JP2003262690A - 崩壊熱除去システム - Google Patents

崩壊熱除去システム

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JP2003262690A
JP2003262690A JP2002065773A JP2002065773A JP2003262690A JP 2003262690 A JP2003262690 A JP 2003262690A JP 2002065773 A JP2002065773 A JP 2002065773A JP 2002065773 A JP2002065773 A JP 2002065773A JP 2003262690 A JP2003262690 A JP 2003262690A
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cooling loop
pipe
liquid metal
nak
decay heat
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Application number
JP2002065773A
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English (en)
Inventor
Mikio Toda
幹雄 戸田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】ホ゜ンフ゜等の動的機器を用いない簡素な構成で、
液体金属冷却材であるNaKを循環させることによって崩
壊熱を除去し、コストタ゛ウンと信頼性の向上とを図る。 【解決手段】本発明の崩壊熱除去システムによれば、配
管13内にNaKを循環させ、原子炉容器12の内部で発生し
た崩壊熱を連続的に除去するものであり、熱交換器15と
空気冷却器16とホットハ゜ススイッチ20とを備えている。熱交換器
15は原子炉容器12の内部と、配管13内部を流れるNaKと
の熱交換を行い、原子炉容器12の内部を冷却すると共に
NaKを加熱する。空気冷却器16は熱交換器15よりも上方
に設けられ、NaKを自然空冷する。ホットハ゜ススイッチ20は、NaK
が所定温度以上になった場合にはNaKがハ゛イハ゜ス配管21,2
4,22を介して空気冷却器16側へと供給されるようにし、
所定温度未満である場合にはハ゛イハ゜ス配管21,24,22へ移行
せずに配管13,23内を流れて空気冷却器16側へと供給さ
れるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高速増殖炉
プラント(FBR)のように、液体金属冷却材を用いた
原子力プラントにおいて、崩壊熱を除去するために備え
られている崩壊熱除去システムに関する。
【0002】
【従来の技術】液体金属冷却材を用いた高速増殖炉プラ
ント(以下、「FBR」と称する)では、従来、図3に
示す様に、液体金属冷却材としてNa(ナトリウム)が
用いられた強制循環型の崩壊熱除去システムが適用され
ている。
【0003】この種の崩壊熱除去システムは、電磁ポン
プ14と、熱交換器15と、空気冷却器16とが備えら
れている。このような構成の崩壊熱除去システムによっ
て、原子炉11を収納している原子炉容器12内の崩壊
熱は、熱交換器15において、配管13を介して電磁ポ
ンプ14によって供給されるNaに冷却されることによ
って除去される。
【0004】配管13内を流れるNaは、熱交換器15
において原子炉容器12内の崩壊熱を除去する代わりに
自身は加熱され、電磁ポンプ14によって空気冷却器1
6に供給される。空気冷却器16には、空気を空気冷却
器16に送り込むブロワ17と、ブロワ17によって空
気冷却器16に供給される空気の量を調整するための入
口ダンパ18および出口ダンパ19がそれぞれ設けられ
ている。
【0005】Naの融点は、97.8℃であるために、
空気冷却器16では、Naの冷却のし過ぎによって凍結
しないように、ブロワ17、入口ダンパ18、および出
口ダンパ19を調節することによって空気冷却器16に
供給される空気の量が制御されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の崩壊熱除去システムでは、以下のような問題
がある。
【0007】すなわち、崩壊熱除去システムは、原子炉
停止時において原子炉11から発せられる崩壊熱を確実
に除去しなくてはならず、安全性確保の観点から、高い
信頼性が要求されている。しかしながら、従来の崩壊熱
除去システムは、図3にその構成を示すように、電磁ポ
ンプ14、ブロワ17、入口ダンパ18および出口ダン
パ19等の動的機器が採用されている。
【0008】しかしながら、動的機器は、機器の故障
や、あるいはその性能が経年的に劣化するので、このよ
うな動的機器を採用した従来の崩壊熱除去システムには
高い信頼性を期待することはできないという問題があ
る。更に動的機器は、定期的な動作点検が必要となるば
かりでなく、故障時を考慮したバックアップ系の設置
(2重化)も必要となり、コストアップをもたらすとい
う問題がある。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ポンプ、ブロワ、ダンパ等の動的機器を用
いることなく、自然循環作用を利用した静的機器のみに
よって構成し、もって、構成を簡素化してコストダウン
を図るとともに、信頼性の向上を図ることが可能な崩壊
熱除去システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0011】すなわち、請求項1の発明は、冷却ループ
内に液体金属冷却材を循環させることによって、原子炉
を収納している原子炉容器内部で発生した崩壊熱を原子
炉容器外部へと連続的に除去する崩壊熱除去システムで
あって、熱交換器と、冷却器と、流路変換手段とから構
成してなる。
【0012】この熱交換器は、原子炉容器内部または主
冷却系内部に設けられ、冷却ループの一部によって伝熱
管を形成し、この伝熱管を介して、崩壊熱によって加熱
された原子炉容器内部または主冷却系内部と、伝熱管の
内部を流れる液体金属冷却材との間の熱交換を行い、原
子炉容器内部を冷却するとともに、液体金属冷却材を加
熱する。また、冷却器は、原子炉容器外部でかつ熱交換
器よりも上方に設けられ、冷却ループの一部によって伝
熱管を形成し、この伝熱管を介して、熱交換器によって
加熱された後にこの伝熱管の内部を流れる液体金属冷却
材を自然空冷し、この自然空冷された液体金属冷却材を
冷却ループを介して熱交換器側に供給する。更に、流路
変換手段は、原子炉容器外部に熱交換器と冷却器との間
に介挿して設けられ、冷却ループの途中に設けられこの
冷却ループよりも口径が大きく冷却ループよりも上方側
に設けられたバイパス配管を備え、熱交換器側から冷却
ループを介して供給された液体金属冷却材が所定温度以
上になった場合には、この液体金属冷却材が膨張するこ
とによって冷却ループからバイパス配管へ移行し、この
液体金属冷却材がこのバイパス配管内を流れて冷却器側
へと供給されるようにし、熱交換器側から冷却ループを
介して供給された液体金属冷却材が所定温度未満である
場合には、冷却ループ内を流れる液体金属冷却材が冷却
ループからバイパス配管へと移行せずに冷却ループ内を
流れて冷却器側へと供給されるようにしている。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明の崩壊
熱除去システムにおいて、バイパス配管は、冷却ループ
から、ほぼ鉛直方向に向かうように接続して配設され、
冷却ループよりも口径が大きい第1の太径配管と、冷却
ループから、ほぼ鉛直方向に向かうように接続して配設
され、冷却ループよりも口径が大きく、冷却ループ上に
おいて第1の太径配管よりも冷却器側に設けられた第2
の太径配管と、第1および第2の太径配管の上端同士を
接続する冷却ループよりも口径が大きい接続配管と、接
続配管から、ほぼ鉛直方向に向かうようにしてその底部
が接続配管側に接続された閉塞ポットとから構成してな
る。
【0014】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明の崩壊熱除去システムにおいて、液体金属冷却
材は、常温で液体としたものである。
【0015】請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち
何れか1項の発明の崩壊熱除去システムにおいて、液体
金属冷却材をNaKとしたものである。
【0016】請求項5の発明は、請求項1乃至4のうち
何れか1項の発明の崩壊熱除去システムにおいて、所定
温度とは、原子炉の崩壊熱除去時運転温度としたもので
ある。
【0017】請求項6の発明は、請求項1乃至5のうち
何れか1項の発明の崩壊熱除去システムにおいて、原子
炉を高速増殖炉としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0019】なお、以下の実施の形態の説明に用いる図
中の符号は、図3と同一部分については同一符号を付し
て示すことにする。
【0020】本発明の実施の形態を図1から図2を用い
て説明する。
【0021】図1は、本発明の実施の形態に係る崩壊熱
除去システムの一例を示す系統構成図である。
【0022】すなわち、本発明の実施の形態に係る崩壊
熱除去システムは、液体金属冷却材としてNaK(ナッ
ク)を適用した自然循環型の崩壊熱除去システムであ
り、図3に示す強制循環型の崩壊熱除去システムの動的
機器である電磁ポンプ14と、ブロワ17と、入口ダン
パ18と、出口ダンパ19とを削除し、熱交換器15か
ら空気冷却器16へ向かう配管13上にホットパススイ
ッチ(自然循環流路形成装置)20を付加した静的機器
のみからなる構成としている。
【0023】また、図3に示すような強制循環型の崩壊
熱除去システムよりも、熱交換器15と空気冷却器16
との伝熱中心差を高くしているとともに、ホットパスス
イッチ20の採用により配管13およびホットパススイ
ッチ20から構成されるループ内の圧力損失を低減して
いる。
【0024】図2は、ホットパススイッチの構成例を示
す概念図である。
【0025】すなわち、ホットパススイッチ20は、本
発明の実施の形態に係る崩壊熱除去システムの最も高い
位置に配置され、一対の大口径配管21,22と、両大
口径配管21,22同士を接続している小口径配管23
および上部連絡配管24と、上部連絡配管24の途中に
接続された上部ポット25とから構成してなる。
【0026】一対の大口径配管21,22は、それぞれ
鉛直方向に向けて並設しており、それぞれの下部には水
平方向に配設された配管13が接続されるようにしてい
る。更に大口径配管21と大口径配管22とは、それぞ
れの下部において小口径配管23によって連結されるよ
うにしている。小口径配管23は、配管13と同径であ
って水平方向に配設され、配管13の一部をなしてい
る。また、両大口径配管21,22は、その上端部を、
コの字形状の配管である上部連絡配管24によって互い
に連結している。なお、上部連絡配管24は、その両端
部を除く部分が水平方向になるように配設しており、そ
の水平部分で、鉛直方向に向かって配置された有蓋円筒
形状の上部ポット25と接続している。また、上部連絡
配管24の口径は、小口径配管23の口径よりも大き
い。
【0027】上述したような構成のホットパススイッチ
20によって、図2中に示すa)低温停止温度液面(N
aK温度=180℃)では、熱交換器15側から大口径
配管21に供給されたNaKは、大口径配管21から小
口径配管23を介して大口径配管22に供給され、更に
そこから配管13に戻され、空気冷却器16側に供給さ
れるようにしている。
【0028】また、図2中に示すb)待機温度液面(N
aK温度=550℃(原子炉の定格運転温度))では、
a)低温停止温度よりも温度が高いためにNaKが膨張
し、a)低温停止温度液面よりも大口径配管21,22
中における液面が上昇するものの、熱交換器15側から
大口径配管21に供給されたNaKは、大口径配管21
から小口径配管23を介して大口径配管22に供給さ
れ、更にそこから配管13に戻され、空気冷却器16側
に供給されるようにしている。
【0029】更に、図2中に示すc)崩壊熱除去時の運
転温度液面(1)(NaK温度=580℃)では、b)
待機温度よりも温度が高いためにNaKが更に膨張し、
上部連絡配管24と上部ポット25とを接続している鉛
直配管26まで液面が上昇する。上部連絡配管24は小
口径配管23よりも口径が大きく、圧損が小さいため
に、熱交換器15側から大口径配管21に供給されたN
aKの大部分は、大口径配管21から上部連絡配管24
を介して大口径配管22に供給され、更にそこから配管
13に戻され、空気冷却器16側に供給されるようにし
ている。
【0030】更にまた、崩壊熱除去時の運転温度が上昇
し、図2中に示すd)運転温度液面(2)(NaK温度
=600℃)に至り、NaKの液面が上昇した場合であ
っても、液面が上部ポット25の内部にできるようにし
ている。したがって、d)運転温度液面(2)であって
も、熱交換器15側から大口径配管21に供給されたN
aKの大部分は、大口径配管21から上部連絡配管24
を介して大口径配管22に供給され、更にそこから配管
13に戻され、空気冷却器16側に供給されるようにし
ている。
【0031】すなわち、小口径配管23は、原子炉11
の温度がa)低温停止温度、またはb)待機温度のとき
にNaKが自然循環する小流量流路パスを形成し、上部
連絡配管24は、原子炉11の温度がc)崩壊熱除去時
の運転温度(1)、またはd)運転温度(2)のときに
NaKが自然循環する大流量流路パスを形成している。
【0032】空気冷却器16に供給されたNaKは、空
気冷却器16において、自然空冷作用によって冷却され
るようにしている。空気冷却器16は、冷却用の空気の
流量を制御するブロワ17、入口ダンパ18、出口ダン
パ19のいずれも備えていないが、NaKの融点は、−
12℃であり、常温では液体で存在する。したがって、
冷却のし過ぎによりNaKが凍結することはない。ま
た、原子炉11の運転温度が上昇し、ホットパススイッ
チ20におけるNaKの液面が上昇し、大口径配管21
から大口径配管22への移送が上部連絡配管24を介し
てなされるようになると、配管13内を流通するNaK
の流量が増加し、空気冷却器16による冷却効果も増大
するので、適切な除熱を可能としている。
【0033】このように構成した本発明の実施の形態に
係る崩壊熱除去システムは、電磁ポンプ14、ブロワ1
7、入口ダンパ18、および出口ダンパ19等の動的機
器を一切用いず、ホットパススイッチ20の採用によっ
て、液体金属冷却材であるNaKの熱膨張を利用した自
然循環作用によって流路を切り替え、流量を調節すると
ともに、冷却能力を調節する静的機能を有している。
【0034】次に、以上のように構成した同実施の形態
に係る崩壊熱除去システムの作用について説明する。
【0035】本発明の実施の形態に係る崩壊熱除去シス
テムによって原子炉容器12内の崩壊熱を除去する場合
には、原子炉容器12内に備えられた熱交換器15の、
配管13の一部からなる図示しない伝熱管を介して、配
管13によって伝熱管に供給されたNaKによって原子
炉容器12内の冷却材であるNaが冷却される。
【0036】配管13内を流れるNaKは、熱交換器1
5において原子炉容器12内の崩壊熱を除去する代わり
に自身は加熱され、密度が小さくなるので配管13に沿
って上昇し、ホットパススイッチ20に導かれる。
【0037】原子炉11の温度が、a)低温停止温度
(NaK温度=180℃)である場合には、熱交換器1
5側から大口径配管21に供給されたNaKは、大口径
配管21から小口径配管23を介して大口径配管22に
供給され、更にそこから配管13に戻され、空気冷却器
16側に供給される。
【0038】また、原子炉11の温度が、b)待機温度
(NaK温度=550℃)である場合には、a)低温停
止温度よりも温度が高いためにNaKが膨張し、a)低
温停止温度よりも大口径配管21,22中における液面
が上昇するものの、熱交換器15側から大口径配管21
に供給されたNaKは、大口径配管21から小口径配管
23を介して大口径配管22に供給され、更にそこから
配管13に戻され、空気冷却器16側に供給される。
【0039】更に、原子炉11の温度が、c)崩壊熱除
去時の運転温度(1)(NaK温度=580℃)である
場合には、b)待機温度よりも温度が高いためにNaK
が更に膨張し、上部連絡配管24と上部ポット25とを
接続している鉛直配管26まで液面が上昇する。上部連
絡配管24は小口径配管23よりも口径が大きく、圧損
が小さいために、熱交換器15側から大口径配管21に
供給されたNaKの大部分は、大口径配管21から上部
連絡配管24を介して大口径配管22に供給され、更に
そこから配管13に戻され、空気冷却器16側に供給さ
れる。
【0040】更にまた、原子炉11の温度が、d)運転
温度(2)(NaK温度=600℃以上)である場合に
は、液面が上部ポット25の内部にまで上昇する。この
場合でも、熱交換器15側から大口径配管21に供給さ
れたNaKの大部分は、大口径配管21から上部連絡配
管24を介して大口径配管22に供給され、更にそこか
ら配管13に戻され、空気冷却器16側に供給される。
【0041】そして、空気冷却器16に供給されたNa
Kは、空気冷却器16において、自然空冷作用によって
冷却される。自然空気は、平均的には、ほぼ一定の流量
で空気冷却器16に供給されるものと考えられる一方、
ホットパススイッチ20から空気冷却器16へと供給さ
れるNaKの流量は、原子炉11の運転温度によって異
なる。すなわち、a)低温停止温度、またはb)待機温
度の場合には、NaKは、小口径配管23を介して空気
冷却器16へ供給されることから、流量が小さく、空気
冷却器16によって冷却される効果も小さい。
【0042】一方、c)崩壊熱除去時の運転温度
(1)、またはd)運転温度(2)の場合には、NaK
の温度も上昇するが、NaKは、小口径配管23よりも
配管径が太い上部連絡配管24を介して空気冷却器16
へ供給されることから、流量が大きく、空気冷却器16
によって冷却される効果も大きいために、効率良く冷却
される。
【0043】また、本発明の実施の形態に係る崩壊熱除
去システムは、従来技術の崩壊熱除去システムよりも熱
交換器15と空気冷却器16との伝熱中心差が高く確保
されており、更に、ホットパススイッチ20の採用によ
り配管13およびホットパススイッチ20から形成され
ているループ内の圧力損失の低減化が図られているの
で、電磁ポンプ14のような駆動のための動的機器を用
いずとも所定値以上の流量が確保される。
【0044】このように、原子炉11の温度に応じて、
NaKは、適切に冷却される。なお、NaKの融点は、
−12℃であり、常温では液体で存在するので、冷却の
し過ぎによるNaKの凍結を心配する必要はない。
【0045】上述したように、本発明の実施の形態に係
る崩壊熱除去システムにおいては、上記のような作用に
より、従来技術の動的機器を備えた崩壊熱除去システム
よりも、熱交換器15と空気冷却器16との伝熱中心差
を大きくし、更に液体金属冷却材であるNaKが循環す
る流路内の圧力損失を低減している。これによって、N
aKの流量を高めることができるので、電磁ポンプ14
のような動的駆動機器を省略することができる。
【0046】また、ホットパススイッチ20の採用によ
って、原子炉11の運転温度が高い場合には、空気冷却
器16に供給されるNaKの流量を高め、冷却能力を高
めることができるので、ブロワ17、入口ダンパ18、
および出口ダンパ19のように強制的に冷却能力を調節
するための動的機器を省略することができる。なお、N
aKは、融点が低く常温では液体で存在するので、冷却
のし過ぎによる凍結を心配する必要はない。
【0047】このように、動的機器が一切不要となるた
めに、システムの構成を大幅に簡素化することが可能と
なる。これによって、コストダウンを図ることができる
ことはもちろんであるが、動的機器を一切使用しないこ
とから、大幅に信頼性を向上することも可能となる。な
お、概略評価では、信頼性が2桁程度(100倍程度)
向上するという結果が得られている。
【0048】以上、本発明の好適な実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ポンプ、ブロワ、ダンパ等の動的機器を用いることな
く、自然循環作用を利用した静的機器のみによって崩壊
熱を除去することができる。
【0050】以上により、構成を簡素化してコストダウ
ンを図るとともに、信頼性の向上を図ることが可能な崩
壊熱除去システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る崩壊熱除去システム
の一例を示す系統構成図
【図2】ホットパススイッチの構成例を示す概念図
【図3】従来技術による強制循環型の崩壊熱除去システ
ムの一例を示す系統構成図
【符号の説明】
11…原子炉 12…原子炉容器 13…配管 14…電磁ポンプ 15…熱交換器 16…空気冷却器 17…ブロワ 18…入口ダンパ 19…出口ダンパ 20…ホットパススイッチ 21,22…大口径配管 23…小口径配管 24…上部連絡配管 25…上部ポット 26…鉛直配管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却ループ内に液体金属冷却材を循環さ
    せることによって、原子炉を収納している原子炉容器内
    部で発生した崩壊熱を原子炉容器外部へと連続的に除去
    する崩壊熱除去システムであって、 前記原子炉容器内部または主冷却系内部に設けられ、前
    記冷却ループの一部によって伝熱管を形成し、この伝熱
    管を介して、崩壊熱によって加熱された前記原子炉容器
    内部または主冷却系内部と、前記伝熱管の内部を流れる
    液体金属冷却材との間の熱交換を行い、前記原子炉容器
    内部を冷却するとともに、前記液体金属冷却材を加熱す
    る熱交換器と、 前記原子炉容器外部でかつ前記熱交換器よりも上方に設
    けられ、前記冷却ループの一部によって伝熱管を形成
    し、この伝熱管を介して、前記熱交換器によって加熱さ
    れた後にこの伝熱管の内部を流れる液体金属冷却材を自
    然空冷し、この自然空冷された液体金属冷却材を前記冷
    却ループを介して前記熱交換器側に供給する冷却器と、 前記原子炉容器外部に前記熱交換器と前記冷却器との間
    に介挿して設けられ、前記冷却ループの途中に設けられ
    この冷却ループよりも口径が大きく前記冷却ループより
    も上方側に設けられたバイパス配管を備え、前記熱交換
    器側から前記冷却ループを介して供給された液体金属冷
    却材が所定温度以上になった場合には、この液体金属冷
    却材が膨張することによって前記冷却ループから前記バ
    イパス配管へ移行し、この液体金属冷却材がこのバイパ
    ス配管内を流れて前記冷却器側へと供給されるように
    し、前記熱交換器側から前記冷却ループを介して供給さ
    れた液体金属冷却材が所定温度未満である場合には、前
    記冷却ループ内を流れる液体金属冷却材が前記冷却ルー
    プから前記バイパス配管へと移行せずに前記冷却ループ
    内を流れて前記冷却器側へと供給されるようにした流路
    変換手段とを備えた崩壊熱除去システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の崩壊熱除去システムに
    おいて、 前記バイパス配管は、 前記冷却ループから、ほぼ鉛直方向に向かうように接続
    して配設され、前記冷却ループよりも口径が大きい第1
    の太径配管と、 前記冷却ループから、ほぼ鉛直方向に向かうように接続
    して配設され、前記冷却ループよりも口径が大きく、前
    記冷却ループ上において前記第1の太径配管よりも前記
    冷却器側に設けられた第2の太径配管と、 前記第1および第2の太径配管の上端同士を接続する前
    記冷却ループよりも口径が大きい接続配管と、 前記接続配管から、ほぼ鉛直方向に向かうようにしてそ
    の底部が前記接続配管側に接続された閉塞ポットとから
    構成してなる崩壊熱除去システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の崩壊熱
    除去システムにおいて、 前記液体金属冷却材は、常温で液体である崩壊熱除去シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のうち何れか1項に記載
    の崩壊熱除去システムにおいて、 前記液体金属冷却材をNaKとした崩壊熱除去システ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のうち何れか1項に記載
    の崩壊熱除去システムにおいて、 前記所定温度とは、前記原子炉の崩壊熱除去時の運転温
    度である崩壊熱除去システム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のうち何れか1項に記載
    の崩壊熱除去システムにおいて、 前記原子炉を高速増殖炉とした崩壊熱除去システム。
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