JP2003262230A - ウォーターポンプ軸受シール装置 - Google Patents
ウォーターポンプ軸受シール装置Info
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Abstract
ンペラ回転用のウォーターポンプ軸受において、特にイ
ンペラ装着側におけるシール構造を極めて簡単で部品点
数を少なくし、且つ密封性は極めて良好に維持するこ
と。 【解決手段】 ウォーターポンプ軸受のシール装置にお
いて、主リップ2,第1副リップ3及び第2副リップ4
を有するシール材Aと、軸周方向にシール溝11が形成
された軸Bと、該軸Bを転動体13,13,…を介して
包囲する外輪12とからなること。前記シール溝11内
に前記主リップ2,第1副リップ3及び第2副リップ4
の少なくとも一つが接触状態としてなること。
Description
れるウォーターポンプのインペラ回転用のウォーターポ
ンプ軸受において、特にインペラ装着側におけるシール
構造を極めて簡単で部品点数を少なくし、且つ密封性は
極めて良好に維持することができるウォーターポンプ軸
受シール装置に関する。
て、インペラ装着側のシール構造として、シールに3箇
のリップが形成され、その3箇のリップのうち、2箇の
リップがウォーターポンプ軸の軸周表面に接触し、残り
の一箇のリップが軸方向に延出して、ウォーターポンプ
軸に装着されたスリンガに接触させた構造のものが存在
している。このようなシール構造が特開平11−173
337号に開示されている。
のシール装置における3箇のリップによるシール構造
は、軸受の密封性を高めることが可能であるが、3箇の
リップの接触において必ず1箇以上のリップは、ウォー
ターポンプ軸とは別材となるスリンガに接触させてい
る。特に、典型的なスリンガとしては、その断面形状が
ほぼコ字形状又はL字形状等に形成され、シールリップ
との接触面が、多面的であり、たとえばスリンガを構成
する面の少なくとも一面が軸方向と直交する方向に突出
している。
部分にシールリップが接触する構造であり、これによっ
て3個のシール間の間隔が適宜に広がることになり、た
とえ最初のシールリップから水が浸入しても、次位のシ
ールリップに向かって水が移動するときに、その水を低
減させ、次位のシールリップではほぼ確実に水の浸入を
遮断し、密封性をより一層,良好にするものである。こ
のため従来のシール構造では、複数のシールリップを形
成したシール材とスリンガとが必要となり、構成部品の
点数が増えることになる。
軸へスリンガを装着する工程においては、軸に対してス
リンガを極めて正確に装着しなければならないので、シ
ール表面の振れ精度の管理が必要になる。しかも、スリ
ンガの取付精度は、軸の回転動作時にシールリップが均
一な圧力で接触しなければならないために、その工作精
度には、極めて高い技術力が要求される。このようなこ
とから、従来のウォーターポンプ軸受は、極めて高価な
ものであった。
する3箇のシールリップを有するシール材との組み合わ
せによる構造におけるシール装置は、極めて高価で且つ
そのコスト低減が困難なものであった。したがって、本
発明の目的は、ウォーターポンプ軸受において、従来の
良好な密封性は維持しつつも、そのシール構造をさらに
極めて簡単なものとし、且つ低価格に提供可能にするこ
とにある。
題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、本発明を、
ウォーターポンプ軸受のシール装置において、主リッ
プ,第1副リップ及び第2副リップを有するシール材
と、軸周方向にシール溝が形成された軸と、該軸を転動
体を介して包囲する外輪とからなり、前記シール溝内に
前記主リップ,第1副リップ及び第2副リップの少なく
とも一つが接触状態としてなるウォーターポンプ軸受シ
ール装置としたことにより、シール構造を簡単にすると
ともに、その密封性を一定の水準に維持することができ
上記課題を解決したものである。
に基づいて説明する。まず、本発明は、自動車等の輸送
機等や産業機械等のエンジンにおいて装着されるウォー
ターポンプの軸受に適用されるものである。まず、ウォ
ーターポンプの軸受は、図1(A)に示すように、ハウ
ジング本体部20とハウジングカバー部とから構成され
たポンプハウジング内に納められており、ポンプ室内の
インペラ21を回転させるものである。そのポンプハウ
ジングには、軸受を装着するためのボス孔部20aが形
成されており、該ボス孔部20a内に後述する軸受の外
輪12部分が装着される。軸受は、図1(A)乃至
(C)及び図3(A),(B)等に示すように、主にシ
ール材A,軸B,外輪12及び転動体13等から構成さ
れている。
シール材Aは、環状部1の内周面側に主リップ2,第1
副リップ3及び第2副リップ4が形成されている。これ
ら3個のリップは、断面ほぼ三角山形状に形成されたも
ので、各リップは、前記軸Bの軸周面の適宜の位置に接
触状態となるものである。前記主リップ2は、前記第1
副リップ3と第2副リップ4との中間に位置して形成さ
れており、また第1副リップ3は軸Bの外側に面する位
置となり、第2副リップ4は軸Bの内部側に位置するも
のである。さらに、主リップ2と第2副リップ4とは、
前記環状部1の同一内周面上に形成されている。
プ2及び第2副リップ4とは、異なる方向に向かって突
出形成されるものであり、具体的には、図1(B)に示
すように、前記主リップ2の突出方向と、第1副リップ
3の突出方向とが直交したり、或いは前記主リップ2の
突出方向に対して、図4に示すように、第1副リップ3
の突出方向が適宜の傾斜角度を有して交差状態となって
いる。また、前記環状部1の外周側には、ほぼ鍔状に外
方に向かって広がって形成された固定環状部1aが設け
られている。前記環状部1には、図2(B)に示すよう
に、補強環7が装着され、シール材Aは、その補強環7
によって後述する外輪12に強固に装着固定することが
できるようになっている。
のであり、前記補強環7は、金属材にて形成される。さ
らに前記シール材Aの第1副リップ3より外方側には、
図8(A)に示すように、非接触包囲部5が形成されて
いる。該非接触包囲部5は、前記環状部1に対して扁平
円筒状をなしており、その内周側面と、前記軸Bの外周
面との間には、微小隙間sが形成されるようになってい
る。その非接触包囲部5は、比較的肉厚に形成されてお
り、特に、その非接触包囲部5のほぼ全体或いは先端部
分の断面形状がほぼ円形状に形成されることもある。こ
の厚肉状としたことで、リップ部,特に第1副リップ3
を弾性的に強化し、変形しにくくすることができる。ま
た前記非接触包囲部5は、ラビリンス効果を発揮し、メ
カニカルシールより漏れる水の浸入を抑制することがで
きる。また、図8(B)に示すように、前記非接触包囲
部5の軸B側面、即ち微小隙間s側には、凹凸面5aが
形成されることもある。その凸部位は、前記軸Bの軸周
面とは非接触状態にある。このように凹凸面5aが形成
されることで、前記ラビリンス効果がより一層発揮され
ることになる。
に、大径軸部8と小径軸部9とからなり、前記大径軸部
8と小径軸部9との間に段差面部10が形成されてい
る。その大径軸部8は、後述する外輪とともに回転支持
部を構成する部位である。また、前記小径軸部9は、前
記ポンプ室内に向かって突出し、その先端箇所にはイン
ペラ21が装着される。前記段差面部10は、前記軸B
の大径軸部8から小径軸部9に変化する段差箇所であ
る。また、軸Bは、上述したように大径軸部8と小径軸
部9と段差面部10とを有するものに限定されることは
なく、軸方向に沿って軸径が同一となるように形成され
たもの、すなわち段差面部10が形成されないタイプも
存在する。
プが存在し、前記軸Bの軸方向に直交する平坦面となる
ように形成された直角段差面10a〔図5(A)参照〕
と、段差箇所が円錐状に形成された円錐状段差面10b
〔図5(B)参照〕である。その直角段差面10aは、
前記大径軸部8及び小径軸部9の軸表面と直角な平坦面
である。また、円錐状段差面10bは、大径軸部8から
小径軸部9に向かって次第に直径が小さくなるように形
成されたテーパー形状の外周面としたものである。ま
た、前記円錐状段差面10bと小径軸部9との境界箇所
は、括れ状に形成されている。具体的には、円錐状段差
面10bの最小径の部位は、前記小径軸部9よりも僅か
に小径に形成され、図示されているように、その円錐状
段差面10bの小径軸部9寄り箇所は、ほぼ円弧状の窪
みとして形成されている。
すように、軸周方向に沿ってシール溝11が形成されて
いる。該シール溝11には、前述のシール材Aの主リッ
プ2,第1副リップ3及び第2副リップ4の少なくとも
一つが接触状態に設定される部位となる。そのシール溝
11は、その軸周方向における断面形状には、複数のタ
イプが存在し、その第1タイプとして円弧状シール溝1
1aとし、第2タイプを矩形状シール溝11bとしたも
のである。そのシール溝11の第2タイプである矩形状
シール溝11bとしたものでは、図3,図4(A)に示
すように、その円周状の底面11b1 と,対向する円周
状の両壁面11b2 が形成される。
リップが接触する構成については、複数の接触パターン
が存在し、その第1パターンとしては、前記シール溝1
1に主リップ2と第2副リップ4とを接触させ、軸Bの
インペラ21装着側寄りに位置する第1副リップ3は、
前記軸Bの軸周面に接触する。図3では、第1副リップ
3が接触しているのは大径軸部8の軸周面である。
としては、図4(A)に示すように、前記シール溝11
の底面11b1 に主リップ2と第2副リップ4とが接触
し、壁面11b2 に第1副リップ3が接触するものであ
る。さらに、接触構成の第3パターンとしては、図4
(B)に示すように、前記主リップ2と第2副リップ4
とが軸Bの軸周面に接触し、第1副リップ3が前記シー
ル溝11に接触することもある。この第3パターンで
は、シール溝11には第1副リップ3のみが接触する構
成のため、シール溝11は幅が小さく形成されている。
さらに、その他の接触パターンとしては、特に図示しな
いが主リップ2のみが前記シール溝11内に接触するも
のであったり、又は前記第2副リップ4のみがシール溝
11内に接触するパターンも存在する。
段差面部10に接触することもあり、図5(A)に示す
ように、第1副リップ3が直角段差面10aに接触する
ものであったり、図5(B)に示すように、第1副リッ
プ3が円錐状段差面10bに接触するものである。さら
に、前記軸Bに段差面部10が存在しないもの、すなわ
ち軸Bが軸方向に同一径の場合には、前記第1副リップ
3は、シール溝11内に接触するものではなく、軸Bの
軸周面に接触しているものである。
ル溝11に対して、シール材Aの複数のリップのうち一
つのみが接触するタイプでは、そのシール溝11は比較
的狭幅で且つ深さも浅く形成される。またひとつのリッ
プのみが接触するシール溝11は、その断面形状が弧状
に形成されるものが好適である。また、軸Bが大径軸部
8及び小径軸部9を有するものでは、その大径軸部8に
おけるシール材Aの各リップとの接触面の表面加工の作
業が行いやすいという利点がある。
周方向に沿って形成された外周転動溝8aが軸方向に複
数列設けられている。また、外輪12は、円筒状に形成
され、前記大径軸部8とともに前記軸Bの回転支持部分
を構成する部材であるが、その外輪12の内周面には、
前記外周転動溝8a,8a,…に対応する位置に複数の
内周転動溝12a,12a,…が形成されている。
a,…及び外輪12の内周転動溝12a,12a,…と
の間に前記転動体13,13,…が配列され、該転動体
13,13,…がリテーナ等にて所定間隔を維持するよ
うに設定され、大径軸部8の外周を包囲するようにして
外輪12が装着される。前記転動体13は、具体的には
球体であるが、その他の形状として円筒状或いはローラ
状のものであってもよい。また、図示された大径軸部8
の外周転動溝8a,8a,…及び外輪12の内周転動溝
12a,12a,…は、夫々2箇所に形成されている。
口付近の内周側には、前記シール材Aの固定環状部1a
が装着される固定溝12bが周方向に形成されている。
該固定溝12bにシール材Aの固定環状部1aが挿入状
態で固着され、前述したように前記主リップ2,第1副
リップ3,及び第2副リップ4が軸Bに接触するもので
ある。
6(A)に示すように、前記軸Bにカラー材B1 が装着
されたものである。該カラー材B1 には、前記シール材
Aのいずれかのリップが接触する構成となっている。そ
のカラー材B1 は、図6(B)に示すように、前記段差
面部10を被覆する段差被覆部14と、前記大径軸部8
の段差面部10寄側の軸周面を被覆する大径軸被覆部1
5とから構成される。そして、前記大径軸被覆部15が
大径軸部8を被覆し、且つ前記段差被覆部14が段差面
部10に対してほぼストッパとしての役目をなすように
して、前記カラー材B1 が軸Bに装着固定されるもので
ある。この第2実施形態においても、前記軸Bに形成さ
れるシール溝11は、図7(A)に示された第1タイプ
のように円弧状シール溝11aとしたものや、或いは図
7(B)に示された第2タイプのように矩形状シール溝
11bとしたものが存在する。
あるが、特に好ましくはステンレス製である。カラー材
B1 をステンレス材とすることで、錆びることがなく、
且つシール材Aとの接触性も極めて良好である。また、
カラー材B1 のその他の材質としては、耐久性のある合
成樹脂材,非金属材等で、特に回転作動部位を構成する
部材として好適な材質で且つ所望の形状への加工性が良
好なものであれば、その材質はどのようなものでも構わ
ない。
常は、前記軸Bの軸方向に対して直角なる直角状面に形
成されたものである。また特に図示しないが、前記段差
面部10が円錐状段差面10bとしたものでは、その段
差被覆部14は、前記円錐状段差面10bとほぼ同等傾
斜とした円錐状面となる。この段差被覆部14にも、前
記第1副リップ3が接触する構造とすることもある。こ
の第2実施形態の構造は、カラー材B1 が装着されてい
ること以外においては、第1実施形態とほぼ同等であ
る。そして、シール材Aの第1副リップ3が大径軸被覆
部15に接触し、前記主リップ2及び第2副リップ4の
少なくともひとつは、前記シール溝11内に接触する構
造となる。
は、前記シール材Aの主リップ2,第1副リップ3及び
第2副リップ4の少なくとも一つがシール溝11内に接
触し、その他は軸Bの軸周面に接触したりするものであ
る。或いは前記主リップ2,第1副リップ3及び第2副
リップ4のすべてがシール溝11内に接触しても、その
いずれのリップもシール溝11内で底面11b1 や壁面
11b2 などに分散状態で接触するようにしたものであ
り、前記主リップ2,第1副リップ3及び第2副リップ
4のそれぞれのリップが軸Bに対して同一の面上で接触
するものではない。
3及び第2副リップ4は、軸Bに対して夫々異なる面で
の接触となり、多面的なシール接触とすることができ
る。それゆえに、前記シール材Aと軸Bとの接触構造
は、実際にはスリンガを使用しないものでありながら、
あたかもスリンガを使用した場合の構造とほぼ同一にす
ることができ、その密封性を良好に維持することができ
る。
受のシール装置において、主リップ2,第1副リップ3
及び第2副リップ4を有するシール材Aと、軸周方向に
シール溝11が形成された軸Bと、該軸Bを転動体1
3,13,…を介して包囲する外輪12とからなり、前
記シール溝11内に前記主リップ2,第1副リップ3及
び第2副リップ4の少なくとも一つが接触状態としてな
るウォーターポンプ軸受シール装置としたことにより、
まず第1に、従来のシール装置に装着されていたスリン
ガを廃止することでき、ひいては構成部品の点数及びコ
ストを低減し、組立,製造が極めて容易にできるし、第
2に製造における組付精度の負担を低減することがで
き、第3に密封性を良好に維持することができる等の効
果を奏する。
に、スリンガを設けて3箇所のシールリップのシール装
置を構成するものに比べて、スリンガを不要としている
ので、部品点数を低減することができる。またスリンガ
が不要であるからスリンガを軸Bに装着する必要がな
い。それゆえに、従来では特にスリンガの装着において
極めて高い精度が要求されており、これらが組立の困難
性をもたらし、且つコストが高くなる原因にもなってい
たが、前述したように本発明においては、スリンガが不
要であるがゆえに、組立を簡単にし、よって低価格に提
供することが可能としたものである。
プ2,第1副リップ3及び第2副リップ4の少なくとも
一つが接触状態としているもので、主リップ2,第1副
リップ3及び第2副リップ4は、軸Bに対して夫々異な
る面での接触が可能となり、実質的に多面的なシール接
触構造とすることができる。それゆえに、本発明ではス
リンガを使用しないものでありながら、前記シール溝1
1があたかもスリンガとしての役目をなし、スリンガを
使用した場合のシール構造とほぼ同一にすることがで
き、スリンガの装着タイプと同様にその密封性を良好に
維持することができる。
記シール溝11内には、前記主リップ2と第2副リップ
4が接触し、前記第1副リップ3は軸B外周面に接触し
てなるウォーターポンプ軸受シール装置としたことによ
り、特に密封性を極めて良好にすることができる。すな
わち、シール溝11内に接触する主リップ2,第2副リ
ップ4に対して第1副リップ3は軸Bの外周面に接触す
る構造となり、第1副リップ3と主リップ2とのリップ
間経路において段差が生じる構造になっていることによ
り、たとえ第1副リップ3から液体が浸入しても、主リ
ップ2における流体を大きく低減させることになり、ス
リンガを設けた従来タイプと同等の極めて良好な密封性
を得ることができる。
記シール溝11は、断面ほぼ矩形状とし、前記主リップ
2と第2副リップ4が前記シール溝11の底面11b1
に接触し、前記第1副リップ3が前記シール溝11の内
側面11b2 に接触してなるウォーターポンプ軸受とし
たことにより、密封性を良好にすることができる。上記
効果を詳述すると、シール溝11は断面ほぼ矩形状に形
成されたものであり、前記主リップ2と第2副リップ4
が前記シール溝11の底面11b1に接触し、第1副リ
ップ3は軸Bの軸周面に接触する構造としたものであ
る。これによってシール溝11がスリンガとしての役目
をなすとともに、各リップはスリンガを使用した場合と
ほぼ同等のリップ接触となり、より一層良好なる密封性
を維持することができる。
記シール溝11には前記第1副リップ3のみが接触して
なるウォーターポンプ軸受シール装置としたことによ
り、簡単な構造にて良好なる密封性能を得ることができ
る。これはシール溝11に第1副リップ3のみが接触す
るようにした構造であり、シール溝11の溝幅を比較的
小さいものにできるのできる利点がある。
隔は軸方向に短くても、前記第1副リップ3はシール溝
11内に接触しているので、主リップ2と第1副リップ
3との軸径方向における間隔が加えられることにより主
リップ2と第1副リップ3との間隔は総合的に大きくす
ることができ、たとえ第1副リップ3から水が浸入して
も、水が主リップ2の位置に達するまでに低減し、主リ
ップ2からの水の浸入を防止し、リップによる密封性を
強化することができる。
記軸Bは、大径軸部8と小径軸部9と,前記大径軸部8
と小径軸部9との間に形成される段差面部10とかな
り、前記シール溝11は前記大径軸部8側に形成され、
前記第1副リップ3は前記段差面部10に接触状態とし
てなるウォーターポンプ軸受シール装置としたことによ
り、第1副リップ3と軸Bとの接触が段差面部10を介
して行われ、前記シール溝11との組み合わせにより、
リップ間は複雑な経路を構成することができ、より一層
良好な密封性を維持できる。
又は5において、前記シール材Aの第1副リップ3より
外方側に前記軸Bの外周面との間に微小隙間sが形成さ
れる非接触包囲部5が形成されてなるウォーターポンプ
軸受シール装置としたことにより、密封性能をより一層
向上させることができる。上記効果を詳述すると、前記
非接触包囲部5は軸Bの外周面との間に微小隙間sを形
成するものであり、これによって、非接触包囲部5は、
その非接触包囲部5から浸入しようとする流体が第1副
リップ3に達するまでに低減されるラビリンス効果とほ
ぼ同等の現象を生じることができる。これによって、非
接触包囲部5の開口から浸入した流体は、前記第1副リ
ップ3の箇所に到達した状態でさらに低減させることが
でき、第1副リップ3からの水の浸入をより一層抑制
し、ひいては密封性をより一層向上させることができ
る。
記非接触包囲部5は、厚肉状にしてなるウォーターポン
プ軸受シール装置としたことにより、この厚肉状である
がゆえに、リップ部,特に第1副リップ3を弾性的に強
化することができ、且つその非接触包囲部5及び第1副
リップ3等を変形しにくくすることができる。
て、前記非接触包囲部5の厚肉形状は、断面ほぼ円形状
に形成されてなるウォーターポンプ軸受シール装置とし
たことにより、特に非接触包囲部5の円周状の開口縁を
強度的に向上させて変形しにくいものとし、ひいては非
接触包囲部5の開口縁と軸Bとの間隔を常時,均一に維
持することができる。
のシール装置において、主リップ2,第1副リップ3及
び第2副リップ4を有するシール材Aと、軸周方向にシ
ール溝11が形成された軸Bと、該軸Bを転動体13,
13,…を介して包囲する外輪12と、前記軸Bに装着
されるカラー材B1 とからなり、前記シール溝11には
前記シール材Aの主リップ2,第2副リップ4の少なく
とも一つが接触し、且つ前記第1副リップ3は前記カラ
ー材B1 に接触しとしてなるウォーターポンプ軸受シー
ル装置としたことにより、カラー材B1 は前記軸Bの軸
本体とは異なる材質のものから、該軸Bの外周面を構成
することができるし、カラー材B1 を所望の形状に形成
して軸Bの段差面部10の形状を適宜変形させることが
できる。
Bの段差面部10箇所及びその付近における外周面を構
成するものであり、(主リップ2,第1副リップ3及び
第2副リップ4からなる)軸本体とは別部材からなるカ
ラー材B1 を段差面部10の表面とするものである。こ
のようにすることで前記カラー材B1 の材質をステンレ
ス材とすると錆びることがなく、且つシール材Aとの接
触性も極めて良好である。
材質であっても、カラー材B1 をステンレス材とするこ
とにより、軸本体側に錆びが生じて、その外周面が粗面
となってシール材Aの各リップに悪影響を及ぼすという
ようなことがなく、シール材Aの各リップとの接触状態
を良好に維持することができる。また、カラー材B1の
その他の材質としては、耐久性のある合成樹脂材,非金
属材等で、特に回転作動部位を構成する部材として好適
な材質で且つ所望の形状への加工しやすいものである。
ウジング本体部に装着された軸受の縦断側面図 (B)は(A)の要部拡大断面図 (C)は(B)の要部拡大断面図
ウジング本体部に装着された軸受の拡大縦断側面図 (B)は(A)の要部拡大断面図
リップが接触した状態の拡大断面図 (B)は第1タイプのシール溝の変形例に第1副リップ
のみが接触した状態の拡大断面図
プと第2副リップが接触し,直角段差面に第1副リップ
が接触する状態の拡大断面図 (B)は第1タイプにおけるシール溝に主リップと第2
副リップが接触し,円錐状段差面に第1副リップが接触
する状態の拡大断面図
ール材の断面図 (B)は第1実施形態の第1タイプにおける軸の一部断
面にした要部拡大図
イプの要部拡大断面図 (B)は本発明の第2実施形態における第2タイプの要
部拡大断面図
Claims (9)
- 【請求項1】 ウォーターポンプ軸受のシール装置にお
いて、主リップ,第1副リップ及び第2副リップを有す
るシール材と、軸周方向にシール溝が形成された軸と、
該軸を転動体を介して包囲する外輪とからなり、前記シ
ール溝内に前記主リップ,第1副リップ及び第2副リッ
プの少なくとも一つが接触状態としてなることを特徴と
するウォーターポンプ軸受シール装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記シール溝内に
は、前記主リップと第2副リップが接触し、前記第1副
リップは軸外周面に接触してなることを特徴とするウォ
ーターポンプ軸受シール装置。 - 【請求項3】 請求項1において、前記シール溝は、断
面ほぼ矩形状とし、前記主リップと第2副リップが前記
シール溝の底面に接触し、前記第1副リップが前記シー
ル溝の内側面に接触してなることを特徴とするウォータ
ーポンプ軸受シール装置。 - 【請求項4】 請求項1において、前記シール溝には前
記第1副リップのみが接触してなることを特徴とするウ
ォーターポンプ軸受シール装置。 - 【請求項5】 請求項1において、前記軸は、大径軸部
と小径軸部と,前記大径軸部と小径軸部との間に形成さ
れる段差面部とかなり、前記シール溝は前記大径軸部側
に形成され、前記第1副リップは前記段差面部に接触状
態としてなることを特徴とするウォーターポンプ軸受シ
ール装置。 - 【請求項6】 請求項1,2,3,4又は5において、
前記第1副リップより外方側に前記軸の外周面との間に
微小隙間が形成される非接触包囲部が形成されてなるこ
とを特徴とするウォーターポンプ軸受シール装置。 - 【請求項7】 請求項6において、前記非接触包囲部
は、厚肉状にしてなることを特徴とするウォーターポン
プ軸受シール装置。 - 【請求項8】 請求項6又は7において、前記非接触包
囲部の厚肉形状は、断面ほぼ円形状に形成されてなるこ
とを特徴とするウォーターポンプ軸受シール装置。 - 【請求項9】 ウォーターポンプ軸受のシール装置にお
いて、主リップ,第1副リップ及び第2副リップを有す
るシール材と、軸周方向にシール溝が形成された軸と、
該軸を転動体を介して包囲する外輪と、前記軸に装着さ
れるカラー材とからなり、前記シール溝には前記主リッ
プ,第2副リップの少なくとも一つが接触し、且つ前記
第1副リップは前記カラー材に接触してなることを特徴
とするウォーターポンプ軸受シール装置。
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---|---|---|---|
JP2002062750A JP3940304B2 (ja) | 2002-03-07 | 2002-03-07 | ウォーターポンプ軸受シール装置 |
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-
2002
- 2002-03-07 JP JP2002062750A patent/JP3940304B2/ja not_active Expired - Fee Related
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