JP2003264002A - 水素発生システム - Google Patents

水素発生システム

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JP2003264002A
JP2003264002A JP2002066540A JP2002066540A JP2003264002A JP 2003264002 A JP2003264002 A JP 2003264002A JP 2002066540 A JP2002066540 A JP 2002066540A JP 2002066540 A JP2002066540 A JP 2002066540A JP 2003264002 A JP2003264002 A JP 2003264002A
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hydrogen
water
tank
reaction
hydride
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JP2002066540A
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English (en)
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Masahiko Kanehara
雅彦 金原
Shinichi Matsumoto
信一 松本
Harumichi Nakanishi
治通 中西
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Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
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Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池等の水素反応部で発生する水蒸気か
ら水を効率良く回収して、システムの大型化を抑制でき
る水素発生システムを提供する。 【解決手段】 水素発生システムは、水と水素化物23と
の反応で水素を発生させる水素発生装置12と、前記水素
発生装置12で発生させた水素を酸素と反応させてエネル
ギーを得る燃料電池13とを備えている。燃料電池13にお
ける水素の反応により生じた水を含む排気ガスを膨張機
14で膨張させることにより排気ガス中の水蒸気を凝縮さ
せて水を回収し、その回収した水を水素発生装置12にお
ける水素化物23との反応に使用する。膨張機14にはスク
ロール式膨張機が使用されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水素発生システムに
係り、詳しくは燃料電池や水素を燃料とする内燃機関の
ように水素と酸素とを反応させてエネルギーを得る水素
反応部と、ケミカルハイドライドの加水分解、あるいは
メタノール等の炭化水素の水蒸気改質等のように、水と
水素化物との反応により水素を発生させて前記水素反応
部に供給する水素発生装置とを備えた水素発生システム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、水素と酸素とを電気化学的に反応
させて化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する
燃料電池が、自動車のエネルギー源や発電装置として注
目を集めている。そして、燃料電池の燃料である水素源
として、ケミカルハイドライドの加水分解、メタノール
や天然ガス等の炭化水素の水蒸気改質により水素を発生
させる方法、水素吸蔵合金や高圧ボンベ等に直接水素を
蓄えて燃料とする方法等が考えられている。
【0003】このうち、水素吸蔵合金や高圧ボンベ等に
水素を蓄えておく方法は、貯蔵部の重量が重くなった
り、体積が大きくなるとともに、水素発生装置で製造し
た水素を水素吸蔵合金や高圧ボンベ等に蓄える(充填す
る)ための熱交換や昇圧などの余分な工程が必要にな
る。
【0004】一方、ケミカルハイドライドや炭化水素等
の水素化物と、水とを反応させて水素を発生させる方法
では、燃料である水素化物の他に水を必要とする。従っ
て、水素発生装置は水素化物との反応に必要な水を確保
する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池では水素と酸
素とが反応して水が発生するので、この水を水素発生装
置で水素化物と反応させる水として使用することが考え
られる。しかし、水は排気ガス中に高温の水蒸気の状態
で含まれるため、これを単に冷却して使用するのでは大
きな動力を要し、必要な水を確保するには難しい。従っ
て、不足分を補うための量の水を収容するタンクが必要
になる。このタンクが大きくなると水素発生装置が大型
化し、自動車等に搭載する際等に不利になる。
【0006】例えば、水素化物として水素化ホウ素ナト
リウム(NaBH4 )を使用した場合について、水の
収支を詳述すると次のようになる。水素化物として水素
化ホウ素ナトリウム(NaBH4 )を使用した場合、
水との反応は式(1)で表される。
【0007】 NaBH4+4H2O→4H2 +NaBO2・2H2O・・・(1) また、燃料電池(FC)における水素と酸素との反応は
式(2)で表される。 4H2+2O2 →4H2O・・・(2) 式(1)及び式(2)で比較すると、水素化物と水との
反応に使用される水の量と、水素の反応で発生する水の
量とはバランスしている。しかし、式(1)の反応で発
生した水素が水を水蒸気として持ち去るため、その量を
amolとすると、1molのNaBH4の反応には
(4+a)molの水が必要となる。例えば、80℃、
2atmとすると、4molの水素は、約1molの水
(4×355/(760×2)mol=0.934mo
l)を蒸気として持ち去るため、前記amolは約1m
olとなり、反応には約(4+a)=5molの水が必
要となる。
【0008】燃料電池では、式(2)の反応で使用する
酸素は過剰の空気を吸入することで確保しているため、
余剰の酸素と、空気として燃料電池に供給された窒素と
を排気ガスとして放出する際に、排気ガス中に含まれる
水蒸気として水が持ち去られる。過剰の酸素量をストイ
キ比1.5となるように設定すれば、式(2)の反応で
は3molの酸素が必要となり、吸入される空気中には
窒素が12mol含まれる。
【0009】また、燃料電池では電解質膜の保護のた
め、所定量の水分を吸入空気と一緒に供給する必要があ
る。従って、NaBH4の加水分解で水素を発生させ
て、燃料電池を前記運転条件で運転した場合、水の収支
は図6に示すようになる。
【0010】図6において、nは電解質膜の保護のため
に必要な水の量(mol)であり、この水は燃料電池の
排気ガスから中空糸膜で回収される。αは吸入空気中に
含まれる水の量(mol)であり、気温25℃、湿度5
0%とすると、α=15/(760/23.8−1)×
50/100=0.243molとなる。βは排気ガス
として外部に放出される余剰の酸素及び窒素とともに持
ち去られる水の量(mol)である。
【0011】図6から、α>βであれば、回収される水
の量bmolが(4+a)mol以上になり、1mol
のNaBH4に対して5molの割合で水を使用して加
水分解反応を行えば、燃料電池の排気ガスから加水分解
に必要な水を冷却過程で確保できる。しかし、冷却後の
排気ガスに含まれる水蒸気は飽和状態のため、排気温度
が40℃、1atmでは、β=13/(760/55.
3−1)=1.02(mol)となる。即ち、α<βと
なり常に水の補給が必要になる。α>βとなるようにβ
の量を少なくするには、冷却温度を16℃以下にする必
要があり、気温が25℃の場合、単なる熱交換機による
冷却では、βがα>βを満足させるように水を回収でき
ない。
【0012】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は燃料電池等の水素反応部で発生
する水蒸気から水を効率良く回収して、システムの大型
化を抑制できる水素発生システムを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、水と水素化物との反応
で水素を発生させる水素発生装置と、前記水素発生装置
で発生させた水素を酸素と反応させてエネルギーを得る
水素反応部とを備えた水素発生システムである。そし
て、前記水素反応部における水素の反応により生じた水
を含む排気ガスを膨張機で膨張させることにより排気ガ
ス中の水蒸気を凝縮させて水を回収し、その回収した水
を前記水素発生装置における水素化物との反応に使用す
る。
【0014】この発明では、水素発生装置で水素化物と
水との反応により発生した水素が燃料電池等の水素反応
部の水素源として使用される。水素反応部で発生した水
蒸気が排気ガスとして外部に排出される前に、膨張機に
導入されて膨張され、排気ガス中の水蒸気が凝縮されて
水として回収される。そして、その水が水素発生装置で
水素化物との反応に使用される。従って、最初に所定量
の水素を発生させるのに必要な水を準備するだけで、そ
の後は水素反応部から発生する水蒸気を回収して水素発
生装置で反応に必要な水として使用でき、水の貯留量を
少なくできる。また、水蒸気から回収した熱エネルギー
を有効利用できる。
【0015】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記膨張機はスクロール式膨張機で
ある。この発明では、膨張により凝縮した水がスクロー
ルの隙間をシールする状態となり、効率よく膨張が行わ
れる。
【0016】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記水素反応部は燃料
電池である。前記水素発生装置は、粉体状のケミカルハ
イドライドを収容する燃料タンクと、水を収容する水タ
ンクと、前記燃料タンク及び水タンクから供給されるケ
ミカルハイドライド及び水の混合液を反応させる反応槽
とを備えている。そして、前記反応槽で発生した水素を
前記燃料電池に供給し、前記膨張機で回収された水を前
記水タンクに戻す。
【0017】この発明では、燃料タンクに収容された粉
体状のケミカルハイドライド(水素化物)と、水タンク
の水とが混合された混合液が反応槽へ送られるため、多
量の水を一度に供給する必要がない。従って、水素発生
装置からの燃料電池への水素の供給と、燃料電池で発生
する水蒸気からの水の回収のバランスを取り易い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を燃料電池用の水素
発生システムに具体化した一実施の形態を図1〜図4に
従って説明する。
【0019】図1は水素発生システムの模式図である。
図1に示すように、水素発生システム11は、水素発生
装置12、水素反応部としての燃料電池13、膨張機1
4、水タンク15、圧縮機16及びポンプ17,18を
備えている。
【0020】水素発生装置12は、水と反応して水素を
発生する粉体状の水素化物を収容する燃料タンク19
と、水と水素化物とを混合する混合槽20と、反応槽2
1と、回収タンク22とを備えている。水素化物とし
て、例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)が使
用されている。
【0021】燃料タンク19は隔壁19aの下部が下側
に向かって縮径となる形状に形成されるとともに、回収
タンク22の内側に配置されている。燃料タンク19は
上部に蓋(図示せず)を備え、蓋を閉じた状態で密閉可
能となり、水素化物23を加圧するための水素を充填可
能に構成されている。混合槽20及び反応槽21は回収
タンク22の下に配設され、燃料タンク19は計量バル
ブ24を介して混合槽20に連結されている。
【0022】図2に示すように、計量バルブ24はハウ
ジング25内に軸方向に摺動可能なスプール26備えて
いる。スプール26には水素化物23を所定量収容可能
な収容部26aが上下方向に延びるように形成されてい
る。ハウジング25の上部には燃料タンク19の下端に
連通する供給孔25aが形成され、下部には混合槽20
に連通する排出孔25bが形成されている。そして、ス
プール26は収容部26aが供給孔25aと対応する第
1の位置と、収容部26aが排出孔25bと対応する第
2の位置とに、アクチュエータ27の作用により移動さ
れるように構成されている。アクチュエータ27は消磁
状態ではばねの付勢力により、スプール26が第1の位
置に配置され、励磁状態ではソレノイドの作用でスプー
ル26が第2の位置に配置されるようになっている。
【0023】ハウジング25には、排出孔25bと対向
する位置に孔25cが形成され、孔25cには水素供給
パイプ28の下端部が連結されている。水素供給パイプ
28は、その上部が燃料タンク19内に配置され、途中
から燃料タンク19及び回収タンク22を貫通して外部
に導出されている。水素供給パイプ28の上端にはフィ
ルタ29が取り付けられ、水素供給パイプ28内に水素
化物23が侵入しないようになっている。水素供給パイ
プ28には電磁弁30が設けられ、アクチュエータ27
の作動によりスプール26が第2の位置に配置された
際、電磁弁30が所定時間開放されるようになってい
る。
【0024】反応槽21は混合槽20を囲むように平面
渦巻き状に形成され、混合槽20内にはモータ31によ
り駆動される攪拌手段32が設けられている。そして、
攪拌手段32により混合槽20内で攪拌混合された水素
化物23と水との混合物が、反応槽21へ送り込まれる
ように構成されている。反応槽21内の隔壁には、混合
液の水素発生反応を促進する触媒が担持されている。
【0025】混合槽20は水を収容する水タンク15と
パイプ33で連結され、パイプ33の途中にはポンプ1
7が設けられている。ポンプ17は、計量バルブ24を
介して燃料タンク19から混合槽20へ供給される水素
化物23の量に対応する所定量の水を混合槽20へ送り
込む。
【0026】回収タンク22の上部には、気液分離装置
34が配設されている。図3に示すように、気液分離装
置34は、扁平な円環状に形成され、気体が通過する通
路35が渦巻き状に形成され、分離後の液体が一時溜ま
る部分の上側を気体が通過可能に形成されている。気液
分離装置34は、渦巻き状の通路35の内側基端が管路
37を介して反応槽21と連通されている。通路35を
構成する底壁35aには、渦巻きの外周側部分と対応す
る箇所に複数の排出孔36aが形成され、上壁35bに
は気体の出口(図示せず)が形成されている。
【0027】気液分離装置34の上側には水素を一時貯
留する環状の室38が設けられ、前記出口が室38に連
通している。燃料電池13と室38とは水素移送パイプ
39により連結され、水素移送パイプ39の第1端部が
室38に連結され、水素移送パイプ39の第2端部が燃
料電池13の水素極(図示せず)側に連結されている。
室38にはフィルタ38aが設けられ、反応槽21から
気液分離装置34を介して送り込まれた水素とともに塵
埃等が13へ送り出されるのを防止するようになってい
る。水素移送パイプ39には絞り弁40及び電磁弁41
が設けられている。
【0028】圧縮機16の吸入口には水タンク15の水
をポンプ18により供給するパイプ42が連結されると
ともに、空気の吸入部が設けられている。圧縮機16の
吐出口は、パイプ43を介して燃料電池13の酸素極
(図示せず)側に連結されている。圧縮機16はモータ
44で駆動され、燃料電池13で水素との反応に使用さ
れる酸素量の1.5倍の酸素(ストイキ比1.5)に相
当する量の空気を供給するようになっている。
【0029】膨張機14は燃料電池13の排気ガス排出
口と管路45を介して連結され、燃料電池13の排気ガ
スが膨張機14に供給されるようになっている。膨張機
14にはスクロール式膨張機が使用されている。膨張機
14は発電手段としてのモータ・ジェネレータ46に連
結されている。膨張機14はその出口が管路47を介し
て水タンク15に連通されている。
【0030】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。燃料タンク19内に所定量の水素化物23が
充填され、水タンク15には燃料タンク19内の水素化
物全量を一度に反応させるのに必要な量より遙かに少な
い量の水が収容された状態からシステムの運転が開始さ
れる。燃料タンク19内の水素は水素化物23を計量バ
ルブ24へ円滑に送り込む役割を果たす。
【0031】先ずポンプ17により水タンク15から混
合槽20内に水が供給される。水タンク15内の水はポ
ンプ17の間欠運転により、所定量ずつ混合槽20に供
給される。また、計量バルブ24のスプール26が第1
の位置に配置されると、燃料タンク19内の水素化物2
3が収容部26a内に供給される。燃料タンク19内の
水素化物23は、燃料タンク19内に充填されている水
素の圧力により円滑に、第1の位置に配置されたスプー
ル26の収容部26a内に送り込まれる。次にスプール
26が第2の位置へ配置されると、収容部26aが排出
孔25bと対向した状態で電磁弁30が開放されること
により、収容部26a内の所定量の水素化物23が排出
孔25bから混合槽20に供給される。従って、スプー
ル26の往復移動により、燃料タンク19内の水素化物
23が所定量ずつ混合槽20へ供給される。そして、混
合槽20に供給された所定量の水と水素化物23とが混
合された後、混合液が混合槽20内の水素の圧力によっ
て反応槽21に移送される。
【0032】反応槽21に移送された混合液は水素化物
23が次の反応式で加水分解される。 NaBH4+4H2O→4H2 +NaBO2・2H2O 触媒の存在により前記の反応が良好に進行する。この反
応は発熱反応のため、反応熱により水の一部が水蒸気と
なる。そして、加水分解で発生した水素と反応生成物と
が霧状の状態で反応槽21の上部から管路37を通って
気液分離装置34へ導かれる。反応生成物は、気液分離
装置34の通路35を通過する間に、液体と気体(水
素)とに分離され、液体は排出孔36aから回収タンク
22内に落下して貯留され、水素は出口(図示せず)か
ら室38へ導かれる。そして、室38内の水素は電磁弁
41の開放状態で水素移送パイプ39を介して燃料電池
13へ供給される。
【0033】燃料電池13に供給された水素は、圧縮機
16により圧縮されて供給される空気中の酸素と燃料電
池13内で反応し、電力を発生するとともに、反応生成
物の水が高温のため水蒸気となって未反応の空気と共に
管路45へ排出される。
【0034】燃料電池13の水蒸気を含む排気ガスは、
膨張機14に供給され、膨張機14内で膨張するととも
に回転軸を回転させる。そして、回転軸はモータ・ジェ
ネレータ46の回転軸と連結されているため、モータ・
ジェネレータ46が発電機として機能し、膨張のエネル
ギーが電力として回収される。この電力は図示しないバ
ッテリに充電され、圧縮機16を駆動するモータ44の
電力として利用される。
【0035】排気ガスは膨張機14へ導入されるまでに
膜を介して水蒸気の一部が燃料電池13の電解質膜保護
のための水蒸気用として回収される。そして、湿度が1
00%より減少した状態で排気ガスが膨張機14へ導入
される。排気ガスは膨張機14で大気圧以下まで膨張さ
れ、その間に温度も低下するため、排気ガス中の水蒸気
の多くが凝縮する。そして、凝縮された水は管路47を
経て水タンク15に回収されて貯留され、水素化物23
と混合する水として使用される。
【0036】そして、燃料タンク19内の水素化物が全
て使用され、発生された水素が使用された後、回収タン
ク22内に回収された反応生成物が回収タンク22から
取り出される。その後、燃料タンク19内に再び水素化
物23及び水素が充填されてシステムが再使用される。
【0037】次に図4に従って、この水素発生システム
の水の収支について説明する。なお、図4において、従
来技術において図6で説明した部分と同じものは同じ符
号を付して表している。
【0038】従って、1molのNaBH4の加水分解
により発生する水素が反応槽21から水蒸気として持ち
去る水の量amolは、水素が従来技術の場合と同じ8
0℃、2atmとすると、amol=0.934mol
となる。水蒸気交換後の排気ガスを80℃、1.3at
m、湿度66.8%とし、膨張後の排気ガスを31℃、
0.8atm、湿度100%とした場合、それぞれの排
気ガス中の水の蒸気圧は、344mmHg、33.7m
mHgとなる。また、水以外の気体の量(mol)は1
3molとなる。
【0039】前記条件においては、水蒸気交換後の排気
ガス中の水の量Amolの値は次のようになる。 A=355/(1.3×760−355)×13×(66.8/100) =4.87mol また、膨張後の排気ガスの水の量βmolの値は次のよ
うになる。
【0040】 β=33.7/(0.8×760−33.7)×13×(100/100) =0.76mol 従って、膨張により回収される水の量bmolはb=A
−β=4.11molとなる。この回収量は、1mol
のNaBH4の加水分解に必要な水の量である4mol
より0.11mol多い。
【0041】一方、冷却のみで水を回収する場合は従来
技術で述べたように、βが1.02molとなるため、
水の回収量は3.85molとなり、1molのNaB
4の加水分解に必要な水の量を満足できない。しか
し、膨張機14を使用した場合でも、前記条件では、加
水分解により発生する水素が反応槽21から水蒸気とし
て持ち去る水の量amolの分を全てカバーすることは
できない。従って、その差(a−0.11)molを追
加する必要がある。この量は、加水分解で発生した水素
が何度で反応槽21から排出されるかによって大きく異
なる。例えば、70℃、3.5atmであれば、水素が
持ち去る水の量aは233.8/(3.5×760−2
33.8)×4×(100/100)=0.39mol
となり、70℃、2atmであれば、水の量aは0.7
3molとなる。また、膨張後の排気ガスの圧力を0.
8atmより下げることにより、水の回収量を増加させ
ることが可能であるため、追加する水の量を少なくでき
る。
【0042】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1) 水素反応部である燃料電池13で水素と酸素と
の反応により生じた水(水蒸気)を含む排気ガスを膨張
機14で膨張させることにより、排気ガス中の水蒸気を
凝縮させて水を回収し、その回収した水を水素発生装置
12における水素化物23との反応に使用する。従っ
て、排気ガスを外気との温度差による冷却のみによって
水を回収する場合に比較して、回収できる水の量が大幅
に増加するため、水タンク15に貯留する水の貯留量を
少なくでき装置の小型化が可能になる。
【0043】(2) 燃料電池13の排気ガスを膨張機
14で膨張させて水を回収する際に、膨張の仕事でモー
タ・ジェネレータ46を駆動して発電し、その電力が圧
縮機16を駆動するモータ44の使用電力に利用される
ため、水蒸気の熱エネルギーを有効利用できる。
【0044】(3) 膨張機14としてスクロール式膨
張機を使用しているため、膨張により凝縮した水がスク
ロールの隙間をシールする状態となり、効率よく膨張が
行われる。
【0045】(4) 膨張機14がモータ・ジェネレー
タ46に連結されているため、膨張機14により排気ガ
スを膨張させる際、モータ・ジェネレータ46をモータ
として使用することにより、その圧力をより低下させる
ことにより回収する水の量を増やすことができる。
【0046】(5) 水素発生装置12は、粉体状の水
素化物23を収容する燃料タンク19と、水タンク15
と、混合槽20とが別に構成されている。従って、燃料
タンク19内に水を加えて一度に混合液を調製した後、
その混合液を順次反応槽21に移送する構成に比較し
て、多量の水を一度に供給する必要がなく、水素発生装
置12から燃料電池13への水素の供給と、燃料電池1
3で発生する水蒸気からの水の回収とのバランスを取り
易い。
【0047】(6) 水素発生装置12は、粉体状の水
素化物23を収容する燃料タンク19から定量ずつ取り
出した水素化物23を、混合槽20で水と混合するとと
もに、その混合液を反応槽21に移送する。従って、多
量の水を一度に供給する必要がなく、水素発生装置12
からの燃料電池13への水素の供給と、燃料電池13で
発生する水蒸気からの水の回収とのバランスを取るのが
より容易になる。
【0048】(7) 水素発生装置12は、燃料タンク
19、混合槽20、反応槽21及び回収タンク22が1
個のユニットとして組み付けられているため、全体とし
てコンパクトになり、設置スペースの確保が容易とな
る。
【0049】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば次のように構成してもよい。 ○ 水素発生装置12は、燃料タンク19、混合槽2
0、反応槽21及び回収タンク22を1個のユニットと
して組み付ける構成に限らず、例えば、図5に示すよう
に、燃料タンク19、混合槽20、反応槽21及び回収
タンク22を別々に設けてもよい。図5に示す構成で
は、計量バルブ24は、回転タイプのスプール26を備
え、収容部26aが燃料タンク19に連通可能な第1の
位置(図5の状態)と、混合槽20に連通可能な第2の
位置とに回動可能に構成されている。なお、第2の位置
は図5の状態から90度回動された状態である。計量バ
ルブ24には、第2の位置に配置された収容部26aと
連通可能な孔が形成され、該孔に水素供給パイプ28が
連結されている。そして、燃料タンク19内の水素化物
23が計量バルブ24を介して所定量ずつ混合槽20へ
供給されるようになっている。混合槽20は管路48を
介して反応槽21に連結されている。なお、前記実施の
形態と同様な部分は同一符号を付して示す。この場合、
レイアウトの変更が容易になる。
【0050】○ 燃料タンク19から所定量ずつ供給さ
れる粉体状の水素化物23を混合槽20で水と混合して
反応槽21に移送する構成に代えて、燃料タンク19に
水を供給して燃料タンク19内で水素化物23と水とを
混合し、混合液を反応槽21に供給する構成としてもよ
い。例えば、複数の燃料タンク19に水素化物23を分
割して貯留しておき、各燃料タンク19の上部にポンプ
17を介して水タンク15の水を供給する水供給管路を
連結する。水供給管路には各燃料タンク19毎に電磁弁
を設ける。各燃料タンク19の底部と反応槽21とを管
路を介して連結し、各燃料タンク19毎に電磁弁を設け
る。
【0051】この構成では、燃料タンク19に収容され
た粉体状の水素化物23との反応に必要な量と、移送に
必要な量との合計量の水が燃料タンク19内で混合さ
れ、混合液がポンプの作用により反応槽21に移送され
る。従って、1個の燃料タンク19内で予め混合液を調
製し、残りの燃料タンク19内に水素化物を貯留した状
態でシステムの運転が開始される。そして、燃料電池1
3の排気ガスから回収されて水タンク15に貯留された
水は、供給すべき燃料タンク19と対応する電磁弁が開
放された状態でポンプ17の駆動により該燃料タンク1
9に供給される。また、混合液が調製された燃料タンク
19と対応する電磁弁が開放された状態でポンプが駆動
されて混合液が反応槽21に供給される。この実施の形
態では粉体状の水素化物を計量して所定量ずつ混合槽2
0に送る構成と比較して、水素化物と水との混合液の調
製が簡単になる。
【0052】○ 燃料タンク19内で調製した混合液を
反応槽21に移送する構成において、混合液をポンプで
移送する代わりに燃料タンク19に水素あるいは窒素な
どの不活性ガスを充填し、その圧力で移送するようにし
てもよい。
【0053】○ 膨張機14としてスクロール式膨張機
以外の膨張機を使用してもよい。 ○ 膨張機14の回転軸をクラッチを介して圧縮機16
の回転軸に連結し、モータ44だけで圧縮機16を駆動
するのではなく、膨張機14の回転を圧縮機16に伝達
するようにしてもよい。
【0054】○ 水素発生装置としてケミカルハイドラ
イドの加水分解で水素を発生する構成に限らず、メタノ
ールや天然ガス等の炭化水素の水蒸気改質により水素を
発生する構成の装置を使用してもよい。
【0055】○ 水素反応部として燃料電池13に代え
て、水素を燃焼させてエネルギーを得る内燃機関を備え
た水素発生システムに適用してもよい。前記実施の形態
から把握される発明(技術的思想)について、以下に記
載する。
【0056】(1) 請求項1〜請求項3のいずれか一
項に記載の発明において、前記膨張機は、膨張の仕事を
電気エネルギーに変換する発電手段に連結されている。 (2) 請求項3に記載の発明において、前記水素発生
装置は、燃料タンク、混合槽、反応槽及び回収タンクが
1個のユニットとして組み付けられている。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項3
に記載の発明によれば、燃料電池で発生する水蒸気から
水分を効率よく回収でき、水素発生システムの大型化を
抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の燃料電池用水素発生システム
の模式構成図。
【図2】 計量バルブの模式断面図。
【図3】 気液分離装置の構成を示す模式平断面図。
【図4】 水の収支を示す模式図。
【図5】 別の実施の形態の燃料電池用水素発生システ
ムの模式構成図。
【図6】 水を冷却により回収する場合の水収支を示す
模式図。
【符号の説明】
11…水素発生システム、12…水素発生装置、13…
水素反応部としての燃料電池、14…膨張機、15…水
タンク、19…燃料タンク、21…反応槽、23…水素
化物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 信一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 中西 治通 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 5H027 AA02 BA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と水素化物との反応で水素を発生させ
    る水素発生装置と、前記水素発生装置で発生させた水素
    を酸素と反応させてエネルギーを得る水素反応部とを備
    えた水素発生システムであって、前記水素反応部におけ
    る水素の反応により生じた水を含む排気ガスを膨張機で
    膨張させることにより排気ガス中の水蒸気を凝縮させて
    水を回収し、その回収した水を前記水素発生装置におけ
    る水素化物との反応に使用する水素発生システム。
  2. 【請求項2】 前記膨張機はスクロール式膨張機である
    請求項1に記載の水素発生システム。
  3. 【請求項3】 前記水素反応部は燃料電池であり、前記
    水素発生装置は、粉体状のケミカルハイドライドを収容
    する燃料タンクと、水を収容する水タンクと、前記燃料
    タンク及び水タンクから供給されるケミカルハイドライ
    ド及び水の混合液を反応させる反応槽とを備え、前記反
    応槽で発生した水素を前記燃料電池に供給し、前記膨張
    機で回収された水を前記水タンクに戻す請求項1又は請
    求項2に記載の水素発生システム。
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