋中で混ぜ、一軸押出成形機内へ投
入して、成形温度190℃、スクリュー回転数40rpmの成形条件
でペレットを製造し、同じ製造を数回繰り返した。更
に、同様の成形条件で、ポリ乳酸に対するリグノフェノ
ール誘導体の配合比を1重量部に調整するための製造を
行った。この複合材料ペレットを多層膜製造装置内へ投
入し、成形温度180℃、スクリュー回転数40rpmの成形条件
で、フィルム・シート引取装置(フィルム巻取速度3〜5
m/min)を用いてフィルムを成形した。成形フィルムか
らダンベル試験片を作製した。試験片の形状はJIS-K-71
27のタイプ5とし、試験条件23℃、50%、引張速度10mm/
minで引張試験を行った。その結果、57.1N/mm2の強度が
得られた。
ジル3gに変更する以外、同様の方法でフィルム成形を実
施した。引張試験についても同様の方法で行い、その結
果58.1N/mm2の強度が得られた。
クリル酸グリシジル3.6gをビーカー内で混合した後、更
に無水炭酸カリウム1.08gをビーカー内に加えて充分に
混ぜ、これを所定の温度で充分乾燥させたポリ乳酸とナ
イロン12(重量比で9対1)のペレット2kgとポリ袋
中で混合して、一軸押出成形機内へ投入し、成形温度21
0℃、スクリュー回転数40rpmの成形条件でペレットを製造し
た。更に、成形温度を200℃に変えて、リグノフェノー
ル誘導体の配合比を0.6重量部に調整するための製造を
行った。この複合材料ペレットを用いて、成形温度を19
0℃に変えた以外は実施例1と同様の方法でフィルムを
成形した。引張試験についても同様の方法で行い、その
結果57.8N/mm2の強度が得られた。
gを一軸押出成形機内へ投入して、成形温度190℃、スクリュ
ー回転数40rpmの成形条件でペレットを製造した。このペ
レットを用いて、成形温度を190℃に変えた以外は実施
例1と同様の方法でフィルムを成形した。引張試験の結
果、57.1N/mm2の強度が得られた。
の温度で充分乾燥させたポリ乳酸(ペレット)1kgをポ
リ袋中で充分に混合し、一軸押出成形機内へ投入して、
成形温度190℃、スクリュー回転数40rpmの成形条件でペレッ
トを製造した。更に、同様の成形条件で、ポリ乳酸に対
するリグノフェノール誘導体の配合比を1重量部に調整
するための製造を行った。この複合材料ペレットを用い
て、実施例1と同様の方法でフィルムを成形した。引張
試験の結果、55.3N/mm2の強度が得られた。
の温度で充分乾燥させたポリ乳酸(ペレット)5kgをポ
リ袋中で充分に混合し、一軸押出成形機内へ投入して、
成形温度190℃、スクリュー回転数40rpmの成形条件でペレッ
トを製造した。この複合材料ペレットを用いて、実施例
1と同様の方法でフィルムを成形した。引張試験の結
果、52.3N/mm2の強度が得られた。
乳酸(ペレット)6kg、更に押出成形温度160℃以外、比
較例3と同様の方法でペレットを製造した。成形したフ
ィルムは不良であった。
り、ポリ乳酸とリグノフェノール誘導体のみから成形し
たフィルムは、ポリ乳酸のみのフィルムに比べて強度低
下を起こした。しかし、メタクリル酸グリシジル等の補
助剤を添加して成形したことで、初期強度の改善が確認
できた(図1)。
について、JIS-K-7350-2に準拠して耐候性試験を実施
し、引張強度の経時変化を調べた。その結果を図2に示
す。メタクリル酸グリシジル等の補助剤を添加して成形
したフィルムについては、358時間暴露後の値に大幅な
強度低下が認められ、太陽光,雨水の作用で自然崩壊性
を有することが裏付けられた。ポリ乳酸に比べ短期間で
生分解を促すフィルム成形品が期待できる。
態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の
範囲で種々変更した実施形態とすることができる。フィ
ルム成形品には用途等に応じて適宜着色剤等の添加剤が
添加される。実施形態ではプラスチック成形品としてプ
ラスチックフィルム成形品を例に挙げたが、他にシート
や繊維等のプラスチック成形品とすることができる。
び同じく植物由来の高分子材料であるリグノフェノール
誘導体を主体にして、力学的初期性能を低下させること
なく太陽光,雨水の作用で自然崩壊する機能をもつ環境
に配慮したプラスチック成形品ができる。ポリ乳酸とリ
グノフェノール誘導体と補助剤、或いはポリ乳酸をポリ
乳酸とポリアミド等に代えてリグノフェノール誘導体,
補助剤,触媒を加えることによって、工業的な量産が可
能で力学的初期性能を低下させることなく自然崩壊性を
有するプラスチック成形品(フィルム成形品)を成形す
ることができる。斯るプラスチック成形品は、ベースと
なる生分解性ポリ乳酸と同等の優れた力学的初期性能を
もつことから、一定の期間工業用フィルム等として使用
された後自然崩壊し、更に生分解も期待される環境に優
しい循環型の成形品となり、極めて有益となる。
の性能比較グラフである。
る引張強度の性能比較グラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリ乳酸 100重量部に対し、フェノ
ール誘導体が収着されたリグノセルロース系材料に酸を
添加し混合して前記リグノセルロース系材料をリグノフ
ェノール誘導体と炭水化物に分離することによって得ら
れるリグノフェノール誘導体を0.3重量部以上で5重
量部未満の範囲の量を配合し、且つこのリグノフェノー
ル誘導体 100重量部に対し補助剤を5〜20重量部
配合して成形されることを特徴とする自然崩壊性を有す
るプラスチック成形品。 - 【請求項2】 ポリ乳酸にポリアミドを10重量%以下
の割合(但し、0を除く。)で添加し両者の合計 10
0重量部に対し、フェノール誘導体が収着されたリグノ
セルロース系材料に酸を添加し混合して前記リグノセル
ロース系材料をリグノフェノール誘導体と炭水化物に分
離することによって得られるリグノフェノール誘導体を
0.3重量部以上で5重量部未満の範囲の量を配合し、
且つこのリグノフェノール誘導体 100重量部に対し
補助剤を5〜20重量部と、触媒を1〜3重量部配合し
て成形されることを特徴とする自然崩壊性を有するプラ
スチック成形品。 - 【請求項3】 前記ポリアミドに代って、主鎖にアミド
結合、エステル結合、ウレタン結合からなる群の少なく
とも1つの結合を有する熱可塑性エラストマーを用いる
請求項2に記載のプラスチック成形品。
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