JP2003264340A - 窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライプレーザ及び光ファイバシステム - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライプレーザ及び光ファイバシステム

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JP2003264340A
JP2003264340A JP2002065129A JP2002065129A JP2003264340A JP 2003264340 A JP2003264340 A JP 2003264340A JP 2002065129 A JP2002065129 A JP 2002065129A JP 2002065129 A JP2002065129 A JP 2002065129A JP 2003264340 A JP2003264340 A JP 2003264340A
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gallium nitride
compound semiconductor
laser
face
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Takao Yamada
孝夫 山田
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバとの光結合効率がよく、高出力で
使用でき、かつ寿命が長い窒化ガリウム系化合物半導体
レーザを提供する。 【解決手段】 本発明の窒化ガリウム系化合物半導体マ
ルチストライプレーザは、1チップ内にファブリ・ペロ
ー共振器構造を有するストライプ構造が複数形成されて
いる窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライプレー
ザであって、隣接する前記ストライプ構造の間隔がモニ
タ端面から出射端面側に向かって狭くなるように形成さ
れており、前記複数のストライプ構造の各出射光の光軸
が集光することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバとの光
結合効率のよい高出力の窒化ガリウム系化合物半導体マ
ルチストライプレーザに関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム系化合物半導体を用いたレ
ーザは、青色レーザとして注目されている。ファブリ・
ペロー共振器とストライプ構造とを有する窒化ガリウム
系化合物半導体レーザは、小型、長寿命、高信頼性かつ
形成容易なレーザであるが、高出力を出すことが容易で
はない。ある光出力以上の値で発振すると、共振器の反
射鏡として機能している出射端面およびモニタ端面が、
短時間の使用で光損傷(COD)を生じて使用不能とな
るためである。よって、端面がCODを起こす臨界光出
力密度を超えないように駆動する必要があり、高出力が
可能で長寿命のレーザは得にくい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、青色半導体レー
ザと光ファイバとを用いた技術は少ない。これは、青色
半導体レーザの出力が、CODなどによって制限されて
いることが一因である。よって、本発明では、光ファイ
バと結合させて使用することを目的として、光ファイバ
との光結合効率がよく、高出力で使用でき、かつ寿命が
長い窒化ガリウム系化合物半導体レーザを提供すること
を課題とする。また、さらなる目的は、上記のように形
成されている窒化ガリウム系化合物半導体マルチストラ
イプレーザと光ファイバとからなるシステムを提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る窒化ガリウ
ム系化合物半導体マルチストライプレーザは、1チップ
内にファブリ・ペロー共振器構造を有するストライプ構
造が複数形成されている窒化ガリウム系化合物半導体マ
ルチストライプレーザであって、隣接するストライプ構
造の間隔がモニタ端面から出射端面側に向かって狭くな
るように形成されていることを特徴とする。
【0005】本明細書における「ストライプ構造」と
は、水平方向の光閉じ込め機能を有している領域を指し
ており、利得導波型では電流狭窄領域が、屈折率導波型
では高屈折率領域がストライプ構造に相当する。つま
り、ストライプ構造を出射端面側で狭める配置とするこ
とは、それぞれのストライプ構造から発振されるレーザ
光の光軸が集光するようにしていることを意味する。本
発明のマルチストライプレーザは、複数のストライプ構
造を有するので高出力発振が可能で、さらに光軸が集光
しているため、光ファイバとの光結合効率が高い。
【0006】また、複数のストライプ構造の少なくとも
1本が、ストライプ構造の長手方向の中心線と、そのス
トライプ構造の出射端面とのなす角度が非垂直に形成さ
れており、そのように形成されているストライプ構造か
らの出射光の光軸が、複数のストライプ構造からの出射
光を合成した光線の光軸方向に屈折することで、素子と
光ファイバとの距離を近くすることができ、光結合効率
がさらに向上するので好ましい。
【0007】本発明におけるマルチストライプレーザ
は、ファブリーペロー共振器構造を有するため、ストラ
イプ構造の中心線と、そのストライプ構造の出射端面と
のなす角が87°以上93°以下で形成されていると、
端面反射が光導波路に結合しやすくなり、閾値上昇を抑
えることができるので好ましい。
【0008】本発明のマルチストライプレーザは、複数
のストライプ構造からなるストライプ構造群の形成され
ている出射端面側における全幅が、20μm以下である
と好ましい。複数のストライプ構造の全てが、出射端面
側で幅20μm以下の範囲内に形成されていると、光フ
ァイバとの光結合効率を良好に保つことができるからで
ある。
【0009】上記に記載のように形成される複数のスト
ライプ構造は、出射端面側が狭くなった扇型のような配
置となる。その扇型の広がり角度が0°より大きく90
°未満であると好ましい。光ファイバ内で光を効率よく
伝播するには、光ファイバのコアとクラッドの境界にお
いて全反射するように、光を導入する。全反射を起こす
臨界角度以下で光ファイバ内に光線を導入するために
は、扇型の広がり角度が90°未満となるように形成さ
れていると好ましい。つまり、本発明の窒化ガリウム系
化合物半導体マルチストライプレーザは、複数のストラ
イプ構造の両端に形成されている2本のストライプ構造
の長手方向に沿って引いた中心線のなす角度が0°より
大きく90°未満であると、光ファイバとの光結合効率
を良好に保てるので好ましい。さらに0°より大きく1
0°未満であると、より好ましい。
【0010】本発明の窒化ガリウム系化合物半導体マル
チストライプレーザでは、隣接するストライプ構造が出
射端面側において分離して形成されていると、ストライ
プ構造ごとに発振した光が個々に分離して出射され、そ
の結果として端面での光出力密度が下がり、レーザ寿命
が長くなるので好ましい。
【0011】劈開により端面を形成する場合、端面がC
ODを起こす臨界光出力密度が良好なので、1本のスト
ライプ構造当りの臨界出力が高くなる。よって、レーザ
チップのサイズが小さく、形成できるストライプ構造の
本数が制限されても、高出力を出すことが可能となる。
【0012】しかし、劈開で端面を形成するには、素子
を形成している窒化ガリウム系化合物半導体の劈開面を
端面と一致させることを要求される。さらに、1チップ
に形成される複数のストライプ構造の全てが、同一劈開
面の上に端面を有する構成を要求されるので、エッチン
グで形成する場合に比べて、ストライプ構造の配置方向
に制限を受ける。たとえば、ストライプ構造の中心線の
各々と、出射端面を形成している劈開面の法線とのなす
角度が0°より大きく3°以下で形成されるのが好まし
い。このように形成されたストライプ構造は、ファブリ
・ペロー共振器の発振が容易になり、閾値電流の上昇を
抑えることができるからである。
【0013】エッチングにより端面を形成する場合、劈
開によって形成された端面に比べて端面がCODを起こ
す臨界光出力密度は劣るが、端面の方向が素子および基
板の結晶劈開面に限定されないので好ましい。ストライ
プ構造の配置方向が制限を受けず、光ファイバとの光結
合効率の向上などを目的としたストライプ構造の配置が
可能となるからである。
【0014】光ファイバシステムは、1チップ内に、フ
ァブリ・ペロー共振器構造を有する複数のストライプ構
造が、隣接するストライプ構造の間隔がモニタ端面から
出射端面側に向かって狭くなるように放射状に形成され
ている窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライプレ
ーザと、光ファイバとを組合わせて成る光ファイバシス
テムであって、窒化ガリウム系化合物半導体マルチスト
ライプレーザは、発振により複数の出射光の光軸が集光
するように複数のストライプ構造が形成されており、マ
ルチストライプレーザの光軸の集光する位置よりも出射
端面側において、マルチストライプレーザと光ファイバ
とが結合されていることを特長とする。光ファイバとの
結合に好ましい位置は、光軸の集光ではなく、光線の集
光する位置である。光線の集光位置は、光軸の集光位置
よりも、出射端面側にずれているからである。なお、光
線の集光位置には、光ファイバを配置してもよく、また
光ファイバに結合させるのに用いるレンズを配置しても
よい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のマルチストライプレーザ
では、リブストライプ形、リッジストライプ形、埋め込
みストライプ形など、どのようなストライプ形でも用い
ることができる。以下の実施形態では、これらの構造の
1つであるリッジストライプ形のマルチストライプレー
ザについて説明する。リッジストライプ形では、リッジ
及びリッジ直下部分が「ストライプ構造(もしくはリッ
ジストライプ構造)」であり、リッジの幅が「ストライ
プ構造の幅」と一致する。
【0016】[実施の形態1]図1に、本発明に係る窒
化物半導体レーザの一例を示す断面図を示す。基板10
上において、InGa1-xN(0≦x<1)から成る
活性層35が、n側AlGa1−yN(0≦y<1)
層20〜30(各層毎にyの値は異なる)と、p側Al
Ga1−zN(0≦z<1)層40〜55(各層毎に
zの値は異なる)によって挟まれており、いわゆるダブ
ルへテロ構造が形成されている。
【0017】図2は、マルチストライプレーザ1の一例
を示す上面図である。リッジストライプ構造4は、図中
のリッジ5の直下も含んでいる。各々のリッジストライ
プ構造4は、1本のリッジストライプ構造と同じ性能を
有する。よって、図2のマルチストライプレーザは、3
本分のリッジストライプレーザに相当する光を出射可能
な、高出力レーザとなる。
【0018】通常、光線の集光位置は、光軸の集光位置
と一致する。しかし、光の広がりを考慮すると、レーザ
の光線Bの集光位置は、光軸Aの集光位置よりレーザチ
ップ寄りとなる。図2に示すように、各々のリッジスト
ライプ構造4の出射端面6から出射されるレーザの光線
Bは、光軸Aの集光位置よりもレーザチップに近い位置
Cで集光し、ビームウエストWが現れる。従って、集光
位置Cの近傍に光ファイバ又はレンズを配置すると、3
本のリッジストライプ構造からの発光を効率よく光ファ
イバに導入することができる。
【0019】このように、1チップ内にファブリ・ペロ
ー共振器構造を有するリッジストライプ構造が複数形成
されている窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライ
プレーザであって、隣接するリッジストライプ構造4の
間隔がモニタ端面7から出射端面6側に向かって狭くな
るように放射状に形成されており、複数のリッジストラ
イプ構造4からの各出射光の光軸A〜Aが集光する
ことを特徴とする本発明のマルチストライプレーザで
は、高出力で発振可能で、光結合効率の良好な位置Cが
存在する。レンズを用いて光ファイバと結合する場合
も、集光位置Cにレンズを配置するとよい。
【0020】また、リッジストライプ構造4の中心線M
、MおよびMと、リッジストライプ構造4の出射
端面6とのなす角が87°以上93°以下で形成されて
いると、ファブリーペロー共振器において端面反射が光
導波路に結合しやすくなるため、閾値電流が低く押さえ
られるので好ましい。
【0021】複数形成されるリッジストライプ構造4
は、出射端面側が狭くなった扇型のような配置となり、
両端のリッジストライプ構造4の各中心線MとM
のなす角度φを0°より大きく90°未満になるように
形成されていると好ましい。このように形成したマルチ
ストライプレーザは、光線Bが光ファイバに入射される
とき、光線Bの入射角度が、光ファイバのコアとクラッ
ドの境界において全反射するような角度とすることがで
きる。よって、光ファイバと結合しやすく光結合効率の
よいマルチストライプレーザとなる。さらに角度φが0
°より大きく10°未満であると、より好ましい。
【0022】図7(a)は図2のマルチストライプレー
ザの出射端面6面側からの側面図である。複数のリッジ
ストライプ構造で構成されるリッジストライプ構造群の
出射端面側における幅をDとする。この幅Dが狭いほど
光線Bの広がりが狭くなり、光ファイバとの結合性が良
好になる。特に、幅Dが20μm以下となるよう形成さ
れていると、光ファイバ内に入射する光の割合が多くな
るので好ましい。
【0023】図7(b)は、従来の1本のリッジストラ
イプ構造4からなるレーザの側面図である。図7(b)
のレーザを駆動した場合、出射端面の近視野像(NF
P)は1つのスポットになる。レーザ光は、スポットp
の中心部分pに出力が集中するため、1スポット当り
の光出力が増加すると、pの部分でCODが起こりや
すくなる。他方、図2に図示した3本のリッジストライ
プ構造4を有するマルチストライプレーザを発振させる
と、図7(a)のNFPは3つのスポットpに分離す
る。各スポットpは、図7(b)のスポットに比べて光
出力が1/3となるので、スポットpの中心部分p
おける光出力も1/3となる。よって、出射端面が分離
しているマルチストライプレーザは、p部分における
CODが起こりにくく、高出力で寿命の長いレーザとな
るので好ましい。
【0024】以下、図1に示す本発明の窒化ガリウム系
化合物半導体マルチストライプレーザについて、構造の
詳細を説明する。基板10としては、GaNなどの窒化
物半導体を用いることが好ましいが、窒化物半導体と異
なる異種基板を用いても良い。異種基板としては、例え
ば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサフ
ァイア、スピネル(MgA124のような絶縁性基板、
SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、
GaAs、Si、及び窒化物半導体と格子整合する酸化
物基板等、窒化物半導体を成長させることが可能で従来
から知られており、窒化物半導体と異なる基板材料を用
いることができる。好ましい異種基板としては、サファ
イア、スピネルが挙げられる。また、異種基板は、オフ
アングルしていてもよく、この場合ステップ状にオフア
ングルしたものを用いると窒化ガリウムからなる下地層
が結晶性よく成長するため好ましい。
【0025】異種基板を用いる場合には、バッファ層
(低温成長層)15を介して、素子構造を形成すると、
窒化物半導体の成長が良好なものとなる。また、異種基
板上に設ける下地層(成長基板)として、その他に、EL
OG(Epitaxially Laterally Overgrowth)成長させた窒化
物半導体を用いると結晶性が良好な成長基板が得られ
る。ELOG成長層の具体例としては、異種基板上に、窒化
物半導体層を成長させ、その表面に窒化物半導体の成長
が困難な保護膜を設けるなどして形成したマスク領域
と、窒化物半導体を成長させる非マスク領域を、ストラ
イプ状に設け、その非マスク領域から窒化物半導体を成
長させることで、膜厚方向への成長に加えて、横方向へ
の成長が成されることにより、マスク領域にも窒化物半
導体が成長して成膜された層などがある。その他の形態
では、異種基板上に成長させた窒化物半導体層に開口部
を設け、その開口部側面から横方向への成長がなされ
て、成膜される層でもよい。
【0026】基板10上には、バッファ層15を介し
て、n側窒化物半導体層であるn側コンタクト層20、
クラック防止層21、n側クラッド層25、及びn側光
ガイド層30が示されている。n側クラッド層25を除
く他の層は、素子によっては省略することもできる。n
側窒化物半導体層は、少なくとも活性層と接する部分に
おいて活性層よりも広いバンドギャップを有することが
必要であり、そのためにAlを含む組成であることが好
ましい。また、各層は、n型不純物をドープしながら成
長させてn型としても良く、またアンドープで成長させ
ても良い。
【0027】n型窒化物半導体層20〜30の上には、
活性層35が形成されている。活性層35は、単一量子
井戸(SQW)構造でもよいが、Inx1Ga1-x2
井戸層(0<x<1)とInx2Ga1-x2N障壁層
(0≦x<1、x>x)が適当な回数だけ交互に
繰り返し積層されたMQW構造を有してもよい。MQW
では、井戸層はアンドープで形成されており、最終障壁
層を除く全ての障壁層はSi、Sn等のn型不純物が好
ましくは1×1017〜1×1019cm−3の濃度で
ドープして形成されている。
【0028】活性層35の上には、p側窒化物半導体層
として、p型電子閉じ込め層40、p側光ガイド層4
5、p側クラッド層50、p側コンタクト層55が形成
されている。p側クラッド層50を除く他の層は、素子
によっては省略することもできる。p側窒化物半導体層
40〜55は、少なくとも活性層35と接する部分にお
いて活性層よりも広いバンドギャップを有することが必
要であり、そのためにAlを含む組成であることが好ま
しい。また、各層は、p型不純物をドープしながら成長
させてp型としても良いし、隣接する他の層からp型不
純物を拡散させてp型としても良い。
【0029】p型電子閉じ込め層40は、p側クラッド
層50よりも高いAl混晶比を持つp型窒化物半導体か
ら成り、好ましくはAlGa1-xN(0.1<x<
0.5)なる組成を有する。また、Mg等のp型不純物
が高濃度で、好ましくは5×1017〜1×1019
-3の濃度でドープされている。これにより、p型電
子閉じ込め層40は、電子を活性層中に有効に閉じ込め
ることができ、レーザの閾値を低下させる。また、p型
電子閉じ込め層40は、30〜200Å程度の薄膜で成
長させれば良く、薄膜であればp側光ガイド層45やp
側クラッド層50よりも低温で成長させることができ
る。したがって、p型電子閉じ込め層40を形成するこ
とにより、p側光ガイド層45等を活性層35の上に直
接形成する場合に比べて、Inを含む活性層の分解を抑
制することができる。
【0030】p側窒化物半導体層40〜55のうち、p
型光ガイド層45の途中まで、複数のリッジ5が形成さ
れて複数のリッジストライプ構造4を形成している。そ
の後、第2の保護膜62、p電極65、n電極70、絶
縁層75、pパット電極80、及びnパット電極85が
形成されて半導体レーザが構成されている。
【0031】[実施の形態2]図3に、本発明にかかる
窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライプレーザの
1例を示す。実施の形態1とは、出射端面6の方向のみ
異なっている。図3の窒化ガリウム系化合物半導体マル
チストライプレーザは、両端のストライプ構造の出射端
面6とリッジストライプ構造4の中心線MおよびM
とのなす角度θ およびθが直角ではないため、スネ
ルの法則に従って屈折し、光軸AおよびAが中心線
およびMからずれる。このとき、角度θは、スト
ライプ構造からの出射光の光軸が、複数のストライプ構
造からの出射光を合成した光線の光軸αに向かって屈折
するような角度に形成されいるとよい。光軸Aの集光位
置の移動によって、光線Bの集光位置C’も出射端面6
に近くなり、ビームウエストW’を狭くすることができ
る。従って、集光位置C’の近傍に光ファイバを配置す
ると、光ファイバ内に導入される光の割合が増え、光結
合効率を向上させることができる。
【0032】[実施の形態3]図4は、実施の形態3の
マルチストライプレーザを説明する図である。リッジス
トライプ構造4の出射端面6及びモニタ端面7が劈開表
面を利用して形成されている。複数のレーザが形成され
たウエハを個々のチップにする時に劈開が行われるが、
そのときの劈開面が端面となるようにストライプが形成
される。劈開面は平坦性が良好なため、劈界面を端面と
して使用するとCODを起こす臨界光出力密度の高い端
面となる。従って、1本のストライプ当りのレーザ光の
臨界出力が高くなり、ストライプの本数が少なく高出力
のレーザが形成できる。ストライプ構造の本数が少ない
と、消費電力を押さえることができ、またチップサイズ
を小さくできるので好ましい。
【0033】リッジストライプ構造と、その端面との間
には、好ましい角度関係がある。劈開面は結晶の限定さ
れた方向に存在しているので、劈開端面が形成できる方
向は、窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶成長の時点
で決定される。よって、端面との間に好ましい角度関係
を要求されたリッジストライプ構造4では、劈界面を基
準にして形成方向が制限される。また、複数の射出端面
6は同一の劈開面で形成されるので、各々が平行ではな
い複数のリッジストライプ構造4を有するマルチストラ
イプレーザでは、リッジストライプ構造4の中心線
、M、Mの全てが端面6と直交することは不可
能となる。
【0034】本実施形態では劈開面を基準としてストラ
イプ構造の方向が決定され、ストライプ構造が形成され
る。レーザチップの分割によって劈開端面が形成される
と、図4に示すとおり、ストライプ構造の出射端面6と
リッジストライプ構造4の中心線MおよびMとのな
す角度θおよびθは垂直にはならない。光軸A
よびAは、スネルの法則に従って屈折する。よって、
実施の形態2と同様に、光線Bの集光位置C’が中心線
Mの交点より出射端面6側となり、ビームウエストW’
が狭くなる利点がある。
【0035】劈開を用いた端面を有するマルチストライ
プレーザには、劈開面を基準としたストライプ構造の配
置についての好ましい範囲が限定される。図5は、図4
の出射端面6近傍を拡大した図であるが、劈開によって
端面を形成する場合には、リッジストライプ構造4の中
心線Mと出射端面6を形成している劈開面Eの法線Hと
のなす角度ξが0°より大きく3°以下であると好まし
い。端面反射が光導波路に結合しやすく、閾値電流を抑
えることができるからである。
【0036】なお、本実施形態は、端面を形成する方法
が異なる以外は、実施の形態1および2と同様である。
【0037】[実施の形態4]図6は、本発明にかかる
窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライプレーザの
1例である。実施の形態1ないし3のマルチストライプ
レーザ1における複数のリッジストライプ構造4が、出
射端面側で一体化し、モニタ端面側では分岐しているマ
ルチストライプレーザである。出射端面6およびモニタ
端面7は、劈開によって形成されてもよく、エッチング
によって形成されてもよい。出射端面6は幅広の単一ス
トライプレーザと同様になっているので、出射端面6の
NFPは図7(b)のスポットpと類似の単一スポット
形状をとり、光結合効率の良好なレーザとなる。
【0038】このマルチストライプレーザで発光した光
は、光閉じ込め領域から滲み出すので、NFPのスポッ
トpの水平方向の直径Pは、リッジストライプ構造4
の幅Dよりいくらか大きくなる。図6に図示した構造
は、単一ストライプレーザに比べると、NFPのスポッ
トpが広がりやすく、直径Pが大きくなる傾向にあ
る。特にスポットの中心部Pが顕著に広がり光密度が
低下するので、単一ストライプレーザよりCODに強い
利点がある。実施の形態1ないし3と比べればCODを
起こしやすいことから、中出力で使用する場合に好まし
いマルチストライプレーザである。
【0039】
【実施例】[実施例1]以下、実施例として、図1に示
すようなレーザ素子構造の窒化物半導体を用いたレーザ
素子について、説明する。
【0040】(基板10)基板として、異種基板に成長
させた窒化物半導体、本実施例ではGaNを厚膜(10
0μm)で成長させた後、異種基板を除去して、80μ
mのGaNからなる窒化物半導体基板を用いる。基板の
詳しい形成方法は、以下の通りである。2インチφ、C
面を主面とするサファイアよりなる異種基板をMOVP
E反応容器内にセットし、温度を500℃にして、トリ
メチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)を用
い、GaNよりなるバッファ層を200Åの膜厚で成長
させ、その後、温度を上げて、アンドープのGaNを
1.5μmの膜厚で成長させて、下地層とする。次に、
下地層表面にストライプ状のマスクを複数形成して、マ
スク開口部(窓部)から窒化物半導体、本実施例ではG
aNを選択成長させて、横方向の成長を伴った成長(E
LOG)により成膜された窒化物半導体層を、さらに厚
膜で成長させて、異種基板、バッファ層、下地層を除去
して、窒化物半導体基板を得る。この時、選択成長時の
マスクは、SiO2からなり、マスク幅15μm、開口
部(窓部)幅5μmとする。
【0041】(バッファ層15)窒化物半導体基板の上
に、バッファ層成長後、温度を1050℃にして、TM
G(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミ
ニウム)、アンモニアを用い、Al0.05Ga0.95Nより
なるバッファ層15を4μmの膜厚で成長させる。この
層は、AlGaNのn側コンタクト層20と、GaNか
らなる窒化物半導体基板との間で、バッファ層として機
能する。次に、窒化物半導体からなる下地層の上に、素
子構造となる各層を積層する。
【0042】(n側コンタクト層20)次に得られたバ
ッファ層15上にTMG、TMA、アンモニア、不純物
ガスとしてシランガスを用い、1050℃でSiドープ
したAl0.05Ga0.95Nよりなるn型コンタクト層20
を4μmの膜厚で成長させる。
【0043】(クラック防止層21)次に、TMG、T
MI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温
度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなるクラッ
ク防止層21を0.15μmの膜厚で成長させる。な
お、このクラック防止層は省略可能である。
【0044】(n側クラッド層25)次に、温度を10
50℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニ
アを用い、アンドープのAl0.05Ga0.95NよりなるA
層を25Åの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、
不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×10
18/cmドープしたGaNよりなるB層を25Åの
膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞれ200
回繰り返してA層とB層の積層し、総膜厚1μmの多層
膜(超格子構造)よりなるn側クラッド層25を成長さ
せる。この時、アンドープAlGaNのAl混晶比とし
ては、0.05以上0.3以下の範囲であれば、十分に
クラッド層として機能する屈折率差を設けることができ
る。
【0045】(n側光ガイド層30)次に、同様の温度
で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドー
プのGaNよりなるn側光ガイド層30を0.15μm
の膜厚で成長させる。また、n型不純物をドープしても
よい。
【0046】(活性層35)次に、温度を800℃にし
て、原料ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TM
G及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガス
を用い、Siを5×1018/cmドープしたIn
0.05Ga0.95Nよりなる障壁層(B)を140Åの膜厚
で、シランガスを止め、アンドープのIn0.1Ga0.9
よりなる井戸層(W)を40Åの膜厚で、この障壁層
(B)、井戸層(W)を、(B)/(W)/(B)/
(W)の順に積層する。最後に最終障壁層として、原料
ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TMG及びア
ンモニアを用い、アンドープのIn0. 05Ga0.95Nを成
長させる。活性層35は、総膜厚約500Åの多重量子
井戸構造(MQW)となる。
【0047】(p型電子閉込め層40)次に、同様の温
度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用
い、不純物ガスとしてCpMg(シクロペンタジエニ
ルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cm
ドープしたAl0.3Ga0.7Nよりなるp型電子閉込層4
0を100Åの膜厚で成長させる。この層は、特に設け
られていなくても良いが、設けることで電子閉込めとし
て機能し、閾値の低下に寄与するものとなる。
【0048】(p側光ガイド層45)次に、温度を10
50℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用
い、アンドープのGaNよりなるp側光ガイド層45を
0.15μmの膜厚で成長させる。このp側光ガイド層
45は、アンドープとして成長させるが、p型電子閉込
め層40、p側クラッド層50等の隣接層からのMgの
拡散により、Mg濃度が5×1016/cm3となりp
型を示す。またこの層は成長時に意図的にMgをドープ
しても良い。
【0049】(p側クラッド層50)続いて、1050
℃でアンドープAl0.05Ga0.95Nよりなる層を25Å
の膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、Cp2Mgを
用いて、MgドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で
成長させ、それを90回繰り返して総膜厚0.45μm
の超格子層よりなるp側クラッド層50を成長させる。
クラッド層は少なくとも一方がAlを含む窒化物半導体
層を含み、互いにバンドギャップエネルギーが異なる窒
化物半導体層を積層した超格子で作製した場合、不純物
はいずれか一方の層に多くドープして、いわゆる変調ド
ープを行うと結晶性が良くなる傾向にあるが、両方に同
じようにドープしても良い。p側クラッド層50は、A
lを含む窒化物半導体層、好ましくはAlXGa1-X
(0<X<1)を含む超格子構造とすることが望まし
く、さらに好ましくはGaNとAlGaNとを積層した
超格子構造とする。p側クラッド層50を超格子構造と
することによって、クラッド層全体のAl混晶比を上げ
ることができるので、クラッド層自体の屈折率が小さく
なり、さらにバンドギャップエネルギーが大きくなるの
で、閾値を低下させる上で非常に有効である。さらに、
超格子としたことにより、クラッド層自体に発生するピ
ットが超格子にしないものよりも少なくなるので、ショ
ートの発生も低くなる。
【0050】(p側コンタクト層55)最後に、105
0℃で、p側クラッド層50の上に、Mgを1×1020
/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層
55を150Åの膜厚で成長させる。p側コンタクト層
55はp型のInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X
+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをド
ープしたGaNとすれば、p電極65と最も好ましいオ
ーミック接触が得られる。コンタクト層は電極を形成す
る層であるので、1×1017/cm3以上の高キャリア濃
度とすることが望ましい。1×1017/cm3よりも低い
と電極と好ましいオーミックを得るのが難しくなる傾向
にある。さらにコンタクト層の組成をGaNとすると、
電極材料と好ましいオーミックが得られやすくなる。
【0051】以上のようにして窒化物半導体を成長させ
各層を積層した後、ウエハを反応容器から取り出し、最
上層のp型コンタクト層の表面にSiO2よりなる保護
膜を形成して、RIE(反応性イオンエッチング)を用
いSiCl4ガスによりエッチングし、図1に示すよう
に、n電極を形成すべきn側コンタクト層20の表面を
露出させると同時に、エッチング端面として共振器面と
なる出射端面6およびモニタ端面7を形成する。このよ
うに窒化物半導体を深くエッチングするには保護膜とし
てSiO2が最適である。
【0052】次に、ストライプ構造を形成するためにリ
ッジ5を形成する。図2に示すように、リッジ5は3本
とし、両端のリッジストライプ構造4の中心線M、M
のなす角度φを6°、隣接するリッジストライプ構造
4のなす角度を3°とする。各リッジストライプ構造4
の中心線M、MおよびMが出射端面6と垂直に
し、出射端面側においてリッジ群の形成される範囲の幅
Dは15μmとしてリッジ5を形成する。リッジ5の形
成方法は、まず、最上層のp側コンタクト層55(上部
コンタクト層)のほぼ全面に、PVD装置により、Si
酸化物(主として、SiO2)よりなる第1の保護膜6
1を0.5μmの膜厚で形成した後、第1の保護膜61
の上に、所定の形状のマスクをかけ、RIE(反応性イ
オンエッチング)装置により、CF4ガスを用い、フォ
トリソグラフィー技術により幅3μmの3本のストライ
プに成形して第1の保護膜61とする。この時、リッジ
5の高さ(エッチング深さ)は、p側コンタクト層5
5、およびp側クラッド層50、p側光ガイド層45の
一部をエッチングして、p側光ガイド層45の膜厚が
0.1μmとなる深さまでエッチングして、形成する。
その後、ウエハを窒素雰囲気中、700℃でアニーリン
グを行い、p型窒化ガリウム系化合物半導体層を更に低
抵抗化する。
【0053】リッジ5の形成後、第1の保護膜61の上
から、Zr酸化物(主としてZrO 2)よりなる第2の
保護膜62を、第1の保護膜61の上と、エッチングに
より露出されたp側光ガイド層45の上に0.5μmの
膜厚で連続して形成する。
【0054】第2の保護膜62形成後、ウエハを600
℃で熱処理する。このようにSiO 2以外の材料を第2
の保護膜として形成した場合、第2の保護膜成膜後に、
300℃以上、好ましくは400℃以上、窒化物半導体
の分解温度以下(1200℃)で熱処理することによ
り、第2の保護膜が第1の保護膜の溶解材料(フッ酸)
に対して溶解しにくくなるため、この工程を加えること
がさらに望ましい。
【0055】次に、ウエハをフッ酸に浸漬し、第1の保
護膜61をリフトオフ法により除去する。このことによ
り、p側コンタクト層55の上に設けられていた第1の
保護膜61が除去されて、p側コンタクト層55が露出
される。以上のようにして、図1に示すように、リッジ
5の側面、及びそれに連続する平面(p側光ガイド層4
5の露出面)に第2の保護膜62が形成される。
【0056】このように、p側コンタクト層55の上に
設けられた第1の保護膜61が除去された後、図1に示
すように、その露出したp側コンタクト層55の表面に
Ni/Auよりなるp電極65を形成する。第2の保護
膜62の形成後、既に露出させたn側コンタクト層20
の表面にはTi/Alよりなるn電極70を形成する。
【0057】次に、p電極65およびn電極70に取り
出し電極を設けるため、所望の領域にマスクし、SiO
2とTiO2よりなる絶縁体層75を設けた後、p電極6
5およびn電極70の上に、Ni−Ti−Au(100
0Å−1000Å−8000Å)よりなる取り出し(パ
ット)電極80,85をそれぞれ設けた。
【0058】以上のように形成した後、窒化物半導体の
M面(GaNのM面、(1 1- 0 0)など)でバー状に分
割して、更にバー状のウエハを分割してレーザ素子を得
る。この時、共振器長は、600μmである。
【0059】このようにして形成したマルチストライプ
レーザを駆動させると、室温において閾値4.2kA/
cm2、100〜120mWの出力において発振波長4
05nmの連続発振が確認される。光ファイバとの光結
合効率は70%であり、120mWで発振した場合、光
ファイバへの導入パワーは約84mWで、レーザ素子の
素子寿命は1500時間となる。
【0060】
【実施例2】図3に示したように、射出端面6とリッジ
ストライプ構造4とのなす角度θ,θをθ=θ
=87°とし、それ以外は、実施例1と同様にしてマル
チストライプレーザを形成する。
【0061】得られたマルチストライプレーザは、室温
において閾値4.4kA/cm2、100〜120mW
の出力において発振波長405nmの連続発振をする。
光ファイバとの光結合効率は75%であり、120mW
で発振した場合、光ファイバへの導入パワーは約90m
Wで、レーザ素子の素子寿命は1200時間となる。
【0062】
【実施例3】図4に示すように、共振器面となる出射端
面6およびモニタ端面7が劈開によって形成され、また
両端のリッジストライプ構造4の中心線M、Mのな
す角度を2°、隣接するリッジストライプ構造4のなす
角度を1°として形成し、射出端面6とリッジストライ
プ構造4とのなす角度θ,θを、θ=θ=89
°とする以外は、実施例1のマルチストライプレーザと
同様に形成される。
【0063】このように形成されたマルチストライプレ
ーザは、室温において閾値4.3kA/cm2、100
〜120mWの出力において発振波長405nmの連続
発振をする。光ファイバとの光結合効率は72%であ
り、120mWで発振した場合、光ファイバへの導入パ
ワーは約86mWで、レーザ素子の素子寿命は1400
時間となる。
【0064】
【実施例4】図6は、実施例1から3の複数のリッジス
トライプ構造4が、出射端面側で結合して一体化したレ
ーザであり、複数本の光導波路を有するので本発明のマ
ルチストライプレーザの範囲に入るものとする。モニタ
端面7側で3本に分岐したリッジストライプ構造4のう
ち、両端のリッジストライプ構造4の中心線M、M
のなす角度φを6°、隣接するリッジ5のなす角度を3
°とする。出射端面6は劈開で形成し、モニタ端面7は
劈開もしくはエッチングで形成するとよい。図6では、
モニタ端面7は、リッジストライプ構造4の中心線
、M、Mの全てが出射端面6と垂直になるよう
に、エッチングにて形成されている。分岐部のリッジ幅
は3μm、出射端面側におけるリッジの幅は9μmとす
る。それ以外は、実施例1のマルチストライプレーザと
同様に形成される。
【0065】このように形成されたマルチストライプレ
ーザは、室温において閾値4.1kA/cm2、100
〜120mWの出力において発振波長405nmの連続
発振をする。光ファイバとの光結合効率は80%であ
り、120mWで発振した場合、光ファイバへの導入パ
ワーは約98mWで、レーザ素子の素子寿命は1000
時間となる。
【0066】
【比較例1】実施例1において角度をつけて形成した3
本のリッジストライプ構造4を、平行に配置しているマ
ルチルストライプレーザを形成した。光ファイバとの光
結合効率は40%であり、120mWで発振した場合、
光ファイバへの導入パワーは約48mWで、レーザ素子
の素子寿命は1500時間となる。
【0067】
【比較例2】実施例1において幅3μmで3本形成した
リッジの代わりに、幅9μmで1本形成したリッジスト
ライプ構造4を備えるレーザを形成した。光ファイバと
の光結合効率は80%であり、120mWで発振した場
合、光ファイバへの導入パワーは約96mWで、レーザ
素子の素子寿命は800時間となる。
【0068】
【発明の効果】本発明の窒化ガリウム系化合物半導体マ
ルチストライプレーザは、高出力で、光ファイバとの光
結合効率がよいレーザであるため、光ファイバ内に高パ
ワーの光を導入することが可能である。また、同じパワ
ーの光を光ファイバに導入する場合のレーザの寿命を比
較すると、従来のレーザに比べて飛躍的に長寿命化す
る。ストライプ構造と端面とを垂直に形成した場合に
は、閾値電流を低く押さえる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る窒化ガリウム系化合物半導体マ
ルチストライプレーザの概略断面図である。
【図2】 本発明に係る窒化ガリウム系化合物半導体マ
ルチストライプレーザの1形態を示す上面図である。
【図3】 本発明に係る窒化ガリウム系化合物半導体マ
ルチストライプレーザの1形態を示す上面図である。
【図4】 本発明に係る窒化ガリウム系化合物半導体マ
ルチストライプレーザの1形態を示す上面図である。
【図5】 図4の一部分を拡大した図である。
【図6】 本発明に係る窒化ガリウム系化合物半導体マ
ルチストライプレーザの1形態を示す上面図である。
【図7】 (a)は、本発明に係る窒化ガリウム系化合
物半導体マルチストライプレーザの断面図であり、
(b)は1本のストライプ構造からなるレーザの断面図
である。
【符号の説明】
1・・・窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライプ
レーザ 4・・・ストライプ構造(リッジストライプ構造) 5・・・リッジ 6・・・出射端面 7・・・モニタ端面 10・・・基板 15・・・バッファ層 20・・・n側コンタクト層 21・・・クラック防止層 25・・・n側クラッド層 30・・・n側光ガイド層 35・・・活性層 40・・・p型電子閉じ込め層 45・・・p側光ガイド層 50・・・p側クラッド層 55・・・p側コンタクト層 61・・・第1の保護層 62・・・第2の保護層 65・・・p電極 70・・・n電極 75・・・絶縁層 80・・・pパッド 85・・・nパッド A、A、A、A・・・光軸 B・・・光線 C、C’・・・光線の集光位置 M、M、M、M・・・ストライプ構造の中心線 D・・・出射端面側のストライプ構造(群)の幅 W、W’・・・ビームウエスト p・・・近視野像(NFP) p・・・NFPの中心部 p・・・NFPの水平方向のスポット径 α・・・合成光線の光軸方向

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1チップ内に、ファブリ・ペロー共振器
    構造を有するストライプ構造が複数形成されている窒化
    ガリウム系化合物半導体マルチストライプレーザであっ
    て、 隣接する前記ストライプ構造の間隔がモニタ端面から出
    射端面側に向かって狭くなるように形成されていること
    を特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体マルチストラ
    イプレーザ。
  2. 【請求項2】 前記複数のストライプ構造の少なくとも
    1本は、前記ストライプ構造の長手方向の中心線と、前
    記ストライプ構造の出射端面とのなす角度が垂直に形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリ
    ウム系化合物半導体マルチストライプレーザ。
  3. 【請求項3】 前記複数のストライプ構造の少なくとも
    1本は、前記ストライプ構造の長手方向の中心線と、前
    記ストライプ構造の出射端面とのなす角度が非垂直に形
    成されており、 前記角度が非垂直である前記ストライプ構造からの出射
    光の光軸が、前記複数のストライプ構造からの出射光を
    合成した光線の光軸に向かう方向に屈折することを特徴
    とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体マ
    ルチストライプレーザ。
  4. 【請求項4】 前記ストライプ構造の中心線と前記スト
    ライプ構造の出射端面とのなす角が87°以上93°以
    下で形成されていることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体マ
    ルチストライプレーザ。
  5. 【請求項5】 前記複数のストライプ構造からなるスト
    ライプ構造群の出射端面側における全幅が20μm以下
    であることを特長とする請求項1ないし4のいずれか1
    項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライ
    プレーザ。
  6. 【請求項6】 前記複数のストライプ構造のうち、両端
    に形成されている2本のストライプ構造の中心線のなす
    角度が90°未満であることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体マルチストライプレーザ。
  7. 【請求項7】 前記複数のストライプ構造のうち、両端
    に形成されている2本のストライプ構造の中心線のなす
    角度が10°未満であることを特徴とする請求項1ない
    し6のいずれか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体マルチストライプレーザ。
  8. 【請求項8】 隣接する前記ストライプ構造が、出射端
    面側において離間していることを特徴とする請求項1な
    いし7のいずれか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半
    導体マルチストライプレーザ。
  9. 【請求項9】 前記ストライプ構造の出射端面及びモニ
    タ端面の少なくとも一方が劈開面で形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の
    窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライプレーザ。
  10. 【請求項10】 前記ストライプ構造の中心線の各々
    と、前記出射端面を形成している劈開面の法線とのなす
    角度が0°より大きく3°以下であることを特長とする
    請求項9に記載の窒化ガリウム系化合物半導体マルチス
    トライプレーザ。
  11. 【請求項11】 前記ストライプ構造の出射端面及びモ
    ニタ端面の少なくとも一方がエッチングで形成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に
    記載の窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライプレ
    ーザ。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の前記窒化ガリウム系
    化合物半導体マルチストライプレーザと、光ファイバと
    を組合わせて成る光ファイバシステムであって、 前記窒化ガリウム系化合物半導体マルチストライプレー
    ザは、発振により複数の出射光の光軸が集光するように
    複数の前記ストライプ構造が形成されており、 前記マルチストライプレーザの前記光軸の集光する位置
    よりも前記出射端面側において、前記マルチストライプ
    レーザと前記光ファイバとが結合されていることを特長
    とする光ファイバシステム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013145799A (ja) * 2012-01-13 2013-07-25 Sony Corp 半導体レーザ素子、及び、半導体レーザ素子の製造方法
JP2014120556A (ja) * 2012-12-14 2014-06-30 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザダイオード

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