JP2003267605A - シートの製造装置および方法 - Google Patents

シートの製造装置および方法

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JP2003267605A
JP2003267605A JP2002074351A JP2002074351A JP2003267605A JP 2003267605 A JP2003267605 A JP 2003267605A JP 2002074351 A JP2002074351 A JP 2002074351A JP 2002074351 A JP2002074351 A JP 2002074351A JP 2003267605 A JP2003267605 A JP 2003267605A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スコーチ時間などの物性変動の少ないシート
を長い時間に亘って安定して製造することができるシー
トの製造装置およびこれを用いるシートの製造方法を提
供すること。 【解決手段】 供給部10から供給される成形用材料
(4)を圧延し、分出し前シート(50)を得るための
一対の圧延ロール6,8と、得られた分出し前シート
(50)の少なくとも両端を残りの分出しシート(6
0)から切離部分(502,504,506)として切
り離すために、前記一対の圧延ロール6,8のいずれか
一方の圧延ロール6上に延展しながら、当該圧延ロール
6とともに前記供給部10に向けて移動する分出し前シ
ート(50)に切り込みを入れる切断手段12と、切断
手段により切り落とされた切離部分(502,504,
506)を供給部10の中央側に戻すように仕向ける戻
し位置調整手段14とを、有するシートの製造装置およ
びこれを用いるシートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未加硫ゴムコンパ
ウンドなどのゴム材料などで構成されるシートの製造装
置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、未加硫ゴムコンパウンドなど
のゴム材料を、所定の厚みと幅のリボン状に圧延(分出
し)する方法は知られている。この方法は、たとえば次
に示すような工程を経る。まず、押出機にて混練・均質
化され、平板状に成形されたゴム材料を、供給台から一
対の圧延ロールの間に供給し、所定の厚みの分出し前シ
ートを得る。次に、この分出し前シートを、前記一対の
圧延ロールのいずれか一方の圧延ロール上に延展させな
がら当該圧延ロールとともに前記供給部に向けて移動さ
せる。この移動途中に分出し前シートに対して切り込み
が入れられる。この切り込みは、分出し前シートのたと
えば両端を切り落とし(トリミング)、残りの部分を所
定の幅のリボン状に取り出すためのものである。そし
て、切り込みの内側部分は分出しシートとして圧延ロー
ルから引き離されて取り出され、後工程の冷却・乾燥へ
と送られる。その一方、切り込みの外側部分(シートの
両端)は、圧延ロール上に延展しながら当該圧延ロール
とともに前記供給部に向けて戻される。戻された圧延後
のゴム材料は、一対の圧延ロールの間に供給されようと
している圧延前のゴム材料に混合され、次の圧延工程に
使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の方法では、切り込みの外側部分である圧延後の
ゴム材料は圧延ロールの両端付近に接触して延展するか
ら、このままの配置で供給部に向けて移動させると、圧
延前のゴム材料の端部分からはみ出して戻されることが
ある。圧延前のゴム材料からはみ出して戻されると、圧
延前のゴム材料と混合されずに長い時間に亘って供給部
で滞留し、その一部の加硫が進みやすくなる。一部加硫
した圧延後のゴム材料が圧延前のゴム材料と混合されて
次の圧延工程に供されると、得られるシートのスコーチ
(早期加硫)時間に変動を来し、製品不良を生じること
もある。また、ゴム部品に成型される際の成型不良を発
生させるおそれもある。
【0004】また、圧延後のゴム材料には既に熱履歴が
かかっているので、このような圧延後のゴム材料が圧延
前のゴム材料の端部分に混合されると、全体として熱履
歴がかかっている部分が偏在することになって加硫が進
み易い。その結果、得られるシートのスコーチ時間に変
動を来すおそれもある。
【0005】本発明の目的は、スコーチ時間などの特性
変動の少ないシートを長い時間に亘って安定して製造す
ることができるシートの製造装置および方法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】(1)上記目
的を達成するために、本発明に係るシートの製造方法
は、成形用材料を供給部から一対の圧延ロールの間に供
給し、圧延して分出し前シートを得る工程と、得られた
分出し前シートを、前記一対の圧延ロールのいずれか一
方の圧延ロール上に延展させながら当該圧延ロールとと
もに供給部に向けて移動させる工程と、移動している分
出し前シートに、当該分出し前シートの移動方向に沿っ
て連続的に切り込みを入れ、当該分出し前シートの少な
くとも両端を残りの分出しシートから切離部分として切
り離す工程と、分出しシートから切り離された切離部分
を供給部の中央側に戻す工程とを、有する。
【0007】この発明によると、分出しシートから切り
離された圧延後の切離部分は、供給部の中央側に戻され
る。このため、供給部に戻される圧延後の切離部分が圧
延前の成形用材料からはみ出すことはなく、圧延前の成
形用材料と混合されずに長い時間に亘って供給部で滞留
することはない。また、圧延後の切離部分には熱履歴が
かかっているが、この圧延後の切離部分は、上述のよう
に供給部の中央側に戻されるゆえに、圧延前の成形用材
料の中央側に混合される。このため、圧延後の切離部分
を圧延前の成形用材料に混合して得られた混合後の成形
用材料の内部で、熱履歴がかかっている部分が偏在する
おそれは少ない。したがって、混合後の成形用材料を次
の圧延工程に供しても、得られるシートのスコーチ(早
期加硫)時間などの物性変動を来すおそれは少なく、製
品不良が効果的に防止され、長い時間に亘って安定して
シートを製造することができる。
【0008】(2)本発明に係るシートの製造方法で
は、前記切り離された切離部分を供給部の中央側に戻す
工程が、前記切り離された切離部分を圧延ロールから引
き離す工程と、圧延ロールから引き離された切離部分
を、前記一対の圧延ロールと離間して配置された戻し位
置調整ロールの両端部付近に接触させる工程と、戻し位
置調整ロールの両端部付近に接触した切離部分を、当該
戻し位置調整ロールの中央部付近に移動させる工程と、
戻し位置調整ロールの中央部付近に移動した切離部分
を、再び圧延ロール上に引き戻し、前記供給部の中央側
に戻す工程とを、含むことが好ましい。
【0009】前記切り離された切離部分を供給部の中央
側に戻す工程を、このように細分化して行うことによ
り、圧延後の切離部分を圧延前の成形用材料からはみ出
させることなく、圧延前の成形用材料と確実に混合させ
ることができる。
【0010】(3)本発明に係るシートの製造方法で
は、圧延ロールから引き離された切離部分を反転させた
後、前記戻し位置調整ロールの両端部付近に接触させる
ことが好ましい。
【0011】圧延後の切離部分は、切り込み端面側より
も反切り込み端面側の方が、より熱履歴がかかっている
ことが多い。したがって、圧延ロールから引き離された
切離部分を反転させた後、戻し位置調整ロールの両端部
付近に接触させると、圧延ロールから引き離されたとき
の切り込み端面側は戻し位置調整ロールの両端部付近外
側に接触し、圧延ロールから引き離されたときの反切り
込み端面側は戻し位置調整ロールの両端部付近内側に接
触する。そして、戻し位置調整ロールの中央部付近に移
動し、再び圧延ロール上の中央部付近に引き戻されて、
前記供給部の中央側に戻される。すなわち、この方法に
よると、圧延後の切離部分を圧延前の成形用材料と確実
に混合させることができる他に、その混合がより均一と
成り、熱履歴がかかっている部分の偏在がより一層確実
に防止される。
【0012】(4)上述した本発明に係るシートの製造
方法を実現するためには、たとえば以下に示すシートの
製造装置を用いることが好ましい。
【0013】本発明に係るシートの製造装置は、供給部
から供給される成形用材料を圧延し、分出し前シートを
得るための一対の圧延ロールと、前記供給部に向けて移
動する分出し前シートに切り込みを入れる切断手段と、
分出しシートから切り離された切離部分を供給部の中央
側に戻すように仕向ける戻し位置調整手段とを、有す
る。
【0014】本発明では、一対の圧延ロールにより得ら
れる分出し前シートを、前記一対の圧延ロールのいずれ
か一方の圧延ロール上に延展しながら当該圧延ロールと
ともに前記供給部に向けて移動させてもよく、あるいは
いずれの圧延ロール上にも延展させず、その他のロール
に接触させつつ前記供給部に向けて移動させてもよい。
【0015】より好ましくは、本発明に係るシートの製
造装置は、供給部から供給される成形用材料を圧延し、
分出し前シートを得るための一対の圧延ロールと、得ら
れた分出し前シートの少なくとも両端を残りの分出しシ
ートから切離部分として切り離すために、前記一対の圧
延ロールのいずれか一方の圧延ロール上に延展しながら
当該圧延ロールとともに前記供給部に向けて移動する分
出し前シートに切り込みを入れる切断手段と、分出しシ
ートから切り離された切離部分を供給部の中央側に戻す
ように仕向ける戻し位置調整手段とを、有する。
【0016】(5)本発明に係るシートの製造装置で
は、前記戻し位置調整手段は、前記一対の圧延ロールと
離間して配置された戻し位置調整ロールを含み、該戻し
位置調整ロールは、中央部のロール径を両端部のロール
径より大きくし、両端部から中央部付近にかけて緩やか
にロール径を拡大させたクラウン形状を持つことが好ま
しい。
【0017】戻し位置調整手段としての戻し位置調整ロ
ールを前記一対の圧延ロールと離間させて配置すること
により、圧延ロールから引き離された切離部分を、戻し
位置調整ロールの両端部付近に接触させ、再び当該圧延
ロール上に引き戻すことができる。ここで戻し位置調整
ロールは、中央部のロール径を両端部のロール径より大
きくし、両端部から中央部付近にかけて緩やかにロール
径を拡大させたクラウン形状を持つ。このような特殊形
状のロールを回転させた場合の周速は、その両端部より
中央部の方が速い。このため、当初、戻し位置調整ロー
ルの両端部付近に接触した切離部分(特に分出し前シー
トの両端)は、該戻し位置調整ロールの回転とともに周
速の遅い両端部から周速の速い中央部に向けて駆け上が
るように移動する。その後、戻し位置調整ロールの中央
部付近に移動した切離部分は、再び圧延ロール上の中央
部に引き戻され、供給部に向けて戻される。
【0018】すなわち、このような特殊形状のロールを
戻し位置調整手段として用いることにより、圧延後の切
離部分を供給部の中央側に向けて戻すことが実現可能と
なる。
【0019】(6)本発明に係るシートの製造装置で
は、前記切断手段は、圧延ロールの軸方向に沿って並ぶ
少なくとも2つの切り出しナイフを含むことが好まし
い。
【0020】切断手段としての切り出しナイフを圧延ロ
ールの軸方向に沿って少なくとも2つ配置することによ
り、圧延ロール上に延展しながら移動する分出し前シー
トに、その移動方向に沿って連続的に切り込みを入れる
ことが可能となる。
【0021】(7)本発明に係る製造装置および方法に
適用可能な成形用材料としては、特に限定されないが、
未加硫ゴム材料などを挙げることができる。未加硫ゴム
材料は、原料ゴムと配合剤により構成される。原料ゴム
としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン
ゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニ
トリルブタジエンゴム(NBR、NIR、NBIR、N
BXR、HNBR)などのジエン系ゴム;ブチルゴム
(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPD
M)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、ク
ロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエ
チレン(CM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エ
ピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、フッ素ゴム
(FFKM、FKM)、多硫化ゴム(OT、EOT)な
どの非ジエン系ゴム;が挙げられる。これらの原料ゴム
は、単独で用いることもできるし、2種類以上を組み合
わせて用いることもできる。また、熱可塑性樹脂、ポリ
塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PUR)などを
組み合わせてもよい。
【0022】配合剤としては、加硫剤、加硫促進剤、加
硫促進助剤、加硫遅延剤(または焼け防止剤)、老化防
止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、補強剤、充填
剤、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、滑剤、しゃく解剤、
着色剤、発泡剤(膨張剤)、硬化剤、分散剤、加工助
剤、溶剤などが挙げられる。これらの配合剤は、目的に
応じ、適宜選択して用いることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1は本発明に係るシートの製
造装置の一実施形態を示す概略図、図2は図1をII方向
から見たときの概略図、図3は図2の戻し位置調整ロー
ルの拡大図、図4は本発明に係るシートの製造方法の一
実施形態を示す概略図、図5は図4をV方向から見たと
きの概略図、図6(A)および図6(B)は本発明に係
るシートの製造方法の一実施形態を示す一工程の部分拡
大図、図7は本発明に係るシートの製造方法の一実施形
態を示す一工程の部分拡大図である。
【0024】図1および図2に示すように、本発明の一
実施形態に係る装置2は、図4に示す成形用材料として
の未加硫ゴム材料4を、所定の厚みと幅のリボン状に圧
延(分出し)し、各種成形機(圧縮成形機、トランスフ
ァ成形機、射出成形機または押出成形機など)に投入し
易い形状に成形するための装置である。この装置2は、
一対の圧延ロールとしての第1ロール6および第2ロー
ル8を有し、これら第1ロール6および第2ロール8の
間には所定の空隙9が形成されている。第1ロール6お
よび第2ロール8は、金属などで構成される。
【0025】第1ロール6の下部表面付近には、その先
端がX方向に向いた切断手段としての切り出しナイフ1
2がY方向に所定間隔で4つ配置してある。切り出しナ
イフ12の材質は、第1ロール6を構成する材質よりも
軟質で、ロール表面に接しても傷つけないものが好まし
い。
【0026】本実施形態では、戻し位置調整手段として
の戻し位置調整ロール14が、Y方向と平行に、かつ一
対の圧延ロール6,8と離間した位置に配置してある。
【0027】図3に示すように、本実施形態では、戻し
位置調整ロール14として、中央部142のロール径R
1を両端部144のロール径R2より大きくし、両端部
144から中央部142にかけて緩やかにロール径を拡
大させたクラウン形状のロールを用いる。ロール径R1
は、たとえば45〜240mm程度であり、ロール径R
2は、たとえば30〜70mm程度である。戻し位置調
整ロール14の軸長Lは、たとえば300〜1000m
m程度である。戻し位置調整ロール14は、たとえばス
テンレス、鉄、ナイロンなどで構成される。
【0028】なお、図1、図2および図4に示すよう
に、分出し前シート50の第1〜3切離部分502,5
04,506が切り離された後に残された所定幅の分出
しシート60を取り出し側へ導くタッチロール16と、
戻し位置調整ロール14の中央部142に移動した第1
〜2切離部分502,504を上方から第1ロール6に
押さえつける押さえロール18とが配置してある。
【0029】次に、本発明の一実施形態に係る製造方法
について説明する。図4および図5に示すように、ま
ず、未加硫ゴム材料4を、供給台10から、5〜30r
pm程度で回転している第1ロール6と第2ロール8の
間に形成された空隙9(図1参照)に供給し、圧延して
所定厚み(たとえば3〜25mm程度)の分出し前シー
ト50を得る。このとき、第1ロール6のロール温度は
15〜80℃程度に調整され、第2ロール8のロール温
度は15〜80℃程度に調整される。未加硫ゴム材料4
としては、原料ゴムに配合剤を配合したゴム配合物を、
ロールミル、バンバリーミキサー、インターミックス、
加圧型ニーダー、スクリューミキサーなどの密閉型混練
機、各種押出機などで混練りした未加硫ゴム材料を用い
ることができる。このような未加硫ゴム材料4のムーニ
ー粘度(ML1+ 100℃)は、30〜80の範囲
が好ましい。
【0030】得られた分出し前シート50は、第1ロー
ル6上に延展しながら当該第1ロール6とともに前記供
給台10に向けて戻るように移動する。この移動途中の
分出し前シート50に切り出しナイフ12の先端を圧接
して連続的に切り込みを入れ、分出し前シート50の両
端部を第1切離部分502および第2切離部分504と
し、分出し前シートの中央部を第3切離部分506とし
て、残りの分出しシート60から切り離す。
【0031】次に、分出しシート60をタッチロール1
6の上側に接触させて取り出し側へ連続的に移動させる
とともに、第1〜2切離部分502,504を第1ロー
ル6から引き離し、第1ロール6と離間して配置された
戻し位置調整ロール14の両端部144付近に接触させ
る。
【0032】本実施形態では、図3に示すように、戻し
位置調整ロール14として、中央部142のロール径R
1を両端部144のロール径R2より大きくし、両端部
144から中央部142にかけて緩やかにロール径を拡
大させたクラウン形状のロールを用いている。このよう
な特殊形状のロール14を回転させた場合の周速は、両
端部144より中央部142の方が速い。このため、図
6(A)に示すように、当初、戻し位置調整ロール14
の両端部144付近に接触した第1〜2切離部分50
2,504は、該戻し位置調整ロール14の回転ととも
に周速の遅い両端部144から周速の速い中央部142
に向けて駆け上がるように移動する(図6(B)参
照)。その後、ロール14の中央部142付近に移動し
た第1〜2切離部分502,504を、再び第1ロール
6上に引き戻し、第1ロール6とともに供給台10の中
央側に戻す。第3切離部分506については、第1ロー
ル6から引き離すことなく、第1ロール6の中央部付近
に延展させ、当該第1ロール6とともに供給台10の中
央側に向けて移動させる。なお、第3切離部分506に
ついては、第1ロール6から引き離して、供給台10の
中央側に向けて移動させてもよい。すなわち、第1〜3
切離部分502,504,506のいずれも供給台10
の中央側に戻されるゆえに、圧延前の未加硫ゴム材料4
の中央側に混合されて、次の圧延工程に供される。
【0033】本実施形態によれば、第1〜2切離部分5
02,504は、特殊形状の戻し位置調整ロール14を
介して、供給台10の中央側に戻されるから、供給部に
戻される第1〜2切離部分502,504が圧延前の未
加硫ゴム材料4からはみ出すことはなく、圧延前の未加
硫ゴム材料4と混合されずに長い時間に亘って供給台1
0で滞留することはない。また、第1〜2切離部分50
2,504には熱履歴がかかっているが、この第1〜2
切離部分502,504は、供給台10の中央側に戻さ
れるゆえに、圧延前の未加硫ゴム材料4の中央側に混合
される。このため、第1〜2切離部分502,504を
圧延前の未加硫ゴム材料4に混合して得られた混合後の
未加硫ゴム材料の内部で、熱履歴がかかっている部分が
偏在するおそれは少ない。したがって、混合後の未加硫
ゴム材料を次の圧延工程に供しても、得られる分出しシ
ート60のスコーチ(早期加硫)時間の変動を来すおそ
れは少なく、製品不良が効果的に防止され、長い時間に
亘って安定して分出しシート60を製造することができ
る。
【0034】以上、本発明の実施形態について説明して
きたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0035】たとえば、図7に示すように、第1ロール
6から引き離された第1〜2切離部分502a,504
aを反転させた後、前記戻し位置調整ロール14の両端
部144付近に接触させることも好ましい。第1〜2切
離部分502a,504aは、切り込み端面側よりも反
切り込み端面側の方が、より熱履歴がかかっていること
が多い。したがって、第1ロール6から引き離された第
1〜2切離部分502a,504aを反転させた後、戻
し位置調整ロール14の両端部144付近に接触させる
と、第1ロール6から引き離されたときの切り込み端面
側は戻し位置調整ロール14の両端部144付近外側に
接触し、第1ロール6から引き離されたときの反切り込
み端面側は戻し位置調整ロール14の両端部144付近
内側に接触する。そして、戻し位置調整ロール144の
中央部142付近に移動し、再び第1ロール6上の中央
部付近に引き戻されて、供給台10の中央側に戻され
る。すなわち、この方法によると、第1〜2切離部分5
02a,504aを圧延前の未加硫ゴム材料4(図4参
照)と確実に混合させることができる他に、その混合が
より均一と成り、熱履歴がかかっている部分の偏在がよ
り一層確実に防止される。
【0036】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。なお、実施例中の部および%は特記しない限り
重量基準である。
【0037】実施例1 まず、アクリロニトリル(AN)含有量が31〜35%
の中高NBR(原料ゴム)100部に、硫黄(加硫剤)
0.5部と、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾー
ルスルフェンアミド(第1加硫促進剤)1.5部および
テトラメチルチウラムジスルフィド(第2加硫促進剤)
1.5部と、カーボンブラック(補強剤)60部および
亜鉛華(加硫促進助剤)5部と、フタル酸ビス(2−エ
チルヘキシル)(可塑剤)5部と、ステアリン酸(分散
剤)1部とを添加した原材料を混練した未加硫ゴム材料
4を得た。この未加硫ゴム材料4のムーニー粘度を測定
したところ、(ML1+4 100℃)=78.6であ
った。
【0038】次に、得られた未加硫ゴム材料4を、図1
に示す装置2の供給台10から、第1ロール6(ロール
温度35℃、回転数16rpm)と第2ロール8(ロー
ル温度35℃、回転数16rpm)との間の空隙9に供
給し、圧延して厚み8mmおよび幅350mmの分出し
前シート50を得た。
【0039】次に、得られた分出し前シート50を、第
1ロール6上に延展させながら当該第1ロール6ととも
に前記供給台10に向けて移動させた。この移動途中の
分出し前シートに切り出しナイフ12の先端を圧接して
連続的に切り込みを入れ、分出し前シート50の両端部
を第1切離部分502および第2切離部分504とし、
分出し前シートの中央部を第3切離部分506として、
残りの分出しシート60から切り離した。
【0040】次に、分出しシート60をタッチロール1
6の上側に接触させて取り出し側へ連続的に移動させる
とともに、第1〜2切離部分502,504を第1ロー
ル6から引き離し、第1ロール6と離間して配置された
戻し位置調整ロール14の両端部144付近に接触させ
た。
【0041】本実施例では、戻し位置調整ロール14と
して、中央部142のロール径R1を70mmとし、両
端部144のロール径R2を30mmとし、両端部14
4から中央部にかけて緩やかにロール径が拡大したクラ
ウン形状を持つ軸長L600mmのロールを用いた。こ
のため、図6(A)に示すように、当初、戻し位置調整
ロール14の両端部144付近に接触した第1〜2切離
部分502,504は、該戻し位置調整ロール14の回
転とともに周速の遅い両端部144から周速の速い中央
部142に向けて駆け上がるように移動した(図6
(B)参照)。その後、ロール14の中央部142付近
に移動した第1〜2切離部分502,504を、再び第
1ロール6上に引き戻し、第1ロール6とともに供給台
10の中央側に戻した。第3切離部分506について
は、第1ロール6から引き離すことなく、第1ロール6
の中央部付近に延展させ、当該第1ロール6とともに供
給台10の中央側に向けて移動させた。すなわち、第1
〜3切離部分502,504,506のいずれも供給台
10の中央側に戻し、圧延前の未加硫ゴム材料4の中央
側に混合して、次の圧延工程に供した。
【0042】以上のような工程を30分間連続して行っ
た後の分出しシート60の一部を取り出し、ムーニー・
スコーチ試験に供した。ムーニー・スコーチ試験は、J
IS−K6300に準拠して行った。具体的には、ムー
ニー粘度計(APM−1、東洋精機社製)を用い、加硫
前のゴム配合物(分出しシート60)を125℃におい
て最低ムーニー値から5ポイント上昇するまでの時間
(ムーニー・スコーチ時間t5。単位は分)を測定する
ことにより行った。その結果、ムーニー・スコーチ時間
t5は、スタート直後は18分、30分経過後も16分
と、熱履歴によるスコーチ時間の変化幅は2分と小さか
った。
【0043】また、分出しシート60の一部をさらに取
り出し、これをプレスで30kg/cmの圧力下、
160℃で15分間架橋し、架橋ゴムを作製し、硬さ試
験に供した。硬さ試験はJIS−K6253に準拠して
行った。その結果、硬さは64であった。
【0044】実施例2 加硫剤を1.5部、第1加硫促進剤を1.5部、第2加
硫促進剤を0.2部とした以外は、実施例1と同様に工
程を30分間連続して行った。そして、その後の分出し
シート60の一部を取り出し、ムーニー・スコーチ試験
を行った。その結果、ムーニー・スコーチ時間t5は、
スタート直後は16分、30分経過後も15分と、熱履
歴によるスコーチ時間の変化幅は1分と小さかった。ま
た、分出しシート60の一部をさらに取り出し、架橋ゴ
ムを作製して硬さ試験を行った。その結果、硬さは65
であった。
【0045】比較例1 戻し位置調整ロール14を用いなかった以外は、実施例
1と同様に工程を30分間連続して行った。そして、そ
の後の分出しシートの一部を取り出し、ムーニー・スコ
ーチ試験を行った。その結果、ムーニー・スコーチ時間
t5は、スタート直後は18分、30分経過後は10分
と、熱履歴によるスコーチ時間が大幅に変化し、実施例
1と比較してスコーチ特性が悪化した。
【0046】比較例2 戻し位置調整ロール14を用いなかった以外は、実施例
2と同様に工程を30分間連続して行った。そして、そ
の後の分出しシートの一部を取り出し、ムーニー・スコ
ーチ試験を行った。その結果、ムーニー・スコーチ時間
t5は、スタート直後は16分、30分経過後は9分
と、熱履歴によるスコーチ時間が大幅に変化し、実施例
2と比較してスコーチ特性が悪化した。
【0047】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、スコーチ時間などの特性変動の少ないシートを長い
時間に亘って安定して製造することができるシートの製
造装置および方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係るシートの製造装置の一実
施形態を示す概略図である。
【図2】 図2は図1をII方向から見たときの概略図で
ある。
【図3】 図3は図2の戻し位置調整ロールの拡大図で
ある。
【図4】 図4は本発明に係るシートの製造方法の一実
施形態を示す概略図である。
【図5】 図5は図4をV方向から見たときの概略図で
ある。
【図6】 図6(A)および図6(B)は本発明に係る
シートの製造方法の一実施形態を示す一工程の部分拡大
図である。
【図7】 図7は本発明に係るシートの製造方法の一実
施形態を示す一工程の部分拡大図である。
【符号の説明】
2… 装置(シートの製造装置) 4… 未加硫ゴム材料(成形用材料) 6… 第1ロール(圧延ロール) 8… 第2ロール(圧延ロール) 9… 空隙 10… 供給台(供給部) 12… 切り出しナイフ(切断手段) 14… 戻し位置調整ロール(戻し位置調整手段) 142… 中央部 144… 両端部 50… 分出し前シート 502… 第1切離部分(右端) 504… 第2切離部分(左端) 506… 第3切離部分(中央) 60… 分出しシート

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給部から供給される成形用材料を圧延
    し、分出し前シートを得るための一対の圧延ロールと、 前記供給部に向けて移動する分出し前シートに切り込み
    を入れる切断手段と、 分出しシートから切り離された切離部分を供給部の中央
    側に戻すように仕向ける戻し位置調整手段とを、有する
    シートの製造装置。
  2. 【請求項2】 供給部から供給される成形用材料を圧延
    し、分出し前シートを得るための一対の圧延ロールと、 得られた分出し前シートの少なくとも両端を、残りの分
    出しシートから切離部分として切り離すために、前記一
    対の圧延ロールのいずれか一方の圧延ロール上に延展し
    ながら当該圧延ロールとともに前記供給部に向けて移動
    する分出し前シートに切り込みを入れる切断手段と、 分出しシートから切り離された切離部分を供給部の中央
    側に戻すように仕向ける戻し位置調整手段とを、有する
    シートの製造装置。
  3. 【請求項3】 前記戻し位置調整手段は、前記一対の圧
    延ロールと離間して配置された戻し位置調整ロールを含
    み、該戻し位置調整ロールは、中央部のロール径を両端
    部のロール径より大きくし、両端部から中央部付近にか
    けて緩やかにロール径を拡大させたクラウン形状を持つ
    請求項1または2に記載のシートの製造装置。
  4. 【請求項4】 前記切断手段は、圧延ロールの軸方向に
    沿って並ぶ少なくとも2つの切り出しナイフを含む請求
    項1から3までのいずれかに記載のシートの製造装置。
  5. 【請求項5】 成形用材料を供給部から一対の圧延ロー
    ルの間に供給し、圧延して分出し前シートを得る工程
    と、 得られた分出し前シートを、前記一対の圧延ロールのい
    ずれか一方の圧延ロール上に延展させながら当該圧延ロ
    ールとともに供給部に向けて移動させる工程と、 移動している分出し前シートに、当該分出し前シートの
    移動方向に沿って連続的に切り込みを入れ、当該分出し
    前シートの少なくとも両端を残りの分出しシートから切
    離部分として切り離す工程と、 分出しシートから切り離された切離部分を供給部の中央
    側に戻す工程とを、有するシートの製造方法。
  6. 【請求項6】前記切り離された切離部分を供給部の中央
    側に戻す工程が、 前記切り離された切離部分を圧延ロールから引き離す工
    程と、 圧延ロールから引き離された切離部分を、前記一対の圧
    延ロールと離間して配置された戻し位置調整ロールの両
    端部付近に接触させる工程と、 戻し位置調整ロールの両端部付近に接触した切離部分
    を、当該戻し位置調整ロールの中央部付近に移動させる
    工程と、 戻し位置調整ロールの中央部付近に移動した切離部分
    を、再び圧延ロール上に引き戻し、前記供給部の中央側
    に戻す工程とを、含む請求項5に記載のシートの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 圧延ロールから引き離された切離部分を
    反転させた後、前記戻し位置調整ロールの両端部付近に
    接触させる請求項6に記載のシートの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記成形用材料が未加硫ゴム材料である
    請求項1から4までのいずれかに記載のシートの製造装
    置。
  9. 【請求項9】 前記成形用材料が未加硫ゴム材料である
    請求項5から7までのいずれかに記載のシートの製造方
    法。
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