JP2003262229A - ウォーターポンプ軸受シール装置 - Google Patents

ウォーターポンプ軸受シール装置

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JP2003262229A
JP2003262229A JP2002062749A JP2002062749A JP2003262229A JP 2003262229 A JP2003262229 A JP 2003262229A JP 2002062749 A JP2002062749 A JP 2002062749A JP 2002062749 A JP2002062749 A JP 2002062749A JP 2003262229 A JP2003262229 A JP 2003262229A
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shaft
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diameter shaft
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JP2002062749A
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Jun Ishizuka
純 石塚
Haruyoshi Yoshida
治義 吉田
Osamu Sato
佐藤  修
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Yamada Manufacturing Co Ltd
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Yamada Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車等に装着されるウォーターポンプのイ
ンペラ回転用のウォーターポンプ軸受において、特にイ
ンペラ装着側におけるシール構造を極めて簡単で部品点
数を少なくし、且つ密封性は極めて良好に維持するこ
と。 【解決手段】 ウォーターポンプ軸受において、主リッ
プ2,第1副リップ3及び第2副リップ4を有するシー
ル材Aと、大径軸部8と小径軸部9と,前記大径軸部8
と小径軸部9との間に形成される段差面部10を備えた
軸Bと、該軸Bを転動体13,13,…を介して包囲す
る外輪12とからなること。前記主リップ2と第2副リ
ップ4は大径軸部8の軸周面に接触し、前記第1副リッ
プ3は前記段差面部10に接触してなること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に装着さ
れるウォーターポンプのインペラ回転用のウォーターポ
ンプ軸受において、特にインペラ装着側におけるシール
構造を極めて簡単で部品点数を少なくし、且つ密封性は
極めて良好に維持することができるウォーターポンプ軸
受シール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ウォーターポンプ軸受におい
て、インペラ装着側のシール構造として、シールに3箇
のリップが形成され、その3箇のリップのうち、2箇の
リップがウォーターポンプ軸の軸周表面に接触し、残り
の一箇のリップが軸方向に延出して、ウォーターポンプ
軸に装着されたスリンガに接触させた構造のものが存在
している。このようなシール構造が特開平11−173
337号に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ウォーターポンプ軸受
のシール装置における3箇のリップによるシール構造
は、軸受の密封性を高めることが可能であるが、3箇の
リップの接触において必ず1箇以上のリップは、ウォー
ターポンプ軸とは別材となるスリンガに接触させてい
る。特に、典型的なスリンガとしては、その断面形状が
ほぼコ字形状又はL字形状等に形成され、シールリップ
との接触面が、多面的であり、たとえばスリンガを構成
する面の少なくとも一面が軸方向と直交する方向に突出
している。
【0004】そして、そのスリンガの軸から突出した面
部分にシールリップが接触する構造であり、これによっ
て3個のシール間の間隔が適宜に広がることになり、た
とえ最初のシールリップから水が浸入しても、次位のシ
ールリップに向かって水が移動するときに、その水を低
減させ、次位のシールリップでは、ほぼ確実に水の浸入
を遮断し、密封性をより一層,良好にするものである。
このため従来のシール構造では、複数のシールリップを
形成したシール材とスリンガとが必要となり、構成部品
の点数が増えることになる。
【0005】また、そのスリンガの加工工程、すなわち
軸へスリンガを装着する工程においては、軸に対してス
リンガを極めて正確に装着しなければならないので、シ
ール表面の振れ精度の管理が必要になる。しかも、スリ
ンガの取付精度は、軸の回転動作時にシールリップが均
一な圧力で接触しなければならないために、その工作精
度には、極めて高い技術力が要求される。
【0006】このようなことから、従来のウォーターポ
ンプ軸受におけるスリンガと、該スリンガに接触する3
箇のシールリップを有するシール材との組み合わせによ
る構造におけるシール装置は、極めて高価で且つそのコ
スト低減が困難なものであった。したがって、本発明の
目的は、ウォーターポンプ軸受において、従来の良好な
密封性は維持しつつも、そのシール構造をさらに簡単な
ものとし、且つ低価格に提供可能にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者は上記課
題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、本発明を、
ウォーターポンプ軸受において、主リップ,第1副リッ
プ及び第2副リップを有するシール材と、大径軸部と小
径軸部と,前記大径軸部と小径軸部との間に形成される
段差面部を備えた軸と、該軸を転動体を介して包囲する
外輪とからなり、前記主リップと第2副リップは大径軸
部側に接触し、前記第1副リップは前記段差面部側に接
触してなるウォーターポンプ軸受シール装置としたこと
により、シール構造を簡単にするとともに、その密封性
を一定の水準に維持することができ上記課題を解決した
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、本発明は、自動車等の輸送
機等や産業機械等のエンジンにおいて装着されるウォー
ターポンプの軸受に適用されるものである。まず、ウォ
ーターポンプの軸受は、図1(A),に示すように、ハ
ウジング本体部20とハウジングカバー部とから構成さ
れたポンプハウジング内に納められており、ポンプ室内
のインペラ21を回転させるものである。そのポンプハ
ウジングには、軸受を装着するためのボス孔部20aが
形成されており、該ボス孔部20a内に後述する軸受の
外輪12部分が装着される。
【0009】軸受は、図1,図2等に示すように、主に
シール材A,軸B,外輪12及び転動体13等から構成
されている。まずその第1実施形態から述べると、その
シール材Aは、環状部1の内周面側に主リップ2,第1
副リップ3及び第2副リップ4が形成されている。これ
ら3個のリップは、図1(B),図2等に示すように、
断面ほぼ三角山形状に形成されたもので、各リップは、
前記軸Bの外表面の適宜の位置に接触状態となるもので
ある。主リップ2は、前記第1副リップ3と第2副リッ
プ4との中間に位置して形成されており、また第1副リ
ップ3は軸Bの外側に面する位置となり、第2副リップ
4は軸Bの内部側に位置するものである。さらに、主リ
ップ2と第2副リップ4とは、前記環状部1の同一内周
面上に形成されている。
【0010】また、前記第1副リップ3は、前記主リッ
プ2及び第2副リップ4とは、異なる方向に向かって突
出形成されるものであり、具体的には、図1(B)に示
すように、前記主リップ2の突出方向と、第1副リップ
3の突出方向とが直交したり、或いは前記主リップ2の
突出方向に対して、図4に示すように、第1副リップ3
の突出方向が適宜の傾斜角度を有して交差状態となって
いる。また、前記環状部1の外周側には、ほぼ鍔状に外
方に向かって広がって形成された固定環状部1aが設け
られている。前記環状部1には、図1(B)に示すよう
に、補強環7が装着され、シール材Aは、その補強環7
によって後述する外輪12に強固に装着固定することが
できるようになっている。
【0011】前記環状部1は、ゴム材にて形成されたも
のであり、前記補強環7は、金属材にて形成される。さ
らに前記第1副リップ3より外方側には、図3(A),
(B)に示すように、非接触包囲部5が形成されてい
る。該非接触包囲部5は、前記環状部1に対して扁平円
筒状をなしており、その内周側面と、前記軸Bの外周面
との間には、微小隙間sが形成されるようになってい
る。その非接触包囲部5は、比較的肉厚に形成されてお
り、特に、その非接触包囲部5のほぼ全体或いは先端部
分の断面形状がほぼ円形状に形成されることもある〔図
3(B)参照〕。この厚肉状としたことで、リップ部
は、特に第1副リップ3を弾性的に強化し、変形しにく
くすることができる。また前記非接触包囲部5は、ラビ
リンス効果を発揮し、メカニカルシールより漏れる水の
浸入を抑制することができる。また、図3(B)に示す
ように、前記非接触包囲部5の軸B側面、即ち微小隙間
s側には、凹凸面5aが形成されることもある。その凸
部位は、前記軸Bの軸周面とは非接触状態にある。この
ように凹凸面5aが形成されることで、前記ラビリンス
効果がより一層発揮されることになる。
【0012】次に、軸Bは、図1(A),図2(B)等
に示すように、大径軸部8と小径軸部9とからなり、前
記大径軸部8と小径軸部9との間に段差面部10が形成
されている。その大径軸部8は、後述する外輪とともに
回転支持部を構成する部位である。また、前記小径軸部
9は、前記ポンプ室内に向かって突出し、その先端箇所
にはインペラが装着される。前記段差面部10は、前記
軸Bの大径軸部8から小径軸部9に変化する段差箇所で
あり、且つ前記シール材Aの第1副リップ3が接触する
部位である。
【0013】その段差面部10の段差面は、二つのタイ
プが存在し、図1(B)に示すように、前記軸Bの軸方
向に直交する平坦面となるように形成された直角段差面
10aと、図4に示すように、段差箇所が円錐状に形成
された円錐状段差面10bとがある。その直角段差面1
0aは、前記大径軸部8及び小径軸部9の軸表面と直角
な平坦面である。
【0014】また、円錐状段差面10bは、大径軸部8
から小径軸部9に向かって次第に直径が小さくなるよう
に形成されたテーパー形状の外周面としたものである。
また、前記円錐状段差面10bと小径軸部9との境界箇
所は、括れ状に形成されている。具体的には、円錐状段
差面10bの最小径の部位は、前記小径軸部9よりも僅
かに小径に形成され、図示されているように、その円錐
状段差面10bの小径軸部9寄り箇所は、ほぼ円弧状の
窪みとして形成されている。
【0015】その軸Bの大径軸部8の外周には、その軸
周方向に沿って形成された外周転動溝8aが軸方向に複
数列設けられている。また、外輪12は、円筒状に形成
され、前記大径軸部8とともに前記軸Bの回転支持部分
を構成する部材であるが、その外輪12の内周面には、
前記外周転動溝8a,8a,…に対応する位置に複数の
内周転動溝12a,12a,…が形成されている。
【0016】そして、大径軸部8の外周転動溝8a,8
a,…及び外輪12の内周転動溝12a,12a,…と
の間に前記転動体13,13,…が配列され、該転動体
13,13,…がリテーナ等にて所定間隔を維持するよ
うに設定され、大径軸部8の外周を包囲するようにして
外輪12が装着される。前記転動体13は、具体的には
球体であるが、その他の形状として円筒状或いはローラ
状のものであってもよい。また、図示された大径軸部8
の外周転動溝8a,8a,…及び外輪12の内周転動溝
12a,12a,…は、夫々2箇所に形成されている。
【0017】次に、その外輪12のインペラ装着側の開
口付近の内周側には、前記シール材Aの固定環状部1a
が装着される固定溝12bが周方向に形成されている。
該固定溝12bにシール材Aの固定環状部1aが挿入状
態で固着され、そのシール材Aの内周側においては、主
リップ2,第1副リップ3,及び第2副リップ4が軸B
に接触している。具体的には、前記主リップ2,第2副
リップ4が大径軸部8の外周面に接触し、第1副リップ
3が段差面部10に接触する。該段差面部10は、前述
したように、直角段差面10aとしたものや、円錐状段
差面10bとしたものであり、夫々の場合に応じて第1
副リップ3が適正な圧力にて接触することができるよう
に第1副リップ3の形状或いは屈曲箇所の角度等が設定
される。
【0018】次に、本発明の第2実施形態については、
軸Bにカラー材B1 を装着するものである。まず、軸B
に装着するカラー材B1 には、種々のタイプが存在する
がその第1タイプとしては、図8(A)に示すように、
前記軸Bの段差面部10付近にカラー材B1 が装着され
たものであり、前記シール材Aのリップが接触する軸B
の外周面としての役目をなす構成とするものである。さ
らに具体的には、前記段差面部10や,或いは前記大径
軸部8及び小径軸部9の夫々の段差面部10側寄り付近
を前記カラー材B1 にて被覆して、該カラー材B1 の被
覆部位により前記軸Bの外周面を構成するものである。
【0019】すなわち、軸Bは、図9(A),(B)に
示すように、大径軸部8,小径軸部9及び段差面部10
からなる軸本体と、カラー材B1 とから構成される2部
材構成としたものである。該カラー材B1 の材質は、主
に金属材であるが、特に好ましくはステンレス製であ
る。カラー材B1 をステンレス材とすることで、錆びる
ことがなく、且つシール材Aとの接触性も極めて良好で
ある。また、カラー材B 1 のその他の材質としては、耐
久性のある合成樹脂材,非金属材等で、特に回転作動部
位を構成する部材として好適な材質で且つ所望の形状へ
の加工性が良好なものであれば、その材質はどのような
ものでも構わない。また、前記鍔形部14は、そのカラ
ー材B1 を軸Bに装着したときに、その軸方向に対して
直角面となる直角状面14aに形成されている。
【0020】該直角状面14aは、前記軸Bの直角段差
面10aとほぼ同等の役目をなす段差面を形成するもの
であり、その直角状面14aにシール材Aの第1副リッ
プ3が接触するものである。その直角状面14aには、
小径軸部9の段差面部10寄り付近の外周を被覆する小
径軸被覆部15が形成され、該小径軸被覆部15が前記
小径軸部9に圧入固着され、軸Bにカラー材B1 が固着
されるとともに、小径軸被覆部15が前記小径軸部9の
外周面を構成することになる。
【0021】また、カラー材B1 の第1タイプの変形例
として、図8(B)に示すように、前記鍔形部14と小
径軸被覆部15が形成され、前記鍔形部14の小径軸被
覆部15側とは反対側に大径軸被覆部16が連続形成さ
れたものである。すなわち、そのカラー材B1 が軸Bに
装着された状態において、前記大径軸被覆部16は、前
記鍔形部14から、前記大径軸部8へ軸方向に延出する
状態に形成されているものである。その大径軸被覆部1
6に前記主リップ2又は主リップ2と第2副リップ4が
接触するものである。
【0022】第2実施形態の第2タイプは、前記カラー
材B1 において、図10,図11に示すように、その鍔
形部14を円錐状面14bとして形成されたものであ
る。該円錐状面14bは、ほぼテーパー形状の外周を有
する面であり、前記軸Bの円錐状段差面10bと同等の
段差面を形成するものであり、その円錐状面14bに前
記シール材Aの第1副リップ3が接触するものである。
その円錐状面14bにも、小径軸部9の段差面部10寄
り付近の外周を被覆する小径軸被覆部15が連続形成さ
れ、上述したように、軸Bにカラー材B1 が固着され、
前記小径軸被覆部15が前記小径軸部9の外周面を構成
するものである。また、前記カラー材B1の円錐状面1
4bが軸Bの円錐状段差面10bの表面を被覆して、円
錐状面14bが円錐状段差面10bの外周面を構成する
こともある。
【0023】そのカラー材B1 の第2タイプの変形例で
は、前述した第1タイプの変形例とほぼ同様に、図12
(A),(B)に示すように前記直角状面14a或いは
円錐状面14bに連続して前記大径軸被覆部16が形成
される。該大径軸被覆部16は、前記大径軸部8の段差
面部10寄り側の外周を被覆するものであり、その大径
軸被覆部16には、前記主リップ2が接触するものであ
る。また、主リップ2とともに第2副リップ4が接触す
ることもある。この場合には、前記大径軸被覆部16は
長手方向に長く形成される必要がある。この大径軸被覆
部16は、前記大径軸部8に対して圧入固着される。
【0024】第2実施形態の構造は、カラー材B1 が装
着されていること以外においては、第1実施形態とほぼ
同等である。そして、シール材Aの第1副リップ3が軸
Bの段差面部10を構成する直角状面14a又は円錐状
面14bに接触し、主リップ2及び第2副リップ4がカ
ラー材B1 の大径軸被覆部16に接触している。また、
前記主リップ2及び第2副リップ4においては、大径軸
部8の外周面に直接,接触することもあるし、主リップ
2のみが大径軸被覆部16に接触し、第2副リップ4は
大径軸部8に接触することもある。
【0025】上述した第1実施形態及び第2実施形態で
は、前記第1副リップ3は、軸Bの段差面部10或いは
カラー材B1 の段差形成面(直角状面14a又は円錐状
面14b)に接触するものであり、その段差面部10が
他の主リップ2及び第2副リップ4とが軸Bと接触する
面と同一の面上ではない。すなわち、第1副リップ3が
軸Bと接触する面と、他の主リップ2及び第2副リップ
4とが軸Bと接触する面とは、直角或いは適宜の角度と
なるようにして異なる面としている。
【0026】これによって、第1副リップ3は、主リッ
プ2,第2副リップ4とは、軸Bに対して夫々異なる面
での接触となり、多面的なシール接触とすることができ
る。それゆえに、前記シール材Aと軸Bとの接触構造
は、実際にはスリンガを使用しないものでありながら、
あたかもスリンガを使用した場合の構造とほぼ同一にす
ることができ、その密封性を良好に維持することができ
る。
【0027】
【発明の効果】請求項1の発明は、ウォーターポンプ軸
受において、主リップ2,第1副リップ3及び第2副リ
ップ4を有するシール材Aと、大径軸部8と小径軸部9
と,前記大径軸部8と小径軸部9との間に形成される段
差面部10を備えた軸Bと、該軸Bを転動体を介して包
囲する外輪12とからなり、前記主リップ2と第2副リ
ップ4は大径軸部8側に接触し、前記第1副リップ3は
前記段差面部10側に接触してなるウォーターポンプ軸
受シール装置としたことにより、まず第1に、従来のシ
ール装置に装着されていたスリンガを廃止することで
き、ひいては構成部品の点数及びコストを低減し、組
立,製造が極めて容易にできるし、第2に製造における
組付精度の負担を低減することができ、第3に密封性を
良好に維持することができる等の効果を奏する。
【0028】上記効果を詳述すると、従来タイプのよう
に、スリンガを設けて3箇所のシールリップのシール装
置を構成するものに比べて、スリンガを不要としている
ので、部品点数を低減することができる。またスリンガ
が不要であるからスリンガを軸Bに装着する必要がな
い。それゆえに、従来では特にスリンガの装着において
極めて高い精度が要求されており、これらが組立の困難
性をもたらし、且つコストが高くなる原因にもなってい
たが、前述したように本発明においては、スリンガが不
要であるがゆえに、組立を簡単にし、よって低価格に提
供することが可能としたものである。
【0029】さらに、シール材Aの軸Bへの接触は、大
径軸部8と小径軸部9との段差箇所である段差面部10
を使用したものであり、該段差面部10側でシール材A
の第1副リップ3が接触し、他の主リップ2及び第2副
リップ4は、大径軸部8側に接触している。これによっ
て、第1副リップ3は、主リップ2,第2副リップ4と
は、軸Bに対して夫々異なる面での接触となり、実質的
に多面的なシール接触とすることができる。それゆえ
に、本発明ではスリンガを使用しないものでありなが
ら、あたかもスリンガを使用した場合のシール構造とほ
ぼ同一にすることができ、スリンガの装着タイプと同様
にその密封性を良好に維持できる。
【0030】請求項2の発明は、請求項1において、前
記軸Bの段差面部10は、軸方向に直交する直角段差面
10aとし、該直角段差面10aに前記第1副リップ3
が接触してなるウォーターポンプ軸受シール装置とした
ことにより、特に密封性を極めて良好にすることができ
る。すなわち、直角段差面10aは、軸Bの軸方向に対
して直交する面であり、この直角段差面10aに第1副
リップ3が接触し、他の主リップ2及び第2副リップ4
は直角段差面10aと直角をなす大径軸部8に接触する
ものである。これによって、第1副リップ3と主リップ
2とのリップ間経路は直角通路を構成するものであり、
たとえ第1副リップ3から流体が浸入しても、主リップ
2における流体を大きく低減させることになり、スリン
ガを設けた従来タイプと同等の極めて良好な密封性を得
ることができる。
【0031】請求項3の発明は、請求項1において、前
記軸Bの段差面部10は、円錐状段差面10bとし、該
円錐状段差面10bに前記第1副リップ3が接触してな
るウォーターポンプ軸受シール装置としたことにより、
軸Bへのシール材Aの組付性を良好にすることができ
る。すなわち、段差面部10は円錐状段差面10bとし
たものであり、これによって、段差面部10は大径軸部
8から小径軸部9に向かって次第に径が小さくなる傾斜
状面となる。このような傾斜状の面であるために、特に
第1副リップ3と円錐状段差面10bとの接触は、シー
ル材Aを軸Bに装着するのみで、円錐状段差面10bが
第1副リップ3に対して楔状の作用をなし、第1副リッ
プ3と円錐状段差面10bとは常時,適正な接触状態と
することができる。
【0032】請求項4の発明は、請求項1,2又は3に
おいて、前記第1副リップ3より外方側に前記軸Bの外
周面との間に微小隙間sが形成される非接触包囲部5が
形成されてなるウォーターポンプ軸受シール装置とした
ことにより、密封性能をより一層向上させることができ
る。上記効果を詳述すると、前記非接触包囲部5は軸B
の外周面との間に微小隙間sを形成するものであり、こ
れによって、非接触包囲部5は、その非接触包囲部5か
ら浸入しようとする流体が第1副リップ3に達するまで
低減されるラビリンス効果とほぼ同等の現象を生じるこ
とができる。これによって、非接触包囲部5の開口から
浸入した流体は、前記第1副リップ3の箇所に到達した
状態でさらに低減させることができ、第1副リップ3か
らの水(流体)の浸入をより一層抑制し、ひいては密封
性をより一層向上させることができる。
【0033】請求項5の発明は、請求項1,2又は3に
おいて、前記非接触包囲部5は、厚肉状にしてなるウォ
ーターポンプ軸受シール装置としたことにより、この厚
肉状であるがゆえに、リップ部,特に第1副リップ3を
弾性的に強化することができ、且つその非接触包囲部5
及び第1副リップ3等を変形しにくくすることができ
る。
【0034】請求項6の発明は、請求項5において、前
記非接触包囲部5の厚肉形状は、断面ほぼ円形状に形成
されてなるウォーターポンプ軸受シール装置としたこと
により、特に非接触包囲部5の円周状の開口縁を強度的
に向上させて変形しにくいものとし、ひいては非接触包
囲部5の開口縁と軸Bとの間隔を常時,均一に維持する
ことができる。
【0035】請求項7の発明は、ウォーターポンプ軸受
において、主リップ2,第1副リップ3及び第2副リッ
プ4を有するシール材Aと、大径軸部8と小径軸部9
と,前記大径軸部8と小径軸部9との間に形成される段
差面部10を備えた軸Bと、該軸Bを転動体13,1
3,…を介して包囲する外輪12と、前記軸Bの段差面
部10箇所に装着され,且つ前記軸Bの径方向に拡開す
る鍔形部14が形成されたカラー材B1 とからなり、前
記主リップ2と第2副リップ4は大径軸部8側に接触
し、前記第1副リップ3は前記カラー材B1 の鍔形部に
接触してなるウォーターポンプ軸受シール装置としたこ
とにより、カラー材B1 は前記軸Bの軸本体とは異なる
材質のものから、該軸Bの外周面を構成することができ
るし、カラー材B1 を所望の形状に形成して軸Bの段差
面部10の形状を適宜変形させることができる。
【0036】上記効果を詳述すると、カラー材B1 は軸
Bの段差面部10箇所及びその付近における外周面を構
成するものであり、(主リップ2,第1副リップ3及び
第2副リップ4からなる)軸本体とは別部材からなるカ
ラー材B1 を段差面部10の表面とするものである。こ
のようにすることで前記カラー材B1 の材質をステンレ
ス材とすると錆びることがなく、且つシール材Aとの接
触性も極めて良好である。
【0037】そのために、軸Bの軸本体が鋼材で錆びる
材質であっても、カラー材B1 をステンレス材とするこ
とにより、軸本体側に錆びが生じて、その外周面が粗面
となってシール材Aの各リップに悪影響を及ぼすという
ようなことがなく、シール材Aの各リップとの接触状態
を良好に維持することができる。また、カラー材B1
その他の材質としては、耐久性のある合成樹脂材,非金
属材等で、特に回転作動部位を構成する部材として好適
な材質で且つ所望の形状への加工しやすいものである。
【0038】請求項8の発明は、請求項7において、前
記鍔形部14は、軸Bの軸方向にほぼ直角となる直角状
面14aが形成されてなるウォーターポンプ軸受シール
装置としたことにより、特に前記軸Bの段差面部10が
直角段差面10aとしたタイプの場合に該直角段差面1
0aにカラー材B1 の直角状面14aとの装着状態が良
好となる。これによって、シール材Aの第1副リップ3
は、軸Bの直角段差面10aに接触するとほぼ同様の状
態で直角状面14aに接触し、良好なる密封状態にする
ことができる。
【0039】請求項9の発明は、請求項7において、前
記鍔形部14は、円錐状面14bが形成されてなるウォ
ーターポンプ軸受シール装置としたことにより、前記軸
Bの段差面部10が直角段差面10aのタイプであって
も、その直角段差面10a箇所に円錐状面14bとした
鍔形部14が配置されることとなり、軸Bの円錐状段差
面10bとほぼ同等の形状にすることができ、その円錐
状面14bに対して第1副リップ3が楔状の作用をなし
て、常時,適正な接触状態とすることができる。
【0040】請求項10の発明は、請求項7において、
前記鍔形部14には、前記大径軸部8の軸方向に延出す
る大径軸被覆部16が形成され、該大径軸被覆部16に
前記主リップ2,又は主リップ2と第2副リップ4を接
触させてなるウォーターポンプ軸受シール装置としたこ
とにより、前記シール材Aの全てのリップ(主リップ
2,第1副リップ3及び第2副リップ4)がカラー材B
1 に接触する構成となり、シール材Aと軸Bとをカラー
材B1 を介して極めて良好なる接触状態にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1実施形態の第1タイプにおけるハ
ウジング本体部に装着された軸受の縦断側面図 (B)は(A)の要部拡大断面図
【図2】(A)はシール材の断面図 (B)は軸の一部断面にした要部拡大図
【図3】(A)は非接触包囲部の拡大断面図 (B)は非接触包囲部の変形例の拡大断面図
【図4】第1実施形態の第2タイプにおける段差面部を
円錐状段差面とした拡大断面図
【図5】(A)は第1実施形態の第2タイプにおけるシ
ール材の断面図 (B)は第1実施形態の第2タイプにおける軸の一部断
面にした要部拡大図
【図6】(A)は第1実施形態の第2タイプにおける非
接触包囲部の拡大断面図 (B)は非接触包囲部の変形例の拡大断面図
【図7】(A)は第1実施形態の第1タイプにおける非
接触包囲部が形成されないタイプの断面図 (B)は第1実施形態の第2タイプにおける非接触包囲
部が形成されないタイプの断面図
【図8】(A)は第2実施形態における第1タイプの要
部拡大断面図 (B)は第2実施形態において第1タイプのカラー材の
変形例が装着された要部拡大断面図
【図9】(A)は第2実施形態の第1タイプの軸にカラ
ー材が装着された状態の一部断面にした側面図 (B)は第2実施形態の第1タイプの軸に適応するシー
ル材の断面図
【図10】第2実施形態における第2タイプの要部拡大
断面図
【図11】(A)は第2実施形態の第2タイプの軸にカ
ラー材が装着された状態の一部断面にした側面図 (B)は第2実施形態の第2タイプの軸に適応するシー
ル材の断面図
【図12】(A)は第2タイプの変形例のカラー材が直
角段差面を有する軸に装着された状態の要部拡大断面図 (B)は第2タイプの変形例のカラー材が円錐状段差面
を有する軸に装着された状態の要部拡大断面図
【符号の説明】
A…シール材 B…軸 B1 …カラー材 2…主リップ 3…第1副リップ 4…第2副リップ 8…大径軸部 9…小径軸部 10…段差面部 10a…直角段差面 10b…円錐状段差面 13…転動体 14…鍔形部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 修 群馬県桐生市広沢町1丁目2757番地 株式 会社山田製作所内 Fターム(参考) 3H022 AA01 BA06 CA27 CA58 DA20 3J016 AA01 BB03 BB17 CA02 CA07 3J101 AA02 AA62 AA72 BA53 BA56 BA70 BA73 EA06 EA31 FA44 FA46 FA55 FA60 GA01 GA29

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォーターポンプ軸受において、主リッ
    プ,第1副リップ及び第2副リップを有するシール材
    と、大径軸部と小径軸部と,前記大径軸部と小径軸部と
    の間に形成される段差面部を備えた軸と、該軸を転動体
    を介して包囲する外輪とからなり、前記主リップと第2
    副リップは大径軸部の軸周面に接触し、前記第1副リッ
    プは前記段差面部に接触してなることを特徴とするウォ
    ーターポンプ軸受シール装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記軸の段差面部
    は、軸方向に直交する直角段差面とし、該直角段差面に
    前記第1副リップが接触してなることを特徴とするウォ
    ーターポンプ軸受シール装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記軸の段差面部
    は、円錐状段差面とし、該円錐状段差面に前記第1副リ
    ップが接触してなることを特徴とするウォーターポンプ
    軸受シール装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3において、前記第1
    副リップより外方側に前記軸の外周面との間に微小隙間
    が形成される非接触包囲部が形成されてなることを特徴
    とするウォーターポンプ軸受シール装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2又は3において、前記非接
    触包囲部は、厚肉状にしてなることを特徴とするウォー
    ターポンプ軸受シール装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記非接触包囲部の
    厚肉形状は、断面ほぼ円形状に形成されてなることを特
    徴とするウォーターポンプ軸受シール装置。
  7. 【請求項7】 ウォーターポンプ軸受において、主リッ
    プ,第1副リップ及び第2副リップを有するシール材
    と、大径軸部と小径軸部と,前記大径軸部と小径軸部と
    の間に形成される段差面部を備えた軸と、該軸を転動体
    を介して包囲する外輪と、前記軸の段差面部箇所に装着
    され,且つ前記軸の径方向に拡開する鍔形部が形成され
    たカラー材とからなり、前記主リップと第2副リップは
    大径軸部側に接触し、前記第1副リップは前記カラー材
    の鍔形部に接触してなることを特徴とするウォーターポ
    ンプ軸受シール装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記鍔形部は、軸の
    軸方向にほぼ直角となる直角状面が形成されてなること
    を特徴とするウォーターポンプ軸受シール装置。
  9. 【請求項9】 請求項7において、前記鍔形部は、円錐
    状面が形成されてなることを特徴とするウォーターポン
    プ軸受シール装置。
  10. 【請求項10】 請求項7において、前記鍔形部には、
    前記大径軸部の軸方向に延出する大径軸被覆部が形成さ
    れ、該大径軸被覆部に前記主リップ,又は主リップと第
    2副リップを接触させてなることを特徴とするウォータ
    ーポンプ軸受シール装置。
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