JP2003266707A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法

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JP2003266707A
JP2003266707A JP2002073356A JP2002073356A JP2003266707A JP 2003266707 A JP2003266707 A JP 2003266707A JP 2002073356 A JP2002073356 A JP 2002073356A JP 2002073356 A JP2002073356 A JP 2002073356A JP 2003266707 A JP2003266707 A JP 2003266707A
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nozzle plate
channel
substrate
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Yasuo Nishi
泰男 西
Takeshi Ito
健 伊藤
Hiroyuki Nomori
弘之 野守
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 気泡残留による射出曲がり、射出欠の欠陥を
防止できるインクジェットヘッド及びその製造方法を提
供すること。 【解決手段】複数のインクチャネル10を有するチャネ
ル基板1と、インクチャネル10の上部を覆うノズルプ
レート2との間に接着層100を有しており、ノズルプ
レート2に有するノズル穴21がインクチャネル10の
上部に複数形成された構成を有するインクジェットヘッ
ドにおいて、ノズルプレート2の下面と接着層100の
上面が接する接着層端部位置がチャネル基板1の側壁位
置よりX(但し、X=接着層の平均膜厚T/Tan60
°)μm以上内側に存在することを特徴とするインクジ
ェットヘッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッド及びその製造方法に関し、詳しくは、気泡抜け性が
良好で射出欠の発生がないインクジェットヘッド及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シェヤーモードタイプのインクジェット
ヘッドは、分極した圧電素子を用い、隔壁により区切ら
れるインクチャネル(インク流路)を備えたチャネル基
板と、該チャネル基板に固着されたノズルプレートとを
備えており、ノズルプレートには複数のノズル穴が形成
されている。前記隔壁をせん断変形させてインクチャネ
ル(インク流路)に繋がるノズル穴よりインク液滴を吐
出させて、紙やフィルムなどの記録媒体に記録を行う。
【0003】従来のインクジェットヘッドの構造は図3
に示すように、チャネル基板1の上部にノズルプレート
2が接着層100を介して接合されていた。接着層10
0はチャネル基板1のインクチャネル10の上部には存
在せず、ノズル穴21とインクチャネル10とのインク
流路は段差があった。
【0004】しかるに、インクジェットヘッド(インク
チャネル10)にインクを充填した時、気泡をインクチ
ャネル10内より除去する必要があるが、気泡がノズル
プレートとチャネル基板の間の段差によって引っかか
り、気泡残留による射出曲がり、射出欠の欠陥が発生す
る問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、気
泡残留による射出曲がり、射出欠の欠陥を防止できるイ
ンクジェットヘッド及びその製造方法を提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の各発明
によって解決される。
【0007】(請求項1)複数のインクチャネルを有す
るチャネル基板と、該インクチャネルの上部を覆うノズ
ルプレートとの間に接着層を有しており、該ノズルプレ
ートに有するノズル穴が前記インクチャネルの上部に複
数形成された構成を有するインクジェットヘッドにおい
て、前記ノズルプレートの下面と接着層の上面が接する
接着層端部位置が前記チャネル基板の側壁位置よりX
(但し、X=接着層の平均膜厚T/Tan60°)μm
以上内側に存在することを特徴とするインクジェットヘ
ッド。
【0008】(請求項2)前記チャネル基板の側壁位置
とノズルプレート下面の接着層端部位置に存在する接着
層の断面形状が、前記ノズルプレートのノズル穴の外周
下端部から前記チャネル基板のインクチャネルの両側壁
上部に向かって拡開するテーパー構造を成すことを特徴
とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
【0009】(請求項3)接着層の膜厚が5μm以上で
あることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェ
ットヘッド。
【0010】(請求項4)複数のインクチャネルを有す
るチャネル基板と、該インクチャネルの上部を覆うノズ
ルプレートとの間に接着剤を用いて接着層を設け、該ノ
ズルプレートには複数のノズル穴を前記インクチャネル
の上部に位置するように複数形成するインクジェットヘ
ッドの製造方法において、前記ノズルプレートの下面と
接着層の上面が接する接着層端部位置が、前記チャネル
基板の側壁位置よりX(但し、X=接着層の平均膜厚T
/Tan60°)μm以上内側になるようにすることを
特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
【0011】(請求項5)前記チャネル基板の側壁位置
とノズルプレート下面の接着層端部位置に存在する接着
層の断面形状が、前記ノズルプレートのノズル穴の外周
下端部から前記チャネル基板のインクチャネルの両側壁
上部に向かって拡開するテーパー構造を成すように形成
することを特徴とする請求項4記載のインクジェットヘ
ッドの製造方法。
【0012】(請求項6)接着層の膜厚が5μm以上で
あることを特徴とする請求項4又は5記載のインクジェ
ットヘッドの製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0014】図1は本発明の一実施の形態を示す断面図
であり、同図において、1はチャネル基板、2はノズル
プレート、100は接着層である。
【0015】チャネル基板1は複数のインクチャネル1
0を有しており、図1ではその一つが示されている。ノ
ズルプレート2は複数のノズル穴21を有しており、図
1ではその一つが示されている。ノズル穴21はインク
チャネル10の上部のほぼ中心に形成されている。
【0016】接着層100は接着剤を塗布することによ
って形成される層であり、その膜厚は5μm以上である
ことが好ましい。図面では膜厚はTで示されている。
【0017】本発明において、前記ノズルプレート2の
下面と接着層100の上面が接する接着層端部位置A
は、前記チャネル基板1の側壁位置BよりXμm以上内
側に存在する。但し、X=接着層の平均膜厚T/Tan
60°である。
【0018】具体的には、A点を通る垂直線をL1、B
点を通る垂直線をL2とすると、L1とL2の距離≧X
の関係にあることである。
【0019】本発明の好ましい態様としては、前記チャ
ネル基板1の側壁位置とノズルプレート2下面の接着層
端部位置に存在する接着層100(垂直線L1とL2の
間に存在する接着層)の断面形状が、前記ノズルプレー
ト2のノズル穴21の外周下端部から前記チャネル基板
1のインクチャネル10の両側壁上部に向かって拡開す
るテーパー構造を成すことが好ましい。
【0020】即ち、上方に向かうに従って狭くなる断面
形状であり、段差がない構造であることが好ましい形態
である。
【0021】かかる段差のない形態は、ノズルプレート
の貼り合わせ治具(円錐台形の治具など)を用いたり、
あるいは切り欠いたりして形成できる。
【0022】インクチャネル(インク溝ともいう)とノ
ズルプレートの接着は、例えばノズルプレートとの接合
面であるインクチャネル側面に接着剤を約10μmの厚
みで塗布を行う。塗布方法は、スクリーン印刷法、フレ
キソ印刷、転写法等が好ましい。
【0023】次に、顕微鏡及び精密位置決め治具にて、
インク溝とノズル穴が正規の位置に来るように位置合わ
せした後、貼り付ける。
【0024】接着剤としては、熱硬化性接着剤が好まし
く、例えばエポキシ系、ユリア系、メラミン系、フェノ
ール系、レゾルシノール系、ポリエステル系、ポリウレ
タン系、ポリイミド系の熱硬化性接着剤が挙げられる。
【0025】スクリーン印刷機を使用して、接着剤をイ
ンク溝のノズルプレート貼り合せ面に塗布する。接着剤
塗布済みのインク溝本体を治具にセットして、約85℃
に制御されたオーブンに投入し一定時間保持することに
より接着層をBステージ化する。
【0026】Bステージ化とは、硬化(重合反応)があ
る程度進行したところで一旦重合反応の進行を停止さ
せ、常温ではほとんど硬化が進まなくなる安定な状態と
なることをいい、接着剤の半硬化状態を指す。
【0027】Bステージ化の方法は、上記に限定され
ず、常温から約85℃にテーパー昇温し、一定時間保持
する方法でも構わない。
【0028】このBステージ状態の良好な状態は、ノズ
ルプレートを適度に保持できるタック性を持ちかつ、ノ
ズルプレートの密着性及び平滑性をあげるプレス工程、
及び硬化工程で流動を適度に抑制しノズル穴に接着剤が
流入しない状態が好ましい。
【0029】本発明において、Bステージ化した後の接
着剤の粘弾性G′(弾性項)は、25℃において106
〜109(Pa)、tanδ=1.2〜0.5であるこ
とが好ましい。
【0030】本発明において、粘弾性測定は連続的な正
弦波の変形を測定対象物に与えてその応答を求めること
ができ、「レオメトリック・サイエンティフィク・エフ
・イー社のアレス粘弾性測定システム:2K STD」
を用いて測定できる。
【0031】複素弾性率(Complex Modulus) G*は以下
の式で求められる。 G*=τ0*/γ0 (τ0*:応力、γ0 :歪み) 弾性項=貯蔵弾性率(Storage Modulus):G′=τ′/γ0=G*cosδ 粘性項=損失弾性率(Loss Modulus):G″=τ″/γ0=G*sinδ
【0032】Tanδは、以下の式で求められる。 Tanδ=粘性成分/弾性成分
【0033】次に、ノズルプレート貼り合せ治具を使用
し、ノズルプレートのノズル穴とインク溝の位置関係が
正規な位置になるように張り合わせる。
【0034】更にプレス機と治具を使用して、ノズルプ
レート面をインク溝長手方向と平行に均一に加圧してB
ステージ化した接着層とノズルプレートを密着させ、平
滑性をあげ、かつ接着剤の断面形状を制御(特に本発明
では図1に示す断面形状になるような制御が重要であ
る)した後、加圧治具を用いてノズルプレートを均一に
加圧しながら、最終硬化過程の粘弾性G′の最小値条件
になるような昇温パターンを経由したの加熱完全硬化す
る。
【0035】本発明では、前記接着剤の粘弾性の最低値
G′がG′=104〜107(Pa)、tanδ=0.1
〜0.8であることが好ましい。
【0036】次に、図2に基づいてインクジェットヘッ
ドの製造方法を説明する。
【0037】図2はインクジェットヘッドの概要を示す
部分破断斜視図である。図2において、1はチャネル基
板、2はノズルプレート、3はカバー基板、4はバック
プレート、5はインクマニホールドである。
【0038】チャネル基板1には、円盤状の砥石(ダイ
シングブレード)等の公知の研削機を用いて所定ピッチ
で互いに平行な複数列の溝を加工することにより、イン
クが貯溜されるインク流路となるインクチャネル11と
インクが貯溜されない空気チャネル12とからなるチャ
ネル部10が形成され、それら各チャネル部10間に隔
壁13が形成されている。
【0039】このインクチャネル11の巾は、20〜1
00μmの範囲が好ましく、隔壁13の壁厚さは20〜
100μmが好ましく、またノズルプレート2の厚み
は、20〜100μmの範囲が好ましく、ノズル穴の直
径は、10〜40μmの範囲が好ましい。
【0040】第1の基材であるチャネル基板1に用いら
れる圧電材料としては、電界を加えることにより変形を
生じる公知の圧電材料を用いることができ、有機材料か
らなる基板、非金属製の基板等がある。特に、非金属製
のチャネル基板が好ましく、成形、焼成等の工程を経て
形成される圧電セラミックス基板、又は成形、焼成を必
要としないで形成される基板等がある。有機材料からな
る基板に用いられる有機材料としては、ポリフッ化ビニ
リデン等の有機ポリマーや、有機ポリマーと無機物との
ハイブリッド材料等が挙げられる。
【0041】非金属製のチャネル基板において、成形、
焼成等の工程を経て形成される圧電セラミックス基板と
しては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が好ましい。
さらにBaTiO3、ZnO、LiNbO3、LiTaO
3等を用いてもよい。PZTとしては、PZT(PbZ
rO3−PbTiO3)と、第三成分添加PZTがある。
添加する第三成分としてはPb(Mg1/2Nb2/3
3、Pb(Mn1/3Sb2/ 3)O3、Pb(Co1/3Nb
2/3)O3等がある。また、非金属製のチャネル基板にお
いて、成形、焼成を必要としないで形成される基板とし
て、例えば、ゾル−ゲル法、積層基板コーティング法等
で形成することができる。
【0042】チャネル基板1は、2枚のチャネル基板1
a、1bを分極方向を互いに反対に向けて上下に接合し
てなる。2枚のチャネル基板1a、1bを接合する手段
としては、エポキシ系接着剤等を用いて接合する。接着
剤層の硬化後の厚み(乾燥膜厚)は、1〜100μmの
範囲が好ましい。
【0043】チャネル溝加工後に、各隔壁13の壁面に
金属電極6を形成する。この金属電極6の形成方法とし
ては、蒸着法、スパッタ法、めっき法等の公知の手段を
用いることができる。隔壁13は分極方向の異なる2枚
のチャネル基板1a、1bからなるため、各金属電極6
は、それら両基板1a、1bを駆動させるべく、少なく
とも各隔壁13を構成しているチャネル基板1a及び1
bに亘る側面の全面に形成する。
【0044】かかる金属電極6を形成し得る金属として
は、Au、Pt、Ag、Ni、Co、Cu、Al等を主
成分とするものがあるが、NiやCuを主成分とするも
のが好ましく、特に好ましくはNiを主成分とするもの
である。めっき法により金属電極6を形成する場合のめ
っきは、特に、無電解めっきであることが好ましい。無
電解めっきによれば、より均一且つピンホールフリーの
金属皮膜を簡易に形成することができる。
【0045】無電解めっきによる電極形成においては、
Ni−Pめっき又はNi−Bめっきを単独で使用しても
よいし、あるいはNi−PとNi−Bを重層してもよ
い。Ni−PめっきはP含量が高くなると電気抵抗が増
大するので、P含量は1〜数%程度がよい。Ni−Bめ
っきのB含量は普通1%以下なので、Ni−PよりNi
含量が多く、電気抵抗が低く、且つ外部配線との接続性
が良いため、Ni−PよりNi−Bの方が好ましいが、
Ni−Bは高価なのでNi−PとNi−Bを組み合わせ
ることも好ましい。Ni−P又はNi−Bからなる無電
解めっき法により形成された金属電極6は、析出が均一
に行われ、その結果平滑な表面性を有している。めっき
膜の厚みは0.5〜5μmの範囲が好ましい。
【0046】なお、金属電極6は、隔壁13に例えばN
i−Bからなる無電解めっきによりめっき膜を形成した
上に、更にNi−Pからなる無電解めっき処理を施すよ
うにして形成することもできる。この場合、更にそれぞ
れのめっき金属を異ならせるようにすることもできる。
また、隔壁13に無電解めっきによりめっき膜を形成し
た後、そのめっき膜上に金めっき等の電解めっき処理を
行うようにしてもよい。更に、隔壁13にスパッタ法や
蒸着法等により金属皮膜を形成した後に、該金属皮膜上
に電解めっき処理を行ってめっき膜を形成することによ
り金属電極6を形成するようにしてもよい。
【0047】次いで、以上のようにして形成されたチャ
ネル基板1の上面に、カバー基板3を貼り合わせる。こ
のカバー基板3は、非圧電性基板であってもよい。非圧
電性基板としては、例えば成形、焼成等の工程を経て形
成されるセラミックス基板、または成形、焼成を必要と
しないで形成される基板等があり、焼成等の工程を経て
形成されるセラミックス基板として、例えばAl23
SiO2、それらの混合、混融体、さらにZrO2、Be
O、AlN、SiC等を用いることができる。その他、
有機材料からなる基板であってもよく、有機ポリマーや
有機ポリマーと無機物のハイブリッド材料等を用いても
よい。
【0048】チャネル基板1とカバー基板3とは接着剤
を用いて接着される。接着剤としては、例えばエポキシ
系接着剤が挙げられるが、特に限定されるわけではな
い。
【0049】このようにしてチャネル基板1の上面にカ
バー基板3を接合した後は、チャネル部10のうち、少
なくともインクチャネル11内に、金属電極6を保護す
る絶縁性の保護膜を形成することが好ましい。絶縁性の
保護膜としては、公知の種々の材料を用いた絶縁性の保
護膜を適用することができるが、特にパリレン膜を用い
ることが好ましい。本実施の形態においても絶縁性の保
護膜としてパリレン膜7を用いた。パリレン膜7を形成
するとインクとして水系インクを使用することが可能と
なる。このパリレン膜7の形成法としては、固体のジパ
ラキシリレンダイマーを蒸着源とするCVD法(Chemic
al Vapour Deposition:気相合成法)による公知の方法
を用いることができる。即ち、ジパラキシリレンダイマ
ーが気化、熱分解して発生したジラジカルパラキシリレ
ンが、基板上に吸着し重合反応して被膜を形成する。
【0050】パリレン膜7の膜厚は、1.0μmよりも
薄いと十分な絶縁性を維持することが困難となる。ま
た、膜厚が増加するに従って、膜自体の剛性により隔壁
13の動きを規制するようになるため、パリレン膜7の
膜厚は1.0〜10μmとすることが望まれるが、特に
1.0〜5.0μmの範囲にあるときは、パリレン膜7
は十分に薄い膜としてインクチャネル11内に形成され
るため、インクチャネル11内の有効断面積を減少させ
ることがなく、十分なインク吐出感度及びインク吐出特
性を得ることができる。より好ましい膜厚の範囲は、
1.0〜3.0μmである。
【0051】かかるパリレン膜7を形成したインクチャ
ネル11内に貯溜されたインクに気泡が混入すると、気
泡がパリレン膜7に付着してこびりつき、抜けにくい。
このためパリレン膜7の表面を酸素プラズマ処理して、
親水化することが好ましい。
【0052】次いで、チャネル基板1の前端面に、イン
クを吐出するためのノズル孔21を有するノズルプレー
ト2を接合する。
【0053】本発明は、この接合、接着の条件、接着層
の断面形状を規定するものであり、その内容は上述のと
おりである。
【0054】また、チャネル基板1の後端面には、イン
ク導入孔41を有するバックプレート4を介して、イン
クチャネル11内にインクを供給するインクマニホール
ド5をエポキシ系接着剤等の接着剤を用いて接合し、イ
ンクジェットヘッドを構成する。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳述する。
【0056】実施例1 以下の方法で、チャネル基板とノズルプレートの間に図
1に示すようなテーパ形状の接着層100を形成した。
【0057】即ち、下記接着剤をスクリーン印刷機(ニ
ューロング社製「LS−150」)を使用して、インク
溝(インクチャネル)のノズルプレート貼り合せ面に膜
厚10μmで塗布した。
【0058】 接着剤:熱硬化型1液性エポキシ接着剤 ジシアンジアミド(DICY) ジシアンジアミド誘導体 芳香族アミン 脂環族アミンの一部
【0059】接着剤塗布済みのチャネル基板を治具にセ
ットして、85℃に制御されたオーブン(ヤマト科学
(株)製 DN400)に投入し一定時間保持すること
により、接着層のBステージ化を行う。
【0060】Bステージ後の接着剤の粘弾性G′が25
℃時107、Tanδ=1.0とした。粘弾性測定機と
してはレオメトリック・サイエンティフィク・エフ・イ
ー社のアレス粘弾性測定システム「2K STD」を用
いた。
【0061】次に、ノズルプレート貼り合せ治具を使用
し、ノズルプレートのノズル穴とインク溝の位置関係が
正規な位置になるように張り合わせた。
【0062】更にプレス機(電動プレス機:テクノサプ
ライ社製「G−12RS」)と治具を使用して、ノズル
プレート面をインク溝長手方向と平行に均一に加圧して
Bステージ化した接着層とノズルプレートが密着し、平
滑性をあげ、かつ接着剤の断面形状を制御した後、加圧
治具を用いてノズルプレートを均一に加圧しながら、最
終硬化過程の粘弾性G′の最小値(下記条件)になるよ
うな昇温パターンを経由したのち100℃1hrで完全
硬化した。
【0063】(最終硬化過程の粘弾性G′の最小値)最
終硬化時の接着剤の最小粘弾性G′は25℃時106
Tanδ=0.7とした。
【0064】以上のプロセスにより接着剤の断面形状
が、X=0.2μm 、3μmとなるようにノズルプレ
ート(1ヘッドについて128ヶのノズル穴を持つ)を
接着したインクジェットヘッドを2種類、各3ヶづつ製
作し、その気泡抜け性を以下の評価基準で評価し、その
結果を表1に示す。
【0065】(評価基準)各ヘッドを射出検査機にセッ
トして、気泡による射出不良を検査した。全128穴射
出OKのものを○、1穴でも射出NGのものを×と評価
した。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、気泡残留による射出曲
がり、射出欠の欠陥を防止できるインクジェットヘッド
及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す断面図
【図2】インクジェットヘッドの部分破断斜視図
【図3】従来例を示す図
【符号の説明】
1:チャネル基板 2:ノズルプレート 3: カバー基板 4:バックプレート 5:インクマニホールド 6:金属電極 7:パリレン膜 10:チャネル部 11:インクチャネル 12:空気チャネル 13:隔壁
フロントページの続き (72)発明者 野守 弘之 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2C057 AF30 AF71 AP13 AP25 AP52 AP54 AP55 AQ02 BA04 BA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のインクチャネルを有するチャネル基
    板と、該インクチャネルの上部を覆うノズルプレートと
    の間に接着層を有しており、該ノズルプレートに有する
    ノズル穴が前記インクチャネルの上部に複数形成された
    構成を有するインクジェットヘッドにおいて、 前記ノズルプレートの下面と接着層の上面が接する接着
    層端部位置が前記チャネル基板の側壁位置よりX(但
    し、X=接着層の平均膜厚T/Tan60°)μm以上
    内側に存在することを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】前記チャネル基板の側壁位置とノズルプレ
    ート下面の接着層端部位置に存在する接着層の断面形状
    が、前記ノズルプレートのノズル穴の外周下端部から前
    記チャネル基板のインクチャネルの両側壁上部に向かっ
    て拡開するテーパー構造を成すことを特徴とする請求項
    1記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】接着層の膜厚が5μm以上であることを特
    徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】複数のインクチャネルを有するチャネル基
    板と、該インクチャネルの上部を覆うノズルプレートと
    の間に接着剤を用いて接着層を設け、該ノズルプレート
    には複数のノズル穴を前記インクチャネルの上部に位置
    するように複数形成するインクジェットヘッドの製造方
    法において、 前記ノズルプレートの下面と接着層の上面が接する接着
    層端部位置が、前記チャネル基板の側壁位置よりX(但
    し、X=接着層の平均膜厚T/Tan60°)μm以上
    内側になるようにすることを特徴とするインクジェット
    ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】前記チャネル基板の側壁位置とノズルプレ
    ート下面の接着層端部位置に存在する接着層の断面形状
    が、前記ノズルプレートのノズル穴の外周下端部から前
    記チャネル基板のインクチャネルの両側壁上部に向かっ
    て拡開するテーパー構造を成すように形成することを特
    徴とする請求項4記載のインクジェットヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】接着層の膜厚が5μm以上であることを特
    徴とする請求項4又は5記載のインクジェットヘッドの
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013010215A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Ricoh Co Ltd 液体吐出ヘッドとその製造方法及び画像形成装置
JP5776698B2 (ja) * 2010-11-08 2015-09-09 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法

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