JP2003262554A - 構造物外力検知装置、及び構造物の外力検知方法 - Google Patents

構造物外力検知装置、及び構造物の外力検知方法

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JP2003262554A
JP2003262554A JP2002064149A JP2002064149A JP2003262554A JP 2003262554 A JP2003262554 A JP 2003262554A JP 2002064149 A JP2002064149 A JP 2002064149A JP 2002064149 A JP2002064149 A JP 2002064149A JP 2003262554 A JP2003262554 A JP 2003262554A
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liquid
container
light
optical fiber
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Masato Saito
正人 齊藤
Kenji Watanabe
健治 渡辺
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Railway Technical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実施方法が容易で、かつ構造物の損傷の箇所
等の検知が可能な構造物外力検知装置、及び構造物の外
力検知方法を提供する。 【解決手段】 可撓性材料からなり第1液13が封入さ
れた第1容器11と、脆性材料からなり第1液13と反
応して化学発光を生じる第2液14が封入され第1容器
11に収容される第2容器12を有し、杭の外力検知箇
所に配置される発光体1と、一端が第1液13の内部に
挿入された光ファイバー22と、光ファイバー22の他
端に取り付けられる光検出器を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の外力が作
用した場合に発光させて検知する構造物外力検知装置
と、その装置を用いて構造物の外力を検知する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、構造物に外力が作用した場合に、
損傷を生じたか否かを検知するための方法としては、破
壊試験(破壊検査)と、非破壊試験(非破壊検査)とが
ある。破壊試験(破壊検査)は、実際の材料を用いて作
製した供試体に荷重を加えて破壊し、供試体における損
傷の箇所やその状況等を観察又は計測し、実際の構造物
の場合に当てはめて判定する方法であり、直接的な方法
ということができる。
【0003】一方、非破壊試験(非破壊検査)は、構造
物や供試体等を破壊せず、何らかの物理量を利用して構
造物等の内部の状況を推定しようとする方法であり、破
壊試験に比べると間接的な方法といえる。非破壊試験に
おいて利用する物理量としては、超音波、放射線、磁
気、材料破壊時に内部で発生する音(AE:Acous
tic Emission)などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の方法においては、以下に述べるような各種の問
題点があった。
【0005】破壊試験(破壊検査)の場合は、構造物ご
とに供試体作製とその破壊試験を行うとすると、そのた
めの時間、供試体作製の手間、費用がかかり、効率的で
はない、という問題がある。また、破壊は、作製された
供試体の形状、あるいはその寸法の影響が大きく、供試
体の形状等が異なると、破壊時の挙動も異なってくる。
このため、実際の構造物の場合に当てはめる場合には、
破壊試験結果に人間の判断や考察等を加えることにな
る。このことから、実際の構造物の損傷の状況等を精度
よく判定することは困難で、かつ熟練を要する、という
問題もあった。
【0006】また、非破壊試験(非破壊検査)の場合
は、構造物の内部で何らかの破壊が発生した事実、ある
いは構造物の内部に何らかの損傷が存在する事実まで
は、検出できること多いが、その損傷の具体的な箇所、
損傷の形状や寸法の明確な把握は困難であることが多
い、という問題があった。
【0007】また、場所打ちコンクリート杭のような地
下構造物は、地中に構築されるため、地震等の外力によ
り地下構造物の内部で何らかの破壊が発生、又は何らか
の損傷が存在する事実は、人間の目視による直接的な確
認が非常に困難である。このため、構造物の検査は容易
ではない、という問題があった。このような地下構造物
の検査については、行った例はあるが、この場合には、
場所打ちコンクリート杭等の地下構造物の周囲の掘り返
し作業等が伴うため、多大な費用等がかかる、という問
題もあった。
【0008】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、実
施方法が容易で、かつ構造物の損傷の箇所等の検知が可
能な構造物外力検知装置、及び構造物の外力検知方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る構造物外力検知装置は、可撓性材料か
らなり第1液が封入された第1容器と、脆性材料からな
り前記第1液と反応して化学発光を生じる第2液が封入
され前記第1容器に収容される第2容器を有し、構造物
の外力検知箇所に配置される外力応答手段と、一端が前
記第1液の内部に挿入された光ファイバーと、前記光フ
ァイバーの他端に取り付けられるとともに光を検出する
光検出手段を備え、前記構造物の外力検知箇所に所定値
を越える外力が付加された場合には、前記第2容器が破
断して前記第2液が前記第1液内に漏出し、前記第2液
と前記第1液が反応して化学発光が発生し、発生した光
が前記光ファイバーを経て前記光検出手段により検出さ
れ、前記構造物の外力検知箇所に所定外力値を越える外
力が作用した旨を検知することを特徴とする。
【0010】上記の構造物外力検知装置において、好ま
しくは、前記可撓性材料は、合成樹脂材料を含む。
【0011】また、上記の構造物外力検知装置におい
て、好ましくは、前記脆性材料は、ガラス、又は陶磁材
料、若しくはセラミックス系材料を含む。
【0012】また、上記の構造物外力検知装置におい
て、好ましくは、前記光検出手段は、受光することによ
り化学的変化を生じて可視物質を生成する感光部材であ
る。
【0013】また、上記の構造物外力検知装置におい
て、好ましくは、前記光検出手段は光センサである。
【0014】また、上記の構造物外力検知装置におい
て、好ましくは、前記構造物は基礎構造物である。
【0015】また、本発明に係る構造物の外力検知方法
は、可撓性材料からなり第1液が封入された第1容器
と、脆性材料からなり前記第1液と反応して化学発光を
生じる第2液が封入され前記第1容器に収容される第2
容器を有し、構造物の外力検知箇所に配置される外力応
答手段と、一端が前記第1液の内部に挿入された光ファ
イバーと、前記光ファイバーの他端に取り付けられると
ともに光を検出する光検出手段を用い、前記構造物の外
力検知箇所に所定値を越える外力が付加された場合に
は、前記第2容器が破断して前記第2液が前記第1液内
に漏出し、前記第2液と前記第1液が反応して化学発光
が発生し、発生した光が前記光ファイバーを経て前記光
検出手段により検出され、前記構造物の外力検知箇所に
所定外力値を越える外力が作用した旨を検知することを
特徴とする。
【0016】また、上記の構造物の外力検知方法におい
て、好ましくは、前記第2容器の強度が所定強度値に設
定されることにより前記構造物の所定外力値が定量的に
算定可能である。
【0017】また、上記の構造物の外力検知方法におい
て、好ましくは、前記外力応答手段の外力検知箇所の配
置状態により前記構造物の所定外力値が定量的に算定可
能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0019】(1)第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態である構造物損傷検出シ
ステムの構成を示す図である。また、図2は、図1に示
す構造物損傷検出システムにおける発光体のさらに詳細
な構成を示す断面図である。
【0020】図1(A)に示すように、この構造物損傷
検出システム101は、鉄道線路300を支持する高架
橋200の基礎である場所打ちコンクリート杭203の
コンクリート内部に設置されている発光体1と、接続部
材2と、光検出・送信部4と、通信ケーブル5と、構造
物管理部6を備えて構成されている。
【0021】接続部材2は、その一部が場所打ちコンク
リート杭203のコンクリート内部や、高架橋200の
フーチング202等の内部に設置され、その残部が高架
橋200の外部に配置されている。また、図2(B)に
示すように、接続部材2は、その内部に光ファイバー2
2を有しており、光ファイバー22の外側が保護部材2
1によって包囲された構造となっている。光ファイバー
22の一端は、発光体1に接続し、また、光ファイバー
22の他端は、光検出・送信部4に接続している。ま
た、光検出・送信部4と構造物管理部6は、通信ケーブ
ル5によって接続されている。なお、発光体1と、接続
部材2の一部は、場所打ちコンクリート杭203やフー
チング202のコンクリート打設前に所定箇所に配置さ
れ、コンクリート中に埋設されて設置される。
【0022】次に、上記した発光体1のさらに詳細な構
成について、図2を参照しながら説明する。図2(A)
に示すように、発光体1は、第1容器11と、第2容器
12と、第1液13と、第2液14を有して構成されて
いる。
【0023】第1容器11は、プラスチックス系材料や
ゴム系材料などの可撓性を有する材料(以下、「可撓性
材料」という。)からなり、内部が中空状となった円筒
形状に形成されている。また、第1容器11の下端と上
端は、それぞれ円板状の部材により閉塞されている。第
1容器11の略円筒状の外側部には、外側部を環状に取
り巻く溝状の凹部11eが複数形成されている。これら
の複数の環状凹部11eにより、場所打ちコンクリート
杭203の内部に埋設される発光体1の表面部に凹凸が
形成され、コンクリートに対する発光体1の付着性を向
上させ、杭内の応力が発光体1に伝達される性能を向上
させる効果を有している。なお、第1容器11の上端と
なる円板には、後述する光ファイバー22を挿通するた
めの挿通孔11aが開設されている。この第1容器11
の内部には、第1液13が封入されるとともに、第2容
器12が収容されている。
【0024】ここに、プラスチックス系材料としては、
いわゆる合成樹脂材料のほか、FRP(Fiber R
einforced Plastics:繊維強化プラ
スチックス)等のプラスチックを用いた複合材料を含
む。また、ゴム系材料としては、天然ゴム、人造ゴムの
ほか、ゴムを用いた複合材料も含む。
【0025】また、第2容器12は、ガラス系材料や陶
磁材料やセラミックス系材料などの脆性を有する材料
(以下、「脆性材料」という。)からなり、内部が中空
状となった円筒形状に形成されている。また、第2容器
12の下端と上端は、それぞれ円板状の部材により閉塞
されている。この第2容器12の内部には、第2液14
が封入されている。
【0026】ここに、ガラス系材料としては、いわゆる
ガラスのほか、ガラスを用いた複合材料を含む。また、
陶磁材料としては、陶器、磁器のほか、これらを用いた
複合材料を含む。また、セラミックス系材料としては、
いわゆるセラミックスのほか、これらを用いた複合材料
も含む。
【0027】また、第1容器11の上端の円板に設けら
れた挿通孔11aには、環状の固定部材15が嵌め込ま
れている。この固定部材15は、プラスチックス系材料
やゴム系材料などの可撓性を有する材料から形成されて
おり、中央部に円柱状の開口部を有し、この開口部に後
述する光ファイバー22が挿通されている。光ファイバ
ー22の外径は、固定部材15の開口部の内径よりもわ
ずかに大きな値となっており、光ファイバー22を固定
部材15の開口部に押し込むことにより、固定部材15
の可撓性を利用して光ファイバー22が嵌め込まれ、光
ファイバー22の光入射端面22cが第1容器11内の
第1液13の中に差し込まれた状態となっている。
【0028】また、第1液13としては、シュウ酸ビス
2,4,6−トリクロロフェニルというシュウ酸エステ
ルと、色素であるアントラセンと、サリチル酸ナトリウ
ムとを含む溶液が用いられている。また、第2液14と
しては、過酸化水素(H22)の希釈水溶液が用いられ
ている。
【0029】次に、上記した場所打ちコンクリート杭2
03に、大きな外力、例えば地震動による力が作用し、
場所打ちコンクリート杭203の内部にき裂等の損傷が
発生した場合を例にとって、この第1実施形態の構造物
損傷検出システム101の詳細な構成とその作用を説明
する。
【0030】上記のように、場所打ちコンクリート杭2
03の内部にき裂等の損傷が発生するような大きな外力
が場所打ちコンクリート杭203に作用すると、そのコ
ンクリートの内部のいずれかの箇所に埋設されている発
光体1の第1容器11は、可撓性材料により形成されて
いるため、例えば、弓状に曲がるように変形する。一
方、第1容器11の内部に収容されている第2容器12
は、脆性材料で形成されているため、ある程度以上の変
形には耐えられず、破断する。
【0031】この結果、第2容器12の内部に収容され
ていた希釈過酸化水素水溶液からなる第2液14が、シ
ュウ酸エステルとアントラセンとサリチル酸ナトリウム
とを含む溶液である第1液13の中に漏出し、第1液1
3と第2液14の両者が互いに混合し、化学反応を起こ
す。
【0032】まず、シュウ酸エステルと過酸化水素が反
応し、中間体が生成される。この中間体は、酸化物を経
て環状酸化物となる。この中間体が分解するときに、化
学エネルギーを色素アントラセンに付与し、色素アント
ラセンは、エネルギーが基底状態の場合より高い状態で
ある励起状態となる。励起されたアントラセンは、エネ
ルギーが最低で最も安定した状態である基底状態に戻る
ときに、エネルギーを光として放出するため、可視光が
放射される。この発光(以下、「化学発光」という。)
は、数十秒から数分程度持続する。この場合、サリチル
酸ナトリウムは、上記の化学発光反応の触媒として作用
する。
【0033】第1容器11内で生じた化学発光の光は、
図2(D)に示すように、第1容器11の内部に差し込
まれた光ファイバー22の光入射端面22cから、光フ
ァイバー22の内部に入射する。光ファイバー22は、
図2(D)に示すように、例えば、鉛筆に類似した構成
を有しており、鉛筆の中心部の黒鉛芯に相当する部分2
2aは、「コア」と呼ばれる。また、鉛筆の黒鉛芯の周
囲を取り巻いている木材の部分に相当する部分22b
は、「クラッド」と呼ばれる。
【0034】コア22aとクラッド22bは、それぞ
れ、ガラス系材料や透明プラスチックス材料等の透明材
料により形成されている。この場合、コア22aを形成
する材料中には、微量な物質が添加され、コア22aの
屈折率がクラッド22bの屈折率よりも0.1〜3%程
度だけ高くなるように設定されている。
【0035】このような構成により、光ファイバー22
のコア22aに入射した化学発光の光線Lは、図2
(D)に示すように、コア22aとクラッド22bとの
境界面22dで全反射しながら、コア22aの中を伝搬
し、光ファイバー22の他端にある光検出・送信部4へ
到達する。
【0036】図3は、図1に示す構造物損傷検出システ
ムにおける光検出・送信部4のさらに詳細な構成を示す
ブロック図である。
【0037】図3に示すように、光検出・送信部4は、
きょう体40と、光検出器41と、増幅器42と、A/
Dコンバータ43と、入出力インタフェース44a及び
44bと、CPU45と、ROM46と、RAM47
と、送信機49を有して構成されている。また、きょう
体40は、例えば、図1(A)に示すように、高架橋2
00の柱201に取り付けられている。
【0038】発光体1から光ファイバー22中を伝達さ
れてきた光線Lは、光検出器41によって検出され、電
気量、例えば電流に変換されて出力される。光検出器4
1としては、例えば、フォト・ダイオード、フォト・ト
ランジスタ等の光センサが用いられる。フォト・ダイオ
ードとしては、PNフォト・ダイオード、又はPINフ
ォト・ダイオード、あるいはアバランシェ・フォト・ダ
イオード等が含まれる。光検出器41から出力された電
流は、増幅器42により増幅される。増幅後の電流は、
A/Dコンバータ43により、アナログ量からディジタ
ル量に変換され、入出力インタフェース44aを経てC
PU45に送られる。
【0039】CPU(Central Process
ing Unit:中央演算処理装置)45は、図示は
していないが、CPU45の内部での電流(信号)の授
受を行うための信号線である内部バスを有しており、こ
の内部バスに、演算部と、レジスタと、クロック生成部
と、命令処理部等を有している。CPU45内の演算部
は、一般に、レジスタに記憶されている各種データに対
して、四則演算(加算、減算、乗算、及び除算)を行
い、又は論理演算(論理積、論理和、否定、排他的論理
和など)を行い、又はデータ比較、若しくはデータシフ
トなどの処理を実行する部分である。処理の結果は、レ
ジスタに格納されるのが一般的である。
【0040】レジスタは、一般に、1語のデータを記憶
する部分である。通常、CPU45内には、複数のレジ
スタが設けられている。クロック生成部は、CPU45
の各部分の時間の同期をとるための刻時信号(クロック
信号)を生成する部分である。CPU45は、このクロ
ック信号に基づいて動作する。命令処理部は、演算部等
が実行すべき命令の取り出し、その解読、及びその実行
などを制御し処理する部分である。
【0041】ROM(Read Only Memor
y:読出し専用メモリ)46は、CPUを制御するため
の制御プログラムや、CPUが用いる各種データ等を格
納している部分である。ROMとしては、半導体チップ
により構成されるものと、ハードディスク装置等が用い
られる。ハードディスク装置は、図示はしていないが、
その内部に、円盤状の磁気ディスクを有しており、この
磁気ディスクをディスク駆動機構により回転駆動し、磁
気ヘッドをヘッド駆動機構によって磁気ディスクの任意
位置に移動させ、磁気ディスク表面の磁性膜を磁気ヘッ
ドからの書込電流によって磁化することによりデータを
記録し、磁化された磁性膜の上を磁気ヘッドが移動する
際に磁気ヘッドのコイル等に流れる電流を検出すること
により記録データを読み出す装置である。
【0042】上記した制御プログラムは、OS(Ope
rating System)等のCPU45の基本ソ
フトウェアのほか、各種の処理や分析演算等をCPU4
5に実行させるための命令等の処理手順が、所定のプロ
グラム用言語で記述された文字や記号の集合である。
【0043】また、RAM(Random Acces
s Memory:随時書込み読出しメモリ)47は、
CPU45により演算された途中のデータ等を一時記憶
する部分である。RAMは、半導体チップにより構成さ
れるものが主である。
【0044】上記のような構成により、CPU45は、
光検出器41からの電気出力を検出すると、「検出した
光を発生した発光体1の箇所の杭コンクリートに損傷が
発生した」と判断し、「杭に損傷発生」を表現するフラ
グ等のデータに、杭の位置等を特定するための情報(例
えば、杭の位置の位置座標等のデータ)を付加して出力
信号を生成する。
【0045】CPU45によって生成されたディジタル
電気信号は、入出力インタフェース44bを経て送信機
49に送られる。送信機49は、ディジタル電気信号を
そのまま、または他の信号形態(例えば光信号)に変換
し、通信ケーブル5によって構造物管理部6へ送信す
る。通信ケーブル5としては、電流を導通させる導線、
光ファイバー等が用いられる。
【0046】構造物管理部6は、図1(A)に示すよう
な構成を有している。すなわち、構造物管理部6は、あ
る鉄道線区(例えば、「山手線」や「埼京線」等。)の
鉄道線路に関連する構造物を統括して管理する施設であ
り、中央コンピュータ61と、構造物状態表示盤62
と、記憶・出力装置63を有して構成されている。
【0047】中央コンピュータ61には、この線区の各
構造物、例えば高架橋の各杭の光検出・送信部からの通
信ケーブル5a〜5dなどが接続しており、その構造物
からのデータが集中するようになっている。構造物状態
表示盤62は、図1(B)に示すように、表示パネル部
62aと、操作卓62bを有している。表示パネル部6
2aには、この線区全体が表示され、杭等の構造物がラ
ンプ等によって表現されている。このような構成によ
り、損傷が発生した箇所は、図1(B)において62c
で図示されるように、操作者(構造物管理者)が視認で
きる状態、例えばランプの点灯や点滅の状態となる。記
憶・出力装置63は、損傷の履歴等を記録媒体に記憶さ
せたり、印字等を行う装置である。
【0048】上記した第1実施形態の構造物損傷検出シ
ステム101によれば、以下のような利点がある。
【0049】a)鉄道の構造物等に大きな外力(例えば
地震動等)が付加されて損傷が発生した場合に、損傷し
た部分の位置等を、容易に、かつリアルタイムで検出す
ることができる。
【0050】b)杭等の地下構造物のように、地盤Gの
内部に構築されているため、そのままでは目視が不可能
な箇所の損傷についても、支障なく検出することができ
る。
【0051】c)鉄道や道路のように、線状に長い範囲
にわたる施設において、各構造物の損傷の有無を集中的
に監視することができる。
【0052】上記した第1実施形態において、構造物外
力検知システム101は、特許請求の範囲における構造
物外力検知装置に相当している。また、発光体1は、特
許請求の範囲における外力応答手段に相当している。ま
た、光検出・送信部4の光検出器41とCPU45は、
特許請求の範囲における光検出手段に相当している。
【0053】なお、上記した第2容器12の破断強度を
調整して所定強度値に設定することにより、発光体1の
発光が生じた場合には、CPU45が、「場所打ちコン
クリート杭203の当該発光体設置箇所に所定外力値が
付加された」と定量的に算定し、その旨を構造物管理部
6に送信するように構成することもできる。
【0054】また、発光体1の配置状態を適宜に工夫す
ることにより、例えば、杭203における鉛直方向の高
さ位置が異なる複数の位置に発光体1を配置したり、杭
の中心付近とその周囲の異なる位置に発光体1を配置す
ることにより、杭203の内部の損傷状態から逆算する
ことにより、CPU45が、杭203に作用した所定外
力値を定量的に算定することも可能である。
【0055】(2)第2実施形態 本発明は、上記した第1実施形態以外の構成によっても
実現可能である。図4は、本発明の第2実施形態である
構造物損傷検出システムの構成を示す図である。また、
図5は、図4に示す構造物損傷検出システムにおける構
造物内挿入部材のさらに詳細な構成を示す断面図であ
る。
【0056】図4(A)に示すように、第2実施形態の
構造物損傷検出システム102は、鉄道線路300を支
持する高架橋200の基礎である場所打ちコンクリート
杭203のコンクリート内部に設置された構造物内挿入
部材3と、この構造物内挿入部材3の内部に設置されて
いる発光体1Aと、接続部材2と、光検出・送信部4
と、通信ケーブル5と、構造物管理部6を備えて構成さ
れている。
【0057】この第2実施形態の構造物損傷検出システ
ム102が、第1実施形態の構造物損傷検出システム1
01と異なる点は、場所打ちコンクリート杭203のコ
ンクリート内部に外部から構造物内挿入部材3が挿入さ
れ、この構造物内挿入部材3の内部に発光体1Aが配置
されている点である。したがって、第2実施形態の構造
物損傷検出システム102は、すでに構築されている場
所打ちコンクリート杭203の内部に、後から発光体1
Aを設置する場合に好適である。なお、接続部材2と、
光検出・送信部4と、通信ケーブル5と、構造物管理部
6の構成と作用については、第1実施形態の場合と同様
であるので、その説明は省略する。
【0058】次に、第2実施形態の場合の、構造物内挿
入部材3と、発光体1Aの設置方法について、図4及び
図5を参照しつつ詳細に説明する。
【0059】まず、削孔機等(図示せず)により、地上
から場所打ちコンクリート杭203に向けて、削孔を行
い、円柱状の挿入孔204を形成する。次に、挿入孔2
04の中に挿入管31を挿入する。挿入管31は、プラ
スチックス系材料やゴム系材料などの可撓性を有する可
撓性材料からなり、内部が中空状となった円筒形状に形
成されている。これは、場所打ちコンクリート杭203
に大きな外力が付加されても、挿入管31を形成する材
料の強度や剛性が大きいと、挿入管31の内部の発光体
1Aに作用する力が減殺され、発光体1A内部の第2容
器12が破断せず、発光が生じないか、光検出器での検
出感度以下の微弱な発光となる場合があるからである。
【0060】また、挿入管31の外径は挿入孔204の
内径よりもわずかに小さい値に設定されている。この場
合、挿入孔204と挿入管31とを接着剤等により接着
すれば、挿入孔204と挿入管31との間で「滑り」が
生じることが防止され、場所打ちコンクリート杭203
に加わった外力に応じた変形が支障なく挿入管31に作
用する。
【0061】次に、挿入管31の内部における発光体1
Aの位置を所定箇所に設定するため、挿入管31の内部
の空洞部に、位置決め部材32aを挿入し、先端までの
長さがあらかじめ計測された所定長さの棒状の定規部材
等(図示せず)によって背後から押し込む等の方法で所
定箇所まで挿入し、その後、接着剤等により挿入管31
の内部に固定する。位置決め部材32aは、挿入管31
の強度や剛性をあまり増加させない材料、例えば、発泡
性合成樹脂材料などが用いられる。
【0062】次に、発光体1Aを地上の外部から挿入管
31内に挿入し、棒状部材等(図示せず)により背後か
ら押し込むことにより、あらかじめ位置決め部材32a
が設置された箇所まで移動させる。その後、接着剤等に
より、発光体1Aを挿入管31の内部に固定する。次
に、挿入管31内の発光体1Aの背後に、上記と同様に
して、他の位置決め部材32bを挿入する。この場合、
発光体1Aの外表面には、発光体1に設けられていたよ
うな環状凹部(11e)は設けられていない。これは、
第2実施形態においては、発光体1Aの外表面には、杭
のコンクリートとの付着性は必要ないからである。な
お、発光体1Aの背後(地上に近い方)の位置決め部材
32bについては、後述するように、現存の発光体を引
き抜いて新たな発光体と交換し、再度挿入する作業が予
想されるため、接着剤等による挿入管31への固定は行
わない。これにより、発光体1Aが挿入管31の内部の
所定箇所に位置決めされて設置される。
【0063】第2実施形態の構造物損傷検出システム1
02によれば、上記した第1実施形態の場合と同様の利
点に加え、以下のような利点がある。
【0064】d)すでに構築された構造物の内部に、外
部(例えば地上)から発光体1Aを設置し、その後に構
造物に大きな外力(例えば地震動等)が付加されて損傷
が発生した場合に、損傷した部分の位置等を、容易に、
かつリアルタイムで検出することができる。
【0065】e)発光体1Aが使用されて化学発光が済
んでしまった場合や、発光体1Aの設置後に発光せずに
長期間が経過し発光体1Aの性能劣化が予想される場合
などに、発光体1Aの新品との交換を容易に行うことが
可能である。
【0066】なお、挿入管31内の既存の発光体1Aを
新品と交換する時には、既存の発光体1Aに取り付けら
れている接続部材2を引っ張って地上まで引き上げるこ
とになる。このため、接続部材2のうち、光ファイバー
22の外側に配置される保護部材21としては、アラミ
ド樹脂(例えばケブラー繊維)等の引張り強度の高い材
料を用いることが望ましい。また、図2(C)に示すよ
うに、接続部材2の保護部材21の端部は、接着剤等の
接合部材16によって、発光体1Aの固定部材15と接
合している。このため、この接合部材16も、引張り強
度の高い材料を用いることが望ましい。
【0067】また、挿入管31の内部の空洞は、外力、
変形、挿入管自体の経年変化等により、当初の大きさよ
りも縮小する可能性がある。このように、挿入管31の
内部の空洞が縮小すると、接続部材2の保護部材21を
引っ張っても、発光体1Aを外部に引き出すことができ
なくなるおそれがある。このため、図5に示すように、
挿入管31の内部空洞に、内部空洞保持部材33を挿入
し、内部空洞のつぶれを防止する。
【0068】内部空洞保持部材33の材料としては、プ
ラスチックス系材料やゴム系材料などの可撓性を有する
可撓性材料が望ましい。また、挿入管31内の既存の発
光体1Aを新品と交換する時には、まず内部空洞保持部
材33を引き出す必要があるから、内部空洞保持部材3
3と挿入管31との間の摩擦は小さいことが望ましい。
このため、挿入管31と内部空洞保持部材33との間に
は、油脂やグリース等の潤滑材を配置するとよい。
【0069】上記した第2実施形態において、構造物外
力検知システム102は、特許請求の範囲における構造
物外力検知装置に相当している。
【0070】(3)第3実施形態 本発明は、上記した各実施形態以外の構成によっても実
現可能である。図6は、本発明の第3実施形態である構
造物損傷検出システムの構成を示す図である。また、図
7は、図6に示す構造物損傷検出システムにおける光検
出部のさらに詳細な構成を示す図である。
【0071】図6に示すように、第3実施形態の構造物
損傷検出システム103は、鉄道線路300を支持する
高架橋200の基礎である場所打ちコンクリート杭20
3のコンクリート内部に設置されている発光体1と、接
続部材2と、光検出部7を備えて構成されている。
【0072】この第3実施形態の構造物損傷検出システ
ム103が、第1実施形態の構造物損傷検出システム1
01と異なる点は、光検出・送信部4のかわりに光検出
部7が設けられ、通信ケーブル5及び構造物管理部6は
設けられていない点である。したがって、第3実施形態
の構造物損傷検出システム103は、杭等の構造物の集
中監視は行わず、各構造物ごとに損傷の有無等を検出す
るシステムである。なお、発光体1と、接続部材2の構
成と作用については、第1実施形態の場合と同様である
ので、その説明は省略する。
【0073】次に、第3実施形態の場合の、光検出部7
のさらに詳細な構成とその作用について、図6及び図7
を参照しつつ詳細に説明する。
【0074】図7(A)、図7(B)、及び図7(C)
に示すように、光検出部7は、接続部材2の他端(発光
体1が取り付けられている端部とは反対側の端部)に設
置されており、銀塩写真機に類似した構成を有してお
り、きょう体70と、きょう体70に設けられたフィル
ム装着部71と、きょう体70に設けられたフィルム巻
取部72と、きょう体70の内部に設けられた光像生成
部73を有して構成されている。きょう体70は、例え
ば、図6に示すように、高架橋200の柱201に取り
付けられている。また、光像生成部73は、図7(C)
及び図7(D)に示すように、接続部材2の光ファイバ
ー22の他端(発光体1が取り付けられている端部とは
反対側の端部)に設置されている。
【0075】また、図7(D)に示すように、発光体1
から光ファイバー22中を伝達されてきた光線Lは、光
像生成部73の第1レンズ73aと第2レンズ73bに
よって拡大され、開口板73cの開口73dを通って、
開口板73cの背後に設置されている感光フィルム81
の感光面81aに結像する。この場合、感光フィルム8
1は、感光面81aとその背後の面を、フィルム押え部
70d及び70eによって挟まれ、感光面81aが開口
板73cに密着するように押さえられている。
【0076】開口板73cに形成された開口73dは、
例えば、「+」等の形状となっており、感光フィルム8
1の感光面81aには、図7(F)に示すように、開口
73dの形状と相似な形状の感光像82が形成される。
【0077】また、感光フィルム81は、帯状のシート
状部材であり、その一面には、感光部材、例えば銀系の
塩等が塗布されており、受光することにより化学的変化
を生じて可視物質を生成することができる。この面は、
感光面81aを形成している。感光フィルム81は、当
初は、ケース80の内部のフィルム軸83に巻き取られ
た状態となっており、全体として感光媒体8を構成して
いる。フィルム装着部71は、装着軸71bを有してお
り、この装着軸71bがフィルム軸83と嵌合するよう
になっている。
【0078】また、フィルム巻取部72は、巻取ツマミ
72aと巻取軸72bと巻取ドラム72cを有してお
り、引き出された感光フィルム81の端部が、巻取ドラ
ム72cに固定可能となっている。また、巻取ツマミ7
2aを回動することにより、巻取軸72bと、巻取ドラ
ム72cを回転させ、感光フィルム81を巻き出すこと
ができるようになっている。
【0079】また、フィルム装着部71の装着軸71b
には、巻戻ツマミ71aが設けられており、巻戻ツマミ
71aを回動することにより、装着軸71bを回転さ
せ、感光した感光フィルム81を巻き戻し、ケース80
内に再び収納することができるようになっている。
【0080】また、きょう体70には、蝶番70bによ
り蓋70aが取り付けられており、開閉レバー70cを
操作することにより開閉可能な構成となっている。この
ような構成により、構造物の検査者は、地震等が発生し
た後、内部の感光フィルム81をケース80内に巻き戻
し、蓋70aを開けて回収し、通常の銀塩写真の場合と
同様な方法で現像し、写真を得ることができる。その結
果、上記したような感光像82が形成された写真であっ
た場合には、検査者は、場所打ちコンクリート杭203
の発光体1の位置に、所定値以上の外力が作用し、損傷
が発生した事実を知ることができる。
【0081】第3実施形態の構造物損傷検出システム1
03によれば、上記した第1、2実施形態の場合と同様
の利点に加え、以下のような利点がある。
【0082】f)発光体1の発光の検出を感光フィルム
81で行い、光検出器等の電気的機器を用いないため、
光検出器等を駆動するための電力が不要で、システムの
維持コストが低廉である。
【0083】上記した第3実施形態において、構造物外
力検知システム103は、特許請求の範囲における構造
物外力検知装置に相当している。また、光検出部7の感
光フィルム81は、特許請求の範囲における光検出手段
に相当している。
【0084】なお、本発明は、上記した各実施形態に限
定されるものではない。上記各実施形態は、例示であ
り、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と
実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するも
のは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包
含される。
【0085】例えば、上記各実施形態においては、第1
液としてシュウ酸エステルとアントラセンとサリチル酸
ナトリウムを含む溶液を用い、第2液として過酸化水素
希釈水溶液を用いる例について説明したが、本発明はこ
れには限定されず、他の構成、例えば、第1液と第2液
を逆にしてもよい。
【0086】また、化学発光は、他の物質の組み合わせ
によっても可能である。例えば、上記した色素アントラ
センのかわりに、クレシルバイオレットアセテート、1
3,13´−ジベンズアントロニル、9,10−ジフェ
ニルアントラセン、エオシンY、フルオレセイン二ナト
リウム塩、イソビオラントロン、フェナントレンキノ
ン、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン11
0、ルブレン(9,10,11,12−テトラフェニル
ナフタセン)、テトラセン(2,3−ベンズアントラセ
ン)、ビオラントロン、ルミノール(3−アミノフタル
ヒドラジド)、ルミノールとヘモグロビンの混合物、ル
シゲニン(硝酸ビス−N−メチルアクリジニウム)、ア
ントラセンの混合物、塩化トリス(2,2´−ビピリジ
ル)ルテニウム(II)六水和物などを用いてもよい。
【0087】また、過酸化水素水溶液のかわりに、過酸
化水素水とアルカリ(例えば水酸化ナトリウム等)を混
合したアルカリ性過酸化水素水溶液、フタル酸エステル
を溶媒として過酸化水素を溶解させた溶液、過酸化水素
水とジクロロメタンの混合溶液、ジメチルスルホキシ
ド、その他の無機酸、有機酸(例えば酢酸)などを用い
てもよい。
【0088】また、これらの過酸化水素等と反応して化
学エネルギーを持つ中間体を生成するための物質とし
て、シュウ酸エステルのかわりに、他の有機エステル、
ジクロロメタン(CH2Cl2)中の塩素ガス(C
2)、ジクロロメタン中の臭素(Br2)、ジクロロメ
タン中のヨウ素(I2)、次亜塩素酸(HOCl)、次
亜塩素酸塩水溶液(例えば、次亜塩素酸ナトリウム:N
aClOの水溶液など)、塩化オキサリル(Cl22
2)とジクロロメタンの混合溶液などを用いてもよい。
【0089】また、化学発光反応の触媒としては、サリ
チル酸ナトリウムのかわりに、他のサリチル酸塩、水酸
化ナトリウム、水酸化ホウ素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸ナ
トリウム、リン酸ナトリウム、硫酸銅、酸化銅、二酸化
鉛などの各種の塩(化合物)などを用いてもよい。
【0090】なお、第1液と第2液は、化学エネルギー
を有し色素にエネルギーを付与する中間体を生成する化
学反応が開始しない状態であれば、上記した各物質をど
のように振り分けてもよい。
【0091】また、第1容器、第2容器の形状は、上記
した円筒形状には限定されず、他の形状、例えば、楕円
断面の筒状、多角形断面の筒状などであってもよい。ま
た、第1容器の外表面に形成される凹凸の形状は、環状
凹部以外に、環状凸部、螺旋状の凸部又は凹部、多数の
イボ状の凸部、多数の穴状の凹部等であってもよい。
【0092】また、光ファイバーを第1容器に挿入する
箇所の構成は、図2(C)に図示した構成に限定され
ず、他の構成でもよい。要は、光ファイバーが第1液の
中に差し込まれて化学発光の光が光ファイバーの内部に
入射可能であり、かつ第1液が漏出しないような構成で
あれば、どのような構成であってもよいのである。さら
に、光ファイバーは、第2容器内の第2液の中に挿入さ
れるように構成されてもよく、光ファイバーが第2液の
中に差し込まれて化学発光の光が光ファイバーの内部に
入射可能であり、かつ第2液が漏出しないような構成で
あれば、どのような構成であってもよい。
【0093】また、第1容器の可撓性の程度、第2容器
の脆性の程度は、適宜に設定可能である。これらの値を
どのように設定するかにより、検出しようとする構造物
の外力、損傷の程度を調整することができる。また、第
2容器の外径を第1容器の内径よりもわずかに小さく設
定しておけば、小さい外力でも容易に第2容器を破断さ
せることができる。
【0094】また、第1容器の内面や外面にメッキ等を
ほどこしたり、第1容器の内面や外面を黒色にしたり、
第1容器を黒色の材料で形成してもよい。このようにす
れば、第1容器内で発生した光を外部に漏らさず、光フ
ァイバーへ入射させることに役立つ。すなわち、光ファ
イバーに入射する光の量を増加させることができ、光検
出の感度を向上させることができる。
【0095】また、第2容器を透明材料で作製してもよ
い。このようにすると、光ファイバーから遠い側で発生
した光を第2容器内を透過させて光ファイバーの方へ導
くことができるため、光ファイバーへ入射する光量を増
加させる効果がある。
【0096】また、光センサは、上記したもののほか
に、光電管、光電子増倍管等も含む。
【0097】また、外力を検出する対象である構造物
は、杭に限定されず、他の基礎構造物であってもよい。
あるいは基礎構造物以外の構造物であってもよい。
【0098】また、外力応答手段である発光体の配置位
置、配置状態は、上記した第1、第3実施形態の例、す
なわち発光体の長手方向が鉛直上下方向に平行となる状
態、あるいは、第2実施形態の例、すなわち発光体の長
手方向が鉛直上下方向に対して傾斜した状態には限定さ
れない。その他の状態、例えば、発光体の長手方向が水
平方向に平行となる状態、あるいは発光体の長手方向が
杭の断面における円の接線の方向となる状態などであっ
てもよい。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
可撓性材料からなり第1液が封入された第1容器と、脆
性材料からなり第1液と反応して化学発光を生じる第2
液が封入され第1容器に収容される第2容器を有し、構
造物の外力検知箇所に配置される外力応答手段と、一端
が第1容器の内部に挿入された光ファイバーと、光ファ
イバーの他端に取り付けられる光検出手段を備えるよう
に構成したので、構造物の外力検知箇所に所定値を越え
る外力が付加された場合には、第2容器が破断して前記
第2液が第1液内に漏出し、第2液と第1液が反応して
化学発光が発生し、発生した光が光ファイバーを経て光
検出手段により検出され、構造物の外力検知箇所に所定
外力値を越える外力が作用した旨を容易に検知すること
ができる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である構造物損傷検出シ
ステムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す構造物損傷検出システムにおける発
光体のさらに詳細な構成を示す断面図である。
【図3】図1に示す構造物損傷検出システムにおける光
検出・送信部のさらに詳細な構成を示すブロック図であ
る。
【図4】本発明の第2実施形態である構造物損傷検出シ
ステムの構成を示す図である。
【図5】図4に示す構造物損傷検出システムにおける構
造物内挿入部材のさらに詳細な構成を示す断面図であ
る。
【図6】本発明の第3実施形態である構造物損傷検出シ
ステムの構成を示す図である。
【図7】図6に示す構造物損傷検出システムにおける光
検出部のさらに詳細な構成を示す図である。
【符号の説明】
1、1A 発光体 2 接続部材 3 構造物内挿入部材 4 光検出・送信部 5〜5d 通信ケーブル 6 構造物管理部 7 光検出部 8 感光媒体 11 第1容器 11a 挿通孔 11e 環状凹部 12 第2容器 13 第1液 14 第2液 15 固定部材 16 接合部材 21 保護部材 22 光ファイバー 22a コア 22b クラッド 22c 光入射端面 22d コア・クラッド境界面 31 挿入管 32a、32b 位置決め部材 33 内部空洞保持部材 40 きょう体 41 光検出器 42 増幅器 43 A/Dコンバータ 44a、44b 入出力インタフェース 45 CPU 46 ROM 47 RAM 49 送信機 61 中央コンピュータ 62 構造物状態表示盤 62a 表示パネル部 62b 操作卓 62c 損傷発生箇所 63 記憶・出力装置 70 きょう体 70a 蓋 70b 蝶番 70c 開閉レバー 70d、70e フィルム押え部 71 フィルム装着部 71a 巻戻ツマミ 71b 装着軸 72 フィルム巻取部 72a 巻取ツマミ 72b 巻取軸 72c 巻取ドラム 73 光像生成部 73a 第1レンズ 73b 第2レンズ 73c 開口板 73d 開口 80 ケース 81 感光フィルム 81a 感光面 82 感光像 83 フィルム軸 101〜103 構造物損傷検出システム 200 高架橋 201 柱 202 フーチング 203 場所打ちコンクリート杭 204 挿入孔 300 鉄道線路 G 地盤 L 光線

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性材料からなり第1液が封入された
    第1容器と、脆性材料からなり前記第1液と反応して化
    学発光を生じる第2液が封入され前記第1容器に収容さ
    れる第2容器を有し、構造物の外力検知箇所に配置され
    る外力応答手段と、 一端が前記第1液又は第2液の内部に挿入された光ファ
    イバーと、 前記光ファイバーの他端に取り付けられるとともに光を
    検出する光検出手段を備え、 前記構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が付加
    された場合には、前記第2容器が破断して前記第2液が
    前記第1液内に漏出し、前記第2液と前記第1液が反応
    して化学発光が発生し、発生した光が前記光ファイバー
    を経て前記光検出手段により検出され、前記構造物の外
    力検知箇所に所定外力値を越える外力が作用した旨を検
    知することを特徴とする構造物外力検知装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の構造物外力検知装置にお
    いて、 前記可撓性材料は、合成樹脂材料を含むことを特徴とす
    る構造物外力検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の構造物外力検知装置にお
    いて、 前記脆性材料は、ガラス、又は陶磁材料、若しくはセラ
    ミックス系材料を含むことを特徴とする構造物外力検知
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の構造物外力検知装置にお
    いて、 前記光検出手段は、受光することにより化学的変化を生
    じて可視物質を生成する感光部材であることを特徴とす
    る構造物外力検知装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の構造物外力検知装置にお
    いて、 前記光検出手段は光センサであることを特徴とする構造
    物外力検知装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の構造物外力検知装置にお
    いて、 前記構造物は基礎構造物であることを特徴とする構造物
    外力検知装置。
  7. 【請求項7】 可撓性材料からなり第1液が封入された
    第1容器と、脆性材料からなり前記第1液と反応して化
    学発光を生じる第2液が封入され前記第1容器に収容さ
    れる第2容器を有し、構造物の外力検知箇所に配置され
    る外力応答手段と、 一端が前記第1液又は第2液の内部に挿入された光ファ
    イバーと、 前記光ファイバーの他端に取り付けられるとともに光を
    検出する光検出手段を用い、 前記構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が付加
    された場合には、前記第2容器が破断して前記第2液が
    前記第1液内に漏出し、前記第2液と前記第1液が反応
    して化学発光が発生し、発生した光が前記光ファイバー
    を経て前記光検出手段により検出され、前記構造物の外
    力検知箇所に所定外力値を越える外力が作用した旨を検
    知することを特徴とする構造物の外力検知方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の構造物の外力検知方法に
    おいて、 前記第2容器の強度が所定強度値に設定されることによ
    り前記構造物の所定外力値が定量的に算定可能であるこ
    とを特徴とする構造物の外力検知方法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の構造物の外力検知方法に
    おいて、 前記外力応答手段の外力検知箇所の配置状態により前記
    構造物の所定外力値が定量的に算定可能であることを特
    徴とする構造物の外力検知方法。
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