JP2003265589A - 脱臭方法および脱臭装置 - Google Patents

脱臭方法および脱臭装置

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JP2003265589A
JP2003265589A JP2002075957A JP2002075957A JP2003265589A JP 2003265589 A JP2003265589 A JP 2003265589A JP 2002075957 A JP2002075957 A JP 2002075957A JP 2002075957 A JP2002075957 A JP 2002075957A JP 2003265589 A JP2003265589 A JP 2003265589A
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gas
deodorizing
electron
deodorizing device
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JP2002075957A
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Beijin Miyagawa
米人 宮川
Tomomi Kumano
友巳 熊野
Kazuhiko Muramatsu
和彦 村松
Shigetoshi Ayukawa
成敏 鮎川
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】臭気成分の濃度にかかわらず確実に臭気成分を
除去し、装置構成の維持管理を容易にするとともに、効
率的かつコスト低減を図った脱臭方法および脱臭装置を
提供する。 【解決手段】臭気成分を含む気体を強制的に流通させ、
流通する気体に電子線を照射して臭気成分を分解する脱
臭方法であって、気体流路断面のほぼ中心点を通り気体
の流通方向と直交する軸線の方向に幅を有する電子線
を、前記軸線の近傍から軸線の方向と直交する方向にか
つ流通する気体の全てと交差し得る少なくとも二方向に
照射して気体に含まれている臭気成分を分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、気体に含まれて
いる臭気成分を分解処理して除去する脱臭に係る技術分
野に属する。
【0002】
【従来の技術】 従来、気体に含まれている臭気成分を
除去する脱臭技術としては、例えば、活性炭吸着法、燃
焼法、薬液洗浄法、紫外線光触媒法、プラズマ法が知ら
れている。
【0003】活性炭吸着法は、活性炭で臭気成分を吸着
させて捕捉することで、気体に含まれている臭気成分を
除去する。薬液洗浄法は、薬液に臭気成分を吸収させて
中和することで、気体に含まれている臭気成分を除去す
る。紫外線光触媒法は、フィルタで吸着した臭気成分を
紫外線で励起された酸化チタンの触媒作用により発生し
たラジカルの酸化作用で分解することで、気体に含まれ
ている臭気成分を除去する。プラズマ法は、臭気成分を
放電によるプラズマの電子衝突による直接分解および発
生したラジカルの酸化作用で分解することで、気体に含
まれている臭気成分を除去する。
【0004】また、有害物質を除去する方法として、電
子線照射による方法が知られている。この方法による有
害物質の除去は、電子線を有害物質に照射することによ
り、発生したラジカルによる酸化作用、副次的に発生す
るオゾンの酸化作用および電子衝突による直接分解で有
害物質を分解することで、気体に含まれている有害物質
を除去する。 例えば、特表平8−511698。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 前述の従来の活性炭
吸着法、薬液洗浄法からなる脱臭技術では、臭気成分の
濃度によって臭気成分の除去が充分になされなくなると
いう問題点がある。また、前述の従来の紫外線光触媒法
による脱臭技術では、気体中に水分が存在すると脱臭効
果が大幅に低下するとともに、装置、特に光触媒表面及
び紫外線ランプ表面に付着した水滴が脱臭効果を低下さ
せるため、装置を有効に稼動させるためには水滴が付着
した装置各部の洗浄、乾燥、調整が必要で維持管理が面
倒であるという問題点がある。また、前述の従来のプラ
ズマ法による脱臭技術では、装置、特に電極に付着した
水滴が脱臭効果を低下させるため、装置を有効に稼動さ
せるためには水滴が付着した装置各部の洗浄,調整が必
要で維持管理が面倒であるという問題点がある。
【0006】電子線照射による物質の分解・除去は、気
体中に水分があっても分解能力が低下せず、また装置、
特に電子線照射窓に水滴が付着しても分解能力が阻害さ
れることがないため、装置の維持管理のための洗浄、調
整といった特別な作業が不要であるという特性を有して
おり、従来有害物質の除去に利用されているが、脱臭の
目的としては使用されていない。
【0007】従来の電子線照射による物質分解方法にお
いては、流通する気体の外側から電子線を照射してい
る。流通する気体の片側から気体に向って電子線を照射
した場合、気体に入射した電子線は気体と衝突してその
エネルギーを減じながら反対側へ進む。従って、流通す
る気体において電子線入射部とは反対側の位置において
は、電子線が到達しないかあるいは到達しても電子線エ
ネルギーが低下しすぎて、気体中の物質を十分分解でき
ないおそれがある。分解不十分を避ける方法として、照
射する電子線のエネルギーを大きくする方法と流通する
気体の両側から電子線を照射する方法が知られている。
【0008】照射する電子線のエネルギーを大きくする
方法では、気体における電子線入射部とは反対側の位置
まで必要な電子線エネルギーを到達させることができる
が、装置が大きくなるとともに、気体の電子線入射側と
その反対側では電子線のエネルギーの差が大きく、気体
全体を均等に照射することができず、効率的に劣り、ひ
いてはコスト高となる。
【0009】気体の両側から電子線を照射する方法(例
えば、特表平8−511698)では、電子線の到達必
要距離が半分になるため、片側のみから照射する場合に
比べて照射する電子線のエネエルギーを小さくすること
ができる。また、気体の位置による電子線エネルギー値
の差が片側のみから照射する場合に比べて小さく、全体
的に効率的である。しかし、電子線発生源が2箇所必要
であり、コスト高となる。
【0010】従来の電子線照射による物質分解方法は、
前記のとおりコスト的に問題が有るため、有害物質分解
に比べて低コスト要求の強い脱臭事業に電子線照射は今
まで殆ど利用されていない。
【0011】本発明は、このような問題点を考慮してな
されたもので、臭気成分の濃度にかかわらず確実に臭気
成分を除去することができて装置構成の維持管理が容易
な脱臭方法と、この脱臭方法を実施するに好適な効率的
かつコスト低減を図った脱臭装置とを提供することを課
題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】 前述の課題を解決する
ため、本発明に係る脱臭方法は、次のような手段を採用
する。
【0013】即ち、請求項1に記載のように、臭気成分
を含む気体Gを強制的に流通させ、流通する気体Gに電
子線12を照射して臭気成分を分解する脱臭方法であっ
て、気体流路断面のほぼ中心点を通り気体Gの流通方向
と直交する軸線の方向に幅を有する電子線12を、前記
軸線の近傍から軸線の方向と直交する方向にかつ流通す
る気体Gの全てと交差し得る少なくとも二方向に照射し
て気体Gに含まれている臭気成分を分解する。
【0014】この手段では、電子線12の照射によって
生成させたラジカルの酸化作用、副次的に発生するオゾ
ンの酸化作用および電子衝突による直接分解で臭気成分
を分解することで、気体Gに含まれている臭気成分を除
去する。気体Gの強制的な流通は、臭気成分の連続的な
分解処理を可能にする。電子線12の照射量は、臭気成
分の濃度に対応して調整される。気体中の水分や電子線
照射窓11に付着した水滴によって分解能力が阻害され
ることがないという電子線照射の特性から、気体Gの事
前の乾燥工程や装置構成の維持管理のための洗浄、調整
といった特別な作業は不要である。
【0015】さらにこの手段では、気体流路断面のほぼ
中心点を通り気体の流通方向と直交する軸線の方向に幅
を有する電子線12を、前記軸線の近傍から軸線の方向
と直交する方向にかつ流通する気体Gの全てと交差し得
る少なくとも二方向に照射して気体Gに含まれている臭
気成分を分解するため、流通する気体G全てに照射でき
ることは勿論、流通する気体Gの外側から照射する場合
に比べて電子線12の到達必要距離が半分になるため、
照射する電子線12の必要エネルギーを小さくできると
ともに、気体Gの位置による電子線エネルギー値の差が
外側1箇所のみから照射する場合に比べて小さく、全体
的に効率的である。しかも電子線発生源は1箇所である
ため、流通する気体Gの外側2箇所から照射する方法に
比べて維持管理点数が少なくなる。
【0016】さらに、前述の課題を解決するため、本発
明に係る脱臭装置は、次のような手段を採用する。
【0017】即ち、請求項2に記載のように、臭気成分
を含む気体Gが流通され臭気成分が分解される反応容器
1と、反応容器1を流通する気体Gに電子線12を照射
して臭気成分を分解する電子線照射装置5とを備えてな
る脱臭装置であって、電子線照射装置5は、電子線12
を発生し放射する電子源部4aと電子源部4aに電圧を
印加する電圧印加部4bとからなる電子線加速器4、電
子線加速器4に高圧電源を供給する高圧電源発生装置
7、電子線加速器4を冷却する冷却装置6、ならびに高
圧電源発生装置7および冷却装置6の作動を制御する制
御装置8から成り、前記電子源部4aを反応容器1内の
ほぼ中央部に配設した。
【0018】この手段では、気体Gが流通される反応容
器1内のほぼ中央部に電子源部4aを配設したので、流
通する気体Gの内部から電子線12が気体Gに向って照
射され、気体に含まれる臭気成分が分解される。
【0019】また、請求項3に記載のように、請求項2
の脱臭装置において、電子源部4aは長細形状のカソー
ドと、該カソードを覆って真空に保つ筒形の真空チャン
バ13からなり、電子源部4aの中心軸は反応容器1の
ほぼ中心点を通り気体Gの流通方向と直交する軸線に合
わせて反応容器1内に配設され、真空チャンバ13に
は、カソードの長さにほぼ等しい幅を有する電子線12
を流通する気体Gの全てと交差し得る少なくとも二方向
に照射する電子線照射窓11を有していることを特徴と
する。
【0020】この手段では、反応容器1のほぼ中心点を
通り気体Gの流通方向と直交する軸線にその中心軸を合
わせた電子源部4aから、長細形状のカソードの長さに
ほぼ等しい幅を有する電子線12を流通する気体Gの全
てと交差し得る少なくとも二方向に照射するため、反応
容器1内において電子源部4aを挟んで左右(あるいは
上下)どちらを流通する気体Gに対しても電子線12を
照射することができる。
【0021】また、請求項4に記載のように、請求項3
の脱臭装置において、電子源部4aの両端部は反応容器
1の対向する壁にそれぞれに固定され、カソードの長さ
を前記対向する壁の間隔とほぼ同等にしたことを特徴と
する。
【0022】この手段では、カソードの長さを反応容器
1の対向する壁の間隔とほぼ同等にしたので、反応容器
1の幅または高さとほぼ同じ幅の電子線12を照射し、
容器1内の上下端部(あるいは左右端部)を流通する気体
Gにまで隈なく照射する。
【0023】また、請求項5に記載の装置は、請求項2
乃至請求項4の脱臭装置と、臭気成分を含む気体Gを流
通させる配管Pと、気体Gを強制的に流通させる送気手
段とを備えた脱臭装置である。
【0024】この手段では、配管Pを経由して反応容器
1内に強制的に流通させた臭気成分を含む気体Gに電子
線12を照射し、連続的に脱臭を行なう。
【0025】また、請求項6に記載のように、請求項5
の脱臭装置において、反応容器1内で発生したオゾンを
除去するオゾン除去器2を備えたことを特徴とする。
【0026】この手段では、電子線照射により副次的に
発生するオゾンを、オゾン除去器2において吸着しある
いは他の無害な化合物に変換し、除去する。
【0027】また、請求項7に記載のように、請求項6
の脱臭装置において、電子線照射装置5の駆動エネルギ
ー源となる燃料燃焼タイプの発電装置9を備え、オゾン
除去器2において発電装置9の燃料燃焼の排熱を利用し
てオゾンを加熱分解することを特徴とする。
【0028】この手段では、電子線照射装置5の駆動源
となる発電装置9の排ガスHをオゾン除去器2に導き、
該排ガスHにより運ばれる排熱を利用してオゾンを他の
無害な化合物に変換して除去する。
【発明の実施の形態】 以下、本発明に係る脱臭方法お
よび脱臭装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】図1〜図4は本発明に係る脱臭方法及び脱
臭装置の実施形態を示すものである。
【0030】この実施形態は、図1に示すように、反応
容器1、電子線照射装置5、配管P、オゾン除去器2、
ブロア3、発電装置9の各部で構成されている。
【0031】反応容器1は、臭気成分を分解するための
容器であり、その内部のほぼ中央部に電子線照射装置5
の一部である電子線加速器4の電子源部4aが配設され
ており、配管Pを通じて反応容器1内に流通される脱臭
前の気体Gに電子源部4aから電子線12を照射して臭
気成分が分解される。
【0032】電子線照射装置5は、電子線12を発生し
放射する電子源部4aと電子源部に電圧を印加する電圧
印加部4bとからなる電子線加速器4、電子線加速器4
に高圧電源を供給する高圧電源発生装置7、電子線加速
器4を冷却する冷却装置6、ならびに冷却装置6および
高圧電源発生装置7の作動を制御する制御装置8からな
り、前記電子源部4aを反応容器1のほぼ中央部に配設
している。なお、制御装置8は、高圧電源発生装置7を
制御することにより、電子線加速器4から発生する電子
線12を間接的に制御する。
【0033】オゾン除去器2は、反応容器1の下流側に
接続されており、反応容器1内で電子線照射により副次
的に発生するオゾンを、オゾン除去器2によって吸着し
あるいは他の無害な化合物に変換し、除去する。
【0034】発電装置9は、電子線照射装置5およびブ
ロア3に電力を供給するもので、灯油等の燃料を燃焼さ
せたエネルギーを電気に変換する燃料燃焼タイプからな
る。この発電装置9における燃料燃焼の排ガスHをオゾ
ン除去器2に導き、電子線照射により副次的に発生する
オゾンを排ガスHにより運ばれる排熱を利用して加熱分
解することにより、新たなエネルギーなしでオゾンを無
害な化合物に変換し、除去することができ、脱臭作業全
体のエネルギー効率が良好になる効果がある。
【0035】ブロア3は、送気手段としてオゾン除去器
2の下流側に接続されている。このブロア3は、反応容
器1の下流側から脱臭済みの気体G’を吸引すること
で、反応容器1の上流側端から脱臭前の気体Gを導入し
て強制的に流通させる。なお、ブロア3の位置は、この
位置に限らない。
【0036】つぎに電子線12を照射する電子源部4a
について詳述する。電子源部4aは、円筒形の真空チャ
ンバ13とカソード(図示せず)で構成されている。真
空チャンバ13は電子源部4aの外周を構成してその内
部を真空に保持する。カソードは、細長形状とし、真空
チャンバ13の内部に真空チャンバ13の中心軸に沿っ
て配設している。また真空チャンバ13の一部には電子
線照射窓11を設けている。
【0037】電子線照射窓11は、主要部がチタン箔で
構成されており、このチタン箔をプラスに、またカソー
ドをマイナスに帯電させることにより、カソードから放
出された電子線はプラスの電子線照射窓11に向って進
み、電子線照射窓11に到達後チタン箔を透過して反応
容器1内を流通する気体Gに照射される。
【0038】さらに、電子線照射窓11は、前記細長形
状のカソードに対向してカソードの長さにほぼ等しい長
さを有する細長形状にしているため、電子線照射窓11
から気体Gに照射される電子線12の形状は、幅が電子
線照射窓11の長さと等しく、即ちカソードの長さにほ
ぼ等しい幅を有し、厚さが電子線照射窓11の幅に等し
い、言うなれば板状のものとなる。この板状の電子線1
2が反応容器1内を流通する気体Gに照射される。な
お、電子線照射窓11から照射される電子線12は、正
確には若干の角度をもって末広がり的に広がるものであ
るが、詳細説明および図示は省略する。
【0039】以上のとおり電子線照射窓11を設けた電
子源部4aは、その中心軸を反応容器1のほぼ中心点を
通り気体Gの流通方向と直交する軸線(本実施例では反
応容器1のほぼ中心点を通る鉛直軸)に合わせて反応容
器1の中央部に配設され、さらに真空チャンバ13に設
けた電子線照射窓11は、前記軸線の方向と直交する方
向でかつ流通する気体Gの全てと交差し得る二方向(本
実施例では、水平方向でかつ気体Gの流通方向と直交す
る方向12a、12b)に電子線12を照射するよう配
設した。このように構成することにより、1組の電子線
加速器4により、流通する気体Gの全てに対して最も確
実かつ効率的に照射できる。
【0040】なお、電子線12の照射方向は、気体Gの
流通方向と直交する方向に限らないが、流通方向に対し
て直交する方向12a、12bにすると、最も確実にか
つ効率的に照射できる。
【0041】さらに、電子線照射方向はニ方向に限ら
ず、それ以上の複数方向にしても良い。
【0042】さらに、電子源部4aの両端は、反応容器
1の対向する壁(本実施例では、反応容器の上下の壁)
に固定され、カソードの長さは前記対向する壁の間隔
(本実施例では反応容器1の内部高さ)とほぼ同等にし
ている。電子線照射窓11は、カソードに対向してカソ
ードの長さにほぼ等しい長さを有する細長形状にしてい
るため、電子線照射窓11から照射される電子線12
は、反応容器1内の上下端部あるいは左右端部(本実施
例では、反応容器1の上端部および下端部)を流通する
気体Gに対しても、漏れなく照射できる。
【0043】冷却装置6は、電子線加速器4に接続され
ている。この冷却装置6は、水冷式からなるもので、冷
却水を電子線加速器4に流して循環させ、電子線により
加熱された電子線照射窓11を冷却し、電子線12の連
続的な照射を可能にする。
【0044】臭気成分を確実かつ最低限のエネルギーで
分解するため、反応容器1より上流側の配管Pに臭気セ
ンサー10を設け、該センサーからの信号を制御装置8
に入力することにより、臭気成分の濃度に応じて電子線
12のエネルギーを必要十分な範囲に調整してもよい。
なお、電子線12のエネルギーは調整せず一定にしてお
き、代わりに流通する気体Gの流速を調整してもよい。
さらに、反応容器1より下流側の配管Pに臭気センサー
(図示せず)を設けて脱臭結果を確認してもよいし、ま
たこの下流側の臭気センサーからの信号に応じて電子線
12のエネルギーを調整するようにしてもよい。
【0045】この実施形態では、発電装置9がブロア3
および電子線照射装置5の駆動エネルギー源となるた
め、車両に搭載して電源のない場所でも容易に脱臭作業
を行なうことができる。
【0046】
【発明の効果】 以上のように、本発明に係る脱臭方法
および脱臭装置は、電子線の照射により臭気成分を分解
するため、臭気成分の濃度に対応して電子線の照射量を
調整することができ、臭気成分の濃度にかかわらず気体
に含まれている臭気成分を確実に除去できる効果があ
る。また、気体中の水分や電子線照射窓に付着した水滴
によって分解能力が阻害されることがないないという電
子線照射の特性から、気体の事前の乾燥工程や装置構成
の維持管理のための洗浄、調整といった特別な作業が不
要である。従って、装置構成の維持管理が容易である。
【0047】さらに、請求項1〜3の発明では、電子線
発生源を反応容器の内部のほぼ中央部に配設し、流通す
る臭気成分を含む気体の中央部から周囲の気体に向けて
二方向に電子線を照射するため、流通する気体の外側か
ら電子線を照射する場合に比べて、電子線の到達必要距
離が半分になる。従って、照射する電子線のエネルギー
を小さくできるとともに、気体の片側(気体の外側1箇
所)から照射する場合に比べて気体の位置による電子線
エネルギー値の差が小さく、全体的に効率的である。し
かも電子線発生源は1箇所であるため、流通する気体の
外側からかつ対向する2箇所から照射する方法に比べ
て、設備費、維持費とも低減できるという効果がある。
【0048】さらに、請求項4の発明では、カソードの
長さを反応容器の対向する壁の間隔とほぼ同等にしたの
で、反応容器内の端部を流通する気体に対しても隈なく
電子線を照射し、臭気成分を確実に分解することができ
る。
【0049】さらに、請求項5の発明では、請求項2乃
至請求項4の脱臭装置と、臭気成分を含む気体を流通さ
せる配管と、気体を強制的に流通させる送気手段とを備
えた脱臭装置としたので、配管を経由して反応容器内に
強制的に流通させた臭気成分を含む気体に電子線を照射
し、連続的に脱臭を行なうことができる。
【0050】また、請求項6の発明では、オゾン除去器
を備えたので、反応容器内で副次的に発生した有害なオ
ゾンを除去することができる。
【0051】さらに、請求項7の脱臭装置では、電子線
照射装置の駆動エネルギー源となる燃料燃焼タイプの発
電装置を備えたので、この装置を車両に搭載すれば電源
のない場所でも容易に脱臭作業を行なうことができると
ともに、発電装置の燃料燃焼の排熱を利用してオゾンを
加熱分解するので、新たなエネルギーなしでオゾンを分
解することができ、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る脱臭方法および脱臭装置の実施
の形態を示す装置系統図である。
【図2】 脱臭装置の反応容器部の平面図である。
【図3】 脱臭装置の反応容器部の図2の断面A−A図
である。
【図4】 脱臭装置の反応容器部の図2、図3の断面B
−B図である。
【符号の説明】 1 反応容器 2 オゾン除去器 3 ブロア 4 電子線加速器 4a 電子源部 4b 電圧印加部 5 電子線照射装置 6 冷却装置 7 高圧電源発生装置 8 制御装置 9 発電装置 10 臭気センサー 11 電子線照射窓 12 電子線 12a 電子線の照射方向(左) 12b 電子線の照射方向(右) 13 真空チャンバ G 気体(脱臭前) G’ 気体(脱臭後) P 配管 H 排ガス
フロントページの続き (72)発明者 村松 和彦 東京都港区浜松町2丁目4番1号 川崎重 工業株式会社東京本社内 (72)発明者 鮎川 成敏 東京都港区浜松町2丁目4番1号 川崎重 工業株式会社東京本社内 Fターム(参考) 4C080 AA09 BB02 CC01 KK02 QQ11 QQ17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臭気成分を含む気体を強制的に流通さ
    せ、流通する気体に電子線を照射して臭気成分を分解す
    る脱臭方法であって、気体流路断面のほぼ中心点を通り
    気体の流通方向と直交する軸線の方向に幅を有する電子
    線を、前記軸線の近傍から軸線の方向と直交する方向に
    かつ流通する気体の全てと交差し得る少なくとも二方向
    に照射することを特徴とする脱臭方法。
  2. 【請求項2】 臭気成分を含む気体が流通され臭気成分
    が分解される反応容器と、反応容器を流通する気体に電
    子線を照射して臭気成分を分解する電子線照射装置とを
    備えてなる脱臭装置であって、電子線照射装置は、電子
    線を発生し放射する電子源部と電子源部に電圧を印加す
    る電圧印加部とからなる電子線加速器、電子線加速器に
    高圧電源を供給する高圧電源発生装置、電子線加速器を
    冷却する冷却装置、ならびに高圧電源発生装置および冷
    却装置の作動を制御する制御装置から成り、前記電子源
    部を反応容器内のほぼ中央部に配設した脱臭装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の脱臭装置において、電子源部
    は細長形状のカソードと、該カソードを覆って真空に保
    つ筒形の真空チャンバからなり、電子源部の中心軸は反
    応容器のほぼ中心点を通り気体の流通方向と直交する軸
    線に合わせて反応容器内に配設され、真空チャンバはカ
    ソードの長さにほぼ等しい幅を有する電子線を流通する
    気体の全てと交差し得る少なくとも二方向に照射する電
    子線照射窓を有していることを特徴とする脱臭装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の脱臭装置において、電子源部
    の両端部は反応容器の対向する壁にそれぞれに固定さ
    れ、カソードの長さを前記対向する壁の間隔とほぼ同等
    にしたことを特徴とする脱臭装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至請求項4の脱臭装置と、
    臭気成分を含む気体を流通させる配管と、気体を強制的
    に流通させる送気手段とを備えた脱臭装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の脱臭装置において、反応容器
    内で発生したオゾンを除去するオゾン除去器を備えたこ
    とを特徴とする脱臭装置。
  7. 【請求項7】 請求項6の脱臭装置において、電子線照
    射装置の駆動エネルギー源となる燃料燃焼タイプの発電
    装置を備え、オゾン除去器において発電装置の燃料燃焼
    の排熱を利用してオゾンを加熱分解することを特徴とす
    る脱臭装置。
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