JP2003263048A - 定着装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

定着装置及びそれを用いた画像形成装置

Info

Publication number
JP2003263048A
JP2003263048A JP2002061828A JP2002061828A JP2003263048A JP 2003263048 A JP2003263048 A JP 2003263048A JP 2002061828 A JP2002061828 A JP 2002061828A JP 2002061828 A JP2002061828 A JP 2002061828A JP 2003263048 A JP2003263048 A JP 2003263048A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
recording medium
roll
fixing device
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002061828A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Uchiumi
慎一 内海
Yutaka Nogami
豊 野上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2002061828A priority Critical patent/JP2003263048A/ja
Publication of JP2003263048A publication Critical patent/JP2003263048A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録用紙の後端部に定着処理に起因した光沢
低下部分が発生することを防止できる定着装置等を提供
する。 【解決手段】 定着装置における定着用の加熱ロール4
0に、記録用紙の後端部Peが定着ニップ部Nを少なく
とも抜け出る前の時期に回転の増速現象を抑制するため
の制動力を付与する制動手段としてのスベリ軸7を設け
た。また、加熱ロール40の回転駆動速度に関する設定
値を、記録用紙の後端部が定着ニップ部を抜け出る前の
時期に定着速度値からそれよりも遅い低速値に変更する
手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱源を備えた定着
用回転体と加圧用回転体との圧接部に定着対象のトナー
像を担持する記録媒体を通過させることにより当該トナ
ー像の定着処理を行う定着装置と、その定着装置を装備
するプリンタ、複写機、複合機等に代表される画像形成
装置に係り、特に、記録媒体の後端部に定着処理に起因
した光沢低下部分が発生することを防止し得る定着装置
等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法等を利用したデジタル
式のカラー画像形成装置が普及している。この種の画像
形成装置においては、一般に、熱可塑性の結着用樹脂
(バインダー)に顔料等を混合してなるイエロー、マゼ
ンタ、シアン及びブラックの4色のトナーを、画像情報
に基づいて各色成分ごとに分解して変調したレーザ光等
を照射して感光体上に形成する各色成分用の静電潜像に
付着させることによりトナー像とし、この各色のトナー
像を記録用紙等の記録媒体に直接又は中間転写体を介し
て重ね合わせるような状態で転写した後、その記録媒体
上のトナー像を定着装置により記録媒体に定着させるこ
とでカラー画像が形成されるようになっている。
【0003】このような画像形成装置で使用される定着
装置としては、図17に例示するようなロール単独式の
定着装置が広く採用されている。
【0004】すなわち、ロール単独式の定着装置100
は、内部に熱源102を備え矢印方向に回転する定着ロ
ール(加熱ロール)101と、この定着ロール101に
圧接して回転可能に配置される加圧ロール103とを有
し、その定着ロール101と加圧ロール103との間に
形成される圧接部(定着ニップ部)Nに、未定着のトナ
ー像T1が担持された記録媒体Pを導入して通過させる
ことにより、トナー像T1を加熱加圧して記録媒体Pに
溶融固着させるという定着処理を行うものである。図中
の矢印Eは記録媒体Pの送り方向である。このような定
着装置100では、定着ロール101及び加圧ロール1
03の少なくとも一方については、円筒状のロール基材
の表面に弾性層105を形成したロール構造を採用する
ことが多い。また、必要に応じて、加圧ロール103に
も加熱ロール101と同様に熱源を配置することもあ
る。
【0005】また、このロール単独式の定着装置100
にあっては、定着後の画像T2の光沢度を高めてカラー
画像の見栄えを良くする場合、例えばトナー中の熱可塑
性バインダーの分子量を低くして定着処理時の加熱に対
するトナー粘度が低くなるように調整することにより、
定着された画像T2の平滑性を向上させる対策が採られ
ている。
【0006】一方、カラーレーザプリンタ等のようなカ
ラー画像形成装置を、近年市場導入が盛んなデジタルス
チルカメラの撮影画像の出力用機器として使用する例が
増えつつある。また、このような出力を行う場合には、
銀鉛写真方式に使用される印画紙と同様の質感を持たせ
るために、厚さが比較的厚く表面光沢の高いコート紙や
アート紙を使用したり或いは表面に熱可塑性樹脂からな
る透明又は白色の樹脂層を設けた紙を使用し、これによ
り画像部だけではなく非画像部となる紙自体の光沢を高
くして光沢感に優れた出力画像を得ようとする試みがな
されている。
【0007】この点、前記ロール単独式の定着装置10
0を備えたカラー画像形成装置によりデジタルカメラの
出力を行った場合には、前述したような画像の平滑性向
上の対策を採用したとしても、銀鉛写真方式の印画紙画
像(写真画像)と比較すると、トナーの厚みに起因する
凹凸感が残り、違和感のある画像になるという傾向があ
る。
【0008】また、従来においては、ロール単独式の定
着装置よりもさらに画像表面の平滑性が高められ、より
印画紙写真に近い光沢性に優れたカラー画像が得られる
技術的手段として、表面に熱可塑性樹脂からなる透明樹
脂層を形成した記録媒体を使用し、かかる記録媒体上に
所定のトナー像を形成した後、ベルト併用式の定着装置
を用いて定着処理を行うカラー画像形成方法が提案され
ている(特開平5−216322号公報)。
【0009】図18は、前記カラー画像形成方法に使用
されるベルト併用式の定着装置200を示すものであ
る。図中において符号201は熱源202を有する加熱
ロール、206は剥離ロール、207は加熱ロール20
1と剥離ロール206に張架された定着ベルト,20
3、204はいずれも加圧ロール、205は弾性層、2
08は定着ベルト207から記録媒体Pを剥離するため
の剥離爪、210は記録媒体の片面に形成された透明樹
脂層である。
【0010】このベルト併用式の定着装置200は、未
定着のトナー像T1が担持された記録媒体Pを、加熱ロ
ール201に支持された定着ベルト207と加圧ロール
203との間に形成される圧接部(定着ニップ部)Nに
導入して通過させることで加熱加圧するとともに、その
圧接部Nを通過した後においても定着ベルト207に密
着させた状態で搬送して自然冷却又は強制冷却し、最後
に剥離ロール206を通過した後に定着ベルト207か
ら剥離することによりトナー像T1の定着処理を行うよ
うになっている。このような定着装置200によれば、
特に、トナー像T1が定着ベルト207の搬送下に圧着
して加熱溶融され、記録媒体Pの透明樹脂210中に埋
め込まれた状態で搬送されながら冷却されて固化して変
形しにくい状態とされた後に定着ベルト207から分離
されるため、表面がきわめて平滑なカラー画像T2が得
られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような透明樹脂層を形成した記録媒体を用いてベルト
併用式の定着装置200で定着を行った場合にあって
は、図19に示すように、その定着後における記録媒体
Pの後端部Peに数mmの幅で光沢度(グロス)が低下
した帯状部分250が発生してしまうという問題があ
る。
【0012】本発明者らの研究によれば、この記録媒体
の後端部Peにおける光沢低下部分250は、定着ニッ
プ部Nのニップ圧力を高め(例えば0.5MPa以上)
に設定するほど発生しやすくなり、特に写真出力等に好
適な厚みが150μm以上のものを使用した場合により
顕著に発生することが確認されている。また、このよう
な光沢低下部分250は、透明樹脂層を形成した記録媒
体を使用した場合、その後端部以外の部分では光沢度が
均一で高くなるため、より目立ちやすくなる傾向にあ
る。さらに、縁部を含めた記録媒体の全面に画像を形成
するいわゆる「縁なし画像」の出力を行う場合には、光
沢低下部分250の存在はより一層目立ちやすく許容で
きないものとなる。
【0013】そして、本発明者らの更なる研究によれ
ば、かかる光沢低下部分250の発生原因は、主に、記
録媒体の後端部Peが定着ニップ部Nを通過するときに
急激に増速(加速)した状態で抜け出ることにあること
が判明した。
【0014】図20は、定着ニップ部の通過時における
記録媒体の後端部の速度を測定した実験の結果を示すも
のである。
【0015】この実験では、前述したようなベルト併用
式の定着装置200を用い、その定着ニップ部Nに対し
て送り幅(記録媒体の送り方向Eと直交する方向の幅)
が異なる記録媒体(厚みはすべて170μm)をそれぞ
れ導入して通過させ、そのときの各記録媒体後端部Pe
の速度を測定した。その測定は、加熱ロール201の表
面に貼付したラダー図(黒線などを一定のピッチで多数
記した図)を光電センサで読み取り、そのときのラダー
ピッチの通過時間を測定して速度に換算したものを、記
録媒体後端部Peの速度とみなした。定着装置は、加熱
ロール201として弾性層を形成しない鉄製のロールコ
ア(外径:50mm)のみからなるハードタイプのロー
ルを使用し、加圧ロール203として上記ロールコアに
シリコーンゴム層(ゴム硬度:60°)を2mmの厚み
で形成したソフトタイプのロールを使用した。定着ベル
ト207としては、厚さが80μmのポリイミド基材上
に50μm厚のシリコーンゴム層を塗布形成したベルト
を使用した。そして、定着ニップ圧力が1.2MPaと
なるように加熱ロールと加圧ロール間の加圧機構を設定
するとともに、定着速度が50mm/secとなるよう
に加熱ロールの回転駆動機構における駆動速度を設定し
た。
【0016】図20の結果から、記録媒体の後端部の速
度は定着ニップ部を抜け出る際に定着速度(50mm/
sec)よりも増速していることがわかる。また、その
増速の度合いは、記録媒体の送り幅が広くなるほど大き
くなる傾向にあることがわかる。例えば、送り幅が広い
記録媒体の場合(A4LEF:A4版サイズの記録媒体
をその長辺部側から送り出して搬送するいわゆる横送り
の場合)には、その後端部の速度が300mm/sec
付近まで増速しており、これは定着速度の約6倍の速度
に増加していることになる。さらに、記録媒体の後端部
が定着ニップ部から抜け出るまでの所要時間は、定着速
度のままで抜け出る記録媒体の部位のそれに比べて短く
なっていることもわかる。図中の横軸における符号t
は、A6版サイズの記録媒体をその短辺部側から送り出
して搬送するいわゆる縦送りした場合(A6SEF)に
おける当該後端部が定着ニップ部から抜け出るときの所
要時間を示し、2tは定着速度のままで(増速すること
なく)定着ニップ部を搬送されて排出される記録媒体の
場合における上記同様の所要時間を示す。
【0017】また、本発明者らの研究により、記録媒体
後端部の増速の発生原因は、主に、定着ニップ部におけ
るロール等の弾性変形に伴う歪みが復元する現象や、加
熱ロールの駆動伝達機構におけるギア噛み合わせ部(ギ
ア間)の遊びの存在などにより、定着ニップ部における
ロール等の回転が一時的に増速することにあるものと推
測される。
【0018】すなわち、定着ニップ部は、一般に図21
に示すように、弾性層205を有する加熱ロール201
及び加圧ロール203の表層部の一方又は双方が圧接部
Nにおいて一時的に弾性変形して歪むことで所定の幅
(記録媒体Pの通過方向Eに沿う幅D:ニップ幅)をも
った領域として形成される。そして、この定着ニップ部
Nの圧力分布は、記録媒体が存在していないときや記録
媒体の先端部及び後端部以外の部位が通過しているとき
(図21a)には、ほとんど変化がなく、一般にそのニ
ップ幅の中央部をピークとした放物線状の分布をもつ。
【0019】しかし、かかる圧力分布は、記録媒体の後
端部Peが定着ニップ部Nに導入されて通過する際に、
その後端部Peの通過移動にともなって変動(移動)す
るようになる。特に記録媒体の後端部Peが定着ニップ
部Nのニップ幅方向の中央部(基本的に加熱ロールと加
圧ロールの中心点を結ぶ点線Qが通る部位)に達した段
階(図21b)では、その後端部Peが存在して弾性層
205が弾性変形している定着ニップ中央部の圧力が最
も高くなる一方で、定着ニップ部の出口側(回転方向の
下流側)にむけて弾性層205の弾性変形が減少して圧
力が急激に低くなるというアンバランスな圧力分布とな
る。
【0020】この結果、かかる圧力分布の不均衡を緩和
させるべくロールの弾性層205などがその弾性変形状
態(歪み)を一気に解消しようと復元するため、そのと
きの復元力によって(定着ベルトを含む)ロール対20
1,203を速く回転させる作用が働くものと推測され
る。また、この際、ロールの駆動伝達機構におけるギア
間の遊びがあるため、その分だけ更にロール対がより速
く回転する、即ち増速するようになる。しかも、このよ
うな増速により、駆動伝達機構の駆動源であるモータに
対する負荷が一瞬なくなるため、そのモータ自体も瞬間
的に増速し、結果的にロール対もギア間の遊び以上に回
転して増速するものと推測される。
【0021】なお、前記したように記録媒体後端部の増
速の度合いが記録媒体の送り幅によって異なる点につい
ては、もっぱら定着ニップ部のロール軸方向における記
録媒体の存在幅に依存しているものと推測される。すな
わち、送り幅が比較的狭い記録媒体の場合には、その記
録媒体が存在しない定着ニップ部分が前記したような弾
性層の復元による増速作用が発生しない領域(増速抑制
領域)として機能するために増速度合いが抑えられる
が、送り幅が比較的広い記録媒体の場合には、その記録
媒体が存在しない定着ニップ部が少ないため上記増速抑
制領域による機能が得られなくなり増速しやすくなる。
【0022】以上のことから、記録媒体後端部における
光沢低下部分の発生は、記録媒体の後端部が定着ニップ
部を増速して抜け出ることにより、その後端部の定着ニ
ップ部における滞留時間(定着時間)がその増速する分
だけ他の部位よりも短くなり、その結果、トナーをはじ
め透明樹脂層などの溶融不足が引き起こされることによ
るものと推測される。
【0023】そして、上述したような記録媒体後端部に
おける光沢低下部分は、ベルト併用式の定着装置を使用
した場合だけに限らず、前記したロール単独式の定着装
置100を使用した場合においても発生する。これは、
ロール単独式の定着装置においても前記したような記録
媒体後端部の定着ニップ部における増速現象が発生する
ことによるものである。例えば、厚みが200μm以上
で高光沢のアート紙に縁なし画像を形成してロール単独
式定着装置により定着を行ったところ、その後端部に数
mmの光沢低下部分が発生することが確認された。ま
た、加熱ロール及び加圧ロール、記録媒体の送り幅等の
条件によっても異なるが、定着ニップ圧力が0.5Mp
a以上であり、しかも厚みが150μm以上の記録媒体
を使用した場合に、その光沢低下部分が発生しやすくな
る。
【0024】本発明は、以上の課題を解決するためにな
されたものであり、特に、記録媒体の後端部に定着処理
に起因した光沢低下部分が発生することを防止できる定
着装置や画像形成装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得る本
発明(第1発明)の定着装置は、熱源を備えた定着用回
転体とこの定着回転体に圧接して配置される加圧用回転
体とを有し、この定着用回転体と加圧用回転体の間に形
成される圧接部に、定着対象のトナー像を担持する記録
媒体をそのトナー像担持面が定着用回転体側に位置する
姿勢で導入して通過させる定着装置を前提とし、前記定
着用回転体及び加圧用回転体の少なくとも一方に、記録
媒体の後端部が前記圧接部を少なくとも抜け出る前の時
期に回転の増速現象を抑制するための制動力を付与する
制動手段を設けたことを特徴とするものである。
【0026】上記制動手段は、上記制動力を定着用回転
体及び加圧用回転体の少なくとも一方に付与できる構成
のものであれば特に制約されるものではない。制動力
は、定着用回転体及び加圧用回転体の回転により得られ
る本来の定着速度を阻害しない大きさを確保できること
を前提として、特に既述したような記録媒体の後端部が
圧接部を少なくとも抜け出る際に発生し得る定着用回転
体等の回転の増速現象を抑制できる大きさ(強さ)の範
囲内の力を付与できるものであればよい。
【0027】このような第1発明の定着装置によれば、
制動手段により定着用回転体及び加圧用回転体の少なく
とも一方に上記した制動力が付与されるため、記録媒体
の後端部が圧接部を抜け出る際に増速することが抑制さ
れる。これにより、記録媒体後端部の増速した分に相応
して圧接部に存在する時間(定着時間)が減少すること
がなくなり、その後端部以外となる記録用紙の他の部位
とほぼ同じ定着時間の条件で定着が行われるようにな
る。この結果、記録媒体の後端部における光沢低下部分
の発生がほとんどなくなる。
【0028】また、上記制動手段としては、記録媒体が
前記圧接部を少なくとも通過する間は制動力を付与し続
ける手段が使用可能である。この制動手段としては、例
えば、定着用回転体や加圧用回転体の回転軸に対して制
動力を上記通過時期については少なくとも付与し続ける
ことが可能な装置(すべり軸受、トルクリミッターな
ど)が使用される。このような制動手段を適用した場合
は、特に記録媒体が圧接部を通過している間においては
制動力の付与時期などを制御するための機構を必要とせ
ず簡易な構成とすることが可能となり有利である。
【0029】さらに、上記制動手段としては、前記圧接
部の記録媒体通過方向の幅をD、その圧接部の出口側末
端に対して記録媒体の後端部が到達するまでの距離をL
とした場合、L≧D/2の条件を満たす時期に制動力を
付与する手段が使用可能である。このような特定時期に
制動力を付与するためには、記録媒体後端部の圧接部通
過時期を把握しておく必要があり、例えば、その後端部
の通過を検知し得るセンサ等を設け、その検知情報に基
づいて制動力を付与する動作を実行するように構成す
る。この条件を満たす時期は、少なくとも記録媒体後端
部が圧接部の中央部を通過する前又は瞬間であるため、
かかる時期に制動力を付与することにより、記録媒体後
端部が圧接部を抜け出る際に発生し得る増速現象が確実
に抑制されるようになる。
【0030】また、上記目的を達成し得る本発明(第2
発明)の定着装置は、上記第1発明で前提とする定着装
置において、前記定着用回転体又は加圧用回転体の回転
駆動速度に関する設定値を、記録媒体の後端部が前記圧
接部を抜け出る前の時期に定着速度値からそれよりも遅
い低速値に変更する速度変更手段を設けたことを特徴と
するものである。
【0031】上記速度変更手段における低速値は、少な
くとも記録用紙の後端部における光沢低下部分の発生を
抑制できる値であれば特に制約されるものではないが、
例えば定着速度値の2/3以下、好ましくは定着速度値
の半分にするとよい。また、速度変更手段における定着
速度値から低速値への変更時期は、少なくとも記録媒体
後端部が圧接部を抜け出る前の時期であれば任意である
が、例えば記録媒体の後端部が圧接部に突入する直前ご
ろとすればよい。記録媒体の通過位置については、その
通過を検知し得るセンサ等で検出すればよい。
【0032】このような第2発明の定着装置によれば、
記録媒体の後端部が圧接部を抜け出る前の所定の時期に
なると、速度変更手段により定着用回転体又は加圧用回
転体の回転駆動速度の設定値が定着速度値から低速値に
変更される。これにより、定着用回転体等が減速して定
着速度が低下するため、記録媒体後端部の圧接部の通過
所要時間が多くなり、その圧接部に存在する時間(定着
時間)が長くなる。この結果、記録媒体後端部が圧接部
を抜け出る際に増速することがあっても、その後端部が
圧接部の中央部付近を通過するまでの間は、その後端部
以外となる記録用紙の他の部位とほぼ同じ定着時間によ
る定着が行われる可能性があり、これにより、記録用紙
の後端部における光沢低下部分の発生がほとんどなくな
る。
【0033】また、上記速度変更手段としては、前記圧
接部の記録媒体通過方向の幅をD、その圧接部の出口側
末端に対して記録媒体の後端部が到達するまでの距離を
Lとした場合、L≧1/2Dの条件を満たす時期に前記
設定値を定着速度値から低速値に変更する手段が使用可
能である。この条件を満たす時期は、少なくとも記録媒
体後端部が圧接部の中央部を通過する前又は瞬間である
ため、かかる時期に回転駆動速度の設定値を定着速度か
ら低速値に変更することにより、記録媒体後端部が圧接
部を抜け出る前に十分な定着が確実に行われるようにな
る。
【0034】ここで、第1発明及び第2発明の両定着装
置における上記定着用回転体は、少なくとも上記加圧用
回転体との間で所定の領域幅からなる定着用の圧接部
(定着ニップ部)を形成して回転し得る構造物であれば
よい。具体的には、例えば、ロール形態のもの(熱源を
備えた加熱ロール)や、ベルト形態のもの(定着ベルト
を、少なくとも加圧用回転体と圧接する関係で配置され
かつ熱源を備えた加熱ロール又は加熱固定体と、それ以
外の1又は2以上のベルト支持ロールとの間に張架して
回転させるもの)等である。一方、上記加圧用回転体
は、少なくとも上記定着用回転体との間で前記した定着
ニップ部を形成して回転し得る構造物であればよい。具
体的には、例えば、ロール形態のもの、ベルト形態のも
のである。加圧用回転体には、必要に応じて熱源を配置
してもよい。
【0035】また、定着用回転体及び加圧用回転体の少
なくとも一方には、所定の幅の定着ニップ部を形成する
観点から、表層部に弾性層を設けるとよい。上記熱源
は、定着用回転体(ロール形態のものでは加熱ロール、
ベルト形態のものでは加熱ロール又は加熱固定体)を所
定の温度(定着加熱温度など)に一様に加熱保持できる
ものが使用される。
【0036】記録媒体は、基本的に、定着対象のトナー
像を担持させることができるとともに定着圧接部を通過
させて定着処理を行うことできるものであれば特に制約
されるものではない。例えば、記録用紙、厚紙、印画
紙、OHPシートなどが使用可能である。また、光沢感
に富む画像を得る観点からは、少なくともトナー像が担
持される面に無色透明の透明樹脂層を形成した記録媒体
を使用することが好ましい。このような透明樹脂層を有
する記録媒体を使用した場合には、定着時においてトナ
ー像がその透明樹脂層内に埋め込まれたような状態で定
着されるとともに、その定着後の記録媒体表面(透明樹
脂層の表面)が定着用回転体(特に定着ベルト)の平滑
な表面にならって平滑性に優れた状態となる定着が行わ
れる。すなわち、この定着後における記録媒体上の画像
は、表面凹凸による光の乱反射が少なく光沢性に富み、
写真画像に近似した高画質のものとして得られる。
【0037】以上のような第1発明及び第2発明に係る
各定着装置は、画像情報に応じたトナー像を形成し、そ
のトナー像を記録媒体に転写して定着することにより画
像の形成を行う画像形成装置において、前記トナー像を
記録媒体に定着する定着装置として使用することが有効
である。この場合、定着装置は、画像形成装置の本体内
部に装備させた状態で使用するように構成したり、ある
いは、画像形成装置とは別体でその本体外部に連結接続
された状態で使用するように構成することが可能であ
る。
【0038】また、画像形成装置は、カラー画像を形成
し得るものが好ましいが、白黒画像のみを形成するもの
であっても構わない。さらに、この画像形成装置は、感
光体等の像担持体上に形成するトナー像をベルト状又は
ドラム状の中間転写体を介して記録媒体に転写する中間
転写方式を利用するものであっても、あるいは、その中
間転写方式を利用せず、像担持体上のトナー像を記録媒
体に直接転写するものであってもよい。像担持体として
は1つ使用するものでも、あるいは複数使用するもので
もよい。さらに、このような画像形成装置は、光沢感に
優れた画像形成を行う観点から、記録媒体として前述し
たような透明樹脂層を形成したものを使用できる構成の
ものであることが好ましい。また、前述した縁なし画像
を形成することができる機能を備えていることが好まし
い。
【0039】特に、上記のような定着装置を装備する画
像形成装置によれば、記録媒体の後端部に光沢低下部分
がほとんど発生しない光沢感に優れた高画質な画像を形
成することが可能となる。特に、このような画像形成装
置は、デジタルスチルカメラ等の写真画像データの出力
用機器として好適な装置である。
【0040】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、本発明
の実施の形態1に係るカラー画像形成装置1及び定着装
置2を示すものである。この画像形成装置1は、カラー
プリンタとして使用可能なものであるほか、カラー複写
機、ファクシミリ等や、各種機能(プリント機能、コピ
ー機能、ファクシミリ機能等)を兼備させた複合機等の
作像部(出力部)として使用可能なものである。
【0041】まず、このカラー画像形成装置1は、その
装置本体10の内部に中間転写方式を採用した作像手段
が装備されている。作像手段は、矢印A方向に所定の速
度で回転する1つの感光ドラム11と、この感光ドラム
11の周囲に配置される帯電装置12、潜像書き込み装
置13、現像装置14、一次転写装置15等とでその主
要部が構成されている。
【0042】感光ドラム11としては、中空構造のドラ
ム基体の周面に有機感光材料等からなる感光層を形成し
たものを使用している。潜像書き込み装置13として
は、例えば入力される画像情報に基づいて変調されたレ
ーザビームLBを各種光学部品を介して感光ドラム11
に導いて照射するレーザビームスキャナを使用してい
る。現像装置14としては、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)及びブラック(B)の各色のトナ
ー(現像剤)が1色ずつ収容される現像器14Y,14
M,14C,14Kを回転支持体16の周面にそってほ
ぼ等間隔で配置してなるロータリー式の現像装置を使用
している。一次転写装置15としては、トナーの帯電極
性と逆極性の1次転写バイアス電圧が図示しない電源装
置から印加される一次転写ロールを配置するロール方式
のものを使用している。
【0043】このような作像手段による作像は、矢印A
方向に回転する感光ドラム11の感光表面を帯電装置1
2により所定の電位に一様に帯電した後、その表面に対
して潜像書き込み装置13により画像情報に応じた各色
成分ごとの静電潜像を形成し、しかる後、かかる静電潜
像を対応する色のトナーが収容された現像器を感光ドラ
ム11と対向する現像位置まで移動させて対向した状態
で現像することにより、感光ドラム11上にトナー像が
形成されるようになっている。この際、1色のトナー像
からなる単色画像を形成する場合には以上の作像工程が
1回実行されるだけであるのに対し、複数色のトナー像
を重ね合わせてなるカラー画像を形成する場合には以上
の作像工程がその色成分の数だけ同様に繰り返される。
【0044】この作像手段で形成された感光ドラム11
上のトナー像は、中間転写ベルト20を介して記録用紙
Pに転写される。中間転写ベルト20は、感光ドラム1
1の一次転写装置15が配置される一次転写位置となる
表面に当接するような状態で複数の支持ロール21〜2
4(例えば、駆動ロール21、従動ロール22、二次転
写バックアップロール23、テンションロール24)に
張架され、矢線B方向へ所定の速度で回転するように配
設されている。また、この中間転写ベルト20のバック
アップロール23に張架されている二次転写位置には、
そのベルト20をロール23に押し付けながら回転する
二次転写ロール26がベルト20に対して接離可能に配
設されている。
【0045】中間転写ベルト20としては、カーボンブ
ラック等の導電化剤を含有させたポリイミド等の合成樹
脂を用いて無端状のベルト形態に成形してなるものを使
用している。バックアップロール23には、トナーの帯
電極性と同極性の二次転写バイアス電圧が図示しない電
源装置から印加されるようになっている。二次転写ロー
ル26は、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像
を形成する場合には、中間転写ベルト20上のトナー像
を記録用紙Pに転写する二次転写時期に合わせてベルト
20に当接するが、それ以外の時期には離間するように
なっている。
【0046】また、装置本体10の内部下部側には、上
記した作像手段の二次転写位置に記録用紙Pを供給する
ための給紙手段が装備されている。この給紙手段は、記
録用紙Pをそのサイズ別、送り方向別等の条件に応じて
収容することができる複数の収容トレイ30a,30
b,30c、30dと、この各トレイ30から記録用紙
Pをそれぞれ送り出す送出機構31と、この各送出機構
3により各収容トレイ30から送り出される記録用紙P
(P1〜P3)を二次転写位置まで導いて搬送する、複数
の搬送ロール対32,33や搬送ガイド部材34にて構
成される給紙路等でその主要部が形成されている。この
給紙手段では、形成する画像に対応したサイズ等の記録
用紙Pが、所定の収容トレイ30から1枚ずつ送り出さ
れるようになっている。図中の一点鎖線は記録用紙Pが
搬送される経路を示す。
【0047】さらに、装置本体10の内部には、定着装
置2、二次転写後の記録用紙Pを定着装置2まで搬送す
る用紙搬送装置36、定着後の記録用紙Pを装置本体1
0の外に排出する排出ロール対37等が装備されてい
る。図中の符号38は、排出される記録用紙Pを積載し
て収容する排出トレイである。
【0048】このような中間転写ベルト20等が装備さ
れた画像形成装置1では、感光ドラム11上のトナー像
が一次転写位置で中間転写ベルト20に静電的に一次転
写される。この際、単色画像を形成する場合には、中間
転写ベルト20に一次転写されたトナー像が二次転写位
置で直ちに記録用紙Pへ静電的に二次転写される。これ
に対し、カラー画像を形成する場合には、作像手段で順
次形成される複数色のトナー像が中間転写ベルト20に
順次一次転写されて重ねあわされた後に、二次転写位置
で記録用紙Pに一括して二次転写される。
【0049】次いで、トナー像が転写された記録用紙P
は、中間転写ベルト20から剥離された後に用紙搬送装
置36により定着装置2に送り込まれて定着処理され、
かかる定着後に排出ロール対37により搬送されて排出
トレイ38に排出される。このような一連の画像形成プ
ロセスを経て単色画像又はカラー画像の形成が行われ
る。
【0050】また、このカラー画像形成装置1における
定着装置2は以下のような構成になっている。
【0051】すなわち、定着装置2は、図1や図2に示
すようにベルト併用式の定着装置であり、加熱ロール4
0と、加圧ロール45と、定着ベルト50と、剥離用ロ
ール60と、ステアリングロール61と、冷却器65と
でその主要部が構成されている。
【0052】加熱ロール40は、図2や図3に示すよう
に、金属材料からなる円筒状のロール芯材41の中空内
部に加熱用のハロゲンランプ42を配置してなるロール
構造のものである。ロール芯材の金属材料としては、
鉄、アルミニウム、ステンレス等の熱伝導率の高いもの
が使用される。この加熱ロール40は、必要に応じて、
そのロール芯材41の外周面にシリコーンゴム等からな
る弾性層を設けることや、最表面にフッ素系樹脂(PF
A等)等からなる表面層を設けることが可能である。ハ
ロゲンランプ42は、その加熱動作が加熱ロール40の
表面温度の検知情報に基づいて所定の温度の加熱ができ
るようにフィードバック制御されている。また、加熱ロ
ール40は、そのロール芯材41が回転可能に支持され
ているとともに、図4に示すように駆動モータ55の回
転力がギア列56a〜56cを介して伝達されることに
より所定の速度で矢印C方向に回転駆動するようになっ
ている。
【0053】加圧ロール45は、ロール芯材46の外周
面にシリコーンゴム等からなる弾性層47を設けた以外
は加熱ロール40とほぼ同じロール構造のものである。
加圧ロール45は、そのロール芯材46が回転自在に支
持されているとともに、図示しない加圧機構により加熱
ロール40に定着ベルト50を介して所定の圧力で圧接
されるようになっている。この加圧ロール45の圧接に
より定着ベルト50との間に圧接部(定着ニップ部)N
が形成される。上記加圧機構による加圧力については、
定着ニップ部の圧力が0.5〜3MPa、好ましくは1
〜2MPaとなるように設定されている。
【0054】定着ベルト50は、記録用紙P上のトナー
像との密着性を高める観点から、ベルト基材の外周面に
耐熱性弾性層を設けたベルト構造のものであり、加熱ロ
ール40、剥離用ロール60及びステアリングロール6
1に張架されて加熱ロール40の回転駆動により矢印D
方向に回転走行するようになっている。
【0055】ベルト基材としては、耐熱性や強度及び表
面平滑性を考慮して、ポリイミド、ポリアミド、ポリア
ミドイミド等の耐熱性樹脂やアルミニウム、ステンレス
等の金属材料等を用いて無端ベルト形状に形成したもの
が使用される。その基材の厚さは15〜250μm程度
にすることが好ましい。耐熱性樹脂からなるベルト基材
を使用する場合には、その樹脂中にカーボンブラック、
金属酸化物粉末、グラファイト粉体等の導電率調整剤を
含有させて導電性を付与してもよい。これは、定着ベル
トの電気抵抗が高すぎると、そのベルト表面が帯電しや
すくなり、これによりベルト表面に記録用紙を静電吸着
させたり、あるいは、トナーを飛散させたりして定着前
のトナー像を乱してしまうため、この不具合を回避する
ためである。
【0056】一方、耐熱性弾性層としては、トナー及び
記録用紙(特に透明樹脂層)に対する離型性とトナー像
における凹凸に対する追従性を確保することを考慮し
て、シリコーンゴム、フッ素ゴム等にて塗布形成するも
のが使用される。その層厚については5〜300μm程
度に設定することが好ましい。シリコーンゴム又はフッ
素ゴムからある耐熱性弾性層を形成した場合には、その
ベルト形成後における表面平滑性が非常に高く、特に透
明樹脂層を設けた記録用紙と組み合わせると、定着後の
画像の表面光沢度がJIS Z8741(1997)に
準じた20度鏡面光沢度で80以上となり、印画紙とほ
ぼ変わらない値が得られるようになるので好適である。
【0057】定着ベルト50の全体の厚さは、20〜4
00μm、好ましくは50〜200μmの範囲であるこ
とが好ましい。この厚さが20μm未満になると、ベル
トの強度が低くなり、こしも弱くなってしまい、逆に4
00μmを超えるようになると、熱容量が大きくなるた
め、ベルトを加熱するエネルギーの増加を招いたり、十
分に加熱するために定着速度を低くしなければならず生
産性が低下するという弊害が生じる。
【0058】剥離ロール60は、定着ベルト50を所定
の曲率で曲げた状態で張架することによりそのベルト5
0に密着した状態で搬送される定着対象のトナー像を有
する記録用紙Pが剥がれることを促すための従動回転ロ
ールである。この剥離ロール60は、そのベルト50の
磨耗を少なくする観点からアルミニウム、ステンレス、
鉄、真鍮等の金属材料にて形成されている。また、定着
ベルト50を曲げた状態にすることにより上記剥離促進
作用を確実に発揮させるという観点から、そのロールの
直径を望ましくは50mm以下にしている。なお、定着
ベルト50の回転走行を妨げず上記剥離促進作用を発揮
できる場合には、この剥離ロール60に代えて、定着ベ
ルト50の内周面に当接するように固定配置されてその
ベルトを曲げた状態で走行させるような固定部材を使用
しても構わない。
【0059】ステアリングロール61は、定着ベルト5
0の片寄り走行によるベルト端部の破損を防止するため
のロールである。このロール61は、その一方の回転軸
を固定するとともにその他方の回転軸を不図示の変位可
能な支持機構に固定してなり、その変位可能な支持機構
により他方の回転軸を所定量だけ所定の方向に変位させ
てロール全体を傾けた状態に保持することにより、片寄
って走行するベルトの走行位置を矯正するようになって
いる。
【0060】冷却器65は、定着ベルト50に密着した
状態で搬送される間における記録用紙Pを冷却するため
のものである。この冷却器65としては、ヒートシンク
(放熱板)、ヒートパイプ、冷却ファン等が使用可能で
あるが、好ましくはヒートシンクが使用される。これ
は、加熱ロール40から剥離用ロール60に至るまでの
間におけるベルト内周面に当接させた状態で設置して使
用することができ、設置スペースが少なく簡易な構成で
均一な冷却を行うことが可能であるためである。このヒ
ートシンクとしては、例えば、その上面側に複数枚の放
熱フィンが定着ベルト50の幅方向(その回転方向と直
交する方向)に沿ってほぼ平行に並んだ状態で形成さ
れ、その底面が定着ベルト50の内周面を当接する当接
(吸熱)面として形成されたアルミニウム製のものが使
用される。また、このようなヒートシンクを使用する場
合には、そのシンクがもつ熱を排除するため、そのシン
クに対して風を送るファンを併設するとよい。
【0061】このような定着装置2は、画像形成時にな
ると、加熱ロール40が回転駆動することにより定着ベ
ルト50が矢印C方向に回転走行し、その定着ベルト5
0を挟んで加熱ロール40に圧接される加圧ロール45
が従動回転する。この際、加熱ロール40に張架される
部分の定着ベルト50と加圧ロール45との間に所定の
幅からなる圧接部(定着用ニップ部)Nが形成される。
また、加熱ロール40及び加圧ロール45がハロゲンヒ
ータ42により加熱されることにより、上記定着用ニッ
プ部Nの温度が所定の加熱温度(定着温度:例えば10
0〜200℃)に維持される。
【0062】その定着時には、図2に示すように、定着
対象となるトナー像Tが転写された記録用紙Pをそのト
ナー担持面が定着ベルト側に位置する姿勢で定着用ニッ
プNに導き入れて通過させる。この定着ニップ部Nを通
過する過程によりトナー像Tが加熱加圧されて溶融され
る。
【0063】また、この定着ニップ部Nを通過して排出
される記録用紙Pは、定着ベルト50の外周面に密着し
た状態のままで搬送され、剥離用ロール60に到達した
時点で定着ベルト50から剥離される。この定着ニップ
部の通過から剥離されるまでの過程では、記録用紙Pが
定着ベルト50から直ぐに剥がれることなく密着した状
態のままで搬送されるとともに、冷却器65を通過する
時点で溶融されたトナー像(透明樹脂層がある場合には
その樹脂層も含む)が定着ベルト50に密着した状態の
ままで冷却固化される。これにより、トナー像が定着ベ
ルト50の平な表面にならい平滑性に優れたものとな
る。
【0064】その後、剥離用ロール60を通過する時点
では、記録用紙Pが、ロール60の周面の曲率に沿って
曲げられた定着ベルト50による剥離力と記録用紙P自
体の剛性とにより、定着ベルト50から自力で剥離され
る。このように自力で剥離されることにより、記録用紙
Pを定着ベルト50から剥離させる剥離爪や、その剥離
を補助するために定着ベルト50にシリコーンオイル等
の離型剤を塗布する装置を設置しなくとも対応可能とな
る。特にオイル状の離型剤を塗布しないように構成した
場合には、かかるオイル状の離型剤を使用した際に発生
するオイル筋、むら等の問題を回避することができる。
【0065】ちなみに、このようなベルト併用式の定着
装置2を用い、その定着ニップ圧力と定着温度を数段階
に変えた各条件下で定着を行った場合における定着画像
の平滑性(段差感の状態)を調べると、図16のような
結果が得られる。
【0066】この試験は、加熱ロール40として外径5
0mmのロール芯材41のみからなるものを使用し、加
圧ロール45としてロール芯材46に2mm厚の弾性層
47を形成してロール外径を50mmとしたものを使用
した。また、加熱ロール40と加圧ロール45は共にロ
ール表面温度が同じ温度となるように各ハロゲンランプ
42を制御して加熱した。定着ニップ圧力については、
加圧機構による加圧荷重をはじめ弾性層47の厚さ及び
硬度を調整することで変更するようにした。そして、透
明性樹脂層を形成した記録用紙Pに赤のべた状パッチ像
を形成した後に上記各条件下で定着を行い、その各定着
後におけるパッチ像のエッジ部をそれぞれ目視観察し、
その段差感が許容できるものであるか否かについて調べ
た。図中の曲線は、試験結果から概略求められた段差感
の許容レベルの境界線に相当するものである。
【0067】この結果、図16に示されるように、段差
感が許容できる平滑性に優れた画像を得るためには、定
着ニップ圧力が小さいときには定着ロール温度を高くす
る必要があり、定着ニップ圧力を大きくすれば定着ロー
ル温度を低くすることができる関係にあることがわか
る。定着ロール温度を低くした場合には、消費電力を少
なくすることができ、また各部材(加熱及び加圧ロー
ル、定着ベルトなど)の耐久維持性が向上してコストダ
ウンが図れる等の利点があるが、その一方で、定着ニッ
プ圧力を高めに設定する必要があるため、前述したよう
に記録用紙後端部に光沢低下部分が発生しやすくなると
いう問題がある。
【0068】そして、この定着装置2では、図3等に示
すように、その加熱ロール40に対し、記録用紙Pの後
端部が定着ニップ部Nを少なくとも抜け出る際の増速現
象を抑制するための制動力を付与する制動手段としての
すべり軸受7を設けている。
【0069】すなわち、加熱ロール40は、そのロール
芯材41の一端部側(ギア56cが取り付けられている
側)の軸部41aが装置本体10の支持フレーム11に
固定されたすべり軸受7に支持されている。一方、その
ロール芯材41の他端部側の軸部41bは支持フレーム
11に固定されたボールベアリング等による転がり軸受
48により回転自在に支持されている。また、加圧ロー
ル45については、そのロール芯材46の両端部におけ
る軸部46a,46bがいずれも支持フレーム11に固
定されたボールベアリング等による転がり軸受48によ
り回転自在に支持されている。図3中の符号49は抜け
防止用の止め具である。
【0070】すべり軸受7は、上記軸部41aの外径と
ほぼ同じ直径からなる貫通孔を中央部に形成してなるド
ーナツ形状に成形された摺接部材を備え、その貫通孔に
軸部41aを通した状態で直接支持する構造の軸受であ
る。その摺接部材としては、銅合金等の金属材料からな
るものや、ポリアセタール、4フッ化エチレン等の樹脂
材料からなるものや、金属材料からなる層と樹脂材料か
らなる層を複層化したものなどが使用される。このすべ
り軸受7は、軸部41aに対する摺接部材の摩擦抵抗に
より加熱ロール40の回転に対して制動力を付与するよ
うになっている。このすべり軸受7により付与する制動
力については、軸部41aに対する所定の動摩擦係数か
らなる摺接部材を適宜選定して使用することにより設定
することができる。摺接部材としては、好ましくは、予
め潤滑油や耐磨耗充填剤が添加されており、使用中にお
いてその潤滑油等の給油を行わない無給油型のものが使
用する。
【0071】この実施の形態1では、すべり軸受7によ
る制動力について、以下の理由により、画像形成装置で
使用可能な最大の送り幅となる記録用紙Pの後端部が定
着ニップ部を抜け出る際に加熱ロール40にかかる回転
トルクと同等又はそれ以上となる回転トルクが得られる
ような動摩擦抵抗からなる摺接部材を使用するように設
定している。
【0072】まず、上記すべり軸受7を適用しない(そ
の軸受7に代えて転がり軸受48を適用した)定着装置
2を用い、その定着ニップ部Nを送り幅の異なる各記録
用紙Pの後端部がそれぞれ抜け出る際の加熱ロール40
にかかる回転トルク(排出トルク)について異なる定着
ニップ部圧力の条件下で測定してみると、図5に示すよ
うな結果が得られる。
【0073】この測定では、加熱ロール40として外径
が50mmの鉄製のロール芯材41からなるハードタイ
プのロールを使用し、その回転速度が50mm/sec
となるように回転駆動させた。また、加圧ロール45と
しては、外径が46mmの鉄製のロール芯材46にシリ
コーンゴム(ゴム硬度60度)からなる厚さが2mmの
弾性層47を設けてロール全体の外径を50mmとした
ソフトタイプのロールを使用した。記録用紙Pとして
は、厚さが200μmの樹脂コート紙を使用した。回転
トルクについては、加熱ロール40に回転を伝達する駆
動ギアの軸に取り付けたレバーにかかる回転力をフォー
スゲージで測定し、そのときの最大値を回転トルクとし
て算出することにより求めた。
【0074】この図5の結果から、上記回転トルクは定
着ニップ圧力が大きくなるほど、また記録用紙の送り幅
が大きくなるほど、大きくなることがわかる。
【0075】そこで、定着装置2に摺接部材の動摩擦係
数μが異なる(μ=0.1、0.2)すべり軸受7を使
用した場合(図3)における、記録用紙Pの中央部が定
着ニップ部を通過する際の加熱ロール40にかかる回転
トルク(最大値)について異なる定着ニップ圧力の条件
下で測定したところ、図6に示すような結果が得られ
た。
【0076】この測定は、基本的に前記測定と同じ条件
で行った。記録用紙については、A4版サイズの用紙を
使用して横送り(送り幅:297mm)した。なお、こ
の測定では、駆動モータ55の駆動軸に手動回転用のレ
バーを取り付け、そのレバーにより加熱ロールにより定
着速度にほぼ近似した速度で回転させることにより定着
装置を稼動させた。参考までに、図6に、動摩擦係数μ
がゼロのすべり軸受を使用した場合の測定結果を併せて
示す。また、前記試験で得られた図5に示すA4LEF
の記録用紙の測定結果(後端部のニップ部を抜け出る際
の回転トルク)を併せて示す。
【0077】この図6の結果から、送り幅が最大の記録
用紙(例えばA4LEF又はA3SEF)の記録用紙後
端部の増速を抑えるためには、送り幅がA4LEFの記
録用紙の後端部が抜け出る際の回転トルクを超える回転
の増速を抑制する方向の制動力を付与するという観点か
ら、その定着ニップ圧力の大小にかかわらず、動摩擦係
数μが0.2に設定するとよいことがわかる。
【0078】そして、この実施の形態1では、すべり軸
受7として動摩擦係数μが0.2のものを適用した。ち
なみに、このすべり軸7により回転駆動する加熱ロール
40には、常に、その回転運動を抑制する制動力が付与
されることになるが、本来の定着速度を実現するうえで
駆動モータ55等に大きな負荷がかかること(モータ駆
動用の電流などの大幅な増加)はない。また、上記制動
力の設定の際に測定する回転トルクは、定着ニップ部N
のニップ圧力、加圧ロール45等の弾性層47の厚みや
硬度、記録用紙の通し幅や厚み等によって変動するた
め、定着装置2の仕様条件が決定した後に測定したもの
を適用するようにすることが好ましい。
【0079】次に、このような実施の形態1における定
着装置2を用いて以下の定着試験を行った。
【0080】定着試験では、定着装置2の加熱ロール4
0及び加圧ロール45として前記回転トルク測定時と同
じ構成のものを使用した。また、定着装置2における定
着ニップ圧力を1.0MPaに設定し、加熱ロールの回
転駆動速度を50mm/sec(定着速度)に設定し、
加熱ロール40及び加圧ロール45の表面温度をいずれ
もハロゲンランプ42により150℃に加熱するように
設定した。この際、定着ニップ部Nの記録用紙通過方向
の幅Dは平均で5.5mmであった。記録用紙Pとして
は、ポリエステル樹脂からなる厚さ10μmの透明樹脂
層を片面に形成した全厚さ200μmの写真用光沢紙を
使用した。そして、この写真用光沢紙に縁あり画像を形
成した場合と縁なし画像を形成して上記定着装置2によ
る定着を行った。
【0081】この結果、写真用光沢紙として送り幅が1
00〜300mm程度となるものを使用して定着を行
い、その各光沢紙の後端部が定着ニップ部を抜け出ると
きの速度を測定したところ、いずれの送り幅の光沢紙で
あっても、増速することなく全て50mm/secのま
まであった(図20において速度50mm/secを示
す点線Mと同じ速度状態が保たれた)。このことから、
記録用紙の後端部Peが定着ニップ部Nを抜け出る際に
発生し得る増速現象が十分に抑制されることが確認され
た。
【0082】また、定着後の各光沢紙の後端部を観察し
たところ、縁あり画像及び縁なし画像のいずれの場合で
も、その後端部に光沢度の低下部分が発生していないこ
とが確認された。特に、記録用紙Pとして透明樹脂層を
形成したものを使用した場合には、その透明樹脂層がト
ナー像と共に定着ニップ部の通過時に加熱溶融され、し
かも、その定着ニップ部の通過後には定着ベルトの外周
面に密着した状態のまま搬送されるとともにトナー像と
共に冷却固化された後に剥離されるため、あたかも表面
を平滑なラミネート処理をしたかのようなきわめて高い
光沢感のある定着画像が記録用紙Pの全面に得られる。
このため、記録用紙の後端部において光沢度の低下部分
が発生しないことは、特に縁なし画像を形成した場合に
画質の低下を招くことにならず有益である。
【0083】比較のため、すべり軸受7に代えて他の軸
部と同じ転がり軸受48(動摩擦係数はゼロとみなせ
る)を加熱ロール40に適用した(即ち加熱ロールに制
動力を付与しないようにした)以外は上記した各条件と
同じ定着装置2を用いて同じ定着試験を行ったところ、
縁あり画像及び縁なし画像のいずれの場合でも、その後
端部に2〜3mm幅の帯状となる光沢度の低下部分が発
生していることが確認された。このような光沢度低下部
分の発生は、縁なし画像の場合には目立ち、明らかに画
質の低下につながってしまう。
【0084】なお、すべり軸受7は、加熱ロール40の
片側の軸部に設ける態様に限らず、必要に応じて、加熱
ロール40の両側の軸部に設けたり、あるいは、加圧ロ
ール45の片側又は両側の軸部に設けたり、或いは、加
熱ロール40及び加圧ロール45の片側又は両側の軸部
に設けるように構成してもよい。ただし、すべり軸受7
を加熱ロール40及び加圧ロール45の両側の軸部にす
べて設ける場合には、すべり軸受と各軸部との摩擦力が
必要以上に大きくなり、ひいては駆動モータ55の駆動
電流を多く要することになるため好ましくない。また、
駆動ロールではない加圧ロール45に適用する場合に
は、その両側の軸部にすべり軸受を設ける必要がある。
これは、加圧ロール45が定着ベルト50を介して加熱
ロール40と連れまわる構造であるため、加圧ロールの
片側の軸部だけすべり軸受を設けて制動力を付与する
と、加圧ロールにねじれ作用が働き、定着ニップ部を通
過する定着ベルト50や記録用紙Pにしわが発生して定
着不良を誘発するおそれがあるからである。
【0085】[実施の形態2]図7は、実施の形態2に
おける定着装置を示すものである。この定着装置2B
は、制動手段としてすべり軸受7に代えて電磁ブレーキ
装置8を設けた以外は実施の形態1における定着装置2
Aと同じ構成からなるものである。
【0086】この電磁ブレーキ装置8は、図8に示すよ
うに、加熱ロール40の軸部41aに取り付けられたギ
ア56cにギア81を介して連結される公知の電磁ブレ
ーキ80と、その電磁ブレーキ80に動作用の電圧(励
磁電流)を印加する電源装置82とで主に構成されてい
る。電磁ブレーキ80としては、例えば、制動対象とな
る回転体に対してその回転方向とは反対方向の磁界を電
磁コイルにより形成して作用させることにより制動力を
与える一般タイプのものが使用できるほか、制動対象と
なる回転体と電磁コイルを内蔵した固定部材との間隙に
磁性粉粒を充填し、その磁性粉粒を電磁コイルに磁化さ
せることにより制動力を与えるパウダータイプのものが
使用できる。また、電磁ブレーキ80は加熱ロールの軸
部41aに直結するように取り付けて使用するように構
成しても構わない。
【0087】そして、この電磁ブレーキ装置8は、記録
用紙Pの後端部が定着ニップ部Nを抜け出る前の所定の
時期にのみ作動して加熱ロール40に制動力を付与する
ようにマイクロコンピュータ等からなる制御装置(コン
トローラ)3により制御されるようになっている。すな
わち、図7に示すように、定着ニップ部Nの手前側の位
置に記録用紙Pの後端部を検知する光学式等の後端通過
検知センサS1を設け、その検知情報に基づいてコント
ローラ3が電源装置82から電磁ブレーキ80への電圧
の印加動作(印加タイミング)を制御するようになって
いる。一方、コントローラ3は、記録用紙P(の後端部
Pe)が定着装置2Bから排出されたことを検知する排
紙検知センサS2からの検知情報に基づいて、上記電圧
の印加を停止するように構成されている。排紙検知セン
サS2は、画像形成装置本体10の排紙口に設置される
通常の排紙センサを兼用すればよいが、定着装置2Bの
排紙側に専用のセンサとして設置したものを使用するよ
うにしてもよい。
【0088】この実施の形態2では、図9に示すよう
に、定着ニップ部Nの記録用紙Pの通過方向Eに沿う幅
をD、そのニップ部Nの出口側末端Gに対して記録用紙
の後端部Peが到達するまでの距離をLとした場合、L
≧(1/2×D)の条件を満たす時期に電圧の印加を開
始して制動力を付与し始めるように設定している。ま
た、電圧印加の開始制御信号の送れ、電磁ブレーキの作
動開始遅れ等などを考慮して電磁ブレーキ80による制
動力が的確に作用するようにする観点からは、D≦L≦
2Dの条件を満たす時期に電圧の印加を開始するように
設定するとよい。
【0089】ここで、上記ニップ幅Dは、図9bに例示
するように、加熱ロール等の軸方向に沿う平面形状(ニ
ップ領域形状)が両端部から中央部にむけて次第に狭く
なるようなものであることが多いが、かかる形状からな
る定着ニップ部Nにおける上記出口側末端Gは軸方向の
ニップ中央部における末端位置となる。また、このよう
な平面形状からなる定着ニップ部Nにおける上記幅Dは
その最小の幅をさす。
【0090】したがって、コントローラ3では、後端通
過検知センサS1とニップ部Nの出口側末端Gとの距離
や定着速度等の情報に基づいて、そのセンサS1の検知
時点から上記条件式を満足する時期に至るまでの所要の
時間t1を予め算出しておき、その時間t1が経過した
後に電圧の印加を開始するように設定される。なお、L
がD/2よりも小さい時期(L<D/2)に電圧を印加
して制動力を与えた場合には、記録用紙後端部Peが定
着ニップ部Nの中央部を通過した後となるため、かかる
制動力の付与による増速現象の抑制効果が低減するか又
は得られなくなってしまう。反対に、Lが2Dを超える
時期に電圧を印加して制動力を与えた場合には、モータ
駆動用の電流を必要以上に増加させなければならない等
の不具合がある。
【0091】また、この電磁ブレーキ装置8による加熱
ロール40に付与する制動力については、実施の形態1
におけるスベリ軸受7の制動力の設定方法と同様に、記
録用紙の後端部Peが定着ニップ部Nから排出される際
の回転トルクを基準に設定される。実際、その制動力の
増減は、電源装置82から印加する電圧の値を変更する
ことにより調整される。
【0092】このような定着装置2Bによる定着は、基
本的に、すべり軸受7の制動力付与による増速現象の抑
制作用が得られる点を除けば、実施の形態2における定
着装置2Aによる定着と同様に行われる。
【0093】そして、この定着装置2Bにおいては、図
10に示すように、定着ニップ部Nに導入されて通過途
上にある記録用紙の後端部Peが後端部検知センサS1
により検知されると(ステップ10:S10)、コント
ローラ3により、その検知時点から所定の所要時間t1
が経過した時点で電磁ブレーキ装置8の電源装置82か
ら電磁ブレーキ80に電圧が印加される(S11)。つ
まり、少なくともL≧(1/2×D)の条件、好ましく
はD≦L≦2Dの条件を満たす時期に電圧が印加される
ことになる。
【0094】これにより、電磁ブレーキ80が動作して
制動力(ブレーキ作用)が発生し、かかる制動力がギア
81,56cを介して加熱ロール40に付与されること
によってその回転の増速が発生しにくい状態におかれ
る。この結果、記録用紙の後端部Peは、定着ニップ部
Nから抜け出る特定の時期だけ制動力が付与された状態
となり、ほぼ定着速度のままで定着ニップ部Nから排出
されるため、そのニップ部を抜け出る際に発生し得る増
速現象が抑制される。実際、この定着後における記録用
紙の後端部Peを観察したところ、かかる後端部Peに
は光沢度の低下部分が発生していないことが確認され
た。
【0095】その後、排紙検知センサS2により定着装
置2Bから排出された記録用紙Pの通過が検知されると
(S12)、コントローラ3により電源装置82から電
磁ブレーキ80への電圧の印加が停止され(S13)、
これにより電磁ブレーキ装置8による加熱ロール40へ
の制動力の付与が解除される。
【0096】なお、この実施の形態2においては、上記
電磁ブレーキ装置8に代えて、トルクリミッターを加熱
ロール40の軸部41aに装着し、かかるトルクリミッ
ターから所定の制動力を加熱ロール40に付与するよう
に構成することも可能である。このトルクリミッターを
使用した場合には、実施の形態1におけるすべり軸受7
と同様に、加熱ロール40に対して常に制動力を付与す
ることになる。この点、前記電磁ブレーキ装置8を使用
した場合には、電源装置82から印加する電圧の印加タ
イミングや大きさをコントラーラ3等にて適宜制御する
ことにより、加熱ロール40に付与する制動力の付与タ
イミングや大きさを任意に設定及び調整することが可能
となる。
【0097】[実施の形態3]図11は、実施の形態3
における定着装置を示すものである。この定着装置2C
は、電磁ブレーキ装置8に代えて、加熱ロール40の駆
動モータ55の速度変更装置9を設けた以外は実施の形
態2における定着装置2Bと同じ構成からなるものであ
る。
【0098】速度変更装置9は、加熱ロール40の回転
駆動速度に関する設定値を、記録用紙Pの後端部Peが
定着ニップ部Nを抜け出る前の時期に定着速度値(V
1)よりも遅い低速値(V2)に変更するものであり、
駆動モータ55の動作条件を制御する制御手段(モータ
駆動ドライバ)90をコントローラ3により制御する構
成になっている。
【0099】すなわち、図11に示すように、定着ニッ
プ部Nに導入される際の記録用紙Pの後端部Peを検知
する後端通過検知センサS1を設け、その検知情報に基
づいてコントローラ3がモータ駆動ドライバ90による
駆動モータ55の回転駆動速度の設定値を定着速度値
(V1)から低速値(V2)に変更するようになってい
る。一方、コントローラ3は、記録用紙P(の後端部P
e)が定着装置2Cから排出されたことを検知する排紙
検知センサS2からの検知情報に基づいて、モータ駆動
ドライバ90における上記回転速度の設定値を低速値
(V2)から定着速度値(V1)に変更する(戻す)よ
うに構成されている。後端通過検知センサS1及び排紙
検知センサS2はいずれも実施の形態2におけるセンサ
S1,S2と同じものである。
【0100】また、この実施の形態3においても、実施
の形態2の場合と同様に、L≧(1/2×D)の条件を
満たす時期に上記設定値の定着速度値(V1)から低速
値(V2)への変更を行うように設定している。また、
この設定値の変更は、駆動モータ55の回転速度が低速
値に減速されるまで時間を要することなどを考慮する
と、D≦L≦2Dの条件を満たす時期に行うように設定
するとよい。特に、Lが2Dを超える条件(L>2D)
となる時期に上記設定値の低速値への変更を行った場合
には、記録用紙の後端部Peが定着ニップ部Nを通過す
る所要時間が長くなるため加熱されすぎてしまい、記録
用紙の他の部位よりも光沢が高くなったり、あるいは、
ブリスター(特に透明樹脂中に小泡が発生する現象)が
発生するようになるため好ましくない。
【0101】低速値(V2)の設定は、記録用紙の後端
部Peに光沢低下部分が発生しない定着が可能な速度で
あればよく特に制約されるものではないが、この実施の
形態3では後述するように定着速度値の約半分の速度に
設定している。また、この低速値を含む設定値について
の情報は、予めドライバ90又はコントローラ3のメモ
リ部に格納されている。
【0102】このような定着装置2Cによる定着は、基
本的に、電磁ブレーキ装置8の制動力付与による増速現
象の抑制作用が得られる点を除けば、実施の形態2にお
ける定着装置2Bによる定着と同様に行われる。
【0103】そして、この定着装置2Cにおいては、図
12に示すように、定着ニップ部Nに導入されて通過途
上にある記録用紙の後端部Peが後端部検知センサS1
により検知されると(S20)、コントローラ3によ
り、その検知時点から所定の所要時間t1が経過した時
点でモータ駆動ドライバ90における回転駆動速度の設
定値が定着速度値(V1)から低速値(V2)に変更さ
れる(S21)。つまり、少なくともL≧(1/2×
D)の条件、好ましくはD≦L≦2Dの条件を満たす時
期に回転駆動速度の設定値が低速値に変更されることに
なる。
【0104】これにより、駆動モータ55の回転駆動速
度が減速し、これに伴い加熱ロール40が定着速度より
も遅い速度で回転するようになる。この結果、記録用紙
の後端部Peは、定着ニップ部Nを少し長い時間をかけ
て通過して排出されるようになる。なお、このニップ部
を抜け出る際に増速現象は発生する。しかし、実際、こ
の定着後における記録用紙の後端部Peを観察してみる
と、かかる後端部Peには光沢度の低下部分が発生して
いないことが確認された。
【0105】その後、排紙検知センサS2により定着装
置2Cから排出された記録用紙Pの通過が検知されると
(S212)、コントローラ3によりモータ駆動ドライ
バ90における回転駆動速度の設定値が低速値(V2)
から定着速度値(V1)に戻される(S23)。
【0106】図13は、加熱ロールの回転駆動速度の各
設定速度と記録用紙の後端部に発生する光沢低下部分の
長さ(記録用紙の通過方向Eに沿う寸法)との関係につ
いて測定した結果を示すものである。
【0107】この測定では、L=Dの条件を満たす時期
に、回転駆動速度の設定値を定着速度値(50mm/s
ec)から2種類の低速値(38mm/sec、25m
m/sec)に変更した。また、記録用紙Pとして実施
の形態1における測定で使用した透明樹脂層(厚さ10
μm)を有する写真用光沢紙を同様に使用するととも
に、その送り幅を3種類に異ならせた状態で供給して各
定着を行った。そして、定着後の各記録用紙を観察し、
その後端部に発生している光沢低下部分の長さを測定し
た。
【0108】この図13の結果から、記録用紙Pの送り
幅の大小にかかわらず、設定速度値を定着速度の約半分
の速度に変更することにより、用紙後端部Peの光沢低
下部分の発生を確実に抑えることができることがわか
る。
【0109】[他の実施の形態]実施の形態1乃至3で
は、定着装置2A,2B,2Cを画像形成装置1の装置
本体10の内部に装備して使用する場合について例示し
たが、これらの定着装置はいずれも、例えば図14に示
すように画像形成装置1とは別体の定着装置2Dとして
構成したうえで、画像形成装置1の装置本体10の外部
に連結接続する、いわゆる外付けタイプの定着装置とし
て使用してもよい。
【0110】この場合、画像形成装置1側にも別の定着
装置(一段目の定着装置。通常はロール単独式の定着装
置)2Fが装備されており、これと併用する構成になる
ことが多いが、これ以外にも、画像形成装置1側にはそ
の別の定着装置2Fが装備されておらず、もっぱら外付
けタイプの定着装置2Dのみを使用するように構成して
も構わない。また、外付けタイプの定着装置2Dには、
定着ベルト50の冷却器65と対向する位置となる外周
面側に用紙搬送支持ロール63を配置するとよい。図1
4において符号39は定着装置2D側に増設された第2
排紙トレイである。装置本体10の内部に装備された他
の定着装置2Fと外付けタイプの定着装置2Dとが併用
可能な構成とした場合には、定着対象であるトナー像を
有する記録用紙Pについて画像形成装置内の定着装置2
Fによる1回目の定着を行った後に、外付けタイプの定
着装置2Dによる2回目の定着を行うことができる。た
だし、外付けタイプの定着装置2Dによる定着が不要な
場合には、定着装置2Fによる定着が終了した後の記録
用紙を装置本体10に取り付けられた第1の排紙トレイ
38に排出することになる。
【0111】また、実施の形態1乃至3では、ベルト併
用式の定着装置2A,2B,2Cを使用した場合につい
て例示したが、本発明の定着装置は図15に例示するよ
うなロール単独式の定着装置2Hであってもよい。
【0112】図15に示す定着装置2Hは、基本的に、
加熱ロール40と加圧ロール45とを備えたものであ
る。この加熱ロール40及び加圧ロール45は、例えば
ベルト併用式の定着装置2A〜2Cにおける前記加熱ロ
ール40及び加圧ロール45と同じ構成からなるもので
ある。特に所定の幅の定着ニップ部Nを形成する観点か
らすると、その加熱ロール40と加圧ロール45のいず
れか一方には少なくとも弾性層47を設ける必要があ
る。また、必要に応じて、加熱ロール40側に、そのロ
ール表面を清掃するためにウエブ方式等のクリーニング
装置65を設置したり、あるいは、そのロール表面にト
ナーのオフセットを防止するための離型オイルを塗布す
る図示しないオイル塗布装置などを設置してもよい。
【0113】そして、このようなロール単独式の定着装
置2Hにおいては、例えば、実施の形態1のように加熱
ロール40の片側の軸部にすべり軸受7を設けたり、あ
るいは、実施の形態2のように電磁ブレーキ装置8など
を設けたり、あるいは、実施の形態3のように速度変更
装置9を設けるように構成すればよい。これにより、こ
の定着装置2Hによる定着を行った場合においても、実
施の形態1〜3で説明したように、記録用紙Pの後端部
Peに光沢低下部分が発生することを防止することがで
きる。
【0114】また、このようなロール単独式の定着装置
2Hにより写真調の光沢画像を得ようとする場合には、
記録用紙Pとして、その用紙自体に光沢感があり、厚め
の用紙を使用することが好ましい。具体的には、厚みが
150μm以上のコート紙、アート紙、透明樹脂コート
紙等が好適である。また、このような厚めの記録用紙P
を使用する場合には、その定着速度は普通紙を用いた定
着を行う際の定着速度よりも遅くすることが好ましい。
記録用紙の後端部における光沢低下部分の発生を防止す
るうえでも、その後端部が定着ニップ部を抜け出る手前
の時期に加熱ロール40の回転を低速に変更すると有効
である。
【0115】また、本発明においては、特に写真調の画
像形成を行う場合には、記録用紙Pとして、無色透明の
熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設けた用紙を使用す
ることが好ましく、特に高級感を持たせる観点からは、
白色度が高く厚みが150〜220μm程度の用紙を使
用することが望ましい。
【0116】上記熱可塑性樹脂としては、スチレン‐
(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、ポリウレタン等
の単独あるいは混合したものが使用できる。中でも、透
明性、機械的強度を考慮するとポリエステル樹脂を使用
することが好ましい。この熱可塑性樹脂からなる透明樹
脂層を定着時にトナーと同時に加熱溶融させ、トナー
(像)をその樹脂層中に埋め込むと同時に画像表面全体
を定着ベルト50の平滑な表面にならわせることで、高
光沢の画像が得られる。また、透明樹脂層の厚さは2〜
20μmであることが好ましい。この厚さが2μm未満
では、トナーを透明樹脂層中に十分に埋め込むことがで
きず、表面に凹凸がある画像となってしまう。逆に、厚
さが20μmを超えると、記録用紙を湾曲させた状態に
したときに透明樹脂層にクラックが発生しやすくなり定
着画像の耐久性が低下してしまう。なお、画像表面全体
の平滑化は、記録用紙の透明樹脂層とトナーの結着樹脂
の溶融粘度、さらに定着条件を適宜調整するにより実現
される。
【0117】また、透明樹脂層には、定着ベルトからの
離型性を向上させるために離型剤を含有させても良い。
この離型剤としては、例えば、低分子量ポリオレフィン
類、シリコーン類、カルボン酸エステル、カルボン酸ア
ミド、植物系ワックス、動物系ワックス、石油系ワック
ス、およびそれらの変性物などが使用できる。なかでも
カルナバワックス、パラフィン系ワックスや低分子量ポ
リオレフィン系ワックスが好適である。このような離型
剤は透明樹脂中に0.5〜10重量%の割合で含有させ
るとよい。
【0118】さらに、本発明における画像形成装置に使
用するトナーは特に限定されるものではないが、例え
ば、その結着樹脂として記録用紙上に形成される透明樹
脂層と同様のスチレン‐(メタ)アクリル共重合体、ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレンーブタジエン共
重合体、ポリウレタン等を単独あるいは混合した熱可塑
性樹脂を用いて形成されるトナーが使用可能である。ま
た、定着ベルトからの離型性を向上させるためにトナー
中に離型剤を含有させても良い。この離型剤としては、
例えば、前記透明樹脂層中に含有させる前記離型剤と同
じものを使用できる。特にそのなかでもパラフィン系ワ
ックスや低分子量ポリオレフィン系ワックスの離型剤が
好適である。これらの離型剤を結着樹脂中に0.5〜1
0重量%の割合で含有させるとよい。これらのトナーの
結着樹脂に混合する着色剤としては、公知の顔料、染料
が使用できる。また、帯電制御、転写性向上の目的で、
従来知られているトナー用の外添剤をトナー粒子に外添
するようにしてもよい。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の定着装置
及び画像形成装置によれば、記録媒体の後端部に定着処
理に起因した光沢低下部分の発生を防止することがで
き、かかる光沢低下部分のない光沢感に富む画像を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る画像形成装置及び定着装
置の要部を示す概略構成図。
【図2】 図1における定着装置の要部を拡大して示す
概略構成図。
【図3】 図2のIII−III線に沿う概略断面図。
【図4】 加熱ロールの回転駆動機構の要部を示す上面
図及び側面図。
【図5】 記録用紙後端部の定着ニップ部から排出する
際の回転トルクの測定結果を示すグラフ図。
【図6】 すべり軸受の摩擦係数に対する、記録用紙後
端部の定着ニップ部から排出する際の回転トルクの測定
結果を示すグラフ図。
【図7】 実施の形態2に係る定着装置の要部を示す概
略構成図。
【図8】 加熱ロールの回転駆動機構に設けた電磁ブレ
ーキ装置の要部を示す上面図及び側面図。
【図9】 (a)は定着ニップ部とそのニップ部を通過
する記録用紙後端部の関係を示す説明断面図、(b)は
その説明平面図。
【図10】 電磁ブレーキ装置の動作を示すフローチャ
ート。
【図11】 実施の形態3に係る定着装置の要部を示す
概略構成図。
【図12】 速度変更手段の動作を示すフローチャー
ト。
【図13】 加熱ロールの回転駆動速度の設定速度と光
沢低下部分の発生状態との測定結果を示すグラフ図。
【図14】 他の実施の形態に係る外付けタイプの定着
装置と画像形成装置を示す概略構成図。
【図15】 他の実施の形態に係るロール単独式の定着
装置の要部を示す概略断面図。
【図16】 定着ニップ圧力及びロール温度に対する定
着画像の段差感に関する試験結果を示すグラフ図。
【図17】 従来のロール単独式定着装置を示す概略構
成図。
【図18】 従来のベルト併用式定着装置を示す概略構
成図。
【図19】 記録媒体後端部に発生する光沢低下部分を
示す説明平面図。
【図20】 記録媒体後端部の定着ニップ部を抜け出す
際の速度の測定結果を示すグラフ図。
【図21】 記録媒体後端部が定着ニップ部を抜け出す
際のニップ部及び記録媒体後端部の状態を示す説明図。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…定着装置、7…すべり軸受(制
動手段)、8…電磁ブレーキ装置(制動手段)、9…速
度変更装置(速度変更手段)、40…加熱ロール(定着
用回転体又はその一部)、42…ハロゲンランプ(熱
源)、45…加圧ロール(加圧用回転体)、50…定着
ベルト(定着用回転体の一部)、P…記録用紙(記録媒
体)、Pe…後端部、T…トナー像、N…定着ニップ部
(圧接部)、E…記録用紙の送り方向(通過方向)、G
…出口側末端。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H027 DC05 DE02 DE10 EB04 EC06 ED25 EE01 EE03 2H033 AA10 BA10 BA11 BA25 BB01 BB28 BB33 BB37 CA22 CA36 CA40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源を備えた定着用回転体とこの定着回
    転体に圧接して配置される加圧用回転体とを有し、この
    定着用回転体と加圧用回転体の間に形成される圧接部
    に、定着対象のトナー像を担持する記録媒体をそのトナ
    ー像担持面が定着用回転体側に位置する姿勢で導入して
    通過させる定着装置において、 前記定着用回転体及び加圧用回転体の少なくとも一方
    に、記録媒体の後端部が前記圧接部を少なくとも抜け出
    る前の時期に回転の増速現象を抑制するための制動力を
    付与する制動手段を設けたことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記制動手段は、記録媒体が前記圧接部
    を少なくとも通過する間は制動力を付与し続ける手段で
    ある請求項1記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記制動手段は、前記圧接部の記録媒体
    通過方向の幅をD、その圧接部の出口側末端に対して記
    録媒体の後端部が到達するまでの距離をLとした場合、
    L≧D/2の条件を満たす時期に制動力を付与する手段
    である請求項1記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 熱源を備えた定着用回転体とこの定着回
    転体に圧接して配置される加圧用回転体とを有し、この
    定着用回転体と加圧用回転体の間に形成される圧接部
    に、定着対象のトナー像を担持する記録媒体をそのトナ
    ー像担持面が定着用回転体側に位置する姿勢で導入して
    通過させる定着装置において、 前記定着用回転体又は加圧用回転体の回転駆動速度に関
    する設定値を、記録媒体の後端部が前記圧接部を抜け出
    る前の時期に定着速度値からそれよりも遅い低速値に変
    更する速度変更手段を設けたことを特徴とする定着装
    置。
  5. 【請求項5】 前記速度変更手段は、前記圧接部の記録
    媒体通過方向の幅をD、その圧接部の出口側末端に対し
    て記録媒体の後端部が到達するまでの距離をLとした場
    合、L≧2/Dの条件を満たす時期に前記設定値を定着
    速度値から低速値に変更する手段である請求項4記載の
    定着装置。
  6. 【請求項6】 画像情報に応じたトナー像を形成し、そ
    のトナー像を記録媒体に転写して定着することにより画
    像の形成を行う装置であって、 前記トナー像を記録媒体に定着する定着装置として、請
    求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置を装備してい
    ることを特徴とする画像形成装置。
JP2002061828A 2002-03-07 2002-03-07 定着装置及びそれを用いた画像形成装置 Pending JP2003263048A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002061828A JP2003263048A (ja) 2002-03-07 2002-03-07 定着装置及びそれを用いた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002061828A JP2003263048A (ja) 2002-03-07 2002-03-07 定着装置及びそれを用いた画像形成装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007093377A Division JP2007183682A (ja) 2007-03-30 2007-03-30 定着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003263048A true JP2003263048A (ja) 2003-09-19

Family

ID=29195916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002061828A Pending JP2003263048A (ja) 2002-03-07 2002-03-07 定着装置及びそれを用いた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003263048A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008225069A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2013061615A (ja) * 2011-08-23 2013-04-04 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2013064957A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2017015969A (ja) * 2015-07-02 2017-01-19 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2017015882A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2019197239A (ja) * 2019-08-26 2019-11-14 株式会社リコー 定着装置、定着方法及び画像形成装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008225069A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2013061615A (ja) * 2011-08-23 2013-04-04 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2013064957A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2017015882A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2017015969A (ja) * 2015-07-02 2017-01-19 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2019197239A (ja) * 2019-08-26 2019-11-14 株式会社リコー 定着装置、定着方法及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7643767B2 (en) Transfer-fixing unit and image forming apparatus for enhanced image quality
EP2713221A2 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP2004341346A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2007057682A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2007072105A (ja) 定着装置及び画像形成装置
US7809317B2 (en) Intermediate transfer device and image forming apparatus
JP2004151260A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2003263048A (ja) 定着装置及びそれを用いた画像形成装置
US8295750B2 (en) Fixing apparatus and image forming apparatus equipped therewith
JP5045092B2 (ja) 画像形成装置
JP5538708B2 (ja) 定着装置、及びこの定着装置に用いられる加熱回転部材
JP4756619B2 (ja) 定着装置及び該定着装置を有するカラー画像形成装置
JP5332133B2 (ja) 転写定着装置、及び画像形成装置
JP2006243465A (ja) 定着装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2007183682A (ja) 定着装置
JP2006330320A (ja) 定着方法、定着装置及び画像形成装置
JP2003263046A (ja) 定着装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2003131524A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2009064040A (ja) 画像形成装置
US11687023B2 (en) Imaging system with gloss treatment device
JPH10161441A (ja) 画像形成装置
JP2003270987A (ja) ベルト定着装置
JP4041728B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4732323B2 (ja) 定着装置およびこれを備えた画像形成装置
JP2006232442A (ja) シート搬送装置及び該装置を備えた画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040917

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20050509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070529