JP2003251722A - 複合管状体及びその製造方法 - Google Patents

複合管状体及びその製造方法

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JP2003251722A
JP2003251722A JP2002057167A JP2002057167A JP2003251722A JP 2003251722 A JP2003251722 A JP 2003251722A JP 2002057167 A JP2002057167 A JP 2002057167A JP 2002057167 A JP2002057167 A JP 2002057167A JP 2003251722 A JP2003251722 A JP 2003251722A
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Tokio Fujita
時男 藤田
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、機械的特性に優れたポリイミド樹脂製
管状体の保温性を向上させることにより、より高い定着
性を有する複合管状体並びにその製造方法を提供する。 【解決手段】ポリイミド樹脂製管状内層11と、前記ポ
リイミド樹脂製管状内層11の外側に管状外層12を備
え、管状外層12はフッ素樹脂、シリコーンゴムもしく
はフッ素ゴムから構成されたものであり、ポリイミド樹
脂製管状内層11が多孔質化されたものである複合管状
体20とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、プリンター(レーザープリンター等)、ファクシ
ミリ等の画像形成装置の定着部分において好適に使用さ
れる定着ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真方式の画像形成装置にお
ける転写紙への画像定着方式の一例として、熱ロール定
着方式が公知である。この熱ロール定着方式は、図2に
示すように、定着ロール1と加圧ロール2とを上下に対
向配置し、転写紙3を両ロール1,2の間に送紙し、定
着ロール1に内蔵されるヒータ4の発熱により、転写紙
3仮着されたトナー5を融着定着させるとともに、加圧
ロール2により加圧して定着を強固にするという技術で
ある。
【0003】上記の熱ロール定着方式では、定着作業ご
とに加熱ロールの表面温度がトナーの融解温度に達する
まで待たねばならず効率が悪い。かかる問題を回避すべ
く使用時間帯に常時電源を入れておく方法では、消費電
力が極めて多くなり経済的に好ましくない。
【0004】これに対し近年においては、待ち時間短縮
と省電力のため、ベルト定着方式が開発されている。ベ
ルト定着方式としては、以下の(a),(b)の技術が
知られている。
【0005】(a)図3に示すように、互いに隔離状態
にある2つのロール7,8及びヒータ4にエンドレスの
定着ベルト10を掛け渡し、ヒータ4と対向させて加圧
ロール2を配置し、トナー5が仮着された転写紙3を定
着ベルト10と加圧ロール2の間に送紙し、トナー5を
溶融定着させて画像6を形成するという方法である。こ
の方式によれば上記定着ベルト10を極めて薄く形成し
て熱容量が小さくできるため、ヒータ4の発熱が直ちに
定着ベルト10に伝導する。従って、電源を入れると、
直ちに定着ベルト10の表面温度が所定の温度温度まで
上昇するため、待ち時間が著しく短縮されると同時に省
電力を実現できるという利点がある。このようなベルト
定着方式に用いられる定着ベルトとしてはポリイミド樹
脂製管状内層とフッ素樹脂製管状外層からなる複合管状
体(特開平3−130149号公報)等が知られてい
る。
【0006】(b)特開平4−50883号公報におい
ては、図4に示すように定着ロール1とヒーターロール
4間に定着ベルト10を掛け回し、定着ベルト10を介
して下方から定着ロール1を押圧する加圧ロール2を設
けて定着ベルト10と加圧ロール2間でトナー5が仮着
された転写紙3を定着ベルト10と加圧ロール2の間に
送紙し、トナー5を溶融定着させて画像6を形成する技
術が開示されている。このようなベルト定着方式に用い
る定着ベルトとしては耐熱性や機械的強度に優れたポリ
イミド樹脂製フィルムからなる管状体が用いられる。ま
た、3種以上のトナーを重ねて溶融混合するフルカラー
定着装置に用いる場合には、鮮明なトナー画像が得られ
るように、基材となるポリイミド系樹脂の外周面上にシ
リコーンゴム等の耐熱性弾性層を設けるものが提案され
ている(実公平4−67661号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(a)の定着ベルトでは直接ヒーターを加圧ロールで抑
えて定着するため、より高い定着性が要求されるフルカ
ラー画像形成装置の定着装置に用いる場合、本方式のベ
ルト定着では加圧ロールの圧力を充分な強さにすること
ができず、トナー定着が不十分で鮮明な画像が得られ難
いという問題を有している。
【0008】また、上記(b)の定着方式ではヒーター
ロールで定着ベルトを過熱し、定着ロールと加圧ロール
間でトナー定着を行うが、定着ベルトの熱容量が小さい
と定着部での温度低下によりトナー定着が不十分とな
り、やはり鮮明な画像が得られ難いという問題を有して
いる。
【0009】本発明はこのような事情により鑑みなされ
たものであり、耐熱性、機械的特性に優れたポリイミド
樹脂製管状体の保温性を向上させることにより、より高
い定着性を有する複合管状体並びにその製造方法の提供
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明を達成すべく、定
着ベルトの構造等を鋭意研究したところ、ポリイミド樹
脂層を多孔質化することで、ベルトの保温性を向上さ
せ、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、ポリイミド樹脂製管
状内層と、前記ポリイミド樹脂製管状内層の外側に管状
外層を備えた複合管状体であって、前記管状外層はフッ
素樹脂、シリコーンゴムもしくはフッ素ゴムから構成さ
れたものであり、前記ポリイミド樹脂製管状内層が多孔
質化されたものであることを特徴とする。
【0012】ポリイミド樹脂製管状内層を多孔質化する
ことにより、耐熱性、機械的特性に優れ、かつ保温性が
向上したことにより、より高い定着性を有するポリイミ
ド樹脂製複合管状体が得られる。
【0013】上述の発明においては、前記多孔質化され
たポリイミド樹脂管状内層は、空孔率が20〜80%で
あることが好ましい。
【0014】空孔率が20%未満の場合には、保温性が
十分に発揮されない場合があり、空孔率が80%を超え
ると、機械的強度が低下する場合がある。
【0015】本発明は、ポリイミド樹脂製管状内層と、
前記ポリイミド樹脂製管状内層の外側に管状外層を備え
た複合管状体の製造方法であって、前記管状内層は多孔
質化されたものであり、ポリアミド酸溶液にて管状内層
前駆体を形成する管状内層前駆体形成工程、前記管状内
層前駆体を凝固液に浸漬して多孔質化する浸漬工程、多
高質化された前記管状内層前駆体を加熱してポリイミド
樹脂管状内層とするイミド化工程、前記管状外層を形成
する外層形成工程を有することを特徴とする。
【0016】かかる構成の製造方法とすることにより、
多孔質化されたポリイミド樹脂管状内層を有するポリイ
ミド樹脂製複合管状体が得られ、耐熱性、機械的特性に
優れ、かつ保温性が向上したことにより、より高い定着
性を有する定着ベルトに適した複合管状体となる。
【0017】多高質化された前記管状内層前駆体に管状
外層構成材料を被覆した後にイミド化を行い、同時に管
状外層の形成を完了させてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1に本発明の定着ベルトとしての複合
管状体の一例を断面図にて示す。この図では、本発明の
定着ベルト20は管状内層11と管状外層12とからな
る複合管状体として例示されている。かかる複合管状体
において管状内層11は多孔質化されたポリイミド系樹
脂にて構成されており、好ましくは空孔率20〜80%
であり、管状外層12は耐熱性弾性体にて構成される。
【0019】複合管状体20の厚さは、ベルトとしての
特性が発揮される限り限定されるものではないが、一般
的には総厚で15〜370μmの範囲に設定するのが好
ましい。また管状内層11の厚さは10〜150μm、
管状外層の厚さは5〜20μmであることが好ましい。
【0020】上記ポリイミド樹脂製管状内層は、ポリイ
ミド樹脂前駆体であるポリアミド酸溶液を所定の型に被
覆して形成される。ポリアミド酸溶液は、例えば、テト
ラカルボン酸二無水物とジアミンの略等モルを有機極性
溶媒中で反応させて得ることができる。
【0021】このテトラカルボン酸二無水物は、下記化
1で示される化学構造を有する。
【0022】
【化1】 式中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状
脂肪族、芳香族と脂肪族を組み合わせた有機基、又はこ
れらの置換された有機基から選択される有機基である。
【0023】該テトラカルボン酸二無水物の具体例とし
ては、ピロメリット酸二無水物、3,3,4,4−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,4,4
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2 ,3 ,3 ,
4 −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、2 ,2 −ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プ
ロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−
テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボ
ン酸二無水物等が挙げられる。
【0024】テトラカルボン酸二無水物と反応させるジ
アミンの具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジア
ミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノ
ナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレン
ジアミン、3,3’−ジメチル−4 ,4 ’−ジアミノビ
フェニル、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジ
ン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジア
ミノフェニルスルホン、4 ,4 ’−ジアミノジフェニル
プロパン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)ト
ルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)
エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニ
ル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−ア
ミノペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−
m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p
−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシ
ル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレン
ジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナンメチレンジ
アミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテト
ラメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミ
ン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,1
1−ジアミノドデカン、1,2−ビス−(3−アミノプ
ロポキシ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミ
ン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジ
メチルへキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルペン
タメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミ
ン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジア
ミノエイコサジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサ
ン、1,10−ジアミノー1,10−ジメチルデカン、
1,12−ジアミノオクタデカン、2,2ビス−[ 4−
(4 −アミノフェノキシ)フェニル] プロパン、ピペラ
ジン、H2 N(CH23 O(CH22 O(CH2
3 NH22 N(CH23 S(CH23 NH2 、H2
N(CH23 N(CH3 )(CH23 NH3 等が
挙げられる。
【0025】酸成分およびジアミン成分とも、それぞれ
単独で使用してもよく、あるいは二種類以上を併用して
もよい。
【0026】上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン
を反応させる際に用いられる有機極性溶媒は、その官能
基がテトラカルボン酸二無水物またはジアミンと反応し
ない双極子を有するものを使用する。使用する有機溶媒
はまた、系に対して不活性であり、かつ生成物であるポ
リアミド酸に対して溶媒として作用しなければならな
い。しかも、反応成分の少なくとも一方、好ましくは両
者に対して溶媒として作用しなければならない。上記有
機極性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド等のN,N−ジアルキル
アミド類、、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−
ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホ
ルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジ
ン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレン
スルホン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよい
し、併せて使用しても差し支えない。さらに、上記有機
極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノール等の
フェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラ
クトン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン等を単独でもしくは2種以上を混合使用す
ることもできる。ただし、生成するポリアミド酸の加水
分解による低分子量化を防ぐため、水の使用は避けるこ
とが好ましい。
【0027】上記の有機溶剤の中でも、特にN−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジアルキルアミド類が有用
であり、N,N−ジアルキルアミド類としては例えば低
分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド等の使用が好適である。
これらは蒸発、置換または拡散によりポリアミド酸およ
びポリアミド酸成形品から容易に除去することができ
る。
【0028】本発明におけるポリイミド前駆体であるポ
リアミド酸溶液には、熱伝導性、導電性、帯電防止性、
半導電性、高摺動性、高強度、高弾性等の種々の目的や
その用途により適宜充頃剤を添加してもよい。添加剤と
しては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アル
ミナ、炭化珪素、窒化珪素、シリカ等の熱伝導性無機粉
末、カーボンブラック、アルミニウム、ニッケル、酸化
錫、チタン酸カリウム等の導電性乃至半導電性充填剤、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(F
EP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素樹脂等
が挙げられる。充填剤の充填量は、本発明の範囲内でそ
の目的に応じて適宜設定することができる。
【0029】上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン
を有機極性溶媒中で約0.5〜10時間反応させること
によりポリアミド酸溶液が得られる。反応時におけるモ
ノマー濃度は種々の要因に応じて設定できるが、通常、
約5〜30重量%である。また、反応温度は80℃以下
に設定するのが好ましく、より好ましくは50〜60℃
である。
【0030】有機極性溶媒中でテトラカルボン酸二無水
物とジアミンを反応させるとその反応の進行に伴い溶液
粘度が上昇する。本発明においてポリイミド樹脂管状内
層を形成するポリアミド酸は、対数粘度[η]が0.5
以上であることが好ましい。対数粘度[η]が0.5以
上のポリアミド酸を用いて形成されるポリイミド樹脂管
状内層は耐熱性が特に優れているという利点がある。な
お、上記対数粘度は毛細管粘度計を用いてポリアミド酸
溶液と溶媒の落下時間を各々測定し、下記数1によって
算出される値である。
【0031】 [数1]対数粘度[η]=(Ln(t1 /t0 ))/c 式中、t0 は溶媒の落下時間、t1 は溶液の落下時間、
c は溶液中におけるポリアミド酸の濃度(g/dl)で
ある。
【0032】本発明の複合管状体の製造方法について説
明する。上記ポリアミド酸溶液を用いてのポリイミド樹
脂製前駆体管状体は、具体的には、例えば次のようにし
て、製造される。 (1)管状内層前駆体形成工程 ガラスあるいは金属等の耐熱性材料からなる円筒状シリ
ンダーを準備し、この円筒状シリンダーの内周面に、予
めシリコーン処理、フッ素処理等の離型処理を施す。つ
いで、離型処理された円筒状シリンダー内周面にポリア
ミド酸溶液を塗布する。上記塗布方法としては、(i)
ポリアミド酸溶液中に上記シリンダーを浸潰した後引き
上げ塗布する方法、(ii)シリンダーの片端部付近にポ
リアミド酸溶液を供給し弾丸状または球状の走行体をシ
リンダー内周面に沿って走行させる方法の二通りが例示
される。
【0033】(2)浸漬工程 管状内層前駆体形成工程にて得られた管状内層前駆体を
多孔質化する工程としてポリアミド酸溶液の溶媒を凝固
液中にて浸漬除去する。凝固液としては上記溶媒と相溶
性を有するものであって、ポリアミド酸を溶解しない溶
剤でれば限定なく使用できる。例えば、水、メタノー
ル、エタノール、インプロピルアルコール等のアルコー
ル類及びこれらの混合液の使用が好適であり、特に水が
好適に用いられる。
【0034】(3)イミド化工程 浸漬工程において多高質化されたポリアミド酸を加熱す
ることにより溶剤除去及びイミド転化させることによ
り、多高質化された管状内層を形成させることができ
る。このイミド転化は、一部イミド転化と完全イミド転
化により行う。一部イミド化における加熱条件は、80
℃〜250℃にて20〜60分間である。形成された一
部イミド化されたポリイミド樹脂製前駆体管状体は、冷
却、円筒状シリンダーから取り外すことで得られる。得
られた一部転化ポリイミド樹脂製管状内層は、支持体金
型に入れて最終焼成工程を経て完全にイミド転化され、
ポリイミド樹脂製管状内層が形成される。この場合、上
記ポリイミド樹脂製前駆体管状体の厚みは10〜150
μmの範囲内になるよう形成するのが好ましい。
【0035】(4)外層形成工程 イミド化工程にて得られたポリイミド樹脂製管状内層の
外周面に、管状外層を構成する樹脂材料を被覆する。特
に、フルカラー定着装置に用いる定着ベルトの場合、本
発明の内層ベルトの外表面上に、カラートナーに対する
弾力性を付与するために、シリコーンゴム、フッ素ゴム
等の耐熱弾性体を付与することが好ましい。この耐熱弾
性体としては常温硬化型や低温硬化型のエラストマーを
用いることができ、特に耐熱性やトナー離型性等の目的
からシリコーンゴムまたはフッ素ゴムが好適に用いられ
る。これら耐熱弾性体を塗布する方法としては、スプレ
ーコート法、浸漬法、ブレード法等の公知の方法が適用
できる。また、基材であるポリイミド樹脂製管状内層と
耐熱弾性体からなる管状外層との間の層間接着力を向上
するために、接着層としてプライマーを設けてもよい。
プライマー層の厚さは1〜5μm程度であることが好ま
しい。
【0036】
【実施例】以下に実施例について比較例と併せて説明す
る。
【0037】<評価方法> 1)空孔率 所定の大きさに切り取った多孔質フィルムの膜厚及び重
量を測定し、目付重量から空孔率を次の式によって求め
た。式中のSは多孔質フィルムの面積、dは膜厚、Wは
測定した重量、Dはポリイミドの密度を意味し、ポリイ
ミドの密度は1.45g/m3 とした。
【0038】空孔率(%)=100−100×(W/
D)/(S×d) 2)画像定着性 複合管状体を定着ベルトとしてプリンターに組み込んで
実際に画像形成テストを行い、目視あるいはフリクショ
ンテストにより画像定着性を判断した。
【0039】<複合管状体の製造例> (実施例1)N−メチル−2−ピロリドン(NMP)6
12g中に、3,3,4,4−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物111.7gとp−フェレンジアミン4
1.1g(略等モル)を溶解し、窒素雰囲気中におい
て、室温で撹拌しながら反応させて、3000ポイズの
ポリアミド酸溶液を得た。
【0040】このポリアミド酸溶液を内径30mm、長
さ500mmの円筒状シリンダーの内周面に塗布し、弾
丸状走行体を自重により加工走行させ、次いで1500
rpmで10分間回転させて均一な塗膜厚とした後、多
孔質化を施す工程としてポリアミド酸溶液が塗布された
円筒状シリンダーに対し水を凝固液とした凝固液中に3
0分浸潰し、溶媒置換することで溶媒除去する。
【0041】次いで、フィルム自体が支持できるように
なるまで150℃にて約60分間加熱して溶媒除去と一
部イミド転化を行い、それ自体が支持できるまで硬化さ
せてポリイミド樹脂製管状前駆体とした。この管状前駆
体を金型から取り出し、パイプに差し替えた後これを3
90℃の乾燥機に入れて30分間加熱し、イミド転化の
完結反応を行い、長さ450mm、外径30mm、厚み
30μの多孔質化された管状内層に成型した。得られた
管状内層の空孔率を測定したところ、空孔率75%であ
った。
【0042】このようにして得られたポリイミド樹脂製
管状内層の外周面に系プライマーDY39−067(東
レ・ダウコーニングシリコン社製)を均一にスプレーコ
ートし、30分間風乾してプライマー層を形成した。つ
いでシリコーンゴム溶液DX35−2083A/B(東
レ・ダウコーニングシリコン社製)を上記プライマー処
理したポリイミド樹脂製管状内層の外周面にスプレーガ
ンにてスプレーした。その後、風乾にて12時間放置し
てシリコーンゴム外層を有する2層構造の複合管状体を
得た。シリコーンゴム層の厚みは120μmであった。
【0043】この複合管状体を図4に示すようなカラー
画像定着装置の定着ベルトとして用いたところ、トナー
の定着性が良好なカラー定着システムが得られ.得られ
た画像は品質の優れたものであった。
【0044】(実施例2)多孔質化を施す工程として水
とエタノールを50対50の凝固液を使用した以外は実
施例1に準じて複合管状体を得た。その時のポリイミド
樹脂製管状内層の空孔率は30%であった。
【0045】この複合管状体を実施例1と同じ画像形成
装置に定着ベルトとして用いたところ得られた画像は、
実施例1と同様に品質の優れたものであった。
【0046】(比較例1)ポリアミド酸にて形成された
前駆体管状内層を多孔質化する浸漬工程を除いた以外は
実施例1と同様にして複合管状体を得た。その時のポリ
イミド樹脂製管状内層の空孔率は2%であった。この複
合管状体を実施例1と同じ画像形成装置に定着ベルトと
して用いたところ、得られた画像は定着ムラのある品質
の悪いものであった。
【0047】
【発明の効果】本発明に係わる電子写真装置用定着ベル
トはポリイミド樹脂製管状内層として多孔質化されたベ
ルト上に耐熱弾性層を設けた定着ベルトにおいてヒータ
ーからの熱保温性を向上させることにより、安定した熱
ロール定着が可能となり、高品質の画像を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合管状体の1例を示した断面図
【図2】熱ロールと加圧ロールによるロール定着を使用
した定着装置を例示した概略図
【図3】ヒーターを加圧ロールに対向して設けたロール
定着を使用した定着装置を例示した概略図
【図4】熱ロールにて定着ベルトを加熱する方式の定着
装置の構成を示した概略図
【符号の説明】
11 ポリイミド樹脂製管状内層 12 耐熱性樹脂製管状外層 20 複合管状体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド樹脂製管状内層と、前記ポリ
    イミド樹脂製管状内層の外側に管状外層を備えた複合管
    状体であって、 前記管状外層はフッ素樹脂、シリコーンゴムもしくはフ
    ッ素ゴムから構成されたものであり、前記ポリイミド樹
    脂製管状内層が多孔質化されたものであることを特徴と
    するポリイミド樹脂製複合管状体。
  2. 【請求項2】 前記多孔質化されたポリイミド樹脂管状
    内層は、空孔率が20〜80%であることを特徴とする
    請求項1に記載のポリイミド樹脂製複合管状体。
  3. 【請求項3】 ポリイミド樹脂製管状内層と、前記ポリ
    イミド樹脂製管状内層の外側に管状外層を備えた複合管
    状体の製造方法であって、 前記管状内層は多孔質化されたものであり、 ポリアミド酸溶液にて管状内層前駆体を形成する管状内
    層前駆体形成工程、前記管状内層前駆体を凝固液に浸漬
    して多孔質化する浸漬工程、多孔質化された前記管状内
    層前駆体を加熱して多孔質化されたポリイミド樹脂管状
    内層とするイミド化工程、前記管状外層を形成する外層
    形成工程を有する複合管状体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014123121A (ja) * 2012-12-20 2014-07-03 Xerox Corp 定着器部材の製造方法

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