JP4039868B2 - 構造物外力検知装置、及び構造物の外力検知方法 - Google Patents

構造物外力検知装置、及び構造物の外力検知方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の外力が作用した場合に光を透過不能にさせることにより検知する構造物外力検知装置と、その装置を用いて構造物の外力を検知する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、構造物に外力が作用した場合に、損傷を生じたか否かを検知するための方法としては、破壊試験(破壊検査)と、非破壊試験(非破壊検査)とがある。破壊試験(破壊検査)は、実際の材料を用いて作製した供試体に荷重を加えて破壊し、供試体における損傷の箇所やその状況等を観察又は計測し、実際の構造物の場合に当てはめて判定する方法であり、直接的な方法ということができる。
【0003】
一方、非破壊試験(非破壊検査)は、構造物や供試体等を破壊せず、何らかの物理量を利用して構造物等の内部の状況を推定しようとする方法であり、破壊試験に比べると間接的な方法といえる。非破壊試験において利用する物理量としては、超音波、放射線、磁気、材料破壊時に内部で発生する音(AE:Acoustic Emission)などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の方法においては、以下に述べるような各種の問題点があった。
【0005】
破壊試験(破壊検査)の場合は、構造物ごとに供試体作製とその破壊試験を行うとすると、そのための時間、供試体作製の手間、費用がかかり、効率的ではない、という問題がある。また、破壊は、作製された供試体の形状、あるいはその寸法の影響が大きく、供試体の形状等が異なると、破壊時の挙動も異なってくる。このため、実際の構造物の場合に当てはめる場合には、破壊試験結果に人間の判断や考察等を加えることになる。このことから、実際の構造物の損傷の状況等を精度よく判定することは困難で、かつ熟練を要する、という問題もあった。
【0006】
また、非破壊試験(非破壊検査)の場合は、構造物の内部で何らかの破壊が発生した事実、あるいは構造物の内部に何らかの損傷が存在する事実までは、検出できること多いが、その損傷の具体的な箇所、損傷の形状や寸法の明確な把握は困難であることが多い、という問題があった。
【0007】
また、場所打ちコンクリート杭のような地下構造物は、地中に構築されるため、地震等の外力により地下構造物の内部で何らかの破壊が発生、又は何らかの損傷が存在する事実は、人間の目視による直接的な確認が非常に困難である。このため、構造物の検査は容易ではない、という問題があった。このような地下構造物の検査については、行った例はあるが、この場合には、場所打ちコンクリート杭等の地下構造物の周囲の掘り返し作業等が伴うため、多大な費用等がかかる、という問題もあった。
【0008】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、実施方法が容易で、かつ構造物の損傷の箇所等の検知が可能な構造物外力検知装置、及び構造物の外力検知方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る構造物外力検知装置は、
可撓性材料からなり光を透過可能な第1物質が封入された第1容器と、脆性材料からなり前記第1物質に混入すると光を透過不能にさせる第2物質が封入され前記第1容器に収容される第2容器を有し、構造物の外力検知箇所に配置される外力応答手段と、
光を発生する発光手段と、
前記発光手段の発生した光を前記第1物質を介して検出する光検出手段を備え、
前記構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が付加された場合には、前記第2容器が破損して前記第2物質が前記第1物質内に漏出し、前記第2物質と前記第1物質が混合して光が透過不能となり、前記発光手段が発生した光が前記光検出手段により検出されなくなり、前記構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が作用した旨を検知すること
を特徴とする。
【0010】
上記の構造物外力検知装置において、好ましくは、
前記発光手段は前記第1物質中に配置され、
前記光検出手段は前記第1物質中でかつ前記発光手段が発生した光の光路上に配置される。
【0011】
また、上記の構造物外力検知装置において、好ましくは、
前記発光手段は前記第1容器の外部に配置されるとともに、
前記光検出手段は前記第1容器の外部に配置され、
前記発光手段には、第1光ファイバーの一端が接続され、前記第1光ファイバーの他端である送光端は前記第1物質中に挿入され、
前記光検出手段には、第2光ファイバーの一端が接続され、前記第2光ファイバーの他端である受光端は、前記第1物質中に挿入されるとともに前記送光端からの光の光路上に配置される。
【0012】
また、上記の構造物外力検知装置において、好ましくは、前記可撓性材料は、合成樹脂材料を含む。
【0013】
また、上記の構造物外力検知装置において、好ましくは、前記脆性材料は、ガラス、又は陶磁器、若しくはセラミックス系材料を含む。
【0014】
また、上記の構造物外力検知装置において、好ましくは、前記第1物質は水であり、前記第2物質は、水溶性塗料を含む。
【0015】
また、上記の構造物外力検知装置において、好ましくは、前記発光手段は、レーザ光を発生する装置である。
【0016】
また、上記の構造物外力検知装置において、好ましくは、前記光検出手段は光センサである。
【0017】
また、本発明に係る構造物の外力検知方法は、
可撓性材料からなり光を透過可能な第1物質が封入された第1容器と、脆性材料からなり前記第1物質に混入すると光を透過不能にさせる第2物質が封入され前記第1容器に収容される第2容器を有し、構造物の外力検知箇所に配置される外力応答手段と、
光を発生する発光手段と、
前記発光手段の発生した光を前記第1物質を介して検出する光検出手段を用い、
前記構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が付加された場合には、前記第2容器が破損して前記第2物質が前記第1物質内に漏出し、前記第2物質と前記第1物質が混合して光が透過不能となり、前記発光手段が発生した光が前記光検出手段により検出されなくなり、前記構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が作用した旨を検知すること
を特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態である構造物損傷検出システムの構成を示す図である。また、図2は、図1に示す構造物損傷検出システムにおける外力応答体のさらに詳細な構成を示す図である。
【0020】
図1(A)に示すように、この構造物損傷検出システム101は、鉄道線路300を支持する高架橋200の基礎である場所打ちコンクリート杭203のコンクリート内部に設置されている外力応答体1と、接続部材2と、外力検出・送信部4と、通信ケーブル5と、構造物管理部6を備えて構成されている。
【0021】
接続部材2は、その一部が場所打ちコンクリート杭203のコンクリート内部や、高架橋200のフーチング202等の内部に設置され、その残部が高架橋200の外部に配置されている。また、図2(B)に示すように、接続部材2は、その内部に第1リード線22と第2リード線23を有しており、これら第1リード線22と第2リード線23の外側が保護部材21によって包囲された構造となっている。
【0022】
また、第1リード線22は、の電気の良導体である銅(Cu)等からなる導体部材22aと、導体部材22aの周囲を電気的に絶縁する電気の絶縁体であるプラスチックス系材料やゴム系材料等からなる絶縁部材22bによって構成されている。また、第2リード線23は、の電気の良導体である銅(Cu)等からなる導体部材23aと、導体部材23aの周囲を電気的に絶縁する電気の絶縁体であるプラスチックス系材料又はゴム系材料等からなる絶縁部材23bによって構成されている。
【0023】
図2(A)に示すように、接続部材2の一端は、外力応答体1に接続し、接続部材2の他端は、外力検出・送信部4に接続している。また、外力検出・送信部4と構造物管理部6は、通信ケーブル5によって接続されている。なお、外力応答体1と、接続部材2の一部は、場所打ちコンクリート杭203やフーチング202のコンクリート打設前に所定箇所に配置され、コンクリート中に埋設されて設置される。
【0024】
次に、上記した外力応答体1のさらに詳細な構成について、図2を参照しながら説明する。図2(A)に示すように、外力応答体1は、第1容器11と、第2容器12と、第1液13と、第2液14を有して構成されている。また、外力応答体1の内部には、後述する外力検出・送信部4の一部である光路保持部材71と、発光ダイオード40と、光検出器41が設置されている。
【0025】
第1容器11は、プラスチックス系材料やゴム系材料などの可撓性を有する材料(以下、「可撓性材料」という。)からなり、内部が中空状となった円筒形状に形成されている。また、第1容器11の下端と上端は、それぞれ円板状の部材により閉塞されている。第1容器11の略円筒状の外側部には、外側部を環状に取り巻く溝状の凹部11eが複数形成されている。これらの複数の環状凹部11eにより、場所打ちコンクリート杭203の内部に埋設される外力応答体1の表面部に凹凸が形成され、コンクリートに対する外力応答体1の付着性を向上させ、杭内の応力が外力応答体1に伝達される性能を向上させる効果を有している。なお、第1容器11の上端となる円板には、後述する第1リード線22及び第2リード線23を挿通するための挿通孔11aが開設されている。この第1容器11の内部には、第1液13が封入されるとともに、第2容器12が収容されている。
【0026】
また、第1容器11の底部付近には、円板状の第2容器保持部11bが設けられ、第2容器保持部11bの外周部は、第1容器11の内壁に接合されている。この第2容器保持部11bは、複数の連通孔11cが開設されている。この第2容器保持部11bにより、第1容器11は2つの室に区画されるが、連通孔11cを通じて、第1液13は両方の室内に充満するようになっている。また、第2容器12は第2容器保持部11bの上に載置されて支持されている。また、第2容器保持部11bの下方の室には、光路保持部材71と、発光ダイオード40と、光検出器41が設置されている。
【0027】
第1容器11を構成するプラスチックス系材料としては、いわゆる合成樹脂材料のほか、FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチックス)等のプラスチックを用いた複合材料を含む。また、ゴム系材料としては、天然ゴム、人造ゴムのほか、ゴムを用いた複合材料も含む。
【0028】
また、第2容器12は、ガラス系材料や陶磁材料やセラミックス系材料などの脆性を有する材料(以下、「脆性材料」という。)からなり、内部が中空状となった円筒形状に形成されている。また、第2容器12の下端と上端は、それぞれ円板状の部材により閉塞されている。この第2容器12の内部には、第2液14が封入されている。
【0029】
第2容器12を構成する、ガラス系材料としては、いわゆるガラスのほか、ガラスを用いた複合材料を含む。また、陶磁材料としては、陶器、磁器のほか、これらを用いた複合材料を含む。また、セラミックス系材料としては、いわゆるセラミックスのほか、これらを用いた複合材料も含む。
【0030】
また、第1容器11の上端の円板に設けられた挿通孔11aには、環状の固定部材15が嵌め込まれている。この固定部材15は、プラスチックス系材料やゴム系材料などの可撓性を有する材料から形成されており、中央部に円柱状の開口部を有し、この開口部に後述する第1リード線22及び第2リード線23が挿通されている。第1リード線22と第2リード線23を束ねたものの外径は、固定部材15の開口部の内径よりもわずかに大きな値となっており、第1リード線22と第2リード線23を束ねて固定部材15の開口部に押し込むことにより、固定部材15の可撓性を利用して第1リード線22と第2リード線23が嵌め込まれ、第1リード線22と第2リード線23が第1容器11内の第1液13の中に差し込まれた状態となっている。
【0031】
図2(A)に示すように、第1リード線22の導体部材22aの一端は、外力応答体1の内部に設けられた発光ダイオード40に接続し、第1リード線22の導体部材22aの他端は、外力検出・送信部4に接続している。また、第2リード線23の導体部材23aの一端は、外力応答体1の内部に設けられた光検出器41に接続し、第2リード線23の導体部材23aの他端は、外力検出・送信部4に接続している。発光ダイオード40と光検出器41の間には、光路保持部材71が配置されている。また、符号40a及び41aは、それぞれガラス板を示している。
【0032】
光路保持部材71は、金属、プラスチックス系材料等からなる両端が開放した直線的な筒状の部材であり、複数の開口71aが形成されている。この光路保持部材71の一端には、筒の内部へ向けて発光ダイオード40が取り付けられ、また光路保持部材71の他端には、筒の内部へ向けて光検出器41が取り付けられている。このような構成により、発光ダイオード40から光検出器41に向けてレーザ光等の光Lが照射されるようになっている。
【0033】
また、光路保持部材71の筒の内部空間には、開口71aを通じて、第1液13が充満するようになっている。したがって、第2容器12が破断する前の状態では、光路保持部材71の内部には、透明液体である第1液13(水)が充満しており、発光ダイオード40から発射された光Lは、光検出器41によって常に検出される状態となっている。
【0034】
また、上記した第1液13としては、水(H2O)が用いられている。また、第2液14としては、例えば墨汁が用いられている。墨汁は、煙煤(スス)とニカワを練り混ぜて作製される墨を磨って水の中に溶かし込んだ溶液である。煙煤は、例えば、木材(松等)の樹脂、植物油等を燃焼させたときに発生し、煙中に浮遊しているものを収集して得られるものであり、主体は黒鉛(炭素)の粒子である。
【0035】
次に、上記した場所打ちコンクリート杭203に、大きな外力、例えば地震動による力が作用し、場所打ちコンクリート杭203の内部にき裂等の損傷が発生した場合を例にとって、この第1実施形態の構造物損傷検出システム101の詳細な構成とその作用を説明する。
【0036】
上記のように、場所打ちコンクリート杭203の内部にき裂等の損傷が発生するような大きな外力が場所打ちコンクリート杭203に作用すると、そのコンクリートの内部のいずれかの箇所に埋設されている外力応答体1の第1容器11は、可撓性材料により形成されているため、例えば、弓状に曲がるように変形する。一方、第1容器11の内部に収容されている第2容器12は、脆性材料で形成されているため、ある程度以上の変形には耐えられず、破断する。
【0037】
この結果、第2容器12の内部に収容されていた墨汁からなる第2液14が、水である第1液13の中に漏出し、第1液13と第2液14の両者が互いに混合し、黒色の不透明な溶液となる。この黒色の不透明な溶液中では、発光ダイオード40と光検出器41との間の距離がある値(例えば、数ミリメートル程度)以上となると透過することができないように、発光ダイオード40の出力する光強度、又は水に墨汁が混合されたときの不透明度、若しくは光検出器41の光検出感度が設定されている。
【0038】
図3は、図1に示す構造物損傷検出システム101における外力検出・送信部4のさらに詳細な構成を示すブロック図である。
【0039】
図3に示すように、外力検出・送信部4は、きょう体C1と、発光ダイオード40と、光検出器41と、増幅器42と、A/Dコンバータ43と、入出力インタフェース44a及び44bと、CPU45と、ROM46と、RAM47と、電源48と、送信機49を有して構成されている。また、きょう体C1は、例えば、図1(A)に示すように、高架橋200の柱201に取り付けられている。
【0040】
発光ダイオード40は、ガリウム、ヒ素、リン等を適宜に含む半導体を有しており、電源48から第1リード線22を介して電気が供給されると光を発生する。また、光検出器41は、PN接合を有する半導体(例えばシリコン)を有しており、光を受けると電気量、例えば電流に変換して出力する。光検出器41としては、例えば、フォト・ダイオード、フォト・トランジスタ等の光センサが用いられる。フォト・ダイオードとしては、PNフォト・ダイオード、又はPINフォト・ダイオード、あるいはアバランシェ・フォト・ダイオード等が含まれる。
【0041】
なお、光検出器41は、電源48からの電力によって駆動されるが、電力供給用のリード線の図示は省略されている。なお、外力検出・送信部4の他の各構成要素も、電源48からの電力によって駆動されるが、電力供給用のリード線の図示は、発光ダイオード40への第1リード線22を除き省略されている。
【0042】
光検出器41から出力された電流は、導体部材23aにより増幅器42に送られ増幅器42によって増幅される。増幅後の電流は、A/Dコンバータ43により、アナログ量からディジタル量に変換され、入出力インタフェース44aを経てCPU45に送られる。
【0043】
このような構成により、外力応答体1に外力が作用して第2容器12が破断し、第1液13(水)と第2液14(墨汁)の両者が互いに混合して黒色不透明溶液となると、この黒色不透明溶液は、第1容器11内の第2容器保持部11bの連通孔11cを通って下部の室に入り込み、さらに光路保持部材71の開口71aを通して内部に入り込む。これにより、発光ダイオード40が射出した光Lは、光検出器41によって検出されなくなる。したがって、光検出器41は、光Lを検出していたときには電流を出力するが、光Lを検出しなくなると電流を出力しなくなる。
【0044】
光検出器41からの出力電流(光検出電流)は、増幅器42により増幅される。増幅後の電流は、A/Dコンバータ43により、アナログ量からディジタル量に変換され、入出力インタフェース44aを経てCPU45に送られる。
【0045】
CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)45は、図示はしていないが、CPU45の内部での電流(信号)の授受を行うための信号線である内部バスを有しており、この内部バスに、演算部と、レジスタと、クロック生成部と、命令処理部等を有している。CPU45内の演算部は、一般に、レジスタに記憶されている各種データに対して、四則演算(加算、減算、乗算、及び除算)を行い、又は論理演算(論理積、論理和、否定、排他的論理和など)を行い、又はデータ比較、若しくはデータシフトなどの処理を実行する部分である。処理の結果は、レジスタに格納されるのが一般的である。
【0046】
レジスタは、一般に、1語のデータを記憶する部分である。通常、CPU45内には、複数のレジスタが設けられている。クロック生成部は、CPU45の各部分の時間の同期をとるための刻時信号(クロック信号)を生成する部分である。CPU45は、このクロック信号に基づいて動作する。命令処理部は、演算部等が実行すべき命令の取り出し、その解読、及びその実行などを制御し処理する部分である。
【0047】
ROM(Read Only Memory:読出し専用メモリ)46は、CPUを制御するための制御プログラムや、CPUが用いる各種データ等を格納している部分である。ROMとしては、半導体チップにより構成されるものと、ハードディスク装置等が用いられる。ハードディスク装置は、図示はしていないが、その内部に、円盤状の磁気ディスクを有しており、この磁気ディスクをディスク駆動機構により回転駆動し、磁気ヘッドをヘッド駆動機構によって磁気ディスクの任意位置に移動させ、磁気ディスク表面の磁性膜を磁気ヘッドからの書込電流によって磁化することによりデータを記録し、磁化された磁性膜の上を磁気ヘッドが移動する際に磁気ヘッドのコイル等に流れる電流を検出することにより記録データを読み出す装置である。
【0048】
上記した制御プログラムは、OS(Operating System)等のCPU45の基本ソフトウェアのほか、各種の処理や分析演算等をCPU45に実行させるための命令等の処理手順が、所定のプログラム用言語で記述された文字や記号の集合である。
【0049】
また、RAM(Random Access Memory:随時書込み読出しメモリ)47は、CPU45により演算された途中のデータ等を一時記憶する部分である。RAMは、半導体チップにより構成されるものが主である。
【0050】
上記のような構成により、CPU45は、光検出器41からの光検出電流を検出しなくなると、「光検出電流が送られなくなった外力応答体1の箇所の杭コンクリートに損傷が発生した」と判断し、「杭に損傷発生」を表現するフラグ等のデータに、杭の位置等を特定するための情報(例えば、杭の位置の位置座標等のデータ)を付加してディジタル出力信号を生成する。
【0051】
CPU45によって生成されたディジタル電気信号は、入出力インタフェース44bを経て送信機49に送られる。送信機49は、ディジタル電気信号をそのまま、または他の信号形態(例えば光信号)に変換し、通信ケーブル5によって構造物管理部6へ送信する。通信ケーブル5としては、電流を導通させる導線、光ファイバー等が用いられる。
【0052】
構造物管理部6は、図1(A)に示すような構成を有している。すなわち、構造物管理部6は、ある鉄道線区(例えば、「山手線」や「埼京線」等。)の鉄道線路に関連する構造物を統括して管理する施設であり、中央コンピュータ61と、構造物状態表示盤62と、記憶・出力装置63を有して構成されている。
【0053】
中央コンピュータ61には、この線区の各構造物、例えば高架橋の各杭の外力検出・送信部からの通信ケーブル5a〜5dなどが接続しており、その構造物からのデータが集中するようになっている。構造物状態表示盤62は、図1(B)に示すように、表示パネル部62aと、操作卓62bを有している。表示パネル部62aには、この線区全体が表示され、杭等の構造物がランプ等によって表現されている。このような構成により、損傷が発生した箇所は、図1(B)において62cで図示されるように、操作者(構造物管理者)が視認できる状態、例えばランプの点灯や点滅の状態となる。記憶・出力装置63は、損傷の履歴等を記録媒体に記憶させたり、印字等を行う装置である。
【0054】
上記した第1実施形態の構造物損傷検出システム101によれば、以下のような利点がある。
【0055】
a)鉄道の構造物等に大きな外力(例えば地震動等)が付加されて損傷が発生した場合に、損傷した部分の位置等を、容易に、かつリアルタイムで検出することができる。
【0056】
b)杭等の地下構造物のように、地盤Gの内部に構築されているため、そのままでは目視が不可能な箇所の損傷についても、支障なく検出することができる。
【0057】
c)鉄道や道路のように、線状に長い範囲にわたる施設において、各構造物の損傷の有無を集中的に監視することができる。
【0058】
上記した第1実施形態において、構造物外力検知システム101は、特許請求の範囲における構造物外力検知装置に相当している。また、外力応答体1は、特許請求の範囲における外力応答手段に相当している。また、第1液13は、特許請求の範囲における第1物質に相当し、第2液14は、特許請求の範囲における第2物質に相当している。また、外力検出・送信部4の発光ダイオード40は、特許請求の範囲における発光手段に相当している。また、外力検出・送信部4の光検出器41とCPU45は、特許請求の範囲における光検出手段に相当している。
【0059】
なお、上記した第2容器12の破断強度を調整して所定強度値に設定することにより、外力応答体1の光検出器41からの電流が停止した場合には、CPU45が、「場所打ちコンクリート杭203の当該外力応答体設置箇所に所定外力値が付加された」と定量的に算定し、その旨を構造物管理部6に送信するように構成することもできる。
【0060】
また、外力応答体1の配置状態を適宜に工夫することにより、例えば、杭203における鉛直方向の高さ位置が異なる複数の位置に外力応答体1を配置したり、杭の中心付近とその周囲の異なる位置に外力応答体1を配置することにより、杭203の内部の損傷状態から逆算することにより、CPU45が、杭203に作用した所定外力値を定量的に算定することも可能である。
【0061】
(2)第2実施形態
本発明は、上記した第1実施形態以外の構成によっても実現可能である。図4は、本発明の第2実施形態である構造物損傷検出システムの構成を示す図である。また、図5は、図4に示す構造物損傷検出システムにおける外力応答体のさらに詳細な構成を示す図である。また、図6は、図4に示す構造物損傷検出システムにおける外力検出・送信部のさらに詳細な構成を示すブロック図である。
【0062】
図4(A)に示すように、第2実施形態の構造物損傷検出システム102は、鉄道線路300を支持する高架橋200の基礎である場所打ちコンクリート杭203のコンクリート内部に設置された構造物内挿入部材3と、この構造物内挿入部材3の内部に設置されている外力応答体1と、接続部材2と、外力検出・送信部4Aと、通信ケーブル5と、構造物管理部6を備えて構成されている。
【0063】
この第2実施形態の構造物損傷検出システム102が、第1実施形態の構造物損傷検出システム101と異なる点は、異なる構成の外力応答体1と、異なる構成の接続部材2Aと、異なる構成の外力検出・送信部4Aを備えている点である。なお、通信ケーブル5と、構造物管理部6の構成と作用については、第1実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0064】
次に、第2実施形態の場合の、外力応答体1、接続部材2A、外力検出・送信部4Aの構成と作用について、図4ないし図6を参照しつつ詳細に説明する。
【0065】
図5(A)に示すように、第2実施形態における外力応答体1は、第1容器11と、第2容器12と、第1液13と、第2液14を有して構成されている。また、外力応答体1の内部には、後述する外力検出・送信部4Aの一部である光路保持部材72と、第1光ファイバー24と、第2光ファイバー25が設置されている。
【0066】
接続部材2Aは、その一部が場所打ちコンクリート杭203のコンクリート内部や、高架橋200のフーチング202等の内部に設置され、その残部が高架橋200の外部に配置されている。また、図5(B)に示すように、接続部材2Aは、その内部に第1光ファイバー24と第2光ファイバー25を有しており、これら第1光ファイバー24と第2光ファイバー25の外側が保護部材21によって包囲された構造となっている。
【0067】
上記した第1容器11の構成と作用は、第1実施形態の場合とまったく同様である。また、第2容器12構成と作用は、第1実施形態の場合とまったく同様である。また、第1液13の構成と作用は、第1実施形態の場合とまったく同様である。また、第2液14の構成と作用についても、第1実施形態の場合とまったく同様である。
【0068】
また、第1容器11の上端の円板に設けられた挿通孔11aには、環状の固定部材15が嵌め込まれている。この固定部材15は、プラスチックス系材料やゴム系材料などの可撓性を有する材料から形成されており、中央部に円柱状の開口部を有し、この開口部に後述する第1光ファイバー24及び第2光ファイバー25が挿通されている。第1光ファイバー24と第2光ファイバー25を束ねたものの外径は、固定部材15の開口部の内径よりもわずかに大きな値となっており、第1光ファイバー24及び第2光ファイバー25を固定部材15の開口部に押し込むことにより、固定部材15の可撓性を利用して第1光ファイバー24及び第2光ファイバー25が嵌め込まれ、第1光ファイバー24及び第2光ファイバー25が第1容器11内の第1液13の中に差し込まれた状態となっている。
【0069】
図5(A)に示すように、第1光ファイバー24の一端は、外力応答体1の内部に設けられた光路保持部材72に取り付けられており、第1光ファイバー24の他端は、外力検出・送信部4の発光ダイオード40に接続している。また、第2光ファイバー25の一端は、外力応答体1の内部に設けられた光路保持部材72に取り付けられており、第2光ファイバー25の他端は、外力検出・送信部4Aの光検出器41に接続している。
【0070】
光路保持部材72は、金属、プラスチックス系材料等からなる両端が開放した直線的な筒状の部材であり、複数の開口72aが形成されている。この光路保持部材72の一端には、筒の内部へ向けて第1光ファイバー24の一端(以下、「送光端」という。)24cが取り付けられ、また光路保持部材72の他端には、筒の内部へ向けて筒の内部へ向けて第2光ファイバー25の一端(以下、「受光端」という。)25cが取り付けられている。また、受光端25cは、送光端24cからの光Lの光路上に位置するように配置されている。
【0071】
第1光ファイバー24及び第2光ファイバー25は、図5に示すように、例えば、鉛筆に類似した構成を有しており、鉛筆の中心部の黒鉛芯に相当する部分24a、25aは、「コア」と呼ばれる。また、鉛筆の黒鉛芯の周囲を取り巻いている木材の部分に相当する部分24b、25bは、「クラッド」と呼ばれる。
【0072】
コア24a及び25aとクラッド24b及び25bは、それぞれ、ガラス系材料や透明プラスチックス材料等の透明材料により形成されている。この場合、コア24a及び25aを形成する材料中には、微量な物質が添加され、コア24a及び25aの屈折率がクラッド24b及び25bの屈折率よりも0.1〜3%程度だけ高くなるように設定されている。
【0073】
このような構成により、発光ダイオード40から第1光ファイバー24のコア24aに入射した光Lは、コア24aとクラッド24bとの境界面24dで全反射しながら、コア24aの中を伝搬し、第1光ファイバー24の送光端24cへ到達し、第1液13中へ射出される。
【0074】
また、光路保持部材72の筒の内部空間には、開口72aを通じて、第1液13が充満するようになっている。したがって、第2容器12が破断する前の状態では、光路保持部材72の内部には、透明液体である第1液13(水)が充満している。このため、第2光ファイバー25の受光端25cは、光Lの光路上に配置されているから、光Lは、光路保持部材72内の第1液13内を通り、受光端25cから第2光ファイバー25のコア25a内に入射し、コア25aとクラッド25bとの境界面25dで全反射しながら、コア25aの中を伝搬し、第2光ファイバー25の他端へ到達し、光検出器41の内部に入り、光検出器41によって常に検出される状態となっている。
【0075】
上記のような構成により、場所打ちコンクリート杭203の内部にき裂等の損傷が発生するような大きな外力が場所打ちコンクリート杭203に作用すると、そのコンクリートの内部のいずれかの箇所に埋設されている外力応答体1の第1容器11は、可撓性材料により形成されているため、例えば、弓状に曲がるように変形する。一方、第1容器11の内部に収容されている第2容器12は、脆性材料で形成されているため、ある程度以上の変形には耐えられず、破断する。
【0076】
この結果、第2容器12の内部に収容されていた墨汁からなる第2液14が、水である第1液13の中に漏出し、第1液13と第2液14の両者が互いに混合し、黒色の不透明な溶液となる。この黒色の不透明な溶液中では、送光端24cと受光端25cとの間の距離がある値(例えば、数ミリメートル程度)以上となると透過することができないように、発光ダイオード40の出力する光強度、又は水に墨汁が混合されたときの不透明度、若しくは光検出器41の光検出感度が設定されている。
【0077】
図6は、図4に示す構造物損傷検出システム102における外力検出・送信部4Aのさらに詳細な構成を示すブロック図である。
【0078】
図3に示すように、外力検出・送信部4Aは、きょう体C2と、発光ダイオード40と、光検出器41と、増幅器42と、A/Dコンバータ43と、入出力インタフェース44a及び44bと、CPU45と、ROM46と、RAM47と、電源48と、送信機49を有して構成されている。また、きょう体C2は、例えば、図4に示すように、高架橋200の柱201に取り付けられている。
【0079】
この外力検出・送信部4Aが第1実施形態の外力検出・送信部4と異なる点は、光検出器41が、第2光ファイバー25を介して光Lを検出するように構成された点であり、他の構成要素の構成と作用は、第1実施形態の場合と同様である。
【0080】
このような構成により、外力応答体1に外力が作用して第2容器12が破断し、第1液13(水)と第2液14(墨汁)の両者が互いに混合して黒色不透明溶液となると、この黒色不透明溶液は、第1容器11内の第2容器保持部11bの連通孔11cを通って下部の室に入り込み、さらに光路保持部材72の開口72aを通して内部に入り込む。これにより、発光ダイオード40から射出され第1光ファイバー24の送光端24cから発射された光Lは、第2光ファイバー25の受光端25cに到達せず、あるいは到達しても光強度が非常に弱いため、光検出器41によって検出されなくなる。したがって、光検出器41は、光Lを検出していたときには電流を出力するが、光Lを検出しなくなると電流を出力しなくなる。
【0081】
光検出器41からの出力電流(光検出電流)は、増幅器42により増幅される。増幅後の電流は、A/Dコンバータ43により、アナログ量からディジタル量に変換され、入出力インタフェース44aを経てCPU45に送られる。
【0082】
CPU45は、光検出器41からの光検出電流を検出しなくなると、「光検出電流が送られなくなった外力応答体1の箇所の杭コンクリートに損傷が発生した」と判断し、「杭に損傷発生」を表現するフラグ等のデータに、杭の位置等を特定するための情報(例えば、杭の位置の位置座標等のデータ)を付加してディジタル出力信号を生成する。
【0083】
CPU45によって生成されたディジタル電気信号は、第1実施形態の場合とまったく同様にして、送信機49から通信ケーブル5を経て構造物管理部6へ送信される。損傷が発生した箇所の表示や、損傷の履歴等の記録媒体への記憶、印字等が行われる。
【0084】
上記した第2実施形態の構造物損傷検出システム102によれば、第1実施形態の場合の利点に加え、以下のような利点がある。
【0085】
d)接続部材2Aは、光ファイバーで構成されているため、外部の電気的な環境(例えば、落雷等)によって破損や故障を生じたり、信号電流に不要なノイズ(雑音)が重畳されることがなく、正確な値を得ることができる。
【0086】
上記した第2実施形態において、構造物外力検知システム102は、特許請求の範囲における構造物外力検知装置に相当している。また、外力応答体1は、特許請求の範囲における外力応答手段に相当している。また、外力検出・送信部4Aの発光ダイオード40は、特許請求の範囲における発光手段に相当している。また、外力検出・送信部4Aの光検出器41とCPU45は、特許請求の範囲における光検出手段に相当している。
【0087】
(3)第3実施形態
本発明は、上記した第1、第2実施形態以外の構成によっても実現可能である。図7は、本発明の第3実施形態である構造物損傷検出システムの構成を示す図である。また、図8は、図7に示す構造物損傷検出システムにおける構造物内挿入部材のさらに詳細な構成を示す断面図である。
【0088】
図7に示すように、第3実施形態の構造物損傷検出システム103は、鉄道線路300を支持する高架橋200の基礎である場所打ちコンクリート杭203のコンクリート内部に設置された構造物内挿入部材3と、この構造物内挿入部材3の内部に設置されている外力応答体1Aと、接続部材2と、外力検出・送信部4と、通信ケーブル5と、構造物管理部6を備えて構成されている。
【0089】
この第3実施形態の構造物損傷検出システム103が、第1実施形態の構造物損傷検出システム101と異なる点は、場所打ちコンクリート杭203のコンクリート内部に外部から構造物内挿入部材3が挿入され、この構造物内挿入部材3の内部に外力応答体1Aが配置されている点である。したがって、第3実施形態の構造物損傷検出システム103は、すでに構築されている場所打ちコンクリート杭203の内部に、後から外力応答体1Aを設置する場合に好適である。なお、接続部材2と、外力検出・送信部4と、通信ケーブル5と、構造物管理部6の構成と作用については、第1実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0090】
次に、第3実施形態の場合の、構造物内挿入部材3と、外力応答体1A設置方法について、図7及び図8を参照しつつ詳細に説明する。
【0091】
まず、削孔機等(図示せず)により、地上から場所打ちコンクリート杭203に向けて、削孔を行い、円柱状の挿入孔204を形成する。次に、挿入孔204の中に挿入管31を挿入する。挿入管31は、プラスチックス系材料やゴム系材料などの可撓性を有する可撓性材料からなり、内部が中空状となった円筒形状に形成されている。これは、場所打ちコンクリート杭203に大きな外力が付加されても、挿入管31を形成する材料の強度や剛性が大きいと、挿入管31の内部の外力応答体1Aに作用する力が減殺され、外力応答体1A内部の第2容器12が破断せず、第2液14が第1液13中へ漏出しない場合があるからである。
【0092】
また、挿入管31の外径は挿入孔204の内径よりもわずかに小さい値に設定されている。この場合、挿入孔204と挿入管31とを接着剤等により接着すれば、挿入孔204と挿入管31との間で「滑り」が生じることが防止され、場所打ちコンクリート杭203に加わった外力に応じた変形が支障なく挿入管31に作用する。
【0093】
次に、挿入管31の内部における外力応答体1Aの位置を所定箇所に設定するため、挿入管31の内部の空洞部に、位置決め部材32aを挿入し、先端までの長さがあらかじめ計測された所定長さの棒状の定規部材等(図示せず)によって背後から押し込む等の方法で所定箇所まで挿入し、その後、接着剤等により挿入管31の内部に固定する。位置決め部材32aは、挿入管31の強度や剛性をあまり増加させない材料、例えば、発泡性合成樹脂材料(例えば発砲スチロール)などが用いられる。
【0094】
次に、外力応答体1Aを地上の外部から挿入管31内に挿入し、棒状部材等(図示せず)により背後から押し込むことにより、あらかじめ位置決め部材32aが設置された箇所まで移動させる。その後、接着剤等により、外力応答体1Aを挿入管31の内部に固定する。次に、挿入管31内の外力応答体1Aの背後に、上記と同様にして、他の位置決め部材32bを挿入する。この場合、外力応答体1Aの外表面には、外力応答体1に設けられていたような環状凹部(11e)は設けられていない。これは、第3実施形態においては、外力応答体1Aの外表面には、杭のコンクリートとの付着性は必要ないからである。なお、外力応答体1Aの背後(地上に近い方)の位置決め部材32bについては、後述するように、現存の外力応答体を引き抜いて新たな外力応答体と交換し、再度挿入する作業が予想されるため、接着剤等による挿入管31への固定は行わない。これにより、外力応答体1Aが挿入管31の内部の所定箇所に位置決めされて設置される。
【0095】
第3実施形態の構造物損傷検出システム103によれば、上記した第1実施形態の場合と同様の利点に加え、以下のような利点がある。
【0096】
e)すでに構築された構造物の内部に、外部(例えば地上)から外力応答体1Aを設置し、その後に構造物に大きな外力(例えば地震動等)が付加されて損傷が発生した場合に、損傷した部分の位置等を、容易に、かつリアルタイムで検出することができる。
【0097】
f)外力応答体1Aが使用されて第1液と第2液の混合が済んでしまった場合や、外力応答体1Aの設置後に外力が作用せずに長期間が経過し外力応答体1A内の物質の性能劣化が予想される場合などに、外力応答体1Aの新品との交換を容易に行うことが可能である。
【0098】
なお、挿入管31内の既存の外力応答体1Aを新品と交換する時には、既存の外力応答体1Aに取り付けられている接続部材2を引っ張って地上まで引き上げることになる。このため、接続部材2のうち、リード線22の外側に配置される保護部材21としては、アラミド樹脂(例えばケブラー繊維)等の引張り強度の高い材料を用いることが望ましい。また、図2(C)に示すように、接続部材2の保護部材21の端部は、接着剤等の接合部材16によって、外力応答体1Aの固定部材15と接合している。このため、この接合部材16も、引張り強度の高い材料を用いることが望ましい。
【0099】
また、挿入管31の内部の空洞は、外力、変形、挿入管自体の経年変化等により、当初の大きさよりも縮小する可能性がある。このように、挿入管31の内部の空洞が縮小すると、接続部材2の保護部材21を引っ張っても、外力応答体1Aを外部に引き出すことができなくなるおそれがある。このため、図8に示すように、挿入管31の内部空洞に、内部空洞保持部材33を挿入し、内部空洞のつぶれを防止する。
【0100】
内部空洞保持部材33の材料としては、プラスチックス系材料やゴム系材料などの可撓性を有する可撓性材料が望ましい。また、挿入管31内の既存の外力応答体1Aを新品と交換する時には、まず内部空洞保持部材33を引き出す必要があるから、内部空洞保持部材33と挿入管31との間の摩擦は小さいことが望ましい。このため、挿入管31と内部空洞保持部材33との間には、油脂やグリース等の潤滑材を配置するとよい。
【0101】
上記した第3実施形態において、構造物外力検知システム103は、特許請求の範囲における構造物外力検知装置に相当している。
【0102】
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0103】
例えば、上記各実施形態においては、第1物質として水を用い、第2物質として墨汁を用いる例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成であってもよい。
【0104】
すなわち、第1物質と第2物質の組み合わせは、他の物質の組み合わせによっても可能である。要は、第1物質は光を透過可能であり、第2容器が破断して第2物質が第1物質内に漏出し両者が混合すると光が透過不能となればよいのである。したがって、例えば、第1物質が透明液体の場合は、第2物質は第1物質を濁らせて光が透過不能にする物質であればよく、液体状、あるいは固体粒子状の塗料、顔料、着色材等であって、第1物質に溶解する物質であればよい。例えば、第1物質が水、又は透明な水溶液で、第2物質が墨汁以外の水溶性不透明塗料(例えば不透明水彩絵の具の水溶液など)という組み合わせが挙げられる。また、第1物質が水、又は透明な水溶液で、第2物質が固体粒子状の水溶性不透明着色材(例えば墨の粉末、不透明水彩絵の具の粉末など)という組み合わせが挙げられる。あるいは、第1物質がアルコールやエーテル等の透明な有機溶剤で、第2物質が有機溶剤に溶ける液体状不透明塗料(例えば油性ペイントなど)という組み合わせが挙げられる。あるいは、第1物質がアルコールやエーテル等の透明な有機溶剤で、第2物質が有機溶剤に溶ける固体粒子状の不透明塗料という組み合わせが挙げられる。
【0105】
あるいは、第1物質が透明気体(例えば空気)であり、第2物質が不透明塗料(墨汁、水溶性不透明絵の具、油性ペイント等)という組み合わせでもよい。これは、第1容器の下方に光検出手段を設置しておけば、第2容器が破断して漏出した不透明塗料は、第1容器の内部の底部付近にたまり、光検出手段は不透明塗料の中に浸漬されるからである。
【0106】
また、第1物質として、第1容器の第2容器保持部の上方の室内に固体粒子状の着色材を封入しておき、第2物質として、第2容器内に着色材を溶解する液体状物質を封入しておいてもよい。この場合、第2物質としては、水、エーテル等の透明有機溶剤等が利用可能である。
【0107】
また、第1容器、第2容器の形状は、上記した円筒形状には限定されず、他の形状、例えば、楕円断面の筒状、多角形断面の筒状などであってもよい。また、第1容器の外表面に形成される凹凸の形状は、環状凹部以外に、環状凸部、螺旋状の凸部又は凹部、多数のイボ状の凸部、多数の穴状の凹部等であってもよい。
【0108】
また、第1容器の可撓性の程度、第2容器の脆性の程度は、適宜に設定可能である。これらの値をどのように設定するかにより、検出しようとする構造物の外力、損傷の程度を調整することができる。また、第2容器の外径を第1容器の内径よりもわずかに小さく設定しておけば、小さい外力でも容易に第2容器を破断させることができる。
【0109】
また、外力を検出する対象である構造物は、杭に限定されず、他の基礎構造物であってもよい。あるいは基礎構造物以外の構造物であってもよい。
【0110】
また、外力応答手段である外力応答体の配置位置、配置状態は、上記した第1実施形態の例、すなわち外力応答体の長手方向が鉛直上下方向に平行となる状態、あるいは、第3実施形態の例、すなわち外力応答体の長手方向が鉛直上下方向に対して傾斜した状態には限定されない。その他の状態、例えば、外力応答体の長手方向が水平方向に平行となる状態、あるいは外力応答体の長手方向が杭の断面における円の接線の方向となる状態などであってもよい。
【0111】
また、光センサは、上記したものほかに、光電管、光電子増倍管等も含む。
【0112】
また、発光手段は、発光ダイオードのほか、他のレーザ光発生装置等も含む。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、可撓性材料からなり光を透過可能な第1物質が封入された第1容器と、脆性材料からなり前記第1物質に混入すると光を透過不能にさせる第2物質が封入され第1容器に収容される第2容器を有し、構造物の外力検知箇所に配置される外力応答手段と、光を発生する発光手段と、発光手段の発生した光を第1物質を介して検出する光検出手段を備えるようにしたので、構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が付加された場合には、第2容器が破損して第2物質が第1物質内に漏出し、第2物質と第1物質が混合して光が透過不能となり、発光手段が発生した光が光検出手段により検出されなくなり、構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が作用した旨を検知することができる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である構造物損傷検出システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す構造物損傷検出システムにおける外力応答体のさらに詳細な構成を示す図である。
【図3】図1に示す構造物損傷検出システムにおける外力検出・送信部のさらに詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2実施形態である構造物損傷検出システムの構成を示す図である。
【図5】図4に示す構造物損傷検出システムにおける外力応答体のさらに詳細な構成を示す図である。
【図6】図4に示す構造物損傷検出システムにおける外力検出・送信部のさらに詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3実施形態である構造物損傷検出システムの構成を示す図である。
【図8】図7に示す構造物損傷検出システムにおける構造物内挿入部材のさらに詳細な構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1A 外力応答体
2、2A 接続部材
3 構造物内挿入部材
4、4A 外力検出・送信部
5〜5d 通信ケーブル
6 構造物管理部
11 第1容器
11a 挿通孔
11b 第2容器保持部
11c 連通孔
11e 環状凹部
12 第2容器
13 第1液
14 第2液
15 固定部材
16 接合部材
21 保護部材
22 第1リード線
22a 導体部材
22b 絶縁部材
23 第2リード線
23a 導体部材
23b 絶縁部材
24 第1光ファイバー
24a コア
24b クラッド
24c 送光端
24d 境界面
25 第2光ファイバー
25a コア
25b クラッド
25c 受光端
25d 境界面
31 挿入管
32a、32b 位置決め部材
33 内部空洞保持部材
40 発光ダイオード
40a ガラス板
41 光検出器
41a ガラス板
42 増幅器
43 A/Dコンバータ
44a、44b 入出力インタフェース
45 CPU
46 ROM
47 RAM
48 電源
49 送信機
61 中央コンピュータ
62 構造物状態表示盤
62a 表示パネル部
62b 操作卓
62c 損傷発生箇所
63 記憶・出力装置
71 光路保持部材
71a 開口
72 光路保持部材
72a 開口
101〜103 構造物損傷検出システム
200 高架橋
201 柱
202 フーチング
203 場所打ちコンクリート杭
204 挿入孔
300 鉄道線路
B 着色材
C1、C2 きょう体
G 地盤
L 光

Claims (9)

  1. 可撓性材料からなり光を透過可能な第1物質が封入された第1容器と、脆性材料からなり前記第1物質に混入すると光を透過不能にさせる第2物質が封入され前記第1容器に収容される第2容器を有し、構造物の外力検知箇所に配置される外力応答手段と、
    光を発生する発光手段と、
    前記発光手段の発生した光を前記第1物質を介して検出する光検出手段を備え、
    前記構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が付加された場合には、前記第2容器が破損して前記第2物質が前記第1物質内に漏出し、前記第2物質と前記第1物質が混合して光が透過不能となり、前記発光手段が発生した光が前記光検出手段により検出されなくなり、前記構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が作用した旨を検知すること
    を特徴とする構造物外力検知装置。
  2. 請求項1記載の構造物外力検知装置において、
    前記発光手段は前記第1物質中に配置され、
    前記光検出手段は前記第1物質中でかつ前記発光手段が発生した光の光路上に配置されること
    を特徴とする構造物外力検知装置。
  3. 請求項1記載の構造物外力検知装置において、
    前記発光手段は前記第1容器の外部に配置されるとともに、
    前記光検出手段は前記第1容器の外部に配置され、
    前記発光手段には、第1光ファイバーの一端が接続され、前記第1光ファイバーの他端である送光端は前記第1物質中に挿入され、
    前記光検出手段には、第2光ファイバーの一端が接続され、前記第2光ファイバーの他端である受光端は、前記第1物質中に挿入されるとともに前記送光端からの光の光路上に配置されること
    を特徴とする構造物外力検知装置。
  4. 請求項1記載の構造物外力検知装置において、
    前記可撓性材料は、合成樹脂材料を含むこと
    を特徴とする構造物外力検知装置。
  5. 請求項1記載の構造物外力検知装置において、
    前記脆性材料は、ガラス、又は陶磁器、若しくはセラミックス系材料を含むこと
    を特徴とする構造物外力検知装置。
  6. 請求項1記載の構造物外力検知装置において、
    前記第1物質は水であり、前記第2物質は、水溶性塗料を含むこと
    を特徴とする構造物外力検知装置。
  7. 請求項1記載の構造物外力検知装置において、
    前記発光手段は、レーザ光を発生する装置であること
    を特徴とする構造物外力検知装置。
  8. 請求項1記載の構造物外力検知装置において、
    前記光検出手段は光センサであること
    を特徴とする構造物外力検知装置。
  9. 可撓性材料からなり光を透過可能な第1物質が封入された第1容器と、脆性材料からなり前記第1物質に混入すると光を透過不能にさせる第2物質が封入され前記第1容器に収容される第2容器を有し、構造物の外力検知箇所に配置される外力応答手段と、
    光を発生する発光手段と、
    前記発光手段の発生した光を前記第1物質を介して検出する光検出手段を用い、
    前記構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が付加された場合には、前記第2容器が破損して前記第2物質が前記第1物質内に漏出し、前記第2物質と前記第1物質が混合して光が透過不能となり、前記発光手段が発生した光が前記光検出手段により検出されなくなり、前記構造物の外力検知箇所に所定値を越える外力が作用した旨を検知すること
    を特徴とする構造物の外力検知方法。
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