JP2003263046A - 定着装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
定着装置及びそれを用いた画像形成装置Info
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- JP2003263046A JP2003263046A JP2002061859A JP2002061859A JP2003263046A JP 2003263046 A JP2003263046 A JP 2003263046A JP 2002061859 A JP2002061859 A JP 2002061859A JP 2002061859 A JP2002061859 A JP 2002061859A JP 2003263046 A JP2003263046 A JP 2003263046A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 記録用紙の先端部に定着処理に起因した光沢
低下部分が発生することを防止できる定着装置等を提供
する。 【解決手段】 加熱ロール40及び加圧ロール45を、
定着ニップ部Nでその加圧ロール45の表層部が加熱ロ
ール40の表層部よりも相対的に大きく弾性変形する状
態となるように設置する場合、その弾性変形が相対的に
小さい側の加熱ロール40の圧接部出口側末端Qにおけ
る接線Sが定着ニップ部Nを通過した後の定着ベルト5
0の内周面50a側に位置するように設定した。具体的
には、接線Sと定着ベルト50の定着ニップ部Nを通過
した後の進行方向とのなす角度をθとしたとき、θ>0
°の条件を満たすように設定した。
低下部分が発生することを防止できる定着装置等を提供
する。 【解決手段】 加熱ロール40及び加圧ロール45を、
定着ニップ部Nでその加圧ロール45の表層部が加熱ロ
ール40の表層部よりも相対的に大きく弾性変形する状
態となるように設置する場合、その弾性変形が相対的に
小さい側の加熱ロール40の圧接部出口側末端Qにおけ
る接線Sが定着ニップ部Nを通過した後の定着ベルト5
0の内周面50a側に位置するように設定した。具体的
には、接線Sと定着ベルト50の定着ニップ部Nを通過
した後の進行方向とのなす角度をθとしたとき、θ>0
°の条件を満たすように設定した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱源を備えた加熱
ロールに張架された定着ベルト部分とこの定着ベルトを
挟んで加熱ロールに圧接する加圧ロールとの間の圧接部
に定着対象のトナー像を担持する記録媒体を通過させる
ことにより当該トナー像の定着処理を行う定着装置と、
その定着装置を装備するプリンタ、複写機、複合機等に
代表される画像形成装置に係り、特に、記録媒体の先端
部に定着処理に起因した光沢低下部分が発生することを
防止し得る定着装置等に関するものである。
ロールに張架された定着ベルト部分とこの定着ベルトを
挟んで加熱ロールに圧接する加圧ロールとの間の圧接部
に定着対象のトナー像を担持する記録媒体を通過させる
ことにより当該トナー像の定着処理を行う定着装置と、
その定着装置を装備するプリンタ、複写機、複合機等に
代表される画像形成装置に係り、特に、記録媒体の先端
部に定着処理に起因した光沢低下部分が発生することを
防止し得る定着装置等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法等を利用したデジタル
式のカラー画像形成装置が普及している。この種の画像
形成装置においては、一般に、熱可塑性の結着用樹脂
(バインダー)に顔料等を混合してなるイエロー、マゼ
ンタ、シアン及びブラックの4色のトナーを、画像情報
に基づいて各色成分ごとに分解して変調したレーザ光等
を照射して感光体上に形成する各色成分用の静電潜像に
付着させることによりトナー像とし、この各色のトナー
像を記録用紙等の記録媒体に直接又は中間転写体を介し
て重ね合わせるような状態で転写した後、その記録媒体
上のトナー像を定着装置により記録媒体に定着させるこ
とでカラー画像が形成されるようになっている。
式のカラー画像形成装置が普及している。この種の画像
形成装置においては、一般に、熱可塑性の結着用樹脂
(バインダー)に顔料等を混合してなるイエロー、マゼ
ンタ、シアン及びブラックの4色のトナーを、画像情報
に基づいて各色成分ごとに分解して変調したレーザ光等
を照射して感光体上に形成する各色成分用の静電潜像に
付着させることによりトナー像とし、この各色のトナー
像を記録用紙等の記録媒体に直接又は中間転写体を介し
て重ね合わせるような状態で転写した後、その記録媒体
上のトナー像を定着装置により記録媒体に定着させるこ
とでカラー画像が形成されるようになっている。
【0003】このような画像形成装置で使用される定着
装置としては、図15に例示するようなロール単独式の
定着装置が広く採用されている。
装置としては、図15に例示するようなロール単独式の
定着装置が広く採用されている。
【0004】すなわち、ロール単独式の定着装置100
は、内部に熱源102を備え矢印方向に回転する定着ロ
ール(加熱ロール)101と、この定着ロール101に
圧接して回転可能に配置される加圧ロール103とを有
し、その定着ロール101と加圧ロール103との間に
形成される圧接部(定着ニップ部)Nに、未定着のトナ
ー像T1が担持された記録媒体Pを導入して通過させる
ことにより、トナー像T1を加熱加圧して記録媒体Pに
溶融固着させるという定着処理を行うものである。図中
の矢印Eは記録媒体Pの送り方向である。このような定
着装置100では、定着ロール101及び加圧ロール1
03の少なくとも一方については、円筒状のロール基材
の表面に弾性層105を形成したロール構造を採用する
ことが多い。また、必要に応じて、加圧ロール103に
も加熱ロール101と同様に熱源を配置することもあ
る。
は、内部に熱源102を備え矢印方向に回転する定着ロ
ール(加熱ロール)101と、この定着ロール101に
圧接して回転可能に配置される加圧ロール103とを有
し、その定着ロール101と加圧ロール103との間に
形成される圧接部(定着ニップ部)Nに、未定着のトナ
ー像T1が担持された記録媒体Pを導入して通過させる
ことにより、トナー像T1を加熱加圧して記録媒体Pに
溶融固着させるという定着処理を行うものである。図中
の矢印Eは記録媒体Pの送り方向である。このような定
着装置100では、定着ロール101及び加圧ロール1
03の少なくとも一方については、円筒状のロール基材
の表面に弾性層105を形成したロール構造を採用する
ことが多い。また、必要に応じて、加圧ロール103に
も加熱ロール101と同様に熱源を配置することもあ
る。
【0005】また、このロール単独式の定着装置100
にあっては、定着後の画像T2の光沢度を高めてカラー
画像の見栄えを良くする場合、例えばトナー中の熱可塑
性バインダーの分子量を低くして定着処理時の加熱に対
するトナー粘度が低くなるように調整することにより、
定着された画像T2の平滑性を向上させる対策が採られ
ている。
にあっては、定着後の画像T2の光沢度を高めてカラー
画像の見栄えを良くする場合、例えばトナー中の熱可塑
性バインダーの分子量を低くして定着処理時の加熱に対
するトナー粘度が低くなるように調整することにより、
定着された画像T2の平滑性を向上させる対策が採られ
ている。
【0006】一方、カラーレーザプリンタ等のようなカ
ラー画像形成装置を、近年市場導入が盛んなデジタルス
チルカメラの撮影画像の出力用機器として使用する例が
増えつつある。また、このような出力を行う場合には、
銀塩写真方式に使用される印画紙と同様の質感を持たせ
るために、厚さが比較的厚く表面光沢の高いコート紙や
アート紙を使用したり或いは表面に熱可塑性樹脂からな
る透明又は白色の樹脂層を設けた紙を使用し、これによ
り画像部だけではなく非画像部となる紙自体の光沢を高
くして光沢感に優れた出力画像を得ようとする試みがな
されている。
ラー画像形成装置を、近年市場導入が盛んなデジタルス
チルカメラの撮影画像の出力用機器として使用する例が
増えつつある。また、このような出力を行う場合には、
銀塩写真方式に使用される印画紙と同様の質感を持たせ
るために、厚さが比較的厚く表面光沢の高いコート紙や
アート紙を使用したり或いは表面に熱可塑性樹脂からな
る透明又は白色の樹脂層を設けた紙を使用し、これによ
り画像部だけではなく非画像部となる紙自体の光沢を高
くして光沢感に優れた出力画像を得ようとする試みがな
されている。
【0007】この点、前記ロール単独式の定着装置10
0を備えたカラー画像形成装置によりデジタルカメラの
出力を行った場合には、前述したような画像の平滑性向
上の対策を採用したとしても、銀塩写真方式の印画紙画
像(写真画像)と比較すると、トナーの厚みに起因する
凹凸感が残り、違和感のある画像になるという傾向があ
る。
0を備えたカラー画像形成装置によりデジタルカメラの
出力を行った場合には、前述したような画像の平滑性向
上の対策を採用したとしても、銀塩写真方式の印画紙画
像(写真画像)と比較すると、トナーの厚みに起因する
凹凸感が残り、違和感のある画像になるという傾向があ
る。
【0008】また、従来においては、ロール単独式の定
着装置よりもさらに画像表面の平滑性が高められ、より
印画紙写真に近い光沢性に優れたカラー画像が得られる
技術的手段として、表面に熱可塑性樹脂からなる透明樹
脂層を形成した記録媒体を使用し、かかる記録媒体上に
所定のトナー像を形成した後、ベルト併用式の定着装置
を用いて定着処理を行うカラー画像形成方法が提案され
ている(特開平5−216322号公報)。
着装置よりもさらに画像表面の平滑性が高められ、より
印画紙写真に近い光沢性に優れたカラー画像が得られる
技術的手段として、表面に熱可塑性樹脂からなる透明樹
脂層を形成した記録媒体を使用し、かかる記録媒体上に
所定のトナー像を形成した後、ベルト併用式の定着装置
を用いて定着処理を行うカラー画像形成方法が提案され
ている(特開平5−216322号公報)。
【0009】図16は、前記カラー画像形成方法に使用
されるベルト併用式の定着装置200を示すものであ
る。図中において符号201は熱源202を有する加熱
ロール、206は剥離ロール、207は加熱ロール20
1と剥離ロール206に張架された定着ベルト,20
3、204はいずれも加圧ロール、205は弾性層、2
08は定着ベルト207から記録媒体Pを剥離するため
の剥離爪、210は記録媒体の片面に形成された透明樹
脂層である。
されるベルト併用式の定着装置200を示すものであ
る。図中において符号201は熱源202を有する加熱
ロール、206は剥離ロール、207は加熱ロール20
1と剥離ロール206に張架された定着ベルト,20
3、204はいずれも加圧ロール、205は弾性層、2
08は定着ベルト207から記録媒体Pを剥離するため
の剥離爪、210は記録媒体の片面に形成された透明樹
脂層である。
【0010】このベルト併用式の定着装置200は、未
定着のトナー像T1が担持された記録媒体Pを、加熱ロ
ール201に支持された定着ベルト207と加圧ロール
203との間に形成される圧接部(定着ニップ部)Nに
導入して通過させることで加熱加圧するとともに、その
圧接部Nを通過した後においても定着ベルト207に密
着させた状態で搬送して自然冷却又は強制冷却し、最後
に剥離ロール206を通過した後に定着ベルト207か
ら剥離することによりトナー像T1の定着処理を行うよ
うになっている。このような定着装置200によれば、
特に、トナー像T1が定着ベルト207の搬送下に圧着
して加熱溶融され、記録媒体Pの透明樹脂210中に埋
め込まれた状態で搬送されながら冷却されて固化して変
形しにくい状態とされた後に定着ベルト207から分離
されるため、表面がきわめて平滑なカラー画像T2が得
られる。
定着のトナー像T1が担持された記録媒体Pを、加熱ロ
ール201に支持された定着ベルト207と加圧ロール
203との間に形成される圧接部(定着ニップ部)Nに
導入して通過させることで加熱加圧するとともに、その
圧接部Nを通過した後においても定着ベルト207に密
着させた状態で搬送して自然冷却又は強制冷却し、最後
に剥離ロール206を通過した後に定着ベルト207か
ら剥離することによりトナー像T1の定着処理を行うよ
うになっている。このような定着装置200によれば、
特に、トナー像T1が定着ベルト207の搬送下に圧着
して加熱溶融され、記録媒体Pの透明樹脂210中に埋
め込まれた状態で搬送されながら冷却されて固化して変
形しにくい状態とされた後に定着ベルト207から分離
されるため、表面がきわめて平滑なカラー画像T2が得
られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような透明樹脂層を形成した記録媒体を用いてベルト
併用式の定着装置200で定着を行った場合にあって
は、図17に示すように、その定着後における記録媒体
Pの先端部Pfに数mmから十数mmの幅で光沢度(グ
ロス)が低下した帯状の部分300が発生してしまうと
いう問題がある。
たような透明樹脂層を形成した記録媒体を用いてベルト
併用式の定着装置200で定着を行った場合にあって
は、図17に示すように、その定着後における記録媒体
Pの先端部Pfに数mmから十数mmの幅で光沢度(グ
ロス)が低下した帯状の部分300が発生してしまうと
いう問題がある。
【0012】この記録媒体の先端部Pfにおける光沢低
下部分300は、透明樹脂層を形成した記録媒体を使用
した場合、その先端部以外の部分では光沢度が均一で高
くなるため、より目立ちやすくなる傾向にある。また、
縁部を含めた記録媒体の全面に画像を形成するいわゆる
「縁なし画像」の出力を行う場合には、光沢低下部分3
00の存在はより一層目立ちやすく許容できないものと
なる。
下部分300は、透明樹脂層を形成した記録媒体を使用
した場合、その先端部以外の部分では光沢度が均一で高
くなるため、より目立ちやすくなる傾向にある。また、
縁部を含めた記録媒体の全面に画像を形成するいわゆる
「縁なし画像」の出力を行う場合には、光沢低下部分3
00の存在はより一層目立ちやすく許容できないものと
なる。
【0013】そして、本発明者らの研究によれば、かか
る光沢低下部分300は、主に、記録媒体の先端部Pf
が定着ニップ部Nを通過して抜け出た際に定着ベルト2
07に密着せずベルトから離れた状態になるときに発生
していることが判明した。
る光沢低下部分300は、主に、記録媒体の先端部Pf
が定着ニップ部Nを通過して抜け出た際に定着ベルト2
07に密着せずベルトから離れた状態になるときに発生
していることが判明した。
【0014】図18は、前記定着装置200における定
着ニップ部Nの記録媒体排出時の状態を拡大して示すも
のである。特に、この図示する定着ニップ部Naは、い
ずれも同一の厚さ及び硬度からなる弾性層205が形成
された加熱ロール201及び加圧ロール203により形
成されたものであって、その双方の弾性層205が互い
に弾性変形して平面状に圧接した状態に設定しているも
のである。
着ニップ部Nの記録媒体排出時の状態を拡大して示すも
のである。特に、この図示する定着ニップ部Naは、い
ずれも同一の厚さ及び硬度からなる弾性層205が形成
された加熱ロール201及び加圧ロール203により形
成されたものであって、その双方の弾性層205が互い
に弾性変形して平面状に圧接した状態に設定しているも
のである。
【0015】このような平面状のニップ面を形成する定
着ニップ部Naでは、記録媒体Pに作用する定着ニップ
部からの排出力の方向(定着ベルトがないとした場合に
記録媒体が排出される方向)が、図中の点線矢印Fで示
すように定着ニップ部Nの平面と平行な方向となるた
め、定着ベルト207の定着ニップ部通過後の進行方向
(主に張架方向に相当する)(点線矢印M)が、記録媒
体Pの排出方向と一致するように、定着ニップ部Naの
平面と平行な方向となるように設定するのが一般的であ
る。これは、定着ニップ部Nを通過した後の記録媒体と
定着ベルト207との密着性を保つためである。
着ニップ部Naでは、記録媒体Pに作用する定着ニップ
部からの排出力の方向(定着ベルトがないとした場合に
記録媒体が排出される方向)が、図中の点線矢印Fで示
すように定着ニップ部Nの平面と平行な方向となるた
め、定着ベルト207の定着ニップ部通過後の進行方向
(主に張架方向に相当する)(点線矢印M)が、記録媒
体Pの排出方向と一致するように、定着ニップ部Naの
平面と平行な方向となるように設定するのが一般的であ
る。これは、定着ニップ部Nを通過した後の記録媒体と
定着ベルト207との密着性を保つためである。
【0016】また、定着ニップ部Nについては、図19
aに例示するように、弾性層205を有さない加熱ロー
ル201が弾性変形しないで加圧ロール203の弾性層
205が弾性変形して下方に窪んだような凹面状のニッ
プ面とする場合(定着ニップ部Nb)や、図19bに例
示するように、弾性層205を有さない加圧ロール20
3が弾性変形しないで加熱ロール201の弾性層205
が弾性変形して上方に膨れ上がったような凸面状のニッ
プ面とする場合(定着ニップ部Nc)がある。そして、
凹面状のニップ面が形成される定着ニップ部Nbでは、
記録媒体の排出方向Fが加熱ロール201側に傾いた特
性となる一方で、凸面状のニップ面が形成される定着ニ
ップ部Ncでは、その排出方向Fが加圧ロール203側
に傾いた状態となる。しかし、いずれのニップ面からな
る定着ニップ部Nb、Ncにおいても、通常、記録媒体
の排出方向Fと定着ベルト207のニップ部通過後の進
行方向Mとが同一の方向となるように構成している。
aに例示するように、弾性層205を有さない加熱ロー
ル201が弾性変形しないで加圧ロール203の弾性層
205が弾性変形して下方に窪んだような凹面状のニッ
プ面とする場合(定着ニップ部Nb)や、図19bに例
示するように、弾性層205を有さない加圧ロール20
3が弾性変形しないで加熱ロール201の弾性層205
が弾性変形して上方に膨れ上がったような凸面状のニッ
プ面とする場合(定着ニップ部Nc)がある。そして、
凹面状のニップ面が形成される定着ニップ部Nbでは、
記録媒体の排出方向Fが加熱ロール201側に傾いた特
性となる一方で、凸面状のニップ面が形成される定着ニ
ップ部Ncでは、その排出方向Fが加圧ロール203側
に傾いた状態となる。しかし、いずれのニップ面からな
る定着ニップ部Nb、Ncにおいても、通常、記録媒体
の排出方向Fと定着ベルト207のニップ部通過後の進
行方向Mとが同一の方向となるように構成している。
【0017】ところが、このような各ニップ面からなる
定着ニップ部Na,Nb,Ncに設定した定着装置20
0では、そのいずれの場合であっても、記録媒体の排出
方向Fと定着ベルト207のニップ部通過後の進行方向
Mとが同一方向となるように構成しただけでは、その各
定着ニップ部の出口側における記録媒体Pと定着ベルト
50との密着の安定性に欠け、記録媒体の先端部Pfが
定着ベルト50から離れた状態で排出されることがあ
る。このような記録媒体先端部における現象は、特に記
録媒体上のトナー像又は透明樹脂層の定着ベルトに対す
る付着力が低い場合には、より発生しやすくなる。
定着ニップ部Na,Nb,Ncに設定した定着装置20
0では、そのいずれの場合であっても、記録媒体の排出
方向Fと定着ベルト207のニップ部通過後の進行方向
Mとが同一方向となるように構成しただけでは、その各
定着ニップ部の出口側における記録媒体Pと定着ベルト
50との密着の安定性に欠け、記録媒体の先端部Pfが
定着ベルト50から離れた状態で排出されることがあ
る。このような記録媒体先端部における現象は、特に記
録媒体上のトナー像又は透明樹脂層の定着ベルトに対す
る付着力が低い場合には、より発生しやすくなる。
【0018】ちなみに、定着ニップ部出口側における記
録媒体先端部の定着ベルトとの密着性不良に対する対策
としては、記録媒体上のトナー像又は透明樹脂層の定着
ベルトに対する付着力を高めるように設定することが考
えられるが、その付着力をいたずらに高めてしまうと、
記録媒体が冷却された後に定着ベルトから剥離されにく
くなるという別の問題が生じてしまう。
録媒体先端部の定着ベルトとの密着性不良に対する対策
としては、記録媒体上のトナー像又は透明樹脂層の定着
ベルトに対する付着力を高めるように設定することが考
えられるが、その付着力をいたずらに高めてしまうと、
記録媒体が冷却された後に定着ベルトから剥離されにく
くなるという別の問題が生じてしまう。
【0019】この他、本発明者らの研究によれば、定着
ニップ部出口側における記録媒体先端部の定着ベルトと
の密着性不良は、ベルト併用式の定着装置200を、前
記したようなロール単独式の定着装置100を内部に装
備する画像形成装置に拡張機器として連結接続して使用
するように構成し、記録媒体として透明樹脂層を形成し
たものを使用して画像形成装置内のロール単独式定着装
置100による定着を行った後にベルト併用式定着装置
200による定着を行った場合に発生しやすくなること
が確認されている。これは、ロール単独式定着装置10
0の加熱ロール101から定着後の記録媒体を良好に剥
離させる必要性から、その加熱ロール101に対するト
ナー又は透明樹脂層の離型性を高くするため、そのトナ
ー又は透明性樹脂層にワックス等の離型剤を含有させる
必要があるが、かかる離型剤の含有により、ベルト併用
式定着装置200の定着ベルトに対する当該トナー又は
透明樹脂層の付着力が低下することとなり、この結果、
その記録媒体の先端部がベルト定着ニップ部Nの出口側
において定着ベルトと密着せず剥がれた状態になりやす
くなるためと推測される。
ニップ部出口側における記録媒体先端部の定着ベルトと
の密着性不良は、ベルト併用式の定着装置200を、前
記したようなロール単独式の定着装置100を内部に装
備する画像形成装置に拡張機器として連結接続して使用
するように構成し、記録媒体として透明樹脂層を形成し
たものを使用して画像形成装置内のロール単独式定着装
置100による定着を行った後にベルト併用式定着装置
200による定着を行った場合に発生しやすくなること
が確認されている。これは、ロール単独式定着装置10
0の加熱ロール101から定着後の記録媒体を良好に剥
離させる必要性から、その加熱ロール101に対するト
ナー又は透明樹脂層の離型性を高くするため、そのトナ
ー又は透明性樹脂層にワックス等の離型剤を含有させる
必要があるが、かかる離型剤の含有により、ベルト併用
式定着装置200の定着ベルトに対する当該トナー又は
透明樹脂層の付着力が低下することとなり、この結果、
その記録媒体の先端部がベルト定着ニップ部Nの出口側
において定着ベルトと密着せず剥がれた状態になりやす
くなるためと推測される。
【0020】また、図20に例示するように、透明樹脂
層201を形成した記録媒体Pを使用して加熱加圧によ
る定着処理を行った場合には、かかる記録媒体Pがその
トナー像担持面側に反り返るような状態で変形する、い
わゆるカールが発生しやすくなり、このカールが発生し
た記録媒体が定着ベルトと平行した状態で定着ニップ部
から排出されると、これによっても定着ニップ部通過後
における記録媒体と定着ベルトとの密着性が低下してし
まうことが確認されている。このカールについては、加
熱されたトナー(T2)や透明樹脂層210が冷却され
て収縮する一方で、記録媒体の裏面(基材)が吸湿によ
り伸びることにより発生するものと考えられる。
層201を形成した記録媒体Pを使用して加熱加圧によ
る定着処理を行った場合には、かかる記録媒体Pがその
トナー像担持面側に反り返るような状態で変形する、い
わゆるカールが発生しやすくなり、このカールが発生し
た記録媒体が定着ベルトと平行した状態で定着ニップ部
から排出されると、これによっても定着ニップ部通過後
における記録媒体と定着ベルトとの密着性が低下してし
まうことが確認されている。このカールについては、加
熱されたトナー(T2)や透明樹脂層210が冷却され
て収縮する一方で、記録媒体の裏面(基材)が吸湿によ
り伸びることにより発生するものと考えられる。
【0021】本発明は、以上の課題を解決するためにな
されたものであり、特に、記録媒体の先端部に定着処理
に起因した光沢低下部分が発生することを防止できる定
着装置や画像形成装置を提供することを目的とする。
されたものであり、特に、記録媒体の先端部に定着処理
に起因した光沢低下部分が発生することを防止できる定
着装置や画像形成装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得る本
発明(第1発明)の定着装置は、図1に例示するよう
に、熱源を備えた加熱ロール4と、この加熱ロール4か
ら所定の間隔をあけて配置される支持ロールと、この加
熱ロールと支持ロールとに少なくとも張架されて回転す
る無端状の定着ベルト5と、この定着ベルト5を挟んで
前記加熱ロール4に圧接して配置される加圧ロール6と
を備え、その加圧ロール6と定着ベルト5の圧接部N
に、定着対象のトナー像を担持する記録媒体をそのトナ
ー像担持面が定着ベルト側に位置する姿勢で導入して通
過させるとともに定着ベルト5に所定の距離だけ密着さ
せた状態で搬送してから剥離させる定着装置を前提と
し、前記加熱ロール4及び加圧ロール6を、前記圧接部
Nでその加圧ロール6の表層部がその加熱ロール4の表
層部よりも相対的に大きく弾性変形する状態となるよう
に設置する場合(図1a)又はその加熱ロール4の表層
部がその加圧ロール6の表層部よりも相対的に大きく弾
性変形する状態となるように設置する場合(図1b)、
その弾性変形が相対的に小さい側の加熱ロール4又は加
圧ロール6の圧接部出口側末端Qにおける接線Sが前記
圧接部Nを通過した後の前記定着ベルト5の内周面5a
側に位置するように設定してなることを特徴とするもの
である。
発明(第1発明)の定着装置は、図1に例示するよう
に、熱源を備えた加熱ロール4と、この加熱ロール4か
ら所定の間隔をあけて配置される支持ロールと、この加
熱ロールと支持ロールとに少なくとも張架されて回転す
る無端状の定着ベルト5と、この定着ベルト5を挟んで
前記加熱ロール4に圧接して配置される加圧ロール6と
を備え、その加圧ロール6と定着ベルト5の圧接部N
に、定着対象のトナー像を担持する記録媒体をそのトナ
ー像担持面が定着ベルト側に位置する姿勢で導入して通
過させるとともに定着ベルト5に所定の距離だけ密着さ
せた状態で搬送してから剥離させる定着装置を前提と
し、前記加熱ロール4及び加圧ロール6を、前記圧接部
Nでその加圧ロール6の表層部がその加熱ロール4の表
層部よりも相対的に大きく弾性変形する状態となるよう
に設置する場合(図1a)又はその加熱ロール4の表層
部がその加圧ロール6の表層部よりも相対的に大きく弾
性変形する状態となるように設置する場合(図1b)、
その弾性変形が相対的に小さい側の加熱ロール4又は加
圧ロール6の圧接部出口側末端Qにおける接線Sが前記
圧接部Nを通過した後の前記定着ベルト5の内周面5a
側に位置するように設定してなることを特徴とするもの
である。
【0023】上記加熱ロール4及び加圧ロール5の表層
部とは、その各ロールの表面付近におけるロールの部位
である。表層部が相対的に大きく弾性変形するとは、加
熱ロール4及び加圧ロール5の一方又は双方の表面側に
弾性変形し得る弾性層7や、離型層等のような樹脂層を
設けた場合等のようにロール表層部の硬さに相対的な差
がある場合に、その硬さが相対的に小さい(柔らかい)
表層部の方が相対的に大きい(硬い)表層部の方からの
加圧により多目に弾性変形されるときの状態をいう。し
たがって、この場合には、両ロール4、5は圧接部Nに
おいて平面状に圧接した状態とならず、その一方が凹面
状に弾性変形した状態になる。
部とは、その各ロールの表面付近におけるロールの部位
である。表層部が相対的に大きく弾性変形するとは、加
熱ロール4及び加圧ロール5の一方又は双方の表面側に
弾性変形し得る弾性層7や、離型層等のような樹脂層を
設けた場合等のようにロール表層部の硬さに相対的な差
がある場合に、その硬さが相対的に小さい(柔らかい)
表層部の方が相対的に大きい(硬い)表層部の方からの
加圧により多目に弾性変形されるときの状態をいう。し
たがって、この場合には、両ロール4、5は圧接部Nに
おいて平面状に圧接した状態とならず、その一方が凹面
状に弾性変形した状態になる。
【0024】上記接線Sは、定着ベルト5がない場合
に、記録媒体が圧接部から排出される際にうける排出力
の方向に相応するものである。上記定着ベルトの内周面
は、圧接部を通過した後の定着ベルトのたわみなどを排
除して特定する観点からすると、弾性変形しない加熱ロ
ール又は加圧ロールの圧接部出口側末端と定着ベルトが
圧接部を通過した後に最初に支持されるベルト支持部
(例えば支持ロールなど)と接する接点とを結ぶ直線
(平面)である。
に、記録媒体が圧接部から排出される際にうける排出力
の方向に相応するものである。上記定着ベルトの内周面
は、圧接部を通過した後の定着ベルトのたわみなどを排
除して特定する観点からすると、弾性変形しない加熱ロ
ール又は加圧ロールの圧接部出口側末端と定着ベルトが
圧接部を通過した後に最初に支持されるベルト支持部
(例えば支持ロールなど)と接する接点とを結ぶ直線
(平面)である。
【0025】上記圧接部の出口側末端Qとは、圧接部の
平面形状がロール軸方向において記録媒体の通過方向
(送り方向)の幅Lに広狭がある場合、その幅が最も狭
い部位における地点(Q1)とその幅が最も広い部位に
おける地点(Q2)とで表すことができる。このような
圧接部出口側末端の特定は、後述するようにして行うこ
とができる。
平面形状がロール軸方向において記録媒体の通過方向
(送り方向)の幅Lに広狭がある場合、その幅が最も狭
い部位における地点(Q1)とその幅が最も広い部位に
おける地点(Q2)とで表すことができる。このような
圧接部出口側末端の特定は、後述するようにして行うこ
とができる。
【0026】また、上記接線が圧接部を通過した後の定
着ベルトの内周面側に位置するように構成するために
は、例えば、定着ベルトの圧接部通過後に支持されるベ
ルト支持部の位置を変更するか、あるいは、加圧ロール
の位置を加熱ロールの外周にそって変位させる。
着ベルトの内周面側に位置するように構成するために
は、例えば、定着ベルトの圧接部通過後に支持されるベ
ルト支持部の位置を変更するか、あるいは、加圧ロール
の位置を加熱ロールの外周にそって変位させる。
【0027】このような第1発明の定着装置によれば、
圧接部(定着ニップ部)を通過して排出される記録媒体
の排出方向が定着ベルトの圧接部通過後における進行方
向と交差するような状態になる。つまり、圧接部から排
出される記録媒体が定着ベルト(の外周面)に押し付け
られるような状態となる。これにより、その記録媒体の
先端部が定着ベルトに密着した状態で圧接部から排出さ
れるようになる。この結果、記録媒体の先端部も他の部
位と同様に圧接部通過後においても所定の距離だけ定着
ベルトに密着した状態で搬送されて冷却されることとな
り、もって記録媒体の先端部における光沢低下部分の発
生がほとんどなくなる。
圧接部(定着ニップ部)を通過して排出される記録媒体
の排出方向が定着ベルトの圧接部通過後における進行方
向と交差するような状態になる。つまり、圧接部から排
出される記録媒体が定着ベルト(の外周面)に押し付け
られるような状態となる。これにより、その記録媒体の
先端部が定着ベルトに密着した状態で圧接部から排出さ
れるようになる。この結果、記録媒体の先端部も他の部
位と同様に圧接部通過後においても所定の距離だけ定着
ベルトに密着した状態で搬送されて冷却されることとな
り、もって記録媒体の先端部における光沢低下部分の発
生がほとんどなくなる。
【0028】この第1発明の定着装置では、前記接線S
と前記定着ベルト5の圧接部Nを通過した後の進行方向
とのなす角度をθとしたとき、θ>0°の条件、好まし
くは2°<θ<20°の条件を満たすように設定する。
上記圧接部の出口側末端Qが2つ(Q1,Q2)ある場
合には、各末端Q1,Q2での接線と上記定着ベルトの
進行方向とのなす各角度θQ1,θQ2については「θQ1>
0°かつθQ2>0°」となるように設定するとよい。
と前記定着ベルト5の圧接部Nを通過した後の進行方向
とのなす角度をθとしたとき、θ>0°の条件、好まし
くは2°<θ<20°の条件を満たすように設定する。
上記圧接部の出口側末端Qが2つ(Q1,Q2)ある場
合には、各末端Q1,Q2での接線と上記定着ベルトの
進行方向とのなす各角度θQ1,θQ2については「θQ1>
0°かつθQ2>0°」となるように設定するとよい。
【0029】定着ベルト5については、前記圧接部Nで
加圧ロール5の表層部が相対的に大きく弾性変形する状
態に設定した場合(図1a)、圧接部Nを通過する際
に、その加圧ロール6の表面に巻き付かず進行するよう
に設定することが好ましい。これにより、圧接部を抜け
出た記録媒体先端部が定着ベルト5から剥がれにくくな
って密着した状態に保たされるようになり、この結果、
上記したような記録媒体の先端部における光沢低下部分
の発生がより確実に防止されるようになる。
加圧ロール5の表層部が相対的に大きく弾性変形する状
態に設定した場合(図1a)、圧接部Nを通過する際
に、その加圧ロール6の表面に巻き付かず進行するよう
に設定することが好ましい。これにより、圧接部を抜け
出た記録媒体先端部が定着ベルト5から剥がれにくくな
って密着した状態に保たされるようになり、この結果、
上記したような記録媒体の先端部における光沢低下部分
の発生がより確実に防止されるようになる。
【0030】また、上記目的を達成し得る本発明(第2
発明)の定着装置は、上記第1発明で前提とする定着装
置において、図2に例示するように、前記加熱ロール4
及び加圧ロール5を、前記圧接部Nでその加熱ロール4
の表層部とその加圧ロール5の表層部とが互いに同程度
に弾性変形して平面状に圧接するように設置する場合、
当該加熱ロール4及び加圧ロール5の回転中心点4a,
6aを結ぶ直線Hに対して前記圧接部Nで直交する垂直
線Rが前記圧接部Nを通過した後の前記定着ベルト5の
内周面5a側に位置するように設定してなることを特徴
とするものである。同程度にとは、同等に変形する場合
以外にいずれか一方の方が僅かに大きく弾性変形する場
合を含む意であり、そのいずれの場合であっても両ロー
ルの表層部が圧接部Nにおいて平面状に圧接する状態と
なるものであればよい。
発明)の定着装置は、上記第1発明で前提とする定着装
置において、図2に例示するように、前記加熱ロール4
及び加圧ロール5を、前記圧接部Nでその加熱ロール4
の表層部とその加圧ロール5の表層部とが互いに同程度
に弾性変形して平面状に圧接するように設置する場合、
当該加熱ロール4及び加圧ロール5の回転中心点4a,
6aを結ぶ直線Hに対して前記圧接部Nで直交する垂直
線Rが前記圧接部Nを通過した後の前記定着ベルト5の
内周面5a側に位置するように設定してなることを特徴
とするものである。同程度にとは、同等に変形する場合
以外にいずれか一方の方が僅かに大きく弾性変形する場
合を含む意であり、そのいずれの場合であっても両ロー
ルの表層部が圧接部Nにおいて平面状に圧接する状態と
なるものであればよい。
【0031】このような第2発明の定着装置によれば、
第1発明の定着装置とほぼ同様に、圧接部を通過して排
出される記録媒体の排出方向が定着ベルトの圧接部通過
後における進行方向と交差するような状態になり、圧接
部から排出される記録媒体が定着ベルト(の外周面)に
押し付けられるような状態となる。これにより、その記
録媒体の先端部が定着ベルトに密着した状態で圧接部か
ら排出されるようになる。この結果、記録媒体の先端部
も他の部位と同様に圧接部通過後においても所定の距離
だけ定着ベルトに密着した状態で搬送されて冷却される
こととなり、もって記録媒体の先端部における光沢低下
部分の発生がほとんどなくなる。
第1発明の定着装置とほぼ同様に、圧接部を通過して排
出される記録媒体の排出方向が定着ベルトの圧接部通過
後における進行方向と交差するような状態になり、圧接
部から排出される記録媒体が定着ベルト(の外周面)に
押し付けられるような状態となる。これにより、その記
録媒体の先端部が定着ベルトに密着した状態で圧接部か
ら排出されるようになる。この結果、記録媒体の先端部
も他の部位と同様に圧接部通過後においても所定の距離
だけ定着ベルトに密着した状態で搬送されて冷却される
こととなり、もって記録媒体の先端部における光沢低下
部分の発生がほとんどなくなる。
【0032】この第2発明の定着装置では、前記垂直線
Rと前記定着ベルト5の圧接部Nを通過した後の進行方
向とのなす角度をθとしたとき、θ>0°の条件、好ま
しくは2°<θ<20°の条件を満たすように設定す
る。
Rと前記定着ベルト5の圧接部Nを通過した後の進行方
向とのなす角度をθとしたとき、θ>0°の条件、好ま
しくは2°<θ<20°の条件を満たすように設定す
る。
【0033】ここで、第1発明及び第2発明の両定着装
置における上記熱源は、加熱ロールを所定の温度(定着
加熱温度など)に一様に加熱保持できるものが使用され
る。この熱源は、必要に応じて加圧ロール側にも配置し
てもよい。
置における上記熱源は、加熱ロールを所定の温度(定着
加熱温度など)に一様に加熱保持できるものが使用され
る。この熱源は、必要に応じて加圧ロール側にも配置し
てもよい。
【0034】また、記録媒体は、基本的に、定着対象の
トナー像を担持させることができるとともに定着圧接部
を通過させて定着処理を行うことできるものであれば特
に制約されるものではない。例えば、記録用紙、厚紙、
印画紙、OHPシートなどが使用可能である。また、光
沢感に富む画像を得る観点からは、少なくともトナー像
が担持される面に無色透明の透明樹脂層を形成した記録
媒体を使用することが好ましい。このような透明樹脂層
を有する記録媒体を使用した場合には、定着時において
トナー像がその透明樹脂層内に埋め込まれたような状態
で定着されるとともに、その定着後の記録媒体表面(透
明樹脂層の表面)が定着用回転体(特に定着ベルト)の
平滑な表面にならって平滑性に優れた状態となる定着が
行われる。すなわち、この定着後における記録媒体上の
画像は、表面凹凸による光の乱反射が少なく光沢性に富
み、写真画像に近似した高画質のものとして得られる。
トナー像を担持させることができるとともに定着圧接部
を通過させて定着処理を行うことできるものであれば特
に制約されるものではない。例えば、記録用紙、厚紙、
印画紙、OHPシートなどが使用可能である。また、光
沢感に富む画像を得る観点からは、少なくともトナー像
が担持される面に無色透明の透明樹脂層を形成した記録
媒体を使用することが好ましい。このような透明樹脂層
を有する記録媒体を使用した場合には、定着時において
トナー像がその透明樹脂層内に埋め込まれたような状態
で定着されるとともに、その定着後の記録媒体表面(透
明樹脂層の表面)が定着用回転体(特に定着ベルト)の
平滑な表面にならって平滑性に優れた状態となる定着が
行われる。すなわち、この定着後における記録媒体上の
画像は、表面凹凸による光の乱反射が少なく光沢性に富
み、写真画像に近似した高画質のものとして得られる。
【0035】以上のような第1発明及び第2発明に係る
各定着装置は、画像情報に応じたトナー像を形成し、そ
のトナー像を記録媒体に転写して定着することにより画
像の形成を行う画像形成装置において、前記トナー像を
記録媒体に定着する定着装置として使用することが有効
である。この場合、定着装置は、画像形成装置の本体内
部に装備させた状態で使用するように構成したり、ある
いは、画像形成装置とは別体でその本体外部に連結接続
された状態で使用するように構成することが可能であ
る。
各定着装置は、画像情報に応じたトナー像を形成し、そ
のトナー像を記録媒体に転写して定着することにより画
像の形成を行う画像形成装置において、前記トナー像を
記録媒体に定着する定着装置として使用することが有効
である。この場合、定着装置は、画像形成装置の本体内
部に装備させた状態で使用するように構成したり、ある
いは、画像形成装置とは別体でその本体外部に連結接続
された状態で使用するように構成することが可能であ
る。
【0036】また、画像形成装置は、カラー画像を形成
し得るものが好ましいが、白黒画像のみを形成するもの
であっても構わない。また、この画像形成装置は、感光
体等の像担持体上に形成するトナー像をベルト状又はド
ラム状の中間転写体を介して記録媒体に転写する中間転
写方式を利用するものであっても、あるいは、その中間
転写方式を利用せず、像担持体上のトナー像を記録媒体
に直接転写するものであってもよい。像担持体としては
1つ使用するものでも、あるいは複数使用するものでも
よい。さらに、このような画像形成装置は、光沢感に優
れた画像形成を行う観点から、記録媒体として前述した
ような透明樹脂層を形成したものを使用できる構成のも
のであることが好ましい。
し得るものが好ましいが、白黒画像のみを形成するもの
であっても構わない。また、この画像形成装置は、感光
体等の像担持体上に形成するトナー像をベルト状又はド
ラム状の中間転写体を介して記録媒体に転写する中間転
写方式を利用するものであっても、あるいは、その中間
転写方式を利用せず、像担持体上のトナー像を記録媒体
に直接転写するものであってもよい。像担持体としては
1つ使用するものでも、あるいは複数使用するものでも
よい。さらに、このような画像形成装置は、光沢感に優
れた画像形成を行う観点から、記録媒体として前述した
ような透明樹脂層を形成したものを使用できる構成のも
のであることが好ましい。
【0037】特に、上記のような定着装置を装備する画
像形成装置によれば、記録媒体の先端部に光沢低下部分
がほとんど発生しない光沢感に優れた高画質な画像を形
成することが可能となる。特に、このような画像形成装
置は、デジタルスチルカメラ等の写真画像データの出力
用機器として好適な装置である。
像形成装置によれば、記録媒体の先端部に光沢低下部分
がほとんど発生しない光沢感に優れた高画質な画像を形
成することが可能となる。特に、このような画像形成装
置は、デジタルスチルカメラ等の写真画像データの出力
用機器として好適な装置である。
【0038】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図3は、本発明
の実施の形態1に係るカラー画像形成装置1とこれと併
用するベルト併用式の定着装置2を示すものである。画
像形成装置1は、カラープリンタとして使用可能なもの
であるほか、カラー複写機、ファクシミリ等や、各種機
能(プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能等)
を兼備させた複合機等の作像部(出力部)として使用可
能なものである。
の実施の形態1に係るカラー画像形成装置1とこれと併
用するベルト併用式の定着装置2を示すものである。画
像形成装置1は、カラープリンタとして使用可能なもの
であるほか、カラー複写機、ファクシミリ等や、各種機
能(プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能等)
を兼備させた複合機等の作像部(出力部)として使用可
能なものである。
【0039】<画像形成装置の構成>まず、このカラー
画像形成装置1は、その装置本体10の内部に中間転写
方式を採用した作像手段が装備されている。作像手段
は、矢印A方向に所定の速度で回転する1つの感光ドラ
ム11と、この感光ドラム11の周囲に配置される帯電
装置12、潜像書き込み装置13、現像装置14、一次
転写装置15等とでその主要部が構成されている。
画像形成装置1は、その装置本体10の内部に中間転写
方式を採用した作像手段が装備されている。作像手段
は、矢印A方向に所定の速度で回転する1つの感光ドラ
ム11と、この感光ドラム11の周囲に配置される帯電
装置12、潜像書き込み装置13、現像装置14、一次
転写装置15等とでその主要部が構成されている。
【0040】感光ドラム11としては、中空構造のドラ
ム基体の周面に有機感光材料等からなる感光層を形成し
たものを使用している。潜像書き込み装置13として
は、例えば入力される画像情報に基づいて変調されたレ
ーザビームLBを各種光学部品を介して感光ドラム11
に導いて照射するレーザビームスキャナを使用してい
る。現像装置14としては、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)及びブラック(B)の各色のトナ
ー(現像剤)が1色ずつ収容される現像器14Y,14
M,14C,14Kを回転支持体16の周面にそってほ
ぼ等間隔で配置してなるロータリー式の現像装置を使用
している。一次転写装置15としては、トナーの帯電極
性と逆極性の1次転写バイアス電圧が図示しない電源装
置から印加される一次転写ロールを配置するロール方式
のものを使用している。
ム基体の周面に有機感光材料等からなる感光層を形成し
たものを使用している。潜像書き込み装置13として
は、例えば入力される画像情報に基づいて変調されたレ
ーザビームLBを各種光学部品を介して感光ドラム11
に導いて照射するレーザビームスキャナを使用してい
る。現像装置14としては、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)及びブラック(B)の各色のトナ
ー(現像剤)が1色ずつ収容される現像器14Y,14
M,14C,14Kを回転支持体16の周面にそってほ
ぼ等間隔で配置してなるロータリー式の現像装置を使用
している。一次転写装置15としては、トナーの帯電極
性と逆極性の1次転写バイアス電圧が図示しない電源装
置から印加される一次転写ロールを配置するロール方式
のものを使用している。
【0041】このような作像手段による作像は、矢印A
方向に回転する感光ドラム11の感光表面を帯電装置1
2により所定の電位に一様に帯電した後、その表面に対
して潜像書き込み装置13により画像情報に応じた各色
成分ごとの静電潜像を形成し、しかる後、かかる静電潜
像を対応する色のトナーが収容された現像器を感光ドラ
ム11と対向する現像位置まで移動させて対向した状態
で現像することにより、感光ドラム11上にトナー像が
形成されるようになっている。この際、1色のトナー像
からなる単色画像を形成する場合には以上の作像工程が
1回実行されるだけであるのに対し、複数色のトナー像
を重ね合わせてなるカラー画像を形成する場合には以上
の作像工程がその色成分の数だけ同様に繰り返される。
方向に回転する感光ドラム11の感光表面を帯電装置1
2により所定の電位に一様に帯電した後、その表面に対
して潜像書き込み装置13により画像情報に応じた各色
成分ごとの静電潜像を形成し、しかる後、かかる静電潜
像を対応する色のトナーが収容された現像器を感光ドラ
ム11と対向する現像位置まで移動させて対向した状態
で現像することにより、感光ドラム11上にトナー像が
形成されるようになっている。この際、1色のトナー像
からなる単色画像を形成する場合には以上の作像工程が
1回実行されるだけであるのに対し、複数色のトナー像
を重ね合わせてなるカラー画像を形成する場合には以上
の作像工程がその色成分の数だけ同様に繰り返される。
【0042】この作像手段で形成された感光ドラム11
上のトナー像は、中間転写ベルト20を介して記録用紙
Pに転写される。中間転写ベルト20は、感光ドラム1
1の一次転写装置15が配置される一次転写位置となる
表面に当接するような状態で複数の支持ロール21〜2
4(例えば、駆動ロール21、従動ロール22、二次転
写バックアップロール23、テンションロール24)に
張架され、矢線B方向へ所定の速度で回転するように配
設されている。また、この中間転写ベルト20のバック
アップロール23に張架されている二次転写位置には、
そのベルト20をロール23に押し付けながら回転する
二次転写ロール26がベルト20に対して接離可能に配
設されている。
上のトナー像は、中間転写ベルト20を介して記録用紙
Pに転写される。中間転写ベルト20は、感光ドラム1
1の一次転写装置15が配置される一次転写位置となる
表面に当接するような状態で複数の支持ロール21〜2
4(例えば、駆動ロール21、従動ロール22、二次転
写バックアップロール23、テンションロール24)に
張架され、矢線B方向へ所定の速度で回転するように配
設されている。また、この中間転写ベルト20のバック
アップロール23に張架されている二次転写位置には、
そのベルト20をロール23に押し付けながら回転する
二次転写ロール26がベルト20に対して接離可能に配
設されている。
【0043】中間転写ベルト20としては、カーボンブ
ラック等の導電化剤を含有させたポリイミド等の合成樹
脂を用いて無端状のベルト形態に成形してなるものを使
用している。バックアップロール23には、トナーの帯
電極性と同極性の二次転写バイアス電圧が図示しない電
源装置から印加されるようになっている。二次転写ロー
ル26は、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像
を形成する場合には、中間転写ベルト20上のトナー像
を記録用紙Pに転写する二次転写時期に合わせてベルト
20に当接するが、それ以外の時期には離間するように
なっている。
ラック等の導電化剤を含有させたポリイミド等の合成樹
脂を用いて無端状のベルト形態に成形してなるものを使
用している。バックアップロール23には、トナーの帯
電極性と同極性の二次転写バイアス電圧が図示しない電
源装置から印加されるようになっている。二次転写ロー
ル26は、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像
を形成する場合には、中間転写ベルト20上のトナー像
を記録用紙Pに転写する二次転写時期に合わせてベルト
20に当接するが、それ以外の時期には離間するように
なっている。
【0044】また、装置本体10の内部下部側には、上
記した作像手段の二次転写位置に記録用紙Pを供給する
ための給紙手段が装備されている。この給紙手段は、記
録用紙Pをそのサイズ別、送り方向別等の条件に応じて
収容することができる複数の収容トレイ30a,30
b,30c、30dと、この各トレイ30から記録用紙
Pをそれぞれ送り出す送出機構31と、この各送出機構
31により各収容トレイ30から送り出される記録用紙
P(P1〜P3)を二次転写位置まで導いて搬送する、複
数の搬送ロール対32,33や搬送ガイド部材34にて
構成される給紙路等でその主要部が形成されている。こ
の給紙手段では、形成する画像に対応したサイズ等の記
録用紙Pが、所定の収容トレイ30から1枚ずつ送り出
されるようになっている。図中の一点鎖線は記録用紙P
が搬送される経路を示す。
記した作像手段の二次転写位置に記録用紙Pを供給する
ための給紙手段が装備されている。この給紙手段は、記
録用紙Pをそのサイズ別、送り方向別等の条件に応じて
収容することができる複数の収容トレイ30a,30
b,30c、30dと、この各トレイ30から記録用紙
Pをそれぞれ送り出す送出機構31と、この各送出機構
31により各収容トレイ30から送り出される記録用紙
P(P1〜P3)を二次転写位置まで導いて搬送する、複
数の搬送ロール対32,33や搬送ガイド部材34にて
構成される給紙路等でその主要部が形成されている。こ
の給紙手段では、形成する画像に対応したサイズ等の記
録用紙Pが、所定の収容トレイ30から1枚ずつ送り出
されるようになっている。図中の一点鎖線は記録用紙P
が搬送される経路を示す。
【0045】さらに、装置本体10の内部には、ロール
単独式の定着装置3、二次転写後の記録用紙Pを定着装
置3まで搬送する用紙搬送装置36、定着後の記録用紙
Pを装置本体10の外に排出する排出ロール対37等が
装備されている。図中の符号38は、ベルト併用式の定
着装置2による定着が不要な記録用紙Pを積載して収容
する排出トレイである。定着装置3は、矢印方向に回転
駆動する加熱ロール40とこの加熱ロール40に圧接し
て回転する加圧ロール45と、加熱ロール40の表面を
清掃するウエブ式のクリーニング装置65等でその主要
部が構成されている。この定着装置2における加熱ロー
ル40と加圧ロール45は、そのいずれも金属材料等か
らなるロール基体の外周面に所定の厚さ及びゴム硬度等
からなる弾性層を設けたロール構造からなるものであ
る。
単独式の定着装置3、二次転写後の記録用紙Pを定着装
置3まで搬送する用紙搬送装置36、定着後の記録用紙
Pを装置本体10の外に排出する排出ロール対37等が
装備されている。図中の符号38は、ベルト併用式の定
着装置2による定着が不要な記録用紙Pを積載して収容
する排出トレイである。定着装置3は、矢印方向に回転
駆動する加熱ロール40とこの加熱ロール40に圧接し
て回転する加圧ロール45と、加熱ロール40の表面を
清掃するウエブ式のクリーニング装置65等でその主要
部が構成されている。この定着装置2における加熱ロー
ル40と加圧ロール45は、そのいずれも金属材料等か
らなるロール基体の外周面に所定の厚さ及びゴム硬度等
からなる弾性層を設けたロール構造からなるものであ
る。
【0046】このような中間転写ベルト20等が装備さ
れた画像形成装置1では、感光ドラム11上のトナー像
が一次転写位置で中間転写ベルト20に静電的に一次転
写される。この際、単色画像を形成する場合には、中間
転写ベルト20に一次転写されたトナー像が二次転写位
置で直ちに記録用紙Pへ静電的に二次転写される。これ
に対し、カラー画像を形成する場合には、作像手段で順
次形成される複数色のトナー像が中間転写ベルト20に
順次一次転写されて重ねあわされた後に、二次転写位置
で記録用紙Pに一括して二次転写される。
れた画像形成装置1では、感光ドラム11上のトナー像
が一次転写位置で中間転写ベルト20に静電的に一次転
写される。この際、単色画像を形成する場合には、中間
転写ベルト20に一次転写されたトナー像が二次転写位
置で直ちに記録用紙Pへ静電的に二次転写される。これ
に対し、カラー画像を形成する場合には、作像手段で順
次形成される複数色のトナー像が中間転写ベルト20に
順次一次転写されて重ねあわされた後に、二次転写位置
で記録用紙Pに一括して二次転写される。
【0047】次いで、トナー像が転写された記録用紙P
は、中間転写ベルト20から剥離された後に用紙搬送装
置36により定着装置3に送り込まれて定着処理され、
かかる定着後に排出ロール対37により装置本体10外
に搬送される。そして、その定着後の記録用紙Pは、定
着装置2による定着を行う場合には定着装置2へむけて
搬送されるが、その定着を行わない場合には排出トレイ
38に排出される。このような一連の画像形成プロセス
を経て画像形成装置1による基本的な単色画像又はカラ
ー画像の形成が行われる。定着装置2による定着を行う
場合には、かかる定着が終了した段階で画像形成が終了
することになる。
は、中間転写ベルト20から剥離された後に用紙搬送装
置36により定着装置3に送り込まれて定着処理され、
かかる定着後に排出ロール対37により装置本体10外
に搬送される。そして、その定着後の記録用紙Pは、定
着装置2による定着を行う場合には定着装置2へむけて
搬送されるが、その定着を行わない場合には排出トレイ
38に排出される。このような一連の画像形成プロセス
を経て画像形成装置1による基本的な単色画像又はカラ
ー画像の形成が行われる。定着装置2による定着を行う
場合には、かかる定着が終了した段階で画像形成が終了
することになる。
【0048】<定着装置の構成>このカラー画像形成装
置1と併用される定着装置2は以下のような構成になっ
ている。
置1と併用される定着装置2は以下のような構成になっ
ている。
【0049】すなわち、定着装置2は、図3や図4に示
すようにベルト併用式の定着装置であり、加熱ロール4
0と、加圧ロール45と、定着ベルト50と、剥離用ロ
ール60と、ステアリングロール61と、冷却器65と
でその主要部が構成されている。図中の符号49は定着
装置の本体(筐体)を示す。
すようにベルト併用式の定着装置であり、加熱ロール4
0と、加圧ロール45と、定着ベルト50と、剥離用ロ
ール60と、ステアリングロール61と、冷却器65と
でその主要部が構成されている。図中の符号49は定着
装置の本体(筐体)を示す。
【0050】加熱ロール40は、金属材料からなる円筒
状のロール芯材41の中空内部に加熱用のハロゲンラン
プ42を配置してなるロール構造のものである。ロール
芯材の金属材料としては、鉄、アルミニウム、ステンレ
ス等の熱伝導率の高いものが使用される。この加熱ロー
ル40は、必要に応じて、そのロール芯材41の外周面
にシリコーンゴム等からなる弾性層を設けることや、最
表面にフッ素系樹脂(PFA等)等からなる表面層を設
けることが可能である。弾性層を設ける場合、その弾性
層としては厚みが1〜3mm、ゴム硬度が20〜60度
であるものを形成することが好ましい。ハロゲンランプ
42は、その加熱動作が加熱ロール40の表面温度の検
知情報に基づいて所定の温度の加熱ができるようにフィ
ードバック制御されている。また、加熱ロール40は、
そのロール芯材41が回転可能に支持されているととも
に、図示しない回転駆動源から伝達される回転駆動力に
より所定の速度で矢印C方向に回転駆動するようになっ
ている。
状のロール芯材41の中空内部に加熱用のハロゲンラン
プ42を配置してなるロール構造のものである。ロール
芯材の金属材料としては、鉄、アルミニウム、ステンレ
ス等の熱伝導率の高いものが使用される。この加熱ロー
ル40は、必要に応じて、そのロール芯材41の外周面
にシリコーンゴム等からなる弾性層を設けることや、最
表面にフッ素系樹脂(PFA等)等からなる表面層を設
けることが可能である。弾性層を設ける場合、その弾性
層としては厚みが1〜3mm、ゴム硬度が20〜60度
であるものを形成することが好ましい。ハロゲンランプ
42は、その加熱動作が加熱ロール40の表面温度の検
知情報に基づいて所定の温度の加熱ができるようにフィ
ードバック制御されている。また、加熱ロール40は、
そのロール芯材41が回転可能に支持されているととも
に、図示しない回転駆動源から伝達される回転駆動力に
より所定の速度で矢印C方向に回転駆動するようになっ
ている。
【0051】加圧ロール45は、ロール芯材46の外周
面にシリコーンゴム等からなる弾性層47を設けた以外
は加熱ロール40とほぼ同じロール構造のものである。
加圧ロール45は、そのロール芯材46が回転自在に支
持されているとともに、図示しない加圧機構により加熱
ロール40に定着ベルト50を介して所定の圧力で圧接
されるようになっている。この加圧ロール45の圧接に
より定着ベルト50との間に圧接部(定着ニップ部)N
が形成される。上記加圧機構による加圧力については、
定着ニップ部の圧力が0.5〜3MPa、好ましくは1
〜2MPaとなるように設定されている。
面にシリコーンゴム等からなる弾性層47を設けた以外
は加熱ロール40とほぼ同じロール構造のものである。
加圧ロール45は、そのロール芯材46が回転自在に支
持されているとともに、図示しない加圧機構により加熱
ロール40に定着ベルト50を介して所定の圧力で圧接
されるようになっている。この加圧ロール45の圧接に
より定着ベルト50との間に圧接部(定着ニップ部)N
が形成される。上記加圧機構による加圧力については、
定着ニップ部の圧力が0.5〜3MPa、好ましくは1
〜2MPaとなるように設定されている。
【0052】定着ベルト50は、記録用紙P上のトナー
像との密着性を高める観点から、ベルト基材の外周面に
耐熱性弾性層を設けたベルト構造のものであり、加熱ロ
ール40、剥離用ロール60及びステアリングロール6
1に張架されて加熱ロール40の回転駆動により矢印D
方向に回転走行するようになっている。
像との密着性を高める観点から、ベルト基材の外周面に
耐熱性弾性層を設けたベルト構造のものであり、加熱ロ
ール40、剥離用ロール60及びステアリングロール6
1に張架されて加熱ロール40の回転駆動により矢印D
方向に回転走行するようになっている。
【0053】上記ベルト基材としては、耐熱性や強度及
び表面平滑性を考慮して、ポリイミド、ポリアミド、ポ
リアミドイミド等の耐熱性樹脂やアルミニウム、ステン
レス等の金属材料等を用いて無端ベルト形状に形成した
ものが使用される。その基材の厚さは15〜250μm
程度にすることが好ましい。耐熱性樹脂からなるベルト
基材を使用する場合には、その樹脂中にカーボンブラッ
ク、金属酸化物粉末、グラファイト粉体等の導電率調整
剤を含有させて導電性を付与してもよい。これは、定着
ベルトの電気抵抗が高すぎると、そのベルト表面が帯電
しやすくなり、これによりベルト表面に記録用紙を静電
吸着させたり、あるいは、トナーを飛散させたりして定
着前のトナー像を乱してしまうため、この不具合を回避
するためである。
び表面平滑性を考慮して、ポリイミド、ポリアミド、ポ
リアミドイミド等の耐熱性樹脂やアルミニウム、ステン
レス等の金属材料等を用いて無端ベルト形状に形成した
ものが使用される。その基材の厚さは15〜250μm
程度にすることが好ましい。耐熱性樹脂からなるベルト
基材を使用する場合には、その樹脂中にカーボンブラッ
ク、金属酸化物粉末、グラファイト粉体等の導電率調整
剤を含有させて導電性を付与してもよい。これは、定着
ベルトの電気抵抗が高すぎると、そのベルト表面が帯電
しやすくなり、これによりベルト表面に記録用紙を静電
吸着させたり、あるいは、トナーを飛散させたりして定
着前のトナー像を乱してしまうため、この不具合を回避
するためである。
【0054】上記耐熱性弾性層としては、トナー及び記
録用紙(特に透明樹脂層)に対する離型性とトナー像に
おける凹凸に対する追従性を確保することを考慮して、
シリコーンゴム、フッ素ゴム等にて塗布形成するものが
使用される。その層厚については5〜100μm、より
好ましくは20〜60μm程度に設定し、また、その硬
度についてはゴム硬度で20〜60°に設定することが
好ましい。シリコーンゴム又はフッ素ゴムからある耐熱
性弾性層を形成した場合には、そのベルト形成後におけ
る表面平滑性が非常に高く、特に透明樹脂層を設けた記
録用紙と組み合わせると、定着後の画像の表面光沢度が
JIS Z8741(1997)に準じた20度鏡面光
沢度で80以上となり、印画紙とほぼ変わらない値が得
られるようになるので好適である。なかでも、この耐熱
性弾性層を、液状フッ素エラストマー(信越化学製:S
IFEL)をコーティングすることにより形成した場合
には、トナーや透明樹脂層に含有させるワックス等の離
型剤が付着しにくくなるため好ましい。
録用紙(特に透明樹脂層)に対する離型性とトナー像に
おける凹凸に対する追従性を確保することを考慮して、
シリコーンゴム、フッ素ゴム等にて塗布形成するものが
使用される。その層厚については5〜100μm、より
好ましくは20〜60μm程度に設定し、また、その硬
度についてはゴム硬度で20〜60°に設定することが
好ましい。シリコーンゴム又はフッ素ゴムからある耐熱
性弾性層を形成した場合には、そのベルト形成後におけ
る表面平滑性が非常に高く、特に透明樹脂層を設けた記
録用紙と組み合わせると、定着後の画像の表面光沢度が
JIS Z8741(1997)に準じた20度鏡面光
沢度で80以上となり、印画紙とほぼ変わらない値が得
られるようになるので好適である。なかでも、この耐熱
性弾性層を、液状フッ素エラストマー(信越化学製:S
IFEL)をコーティングすることにより形成した場合
には、トナーや透明樹脂層に含有させるワックス等の離
型剤が付着しにくくなるため好ましい。
【0055】定着ベルト50の全体の厚さは20〜30
0μm、好ましくは50〜200μmの範囲であること
が好ましい。この厚さが20μm未満になると、ベルト
の強度が低くなり、こしも弱くなってしまい、逆に30
0μmを超えると、熱容量が大きくなるため、ベルトを
加熱するエネルギーの増加を招いたり、十分に加熱する
ために定着速度を低くしなければならず生産性が低下す
るという弊害が生じる。また、定着ベルト50の幅は、
そのベルトの片寄り走行分を考慮して、適用可能な記録
用紙Pの最大送り幅よりも数十mm程度広い幅に設定す
る。
0μm、好ましくは50〜200μmの範囲であること
が好ましい。この厚さが20μm未満になると、ベルト
の強度が低くなり、こしも弱くなってしまい、逆に30
0μmを超えると、熱容量が大きくなるため、ベルトを
加熱するエネルギーの増加を招いたり、十分に加熱する
ために定着速度を低くしなければならず生産性が低下す
るという弊害が生じる。また、定着ベルト50の幅は、
そのベルトの片寄り走行分を考慮して、適用可能な記録
用紙Pの最大送り幅よりも数十mm程度広い幅に設定す
る。
【0056】剥離ロール60は、定着ベルト50を所定
の曲率で曲げた状態で張架することによりそのベルト5
0に密着した状態で搬送される定着対象のトナー像を有
する記録用紙Pが剥がれることを促すための従動回転ロ
ールである。この剥離ロール60は、そのベルト50の
磨耗を少なくする観点からアルミニウム、ステンレス、
鉄、真鍮等の金属材料にて形成されている。また、定着
ベルト50を曲げた状態にすることにより上記剥離促進
作用を確実に発揮させるという観点から、そのロールの
直径を望ましくは50mm以下にしている。なお、定着
ベルト50の回転走行を妨げず上記剥離促進作用を発揮
できる場合には、この剥離ロール60に代えて、定着ベ
ルト50の内周面に当接するように固定配置されてその
ベルトを曲げた状態で走行させるような固定部材を使用
しても構わない。
の曲率で曲げた状態で張架することによりそのベルト5
0に密着した状態で搬送される定着対象のトナー像を有
する記録用紙Pが剥がれることを促すための従動回転ロ
ールである。この剥離ロール60は、そのベルト50の
磨耗を少なくする観点からアルミニウム、ステンレス、
鉄、真鍮等の金属材料にて形成されている。また、定着
ベルト50を曲げた状態にすることにより上記剥離促進
作用を確実に発揮させるという観点から、そのロールの
直径を望ましくは50mm以下にしている。なお、定着
ベルト50の回転走行を妨げず上記剥離促進作用を発揮
できる場合には、この剥離ロール60に代えて、定着ベ
ルト50の内周面に当接するように固定配置されてその
ベルトを曲げた状態で走行させるような固定部材を使用
しても構わない。
【0057】ステアリングロール61は、定着ベルト5
0の片寄り走行によるベルト端部の破損を防止するため
のロールである。このロール61は、その一方の回転軸
を固定するとともにその他方の回転軸を不図示の変位可
能な支持機構に固定してなり、その変位可能な支持機構
により他方の回転軸を所定量だけ所定の方向に変位させ
てロール全体を傾けた状態に保持することにより、片寄
って走行するベルトの走行位置を矯正するようになって
いる。また、このステアリングロール61には、定着ベ
ルト50に張力を付与する機構を付加してもよい。定着
ベルト50の張力は5〜50×10-4N/mmの範囲内
で設定するとよい。この張力がこの範囲未満であると、
ステアリングロール61によるベルト走行位置の矯正機
能が得られなくなり、逆にその張力が上記範囲を超える
と、定着ベルト50及びそのベルトを支持する部材(ロ
ール等)の強度を必要以上に高める必要があり適当では
ない。
0の片寄り走行によるベルト端部の破損を防止するため
のロールである。このロール61は、その一方の回転軸
を固定するとともにその他方の回転軸を不図示の変位可
能な支持機構に固定してなり、その変位可能な支持機構
により他方の回転軸を所定量だけ所定の方向に変位させ
てロール全体を傾けた状態に保持することにより、片寄
って走行するベルトの走行位置を矯正するようになって
いる。また、このステアリングロール61には、定着ベ
ルト50に張力を付与する機構を付加してもよい。定着
ベルト50の張力は5〜50×10-4N/mmの範囲内
で設定するとよい。この張力がこの範囲未満であると、
ステアリングロール61によるベルト走行位置の矯正機
能が得られなくなり、逆にその張力が上記範囲を超える
と、定着ベルト50及びそのベルトを支持する部材(ロ
ール等)の強度を必要以上に高める必要があり適当では
ない。
【0058】冷却器65は、定着ベルト50に密着した
状態で搬送されるときの記録用紙Pを冷却するためのも
のである。この冷却器65としては、ヒートシンク(放
熱板)、ヒートパイプ、冷却ファン等が使用可能である
が、好ましくはヒートシンクが使用される。これは、加
熱ロール40から剥離用ロール60に至るまでの間にお
けるベルト内周面に当接させた状態で設置して使用する
ことができ、設置スペースが少なく簡易な構成で均一な
冷却を行うことが可能であるためである。
状態で搬送されるときの記録用紙Pを冷却するためのも
のである。この冷却器65としては、ヒートシンク(放
熱板)、ヒートパイプ、冷却ファン等が使用可能である
が、好ましくはヒートシンクが使用される。これは、加
熱ロール40から剥離用ロール60に至るまでの間にお
けるベルト内周面に当接させた状態で設置して使用する
ことができ、設置スペースが少なく簡易な構成で均一な
冷却を行うことが可能であるためである。
【0059】このヒートシンク66としては、例えば、
図5に示すように、その上面側に複数枚の放熱フィンが
定着ベルト50の幅方向(加熱ロールの軸方向と平行す
る方向)に沿ってほぼ平行に並んだ状態で立設されるよ
うにして形成され、その底面が定着ベルト50の内周面
を当接する当接(吸熱)面として形成されたアルミニウ
ム製のものが使用される。また、このようなヒートシン
クを使用する場合には、そのシンクがもつ熱を排除する
ため、そのシンクに対して風を送るファンや送風用ダク
ト等を併設するとよい。
図5に示すように、その上面側に複数枚の放熱フィンが
定着ベルト50の幅方向(加熱ロールの軸方向と平行す
る方向)に沿ってほぼ平行に並んだ状態で立設されるよ
うにして形成され、その底面が定着ベルト50の内周面
を当接する当接(吸熱)面として形成されたアルミニウ
ム製のものが使用される。また、このようなヒートシン
クを使用する場合には、そのシンクがもつ熱を排除する
ため、そのシンクに対して風を送るファンや送風用ダク
ト等を併設するとよい。
【0060】また、冷却器65に定着ベルト50を良好
に当接させる観点からは、図4等に例示するように定着
ベルト50を冷却器65の底面部に押し付けるためのバ
ックアップロール63を設けることが好ましい。このバ
ックアップロール63を設けることにより、加熱された
定着ベルト50が冷却器65により急冷されて収縮する
ことでしわが発生するような場合があっても、定着ベル
トがロール63により冷却器65の底面部に押し付けら
れるため、そのしわが冷却器65の底面部を通過して定
着ベルト50の当該底面部との接触不良を誘発すること
が防止され、この結果、その接触不良による記録用紙の
冷却むらが発生することを回避することができる。さら
に、シートシンク等からなる冷却器65を定着ベルト5
0の内周面に良好に当接させる観点から、その冷却器の
底面部を所定の曲率からなる曲面形状に形成するとよ
い。
に当接させる観点からは、図4等に例示するように定着
ベルト50を冷却器65の底面部に押し付けるためのバ
ックアップロール63を設けることが好ましい。このバ
ックアップロール63を設けることにより、加熱された
定着ベルト50が冷却器65により急冷されて収縮する
ことでしわが発生するような場合があっても、定着ベル
トがロール63により冷却器65の底面部に押し付けら
れるため、そのしわが冷却器65の底面部を通過して定
着ベルト50の当該底面部との接触不良を誘発すること
が防止され、この結果、その接触不良による記録用紙の
冷却むらが発生することを回避することができる。さら
に、シートシンク等からなる冷却器65を定着ベルト5
0の内周面に良好に当接させる観点から、その冷却器の
底面部を所定の曲率からなる曲面形状に形成するとよ
い。
【0061】このような定着装置2は、画像形成時にな
ると、加熱ロール40が回転駆動することにより定着ベ
ルト50が矢印D方向に回転走行し、その定着ベルト5
0を挟んで加熱ロール40に圧接される加圧ロール45
が従動回転する。この際、加熱ロール40に張架される
部分の定着ベルト50と加圧ロール45との間に所定の
幅からなる圧接部(定着用ニップ部)Nが形成される。
また、加熱ロール40及び加圧ロール45がハロゲンヒ
ータ42により加熱されることにより、上記定着用ニッ
プ部Nの温度が所定の加熱温度(定着温度:例えば10
0〜200℃)に維持される。
ると、加熱ロール40が回転駆動することにより定着ベ
ルト50が矢印D方向に回転走行し、その定着ベルト5
0を挟んで加熱ロール40に圧接される加圧ロール45
が従動回転する。この際、加熱ロール40に張架される
部分の定着ベルト50と加圧ロール45との間に所定の
幅からなる圧接部(定着用ニップ部)Nが形成される。
また、加熱ロール40及び加圧ロール45がハロゲンヒ
ータ42により加熱されることにより、上記定着用ニッ
プ部Nの温度が所定の加熱温度(定着温度:例えば10
0〜200℃)に維持される。
【0062】その定着時に際しては、図3に示すよう
に、画像形成装置1内の定着装置3で定着された後の再
定着対象となるトナー像Tが担持された記録用紙Pをそ
のトナー担持面が定着ベルト側に位置する姿勢で定着用
ニップNに導き入れて通過させる。この定着ニップ部N
を通過する過程によりトナー像Tが加熱加圧されて溶融
される。
に、画像形成装置1内の定着装置3で定着された後の再
定着対象となるトナー像Tが担持された記録用紙Pをそ
のトナー担持面が定着ベルト側に位置する姿勢で定着用
ニップNに導き入れて通過させる。この定着ニップ部N
を通過する過程によりトナー像Tが加熱加圧されて溶融
される。
【0063】また、定着ニップ部Nを通過して排出され
る記録用紙Pは、定着ベルト50の外周面に密着した状
態のままで搬送され、剥離用ロール60に到達した時点
で定着ベルト50から剥離される。この定着ニップ部の
通過から剥離されるまでの過程では、記録用紙Pが定着
ベルト50から直ぐに剥がれることなく密着した状態の
ままで搬送されるとともに、冷却器65を通過する時点
で溶融されたトナー像(透明樹脂層がある場合にはその
樹脂層も含む)が定着ベルト50に密着した状態のまま
で冷却固化されるため、トナー像が定着ベルト50の平
らな表面にならい平滑性に優れたものとなる。
る記録用紙Pは、定着ベルト50の外周面に密着した状
態のままで搬送され、剥離用ロール60に到達した時点
で定着ベルト50から剥離される。この定着ニップ部の
通過から剥離されるまでの過程では、記録用紙Pが定着
ベルト50から直ぐに剥がれることなく密着した状態の
ままで搬送されるとともに、冷却器65を通過する時点
で溶融されたトナー像(透明樹脂層がある場合にはその
樹脂層も含む)が定着ベルト50に密着した状態のまま
で冷却固化されるため、トナー像が定着ベルト50の平
らな表面にならい平滑性に優れたものとなる。
【0064】その後、剥離用ロール60を通過する時点
では、記録用紙Pが、ロール60の周面の曲率に沿って
曲げられた定着ベルト50による剥離力と記録用紙P自
体の剛性とにより、定着ベルト50から自力で剥離され
る。このように自力で剥離されることにより、記録用紙
Pを定着ベルト50から剥離させる剥離爪や、その剥離
を補助するために定着ベルト50にシリコーンオイル等
の離型剤を塗布する装置を設置しなくとも対応可能とな
る。特にオイル状の離型剤を塗布しないように構成した
場合には、かかるオイル状の離型剤を使用した際に発生
するオイル筋、むら等の問題を回避することができる。
定着ベルト50から剥離された記録用紙Pは、排出ロー
ル対37により排出トレイ39に積載されるように排出
される。これにより、定着装置2による定着処理が完了
する。
では、記録用紙Pが、ロール60の周面の曲率に沿って
曲げられた定着ベルト50による剥離力と記録用紙P自
体の剛性とにより、定着ベルト50から自力で剥離され
る。このように自力で剥離されることにより、記録用紙
Pを定着ベルト50から剥離させる剥離爪や、その剥離
を補助するために定着ベルト50にシリコーンオイル等
の離型剤を塗布する装置を設置しなくとも対応可能とな
る。特にオイル状の離型剤を塗布しないように構成した
場合には、かかるオイル状の離型剤を使用した際に発生
するオイル筋、むら等の問題を回避することができる。
定着ベルト50から剥離された記録用紙Pは、排出ロー
ル対37により排出トレイ39に積載されるように排出
される。これにより、定着装置2による定着処理が完了
する。
【0065】この定着装置2による定着処理は、画像形
成装置1の本体内の定着装置3による定着処理を行った
後に、2度目の定着処理として実行されることになる。
このような2段階の定着は、特に透明樹脂層が形成され
た光沢のある記録用紙Pを使用して光沢感に富む写真調
の画像を定着させる場合に有効である。このため、その
写真調の画像の定着を行う場合には、装置本体10内の
ロール単独式の定着装置3による1段目の定着を行った
後、ベルト併用式の定着装置2による2段目の定着を行
うようにし、一方、普通紙を用いて光沢感が要求されな
いような画像(テキスト画像など)の定着を行う場合に
は、定着装置2による2段目の定着を行わず、もっぱら
定着装置3による1段目の定着のみを行って記録用紙を
排紙トレイ38に排出させるように使い分けることがで
きる。このようにベルト併用式の定着装置2を画像形成
装置1の本体10の外部に接続して使用する外付けタイ
プとして構成した場合には、普通紙による画像出力と光
沢紙による写真調の画像出力とを適宜切り換えて使用す
ることが可能となる。
成装置1の本体内の定着装置3による定着処理を行った
後に、2度目の定着処理として実行されることになる。
このような2段階の定着は、特に透明樹脂層が形成され
た光沢のある記録用紙Pを使用して光沢感に富む写真調
の画像を定着させる場合に有効である。このため、その
写真調の画像の定着を行う場合には、装置本体10内の
ロール単独式の定着装置3による1段目の定着を行った
後、ベルト併用式の定着装置2による2段目の定着を行
うようにし、一方、普通紙を用いて光沢感が要求されな
いような画像(テキスト画像など)の定着を行う場合に
は、定着装置2による2段目の定着を行わず、もっぱら
定着装置3による1段目の定着のみを行って記録用紙を
排紙トレイ38に排出させるように使い分けることがで
きる。このようにベルト併用式の定着装置2を画像形成
装置1の本体10の外部に接続して使用する外付けタイ
プとして構成した場合には、普通紙による画像出力と光
沢紙による写真調の画像出力とを適宜切り換えて使用す
ることが可能となる。
【0066】ちなみに、このようなベルト併用式の定着
装置2を用い、その定着ニップ圧力と定着温度を数段階
に変えた各条件下で定着を行った場合における定着画像
の平滑性(段差感の状態)を調べると、図13に示すよ
うな結果が得られる。
装置2を用い、その定着ニップ圧力と定着温度を数段階
に変えた各条件下で定着を行った場合における定着画像
の平滑性(段差感の状態)を調べると、図13に示すよ
うな結果が得られる。
【0067】この試験は、加熱ロール40として外径5
0mmのロール芯材41のみからなるものを使用した。
加圧ロール45としては、ロール芯材46に弾性層47
を形成しロール全体の外径が50mmであるものを使用
した。この加熱ロール40と加圧ロール45は共にロー
ル表面温度が同じ温度となるように各ハロゲンランプ4
2を制御して加熱した。定着ニップ圧力については、加
圧機構による加圧荷重をはじめ弾性層47の厚さ及び硬
度を調整することで変更するようにした。そして、透明
性樹脂層を形成した記録用紙Pに赤のべた状パッチ像を
形成した後に上記各条件下で定着を行い、その各定着後
におけるパッチ像のエッジ部をそれぞれ目視観察し、そ
の段差感が許容できるものであるか否かについて調べ
た。図中の曲線は、試験結果から概略求められた段差感
の許容レベルの境界線に相当するものである。
0mmのロール芯材41のみからなるものを使用した。
加圧ロール45としては、ロール芯材46に弾性層47
を形成しロール全体の外径が50mmであるものを使用
した。この加熱ロール40と加圧ロール45は共にロー
ル表面温度が同じ温度となるように各ハロゲンランプ4
2を制御して加熱した。定着ニップ圧力については、加
圧機構による加圧荷重をはじめ弾性層47の厚さ及び硬
度を調整することで変更するようにした。そして、透明
性樹脂層を形成した記録用紙Pに赤のべた状パッチ像を
形成した後に上記各条件下で定着を行い、その各定着後
におけるパッチ像のエッジ部をそれぞれ目視観察し、そ
の段差感が許容できるものであるか否かについて調べ
た。図中の曲線は、試験結果から概略求められた段差感
の許容レベルの境界線に相当するものである。
【0068】この結果、図13に示されるように、段差
感が許容できる平滑性に優れた画像を得るためには、定
着ニップ圧力が小さいときには定着ロール温度を高くす
る必要があり、定着ニップ圧力を大きくすれば定着ロー
ル温度を低くすることができる関係にあることがわか
る。定着ロール温度を低くした場合には、消費電力を少
なくすることができ、また各部材(加熱及び加圧ロー
ル、定着ベルトなど)の耐久維持性が向上してコストダ
ウンが図れる等の利点がある。
感が許容できる平滑性に優れた画像を得るためには、定
着ニップ圧力が小さいときには定着ロール温度を高くす
る必要があり、定着ニップ圧力を大きくすれば定着ロー
ル温度を低くすることができる関係にあることがわか
る。定着ロール温度を低くした場合には、消費電力を少
なくすることができ、また各部材(加熱及び加圧ロー
ル、定着ベルトなど)の耐久維持性が向上してコストダ
ウンが図れる等の利点がある。
【0069】一方、加圧ロール等の回転軸に荷重機構に
よってより大きな荷重をかけて定着ニップ圧力を大きく
しすぎした場合には、ロールが大きくたわんだ状態とな
ることにより、その定着ニップ部Nの圧力分布が、ロー
ルの軸方向の両端部における圧力が中央部における圧力
よりも極端に高くなるというように大幅に変わってしま
い、このため、その中央部に位置する画像の定着性がそ
の端部に位置する画像の定着性よりも極端に悪くなって
しまうという不具合がある。このような不具合を解消す
るためには、加圧ロール等への荷重を増加させることな
く、各ロール表面に形成する弾性層の最適化により、定
着ニップ部の上記中央部における圧力の補強を行うよう
に構成するとよい。この実施の形態では、加熱ロール4
0を弾性層のないハードタイプのロールとし、加圧ロー
ル45を弾性層47のあるソフトタイプのロールとし
た。この場合、加熱ロール45に弾性層がない分、加熱
ロールの加熱用の熱がロスなく定着ベルト50に伝わ
り、そのベルトを効率よく加熱することができる。な
お、加熱ロール40の表面には、そのロール表面の汚れ
を防止する観点からPFA等の樹脂層をコーティングす
るとよい。
よってより大きな荷重をかけて定着ニップ圧力を大きく
しすぎした場合には、ロールが大きくたわんだ状態とな
ることにより、その定着ニップ部Nの圧力分布が、ロー
ルの軸方向の両端部における圧力が中央部における圧力
よりも極端に高くなるというように大幅に変わってしま
い、このため、その中央部に位置する画像の定着性がそ
の端部に位置する画像の定着性よりも極端に悪くなって
しまうという不具合がある。このような不具合を解消す
るためには、加圧ロール等への荷重を増加させることな
く、各ロール表面に形成する弾性層の最適化により、定
着ニップ部の上記中央部における圧力の補強を行うよう
に構成するとよい。この実施の形態では、加熱ロール4
0を弾性層のないハードタイプのロールとし、加圧ロー
ル45を弾性層47のあるソフトタイプのロールとし
た。この場合、加熱ロール45に弾性層がない分、加熱
ロールの加熱用の熱がロスなく定着ベルト50に伝わ
り、そのベルトを効率よく加熱することができる。な
お、加熱ロール40の表面には、そのロール表面の汚れ
を防止する観点からPFA等の樹脂層をコーティングす
るとよい。
【0070】<用紙先端部の光沢低下部分の発生防止対
策>そして、この定着装置2では、前述したような記録
用紙の先端部Pfに光沢低下部分が発生することを防止
する観点から以下のような構成を採用している。
策>そして、この定着装置2では、前述したような記録
用紙の先端部Pfに光沢低下部分が発生することを防止
する観点から以下のような構成を採用している。
【0071】すなわち、図5等に示すように、ハードタ
イプのロールからなり表面層部がほとんど弾性変形しな
い加熱ロール40の定着ニップ部Nの出口側末端Qにお
ける接線Sが、定着ニップ部Nを通過した後の定着ベル
ト50の内周面50a側に位置するように設定してい
る。具体的には、その接線Sと定着ベルト50の定着ニ
ップ部Nを通過した後の進行方向Mとのなす角度θが、
少なくともθ>0°となるように、より厳密には2°〜
20°の範囲内となるように設定している。接線Sは、
前述したように記録用紙Pの定着ニップ部Nから排出さ
れるときに付与される排出力の方向に相当する。
イプのロールからなり表面層部がほとんど弾性変形しな
い加熱ロール40の定着ニップ部Nの出口側末端Qにお
ける接線Sが、定着ニップ部Nを通過した後の定着ベル
ト50の内周面50a側に位置するように設定してい
る。具体的には、その接線Sと定着ベルト50の定着ニ
ップ部Nを通過した後の進行方向Mとのなす角度θが、
少なくともθ>0°となるように、より厳密には2°〜
20°の範囲内となるように設定している。接線Sは、
前述したように記録用紙Pの定着ニップ部Nから排出さ
れるときに付与される排出力の方向に相当する。
【0072】この実施の形態1では、上記接線Sが定着
ニップ部通過後における定着ベルト50の内周面50a
側に位置するように又はθ>0°となるようにするた
め、定着ニップ部通過後における定着ベルト50の進行
方向Mについて、図5に示すように当該定着ベルト50
が定着ニップ部Nを出て最初に支持される部位となる冷
却器65の底面入口部65aの位置(接触位置)を適宜
設定することで対処している。詳しくは、上記接線Sが
当該定着ベルト50の内周面側の所定位置に存在するよ
うに、冷却器65の底面入口部65aの位置を例えば加
圧ロール45が位置する下方側(図5中の下側)に変位
させて設定する。この他にも、加圧ロール45を加熱ロ
ール40との軸間距離を保持したままで加熱ロール40
の周面にそってその回転方向C側に適宜ずらすことによ
り対処することも可能である。詳しくは、そのように加
圧ロール45をずらすことにより加熱ロール40の定着
ニップ部Nの出口側末端Qが加熱ロール40の回転方向
Cの下流側にずれるため、それに応じて接線Sの位置を
加熱ロールの位置する上方側(図5中の上側)に変位さ
せて設定させる。
ニップ部通過後における定着ベルト50の内周面50a
側に位置するように又はθ>0°となるようにするた
め、定着ニップ部通過後における定着ベルト50の進行
方向Mについて、図5に示すように当該定着ベルト50
が定着ニップ部Nを出て最初に支持される部位となる冷
却器65の底面入口部65aの位置(接触位置)を適宜
設定することで対処している。詳しくは、上記接線Sが
当該定着ベルト50の内周面側の所定位置に存在するよ
うに、冷却器65の底面入口部65aの位置を例えば加
圧ロール45が位置する下方側(図5中の下側)に変位
させて設定する。この他にも、加圧ロール45を加熱ロ
ール40との軸間距離を保持したままで加熱ロール40
の周面にそってその回転方向C側に適宜ずらすことによ
り対処することも可能である。詳しくは、そのように加
圧ロール45をずらすことにより加熱ロール40の定着
ニップ部Nの出口側末端Qが加熱ロール40の回転方向
Cの下流側にずれるため、それに応じて接線Sの位置を
加熱ロールの位置する上方側(図5中の上側)に変位さ
せて設定させる。
【0073】また、この加熱ロール40の定着ニップ部
出口側末端Qとしては、定着ニップ部Nのニップ形状
が、一般に図6に示すように加熱ロールの軸方向におけ
る中央部がくびれて細くなったいわゆる逆クラウン形状
であるため、そのニップ部の最小幅(通紙方向Eに沿う
幅)となる部位における出口側末端(位置)Q1と最大
幅となる部位における出口側末端(位置)Q2とを利用
する。この2つの出口側末端Q1,Q2を利用した場
合、上記接線Sは各末端Q1、Q2に対する2つの接線
となるため、その各接線と当該定着ベルトの内周面50
aとなす角度θQ1,θQ2については「θQ1>0°かつθ
Q2>0°」となるように設定する。
出口側末端Qとしては、定着ニップ部Nのニップ形状
が、一般に図6に示すように加熱ロールの軸方向におけ
る中央部がくびれて細くなったいわゆる逆クラウン形状
であるため、そのニップ部の最小幅(通紙方向Eに沿う
幅)となる部位における出口側末端(位置)Q1と最大
幅となる部位における出口側末端(位置)Q2とを利用
する。この2つの出口側末端Q1,Q2を利用した場
合、上記接線Sは各末端Q1、Q2に対する2つの接線
となるため、その各接線と当該定着ベルトの内周面50
aとなす角度θQ1,θQ2については「θQ1>0°かつθ
Q2>0°」となるように設定する。
【0074】この際、定着ニップ部出口側末端Qの特定
は以下の方法により行う。
は以下の方法により行う。
【0075】まず、図7aに示すように、画像形成装置
1(又は定着装置2)において通紙可能な最大幅の記録
用紙P(例えばA3版サイズの用紙を縦送りする場合、
A4版サイズの用紙を横送りする場合)に、画像形成装
置1によってニップ形状確認用のべたトナー像TXを全
面に形成する(少なくとも用紙の送り幅Wに全域となり
かつ定着ニップ幅よりも広い幅となる領域に形成すれば
よい)。次に、このべたトナー像を形成した記録用紙
を、通常の定着温度に加熱した状態の定着装置2の定着
ニップ部Nに突入させ、その途中(べたトナー像が形成
された領域がニップ部Nを通過して途上)で加熱ロール
40の回転を一旦停止(10秒前後)させた後、加熱ロ
ール40を再び回転駆動させて記録用紙Pを定着装置か
ら排出させる(図7b)。上記べたトナー像としては、
Y,M,Cの3色の各ベタ像を重ね合わせた像を適用す
るが、後述するように判別可能な色となって現われるよ
うな特性を示す像であれば他の構成のものを適用してよ
い。
1(又は定着装置2)において通紙可能な最大幅の記録
用紙P(例えばA3版サイズの用紙を縦送りする場合、
A4版サイズの用紙を横送りする場合)に、画像形成装
置1によってニップ形状確認用のべたトナー像TXを全
面に形成する(少なくとも用紙の送り幅Wに全域となり
かつ定着ニップ幅よりも広い幅となる領域に形成すれば
よい)。次に、このべたトナー像を形成した記録用紙
を、通常の定着温度に加熱した状態の定着装置2の定着
ニップ部Nに突入させ、その途中(べたトナー像が形成
された領域がニップ部Nを通過して途上)で加熱ロール
40の回転を一旦停止(10秒前後)させた後、加熱ロ
ール40を再び回転駆動させて記録用紙Pを定着装置か
ら排出させる(図7b)。上記べたトナー像としては、
Y,M,Cの3色の各ベタ像を重ね合わせた像を適用す
るが、後述するように判別可能な色となって現われるよ
うな特性を示す像であれば他の構成のものを適用してよ
い。
【0076】これにより、その記録用紙Pのべたトナー
像TXが形成された部分は、図7cに示すように、定着
ニップ部Nで停止した領域TXaがそれ以外の領域(定
着ニップ部Nを一定の速度で通過した領域)TXbと異
なる色となって目視による判別が可能な領域として現出
される。上記3色の多重トナー像を形成した場合、停止
した領域TXaは黄色の領域となる一方で、それ以外の
領域)TXbは黒色の領域となる。そして、このときの
判別された領域TXaが定着ニップ部Nのニップ形状に
相応するものとなるので、その領域の最小幅(ニップ
幅)となる部位における出口側末端の地点(境界部)を
Q1、その最大幅となる部位における出口側末端となる
地点をQ2として特定する。具体的には、加熱ロールと
加圧ロールの回転軸中心点を結んだ直線(H、図2参
照)と定着ニップ部Nの面との交点から、各ニップ部の
幅L(実測値)の1/2の距離だけロール回転方向下流
側に離れた地点が出口側末端Q1、Q2となる。
像TXが形成された部分は、図7cに示すように、定着
ニップ部Nで停止した領域TXaがそれ以外の領域(定
着ニップ部Nを一定の速度で通過した領域)TXbと異
なる色となって目視による判別が可能な領域として現出
される。上記3色の多重トナー像を形成した場合、停止
した領域TXaは黄色の領域となる一方で、それ以外の
領域)TXbは黒色の領域となる。そして、このときの
判別された領域TXaが定着ニップ部Nのニップ形状に
相応するものとなるので、その領域の最小幅(ニップ
幅)となる部位における出口側末端の地点(境界部)を
Q1、その最大幅となる部位における出口側末端となる
地点をQ2として特定する。具体的には、加熱ロールと
加圧ロールの回転軸中心点を結んだ直線(H、図2参
照)と定着ニップ部Nの面との交点から、各ニップ部の
幅L(実測値)の1/2の距離だけロール回転方向下流
側に離れた地点が出口側末端Q1、Q2となる。
【0077】そして、この出口側末端Q1、Q2を、幾
何学的に、定着ニップ部で弾性変形しない加熱ロール4
0の円筒周面上に想定すれば、その各末端Q1、Q2に
おける各接線が特定されることになる。
何学的に、定着ニップ部で弾性変形しない加熱ロール4
0の円筒周面上に想定すれば、その各末端Q1、Q2に
おける各接線が特定されることになる。
【0078】一方、定着ニップ部Nを通過した後の定着
ベルト50の内周面50aについては、図5に示すよう
に、上記出口側末端Q(Q1,Q2)と冷却器65の底
面入口部65aの位置とを結んで得られる直線を、その
内周面50aとみなすことができる。
ベルト50の内周面50aについては、図5に示すよう
に、上記出口側末端Q(Q1,Q2)と冷却器65の底
面入口部65aの位置とを結んで得られる直線を、その
内周面50aとみなすことができる。
【0079】<評価試験>図8は、この定着装置2を用
いて、上記接線Sと定着ベルトの内周面50aとのなす
角度(以下「排出角度差」ともいう)θを表1に示すよ
うに変更しながら定着試験を行い、そのときの記録用紙
Pの先端部における光沢(グロス)低下部分の発生状況
について調べたときの結果を示すものである。
いて、上記接線Sと定着ベルトの内周面50aとのなす
角度(以下「排出角度差」ともいう)θを表1に示すよ
うに変更しながら定着試験を行い、そのときの記録用紙
Pの先端部における光沢(グロス)低下部分の発生状況
について調べたときの結果を示すものである。
【0080】定着試験は、加熱ロール40として外径が
50mmの鉄製で円筒形状(肉厚4mm)のロール芯材
41のみからなるハードタイプのロールを使用し、加圧
ロール45として上記ロール芯材41と同じロール芯材
46にシリコーンゴム(ゴム硬度60度)からなる厚さ
が2mmの弾性層47を設けたソフトタイプのロールを
使用した。定着ニップ圧力は1.5MPaとした。定着
ベルト50としては、80μm厚のポリイミド基材にフ
ッ素ゴムを35μmの厚さになるようにコーティング
し、ベルト全体の厚さが115μm、ベルト幅が330
mmとなる無端状ベルトを使用した。
50mmの鉄製で円筒形状(肉厚4mm)のロール芯材
41のみからなるハードタイプのロールを使用し、加圧
ロール45として上記ロール芯材41と同じロール芯材
46にシリコーンゴム(ゴム硬度60度)からなる厚さ
が2mmの弾性層47を設けたソフトタイプのロールを
使用した。定着ニップ圧力は1.5MPaとした。定着
ベルト50としては、80μm厚のポリイミド基材にフ
ッ素ゴムを35μmの厚さになるようにコーティング
し、ベルト全体の厚さが115μm、ベルト幅が330
mmとなる無端状ベルトを使用した。
【0081】また、記録用紙Pとして、表1に示すよう
に定着ベルト50との付着力が異なる4種類の透明樹脂
層(ポリエステル樹脂)を同じ用紙基材(A4版、コー
ト紙)の片面に形成した各厚さからなる用紙(A〜D)
を使用した。透明樹脂層の定着ベルトに対する付着力に
ついては、樹脂の定着温度に対する溶融粘度とワックス
等の離型剤の含有量を変更することで調整している。
に定着ベルト50との付着力が異なる4種類の透明樹脂
層(ポリエステル樹脂)を同じ用紙基材(A4版、コー
ト紙)の片面に形成した各厚さからなる用紙(A〜D)
を使用した。透明樹脂層の定着ベルトに対する付着力に
ついては、樹脂の定着温度に対する溶融粘度とワックス
等の離型剤の含有量を変更することで調整している。
【0082】
【表1】
【0083】表1中の「ロール単独式定着装置の通過性
能」は、記録用紙A〜Dを使用して装置本体内のロール
単独式定着装置3のみによる定着を行ったときの剥離性
能(加熱ロールへの巻き付きやコールドオフセットの発
生の有無)を調べた結果を示すものである。この際、記
録用紙A〜Dにおける透明樹脂層の厚さはいずれも8μ
mとした。また評価は以下の基準で行った。 ○:巻き付きおよびオフセットなし。 ×:巻き付き又はオフセットが発生した。
能」は、記録用紙A〜Dを使用して装置本体内のロール
単独式定着装置3のみによる定着を行ったときの剥離性
能(加熱ロールへの巻き付きやコールドオフセットの発
生の有無)を調べた結果を示すものである。この際、記
録用紙A〜Dにおける透明樹脂層の厚さはいずれも8μ
mとした。また評価は以下の基準で行った。 ○:巻き付きおよびオフセットなし。 ×:巻き付き又はオフセットが発生した。
【0084】さらに、排出角度差θは、定着ニップ部N
の最小幅となる部位(中央部)における出口側末端Q1
に対する角度について、−14°、−9.4°、−6.
9°、−4.4°、−1.9°、0°、+0.6°、+
3.2°、+5.8°、+8.4°にそれぞれ設定し
た。このときの角度差θは加圧ロール45の位置を変更
することで設定している。排出角度差θのマイナス
(負)の角度は、接線Sが定着ベルトの内周面50aよ
りも外側に位置するときの当該接線と内周面とのなす角
度、プラス(+)の角度は接線Sが内周面50aよりも
内側に位置するときの当該接線と内周面とのなす角度で
ある。また、この定着試験における定着ニップ部Nの最
大幅となる部位(両端部)の出口側末端Q2は、上記末
端Q1に対して+0.6〜0.8°の角度差(加熱ロー
ルにおける中心角で示したときの角度差)があるため、
かかる末端Q2に対する排出角度差θは、上記末端Q1
に対する排出角度差θよりも少なくとも大きい(プラス
側の)値となる。
の最小幅となる部位(中央部)における出口側末端Q1
に対する角度について、−14°、−9.4°、−6.
9°、−4.4°、−1.9°、0°、+0.6°、+
3.2°、+5.8°、+8.4°にそれぞれ設定し
た。このときの角度差θは加圧ロール45の位置を変更
することで設定している。排出角度差θのマイナス
(負)の角度は、接線Sが定着ベルトの内周面50aよ
りも外側に位置するときの当該接線と内周面とのなす角
度、プラス(+)の角度は接線Sが内周面50aよりも
内側に位置するときの当該接線と内周面とのなす角度で
ある。また、この定着試験における定着ニップ部Nの最
大幅となる部位(両端部)の出口側末端Q2は、上記末
端Q1に対して+0.6〜0.8°の角度差(加熱ロー
ルにおける中心角で示したときの角度差)があるため、
かかる末端Q2に対する排出角度差θは、上記末端Q1
に対する排出角度差θよりも少なくとも大きい(プラス
側の)値となる。
【0085】そして、定着温度を150℃、定着速度
(加熱ロールの回転速度)を50mm/secにそれぞ
れ設定して稼動させた定着装置2に対し、上記各記録用
紙A〜Dを、それぞれトナー像を形成しない白紙のまま
で横送り状態で送りこみ定着ニップ部Nを通過させて定
着処理を行い、そのときの各記録用紙の先端部Pfにお
いて発生した場合の光沢低下部分の長さ(用紙送り方向
の長さ)を実測した。
(加熱ロールの回転速度)を50mm/secにそれぞ
れ設定して稼動させた定着装置2に対し、上記各記録用
紙A〜Dを、それぞれトナー像を形成しない白紙のまま
で横送り状態で送りこみ定着ニップ部Nを通過させて定
着処理を行い、そのときの各記録用紙の先端部Pfにお
いて発生した場合の光沢低下部分の長さ(用紙送り方向
の長さ)を実測した。
【0086】この図8の結果から、排出角度差θをθ>
0°とした場合には、いずれの記録用紙A〜Dであって
も用紙先端部Pfに光沢低下部分が発生しないことがわ
かる。一方、その排出角度差θをθ≦0°とした場合に
は、記録用紙の定着ベルトとの付着量が小さくなるにつ
れて光沢低下部分が発生しやすくなる傾向にあることが
わかる。なお、この定着試験において排出角度差θを+
10°を越える角度に設定した場合には、いずれの記録
用紙であっても定着ニップ部Nから抜け出した後におい
て、その用紙先端部の光沢が少しずつ低下しはじめる傾
向にあることが確認されている。
0°とした場合には、いずれの記録用紙A〜Dであって
も用紙先端部Pfに光沢低下部分が発生しないことがわ
かる。一方、その排出角度差θをθ≦0°とした場合に
は、記録用紙の定着ベルトとの付着量が小さくなるにつ
れて光沢低下部分が発生しやすくなる傾向にあることが
わかる。なお、この定着試験において排出角度差θを+
10°を越える角度に設定した場合には、いずれの記録
用紙であっても定着ニップ部Nから抜け出した後におい
て、その用紙先端部の光沢が少しずつ低下しはじめる傾
向にあることが確認されている。
【0087】また、この定着試験においては、定着装置
2による定着を行った後の各記録用紙A〜Dのカール発
生量について調べた。
2による定着を行った後の各記録用紙A〜Dのカール発
生量について調べた。
【0088】すなわち、定着後の各記録用紙A〜Dを表
面がフラットな台に載せて所定時間(例えば30分間、
カール量がほぼ飽和するまでに要する時間)放置した後
に、その4隅の角部の台表面からの浮き量を実測して平
均した結果をカール量として調べた。この結果、カール
量は排出角度差θをθ>0°とした場合、さらには大き
な値にするほど低減できることが確認された。具体的に
は、θ=−2°の場合に28mmであったのに対し、θ
=+5.8°の場合に21mm、θ=+8.4°の場合
に13mmであった。
面がフラットな台に載せて所定時間(例えば30分間、
カール量がほぼ飽和するまでに要する時間)放置した後
に、その4隅の角部の台表面からの浮き量を実測して平
均した結果をカール量として調べた。この結果、カール
量は排出角度差θをθ>0°とした場合、さらには大き
な値にするほど低減できることが確認された。具体的に
は、θ=−2°の場合に28mmであったのに対し、θ
=+5.8°の場合に21mm、θ=+8.4°の場合
に13mmであった。
【0089】これは、定着装置2における排出角度差θ
をθ>0°に設定したことにより、図9に例示するよう
に、その定着ニップ部Nを通過した後の記録用紙Pが定
着ベルト50を押し上げる方向(ベルト内周面側に撓む
ように変更する方向)Jに排出されるような作用が発生
するため、定着ニップ部Nから冷却器65までの間にお
いては記録用紙Pが定着ベルト50に密着した状態で像
担持面が外側となる向きに若干湾曲した状態で搬送され
る。この結果、従来技術で説明したような定着後の記録
用紙における像担持面を内側にした方向のカール(図2
0参照)が発生することが緩和されるものと推測され
る。
をθ>0°に設定したことにより、図9に例示するよう
に、その定着ニップ部Nを通過した後の記録用紙Pが定
着ベルト50を押し上げる方向(ベルト内周面側に撓む
ように変更する方向)Jに排出されるような作用が発生
するため、定着ニップ部Nから冷却器65までの間にお
いては記録用紙Pが定着ベルト50に密着した状態で像
担持面が外側となる向きに若干湾曲した状態で搬送され
る。この結果、従来技術で説明したような定着後の記録
用紙における像担持面を内側にした方向のカール(図2
0参照)が発生することが緩和されるものと推測され
る。
【0090】<変形例>実施の形態1における定着装置
2では、加熱ロール40の定着ニップ部Nの出口側末端
Qにおける接線Sと定着ベルト50の定着ニップ部通過
後の進行方向Mとのなす角度(排出角度差)θが少なく
ともθ>0°となるように設定しているが、この排出角
度差θを大きな値に設定するにつれて、図10に例示す
るように、定着ベルト50が定着ニップ部Nを通過して
抜け出る際に加圧ロール45に一時的に巻き付いた状態
で走行するようになる。
2では、加熱ロール40の定着ニップ部Nの出口側末端
Qにおける接線Sと定着ベルト50の定着ニップ部通過
後の進行方向Mとのなす角度(排出角度差)θが少なく
ともθ>0°となるように設定しているが、この排出角
度差θを大きな値に設定するにつれて、図10に例示す
るように、定着ベルト50が定着ニップ部Nを通過して
抜け出る際に加圧ロール45に一時的に巻き付いた状態
で走行するようになる。
【0091】そして、このような定着ベルトの巻き付き
走行が発生し得る定着装置2について、その排出角度差
θを変えたときの定着ベルトの加圧ロールへの各巻き付
き角度αに対する光沢低下部分の長さを前記定着試験に
準拠して測定する試験を行ったところ、図12に示すよ
うな結果が得られた。巻き付き角度αは、図10に示す
ように、加圧ロール45の回転中心点からみて、加熱ロ
ール40の定着ニップ部Nの出口側末端Q(前記最小ニ
ップ幅となる部位の末端Q1)と定着ベルト50が加圧
ロール45から離れる地点Kとのなす角度である。ま
た、この巻き付き角度αは、加熱ロール40及び加圧ロ
ール45を定着温度に加熱した状態にするとともにその
回転を停止させた状態にして前記したニップ幅(末端)
の測定方法と同様の方法により実測して求めたものであ
る。図12の結果から、排出角度差θが大きくなって巻
き付き角度αも大きくなるにつれて記録用紙先端部に光
沢低下部分が発生しやすくなる一方で、巻き付き角度α
をゼロにすると光沢低下部分が発生しないことがわか
る。
走行が発生し得る定着装置2について、その排出角度差
θを変えたときの定着ベルトの加圧ロールへの各巻き付
き角度αに対する光沢低下部分の長さを前記定着試験に
準拠して測定する試験を行ったところ、図12に示すよ
うな結果が得られた。巻き付き角度αは、図10に示す
ように、加圧ロール45の回転中心点からみて、加熱ロ
ール40の定着ニップ部Nの出口側末端Q(前記最小ニ
ップ幅となる部位の末端Q1)と定着ベルト50が加圧
ロール45から離れる地点Kとのなす角度である。ま
た、この巻き付き角度αは、加熱ロール40及び加圧ロ
ール45を定着温度に加熱した状態にするとともにその
回転を停止させた状態にして前記したニップ幅(末端)
の測定方法と同様の方法により実測して求めたものであ
る。図12の結果から、排出角度差θが大きくなって巻
き付き角度αも大きくなるにつれて記録用紙先端部に光
沢低下部分が発生しやすくなる一方で、巻き付き角度α
をゼロにすると光沢低下部分が発生しないことがわか
る。
【0092】このような光沢低下部分の発生のメカニズ
ムについて、本発明者らは以下のように推定している。
まず、定着ベルト40と記録用紙Pは、凹面状のニップ
面からなる定着ニップ部Nを通過して加圧ロール45に
一時的に巻き付いた状態で走行する際、図11に模式的
に示すように円弧(又は湾曲)状の走行するとともに、
その走行状態がニップ部通過直後に切り替わるような状
態にある。そして、定着ニップ部Nの通過時において
は、定着ベルト40と記録用紙Pが密着した状態でかつ
加熱ロール40の円筒周面になった円弧状に同一時間で
移動する。この際、その円弧状の移動中において外側を
通過することになる記録用紙Pの移動速度Vm1の方が、
その円弧状の移動中において内側を通過することになる
定着ベルト50の移動速度Vb1よりも速い関係にある
(Vm1>Vb1)。ニップ部通過後に加圧ロール45を巻
き付いた状態で通過するときにおいては、その円弧状の
走行状態が反転するような状態に変わるため、その円弧
状の移動中において外側を通過することになる定着ベル
ト50の移動速度Vb2の方が、その円弧状の移動中にお
いて内側を通過することになる記録用紙Pの移動速度V
m2よりも速い関係にある(Vb2>Vm2)。このようにニ
ップ部通過状態から加圧ロールへの巻き付き状態に切り
替わる変曲点において、定着ベルトの移動速度と記録用
紙の移動速度との大小関係が逆転するため、記録用紙P
を定着ベルト50から引き剥がそうとするせん断力が発
生し、この影響を記録用紙の先端部Pfが最も影響を受
けることになる。この結果、記録用紙の先端部Pfが定
着ベルト50から剥がされてしまい、ニップ部を通過し
た後に十分に冷却されるまで定着ベルト50に密着して
平滑になり得ないことにより、その先端部に光沢低下部
分が発生しやすくなるものと考えられる。
ムについて、本発明者らは以下のように推定している。
まず、定着ベルト40と記録用紙Pは、凹面状のニップ
面からなる定着ニップ部Nを通過して加圧ロール45に
一時的に巻き付いた状態で走行する際、図11に模式的
に示すように円弧(又は湾曲)状の走行するとともに、
その走行状態がニップ部通過直後に切り替わるような状
態にある。そして、定着ニップ部Nの通過時において
は、定着ベルト40と記録用紙Pが密着した状態でかつ
加熱ロール40の円筒周面になった円弧状に同一時間で
移動する。この際、その円弧状の移動中において外側を
通過することになる記録用紙Pの移動速度Vm1の方が、
その円弧状の移動中において内側を通過することになる
定着ベルト50の移動速度Vb1よりも速い関係にある
(Vm1>Vb1)。ニップ部通過後に加圧ロール45を巻
き付いた状態で通過するときにおいては、その円弧状の
走行状態が反転するような状態に変わるため、その円弧
状の移動中において外側を通過することになる定着ベル
ト50の移動速度Vb2の方が、その円弧状の移動中にお
いて内側を通過することになる記録用紙Pの移動速度V
m2よりも速い関係にある(Vb2>Vm2)。このようにニ
ップ部通過状態から加圧ロールへの巻き付き状態に切り
替わる変曲点において、定着ベルトの移動速度と記録用
紙の移動速度との大小関係が逆転するため、記録用紙P
を定着ベルト50から引き剥がそうとするせん断力が発
生し、この影響を記録用紙の先端部Pfが最も影響を受
けることになる。この結果、記録用紙の先端部Pfが定
着ベルト50から剥がされてしまい、ニップ部を通過し
た後に十分に冷却されるまで定着ベルト50に密着して
平滑になり得ないことにより、その先端部に光沢低下部
分が発生しやすくなるものと考えられる。
【0093】そこで、上記定着装置2では、定着ベルト
が定着ニップ部Nを通過する際に加圧ロール45の表面
に巻き付かず進行するように、上記巻き付き角度αがゼ
ロとなるように設定した。この巻き付き角度αがゼロに
なるように設定するには、前記排出角度差θがθ>0°
かつα=0°となるように加圧ロール45の加熱ロール
40の外周面に対する位置を円周方向に適宜ずらして調
整するようにするとよい。例えば、実施の形態1の定着
装置において巻き付き角度α=0°とすると、排出角度
差θは例えば11.7°程度となる。このように巻き付
き角度αがゼロとなるように設定することにより、記録
用紙先端部における光沢低下部分の発生が殆どなくな
る。また、このような設定は、ベルト併用式の定着装置
2による定着を、ロール単独式の定着装置3による定着
を行った後に2段目の定着として行う場合、定着ベルト
50との付着力が比較的低くなるような記録用紙を使用
するときに、かかる記録用紙先端部のニップ部通過直後
における剥がれ現象が発生しにくくなるため、より有効
となる。
が定着ニップ部Nを通過する際に加圧ロール45の表面
に巻き付かず進行するように、上記巻き付き角度αがゼ
ロとなるように設定した。この巻き付き角度αがゼロに
なるように設定するには、前記排出角度差θがθ>0°
かつα=0°となるように加圧ロール45の加熱ロール
40の外周面に対する位置を円周方向に適宜ずらして調
整するようにするとよい。例えば、実施の形態1の定着
装置において巻き付き角度α=0°とすると、排出角度
差θは例えば11.7°程度となる。このように巻き付
き角度αがゼロとなるように設定することにより、記録
用紙先端部における光沢低下部分の発生が殆どなくな
る。また、このような設定は、ベルト併用式の定着装置
2による定着を、ロール単独式の定着装置3による定着
を行った後に2段目の定着として行う場合、定着ベルト
50との付着力が比較的低くなるような記録用紙を使用
するときに、かかる記録用紙先端部のニップ部通過直後
における剥がれ現象が発生しにくくなるため、より有効
となる。
【0094】[他の実施の形態]実施の形態1〜3で
は、定着装置2を画像形成装置1の装置本体10の外部
に連結接続する、いわゆる外付けタイプの定着装置とし
て使用する場合について例示したが、かかる定着装置2
は、例えば図14に示すように画像形成装置1の本体1
0の内部に装備する、いわゆる内蔵タイプの定着装置と
して使用するように構成してもよい。
は、定着装置2を画像形成装置1の装置本体10の外部
に連結接続する、いわゆる外付けタイプの定着装置とし
て使用する場合について例示したが、かかる定着装置2
は、例えば図14に示すように画像形成装置1の本体1
0の内部に装備する、いわゆる内蔵タイプの定着装置と
して使用するように構成してもよい。
【0095】また、定着装置2として、弾性層を形成し
ないハードロールタイプの加熱ロール40と弾性層を形
成するソフトタイプの加圧ロール45を組み合わせて使
用する場合について例示したが、この他にも、ソフトタ
イプの加熱ロール40とハードタイプの加圧ロール45
を組み合わせて使用する構成を採用したり、あるいは、
加熱ロール40と加圧ロール45の双方ともソフトタイ
プであるロールどうしを組み合わせて使用するように構
成してもよい。
ないハードロールタイプの加熱ロール40と弾性層を形
成するソフトタイプの加圧ロール45を組み合わせて使
用する場合について例示したが、この他にも、ソフトタ
イプの加熱ロール40とハードタイプの加圧ロール45
を組み合わせて使用する構成を採用したり、あるいは、
加熱ロール40と加圧ロール45の双方ともソフトタイ
プであるロールどうしを組み合わせて使用するように構
成してもよい。
【0096】さらに、本発明においては、特に写真調の
画像形成を行う場合には、記録用紙Pとして、無色透明
の熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設けた用紙を使用
することが好ましく、特に高級感を持たせる観点から
は、白色度が高く厚みが150〜220μm程度の用紙
を使用することが望ましい。
画像形成を行う場合には、記録用紙Pとして、無色透明
の熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設けた用紙を使用
することが好ましく、特に高級感を持たせる観点から
は、白色度が高く厚みが150〜220μm程度の用紙
を使用することが望ましい。
【0097】上記熱可塑性樹脂としては、スチレン‐
(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、ポリウレタン等
の単独あるいは混合したものが使用できる。中でも、透
明性、機械的強度を考慮するとポリエステル樹脂を使用
することが好ましい。この熱可塑性樹脂からなる透明樹
脂層を定着時にトナーと同時に加熱溶融させ、トナー
(像)をその樹脂層中に埋め込むと同時に画像表面全体
を定着ベルト50の平滑な表面にならわせることで、高
光沢の画像が得られる。また、透明樹脂層の厚さは2〜
20μmであることが好ましい。この厚さが2μm未満
では、トナーを透明樹脂層中に十分に埋め込むことがで
きず、表面に凹凸がある画像となってしまう。逆に、厚
さが20μmを超えると、記録用紙を湾曲させた状態に
したときに透明樹脂層にクラックが発生しやすくなり定
着画像の耐久性が低下してしまう。なお、画像表面全体
の平滑化は、記録用紙の透明樹脂層とトナーの結着樹脂
の溶融粘度、さらに定着条件を適宜調整するにより実現
される。
(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、ポリウレタン等
の単独あるいは混合したものが使用できる。中でも、透
明性、機械的強度を考慮するとポリエステル樹脂を使用
することが好ましい。この熱可塑性樹脂からなる透明樹
脂層を定着時にトナーと同時に加熱溶融させ、トナー
(像)をその樹脂層中に埋め込むと同時に画像表面全体
を定着ベルト50の平滑な表面にならわせることで、高
光沢の画像が得られる。また、透明樹脂層の厚さは2〜
20μmであることが好ましい。この厚さが2μm未満
では、トナーを透明樹脂層中に十分に埋め込むことがで
きず、表面に凹凸がある画像となってしまう。逆に、厚
さが20μmを超えると、記録用紙を湾曲させた状態に
したときに透明樹脂層にクラックが発生しやすくなり定
着画像の耐久性が低下してしまう。なお、画像表面全体
の平滑化は、記録用紙の透明樹脂層とトナーの結着樹脂
の溶融粘度、さらに定着条件を適宜調整するにより実現
される。
【0098】また、透明樹脂層には、定着ベルトからの
離型性を向上させるために離型剤を含有させても良い。
この離型剤としては、例えば、低分子量ポリオレフィン
類、シリコーン類、カルボン酸エステル、カルボン酸ア
ミド、植物系ワックス、動物系ワックス、石油系ワック
ス、およびそれらの変性物などが使用できる。なかでも
カルナバワックス、パラフィン系ワックスや低分子量ポ
リオレフィン系ワックスが好適である。このような離型
剤は透明樹脂中に0.5〜10重量%の割合で含有させ
るとよい。
離型性を向上させるために離型剤を含有させても良い。
この離型剤としては、例えば、低分子量ポリオレフィン
類、シリコーン類、カルボン酸エステル、カルボン酸ア
ミド、植物系ワックス、動物系ワックス、石油系ワック
ス、およびそれらの変性物などが使用できる。なかでも
カルナバワックス、パラフィン系ワックスや低分子量ポ
リオレフィン系ワックスが好適である。このような離型
剤は透明樹脂中に0.5〜10重量%の割合で含有させ
るとよい。
【0099】さらに、本発明における画像形成装置に使
用するトナーは特に限定されるものではないが、例え
ば、その結着樹脂として記録用紙上に形成される透明樹
脂層と同様のスチレン‐(メタ)アクリル共重合体、ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレンーブタジエン共
重合体、ポリウレタン等を単独あるいは混合した熱可塑
性樹脂を用いて形成されるトナーが使用可能である。ま
た、定着ベルトからの離型性を向上させるためにトナー
中に離型剤を含有させても良い。この離型剤としては、
例えば、前記透明樹脂層中に含有させる前記離型剤と同
じものを使用できる。そのなかでも特にパラフィン系ワ
ックスや低分子量ポリオレフィン系ワックスの離型剤が
好適である。これらの離型剤を結着樹脂中に0.5〜1
0重量%の割合で含有させるとよい。これらのトナーの
結着樹脂に混合する着色剤としては、公知の顔料、染料
が使用できる。また、帯電制御、転写性向上の目的で、
従来知られているトナー用の外添剤をトナー粒子に外添
するようにしてもよい。
用するトナーは特に限定されるものではないが、例え
ば、その結着樹脂として記録用紙上に形成される透明樹
脂層と同様のスチレン‐(メタ)アクリル共重合体、ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレンーブタジエン共
重合体、ポリウレタン等を単独あるいは混合した熱可塑
性樹脂を用いて形成されるトナーが使用可能である。ま
た、定着ベルトからの離型性を向上させるためにトナー
中に離型剤を含有させても良い。この離型剤としては、
例えば、前記透明樹脂層中に含有させる前記離型剤と同
じものを使用できる。そのなかでも特にパラフィン系ワ
ックスや低分子量ポリオレフィン系ワックスの離型剤が
好適である。これらの離型剤を結着樹脂中に0.5〜1
0重量%の割合で含有させるとよい。これらのトナーの
結着樹脂に混合する着色剤としては、公知の顔料、染料
が使用できる。また、帯電制御、転写性向上の目的で、
従来知られているトナー用の外添剤をトナー粒子に外添
するようにしてもよい。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の定着装置
及び画像形成装置によれば、記録媒体の先端部に定着処
理に起因した光沢低下部分の発生を防止することがで
き、かかる光沢低下部分のない光沢感に優れた画像を得
ることができる。
及び画像形成装置によれば、記録媒体の先端部に定着処
理に起因した光沢低下部分の発生を防止することがで
き、かかる光沢低下部分のない光沢感に優れた画像を得
ることができる。
【図1】 (a)は凹面状の定着ニップ部からなる定着
装置の要部構成を示す概念図、(b)は凸面状の定着ニ
ップ部からなる定着装置の要部構成を示す概念図。
装置の要部構成を示す概念図、(b)は凸面状の定着ニ
ップ部からなる定着装置の要部構成を示す概念図。
【図2】 平面状の定着ニップ部とした定着装置の要部
構成を示す概念図。
構成を示す概念図。
【図3】 実施の形態1に係る画像形成装置及び定着装
置の要部を示す概略構成図。
置の要部を示す概略構成図。
【図4】 図3の外付け用定着装置の要部を拡大して示
す概略構成図。
す概略構成図。
【図5】 定着ニップ部の出口側いおける定着ベルトの
進行方向と定着ニップ部出口側末端の接線方向との関係
などを示す要部説明図。
進行方向と定着ニップ部出口側末端の接線方向との関係
などを示す要部説明図。
【図6】 定着ニップ部の出口側末端を示す平面説明
図。
図。
【図7】 ニップ部出口側末端の特定方法の各工程を示
す平面説明図。
す平面説明図。
【図8】 排出角度差と光沢低下部分の発生状況との測
定結果を示すグラフ図。
定結果を示すグラフ図。
【図9】 カール発生の防止効果を示す要部説明図。
【図10】 定着ベルトの加圧ロールへの巻き付き状態
を示す要部断面説明図。
を示す要部断面説明図。
【図11】 定着ベルトの加圧ロールへの巻き付きによ
る記録用紙先端部における光沢低下部分の発生のメカニ
ズムを示す説明図。
る記録用紙先端部における光沢低下部分の発生のメカニ
ズムを示す説明図。
【図12】 定着ベルトの巻き付き角度と光沢低下部分
の長さとの測定結果を示すグラフ図。
の長さとの測定結果を示すグラフ図。
【図13】 定着ニップ圧力及びロール温度に対する定
着画像の段差感に関する試験結果を示すグラフ図。
着画像の段差感に関する試験結果を示すグラフ図。
【図14】 他の実施の形態に係る内設タイプの定着装
置と画像形成装置を示す概略構成図。
置と画像形成装置を示す概略構成図。
【図15】 従来のロール単独式定着装置の概略構成
図。
図。
【図16】 従来のベルト併用式定着装置を示す概略構
成図。
成図。
【図17】 記録媒体の先端部に発生する光沢低下部分
を示す説明平面図。
を示す説明平面図。
【図18】 定着ベルト及び記録媒体の排出方向を示す
要部断面図。
要部断面図。
【図19】 (a)は凹面状の定着ニップ部からなる定
着装置の定着ベルト及び記録媒体の排出方向を示す要部
断面図、(b)は凸面状の定着ニップ部からなる定着装
置の定着ベルト及び記録媒体の排出方向を示す要部断面
図。
着装置の定着ベルト及び記録媒体の排出方向を示す要部
断面図、(b)は凸面状の定着ニップ部からなる定着装
置の定着ベルト及び記録媒体の排出方向を示す要部断面
図。
【図20】 定着後により発生する記録媒体のカール状
態を示す説明図。
態を示す説明図。
1…画像形成装置、2…定着装置、4,40…加熱ロー
ル、6,45…加圧ロール、5,50…定着ベルト、5
a,50a…ベルト内周面、42…ハロゲンランプ(熱
源)、P…記録用紙(記録媒体)、Pf…先端部、T…
トナー像、N…定着ニップ部(圧接部)、Q…出口側末
端、S…接線、θ…接線Sと定着ベルトの進行方向との
なす角度(排出角度差)。
ル、6,45…加圧ロール、5,50…定着ベルト、5
a,50a…ベルト内周面、42…ハロゲンランプ(熱
源)、P…記録用紙(記録媒体)、Pf…先端部、T…
トナー像、N…定着ニップ部(圧接部)、Q…出口側末
端、S…接線、θ…接線Sと定着ベルトの進行方向との
なす角度(排出角度差)。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 2H033 AA10 BA09 BA10 BA11 BA25
BB03 BB06 BB13 BB18 BB29
BB30 BB33
Claims (6)
- 【請求項1】 熱源を備えた加熱ロールと、この加熱ロ
ールから所定の間隔をあけて配置される支持ロールと、
この加熱ロールと支持ロールとに少なくとも張架されて
回転する無端状の定着ベルトと、この定着ベルトを挟ん
で前記加熱ロールに圧接して配置される加圧ロールとを
備え、その加圧ロールと定着ベルトの圧接部に、定着対
象のトナー像を担持する記録媒体をそのトナー像担持面
が定着ベルト側に位置する姿勢で導入して通過させると
ともに定着ベルトに所定の距離だけ密着させた状態で搬
送してから剥離させる定着装置において、 前記加熱ロール及び加圧ロールを、前記圧接部でその加
圧ロールの表層部がその加熱ロールの表層部よりも相対
的に大きく弾性変形する状態となるように設置する場合
又はその加熱ロールの表層部がその加圧ロールの表層部
よりも相対的に大きく弾性変形する状態となるように設
置する場合、 その弾性変形が相対的に小さい側の加熱ロール又は加圧
ロールの圧接部出口側末端における接線が前記圧接部を
通過した後の前記定着ベルトの内周面側に位置するよう
に設定してなることを特徴とする定着装置。 - 【請求項2】 前記接線と前記定着ベルトの圧接部を通
過した後の進行方向とのなす角度をθとしたとき、θ>
0°の条件を満たすように設定した請求項1に記載の定
着装置。 - 【請求項3】 前記圧接部で加圧ロールの表層部が相対
的に大きく弾性変形する状態となるように設置する場
合、 前記定着ベルトは、前記圧接部を通過する際に、その加
圧ロールの表面に巻き付かず進行するように設定された
請求項1に記載の定着装置。 - 【請求項4】 熱源を備えた加熱ロールと、この加熱ロ
ールから所定の間隔をあけて配置される支持ロールと、
この加熱ロールと支持ロールとに少なくとも張架されて
回転する無端状の定着ベルトと、この定着ベルトを挟ん
で前記加熱ロールに圧接して配置される加圧ロールとを
備え、その加圧ロールと定着ベルトの圧接部に、定着対
象のトナー像を担持する記録媒体をそのトナー像担持面
が定着ベルト側に位置する姿勢で導入して通過させると
ともに定着ベルトに所定の距離だけ密着させた状態で搬
送してから剥離させる定着装置において、 前記加熱ロール及び加圧ロールを、前記圧接部でその加
熱ロールの表層部とその加圧ロールの表層部とが互いに
同程度だけ弾性変形して平面状に圧接する状態となるよ
うに設置する場合、 当該加熱ロール及び加圧ロールの回転中心点を結ぶ直線
に対して前記圧接部で直交する垂直線が前記圧接部を通
過した後の前記定着ベルトの内周面側に位置するように
設定してなることを特徴とする定着装置。 - 【請求項5】 前記垂直線と前記定着ベルトの圧接部を
通過した後の進行方向とのなす角度をθとしたとき、θ
>0°の条件を満たすように設定された請求項4に記載
の定着装置。 - 【請求項6】 画像情報に応じたトナー像を形成し、そ
のトナー像を記録媒体に転写して定着させることにより
画像の形成を行う装置であって、 前記トナー像を記録媒体に定着させる定着装置として、
請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置を装備して
いることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002061859A JP2003263046A (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | 定着装置及びそれを用いた画像形成装置 |
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---|---|---|---|
JP2002061859A JP2003263046A (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | 定着装置及びそれを用いた画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003263046A true JP2003263046A (ja) | 2003-09-19 |
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ID=29195931
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---|---|---|---|
JP2002061859A Pending JP2003263046A (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | 定着装置及びそれを用いた画像形成装置 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006201657A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-03 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置 |
JP2006251426A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置の定着装置 |
JP2009008709A (ja) * | 2007-06-26 | 2009-01-15 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2011081176A (ja) * | 2009-10-07 | 2011-04-21 | Canon Inc | 画像形成装置 |
US8541089B2 (en) | 2006-07-26 | 2013-09-24 | Ricoh Company, Ltd. | Fixing belt, base element for fixing belt, fixing device, image forming apparatus and method for producing base element |
CN113721440A (zh) * | 2020-05-26 | 2021-11-30 | 佳能株式会社 | 记录材料冷却装置、成像设备和成像系统 |
-
2002
- 2002-03-07 JP JP2002061859A patent/JP2003263046A/ja active Pending
Cited By (8)
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