JP2003263152A - アップライトピアノのアクション機構 - Google Patents

アップライトピアノのアクション機構

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JP2003263152A JP2002065607A JP2002065607A JP2003263152A JP 2003263152 A JP2003263152 A JP 2003263152A JP 2002065607 A JP2002065607 A JP 2002065607A JP 2002065607 A JP2002065607 A JP 2002065607A JP 2003263152 A JP2003263152 A JP 2003263152A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクション機構自体の個体差に起因するばら
つきに関係なく精度の高い評価を行えるようにしたアッ
プライトピアノのアクション機構を提供する。 【解決手段】 ウイペン12の下面に高さ調整手段13
を構成するねじ体14を取付ける。このねじ体14の下
部に調整ボタン15を取付け、この調整ボタン15をキ
ャプスタンスクリュー9の上に吸音部材16を介して載
置する。調整ボタン15とねじ体14を回転させると、
ウイペン12の高さが変化し、距離Dおよび打弦距離L
が調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アップライトピア
ノのアクション機構に関し、一台のピアノ本体に対して
入れ替え可能な複数のアクション機構を正確に評価し得
るようにしたアクション機構に関する。
【0002】
【従来の技術】アップライトピアノのアクション機構
は、鍵盤の運動が当該鍵盤の後端部上面に突設したキャ
プスタンスクリューを介してウイペン、ジャック、バッ
ト、ハンマーに順次伝達されることにより、ハンマーが
回動飛翔して弦を打撃し所望の音を発音させるように構
成されている。
【0003】このようなアクション機構をピアノ本体に
組込む場合は、アクション割りにしたがい全てのアクシ
ョン機構を複数のアクション機構でグループ化してセン
ターレールに取付け、このセンターレールとともに鍵盤
の後端部上方に配設することで、各アクション機構のウ
イペンを当該アクション機構に対応する鍵盤のキャプス
タンスクリューによって支持させるようにしている。し
たがって、鍵盤にはアクション機構が負荷として常時加
えられており、この負荷質量によって鍵盤の演奏時にお
ける鍵タッチ感を規定している。
【0004】複数のアクション機構を複数のピアノ本体
に組込み、打弦、音質を評価する上で、ピアノ本体(鍵
盤)とアクション機構の個体差に起因するばらつきが大
きくなると、評価に影響する。例えば、アクション機構
の高さがばらつき、ウイペンの高さが低くなると、ジャ
ックとバットの間に隙間が生じるため、押鍵初期の鍵タ
ッチ感が軽くなる。また、ハンマーと弦との隙間によっ
てジャックがバットから脱進するタイミングが遅くな
る。反対にウイペンの高さが高くなると、打弦距離が短
くなり、ジャックがバットから脱進するタイミングが早
くなる。その結果として、弦に対する打撃力が弱くなり
演奏音が小さくなる。さらに、ジャックがバットの下に
戻れなくなり、その後の正確な打弦を行えなくなる危険
性がある。そこで、ウイペンの高さを調整する方法とし
て、従来はキャプスタンスクリューを回転させてウイペ
ンを上下動させることにより調整していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ピアノの開発過程にお
いて、複数のアクション機構および/またはハンマー音
質を評価する場合、従来は複数のピアノ本体を使用
し、アクション機構をそれぞれのピアノ本体に組み込ん
で評価していた。しかしながら、このようは評価方法
は、ピアノ本体自体に個体差があるため、精度の高い評
価ができないという問題があった。また複数のピアノ本
体を使用するため評価するための広い場所と長時間にわ
たる調整を必要とする。例えば、ハンマーフェルトの材
質や硬度を変えて打弦音を評価しようとする場合は、機
構のばらつきの影響をなくすことが理想である。
【0006】そこで、従来は上記した評価方法の他に
一台のピアノ本体に複数のアクション機構を順次入れ替
えてその平均を取って調整を行うか、またはキャプス
タンスクリューに接触するウイペンヒールの下面にクロ
ス等を貼着して調整(一台のピアノ本体で複数のアクシ
ョン機構の入れ替え)する必要があった。しかしなが
ら、の調整方法は、全てのアクション機構に対して適
正な調整を行うことができず、精度の高い評価ができな
いという問題があった。一方、の調整方法は、調整作
業に多くの時間を必要とするばかりか、クロス等の厚さ
の種類に限りがあるため、段階的にしか調整できない。
また、クロス等は厚さが厚くなると、キャプスタンスク
リューがウイペンを突き上げるときに圧縮されて突き上
げ力を吸収し、薄い場合は圧縮が少なく、キャプスタン
スクリューの突上げ力がウイペンに直接伝達されるた
め、鍵タッチ感が異なってしまい正確な評価ができない
という問題があった。
【0007】本発明は上記した従来の問題を解決するた
めになされたもので、アクション機構に高さ調整機構を
設けることにより、アクション機構自体の個体差に起因
するばらつきに関係なく、精度の高い評価を行えるよう
にしたアップライトピアノのアクション機構を提供する
ことにある。また、本発明は、アクション機構の評価を
行う場合、一台のピアノ本体に対して複数のアクション
機構を入れ替えて評価することにより、ピアノ本体相互
間の個体差に関係なく短時間に、しかも狭い場所で最適
な調整を行うことができるようにしたアップライトピア
ノのアクション機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、鍵盤の上面に突設されたキャプスタン
スクリューを介して前記鍵盤の運動が伝達されるウイペ
ン、ジャック、ハンマー等を有し、前記ハンマーによっ
て弦を打撃するアップライトピアノのアクション機構に
おいて、前記ウイペンに前記キャプスタンスクリューと
接触しウイペンの高さを調整する高さ調整手段を設けた
ものである。
【0009】第1の発明においては、88鍵全ての鍵盤
に対してアクション機構を最適に調整することができ
る。すなわち、従来は調整手段(キャプスタンスクリュ
ー)が鍵盤側にのみ設けられていたため、一台のアクシ
ョン機構に合わせて打弦距離を調整したとき、その調整
が他のアクション機構にも最適であるとは限らない。し
たがって、従来は、上記したの調整方法またはの調
整方法を用いなければならなかったが、本発明のように
ウイペン側にも高さ調整手段を設けておくと、一台のピ
アノ本体に対して複数のアクション機構を入れ替えて評
価する場合、個々のアクション機構毎に最適な調整を行
うことができる。
【0010】第2の発明は、上記第1の発明において、
高さ調整手段をねじ体で構成したものである。
【0011】第2の発明においては、ねじ体を回転操作
してウイペンとキャプスタンスクリューとの距離を大き
くすると、ウイペンが上昇してジャックがバットを突き
上げ、打弦距離を短縮する。反対にウイペンとキャプス
タンスクリューとの距離を小さくすると、ウイペンが下
降してジャックとバットの間に隙間が生じ打弦距離を長
くする。
【0012】第3の発明は、上記第1の発明において、
高さ調整手段を上下方向に塑性変形可能または弾性変形
可能な金属片で構成したものである。
【0013】第3の発明においては、金属片を塑性変形
させるかまたは弾性変形させることによりウイペンの高
さを高くしたり低くすることができる。
【0014】第4の発明は、上記第1の発明において、
高さ調整手段をウイペンの下面に前後方向に位置調整さ
れて取付けられるテーパ片で構成したものである。
【0015】第4の発明においては、テーパ片を前後方
向に移動させてキャプスタンスクリューとウイペンの間
隔を変化させると、ウイペンの高さを高くしたり低くす
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るア
ップライトピアノのアクション機構の第1の実施の形態
を示す側面図である。同図において、各音高の弦1は上
下端が不図示のフレームにチューニングピンとフレーム
ピンを介して係止されることにより所定の張力をもって
略垂直に張設されている。弦1の前方には全ての弦1に
対して共通に延在するセンターレール2が88鍵全ての
鍵盤3の後端部3aの上方に配設されており、このセン
ターレール2に各鍵盤3に連動して動作し対応する弦1
を打撃するアクション機構4と、弦1を通常押圧し自由
な振動を阻止するダンパー機構5が配設されている。
【0017】前記鍵盤3は、棚板6上に鍵盤筬7を介し
て上下方向に揺動自在に配設されており、通常後端部3
aが筬後7A上にフェルト8を介して載置されている。
また、鍵盤3の後端部上面には前記アクション機構4を
支持するキャプスタンスクリュー9が植設されている。
【0018】前記アクション機構4は、前記センターレ
ール2の下端に固定されたウイペンフレンジ10に後端
側がピン11を介して上下方向に回動自在に軸支された
前後方向に長いウイペン12を備えている。ウイペン1
2は、遊端(前端)側下面に高さ調整手段13が取付け
られている。この高さ調整手段13は、前記ウイペン1
2の下面にねじ込まれたねじ体14と、このねじ体14
に取付けられた円柱状の調整ボタン15と、この調整ボ
タン15の下面に固着され前記キャプスタンスクリュー
9の上面に載置されるフェルト、クロス、皮革等の吸音
部材16とで構成されている。また、調整ボタン15の
外周には、高さ調整手段13の回転操作部を構成する小
孔17が径方向に形成されており、この小孔17に細い
ピンを差し込んで調整ボタン15およびねじ体14を回
転させると、調整ボタン15が上下動してキャプスタン
スクリュー9とウイペン12の間隔、言い換えればウエ
イペン12の高さが調整される。このような高さ調整手
段13は、従来のウイペンの下面に一体的に設けられて
いるウイペンヒールまたはその一部の代わりに設けられ
ている。
【0019】前記ウイペン12の上方にはジャック20
が配設されている。ジャック20は側面視形状がL字状
に形成されており、その下端屈曲部が前記ウイペン12
の上面に突設したジャックフレンジ21にピン22を介
して前後方向に回動自在に軸支されるとともに、ジャッ
クスプリング23によって図1において反時計方向の回
動習性が付与されており、上方に伸びる一腕がジャック
大20Aを形成してその上面24がハンマーアッセンブ
リ25を構成するバット26の下面前端部に当接し、水
平方向に伸びる他腕がジャック小20Bを形成してい
る。バット26の前記ジャック大20Aが当接する箇所
には、バットスキン27が貼着されている。
【0020】前記ハンマーアッセンブリ25は、前記セ
ンターレール2の肩部に固定されたバットフレンジ28
にセンターピン29を介して前後方向に回動自在に配設
された前記バット26と、このバット26の上面にハン
マーシャンク30を介して配設されたハンマー31と、
前記バット26の前面にキャッチャシャンク32を介し
て配設されたキャッチャ33と、前記バット26を復帰
方向(図1における時計方向)に付勢するバットスプリ
ング34等からなり、非演奏時にハンマーシャンク30
がハンマーレール36にフェルト37を介して当接する
ことで初期位置に係止されている。ハンマー31は、ハ
ンマーシャンク30に固定されたハンマーウッド31A
と、このハンマーウッド31Aの先端部に配設された側
面視卵型のハンマーフェルト31Bとで構成されてい
る。
【0021】前記ジャック20のジャック小20Bの上
方には、脱進機構を構成するレギュレチングアッセンブ
リ40が配設されている。このレギュレチングアッセン
ブリ40は、打弦動作時にジャック20の上昇運動をそ
の上昇途中において阻止しジャックスプリング23に抗
して時計方向に回動させるもので、これによりジャック
20がバット26の下部から一時的に脱進するように構
成されている。
【0022】ジャック小20Bとレギュレチングアッセ
ンブリ40との距離Dは、レギュレチングボタン40B
を調整することにより可変され、この距離Dを調整する
ことにより打弦距離Lと接近d(=鍵盤を非常に低速度
で押し下げてハンマー31を回動させたときの弦1に最
接近するハンマー31と弦1との最小距離)が調整され
る。すなわち、接近dを大きくする場合は、距離Dを小
さくしてジャック20がバット26から脱進を開始する
時期を早め、接近dを小さくする場合は、距離Dを大き
くしてジャック20がバット26から脱進を開始する時
期を遅くする。なお、接近dは通常2〜3mm程度に調
整されている。
【0023】前記ウイペン12の遊端側上面には、さら
にバックチェックワイヤ42とブライドルワイヤ43が
図に示すように鍵盤3の前方側に所要角度傾斜して植設
されている。バックチェックワイヤ42の上端には打弦
動作後弦1の反発力およびバットスプリング34のばね
力によって回動復帰するハンマーアッセンブリ25の前
記キャッチャ33を弾性的に受け止めるバックチェック
44が配設されている。前記キャッチャ33とブライド
ルワイヤ43はブライドルテープ45によって互いに連
繋されており、これによってハンマーアッセンブリ25
の回動復帰をウイペン12の回動復帰に追従させ、ハン
マーアッセンブリ25の跳ね返り、弦1の2度打ちを防
止するとともに、ハンマーアッセンブリ25の初期位置
への復帰を早めるようにしている。
【0024】前記ハンマーレール36は弱音機構を構成
するもので、ピアノ本体下部に配設された不図示のソフ
トペダルの踏込操作に連動してハンマーレールヒンジ4
7が反時計方向に回動されることにより弦1側に移動し
てハンマー31を弦1に近づけ、これによって弦1に対
するハンマー31の打撃力を弱め、弱音演奏を可能にし
ている。なお、ハンマーレールヒンジ47は、前記ハン
マーレール36を支持するとともに前記センターレール
2が固定された不図示のアクションブラケットに回動自
在に軸支されている。
【0025】前記ダンパー機構5は、中間部が前記セン
ターレール2の上面に配設されたダンパーレバーフレン
ジ50にピン51を介して垂直面内において前後方向に
回動自在に軸支されたダンパーレバー52と、このダン
パーレバー52に反時計方向の回動習性を付与するダン
パーレバースプリング53と、前記ダンパーレバー52
の上端にダンパーワイヤ54を介して配設されたダンパ
ー55等で構成されている。ダンパー55は通常前記ダ
ンパーレバースプリング53のばね力によって弦1に圧
接されることにより、弦1の自由な振動を阻止してお
り、鍵盤3の押鍵操作時にウイペン12の基端部上面に
植設されたダンパースプーン56がダンパーレバー52
の下端部をダンパーレバースプリング53に抗して押圧
し回動させることにより、弦1から離間するよう構成さ
れている。
【0026】次に、このような構造からなるアクション
機構4の動作について説明する。通常演奏時において、
鍵盤3の前端部を押鍵操作して後端部3aを上昇させる
と、キャプスタンスクリュー9が高さ調整手段13を介
してウイペン12を突上げる。このため、ウイペン12
はピン11を回動支点として反時計方向に上昇回動し、
ジャック20を上昇させる。また、ジャック20が上昇
すると、バット26はジャック20によって突き上げら
れることでピン29を回動支点として上昇回動しハンマ
ーアッセンブリ25を反時計方向に回動させる。ジャッ
ク20は上昇回動し、その途中でジャック小20Bがレ
ギュレチングアッセンブリ40に当接して時計方向に回
動することによりバット26の下部から一時的に脱進す
る。また、ウイペン12が上昇回動すると、ダンパース
プーン56はダンパーレバー52をダンパースプリング
53に抗して時計方向に回動させてダンパー55を弦1
から離間させる。そして、ダンパー55が弦1から離間
した後、ハンマー31が弦1を打撃する。ジャック20
は、ハンマー31による打弦動作後鍵盤3の復帰動作に
伴うウイペン12の回動下降によりレギュレチングアッ
センブリ40から解放されることにより回動復帰して上
端が再びバット26の下部に入り込む。したがって、同
一鍵盤3による次の打弦動作を可能にし、もって通常演
奏が行われる。通常演奏から弱音演奏に切り替える場合
は、ソフトペダルを踏込操作してハンマーレールヒンジ
47を図において反時計方向に所要角度回動させてハン
マーレール36を弦1に近づけ、弦1とハンマー31と
の距離、すなわち打弦距離Lを短縮すればよい。
【0027】このような構造からなるアクション機構4
の評価を行う場合は、一台のピアノ本体に対して複数の
アクション機構を入れ替えてウイペン12の高さを調整
する。ウイペン12の高さを調整する場合、従来は鍵盤
3側に設けたキャプスタンスクリュー9を回転させて上
下動させることによりウイペン12を上下させて調整し
ていたが、本発明においては前記キャプスタンスクリュ
ー9に加えて高さ調整手段13によってもウイペン12
の高さを調整することができるように構成したので、ア
クション機構4の個体差に起因するばらつきに関係なく
各々のアクション機構4を正確に調整することができ、
精度の高い評価が得られる。
【0028】また、高さ調整手段13はねじ体14を備
えているので、連続的に高さ調整することができ、厚さ
が異なるクロス等を貼着して段階的に調整する上記した
従来の調整方法に比べて調整作業が著しく容易で短時間
に適正に、かつ鍵タッチ感が変化したりすることなく調
整することができる。さらに、一台のピアノ本体に対し
て複数のアクション機構4を入れ替えて調整すればよい
ので、広い場所を必要とせずに調整作業を行うことがで
きる。
【0029】図2は本発明の第2の実施の形態を示す要
部の側面図である。この実施の形態は、アクション機構
4の高さ調整手段13をウイペン12に一体的に設けた
ウイペンヒール12Aの下面に固定した金属片60で構
成したものである。金属片60は、アクション機構4自
体の重量およびキャプスタンスクリュー9によって突き
上げられたときに塑性変形しないように所定の強度を有
して側面視コ字状に形成されており、上側片60aがウ
イペンヒール12Aの下面に固定され、下側片60bが
フェルト、クロス、皮革等の吸音部材16を介してキャ
プスタンスクリュー9の上面に載置されている。ウイペ
ン12の高さを調整する場合は、下側片60bを上下方
向に塑性変形させて調整する。変形量は最大1mm程度
である。なお、その他の構造は上記した第1の実施の形
態と同一であるため、同一構成部材には同一符号をもっ
て示し、その説明を省略する。
【0030】このような構造においても、金属片60の
下側片60bを折り曲げることにより、ウイペン12の
高さを調整することができるため、上記した第1の実施
の形態と同様にアクション機構の個体差に起因するばら
つきに関係なく各々のアクション機構4を正確に調整す
ることができ、精度の高い評価が得られる。
【0031】図3は本発明の第3の実施の形態を示す要
部の側面図である。この実施の形態は、アクション機構
4の高さ調整手段13をウイペンヒール12Aの下面に
固定した弾性変形可能な金属片65で構成したものであ
る。金属片65は、側面視コ字状に折り曲げ形成されて
おり、上側片65aと下側片65bの先端部がねじ66
によって連結されている。ねじ66は上側片65aに設
けた挿通孔に回転自在に挿通され、下側片65bに形成
したねじ孔に螺合されており、このねじ66を回転させ
て上側片65aと下側片85bの間隔を変化させるとウ
イペン12の高さが調整される。したがって、上記した
第1、第2の実施の形態と同様にアクション機構の個体
差に起因するばらつきに関係なく各々のアクション機構
4を正確に調整することができ、精度の高い評価が得ら
れる。
【0032】図4は本発明の第4の実施の形態を示す要
部の側面図である。この実施の形態は、アクション機構
4の高さ調整手段13をウイペンヒール12Aの下面に
前後方向に位置調整されて取付けられるテーパ片70で
構成したものである。ウイペンヒール12Aの下面は後
方側に傾斜する斜面に形成されている。テーパ片70
は、木材、金属、プラスチック等によって側面視三角形
に形成されることにより、上面70aが前記ウイペンヒ
ール12Aの下面と同一角度で後方側に傾斜する斜面に
形成され、下面70bが水平でフェルト、クロス、皮革
等の吸音部材16が固着されている。テーパ片70をウ
イペンヒール12Aの下面に固定する際には、ウイペン
12の高さが最適高さとなるように前後方向に移動させ
て接着剤で固定する。このような構造においても上記し
た第1、第2、第3の実施の形態と同様な効果が得られ
ることは明らかであろう。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るアップ
ライトピアノのアクション機構は、ウイペン側に高さ調
整手段を設け、鍵盤側のキャプスタンスクリューとは別
個にアクション機構側だけでウイペンの高さを調整する
ことができるように構成したので、一台のピアノ本体に
対して複数のアクション機構を入れ替えての比較評価に
おいて、アクション機構の個体差に起因するばらつきに
関係なく各々のアクション機構を正確に調整することが
でき、精度の高い評価を得ることができる。また、高さ
調整手段はねじ体、塑性変形または弾性変形可能な金属
片、テーパ片等で構成されるため、構造が簡単で安価に
製作することができ、またウイペンに容易に取付けるこ
とができる。さらに、調整作業が著しく容易でウイペン
の高さを連続的に調整することができ、しかも一台のピ
アノ本体に対して複数のアクション機構を入れ替えて調
整すればよいので、広い場所を必要としないなど、その
効果が非常に大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアップライトピアノのアクショ
ン機構の第1の実施の形態を示す側面図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態を示す要部の側面
図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態を示す要部の側面
図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態を示す要部の側面
図である。
【符号の説明】
1…弦、3…鍵盤、4…アクション機構、9…キャプス
タンスクリュー、12…ウイペン、12A…ウイペンヒ
ール、13…高さ調整手段、14…ねじ体、20…ジャ
ック、25…ハンマーアッセンブリ、26…バット、3
1…ハンマー、60,65…金属片、70…テーパ片。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵盤の上面に突設されたキャプスタンス
    クリューを介して前記鍵盤の運動が伝達されるウイペ
    ン、ジャック、ハンマー等を有し、前記ハンマーによっ
    て弦を打撃するアップライトピアノのアクション機構に
    おいて、 前記ウイペンに前記キャプスタンスクリューと接触しウ
    イペンの高さを調整する高さ調整手段を設けたことを特
    徴とするアップライトピアノのアクション機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアップライトピアノのア
    クション機構において、 高さ調整手段をねじ体で構成したことを特徴とするアッ
    プライトピアノのアクション機構。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアップライトピアノのア
    クション機構において、 高さ調整手段を上下方向に塑性変形可能または弾性変形
    可能な金属片で構成したことを特徴とするアップライト
    ピアノのアクション機構。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のアップライトピアノのア
    クション機構において、 高さ調整手段をウイペンの下面に前後方向に位置調整さ
    れて取付けられるテーパ片で構成したことを特徴とする
    アップライトピアノのアクション機構。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010060885A (ja) * 2008-09-04 2010-03-18 Yamaha Corp 電子管楽器
US8558095B2 (en) 2010-03-24 2013-10-15 Yamaha Corporation Keyboard apparatus
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