JP2003266460A - 合成樹脂管状物の製造方法 - Google Patents

合成樹脂管状物の製造方法

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JP2003266460A
JP2003266460A JP2002078267A JP2002078267A JP2003266460A JP 2003266460 A JP2003266460 A JP 2003266460A JP 2002078267 A JP2002078267 A JP 2002078267A JP 2002078267 A JP2002078267 A JP 2002078267A JP 2003266460 A JP2003266460 A JP 2003266460A
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Hajime Otani
肇 大谷
Yoshinobu Watanabe
義宣 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型からの離型を繰り返しても離型効率が低
下せず、平滑な外表面を有する合成樹脂管状物の製造方
法を提供する。 【解決手段】 合成樹脂溶液を金型の内周面に塗布して
皮膜を形成する工程、前記皮膜中の溶媒を少なくとも一
部蒸発させてフィルムを得る工程、得られたフィルムを
金型から離型する工程、次いで、前記フィルムに芯材を
挿入して硬化する工程を含む合成樹脂管状物の製造方法
において、前記離型工程は、前記金型全体を冷却した後
に前記フィルムの表面側から加湿することにより、水分
がフィルムを透過してフィルムと金型との間に水層を形
成させた状態で金型より離型することを特徴とする合成
樹脂管状物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
プリンタ、ファクシミリ、またはこれらの複合機等に用
いる中間転写体などの合成樹脂管状物の製造方法に関
し、詳しくは、金型より樹脂フィルムを離型するときに
破損しない方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式の画像形成装置
用の回転部材としてロールやドラムが用いられてきた。
近年、装置の小型化等を解決するために、これらの部材
に代わって合成樹脂製のベルトが実用に供されている。
このような用途に用いられる合成樹脂製ベルトには、耐
熱性樹脂が用いられる。たとえば、耐熱性樹脂として、
ポリカーボネートやエチレンテトラフルオロエチレン共
重合体等の熱可塑性樹脂を用いたもの(特開平10−1
0880号公報、特開2000−25097号公報等)
や、熱硬化性樹脂である耐熱性樹脂を用いたものが提案
されている。これら耐熱性樹脂のなかでもポリイミド樹
脂を用いたシームレスベルトが耐熱性、耐久性の点で優
れている。
【0003】これらシームレスベルトの製造方法では、
円筒型の金型の外面に耐熱性樹脂材料溶液を塗布し、さ
らに中空リングを通過させることにより所定の厚さに仕
上げた後に、加熱、乾燥により焼き付けを行いフィルム
化する方法、または中空金型の内面に耐熱性樹脂材料溶
液を所定の厚さになるように塗布した後、加熱、乾燥に
より焼き付けを行いフィルム化する方法等により耐熱性
樹脂材料を固化した固化ベルトを得る工程を有する。
【0004】前記工程において、フィルムを金型から剥
離させる方法に着目すると、固化の途中で管状物を金型
から剥離し、支持体に移し替えてフィルム化を完成させ
る方法が採用されている(特開昭60−166424号
公報、特開平7−156287号公報、特開2000−
271946号公報等)。これらの方法では、耐熱性樹
脂管状物を金型から離型するときには、あらかじめ金型
の表面に離型剤を塗布したり、離型性の被膜層を設け
て、離型作業を容易にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表面処
理した金型でも使用回数が増えるとともにその表面状態
が変化し、最終的には耐熱性樹脂管状物が金型から剥れ
やすくなってしまい、離型するときに破損してしまう問
題がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、金型からの離型
を繰り返しても離型効率が低下せず、平滑な外表面を有
する合成樹脂管状物の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す方法により
前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0008】即ち、本発明の合成樹脂管状物の製造方法
は、合成樹脂溶液を金型の内周面に塗布して皮膜を形成
する工程、前記皮膜中の溶媒を少なくとも一部蒸発させ
てフィルムを得る工程、得られたフィルムを金型から離
型する工程、次いで、前記フィルムに芯材を挿入して硬
化する工程を含む合成樹脂管状物の製造方法において、
前記離型工程は、前記金型全体を冷却した後に前記フィ
ルムの表面側から加湿することにより、水分がフィルム
を透過してフィルムと金型との間に水層を形成させた状
態で金型より離型することを特徴とする。
【0009】前記合成樹脂溶液は、ポリアミド酸溶液で
あることが好ましい。
【0010】[作用効果]本発明の合成樹脂管状物の製
造方法によると、金型とフィルムとの間に形成された水
層により摩擦抵抗が大きくなり、離型時にフィルムが破
損しにくくなる。したがって、本発明の製造方法は、従
来の製造方法と比べて、同じ金型を繰り返し使用しても
離型工程が円滑に行われ、一定の品質の管状物を安定し
て製造することができる。合成樹脂溶液がポリアミド酸
溶液の場合、塗布作業性に優れるとともに、製造された
ポリイミド樹脂管状物は、平滑な外表面を有するものと
なる。このようなポリイミド樹脂管状物は、電子写真複
写機等に中間転写体として用いた場合、優れた印刷特性
を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の合成樹脂管状物の製造方
法は、合成樹脂溶液を金型の内周面に塗布して皮膜を形
成する工程、前記皮膜中の溶媒を少なくとも一部蒸発さ
せてフィルムを得る工程、得られたフィルムを金型から
離型する工程、次いで、前記フィルムに芯材を挿入して
硬化する工程を含む合成樹脂管状物の製造方法におい
て、前記離型工程は、前記金型全体を冷却した後に前記
フィルムの表面側から加湿することにより、水分がフィ
ルムを透過してフィルムと金型との間に水層を形成させ
た状態で金型より離型することを特徴とする。
【0012】金型内周面に塗布する合成樹脂溶液として
は、目的とする管状物の用途に応じて任意に選択するこ
とができ、例えばポリイミド、ポリアミド酸、ポリアミ
ドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリフェニレンスルフィドなどの溶液が挙
げられる。
【0013】これらの合成樹脂のうち、耐熱性、機械的
特性、化学的特性などの優れるスーパーエンジニアリン
グプラスチックとしてのポリイミドおよびその前駆体と
してのポリアミド酸を用いることが好ましく、特に、成
形のしやすさからポリイミド前駆体であるポリアミド酸
が好ましい。
【0014】前記合成樹脂溶液は、使用する樹脂に応じ
て適宜公知の方法により調製することができる。また、
市販のワニス等を使用することもできる。
【0015】例えば、ポリアミド酸の溶液は、テトラカ
ルボン酸二無水物成分とジアミン成分の略等モル混合物
を有機溶媒中で反応させることにより得られる。以下、
主にポリアミド酸を例にして説明する。
【0016】前記テトラカルボン酸二無水物成分として
は、耐熱性、機械的特性、化学的特性を付与する観点か
ら芳香族テトラカルボン酸二無水物(またはその誘導
体)が好ましい。このような芳香族テトラカルボン酸二
無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物な
どが挙げられる。
【0017】前記ジアミン成分としては、耐熱性、機械
的特性、化学的特性を付与する観点から芳香族ジアミン
が好ましい。このような芳香族ジアミンの具体例として
は.4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフ
ェニルメタン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレ
ンジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジ
ジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジア
ミノジフェニルプロパン、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどが挙げられ
る。
【0018】さらに、前記有機溶媒としては溶解性等の
点から有機極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−
2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチ
レンホスホルトリアミドなどが挙げられ、これらを単独
または複数併用することもできる。これらの有機極性溶
媒にはクレゾール、フェノール、キシレノールなどのフ
ェノール類、ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化
水素類などを混合することもできる。
【0019】芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミンを反応させてポリアミド酸溶液を得る際の有機
溶媒中でのモノマ−濃度は、種々の条件に応じて設定す
ることができるが、通常5〜30重量%、好ましくは1
0〜25重量%である。反応温度は、通常80℃以下、
好ましくは5〜50℃の範囲であり、反応時間は、通常
約1〜10時間である。
【0020】重合反応の進行に従い、ポリアミド酸溶液
の溶液粘度が上昇するが、固有粘度[η]が0.5以上
のポリアミド酸を得るのが好ましい。固有粘度[η]が
0.5 以上(30℃、N−メチル−2−ピロリドン中)
のポリアミド酸を用いて形成されるポリイミド樹脂管状
物は耐熱性が特に優れているという利点がある。
【0021】前記固有粘度は、毛細管粘度計を用いてポ
リアミド酸溶液と溶媒の落下時間を各々測定し、下記式
によって算出される値である。
【0022】
【数1】[η]=(ln(t1 /t0 ))/c (式中、t0 は溶媒の落下時間、t1 は溶液の落下時
間、c は溶液中におけるポリアミド酸の濃度(g/d
l)である)。
【0023】本発明における合成樹脂溶液(特にポリア
ミド酸溶液)には、熱伝導性、導電性、帯電防止性、半
導電性、高摺動性、高強度、高弾性等の種々の目的やそ
の用途により適宜充填剤を添加してもよい。例えば、窒
化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、窒
化珪素、シリカ等の熱伝導性無機粉末や、カーボンブラ
ック、アルミニウム、ニッケル、酸化錫、チタン酸カリ
ウム等の導電性乃至半導電性粉末、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−へキ
サフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体(PFA)のフッ素樹脂等が挙げられる。充填剤
の充填量は、本発明の範囲内でその目的に応じ決定する
ことができる。
【0024】本発明の製造方法は、前記合成樹脂溶液を
金型の内周面に塗布して皮膜を形成する工程を含む。前
記合成樹脂溶液の溶液粘度は、塗布厚、金型内径、塗布
温度などに応じて適宜設定することができるが、通常約
1〜1000Pa・S(塗布工程時の温度、B型粘度計
による測定値)とし、溶液中での合成樹脂濃度は5〜3
0重量%、好ましくは10〜20重量%に設定する。
【0025】本発明の製造方法で用いる金型は、従来よ
り合成樹脂管状物の製造に用いられている金型のうち、
内面に管状物の形成面がある中空構造の円筒状金型を使
用する。円筒状金型の内径は、成形される管状物の外径
に合わせて任意に選ぶことができるが、通常10〜60
0mmである。金型の材質は、アルミニウム、ステンレ
ス等の金属、ガラスまたはセラミック等の強度、耐熱性
に優れたものが好ましい。所望により、金型の内周面に
シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの溶液塗布による離型
処理を施こす。
【0026】前記金型内周面への合成樹脂溶液の塗布
は、従来公知の方法によって行なうことができ、例えば
合成樹脂溶液中にシリンダーを浸漬して引き上げるとい
うディッピング方法や、シリンダーの片端部付近に合成
樹脂溶液を供給し、次いでスクレーパー等により繰り広
げる方法などが挙げられる。
【0027】合成樹脂溶液の塗布により形成される皮膜
の厚さは、特に制限されるものではなく、最終的に得ら
れる管状物の厚さに応じて適宜設定することができる。
【0028】次に、前記皮膜中の溶媒を少なくとも一部
蒸発させてフィルムを得る工程を行う。本発明では金型
内周面に合成樹脂溶液を塗布したのち、加熱することに
よって少なくとも溶媒の一部を蒸発させる。加熱温度
は、合成樹脂溶液の性状により適宜設定することがで
き、加熱時間は所定の溶媒含有量に達するまで行えばよ
い。
【0029】得られたフィルムを「半乾燥フィルム」と
も称する。半乾燥フィルム中の溶媒含有量は、フィルム
を金型から剥離させた場合に一定の形状を留める程度で
あればよく、使用する合成樹脂溶液の初期の溶媒含有量
により適宜設定される。例えば、所定の溶液粘度を有す
るポリアミド酸溶液の場合、前記半乾燥フィルム中の溶
媒含有量は、1〜50重量%程度であり、3〜40重量
%が好ましい。溶媒含有量が1重量%に満たないと、フ
ィルムの外表面の流動性が小さくなり、後工程で得られ
る管状物の外表面の平滑性が悪くなる傾向がある。ま
た、50重量%を超えるとフィルムの外表面の流動性が
大きくなりすぎて、均一な厚みの管状物を得ることが困
難になる傾向がある。
【0030】次に、前記半乾燥フィルムを金型から離型
する工程を行う。本発明においては、この離型工程は、
前記金型全体を冷却した後に前記フィルムの表面側から
加湿することにより、水分がフィルムを透過してフィル
ムと金型との間に水層を形成させた状態で金型より離型
する。
【0031】ここで、金型を冷却する方法としては、金
型外面から水冷式、空冷式などにより冷却する方法が挙
げられるが、冷却時間の短縮のためには水冷式が好まし
い。冷却後の金型の温度は、下記加湿温度より低くすれ
ばよく、80℃以下、好ましくは10〜40℃に設定す
る。
【0032】金型内面の合成樹脂管状物を加湿する方法
としては、超音波加湿機、スチームファン式加湿機、ス
プレー式加湿機などが挙げられるが、ゴミのなどの発生
が少ないスチームファン式加湿機が好ましい。また、加
湿温度は、加湿機と周囲の温度にもよるが、室温(25
℃)で加湿した場合は通常25〜95℃程度である。湿
度は90%、好ましくは50〜80%に設定する。金型
温度を加湿温度より低く設定して金型とフィルムとの間
に水層を形成させるため、加湿中に金型の外面を冷却し
ても問題はない。加湿時間は、水層が形成されるまで行
えばよく、通常5〜60分程度である。
【0033】加湿終了後、半乾燥フィルムを金型から離
型する。この場合、半乾燥フィルムを金型から離型する
ときにフィルムは収縮するが、フィルムと金型との間の
摩擦抵抗が大きく、破損せずに離型することができる。
【0034】次いで、前記フィルムに芯材を挿入して硬
化する工程を行う。
【0035】前記芯材としては、銅、アルミニウム、
鉄、真鍮のような金属、4フッ化エチレンのような耐熱
性プラスチック、ガラスなど特に制限なく使用すること
ができ、その形状も円柱状、円筒状、角柱状などを用い
ることができる。これらの形状のうち、本発明にて得ら
れる管状物をシームレスベルトとして用いる場合には、
円柱状(ロッド状)または円筒状(パイプ状、チューブ
状)の芯材を用いることが好ましい。円柱状または円筒
状の芯材の大きさは、半乾燥フィルムへの挿入しやすさ
からその外径が半乾燥フィルムの内径より小さいことが
好ましく、硬化温度付近での芯材の線熱膨張係数と合成
樹脂管状物の線熱膨張係数とを勘案して設定することが
好ましい。
【0036】半乾燥フィルムに芯材を挿入した後、加熱
により残留溶媒を除去し、樹脂の硬化を行って合成樹脂
管状物を得る。加熱温度および加熱時間は、半乾燥フィ
ルムの溶媒含有率及び樹脂の種類に応じて適宜設定する
ことができる。ポリアミド酸の場合、硬化工程において
脱閉環水の除去とポリイミドへの転化を完結させる。こ
のときの加熱温度は、300〜500℃、加熱時間は6
0〜10分程度である。
【0037】以上のようにして得られた合成樹脂管状物
を、芯材から取り出す。通常、室温で放冷して芯材が熱
収縮した後に取り出せばよい。
【0038】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。
【0039】(実施例1)ピロメリット酸二無水物と
4,4−ジアミノジフェニルエーテルの等モル混合物を
N−メチル−2−ピロリドンに溶解し(モノマー濃度2
0重量%)、温度10℃で10時間反応させて溶液粘度
2500Pa・S(50℃、B型粘度計)、固有粘度
2.4(30℃、ウベローデ型粘度計)のポリアミド酸
溶液を得た。
【0040】得られたポリアミド酸溶液100重量部に
対し、N−メチル−2−ピロリドンを33重量部加えて
希釈し、50℃に加温することによって、溶液粘度90
Pa・Sの溶液に調整した。次に、この溶液中に内径1
20mm、肉厚10mm、長さ50cmの鉄製の金型
(内周面が1Sに表面仕上げされており、該表面にシリ
コーン樹脂を塗布焼付けして離型処理したもの)を浸漬
し、ポリアミド酸溶液を充填して引き上げた。その後、
前記金型内に外径119.0mmの弾丸状体を20mm
/分の速度で走行させ、ポリアミド酸溶液を金型内周面
に均一な厚みで塗布した。次いで、皮膜が形成された金
型を130℃で60分間加熱し、溶媒含有量を40重量
%とした。前記金型の外表面を水冷により5℃まで冷却
した後、金型内面のポリアミド酸フィルム面に対して、
スチームファン式加湿機で温度30℃、湿度70%の加
湿空気を60分噴霧した。次に、金型内に形成されたポ
リアミド酸フィルムを剥離して引き抜いたところ、破れ
などの破損はなく、フィルムの外表面(金型内面と接す
る面)には、水滴が確認された。次に、外径118.7
mm、長さ50cmのアルミニウム製パイプを前記ポリ
アミド酸フィルムに挿入したものを熱風乾燥機に入れ、
200℃から300℃まで1時間かけて昇温加熱したの
ち、300℃で30分間加熱して、残留溶媒の除去とイ
ミド転化を行なった。得られたポリイミド樹脂管状物を
パイプごと室温まで冷却した後、前記パイプを引き抜く
ことによって、内径119.5mm、肉厚75μm、長
さ40cmのポリイミド樹脂管状物を得た。
【0041】(実施例2)実施例1において、加湿中も
金型の外表面を水冷により冷却した以外は実施例1と同
様にしてポリイミド樹脂管状物を得た。
【0042】(比較例1)実施例1において、水冷後加
湿をしないで離型したところ、フィルムに不規則なヒビ
が発生し、ポリイミド樹脂管状物は得られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H200 FA13 FA19 JC04 JC15 LC03 MA04 MA20 4F202 AA29 AC05 AG01 AG08 AH81 CA03 CB01 CM90 CN05 CR10 4F205 AA29 AC05 AG01 AG08 AH81 GA08 GB01 GC04 GF03 GF24 GN18 GN29

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂溶液を金型の内周面に塗布して
    皮膜を形成する工程、前記皮膜中の溶媒を少なくとも一
    部蒸発させてフィルムを得る工程、得られたフィルムを
    金型から離型する工程、次いで、前記フィルムに芯材を
    挿入して硬化する工程を含む合成樹脂管状物の製造方法
    において、前記離型工程は、前記金型全体を冷却した後
    に前記フィルムの表面側から加湿することにより、水分
    がフィルムを透過してフィルムと金型との間に水層を形
    成させた状態で金型より離型することを特徴とする合成
    樹脂管状物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂溶液がポリアミド酸溶液で
    ある請求項1に記載の製造方法。
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