JP2003267432A - 食品包装用ストレッチフィルム - Google Patents
食品包装用ストレッチフィルムInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】成形性、透明性、トレイ自動包装機適性等の食
品包装用ストレッチフィルムとして必要な特性に優れた
フィルムを提供する。 【解決手段】芯層(A)および両表面層(B)を有する
積層フィルムであって、該芯層(A)が(1)結晶性ブ
テン−1系重合体10〜40重量%、(2)密度が0.
93g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共重合
体15〜70重量%、(3)石油樹脂、テルペン系樹
脂、クマロン−インデン系樹脂、ロジン系樹脂、アルキ
ル−フェノール樹脂およびこれらの水素添加誘導体から
成る群より選ばれる1種類以上の樹脂10〜40重量
%、(4)結晶融解温度が160℃以上である結晶性プ
ロピレン系重合体10〜40重量%を含み、該両表面層
(B)がエチレン系重合体を含むことを特徴とする食品
包装用ストレッチフィルム。
品包装用ストレッチフィルムとして必要な特性に優れた
フィルムを提供する。 【解決手段】芯層(A)および両表面層(B)を有する
積層フィルムであって、該芯層(A)が(1)結晶性ブ
テン−1系重合体10〜40重量%、(2)密度が0.
93g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共重合
体15〜70重量%、(3)石油樹脂、テルペン系樹
脂、クマロン−インデン系樹脂、ロジン系樹脂、アルキ
ル−フェノール樹脂およびこれらの水素添加誘導体から
成る群より選ばれる1種類以上の樹脂10〜40重量
%、(4)結晶融解温度が160℃以上である結晶性プ
ロピレン系重合体10〜40重量%を含み、該両表面層
(B)がエチレン系重合体を含むことを特徴とする食品
包装用ストレッチフィルム。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品のトレイ包装
用ストレッチフィルムとして好適に使用されるラップフ
ィルムに関するものである。より詳細には、トレイ自動
包装機適性に優れ、外観の良い包装仕上がりが得られる
フィルムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、食品のトレイ包装用ストレッチフ
ィルムとしては、ポリ塩化ビニル(以下PVCと表記)
に適量の可塑剤を配合して軟質化したものが好適に使用
されてきた。しかしながら、PVCフィルムは含有する
可塑剤が脂肪性食品等へ移行しやすいことや、廃棄後の
焼却時に塩化水素ガスを発生するといった環境面の問題
を抱えており、近年、PVCを代替する素材としてポリ
オレフィン系ストレッチフィルムの需要が高まってい
る。ポリオレフィン系ストレッチフィルムはPVCフィ
ルム並みの性能を付与するべく多層構成に設計している
ものが多く、例えば、特開平6−270248号公報に
は、表面層が特定のエチレン系共重合体あるいはこれら
を含む組成物からなり、中心層が結晶性ポリプロピレ
ン、結晶性ポリブテン−1、表面層より選ばれた組成物
を特定の割合で混合した3層構造からなる積層フィルム
が提案されている。この積層フィルムは、透明性、光沢
等の光学特性に優れ、フィルム横方向の切れ性を有する
ため自動包装機でのフィルムカット性は良好だが、自己
粘着性や自動包装機においてトレイ包装した際の表面の
仕上り、底面の仕上りを未だ満足するものではないため
包装仕上がりが完全ではなかった。さらに、特開200
0−15760号公報には、両表面層がエチレン系重合
体、中間層がプロピレン系重合体、エチレン系共重合
体、石油樹脂類を含有する包装用ストレッチフィルムが
提案されている。この包装用ストレッチフィルムは柔軟
性、耐衝撃性、自己粘着性に優れるが、自動包装機での
フィルムカット性や自動包装機においてトレイ包装した
際の表面の仕上り、底面の仕上りを未だ満足するもので
はなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、光学
特性および柔軟性、耐衝撃性、自己粘着性、耐熱性に優
れ、しかも自動包装機におけるトレイ包装仕上りに優れ
たストレッチフィルムを提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、結晶性ブ
テン−1系重合体のフィルム横方向の切れ性、密度が
0.93g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共
重合体の柔軟性、石油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン
−インデン系樹脂、ロジン系樹脂およびこれらの水素添
加誘導体から成る群より選ばれる1種類以上の樹脂の復
元速度遅延性、自己粘着性、結晶融解温度が160℃以
上である結晶性プロピレンの耐熱性に着目し、これらを
特定の割合で混合し、これに光学特性を付与するために
両表面にエチレン系共重合体を積層したフィルムをスト
レッチフィルムとして使用すると、光学特性および柔軟
性、耐衝撃性、自己粘着性のほか、自動包装機における
フィルムカット性、トレイ包装した際の表面の仕上り、
底面の仕上りに優れることを見出し、本発明に到達し
た。 【0005】すなわち本発明の食品包装用ストレッチフ
ィルムは、芯層(A)および両表面層(B)を有する積
層フィルムであって、該芯層(A)が(1)結晶性ブテ
ン−1系重合体10〜40重量%、(2)密度が0.9
3g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共重合体
15〜70重量%、(3)石油樹脂、テルペン系樹脂、
クマロン−インデン系樹脂、ロジン系樹脂、アルキル−
フェノール樹脂およびこれらの水素添加誘導体から成る
群より選ばれる1種類以上の樹脂10〜40重量%、お
よび(4)結晶融解温度が160℃以上である結晶性プ
ロピレン10〜40重量%を含み、該両表面層(B)が
エチレン系重合体を含むことを特徴とする食品包装用ス
トレッチフィルムであることを特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明において芯層(A)に使用
される(1)結晶性ブテン−1系重合体は、結晶配向の
特異性からフィルム横方向の切れ性を有し、自動包装機
でのフィルムカット性に優れるため重要な役割を果た
す。結晶性ポリブテン−1系重合体は、単独重合体ある
いはエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体を
1種単独でも、また2種以上組合せて使用してもよい。 【0007】結晶性ポリブテン−1系重合体は、メルト
フローレート(JIS・K− 7210に従って、19
0℃、2.16kg荷重で測定)およびヤング率(AS
TM・D−638に従って測定)が以下の数値であるも
のが好適である。すなわち、メルトフローレートは好ま
しくは0.1〜2.0g/10分、より好ましくは1.
0〜1.8g/10分である。メルトフローレートが下
限未満であると他の成分との混合ムラを生じやすく、上
限を超えるとフィルム横方向の切れ性が著しく低下す
る。また、ヤング率は好ましくは1000〜5000k
g/cm2、より好ましくは1500〜4500kg/
cm2である。ヤング率が下限未満であるとフィルムの
腰が弱くなり自動包装機でのフィルムカット性が低下
し、上限を超えるとフィルムのストレッチ性が劣り包装
にシワが入りやすい。 【0008】結晶性ポリブテン−1系重合体の配合量
は、芯層配合物中に10〜40重量%、好ましくは15
〜35重量%である。下限未満では自動包装機でのフィ
ルムカット性が不十分であり、作業性に問題が生じる。
また上限を超えると不均一な伸びが顕著となり、ストレ
ッチ後の厚み精度の低下、白化等を生じ、包装仕上りが
不十分である。 【0009】芯層(A)に使用される(2)エチレン−
α−オレフィン共重合体は、密度が0.93g/cm3
以下のものであり、フィルムの柔軟性、ストレッチ性、
耐衝撃性、耐寒性を付与するために重要な役割を果た
す。密度が0.93g/cm3を超えるとフィルムの柔
軟性が不足し、パック仕上がりに問題が生じる。α−オ
レフィンは、好ましくは炭素数が4〜8であり、例えば
ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−
1、オクテン−1が挙げられる。エチレン−α‐オレフ
ィン共重合体におけるα‐オレフィンの含有量は、好ま
しくは3〜30重量%、特に好ましくは5〜25重量%
である。エチレン−α−オレフィン共重合体は1種単独
でも、また2種以上組合せて使用してもよい。 【0010】また、このエチレン−α−オレフィン共重
合体は、好ましくは、メルトフローレート(JIS・K
− 7210に従って、190℃、2.16kg荷重で
測定)が0.1〜10.0g/10分、より好ましくは
0.5〜5.0g/10分である。メルトフローレート
が下限未満であると成形機への負荷が大きくなりすぎ、
上限を超えるとフィルム強度が著しく低下する。 【0011】エチレン−α−オレフィン共重合体の配合
量は、芯層配合物中に15〜70重量%、好ましくは2
0〜60重量%である。下限未満では柔軟性が不十分な
ため自動包装機での包装の表面仕上りが劣り、上限を超
えると軟らかくなりすぎて自動包装機でのフィルムカッ
ト性に問題が生じる。 【0012】芯層(A)に使用される(3)石油樹脂、
テルペン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ロジン系
樹脂、アルキル−フェノール樹脂およびこれらの水素添
加誘導体から成る群より選ばれる1種類以上の樹脂は、
復元速度遅延性、粘着性を付与するために重要な役割を
果たすものである。具体的な成分としては、ロジン系樹
脂、テルペン系樹脂、石油類の熱分解により生成する分
解油留分を重合し固化させた熱可塑性樹脂、クマロン−
インデン樹脂、アルキル−フェノール樹脂などが挙げら
れる。 【0013】ロジン系樹脂としては、ガムロジンやウッ
ドロジン、水素化ロジン、アルコールでエステル化した
エステル化ロジン、フェノールとロジンを反応させたロ
ジンフェノール樹脂などが例示できる。テルペン系樹脂
としては、α−ピネンやβ−ピネンの重合したテルペン
樹脂、フェノールとテルペンを反応させたテルペンフェ
ノール樹脂、スチレン等で極性を付与した芳香族変性テ
ルペン樹脂、水素化テルペン樹脂などが例示できる。 【0014】石油類の熱分解により生成する分解油留分
を重合し固化させた熱可塑性樹脂としては、C5留分を
原料とした脂肪族系石油樹脂、C9留分を原料とした芳
香族系石油樹脂、ジシクロペンタジエンを原料とした脂
環族系石油樹脂、およびこれら2種以上が共重合した共
重合系石油樹脂、さらにこれらを水素化した水素化系石
油樹脂などが例示できる。上記した樹脂の水素添加誘導
体は、上記の樹脂を当業者に公知の方法により水素添加
して得られる。上記炭化水素系化合物は、1種単独でも
2種以上を組合せて使用してもよい。好ましくは、石油
樹脂およびその水素添加誘導体である。具体的には、荒
川化学工業(株)製のアルコン(水素化石油樹脂)、ヤ
スハラケミカル(株)製のクリアロン(水素化テルペン
樹脂)、トーネックス(株)製のエスコレッツ(脂肪族
系炭化水素樹脂)などの市販品を用いることができる。 【0015】上記樹脂の配合量は、芯層配合物中に10
〜40重量%、好ましくは15〜35重量%である。こ
れらの樹脂の含有量が下限未満では、包装機のパック時
において、ストレッチ後の復元速度が速すぎて、また、
粘着性が不十分なために包装表面にシワが残りやすく、
底面仕上がりも不十分となる。上限を超えると表面にブ
リードし、経時でのブロッキング現象を生じたり、透明
性を低下させるという弊害を生じる。 【0016】芯層(A)に使用される(4)結晶性プロ
ピレン系重合体は、融点が160℃以上のものであり、
フィルムのヒートシール性、具体的には耐熱性を付与す
るために重要な役割を果たす。融点が160℃未満であ
るとフィルムの耐熱性が不足し、フィルム同志をヒート
シールする際に熱板上において溶融開孔しやすいといっ
た問題が生じる。 【0017】結晶性プロピレン系重合体の配合量は、芯
層配合物中に10〜40重量%、好ましくは15〜35
重量%である。下限未満では耐熱性が不十分なためヒー
トシールする際に熱板上においてフィルムが溶融開孔し
やすくなり、上限を超えると柔軟性が不十分なため自動
包装機での包装の表面仕上りが劣るという問題がある。 【0018】本発明フィルムは、該芯層(A)の両面に
光学特性を付与するために両表面層(B)を有する。該
両表面層(B)はエチレン系重合体で構成され、具体的
には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−
オレフィン共重合体および低密度ポリエチレンからなる
群より選ばれる1種以上の樹脂を含む。 【0019】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢
酸ビニルの含有量が5〜25重量%であり、好ましくは
10〜20重量%である。酢酸ビニル含有量が下限未満
では、得られるフィルムが硬く、柔軟性や弾性回復性が
低下し、必要な伸びも得にくい。一方、上限を超えると
軟らかくなりすぎたり、経時的にブロッキング現象を引
き起こし繰り出し性を低下させるという問題がある。ま
た、上記共重合体は、好ましくはメルトフローレート
(JIS・K−7210に従って、190℃、2.16
kg荷重で測定)が0.2〜10g/10分であり、特
に好ましくは1〜5g/10分である。この範囲を外れ
ると、成形が困難となる傾向がある。上記共重合体は、
好ましくは、密度が0.90〜0.99g/cm3であ
る。 【0020】上記エチレン−α−オレフィン共重合体
は、好ましくはエチレンと炭素数4〜8の1種以上のα
−オレフィンとの共重合体であり、該α−オレフィンと
しては、例えばブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル
−ペンテン−1、オクテン−1が挙げられる。α‐オレ
フィンの含有量は3〜30重量%であり、好ましくは5
〜25重量%である。下限未満では得られたフィルムの
伸びが悪くなる傾向にあり、上限を越えては、成形が困
難となる傾向がある。 【0021】上記エチレン−α‐オレフィン共重合体
は、好ましくはメルトフローレート(JIS・K−72
10に従って、190℃、2.16kg荷重で測定)が
0.2〜10.0g/10分であり、特に好ましくは
0.5〜7.0g/10分である。この範囲を外れる
と、成形が困難となる傾向がある。上記共重合体は、好
ましくは、密度が0.87〜0.93g/cm3であ
る。 【0022】上記低密度ポリエチレンは、好ましくは、
メルトフローレート(JIS・K−7210に従って、
190℃、2.16kg荷重で測定)が0.1〜10g
/10分であり、特に好ましくは1〜5g/10分であ
る。この範囲を外れると、成形が困難となる傾向があ
る。上記共重合体は、好ましくは、密度が0.91〜
0.93g/cm3である。 【0023】なお、本発明に用いられるエチレン−α‐
オレフィン共重合体、低密度ポリエチレンの製造方法は
特に限定されるものではないが、公知の高圧イオン重合
法や、気相重合法、溶液重合法、スラリー重合法、バル
ク重合法が使用できる。触媒としては公知のチーグラー
触媒、メタロセン触媒等の遷移金属錯体触媒が用いられ
る。エチレン−α‐オレフィン共重合体の場合、透明
性、耐衝撃強度の面でメタロセンに代表されるシングル
サイト触媒を用いるのが好ましい。 【0024】エチレン−α−オレフィン共重合体と低密
度ポリエチレンを混合する場合、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体と低密度ポリエチレンとの重量比は、99
〜30/1〜70の割合である。さらに好ましくは、9
0〜40/10〜60である。 【0025】芯層(A)及び両表面層(B)の間には、
必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記
した、(1)結晶性ブテン−1系重合体、(2)密度が
0.93g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共
重合体、(3)石油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−
インデン系樹脂、ロジン系樹脂、アルキル−フェノール
樹脂およびこれらの水素添加誘導体化合物、(4)結晶
融解温度が160℃以上である結晶性プロピレン系重合
体、および、エチレン系重合体を主成分とする中間層を
設けることができる。 【0026】芯層(A)および両表面層(B)、ならび
に中間層は、上記した成分の他に、本発明の効果を損な
わない範囲で、必要に応じて他の樹脂、各種添加剤等を
含むことができる。そのような他の樹脂としては、例え
ば接着性樹脂、リターン材等が挙げられる。添加剤とし
ては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、抗菌
剤などが挙げられる。 【0027】その他に、例えば防曇性、帯電防止性、滑
性、加工性を付与する目的で、グリセリン脂肪酸エステ
ルおよびポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、エチレンオキサイド付加物、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル等の界面活性剤を1種類以
上、本発明の目的を損なわない範囲で添加することがで
きる。具体的には、グリセリン脂肪酸エステルおよびポ
リグリセリン脂肪酸エステル化合物、たとえば(ジ)グ
リセリンモノ(またはジもしくはトリ)オレート、
(ジ)グリセリンモノ(またはジもしくはトリ)ステア
レート、(ジ)グリセリンモノ(またはジ)パルミテー
ト、(ジ)グリセリンモノ(またはジ)ラウレート、
(ジ)グリセリンモノ(またはジもしくはトリ)オレー
トラウレート;ソルビタン脂肪酸エステル化合物、たと
えばソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、
ソルビタン(トリ)ステアレート、ソルビタン(トリ)
オレート;エチレンオキサイド付加物、たとえばポリオ
キシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレ
ングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレング
リセリンモノオレート;および、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、たとえばプロピレングリコールモノラ
ウレート、プロピレングリコールモノパルミテート、プ
ロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリ
コールモノオレート、プロピレングリコールモノベヘネ
ート等が挙げられる。これらの少なくとも一種類が、好
ましくはフィルム全体の0.5〜5重量%、より好まし
くは1〜4重量%の量で配合される。 【0028】また滑剤を添加することもできる。滑剤と
しては、例えばオレイン酸アマイド、ステアリン酸アマ
イド、エルカ酸アマイド、ラウリン酸アマイド、エチレ
ンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸
アマイド等があげられる。好ましくは、オレイン酸アマ
イド、ステアリン酸アマイドである。滑剤の添加量は、
通常、フィルム全体の0.01〜0.5重量%、好まし
くは、0.05〜0.2重量%である。 【0029】本発明のフィルムは上記した各成分を用い
て、製膜の分野において慣用の方法で製造することがで
き、好ましくはTダイ成形またはインフレーション成形
により製膜される。 【0030】本発明の各層の厚みは、特に限定されない
が、通常は、各表面層が1〜10μm、好ましくは1〜
5μmであり、芯層が2〜16μm、好ましくは2〜1
0μmである。全体の厚さは、通常4〜36μm、好ま
しくは5〜20μmである。中間層を設ける場合、中間
層の厚さは、1〜20μm、好ましくは1〜10μm、
さらに好ましくは1〜5μmである。 【0031】 【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 【0032】なお、本明細書中に表示されるフィルムに
ついての評価は次の様に行なった。 (1)成形性:インフレーション成形機によって製膜す
る際、問題なく製膜できたものを、「○」、できなかっ
たものを「×」とした。 (2)光学特性:JIS・ K−6714に準じて曇度
を測定し、数値が1.5以下(実用性あり)のものを
「◎」、数値が1.5を超えて2.0未満のものを
「○」、数値が2.0を超えて2.5未満のものを
「△」、数値が2.5以上のものを「×」とした。 (3)包装機適性:包装機(Wmini−ZERO1、
(株)イシダ社製)を用いて、500mm幅のフィルム
で幅280cm×奥行き210cmのトレイを包装した
とき、下記表1の項目について評価した。ここでは
「○」以上の評価を実用性ありと判断した。 【0033】 【表1】 【0034】実施例1 芯層(A)を構成する、下記成分(1)30重量%、成
分(2)35重量%、成分(3)20重量%および成分
(4)15重量%を混合した樹脂組成物、およびその両
表面層(B)を構成する、(5)エチレン−ヘキセン−
1共重合体(MFR1.0g/10分(190℃、荷重
2.16kg)、密度0.91g/cm3、ヘキセン−
1の含有量:15重量%)49重量%、(6)低密度ポ
リエチレン(MFR2.0g/10分(190℃、荷重
2.16kg)、密度0.92g/cm3)49重量%
および(7)防曇剤(ジグリセリンモノラウレート)2
重量%を混合した組成物をそれぞれ、環状三層ダイスを
有する押出機(インフレーション成形機)に供給して混
練し(混練条件;200℃、ブロー比;5)、製膜して
芯層6μmおよび表面層各3μmの厚みを有する、全厚
み12μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価
結果を表2に示す。 【0035】成分(1): タフマー BL4000 (三井化学(株)社製) 組成:結晶性ブテン−1単独重合体 メルトフローレート(190℃、荷重2.16kg):
1.8g/10分 ヤング率:4300kg/cm2 密度:0.92g/cm3 成分(2): ENGAGE8100 (ダウ・ケミカル日本(株)社
製) 組成:エチレン−オクテン−1共重合体(オクテン−1
の含有量:24重量%) メルトフローレート(230℃、荷重2.16kg):
1.0g/10分 密度:0.87g/cm3 成分(3): アルコン P−125(荒川化学工業(株)社製) 組成:水添石油樹脂 軟化点:125℃ 数平均分子量:750 ガラス転位温度:81℃ 成分(4): ニューコン NCF5024 (チッソ(株)社製) 組成:ポリプロピレン系樹脂 メルトフローレート(230℃、荷重2.16kg):
7.0g/10分 密度:0.89g/cm3 結晶融解温度:162℃ 【0036】実施例2 実施例1の芯層(A)の成分(1)として使用した結晶
性ブテン−1単独重合体に代えて下記成分を用いた以外
は実施例1と同様にして、全厚み12μmのフィルムを
得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。 タフマー BL3110(三井化学(株)社製) 組成:結晶性エチレン−ブテン−1共重合体 メルトフローレート(190℃、荷重2.16kg):
1.0g/10分 ヤング率:2800kg/cm3 密度:0.91g/cm3 【0037】比較例1 実施例1で使用した芯層(A)の各成分の混合比率を、
成分(1)35重量%、成分(2)30重量%、成分
(3)0重量%、成分(4)35重量%に変更した以外
は実施例1と同様にして、全厚み12μmのフィルムを
得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。 【0038】比較例2 実施例1で使用した芯層(A)の各成分の混合比率を、
成分(1)0重量%、成分(2)35重量%、成分
(3)30重量%、成分(4)35重量%に変更した以
外は実施例1と同様にして、全厚み12μmのフィルム
を得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。 【0039】比較例3 実施例1で使用した芯層(A)の各成分の混合比率を、
成分(1)35重量%、成分(2)0重量%、成分
(3)30重量%、成分(4)35重量%に変更した以
外は実施例1と同様にして、全厚み12μmのフィルム
を得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。 【0040】比較例4 実施例1で使用した芯層(A)の各成分の混合比率を、
成分(1)35重量%、成分(2)35重量%、成分
(3)30重量%、成分(4)0重量%に変更した以外
は実施例1と同様にして、全厚み12μmのフィルムを
得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。 【0041】 【表2】 【0042】上記表から明らかなように、本発明に従う
フィルムは、成形性、透明性、包装機適性等の何れの性
能も優れている。一方、芯層成分(1)〜(4)のいず
れか一成分を含まない比較例1〜4のフィルムは、上記
のいずれかの性能において劣る。 【0043】 【発明の効果】本発明のフィルムは、成形性、光学特
性、トレイ自動包装機適性等の食品包装用ストレッチフ
ィルムとして必要な特性に優れているので、非常に有用
である。
用ストレッチフィルムとして好適に使用されるラップフ
ィルムに関するものである。より詳細には、トレイ自動
包装機適性に優れ、外観の良い包装仕上がりが得られる
フィルムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、食品のトレイ包装用ストレッチフ
ィルムとしては、ポリ塩化ビニル(以下PVCと表記)
に適量の可塑剤を配合して軟質化したものが好適に使用
されてきた。しかしながら、PVCフィルムは含有する
可塑剤が脂肪性食品等へ移行しやすいことや、廃棄後の
焼却時に塩化水素ガスを発生するといった環境面の問題
を抱えており、近年、PVCを代替する素材としてポリ
オレフィン系ストレッチフィルムの需要が高まってい
る。ポリオレフィン系ストレッチフィルムはPVCフィ
ルム並みの性能を付与するべく多層構成に設計している
ものが多く、例えば、特開平6−270248号公報に
は、表面層が特定のエチレン系共重合体あるいはこれら
を含む組成物からなり、中心層が結晶性ポリプロピレ
ン、結晶性ポリブテン−1、表面層より選ばれた組成物
を特定の割合で混合した3層構造からなる積層フィルム
が提案されている。この積層フィルムは、透明性、光沢
等の光学特性に優れ、フィルム横方向の切れ性を有する
ため自動包装機でのフィルムカット性は良好だが、自己
粘着性や自動包装機においてトレイ包装した際の表面の
仕上り、底面の仕上りを未だ満足するものではないため
包装仕上がりが完全ではなかった。さらに、特開200
0−15760号公報には、両表面層がエチレン系重合
体、中間層がプロピレン系重合体、エチレン系共重合
体、石油樹脂類を含有する包装用ストレッチフィルムが
提案されている。この包装用ストレッチフィルムは柔軟
性、耐衝撃性、自己粘着性に優れるが、自動包装機での
フィルムカット性や自動包装機においてトレイ包装した
際の表面の仕上り、底面の仕上りを未だ満足するもので
はなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、光学
特性および柔軟性、耐衝撃性、自己粘着性、耐熱性に優
れ、しかも自動包装機におけるトレイ包装仕上りに優れ
たストレッチフィルムを提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、結晶性ブ
テン−1系重合体のフィルム横方向の切れ性、密度が
0.93g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共
重合体の柔軟性、石油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン
−インデン系樹脂、ロジン系樹脂およびこれらの水素添
加誘導体から成る群より選ばれる1種類以上の樹脂の復
元速度遅延性、自己粘着性、結晶融解温度が160℃以
上である結晶性プロピレンの耐熱性に着目し、これらを
特定の割合で混合し、これに光学特性を付与するために
両表面にエチレン系共重合体を積層したフィルムをスト
レッチフィルムとして使用すると、光学特性および柔軟
性、耐衝撃性、自己粘着性のほか、自動包装機における
フィルムカット性、トレイ包装した際の表面の仕上り、
底面の仕上りに優れることを見出し、本発明に到達し
た。 【0005】すなわち本発明の食品包装用ストレッチフ
ィルムは、芯層(A)および両表面層(B)を有する積
層フィルムであって、該芯層(A)が(1)結晶性ブテ
ン−1系重合体10〜40重量%、(2)密度が0.9
3g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共重合体
15〜70重量%、(3)石油樹脂、テルペン系樹脂、
クマロン−インデン系樹脂、ロジン系樹脂、アルキル−
フェノール樹脂およびこれらの水素添加誘導体から成る
群より選ばれる1種類以上の樹脂10〜40重量%、お
よび(4)結晶融解温度が160℃以上である結晶性プ
ロピレン10〜40重量%を含み、該両表面層(B)が
エチレン系重合体を含むことを特徴とする食品包装用ス
トレッチフィルムであることを特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明において芯層(A)に使用
される(1)結晶性ブテン−1系重合体は、結晶配向の
特異性からフィルム横方向の切れ性を有し、自動包装機
でのフィルムカット性に優れるため重要な役割を果た
す。結晶性ポリブテン−1系重合体は、単独重合体ある
いはエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体を
1種単独でも、また2種以上組合せて使用してもよい。 【0007】結晶性ポリブテン−1系重合体は、メルト
フローレート(JIS・K− 7210に従って、19
0℃、2.16kg荷重で測定)およびヤング率(AS
TM・D−638に従って測定)が以下の数値であるも
のが好適である。すなわち、メルトフローレートは好ま
しくは0.1〜2.0g/10分、より好ましくは1.
0〜1.8g/10分である。メルトフローレートが下
限未満であると他の成分との混合ムラを生じやすく、上
限を超えるとフィルム横方向の切れ性が著しく低下す
る。また、ヤング率は好ましくは1000〜5000k
g/cm2、より好ましくは1500〜4500kg/
cm2である。ヤング率が下限未満であるとフィルムの
腰が弱くなり自動包装機でのフィルムカット性が低下
し、上限を超えるとフィルムのストレッチ性が劣り包装
にシワが入りやすい。 【0008】結晶性ポリブテン−1系重合体の配合量
は、芯層配合物中に10〜40重量%、好ましくは15
〜35重量%である。下限未満では自動包装機でのフィ
ルムカット性が不十分であり、作業性に問題が生じる。
また上限を超えると不均一な伸びが顕著となり、ストレ
ッチ後の厚み精度の低下、白化等を生じ、包装仕上りが
不十分である。 【0009】芯層(A)に使用される(2)エチレン−
α−オレフィン共重合体は、密度が0.93g/cm3
以下のものであり、フィルムの柔軟性、ストレッチ性、
耐衝撃性、耐寒性を付与するために重要な役割を果た
す。密度が0.93g/cm3を超えるとフィルムの柔
軟性が不足し、パック仕上がりに問題が生じる。α−オ
レフィンは、好ましくは炭素数が4〜8であり、例えば
ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−
1、オクテン−1が挙げられる。エチレン−α‐オレフ
ィン共重合体におけるα‐オレフィンの含有量は、好ま
しくは3〜30重量%、特に好ましくは5〜25重量%
である。エチレン−α−オレフィン共重合体は1種単独
でも、また2種以上組合せて使用してもよい。 【0010】また、このエチレン−α−オレフィン共重
合体は、好ましくは、メルトフローレート(JIS・K
− 7210に従って、190℃、2.16kg荷重で
測定)が0.1〜10.0g/10分、より好ましくは
0.5〜5.0g/10分である。メルトフローレート
が下限未満であると成形機への負荷が大きくなりすぎ、
上限を超えるとフィルム強度が著しく低下する。 【0011】エチレン−α−オレフィン共重合体の配合
量は、芯層配合物中に15〜70重量%、好ましくは2
0〜60重量%である。下限未満では柔軟性が不十分な
ため自動包装機での包装の表面仕上りが劣り、上限を超
えると軟らかくなりすぎて自動包装機でのフィルムカッ
ト性に問題が生じる。 【0012】芯層(A)に使用される(3)石油樹脂、
テルペン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ロジン系
樹脂、アルキル−フェノール樹脂およびこれらの水素添
加誘導体から成る群より選ばれる1種類以上の樹脂は、
復元速度遅延性、粘着性を付与するために重要な役割を
果たすものである。具体的な成分としては、ロジン系樹
脂、テルペン系樹脂、石油類の熱分解により生成する分
解油留分を重合し固化させた熱可塑性樹脂、クマロン−
インデン樹脂、アルキル−フェノール樹脂などが挙げら
れる。 【0013】ロジン系樹脂としては、ガムロジンやウッ
ドロジン、水素化ロジン、アルコールでエステル化した
エステル化ロジン、フェノールとロジンを反応させたロ
ジンフェノール樹脂などが例示できる。テルペン系樹脂
としては、α−ピネンやβ−ピネンの重合したテルペン
樹脂、フェノールとテルペンを反応させたテルペンフェ
ノール樹脂、スチレン等で極性を付与した芳香族変性テ
ルペン樹脂、水素化テルペン樹脂などが例示できる。 【0014】石油類の熱分解により生成する分解油留分
を重合し固化させた熱可塑性樹脂としては、C5留分を
原料とした脂肪族系石油樹脂、C9留分を原料とした芳
香族系石油樹脂、ジシクロペンタジエンを原料とした脂
環族系石油樹脂、およびこれら2種以上が共重合した共
重合系石油樹脂、さらにこれらを水素化した水素化系石
油樹脂などが例示できる。上記した樹脂の水素添加誘導
体は、上記の樹脂を当業者に公知の方法により水素添加
して得られる。上記炭化水素系化合物は、1種単独でも
2種以上を組合せて使用してもよい。好ましくは、石油
樹脂およびその水素添加誘導体である。具体的には、荒
川化学工業(株)製のアルコン(水素化石油樹脂)、ヤ
スハラケミカル(株)製のクリアロン(水素化テルペン
樹脂)、トーネックス(株)製のエスコレッツ(脂肪族
系炭化水素樹脂)などの市販品を用いることができる。 【0015】上記樹脂の配合量は、芯層配合物中に10
〜40重量%、好ましくは15〜35重量%である。こ
れらの樹脂の含有量が下限未満では、包装機のパック時
において、ストレッチ後の復元速度が速すぎて、また、
粘着性が不十分なために包装表面にシワが残りやすく、
底面仕上がりも不十分となる。上限を超えると表面にブ
リードし、経時でのブロッキング現象を生じたり、透明
性を低下させるという弊害を生じる。 【0016】芯層(A)に使用される(4)結晶性プロ
ピレン系重合体は、融点が160℃以上のものであり、
フィルムのヒートシール性、具体的には耐熱性を付与す
るために重要な役割を果たす。融点が160℃未満であ
るとフィルムの耐熱性が不足し、フィルム同志をヒート
シールする際に熱板上において溶融開孔しやすいといっ
た問題が生じる。 【0017】結晶性プロピレン系重合体の配合量は、芯
層配合物中に10〜40重量%、好ましくは15〜35
重量%である。下限未満では耐熱性が不十分なためヒー
トシールする際に熱板上においてフィルムが溶融開孔し
やすくなり、上限を超えると柔軟性が不十分なため自動
包装機での包装の表面仕上りが劣るという問題がある。 【0018】本発明フィルムは、該芯層(A)の両面に
光学特性を付与するために両表面層(B)を有する。該
両表面層(B)はエチレン系重合体で構成され、具体的
には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−
オレフィン共重合体および低密度ポリエチレンからなる
群より選ばれる1種以上の樹脂を含む。 【0019】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢
酸ビニルの含有量が5〜25重量%であり、好ましくは
10〜20重量%である。酢酸ビニル含有量が下限未満
では、得られるフィルムが硬く、柔軟性や弾性回復性が
低下し、必要な伸びも得にくい。一方、上限を超えると
軟らかくなりすぎたり、経時的にブロッキング現象を引
き起こし繰り出し性を低下させるという問題がある。ま
た、上記共重合体は、好ましくはメルトフローレート
(JIS・K−7210に従って、190℃、2.16
kg荷重で測定)が0.2〜10g/10分であり、特
に好ましくは1〜5g/10分である。この範囲を外れ
ると、成形が困難となる傾向がある。上記共重合体は、
好ましくは、密度が0.90〜0.99g/cm3であ
る。 【0020】上記エチレン−α−オレフィン共重合体
は、好ましくはエチレンと炭素数4〜8の1種以上のα
−オレフィンとの共重合体であり、該α−オレフィンと
しては、例えばブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル
−ペンテン−1、オクテン−1が挙げられる。α‐オレ
フィンの含有量は3〜30重量%であり、好ましくは5
〜25重量%である。下限未満では得られたフィルムの
伸びが悪くなる傾向にあり、上限を越えては、成形が困
難となる傾向がある。 【0021】上記エチレン−α‐オレフィン共重合体
は、好ましくはメルトフローレート(JIS・K−72
10に従って、190℃、2.16kg荷重で測定)が
0.2〜10.0g/10分であり、特に好ましくは
0.5〜7.0g/10分である。この範囲を外れる
と、成形が困難となる傾向がある。上記共重合体は、好
ましくは、密度が0.87〜0.93g/cm3であ
る。 【0022】上記低密度ポリエチレンは、好ましくは、
メルトフローレート(JIS・K−7210に従って、
190℃、2.16kg荷重で測定)が0.1〜10g
/10分であり、特に好ましくは1〜5g/10分であ
る。この範囲を外れると、成形が困難となる傾向があ
る。上記共重合体は、好ましくは、密度が0.91〜
0.93g/cm3である。 【0023】なお、本発明に用いられるエチレン−α‐
オレフィン共重合体、低密度ポリエチレンの製造方法は
特に限定されるものではないが、公知の高圧イオン重合
法や、気相重合法、溶液重合法、スラリー重合法、バル
ク重合法が使用できる。触媒としては公知のチーグラー
触媒、メタロセン触媒等の遷移金属錯体触媒が用いられ
る。エチレン−α‐オレフィン共重合体の場合、透明
性、耐衝撃強度の面でメタロセンに代表されるシングル
サイト触媒を用いるのが好ましい。 【0024】エチレン−α−オレフィン共重合体と低密
度ポリエチレンを混合する場合、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体と低密度ポリエチレンとの重量比は、99
〜30/1〜70の割合である。さらに好ましくは、9
0〜40/10〜60である。 【0025】芯層(A)及び両表面層(B)の間には、
必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記
した、(1)結晶性ブテン−1系重合体、(2)密度が
0.93g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共
重合体、(3)石油樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−
インデン系樹脂、ロジン系樹脂、アルキル−フェノール
樹脂およびこれらの水素添加誘導体化合物、(4)結晶
融解温度が160℃以上である結晶性プロピレン系重合
体、および、エチレン系重合体を主成分とする中間層を
設けることができる。 【0026】芯層(A)および両表面層(B)、ならび
に中間層は、上記した成分の他に、本発明の効果を損な
わない範囲で、必要に応じて他の樹脂、各種添加剤等を
含むことができる。そのような他の樹脂としては、例え
ば接着性樹脂、リターン材等が挙げられる。添加剤とし
ては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、抗菌
剤などが挙げられる。 【0027】その他に、例えば防曇性、帯電防止性、滑
性、加工性を付与する目的で、グリセリン脂肪酸エステ
ルおよびポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、エチレンオキサイド付加物、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル等の界面活性剤を1種類以
上、本発明の目的を損なわない範囲で添加することがで
きる。具体的には、グリセリン脂肪酸エステルおよびポ
リグリセリン脂肪酸エステル化合物、たとえば(ジ)グ
リセリンモノ(またはジもしくはトリ)オレート、
(ジ)グリセリンモノ(またはジもしくはトリ)ステア
レート、(ジ)グリセリンモノ(またはジ)パルミテー
ト、(ジ)グリセリンモノ(またはジ)ラウレート、
(ジ)グリセリンモノ(またはジもしくはトリ)オレー
トラウレート;ソルビタン脂肪酸エステル化合物、たと
えばソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、
ソルビタン(トリ)ステアレート、ソルビタン(トリ)
オレート;エチレンオキサイド付加物、たとえばポリオ
キシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレ
ングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレング
リセリンモノオレート;および、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、たとえばプロピレングリコールモノラ
ウレート、プロピレングリコールモノパルミテート、プ
ロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリ
コールモノオレート、プロピレングリコールモノベヘネ
ート等が挙げられる。これらの少なくとも一種類が、好
ましくはフィルム全体の0.5〜5重量%、より好まし
くは1〜4重量%の量で配合される。 【0028】また滑剤を添加することもできる。滑剤と
しては、例えばオレイン酸アマイド、ステアリン酸アマ
イド、エルカ酸アマイド、ラウリン酸アマイド、エチレ
ンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸
アマイド等があげられる。好ましくは、オレイン酸アマ
イド、ステアリン酸アマイドである。滑剤の添加量は、
通常、フィルム全体の0.01〜0.5重量%、好まし
くは、0.05〜0.2重量%である。 【0029】本発明のフィルムは上記した各成分を用い
て、製膜の分野において慣用の方法で製造することがで
き、好ましくはTダイ成形またはインフレーション成形
により製膜される。 【0030】本発明の各層の厚みは、特に限定されない
が、通常は、各表面層が1〜10μm、好ましくは1〜
5μmであり、芯層が2〜16μm、好ましくは2〜1
0μmである。全体の厚さは、通常4〜36μm、好ま
しくは5〜20μmである。中間層を設ける場合、中間
層の厚さは、1〜20μm、好ましくは1〜10μm、
さらに好ましくは1〜5μmである。 【0031】 【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 【0032】なお、本明細書中に表示されるフィルムに
ついての評価は次の様に行なった。 (1)成形性:インフレーション成形機によって製膜す
る際、問題なく製膜できたものを、「○」、できなかっ
たものを「×」とした。 (2)光学特性:JIS・ K−6714に準じて曇度
を測定し、数値が1.5以下(実用性あり)のものを
「◎」、数値が1.5を超えて2.0未満のものを
「○」、数値が2.0を超えて2.5未満のものを
「△」、数値が2.5以上のものを「×」とした。 (3)包装機適性:包装機(Wmini−ZERO1、
(株)イシダ社製)を用いて、500mm幅のフィルム
で幅280cm×奥行き210cmのトレイを包装した
とき、下記表1の項目について評価した。ここでは
「○」以上の評価を実用性ありと判断した。 【0033】 【表1】 【0034】実施例1 芯層(A)を構成する、下記成分(1)30重量%、成
分(2)35重量%、成分(3)20重量%および成分
(4)15重量%を混合した樹脂組成物、およびその両
表面層(B)を構成する、(5)エチレン−ヘキセン−
1共重合体(MFR1.0g/10分(190℃、荷重
2.16kg)、密度0.91g/cm3、ヘキセン−
1の含有量:15重量%)49重量%、(6)低密度ポ
リエチレン(MFR2.0g/10分(190℃、荷重
2.16kg)、密度0.92g/cm3)49重量%
および(7)防曇剤(ジグリセリンモノラウレート)2
重量%を混合した組成物をそれぞれ、環状三層ダイスを
有する押出機(インフレーション成形機)に供給して混
練し(混練条件;200℃、ブロー比;5)、製膜して
芯層6μmおよび表面層各3μmの厚みを有する、全厚
み12μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価
結果を表2に示す。 【0035】成分(1): タフマー BL4000 (三井化学(株)社製) 組成:結晶性ブテン−1単独重合体 メルトフローレート(190℃、荷重2.16kg):
1.8g/10分 ヤング率:4300kg/cm2 密度:0.92g/cm3 成分(2): ENGAGE8100 (ダウ・ケミカル日本(株)社
製) 組成:エチレン−オクテン−1共重合体(オクテン−1
の含有量:24重量%) メルトフローレート(230℃、荷重2.16kg):
1.0g/10分 密度:0.87g/cm3 成分(3): アルコン P−125(荒川化学工業(株)社製) 組成:水添石油樹脂 軟化点:125℃ 数平均分子量:750 ガラス転位温度:81℃ 成分(4): ニューコン NCF5024 (チッソ(株)社製) 組成:ポリプロピレン系樹脂 メルトフローレート(230℃、荷重2.16kg):
7.0g/10分 密度:0.89g/cm3 結晶融解温度:162℃ 【0036】実施例2 実施例1の芯層(A)の成分(1)として使用した結晶
性ブテン−1単独重合体に代えて下記成分を用いた以外
は実施例1と同様にして、全厚み12μmのフィルムを
得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。 タフマー BL3110(三井化学(株)社製) 組成:結晶性エチレン−ブテン−1共重合体 メルトフローレート(190℃、荷重2.16kg):
1.0g/10分 ヤング率:2800kg/cm3 密度:0.91g/cm3 【0037】比較例1 実施例1で使用した芯層(A)の各成分の混合比率を、
成分(1)35重量%、成分(2)30重量%、成分
(3)0重量%、成分(4)35重量%に変更した以外
は実施例1と同様にして、全厚み12μmのフィルムを
得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。 【0038】比較例2 実施例1で使用した芯層(A)の各成分の混合比率を、
成分(1)0重量%、成分(2)35重量%、成分
(3)30重量%、成分(4)35重量%に変更した以
外は実施例1と同様にして、全厚み12μmのフィルム
を得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。 【0039】比較例3 実施例1で使用した芯層(A)の各成分の混合比率を、
成分(1)35重量%、成分(2)0重量%、成分
(3)30重量%、成分(4)35重量%に変更した以
外は実施例1と同様にして、全厚み12μmのフィルム
を得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。 【0040】比較例4 実施例1で使用した芯層(A)の各成分の混合比率を、
成分(1)35重量%、成分(2)35重量%、成分
(3)30重量%、成分(4)0重量%に変更した以外
は実施例1と同様にして、全厚み12μmのフィルムを
得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。 【0041】 【表2】 【0042】上記表から明らかなように、本発明に従う
フィルムは、成形性、透明性、包装機適性等の何れの性
能も優れている。一方、芯層成分(1)〜(4)のいず
れか一成分を含まない比較例1〜4のフィルムは、上記
のいずれかの性能において劣る。 【0043】 【発明の効果】本発明のフィルムは、成形性、光学特
性、トレイ自動包装機適性等の食品包装用ストレッチフ
ィルムとして必要な特性に優れているので、非常に有用
である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 射矢 健
東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号
リケンテクノス株式会社内
Fターム(参考) 3E086 AB02 AC22 AD17 BA04 BA15
BB22 BB41 BB52 BB58 BB90
CA01
4F100 AK02A AK04B AK04C AK06
AK07A AK09A AK33A AK62A
AK62J AL05A BA03 BA06
BA10B BA10C GB23 JA11A
JA13A JK08 YY00A
4J002 BA01Y BB05X BB12Z BB17W
BK00Y GG02
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】芯層(A)および両表面層(B)を有する
積層フィルムであって、該芯層(A)が(1)結晶性ブ
テン−1系重合体10〜40重量%、(2)密度が0.
93g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共重合
体15〜70重量%、(3)石油樹脂、テルペン系樹
脂、クマロン−インデン系樹脂、ロジン系樹脂、アルキ
ル−フェノール樹脂およびこれらの水素添加誘導体から
成る群より選ばれる1種類以上の樹脂10〜40重量
%、および(4)結晶融解温度が160℃以上である結
晶性プロピレン系重合体10〜40重量%を含み、該両
表面層(B)がエチレン系重合体を含むことを特徴とす
る食品包装用ストレッチフィルム。
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JP2007055223A (ja) * | 2005-07-25 | 2007-03-08 | Okamoto Ind Inc | 食品包装用ストレッチフィルム |
CN109661427A (zh) * | 2016-07-07 | 2019-04-19 | 萨瓦雷I.C.股份有限公司 | 可用高速工艺加工的热熔粘合剂 |
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