JP2003264127A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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JP2003264127A
JP2003264127A JP2002063889A JP2002063889A JP2003264127A JP 2003264127 A JP2003264127 A JP 2003264127A JP 2002063889 A JP2002063889 A JP 2002063889A JP 2002063889 A JP2002063889 A JP 2002063889A JP 2003264127 A JP2003264127 A JP 2003264127A
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polymer
conductive
layer
group
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JP2002063889A
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Koichi Kawamura
浩一 川村
Takao Nakayama
隆雄 中山
Yoshinori Takahashi
美紀 高橋
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容量が高く、導電層の導電性及び強度に優
れ、かつ環境安定性が良好な固体電解コンデンサを提供
する。 【解決手段】 陽電極、誘電体層、導電性材料を含む親
水性グラフトポリマー鎖が存在する導電層、及び、陰電
極、をこの順に有してなることを特徴とする固体電解コ
ンデンサである。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は固体電解コンデンサ
に係り、より詳細には、高性能であり、かつ環境安定性
に優れた固体電解コンデンサに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、電解コンデンサとしては、アルミ
電解コンデンサと、タンタル電解コンデンサが用いられ
てきた。しかし、アルミ電解コンデンサでは、陰極部に
おける導電層が電解液であるため導電性が低く、また液
漏れなどの問題が発生し易いという問題があった。ま
た、固体電解コンデンサであるタンタル電解コンデンサ
は、材料が全て固体であるため液漏れの心配はないが、
導電層に用いられるMnO 2は導電性が低く、MnO2
を形成する工程も煩雑であった。上記欠点を解消するた
め、種々の導電性ポリマーや、有機導電材料(例えば、
TCNQ等の複合錯体)、などの有機導電性材料を導電
層(固体電解質層)材料として用いた各種固体電解コン
デンサが提案されてきている。 【0003】ところで、近年、エレクトロニクス機器、
携帯用電子機器等の普及に伴い、各種電子部品に対し、
長期間に亘る高信頼性の維持や、環境安定性(例えば、
外部の温度・湿度等の変化に対する安定性)について、
さらなる向上が望まれており、このことは固体電解コン
デンサについても要求されるものである。 【0004】 【発明の解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、容量が高く、導電層の導電性及び強度に優れ、かつ
環境安定性が良好な固体電解コンデンサを提供すること
にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、親水性グ
ラフトポリマー鎖の強いイオン吸着性に着眼し鋭意検討
した結果、固体電解コンデンサにおける導電層中に親水
性グラフトポリマー鎖を存在させることにより、上記目
的を達成しうることを見出し本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明の固体電解コンデンサは、陽電極、誘
電体層、導電性材料を含む親水性グラフトポリマー鎖が
存在する導電層、及び、陰電極、をこの順に有してなる
ことを特徴とする。前記導電性材料としては、電解質、
導電性粒子、又は導電性ポリマーであることが好まし
い。 【0006】本発明の作用は明確ではないが、以下の如
く推測される。即ち、本発明の電解コンデンサにおいて
は、親水性グラフトポリマー鎖が存在する導電層を設け
ており、該親水性グラフトポリマー鎖は、通常、誘電体
層表面に直接化学結合している。本発明においては、該
親水性グラフトポリマー鎖に存在する親水性基の機能に
より、導電性材料が親水性グラフトポリマー鎖にイオン
的に保持又は吸着され、これにより導電性材料が高密度
で均一に充填された導電層の形成が可能となると考えら
れる。さらには、形成された導電層は、誘電体層との密
着強度にも優れることから、コンデンサ内部において導
電層の剥離等が生じず、長期間に亘って高信頼性を維持
しうるものと考えられる。 【0007】また、本発明における親水性グラフトポリ
マー鎖は運動性が高いため、一般的な架橋高分子膜に導
電性材料を吸着させるような場合に比較して、吸着速度
が極めて早く、単位面積当たりに保持又は吸着しうる導
電性材料の量が多くなるという特徴を有する。このた
め、種々の導電性素材を用いた場合において、優れた導
電性を実現できるものと考えられる。さらに、本発明に
おける親水性グラフトポリマー鎖は、非常に高い親水性
を発現しうるものであるため、該親水性グラフトポリマ
ー鎖には自由水が強固に吸着維持され、かつ、容易に除
去されないという特徴を有する。従って、導電層が外部
の温度・湿度等の環境変動に影響され難く、環境安定性
についても優れたものとなり得る。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の固体電解コンデ
ンサについて詳細に説明する。本発明の固体電解コンデ
ンサは、陽電極、誘電体層、導電性材料を含む親水性グ
ラフトポリマー鎖が存在する導電層、及び、陰電極、を
この順に有してなり、必要に応じて上記以外の構成要素
を含むものであってもよい。以下では先ず、本発明の特
徴部分である導電性材料を含む親水性グラフトポリマー
鎖が存在する導電層について詳細に説明する。 【0009】[導電性材料を含む親水性グラフトポリマ
ー鎖が存在する導電層] 〔親水性グラフトポリマー鎖が存在する導電層〕本発明
における導電層は、導電性材料を含む親水性グラフトポ
リマー鎖が存在する層であることを要するが、層構成と
しては単層であってもよいし複数層であってもよい。 【0010】前記導電層中に存在する親水性グラフトポ
リマー鎖としては、該親水性グラフトポリマー鎖が直接
誘電体層表面に結合しているものでもよく、また誘電体
層表面にグラフトポリマーが結合しやすい中間層を設け
てその層の上に親水性ポリマーがグラフトされているも
のでもよい。さらに、本発明において「親水性グラフト
ポリマー鎖が存在する」には、上記の如く親水性グラフ
トポリマー鎖が直接誘電体層表面に結合しているものの
ほか、親水性グラフトポリマー鎖が幹高分子化合物に結
合したポリマー、若しくは、親水性グラフトポリマー鎖
が幹高分子化合物に結合し、且つ、架橋しうる官能基が
導入されたポリマーを用いて、塗布或いは塗布架橋によ
り誘電体層表面上に配置されたものや、ポリマー末端に
架橋性基を有する親水性ポリマーと架橋剤とを含む組成
物を用いて、塗布或いは塗布架橋により誘電体層表面上
に配置されたものも包含される。 【0011】本発明における親水性グラフトポリマー鎖
の特徴は、ポリマーの末端が誘電体層表面若しくは誘電
体層表面に設けられた中間層に結合し、親水性を示すグ
ラフト部分が実質的に架橋されていない構造を有するこ
とにある。この構造により親水性を発現するポリマー部
分の運動性が制限されたり、強固な架橋構造内に埋没さ
れることがなく、高い運動性を保持できるという特徴を
有する。このため、通常の架橋構造を有する親水性ポリ
マーに比較して、優れた親水性が発現されるものと考え
られる。このような親水性グラフトポリマー鎖の分子量
はMw500〜500万の範囲であり、好ましい分子量
はMw1000〜100万の範囲であり、さらに好まし
くはMw2000〜50万の範囲である. 【0012】本発明においては、親水性グラフトポリマ
ー鎖が直接誘電体層表面若しくは誘電体層表面上に設け
た中間層の上に結合しているものを「表面グラフト」と
称し、親水性グラフトポリマー鎖がポリマー架橋膜構造
の中に導入されているものを用いる場合は「親水性グラ
フト鎖導入架橋親水層」と称する。また、本発明では誘
電体層若しくは誘電体層上に中間層を設けた材料を「基
材」と称する場合がある。 【0013】<表面グラフトの作成方法>基材上に親水
性グラフトポリマー鎖を存在させる方法としては、基材
表面の官能基とグラフトポリマーとを化学結合にて付着
させる方法と、基材を基点として重合可能な2重結合を
有する化合物を重合させグラフトポリマーとする2つの
方法がある。 【0014】まず、基材表面の官能基とグラフトポリマ
ーとを化学結合にて付着させる方法について説明する。
この方法においては、ポリマーの末端若しくは側鎖に基
材と反応する官能基を有するポリマーを使用し、この官
能基と、基材表面の官能基とを化学反応させることでグ
ラフトさせることができる。基材と反応する官能基とし
ては、基材表面の官能基と反応しうるものであれば特に
限定はないが、例えば、アルコキシシランのようなシラ
ンカップリング基、イソシアネート基、アミノ基、水酸
基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、エポキ
シ基、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基な
どを挙げることができる。ポリマーの末端若しくは側鎖
に反応性官能基を有するポリマーとして特に有用な化合
物は、トリアルコキシシリル基をポリマー末端に有する
親水性ポリマー、アミノ基をポリマー末端に有する親水
性ポリマー、カルボキシル基をポリマー末端に有する親
水性ポリマー、エポキシ基をポリマー末端に有する親水
性ポリマー、イソシアネート基をポリマー末端に有する
親水性ポリマーである。また、この時に使用される親水
性ポリマーとしては、親水性であれば特に限定はない
が、具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、
ポリスチレンスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩、ポリア
クリルアミド、ポリビニルアセトアミドなどを挙げるこ
とができる。その他、以下の表面グラフト重合で使用さ
れる親水性モノマーの重合体、若しくは親水性モノマー
を含む共重合体を有利に使用することができる。 【0015】次に、基材を基点として重合可能な2重結
合を有する化合物を重合させグラフトポリマーとする方
法について説明する。基材を基点として重合可能な2重
結合を有する化合物を重合させ、グラフトポリマーを形
成させる方法は、一般的には表面グラフト重合と呼ばれ
る。表面グラフト重合法とは、プラズマ照射、光照射、
加熱などの方法で基材表面上に活性種を与え、基材と接
するように配置された重合可能な2重結合を有する化合
物を重合によって基材と結合させる方法を指す。 【0016】本発明を実現するための表面グラフト重合
法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用する
ことができる。たとえば、新高分子実験学10、高分子
学会編、1994年、共立出版(株)発行、p135に
は、表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラ
ズマ照射グラフト重合法が記載されている。また、吸着
技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発
行、p203、p695には、γ線、電子線などの放射
線照射グラフト重合法が記載されている。光グラフト重
合法の具体的方法としては、特開昭63−92658号
公報、特開平10−296895号公報及び特開平11
−119413号公報に記載の方法を使用することがで
きる。プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフ
ト重合法においては、上記記載の文献、及びY.Ika
da et al, Macromolecules
vol.19、 page 1804(1986)など
に記載の方法を適用することができる。具体的には、P
ETなどの高分子表面を、プラズマ、若しくは、電子線
にて処理して表面にラジカルを発生させ、その後、その
活性表面と親水性官能基を有するモノマーとを反応させ
ることによりグラフトポリマー表面層、即ち、親水性基
を有する表面層を得ることができる。光グラフト重合
は、上記記載の文献のほかに、特開昭53−17407
号公報(関西ペイント)や、特開2000−21231
3号公報(大日本インキ)に記載されるように、基材の
表面に光重合性組成物を塗布し、その後、水性ラジカル
重合化合物とを接触させて光を照射することによっても
実施することができる。 【0017】<表面グラフト重合するのに有用な重合可
能な2重結合を有する化合物>親水性グラフトポリマー
鎖を形成するのに有用な化合物は、重合可能な2重結合
を有しており、且つ、親水性の性質を兼ね備えているこ
とが必要である。これらの化合物としては分子内に2重
結合を有していれば、親水性ポリマーでも、親水性オリ
ゴマーでも、親水性モノマーでも、これらいずれの化合
物をも用いることができる。特に有用な化合物は親水性
モノマーである。本発明で有用な親水性モノマーとは、
アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有するモ
ノマー、若しくは、スルホン酸基、カルボキシル基、リ
ン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷
電に解離しうる酸性基を有するモノマーが挙げられる
が、その他にも、例えば、水酸基、アミド基、スルホン
アミド基、アルコキシ基、シアノ基、などの非イオン性
の基を有する親水性モノマーを用いることもできる。 【0018】本発明において、特に有用な親水性モノマ
ーの具体例としては、次のモノマーを挙げることができ
る。例えば、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ
金属塩及びアミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ
金属塩及びアミン酸塩、アリルアミン若しくはそのハロ
ゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸若しくはその
アルカリ金属塩及びアミン塩、ビニルスルホン酸若しく
はそのアルカリ金属塩及びアミン塩、スチレンスルホン
酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−スル
ホエチレン(メタ)アクリレート、3−スルホプロピレ
ン(メタ)アクリレート若しくはそのアルカリ金属塩及
びアミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、
アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート若しくはそれらの塩、2−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート若しくはそのハ
ロゲン化水素酸塩、3−トリメチルアンモニウムプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−トリメチルアンモニウム
プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N,N−トリメ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキ
シプロピル)アンモニウムクロライド、などを使用する
ことができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルアセトアミド、ポリオキシエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレートなども有用である。 【0019】<親水性グラフト鎖導入架橋親水層の作製
方法>本発明において親水性グラフト鎖が導入された架
橋親水層を設ける場合、一般的にグラフト重合体の合成
法として公知の方法を用いてグラフトポリマーを作成
し、それを架橋することで作製することができる。具体
的には、グラフト重合体の合成は“グラフト重合とその
応用”井手文雄著、昭和52年発行、高分子刊行会、及
び“新高分子実験学2、高分子の合成・反応”高分子学
会編、共立出版(株)(1995)に記載されている。 【0020】グラフト重合体の合成は、基本的に、1.
幹高分子から枝モノマーを重合させる、2.幹高分子に
枝高分子を結合させる、3.幹高分子に枝高分子を共重
合させる(マクロマー法)の3つの方法に分けられる。
本発明においては、これらの3つの方法のうち、いずれ
についても使用することができるが、特に、製造適性、
膜構造の制御という観点からは「3.マクロマー法」が
優れている。マクロマーを使用したグラフトポリマーの
合成は、前記の“新高分子実験学2、高分子の合成・反
応”高分子学会編、共立出版(株)1995に記載され
ている。また、山下雄他著“マクロモノマーの化学と工
業”アイピーシー、1989にも詳しく記載されてい
る。具体的には、アクリル酸、アクリルアミド、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビ
ニルアセトアミドなど、上記の有機架橋親水層として具
体的に記載した親水性モノマー使用して文献記載の方法
に従い親水性マクロマーを合成することができる。 【0021】本発明で使用される親水性マクロマーのう
ち特に有用なものは、アクリル酸、メタクリル酸などの
カルボキシル基含有のモノマーから誘導されるマクロマ
ー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、スチレンスルホン酸、及びその塩のモノマーから誘
導されるスルホン酸系マクロマー、アクリルアミド、メ
タクリルアミドなどのアミド系マクロマー、N−ビニル
アセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどのN−ビニ
ルカルボン酸アミドモノマーから誘導されるアミド系マ
クロマー、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキ
シエチルアクリレート、グリセロールモノメタクリレー
トなどの水酸基含有モノマーから誘導されるマクロマ
ー、メトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレ
ングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールア
クリレートなどのアルコキシ基若しくはエチレンオキシ
ド基含有モノマーから誘導されるマクロマーである。ま
た、ポリエチレングリコール鎖若しくはポリプロピレン
グリコール鎖を有するモノマーも本発明のマクロマーと
して有用に使用することができる。これらのマクロマー
のうち有用な分子量は、400〜10万の範囲、好まし
い範囲は1000〜5万、特に好ましい範囲は1500
〜2万の範囲である。分子量が400以下では効果を発
揮できず、また10万以上では主鎖を形成する共重合モ
ノマーとの重合性が悪くなる。 【0022】これらの親水性マクロマーを合成後、親水
性グラフト鎖が導入された架橋親水層を作成する一つの
方法は、上記の親水性マクロマーと反応性官能基を有す
る他のモノマーと共重合させ、グラフト共重合ポリマー
を合成しその後、合成したグラフト共重合ポリマーとポ
リマーの反応性官能基と反応する架橋剤とを基材上に塗
布し、熱により反応させて架橋させ作成する方法であ
る。また、他の方法としては、親水性マクロマーと光架
橋性基、若しくは重合性基を有するグラフトポリマーを
合成し、それを基材上に塗布して光照射により反応させ
て架橋させ作成する方法が挙げられる。 【0023】なお、基材表面の親水性が高い場合には、
親水性グラフトポリマー鎖は基材表面を完全に覆ってい
る必要はない。この場合、グラフトポリマーが基材の全
表面積に対して0.1%以上導入されれば、有効な親水
性向上効果が発現する。さらに好ましくは、グラフトポ
リマーは基材の全表面積に対して1%以上であり、10
%以上であることがより好ましい。 【0024】−基材の表面性状− 本発明における基材は、親水性の向上、或いは、その上
に設けられる誘電体層と導電性層との密着性の観点か
ら、粗面化された面であることが好ましい。以下に、本
発明で用いられる基材の好ましい表面性状の例について
説明する。前記基材表面の好ましい粗面化の状態として
は、2次元粗さパラメータの中心線平均粗さ(Ra)が
0.1〜1μm、最大高さ(Ry)が1〜10μm、十
点平均粗さ(Rz)が1〜10μm、凹凸の平均間隔
(Sm)が5〜80μm、局部山頂の平均間隔(S)が
5〜80μm、最大高さ(Rt)が1〜10μm、中心
線山高さ(Rp)が1〜10μm、中心線谷深さ(R
v)が1〜10μmの範囲が挙げられ、これらのひとつ
以上の条件を満たすものが好ましく、全てを満たすこと
がより好ましい。 【0025】上記2次元粗さパラメータは以下の定義に
基づくものである。 中心線平均粗さ(Ra):粗さ曲線から中心線の方向に
測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取りの中心線と
粗さ曲線との偏差の絶対値を算術平均した値。 最大高さ(Ry):粗さ曲線からその平均線の方向に基
準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底
線の間隔を、粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値。 十点平均粗さ(Rz):粗さ曲線からその平均値の方向
に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線か
ら縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目ま
での山頂の標高(YP)の絶対値の平均値と、最も低い
谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平
均値との和をマイクロメートル(μm)で表した値。 【0026】凹凸の平均間隔(Sm):粗さ曲線からそ
の平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り
部分において一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対
応する平均線の和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術
平均値をマイクロメートル(μm)で表した値。 局部山頂の平均間隔(S):粗さ曲線からその平均線の
方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分におい
て隣り合う局部山頂間に対応する平均線の長さを求め、
この多数の局部山頂の間隔の算術平均値をマイクロメー
トル(μm)で表した値。 最大高さ(Rt):粗さ曲線から基準長さだけ抜き取っ
た部分の中心線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだ
ときの2直線の間隔の値。 中心線山高さ(Rp):粗さ曲線からその中心線方向に
測定長さLを抜き取り、この抜き取り部分の中心線に平
行で最高の山頂を通る直線との間隔の値。 中心線谷深さ(Rv):粗さ曲線からその中心線方向に
測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心
線に平行で最深の谷底を通る直線との間隔の値。 【0027】〔導電性材料〕本発明における導電性材料
は、導電層を構成する層中に含まれ、本発明の効果を発
揮するものである限り、1種単独で用いてもよいし、2
種以上併用してもよい。また、そのような導電性材料
は、その種類及び特性に応じて、固体電解質として、或
いは、固体電解質と併用可能な他の導電性材料として含
まれる。 【0028】本発明において用いられる導電性素材とし
ては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、公
知の導電性素材、例えば、金属材料、金属酸化物半導体
材料、沃化銅などの半導体素材、導電性高分子、有機導
電体、高分子電解質、炭素粒子、炭素繊維などが挙げら
れる。これらの導電性素材の種類及び形態については、
目的に応じて適宜選択できる。 【0029】以下に、導電性材料の具体例を挙げるが、
本発明における導電性材料はこれらに限定されるもので
はない。 【0030】前記導電性材料としては、導電性粒子が好
適に用いられる。前記導電性粒子としては、導電性を有
するものであれば特に制限はなく、公知の導電性材料か
らなる微粒子を任意に選択して用いることができる。例
えば、Au、Ag、Pt、Cu、Rh、Pd、Alなど
の金属微粒子、In23、SnO 2、ZnO、Cdo、
TiO2、CdIn24、Cd2SnO2、Zn2Sn
4、In23−ZnOなどの酸化物半導体微粒子、及
びこれらに適合する不純物をドーパントさせた材料を用
いた微粒子、MgInO、CaGaOなどのスピネル形
化合物微粒子、TiN、ZrN、HfNなどの導電性窒
化物微粒子、LaBなどの導電性ホウ化物微粒子、ま
た、有機材料としては導電性高分子微粒子などが好適な
ものとして挙げられる。これらの中でも、Au、Ag、
及びPtが、電気抵抗の再現性及び強度の観点から好ま
しい。 【0031】導電性粒子の粒径は0.1nmから100
0nmの範囲であることが好ましく、1nmから100
nmの範囲であることがさらに好ましい。粒径が0.1
nmよりも小さくなると導電性が低下する傾向がある。
また、1000nmよりも大きくなると、グラフト鎖の
イオン性基とイオン的に結合する接触面積が小さくなる
ためグラフト鎖と粒子との密着が低下し、強度が劣化す
る傾向がある。 【0032】表面に高密度で正荷電を有する微粒子は、
例えば、米澤徹らの方法、すなわち、T.Yonezawa, Chem
istry Letters., 1999 page1061, T.Yonezawa, Langumu
ir 2000, vol16, 5218および米澤徹, Polymer preprint
s, Japan vol.49. 2911 (2000)に記載された方法にて作
成することができる。米澤らは金属−硫黄結合を利用
し、金属粒子表面を正荷電を有する官能基で高密度に化
学修飾できることを示している。 【0033】これらの微粒子は、基材表面のイオン性基
に吸着しうる最大量結合されることが耐久性の点で好ま
しい。また、導電性確保の観点からは、分散液の分散濃
度は、10〜20重量%程度が好ましい。 【0034】表面にイオン性基を有する基材において、
該イオン性基に前記導電性粒子を結合させる方法として
は、表面上に荷電を有する微粒子の分散液を表面グラフ
トポリマー、即ち、イオン性基を有する基材表面上に塗
布する方法、及び、表面上に荷電を有する微粒子の分散
液中にイオン性基を表面に有する基材を浸漬する方法な
どが挙げられる。塗布、浸漬のいずれの場合にも、過剰
量の導電性微粒子を供給し、イオン性基との間に十分な
イオン結合による導入がなされるために、分散液と表面
にイオン性基を有する基材との接触時間は、10秒から
180分程度であることが好ましく、1分から100分
程度であることがさらに好ましい。 【0035】また、以下に挙げる化合物は、固体電解質
として好適に用いられる。酸化物イオン導電体として、
ZrO2−15 m/o CaO,ZrO2−8 m/o Y
23,ZrO2−8 m/o Sc23,ThO2−7.5
m/o Y23,Bi23−12.5 m/o V25
Bi23−28.5 m/o Dy23,CeO2−2.
5 m/o Y23,CeO2−4 m/o Y23,La
0.8Ca0.2AlO3,CaTi0.8Al0.23;ハロゲン
化物イオン導電体として、LaF3,CaF2,PbCl
2,PbBr2;プロトン導電体として、H3Mo12PO
40・29H2O,HUO2PO4・4H2O,Zr(HPO
42・4H2O,SPE(フッ化炭素系),SrCe
0.95Yb0 .053;リチウムイオン導電体として、Li3
N,Li−β−Al23,LiI,LiI−40 m/
o Al23(混合物);ナトリウムイオン導電体とし
て、Na−β−Al23,Na−β"−Al23,Na3
Zr2PSi212;銀イオン導電体として、AgI、A
3SI、RbAg45、Ag2S;銅イオン導電体とし
て、CuBr,Rb4Cu167Cl13、が挙げられる。
これらの中でも、電気抵抗の長期安定性の観点からは、
Li−β−Al23、及びRbAg45が特に好まし
い。 【0036】さらに、導電性ポリマーも好適に使用でき
る。導電性ポリマーとしては、10-6S・cm-1以上、
好ましくは、10-1S・cm-1以上の導電性を有する化
合物であれば、いずれのものであってもよい。このよう
な導電性ポリマーとして、具体的には、置換及び非置換
の導電性ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリパラ
フェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフラン、ポ
リピロール、ポリセレノフェン、ポリイソチアナフテ
ン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセチレン、ポリ
ピリジルビニレン、ポリアジン等が挙げられる。また、
所望の導電性を達成できる範囲であれば、導電性を有し
ない他のポリマーとの混合物として用いることもできる
し、コポリマーであってもよい。これらの中でも、ポリ
ピロールが好ましい。 【0037】その他の導電性材料としては、例えば、以
下のものが挙げられる。カ−ボンブラック、コロイド質
シリカ、コロイド質アルミナ、アルミニウム、亜鉛、
銀、鉄、チタン、マンガン、コバルト、パラジウム、マ
グネシウム、錫、バリウム、インジウム、モリブテン等
の金属、及びこれらの塩化物、酸化物、臭化物、硫酸
鉛、硝酸塩、蓚酸塩等の金属塩、過塩素酸アルカリ金属
塩(例えば、過塩素酸リチウム)等、アルキルリン酸、
アルカノ−ルアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルリ
ン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキ
ルメチルアンモニウム塩、N−N一ビス(2一ヒドロキ
シエチル)アルキルアミン、アルキルスルフォン酸塩、
アルキルベンゼンスルフォン酸塩、脂肪酸コリンエステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びそのリン
酸エステル及びその塩、脂肪酸モノグリセド、脂肪酸ソ
ルビタン部分エステル等、 【0038】カオチン型高分子電解質として、ポリエチ
レンイミンハイドロクロライド、ポリ(N−メチル−4
−ビニルピリジウムクロライド)等の1.2.3級アン
モニウム塩、ポリ(2一メタアクリルオキシエチルトリ
メチルアンモニウムクロライド)ポリ(2−ハイドロオ
キシ−3−メタアクリルオキシプロピルトリメチルアン
モニウムクロライド)、ポリ(N−アクリルアミドプロ
ピル−3−トリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ
(N−メチルビニルピリジムクロライド)、ポリ(N一
ピニル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライ
ド)、ポリ(ジアリルアンモニウムクロライド)、ポリ
(N、N一ジメチル−3.5−メチレンピペリジニウム
クロライド)等の4級アンモニウム塩、ポリ(2一アク
リルオキシエチルジメチルスルホニウムクロライド)等
のスルホニウム、ポリ(グリシジルトリプチルホスフォ
ニウムクロライド)等のホスフォニウム、等; 【0039】アニオン型高分子電解質として、ポリ(メ
タ)アクリル酸、ポリアクリル酸エステル加水分解物、
ポリアクリル酸アミド加水分解物、ポリアクリル酸ニト
リル加水分解物等のカルボキシレート、ポリスチレンス
ルフォレート、ポリビニルスルフォネ一ト等のスルフォ
ネート、ポリビニルホスフォネート等のホスフォネー
ト、等が挙げられる。 【0040】上記のような導電性材料を、前記親水性グ
ラフトポリマー鎖に適用する方法としては特に限定され
ず、浸漬、塗布等、いかなる方法を用いてもよい。 【0041】以上のようにして、導電性材料を含む親水
性グラフトポリマー鎖が存在する導電層を基材上に設け
ることができる。本発明における導電層の厚さは、目的
により適宜選択できるが、一般的には10nm〜100
の範囲が好ましく、50nm〜5μmの範囲がより好ま
しい。 【0042】〔陽電極〕前記陽電極に用いる金属として
は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、若しく
はこれらを基質とする合金等、が挙げられる。また、前
記陽電極の形状としては、特に制限はなく、上記金属の
多孔質焼質体、エッチング等で表面処理がなされた板状
体(箔状、リボン状、等を含む)等、目的に応じて適宜
選択できる。 【0043】〔誘電体層〕前記誘電体層は、前記陽電極
を構成する金属自体の酸化物であり、陽電極表面を皮膜
状に被覆してなる。このような誘電体層を設ける方法と
しては、従来公知の方法を使用することができる。例え
ば、アルミニウム箔を陽電極とする場合であれば、アル
ミニウム箔の表面を電気化学的にエッチングし、さらに
ホウ酸及びホウ酸アンモニウムの水溶液中で電気化学的
に処理することにより、アルミニウム箔上にアルミナか
らなる酸化物誘電体層を形成することができる。また、
タンタル粉末の焼結体を用いる場合であれば、例えば、
リン酸水溶液中で陽電極を酸化して焼結体に酸化被膜を
形成することができる。 【0044】〔陰電極〕前記陰電極に用いられる材料と
しては、固体電解コンデンサに用いうるものであれば特
に制限はなく、例えば、カーボンペースト、銀ペースト
等の導電性ペーストなどを用いて形成される。また、陰
電極は、単層であってもよいし、複数層であってもよ
い。 【0045】 【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 〔実施例1〕 固体電解コンデンサ(1) 陽電極として、純度99.99%の厚さ100μmのア
ルミニウム箔を用い、直流、交流を交互に使用して、ア
ルミニウム箔表面を電気化学的にエッチングして、平均
孔径2μmで、比表面積15m2/gの多孔質アルミニ
ウム箔を得た。続いて、上記エッチング処理したアルミ
ニウム箔を、ホウ酸アンモニウム溶液中に浸漬し、液中
で電気化学的にアルミニウム箔上にアルミナ誘電体薄層
を形成した。 【0046】(親水性グラフトポリマーの合成例) −アミドマクロモノマーの合成− アクリルアミド30g、3−メルカプトプロピオン酸
3.8gをエタノール70gに溶解後、窒素雰囲気下6
0℃に昇温し、熱重合開始剤2,2−アゾビスイソブチ
ルニトリル(AIBN)300mgを加えて6時間反応
した。反応後白色沈殿を濾過しメタノールで十分洗浄し
て、末端カルボン酸プレポリマーを30.8g得た(酸
価0.787meq/g、分子量1.29×103)。
得られたプレポリマー20gをジメチルスルホキシド6
2gに溶解し、グリシジルメタクリレート6.71g、
N,N−ジメチルドデシルアミン(触媒)504mg、
ハイドロキノン(重合禁止剤)62.4mgを加え、窒
素雰囲気下140℃で7時間反応した。反応溶液をアセ
トンに加え、ポリマーを沈殿させ、よく洗浄して末端メ
タクリレートアクリルアミドマクロモノマーを23.4
g得た(重量平均分子量:1400)。H1−NMR
(D2O)6.12、5.70ppmメタクリロイル基
オレフィンピークと、酸価(0.057meq/g)の
減少から、末端に重合性基が導入できたことを確認し
た。 【0047】−アミドマクロモノマーを用いた親水性グ
ラフトポリマー(1)の合成− 蒸留水5gの入ったフラスコに、上記マクロモノマー4
g、メタクリル酸ナトリウム6g、2,2−アゾビス
[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](V
A061:商品名、和光純薬工業(株)製)100mg
を蒸留水17gに溶解した水溶液を窒素雰囲気下65℃
で2時間かけて滴下した。滴下終了後引き続き6時間加
熱を続けた。反応溶液をアセトンに加えポリマーを沈殿
させよく洗浄して、親水性グラフトポリマー(1)6.
95gを得た(分子量1.30×105、収率92.7
%)。 【0048】−親水性塗布液組成物の調製− 以下を均一に混合し、親水性塗布液組成物を得た。 ・(A)上記親水性グラフトポリマー(1) 2g (グラフトポリマー仕込み比から求めた架橋基のモル数 1.1mol) ・(B)架橋剤(エチレングリコールジグリシジルエーテル) 0.2g (0.23mmol) ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.24g (界面活性剤:エマルゲン910、花王(株)製(10%水溶液) ・lmol/L塩酸水溶液 8.2g ・水 11.6g 【0049】前記の如く形成された、基材であるアルミ
ナ誘電体層上に、上記親水性塗布液組成物を、乾燥後の
厚さが2μmになるように塗布し、140℃で1時間加
熱乾燥させて、基材上に親水性層Aを形成した。さら
に、過塩素酸リチウムの20wt%水溶液を、親水性層
Aに含浸させ、余剰の水溶液をゴム板でスクイズによっ
て取り除き、その後室温で24時間自然乾燥させること
により、導電層を形成した。 【0050】さらに、得られた導電層上の全面に、カー
ボンペーストを敷き、自然乾燥後、この上にさらに銀ペ
ーストで陰電極を設け、実施例の固体電解コンデンサ
(1)を得た。 【0051】〔比較例1〕 固体電解コンデンサ(2) 実施例1において、「親水性グラフトポリマー(1)」
に代えてポリビニルピロリドンの10wt%水溶液を用
い、この中に20wt%の過塩素酸リチウムを溶解して
アルミナ誘電体薄層上に電解質層(導電層)を設けた以
外は、実施例1と同様にして、比較例の固体電解コンデ
ンサ(2)を作製した。なお、比較用のサンプルとする
にあたっては、電解質層(導電層)の厚さについては実
施例1と同様に2μmであり、過塩素酸リチウムの含有
量については、電解層1cm2を採取して原子発光分析
により測定した際のリチウム濃度が、実施例1と同様に
なるものを選択した。 【0052】〔実施例2〕 固体電解コンデンサ(3) 実施例1と同様にして陽電極及び誘電体層を形成した。
導電層については、実施例1において用いた親水性塗布
液組成物を、下記のアクリル酸マクロモノマーを用いた
親水性グラフトポリマー(2)に代えた親水性塗布液組
成物に変更し、これを用いた。 【0053】−アクリル酸マクロモノマーの合成− t−ブチルアクリレート25gを、テトラヒドロフラン
(THF)60.2gに溶解し、2−メルカプトエタノ
ール508mgを加え、窒素雰囲気中60℃で6時間反
応させた。反応終了後、メタノール/水=1/1で再沈
後、ろ過、乾燥し、末端水酸基ポリマー20.3gを得
た。得られた末端水酸基ポリマー10gを、ジメチルア
セテート(DMAc)46.5gに溶解し、ハイドロキ
ノン69mg、2−メタクロイルオキシエチルイソシア
ネート1.62gを加え、70℃に昇温後、ジブチルチ
ンジラウレート19.8mgを加え、70℃で7時間反
応させた。反応終了後、メタノール/水=1/1で再沈
後、ろ過、乾燥し、マクロモノマー9.82gを得た。 【0054】−アクリル酸マクロモノマーを用いたを用
いた親水性グラフトポリマー(2)の合成− 上記マクロモノマーをMFG88gに溶解させ、濃塩酸
2.46g、水2.46gを加え、70℃に加温しなが
ら10時間反応させた。反応後、アセトンで再沈後乾燥
し、親水性グラフトポリマー(2)4.8gを得た。 【0055】−親水性塗布液組成物の調製− 以下を均一に混合し、親水性塗布液組成物を得た。 ・上記親水性グラフトポリマー(2) 2g ・エチレングリコールグリシジルエーテル 0.2g ・ポオキシエチレンフェニルエーテル 0.24g ・lmol/L塩酸水溶液 8.2g ・水 11.6g 【0056】上記親水性塗布液組成物を、基材であるア
ルミナ誘電体薄層上に、、乾燥後の厚さが1.5μmに
なるように塗布し、150℃で1時間加熱乾燥させて、
基材上に親水性層Bを形成した。 【0057】さらに、本実施例においては、金属酸化物
微粒子として、以下ようにして得られた、正電荷を有す
るAg粒子を使用した。 【0058】−正電荷を有するAg粒子− 過塩素酸銀のエタノール溶液(5mM)50mLに、ビ
ス(1,1−トリメチルアンモニウムデカノイルアミノ
エチル)ジスルフィド3gを加え、激しく攪拌しながら
水素化ホウ素ナトリウム溶液(0.4M)30mLをゆ
っくり滴下してイオンを還元し、4級アンモニウムで被
覆された銀粒子の分散液を得た。この銀粒子のサイズを
電子顕微鏡で測定したところ、平均粒径は6nmであっ
た。 【0059】得られた正電荷Ag粒子分散液中に、表面
グラフトポリマーを有する上記親水性層Bが形成された
基材を浸漬し、その後、流水で表面を充分洗浄して余分
な微粒子分散液を除去し、導電膜(導電層)を形成し
た。 【0060】さらに、得られた導電膜上の全面に、カー
ボンペーストを敷き、自然乾燥後、この上にさらに銀ペ
ーストで陰電極を設け、実施例の固体電解コンデンサ
(3)を得た。 【0061】〔実施例3〕 固体電解コンデンサ(4) 実施例2と全く同様にして、Ag粒子分散液中に浸漬す
る前までの工程を実施し、得られた基材を、アントラキ
ノン−2−スルホン酸ナトリウム・一水和物1.23g
及び三酸化鉄・6水和物4.38gを125mLの水に
溶解した溶液に浸漬し、攪拌しながらピロール0.75
mLと水125mLを混合した溶液を加えた。1時間
後、基材を取り出し、水洗し、次にアセトンで洗浄する
ことで、基材の表面に導電性ポリマーであるポリピロー
ル層が形成された。この上に、カーボンペーストを敷
き、自然乾燥後、この上にさらに銀ペーストで陰電極を
設け、実施例の固体電解コンデンサ(4)を得た。 【0062】<評価>実施例1〜3、及び比較例1の固
体電解コンデンサ(1)〜(4)の各々について、温度
及び湿度条件を変化させた環境下における、コンデンサ
の容量、導電層の導電性及び強度により評価した。結果
を表1に示す。 【0063】1.容量 容量は、10℃25%RH、20℃60%RH、及び3
0℃80%RHの環境下、100Hzにおけるコンデン
サの容量(μF)を測定することにより評価した。 【0064】2.導電性 導電性は、導電層について、10℃25%RH、20℃
60%RH、及び30℃80%RHの環境下、140k
Hzにおける導電率(S・cm-1)を測定することによ
り評価した。 【0065】3.強度 強度は、導電層について、20℃60%RHにおける鉛
筆高度を測定することにより評価した。鉛筆高度の測定
は、導電層表面の皮膜強度を、JIS G 0202に
記載の方法に準じて測定することにより行った。なお、
試験に使用した鉛筆の高度が高い程、即ち1H→4Hの
ようにHの数値が高い程、強度に優れているものと評価
される。 【0066】 【表1】 【0067】表1に示されるように、実施例の固体電解
コンデンサ(1)、(3)及び(4)は、比較例の固体
電解コンデンサ(2)よりも、低温低湿から高温高湿の
いかなる環境下においても、容量が高く、導電層の導電
性及び強度に優れたものであることが分かった。 【0068】 【発明の効果】本発明によれば、容量が高く、導電層の
導電性及び強度に優れ、かつ環境安定性が良好な固体電
解コンデンサを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 美紀 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 陽電極、誘電体層、導電性材料を含む親
    水性グラフトポリマー鎖が存在する導電層、及び、陰電
    極、をこの順に有してなることを特徴とする固体電解コ
    ンデンサ。
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