JP2003264082A - 有機led素子 - Google Patents

有機led素子

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JP2003264082A
JP2003264082A JP2002063698A JP2002063698A JP2003264082A JP 2003264082 A JP2003264082 A JP 2003264082A JP 2002063698 A JP2002063698 A JP 2002063698A JP 2002063698 A JP2002063698 A JP 2002063698A JP 2003264082 A JP2003264082 A JP 2003264082A
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Japan
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electrode
organic led
film
surface area
pixel
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JP2002063698A
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Shinji Yamana
真司 山名
Kazuo Ban
和夫 伴
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Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の発光パワーを得るための電力を小さく
でき、有機LED膜の寿命を長くできる有機LED素子
を提供すること。 【解決手段】 アクティブ駆動回路を形成した基板と、
この基板の上に形成された第1電極と、この第1電極の
上に形成され、少なくとも発光層を含む有機LED膜
と、この有機LED膜の上に形成され、発光層からの発
光波長領域の光を透過可能な第2電極とを備えた有機L
ED素子であって、第1電極と基板との間に平坦化のた
めの第1絶縁膜をさらに備え、かつ第1電極が、その表
面積を、素子の画素の表面積とアクティブ駆動回路部分
の表面積との差以上としてなる有機LED素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、有機LED素子に
関し、さらに詳しくは、アクティブ駆動回路を形成した
基板と、この基板の上に形成された第1電極と、この第
1電極の上に形成され、少なくとも発光層を含む有機L
ED膜と、この有機LED膜の上に形成され、発光層か
らの発光波長領域の光を透過可能な第2電極とを備え
た、光源やディスプレイなどに用いられる有機LED素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報社会が進展する中、薄型、軽
量、低消費電力のディスプレイに対する要望が高まって
いる。特に、自発光で高輝度、高発光効率の特性を持つ
有機LED(有機ELとも称される)については、薄
型、軽量、広視野角の、理想的な平面ディスプレイが実
現できる有力な候補として注目を集めている。既に、パ
ッシブ駆動型の有機LEDディスプレイが開発され、商
品化されているが、最近、特開平7−122360号公
報に示されるような、TFT素子を用いて駆動を行うア
クティブ駆動型の有機LEDディスプレイが提案されて
いる。この駆動方法を用いると、パッシブ駆動型に比
べ、消費電力を低減できる特徴がある。
【0003】有機LEDディスプレイの製造方法として
は、特開平11−260549号公報に提案されている
レーザー光を用いた熱転写法がある。この方法では、レ
ーザー光を数十μmまで集光させることができるので高
精細なディスプレイが実現できる点、大型基板にも対応
できる点で有望視されている。また、有機LEDディス
プレイの製造方法では、従来、低分子有機LED材料を
用いた蒸着法による有機LED膜の形成方法、又は高分
子有機LED材料を用いたインクジェット法による有機
LED膜の形成方法が開発されているが、最近、レーザ
ー光などを用いた熱転写法による有機LED膜の形成方
法が提案されている。
【0004】この方法では、低分子及び高分子材料のど
ちらでも使用でき、特にレーザー光を用いた場合、最小
20〜50μmの幅で有機LED膜を形成できるので、
従来の膜形成方法に比べ高精細な有機LEDディスプレ
イを実現することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平7−1
22360号公報、特開平10−161563号公報、
特開平11−297477号公報に提案されているよう
に、従来のアクティブ駆動型ディスプレイでは、アクテ
ィブ(駆動)回路部分と陰極とを同一基板上に並列して
形成している。
【0006】例えば、図5に示すように、アクティブ駆
動型ディスプレイは、基板41上に、アクティブ回路部
分として、N型FET42を設けるとともに、このN型
FET42にゲート電極43、さらに配線44、45を
設けている。そしてドレイン側の配線44には、陰極
(AlMg)47と、有機LED層48と、透明電極4
9とを具備する有機LED素子50を配置している。な
お、この有機LED素子50の陽極となる透明電極49
側には、カラーフィルター51を備えた透明板52が配
置されている。
【0007】以上のように、1画素内に、アクティブ回
路部分を備え、具体的には、少なくともスイッチング用
のTFT素子、駆動用のTFT素子のほか、コンデンサ
ー、データライン、スキャンライン及び電流供給ライン
を基板に形成する必要があり、形成できる陰極の表面積
の上限は、画素表面積からアクティブ回路部分の占有表
面積を引いた表面積になる。
【0008】アクティブ回路としては、特開平7−12
2362号公報に提案されているような2つのTFT素
子とコンデンサーから構成されるもの、この回路構成で
の画素間の輝度斑を改善するため、SID00Dige
st924頁(2000年)に記載されたTFT素子を
3個使用する回路構成、SID99Dig est43
8頁(1999年)に記載されたTFT素子を4個使用
する回路構成があるが、TFT素子の数が多くなるほ
ど、アクティブ回路部の占有表面積が大きくなり、陰極
の表面積が小さくなる。
【0009】有機LED素子の場合、陰極の表面積が素
子の発光表面積にほぼ対応するので、例えば画素表面積
がS(m)で、その画素に形成される有機LED素子
の表面積も同じS(m)であり、L(cd/m)の
輝度で発光している場合、発光表面積が例えば1/3に
なったとすると、同じ画素で同じ輝度L(cd/m
を得ようとすると、有機LED素子は3倍の3L(cd
/m)の輝度を発光させる必要がある。即ち、画素表
面積が一定で、陰極の表面積が小さくなると、より大き
な輝度の光を発光させなくてはならなくなり、有機LE
D膜に大きな電力を投入する必要があるため、有機LE
D膜の劣化が早くなり、ディスプレイの信頼性が悪くな
るという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、アクティブ駆動回路を形成した基板と、
この基板の上に形成された第1電極と、この第1電極の
上に形成され、少なくとも発光層を含む有機LED膜
と、この有機LED膜の上に形成され、発光層からの発
光波長領域の光を透過可能な第2電極とを備えた有機L
ED素子であって、第1電極と基板との間に平坦化のた
めの第1絶縁膜を更に備え、かつ、第1電極が、少なく
とも対応する画素のアクティブ駆動回路を覆うととも
に、その表面積を画素の表面積とアクティブ駆動回路部
分の表面積との差以上とし、有機LED膜が、その少な
くとも一つの層を熱転写方式で形成してなることを特徴
とする有機LED素子を提供する。
【0011】ここで、「対応する画素の表面積」とは、
対象にしている第1電極を含む一つの有機LED素子の
1画素または単位画素の表面積(素子の全表面積)を意
味し、従って、第1電極の表面積を、素子の画素の表面
積とアクティブ駆動回路部分の表面積との差以上とする
とは、第1電極の表面積を、その第1電極を含む一つの
有機LED素子の画素の表面積からその有機LED素子
のアクティブ駆動回路部分の表面積を差し引いた値以上
にすることを意味する。すなわち、本発明は、第1電極
と基板との間に平坦化のための第1絶縁膜をさらに備
え、かつ、第1電極が、少なくとも対応する画素のアク
ティブ駆動回路を覆うとともに、その表面積を画素の表
面積とアクティブ駆動回路部分の表面積との差以上とし
ているので、第1電極の表面積が、1画素の領域からア
クティブ回路部分の領域を差し引いた領域に制限される
ことなく、広く形成されているわけであり、それによっ
て、所定の発光パワーを得るための電力を小さくでき、
有機LED膜の寿命を長くできるというメリットがあ
る。
【0012】さらに、本発明は、有機LED膜の少なく
とも一つの層を、熱転写方式で形成している。この熱転
写方式では、例えばレーザー光を熱源として用いた場
合、レーザービーム径、強度を調整することで所望のパ
ターンの有機LED膜を精度良く形成することができる
ので、第1電極の表面積が対応する画素の表面積とアク
ティブ回路部分の表面積の差以上に大きく形成した場合
でも、隣の画素に有機LED膜が形成されることなく、
所定の画素上に精度良く形成できる。 そして、特に、
画素面積と略同じ面積の発光面積を持ち、かつ多色の混
合のないフルカラー有機LEDディスプレイが実現で
き、さらに、電極面積(発光面積)が大きいので低消費
電力化も可能になるわけである。
【0013】本発明では、第1電極は、その表面積が、
対応する画素の表面積とアクティブ回路部分の表面積の
差以上であって、第2電極側から発光を取出す構成であ
れば良く、有機LED膜の構成は、基板側から、陰極/
少なくとも発光層を含む有機LED層/発光層からの発
光波長領域の光を透過するような陽極という所謂逆積層
構成でも、陽極/少なくとも発光層を含む有機LED層
/発光層からの発光波長領域の光を透過するような陰極
という所謂順積層構成のどちらでも良い。
【0014】また、第1電極の表面積を、対応する画素
の表面積とアクティブ回路部分の表面積の差以上にする
ため、第1電極間の幅が従来のディスプレイに比べ非常
に小さくなるので、電極間での有機LED膜の被覆性が
悪くなり、特に電極エッジ部で第1電極と第2電極との
間でリークが生じ易くなる。本発明の構成では、このよ
うなリークを防ぐため、第1電極間及び第1電極のエッ
ジ部上に第2絶縁膜が設けられるのが好ましい。この構
成では、第1電極のエッジ部が第2絶縁膜でカバーされ
ているので、エッジ部で有機LED膜の膜厚が薄くなっ
たり、形成されていない箇所があっても、第1電極と第
2電極間でリークが生じることを防ぐことができる。
【0015】本発明では、第2電極は、有機LED膜形
成後、従来のようにスパッタなどの方法で形成しても良
いが、熱転写方法によりストライプ状に第2電極を形成
することで、スパッタ形成時の有機LED膜の受ける
熱、電子線によるダメージを防ぎ、従来に比べ信頼性の
高い有機LED素子、ディスプレイを実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】実施形態1 本発明に係る有機EL素子の一例の部分概略図を図1に
示す。図1(a)は、発光面である第2電極側から見た
部分概略図であり、図1(b)は図1(a)のX−Xで
切った部分断面図である。図1(a)の左端には、回路
構成だけを、中央には回路構成の上に平坦化膜(図示せ
ず)を介して第1電極1を形成したものを、右端には第
1電極(図示せず)の上に、有機LED膜(図示せ
ず)、第2電極3を形成した状態を説明のために示して
いる。
【0017】アクティブ駆動回路(以下、アクティブ回
路と略称する)は、1例として、従来、特開平7−12
2362号公報などに開示されているような、2個のT
FT素子とコンデンサーからなり、その構成を図1に示
す。データライン11と、電流供給ライン13と、これ
らのラインと直交して形成されるスキャンライン12と
に囲まれた領域、つまり1画素中に、スイッチング用T
FT素子15、駆動用TFT素子14、コンデンサー1
6が形成されている。
【0018】第1電極1は、1画素中のアクティブ回路
の構成要素であるデータライン11、電流供給ライン1
3、スキャンライン12、スイッチング用TFT素子1
5、駆動用TFT素子14、コンデンサー16の上に形
成される絶縁性の平坦化膜(第1絶縁膜)17の上に形
成され、下のアクティブ回路とは、樹脂に形成されたス
ルーホール18を通して電気的に接続される。本発明の
構成では、第1電極1は、1画素の領域(図1で破線で
囲んで示している)とアクティブ回路部分の領域の差以
上になるように形成されている(図1(a)、中央
部)。すなわち、第1電極1は、アクティブ回路の構成
要素を覆うように平坦化膜17の上に形成されているの
で、その表面積が、1画素の領域からアクティブ回路部
分の領域を差し引いた領域に制限されることなく、広く
形成されているわけである。さて、平坦化膜17は、通
常の樹脂材料、例えば熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂など
を使用して膜厚1〜50μmに形成される。
【0019】図1では、スイッチング用と駆動用の2つ
のTFT素子からなる構成を示しているが、それ以外
に、SID00Digest924頁(2000年)に
記載されたTFT素子を3個使用する回路構成、SID
99Digest438頁(1999年)に記載された
TFT素子を4個使用する回路構成を用いても良い。T
FTの材料としては、低温ポリシリコン又はCGシリコ
ンが使用できる。
【0020】隣接する第1電極1、1の間及び第1電極
1、1のエッジ部の上には、図1(b)に示すように、
絶縁膜(第2絶縁膜)19がパターン形成される。絶縁
膜材料としては、光感光性の樹脂、レジストなどの樹脂
材料やSiO,SiO2、Si34などの無機材料が使
用できる。
【0021】第1電極1、絶縁膜19の上には、有機L
ED膜2、第2電極3が形成される。有機LED膜2
は、発光層単層でも良く、多層構造でも良い。第1電極
1を陽極、第2電極を陰極とした所謂順積層多層膜構成
の場合、第1電極側1から、ホール輸送層/発光層、又
はホール注入層/ホール輸送層/発光層,または、ホー
ル注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層、又はホ
ール輸送層/発光層/電子輸送層の構成を含むように形
成されるが、これに限定されるものではない。また、第
1電極1を陰極、第2電極を陽極とした所謂逆積層多層
膜構成の場合、第1電極側1から、発光層/ホール輸送
層、又は発光層/ホール輸送層/ホール注入層,また
は、電子輸送層/発光層/ホール輸送層/ホール注入
層、又は電子輸送層/発光層/ホール輸送層の構成を含
むように形成されるが、これに限定されるものではな
い。各層の厚みは通常、1nm〜500nmに形成され
る。
【0022】有機LED材料としては、低分子材料と高
分子材料のどちらを用いても良く、低分子材料には、特
開平3−152897号公報、特開平5−70773号
公報、特開平5−198377号公報、特開平5−21
4332号公報、特開平6−172751号公報に記載
されているものなど、一般的に知られている材料を用い
ることができる。また、高分子材料には、ホール輸送層
として例えば、ポリアニリン及び誘導体、ポリチオフェ
ン及び誘導体、ポリピロール及び誘導体、ポリエチレン
ジオキシチオフェン、ポリスチレンスルホン酸を添加し
たポリエチレンジオキシチオフェンなどが使用でき、発
光材料として例えば、特開平8−188641号公報、
特表2000−504774号公報記載のもの、ポリフ
ェニレン及び誘導体、ポリフェニレンビニレン及び誘導
体、ポリフルオレン及び誘導体などが使用できる。
【0023】陰極材料としては、仕事関数の小さい金属
が使用でき、Ca,Ba,Al,Mg,Agなど及びM
gとAg,AlとLi,LiとF,CaとFの合金、A
ISiなどが使用でき、50〜400nmの膜厚に形成
される。本発明の構成では、第2電極側から光を取出す
ため、第2電極を陰極にする場合は、透明性の陰極を用
いる必要があるが、例えば、Al、MgAg合金などを
50nm以下に形成して透明にし、その上からITOな
どの透明導電性膜を形成しても良い。本発明では、陰極
材料及び構成については、特に限定されない。
【0024】陽極材料としては、Au,ITO,IDI
XOなどの材料が使用でき、50〜400nmの膜厚に
形成される。本発明の構成では、第2電極側から光を取
出すため、第1電極を陽極とする場合は、Auなどの反
射性の電極が用いられる。また、この場合にITO,I
DIXOなどの透明性の電極を用いた場合は、基板と電
極の間に反射性の金属膜を設けて有機LED膜からの発
光を反射させても良い。本発明では、陽極材料及び構成
についても、特に限定されない。
【0025】有機LED膜2と陰極の間にフッ化物、塩
化物、臭化物、酸化物などの絶縁膜を、0.1−10n
mの厚みで設けても良い。図1には示していないが、第
2電極の上に樹脂膜又は、酸化物膜、窒化物膜やそれら
を交互に積層した封止用の透明性の膜を設けても良い。
従来、特開平10−161563号公報、特開平11−
297477号公報に開示されている構成では、図5に
示すように、基板41側に形成される電極(陰極)47
がアクティブ回路と並列している構成なので、陰極表面
積が小さくなり、所定の輝度を得るために大きな電力を
必要とするため、有機LED膜48の劣化が早くなる。
これに対して本発明では、陰極表面積が対応する画素と
アクティブ回路部との差以上にした構成であるので、電
力を小さくでき、有機LEDの劣化を抑えることができ
る。
【0026】実施形態2 次に本発明の有機LED素子を熱転写方法により作製す
る方法の1例について図2を用いて説明する。特開平1
1−260549号公報に記載しているような、フイル
ム上に、少なくとも光熱変換層を設けた転写基材20に
転写層25として、フイルムの光熱変換層側からITO
などの透明導電膜23をスパッタ法で、有機LED膜2
2を蒸着法、スピンコート法などで形成する(図2
(a))。ここで、転写基材の材料及び構成は、特開平
11−260549号公報に記載しているようなものを
そのまま利用できる。また、転写層の材料及び構成は実
施形態1記載のものが利用できる。また、転写基材と透
明導電膜との間に、有機LED材料などを転写補助層と
して介在させても良い。転写補助層を設けることで、転
写層の材料によっては、転写が転写欠陥などが生じずに
良好に行える効果がある。
【0027】他方、陰極21が対応する画素表面積と同
等程度のサイズに、所望のパターンに形成されているア
クティブ回路を形成した基板30を用意し、次に、上記
転写層25を形成した転写フイルム26を転写層25と
陰極21を対抗させるように密着させ、レーザー光27
を照射する(図2(b))。照射は、例えば基板30の
データラインに沿った方向に走査しながら行い、次に所
定の画素までビームを移動させて同様に走査して照射を
行う。照射後、転写フイルムを剥離することで、照射し
た箇所に対応した有機LED膜22と透明導電膜23を
陰極21上に形成できる(図2(c))。
【0028】また、有機LED膜だけを転写法で形成
し、その後透明導電膜をスパッタ法などで形成しても良
い。しかし、この場合、スパッタ時の熱、加速粒子、電
子線などにより有機LED膜が劣化し、寿命が短くなる
懸念がある。このため、透明導電膜を転写で形成する方
が好ましい。一度、透明導電膜を転写法で形成した後、
更にその上にスパッタ法などで透明導電膜を形成しても
良い。この場合、先に形成した透明導電膜が有機LED
膜の保護層になり、続く透明導電膜形成での有機LED
膜への悪影響を防ぐことができる。
【0029】フルカラーディスプレイを作製する場合、
最初に例えば赤色発光できる有機LED膜又は、有機L
ED膜/透明導電膜を赤色画素に対応した陰極上に上記
方法で転写し、次に、例えば緑色発光できる有機LED
膜又は、有機LED膜/透明導電膜を緑色画素に対応し
た陰極上に同様に形成し、最後に青色発光有機LED膜
又は、有機LED膜/透明導電膜を形成する。
【0030】TFT素子の上に電極及び有機LED膜が
設けられた構成は、特開2001−203080号公報
に開示されているが、発光材料として低分子材料が使用
されている。低分子材料は、一般的に蒸着法で膜形成が
なされるが、蒸着法では、形成領域に開口部を設けたシ
ャドーマスクを蒸着源と基板の間に介在させて有機LE
D膜を形成するが、開口部エッジ部分での材料の回り込
みがあるので、開口部のサイズに1対1に対応したサイ
ズに有機LED膜は形成できず、開口部サイズよりも有
機LED膜の表面積が大きくなる。この回り込みによる
開口表面積と実際に形成される有機LED膜の表面積の
違いは、シャドーマスクと基板との距離、蒸着源と基板
との距離、即ち基板の位置により異なり、制御すること
が非常に難しい。
【0031】また、マスクサイズが大きくなると、マス
クのたわみや蒸着中の熱による膨張により、開口部と陰
極との位置を精度良く合わせることが難しくなる。この
ことから、本発明の構成のように、陰極表面積を画素表
面積に近いように大きく取る構成では、陰極間の距離が
小さくなり、蒸着法で有機ED膜を形成した場合、所定
の画素の隣の画素に有機LED膜が形成されたり、陰極
より小さい表面積に形成されたりする問題が生じる。
【0032】高分子材料は、一般にインクジェット法に
より膜が形成されるが、この場合、隣の画素に高分子材
料溶液が飛散しないように、予め幅の広い樹脂の囲いを
陰極上に形成する必要があり、発光表面積は、陰極表面
積よりもこの囲いの大きさにより決定されるため、本発
明の特徴である、陰極を大きく取り、発光表面積を大き
くするというメリットを生かすことができない。
【0033】他方、転写法によれば、レーザー光のビー
ム径、強度、ビームの走査スピードにより転写幅を精度
良く調整できるので、第1電極間の距離が小さくなって
も、所定の第1電極の幅に精度良く有機LED膜を形成
することができ、本発明の構成を実現することができ
る。
【0034】上記では、例として逆積層構成について説
明を行ったが、蒸着法又はインクジェット法などでは、
本発明は実現できず、転写法により、本発明の構成が実
現できることは、順積層構成においても同じである。実
際、現状の携帯用のフルカラーディスプレイでは、RG
B各々の画素のサイズは約0.09mm×0.264m
m程度のものが使われている。本発明の構成では、陰極
のサイズを画素に近い大きさにしているので、実際、陰
極のサイズが画素表面積の80%とすると、約0.08
mm×0.24mmになる。また、従来の構成では、T
FT素子2つとコンデンサーを用いたアクティブ回路構
成で回路部の占有表面積は約5000μmとなり、陰
極を画素内にこの回路部と並んで形成した場合、そのサ
イズは約0.07mm×0.2mm程度になる。
【0035】例えば、画素当たりの輝度として40cd
/mが必要とすると、本発明の構成では陰極表面積と
画素表面積の比が0.8なので有機LED素子の発光輝
度としては、40(cd/m)/0.8で50cd/
m2の輝度が必要となり、従来の構成では、陰極表面積
と画素表面積の比が0.6なので40(cd/m)/
0.6で70cd/mの輝度が必要となる。
【0036】(実施例1)第1電極であるAl膜31が
幅0.084mm、ピッチ0.09mmのストライプ状
に形成されたガラス基板40をイソプロピルアルコール
で超音波洗浄後、乾燥させた。Al電極間及び電極のエ
ッジを覆うようにSiO2絶縁膜39をフォトリソグラ
フィー法及びエッチングにより形成し、陰極幅を0.0
8mmにした。
【0037】他方、特開平11−260549号公報に
開示しているような転写基材20に、転写層として、ホ
ール輸送層32として4,4,ビス[N−(1一プチ
ル)−フェニルアミノ]ビフェニル(以下NPBと略
す)、発光層33としてトリス(8−ヒドロキシキノリ
ナト)アルミニウム(以下Alq3と略す)を順次、蒸
着速度0.2nm/secで膜厚が各々50nmになる
ように形成、LiF(図示せず)を1nmの厚みに形成
した。
【0038】Al電極(陰極)表面に、転写フイルムの
LiF層が接するように、転写フイルムを配置して密着
させ、フイルム表面に、レーザー光を照射した。照射す
る時、レーザー光の中心位置(レーザー光幅の中心)が
陰極幅の中心に一敦するように、調整し、レーザー光照
射幅が0.084mmになるよう、レーザー光強度、走
査スピードを調整した。レーザー光は、ストライプ状に
形成されたAlラインに沿って移動しながら照射させ
た。次に、レーザー光中心位置を0.09mmだけAl
ストライプに直交する方向に移動させて、同様にレーザ
ー光を照射した。このようにして順次、10本のAlラ
インに照射を行った。
【0039】その後、透明導電膜(陽極)IDIXO3
4を幅0.24mmの幅にAlラインと直交するように
形成し、次にガラス板35をエポキシ系接着剤36で基
板に貼り合わせて封止して、図3に示す有機LED素子
を得た。光学顕微鏡にて基板表面を観察したところ、転
写層がAl電極表面上に形成されいるおり、隣の画素に
転写膜が侵入していないことが確認できた。次に、この
転写膜を50cd/mの輝度で発光させて、輝度が初
期値の半分まで落ちる時間を調べたところ、約40時間
であった。
【0040】(比較例)第1電極であるAl膜31が幅
0.074mm、ピッチ0.09mmのストライプ状に
形成されたガラス基板40をイソプロピルアルコールで
超音波洗浄後、乾燥させた。Al電極間及び電極のエッ
ジを覆うようにSiO2絶縁膜39をフォトリソグラフ
ィー法及びエッチングにより形成し、陰極幅を0.07
mmにした。
【0041】他方、特開平11−260549号公報に
開示しているような転写基材20に、転写層として、ホ
ール輸送層32として4,4,ビス[N−(1−プチ
ル)−フェニルアミノ]ビフェニル(以下NPBと略
す)、発光層33としてトリス(8−ヒドロキシキノリ
ナト)アルミニウム(以下Alq3と略す)を順次、蒸
着速度0.2nm/secで膜厚が各々50nmになる
ように形成、LiF(図示せず)を1nmの厚みに形成
した。
【0042】Al電極(陰極)表面に、転写フイルムの
LiF層が接するように、転写フイルムを配置して密着
させ、フイルム表面に、レーザー光を照射した。照射す
る時、レーザー光の中心位置(レーザー光幅の中心)が
陰極幅の中心に一鼓するように、調整し、レーザー光照
射幅が0.074mmになるよう、レーザー光強度、走
査スピードを調整した。レーザー光は、ストライプ状に
形成されたAlラインに沿って移動しながら照射させ
た。次に、レーザー光中心位置を0.09mmだけAl
ストライプに直交する方向に移動させて、同様にレーザ
ー光を照射した。このようにして順次、10本のAlラ
インに照射を行った。
【0043】その後、透明導電膜(陽極)IDIXO3
4を幅0.2mmの幅にAlラインと直交するように形
成し、次にガラス板35をエポキシ系接着剤36で基板
に貼り合わせて封止して、図4に示す有機LED素子を
得た。光学顕微鏡にて基板表面を観察したところ、転写
層がAl電極表面上に形成されいるおり、隣の画素に転
写膜が侵入していないことが確認できた。
【0044】この転写膜を70cd/mの輝度で発光
させて、輝度が初期値の半分まで落ちる時間を調べたと
ころ、約20時間であった。実施例1と比較例から分か
るように、本発明の構成の主旨である、陰極表面積を大
きくすることで、寿命が大幅に改善できることがわか
る。また、転写法により、所望の幅の有機LED膜が精
度良く形成できており、本発明の構成を実現できること
がわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、第1電極と基板との間に平坦
化のための第1絶縁膜をさらに備え、かつ、第1電極
が、少なくとも対応する画素のアクティブ駆動回路を覆
うとともに、その表面積を画素の表面積とアクティブ駆
動回路部分の表面積との差以上としているので、第1電
極の表面積が、1画素の領域からアクティブ回路部分の
領域を差し引いた領域に制限されることなく、広く形成
されているわけであり、それによって、所定の発光パワ
ーを得るための電力を小さくでき、有機LED膜の寿命
を長くできるというメリットがある。
【0046】さらに、本発明は、有機LED膜の少なく
とも一つの層を、熱転写方式で形成しているので、例え
ばレーザー光を熱源として用いた場合、レーザービーム
径、強度を調整することで所望のパターンの有機LED
膜を精度良く形成することができ、それによって、第1
電極の表面積が対応する画素の表面積とアクティブ回路
部分の表面積の差以上に大きく形成した場合でも、隣の
画素に有機LED膜が形成されることなく、所定の画素
上に精度良く形成できる。そして、特に、画素面積と略
同じ面積の発光面積を持ち、かつ多色の混合のないフル
カラー有機LEDディスプレイが実現でき、さらに、電
極面積(発光面積)が大きいので低消費電力化も可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1として記載の本発明の有機LED素
子の1例を示した図で、(a)は発光面から見た部分構
成説明図、(b)はそのX−X断面図である。
【図2】実施形態2として記載の本発明の有機LED素
子の作製方法の1例を示した断面図であり、経過に沿っ
て(a)〜(c)で示す。
【図3】実施例1として記載の本発明の有機LED素子
の断面図である。
【図4】比較例として記載の有機LED素子の断面図で
ある。
【図5】従来の構成を示した概略構成説明断面図であ
る。
【符号の説明】
1、21、31 第1電極、 2、22、32,33有機LED膜、 3、23、34 第2電極、 11 データライン、 12 スキャンライン、 13 電流供給ライン、 14 駆動用TFT素子、 15 スイッチング用TFT素子、 16 コンデンサー、 17 平坦化膜(第1絶縁膜)、 18 スルーホール、 19、39 絶縁膜(第2絶縁膜)、 20 転写基材、 25 転写層、 26 転写フイルム、 27 レーザー光、 30 アクティブ回路基板、 31 ポリシリコン膜、 32,33 SiO2膜、 34 データラインへの接続端子、 35 配線部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクティブ駆動回路を形成した基板と、
    この基板の上に形成された第1電極と、この第1電極の
    上に形成され、少なくとも発光層を含む有機LED膜
    と、この有機LED膜の上に形成され、発光層からの発
    光波長領域の光を透過可能な第2電極とを備えた有機L
    ED素子であって、 第1電極と基板との間に平坦化のための第1絶縁膜を更
    に備え、かつ、 第1電極が、少なくとも対応する画素のアクティブ駆動
    回路を覆うとともに、その表面積を画素の表面積とアク
    ティブ駆動回路部分の表面積との差以上とし、有機LE
    D膜が、その少なくとも一つの層を熱転写方式で形成し
    てなることを特徴とする有機LED素子。
  2. 【請求項2】 第1電極の両側部から各エッジ部の上に
    延びる第2絶縁膜をさらに備えたことを特徴とする請求
    項1に記載の有機LED素子。
  3. 【請求項3】 第2電極が、有機LED膜とともに熱転
    写方式で形成されてなることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の有機LED素子。
  4. 【請求項4】 第1電極が陰極であり、第2電極が陽極
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに
    記載の有機LED素子。
  5. 【請求項5】 第1電極が陽極であり、第2電極が陰極
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに
    記載の有機LED素子。
  6. 【請求項6】 第2電極が、ストライプ状に形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記
    載の有機LED素子。
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