JP2003261569A - 配位子を有する複素環化合物及びその製造方法、及びこの複素環化合物を用いる金属元素の固定化膜 - Google Patents
配位子を有する複素環化合物及びその製造方法、及びこの複素環化合物を用いる金属元素の固定化膜Info
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Abstract
る化合物の提供。 【解決手段】一般式(1)で表されることを特徴とする
含窒素複素環化合物に連結される配位子を有する化合
物。 (式中、X1,X2,X3,X4はNH,O,S,又はNR5から選ばれる連
結基であって、その中の少なくとも一つはNHである。
Y1,Y2,Y3,Y4は配位子と結合する連結基であり、メチレ
ン基((CH2)n、nは1 から20)、フェニレン基等であ
る。R1,R2,R3,R4は、配位子または金属への配位を阻害
しない有機官能基(水素、フェニル基)であって、少な
くとも一つは配位子となる官能基である。配位子となる
R1,R2,R3,R4としては、カルボキシル基(-COOH)、ホス
ホン酸基(-PO(OH)2)、等を表す。)
Description
結された配位子を有する新規化合物とその製造方法及び
この複素環化合物を用いる金属元素の固定化膜に関する
ものである。この化合物は、金属元素を捕捉することが
できるものであるのである。
る方法として、高分子の主鎖または側鎖上の配位性官能
基やアニオン性官能基(以下配位子)を使って、配位結
合またはイオン結合により金属元素を固定化する方法が
行われてきた。具体的には、以下の方法が知られてい
る。 (1)重合性をもつ配位子に金属を結合させた後、重合
性官能基を高分子化する方法。 (2)予め高分子化した配位子に金属を結合させる方
法。これらの方法により、金属元素は材料中に安定に固
定化されるが、前記(1)の方法では、金属の種類や配
位子の構造に制限があったり、重合度が高くならないと
いう欠点がある。また(2)の方法では配位子の一部だ
けしか有効に金属と結合しなかったり、高分子鎖のため
に配位構造が、ゆがむなど欠点がある。また、(1)と
(2)のいずれ方法も金属元素の固定化の密度や間隔を
制御することはできない。また金属元素が材料内部に埋
め込まれてしまい、金属元素を触媒種として使用すると
き有効に働かないなどの欠点がある。いずれも満足する
方法ということができない。金属元素を固定化する他の
方法としては、配位性の官能基を導入した両親媒性化合
物を利用する方法が知られている。両親媒性化合物を、
(1)水中で分散させたり、(2)気水界面に単分子膜
を形成させたり、(3)気水界面単分子膜を固体基板上
に写し取る(ラングミュアー・ブルジット法ことによ
り)などの処理をした後、金属元素をその表面上の配位
子に固定化する方法である。これらの方法では、金属元
素を材料表面に高密度に固定化することが可能である。
しかしながら、配位子は低分子化合物であるところか
ら、配位子と金属元素の液中への脱落や、表面の集合構
造の変化(表面に整列した両親媒性化合物の分子の向き
の反転)などのために材料としての安定性に欠ける問題
がある。また、シリカなどの無機物上への、ハロシラン
やエトキシシランなどの、いわゆるシランカップリング
剤の反応により配位子と結合させる、又は金基板などへ
のチオール誘導体などの反応により、配位子と結合させ
る方法も知られている。この方法では、物理的に構造が
安定化された配位子により金属元素を固定化することが
できる。しかしながら、活性なシランカップリング剤や
チオールを使用するために、選択できる配位子の構造に
制限があるという問題点がある。
子を有する複素環化合物及びその製造方法、並びにこの
複素環化合物を用いる金属元素の固定化膜及び固定膜を
用いる金属元素の回収方法を提供することである。
について鋭意研究し、以下の知見を得た。配位子を有す
る複素環化合物を新たに製造し、低分子配位子を分子間
水素結合により固定化・安定化するとともに、分子間水
素結合により配位子相互の間隙や空間的な位置を制御す
ることができること、具体的には、最初に金属を固定化
するための配位子を複素環化合物へ共有結合により連結
する。ここで用いる複素環化合物として、複数の水素結
合により別の分子と選択的に強く形成する構造のものを
得る事ができる。この目的では含窒素複素環化合物がも
っとも適当である。選択した複素環化合物に対して、複
数の水素結合により、特異的に強く相互作用する相補的
な構造を持つ第2の別の分子(以後、相補分子)を存在
させると、添加した別の分子が、複素環化合物を固定化
し、個々の複素環化合物同士が単独で密に集合すること
を妨げ、配位子の空間的位置関係を大きくすることが可
能となる。ここで、複素環が2つの相補分子と結合しう
る構造を持ち、かつ、相補分子が2つの複素環と結合す
ることが可能な構造を選択するのが特に好ましい。この
場合には、個々の複素環は相補分子によって空間的な距
離、位置関係が固定化され、同時に、配位子と固定化さ
れた金属元素も空間的な位置の制御に特に望ましい。具
体的には、複素環化合物については、一般式(1)で表
される化合物であり、第2の別の分子として一般式
(2)又は(3)で表される化合物から得られる一般式
(5)で表される化合物は、前記の作用を有することを
見出したものである。
見出したものである。 (1)目的とする金属元素の塩、および相補分子を溶か
し込んだ水面上に、配位子をもつ複素環化合物をクロロ
ホルム、ヘキサン、ベンゼンなどに溶解し、溶液を水面
上に展開して単分子膜を形成させ、金属元素を取り込ま
せた後に単分子膜を固体基板上に移行させる方法、
(2)予め金属元素を取り込んだ両親媒性物質を調製し
た後、溶媒に溶かし、相補分子を含む水溶液上に単分子
膜を展開し、固体基板上に移行させる方法、(3)配位
子をもつ複素環化合物、およびそれと相補分子を含む混
合溶液を金属元素を含む水溶液上に滴下し、単分子膜を
形成させた後、固体基板上に移行させる方法がある。こ
れらの方法は、以下のような場合に有効であることを見
出した。(1)では、相補分子の水溶性が大きい場合に
適用できる。(2)では、金属元素を取り込んだ配位子
をもつ複素環分子の有機溶媒への溶解性が良好な場合に
適用できる。(3)では、相補分子の有機溶媒への溶解
性が大きい場合に適用できる。
る。 (1) 一般式(1)で表されることを特徴とする含窒
素複素環化合物に連結される配位子を有する化合物。
連結基であって、その中の少なくとも一つはNHである。
Y1,Y2,Y3,Y4は配位子と結合する連結基であり、メチレ
ン基((CH2)n、nは1 から20)、フェニレン基、エチレ
ングリコール基((CH2CH2O)n、nは1から8)、及び水素
原子(この場合でY1,Y2,Y3,Y4とR1,R2,R3,R4は結合され
ない)から選ばれ基又は原子である。R1,R2,R3,R4は、
配位子または金属への配位を阻害しない有機官能基(水
素、フェニル基)であって、少なくとも一つは配位子と
なる官能基である。NR5のR5は金属への配位を阻害しな
い有機基(アルキル基及びフェニル基)である。配位子
となるR1,R2,R3,R4としては、カルボキシル基(-COO
H)、ホスホン酸基(-PO(OH)2)、リン酸基(-OPO(O
H)2)、スルホン酸基(-SO3H)、硫酸基(-OSO 3H)、フ
ェノール残基(-C6H4OH)、ピリジン残基(-C5H4N)、
イミダゾール残基( -C3H2N2)、アミド (-NHCO
R6)、アミノ基 (-NH2, -NHR6)、ジアミン( -NHCH2
CH2NH-R6)、ホスフィン( -P(R6)2)などである。R6
は、金属への配位を阻害しない有機官能基(アルキル基
やフェニル基)を表す。) (2)2,4,6,8-テトラクロロ[5,4-d]ピリミドピリミジ
ンとアミノ化合物を反応させることを特徴とする前記
(1)の配位子の製造方法。 (3) 一般式(5)で表されることを特徴とする含窒素
複素環化合物に連結された配位子を有する化合物。
により一般式(1)で表される配位子を有する化合物と
反応させることを特徴とする一般式(5)で表される化
合物の製造方法。
またはアルキル基、フェニルアルキル基である。金属元
素としては、請求範囲1で示す配位子に捕捉される金属
元素であって、水溶性の塩として存在するものであれ
ば、特に限定されない。 (5)前記(3)記載の一般式(5)で表される含窒素
複素環化合物に金属化合物を反応させて得られる金属錯
体からなる膜。
又は一般式(3)で表される化合物と金属化合物を反応
させて得られることを特徴とする金属錯体からなる膜。
キル基である。) (7) 気水界面単分子膜上で金属錯体を製造すること
を特徴とする前記(6)記載の金属錯体からなる膜。
で表される化合物であり、分子間水素結合の形成が可能
な含窒素複素環に連結された配位子を有する化合物であ
る。
れる連結基であって、これらの中の少なくとも一つはNH
である。Y1,Y2,Y3,Y4は、配位子と結合する連結基であ
り、メチレン基((CH2)n、nは、1から20の整数を表
す。)、フェニレン基、エチレングリコール基((CH2C
H2O)n、nは1から8の整数を表す。)、及び水素原子(こ
の場合には、Y1,Y2,Y3,Y4とR1,R2,R3,R4は結合されな
い)から選ばれる。R1,R2,R3,R4は、配位子、又は金属
への配位を阻害しない有機官能基(水素、フェニル基)
を表し、これらの中の少なくとも一つは配位子となる官
能基である。前記NR5のR5は、金属への配位を阻害しな
い有機基(アルキル基やフェニル基)である。配位子と
なるR1,R2,R3,R4は、カルボキシル基(-COOH)、ホスホ
ン酸基( -PO(OH)2)、リン酸基(-OPO(OH)2)、スル
ホン酸基(-SO3H)、硫酸基(-OSO3H)、フェノール残
基(-C6H4OH)、ピリジン残基(-C5H4N)、イミダゾー
ル残基(-C3H2N2)、アミド(-NHCOR6)、アミノ基
(-NH2、 -NHR6)、ジアミン( -NHCH2CH2NH-R6)、ホ
スフィン (-P(R6)2)から選ばれる基である。前記R6
は、金属への配位を阻害しない適当な有機官能基(アル
キル基やフェニル基)である。
位子の作用により金属元素と結合することができる。前
記一般式1で表される化合物は、連結基及び窒素原子の
作用により、分子間水素結合により、含窒素複素環化合
物と連結させることが可能である。
し、官能基を導入するには、以下のように行う。R1とR3
に配位性の官能基を導入する反応は、以下のようにして
行う。活性塩素をもつ複素環化合物である、2,4,6,8-テ
トラクロロピリミド[5,4-d]ピリミジン(以下四塩素化
物という)を原料とし、これを不活性溶媒に、溶解また
は分散させ、室温下または冷却下に四塩素化物に対して
2当量のアミノ化合物を溶液として加える。これにより
複素環上の4位と8位の塩素に対して第1段目の置換反
応を行うことができる。得られた中間体に、さらに、配
位官能基をもつ2当量または過剰量のアミノ化合物をそ
のまま、あるいは溶液として加え、80℃から150℃に加
熱することのより、2位と6位の2つの塩素を置換する
ことができる。この際、副生する塩化水素を捕捉するた
めに、反応系中に塩基を添加しておくことが望ましい。
このようにして、前記一般式(1)で表される化合物の
うちR1とR3に配位性の官能基が導入されたピリミドピリ
ミジンの4置換体を得ることができる。この誘導体は、
アミノ基、イミノ基、アミノ基という官能基の並びを、
それぞれのピリミジン骨核に持つ。
される化合物と、分子間水素結合を形成して含窒素複素
環に連結された配位子を有する化合物は、一般式(5)
で表される。
上の3位N、X2という官能基の並び、及び、X3、複素環
上の7位N、X4の官能基の並びは、バルビツール酸など
のイミド化合物のカルボニル基、アミノ基、イミノ基と
いう官能基の並びと構造的に相補性を有するものであ
り、それぞれの官能基が一つずつの水素結合を形成する
ものである。XがNH以外の基である場合には分子間結
合は形成せず、N原子とNH結合の部分のみが分子間結
合を形成する。ピリミド[5,4-d]ピリミジンには2つの
結合部位があり、また、バルビツール酸にも2つの結合
部位があるので、結果として、バルビーツール酸は、ピ
リミド[5,4-d]ピリミジンの間に挟まり、ピリミド[5,4-
d]ピリミジン分子同士の固定化を行うとともに、ピリミ
ド[5,4-d]ピリミジンの相互の空間的な距離を適度に離
す役割をもつ。
記一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)又は
(3)で表される化合物から得られる。
キル基である。)
う。一般式(1)で表される化合物と構造式(2)又は
(3)で表される化合物を反応させる、或いは一般式
(5)で表される化合物を用いる。そして、これに金属
化合物を反応させる。具体的には以下の方法が行われ
る。 (1)目的とする金属元素の塩、および相補分子を溶か
し込んだ水面上に、配位子をもつ複素環化合物をクロロ
ホルム、ヘキサン、ベンゼンなどに溶解し、溶液を水面
上に展開して単分子膜を形成させ、金属元素を取り込ま
せた後に単分子膜を固体基板上に移行させる方法。 (2)予め金属元素を取り込んだ両親媒性物質を調製し
た後、溶媒に溶かし、相補分子を含む水溶液上に単分子
膜を展開し、固体基板上に移行させる方法。 (3)配位子をもつ複素環化合物、およびそれと相補分
子を含む混合溶液を金属元素を含む水溶液上に滴下し、
単分子膜を形成させた後、固体基板上に移行させる方
法。 この反応では、ピリミド[5,4-d]ピリミジンに結合した
配位子、および配位子に結合した金属元素も同時に固定
化と空間的な配置の制御が行われることになる。
おけるは、金属化合物の利用及び回収が可能となる。鉱
工業分野の精錬、廃水処理において、金属元素の捕集、
回収を行う。化学工業において金属触媒を用いた合成反
応に利用したり、製品などに含まれる金属成分の各種製
品の分析を行う。電子工業における金属を含有する光機
能材料や電子材料を用いる材料の製造する工程に用い
る。
場合の化合物。X2=NH, X4=NH, Y2= C18H37, Y4= C
18H37, R2=H, R4 =H)の合成。四塩素化物1.0gを乾燥
クロロホルム40mlに、分散させ、氷冷下、5℃から10℃
に保ちながら、複素環に対してオクタデシルアミン2当
量、ジイソプロピルエチルアミン2.2当量、クロロホル
ム20mlの混合溶液を滴下した。反応溶液を炭酸ナトリウ
ム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒
を減圧下に蒸発留去し、生成物を得、さらに酢酸エチル
から再結晶し精製した。この中間体0.5gに、イミダゾ
ール3当量、無水炭酸カリウム3当量、および溶媒1,3-ジ
メチル-2-イミダゾリジノン10mlを加え、120℃に1日間
加熱することのより、目的のピリミドピリミジンの4置
換体を得た。 NMR(CDCl3), δ0.87(6H,t, J=7.0 Hz, CH3), 1.24-1.47
(60H, m, CH2), 1.74-1.79 (4H, m, CH2), 3.67-3.71
(4H, m, CH2), 6.90 (2H, t, J=6.0Hz, NH), 7.16 (2H,
s, Arom), 7.88 (2H, s, Arom), 8.60 (2H, s, Arom)
場合の化合物。X2=NH, X 4=NH, Y2= C18H37, Y4= C
18H37, R2=H, R4 =H)の合成。実施例1の中間体0.5g
にジメチルベンツイミダゾール3当量を加え、実施例1
と同様に反応を行った。 NMR(CDCl3), δ0.87 (6H, t, J = 7.0 Hz, CH3), 1.24-
1.46 (60H, m, CH2), 1.84-1.90 (4H, m, CH2), 2.42
(6H, s, CH3), 2.46 (6H, s, CH3), 3.78-3.86 (4H, m,
CH2), 6.93 (2H, t, J = 6.0 Hz, NH), 7.61 (2H, s,
Arom), 8.31 (2H,s, Arom), 8.97 (2H, s, Arom)
Y4, Y2=(CH2)2 , R1,R 3 = H, R2,R4=COOHの化合物の
合成) 四塩素化物1.0gをクロロホルム40mlに分散し、これに2
-アミノプロピオン酸エチル2当量、ジイソプロピルエチ
ルアミン2.2当量、クロロホルム20mlの混合溶液を滴下
した。溶媒を減圧下に蒸発留去し、生成物を得、シリカ
ゲルカラム(溶離液クロロホルム)により精製した。DM
F20mlに溶解し、1mol/lの水酸化ナトリウム溶液を加
え、40℃に加温し1時間放置し、エステル基を加水分解
した。溶液を水に注ぎ、10%酢酸1mlを加え、析出した沈
殿(ジカルボン酸)を回収した。 NMR(DMSO), δ2.60 (4H, m, CH2-CO), 3.32 (4H, m, N-
CH2) 得られたジカルボン酸に対して、4倍モル量の無水炭酸
カリウムと3倍モル量のオタデシルアミンを加え、1,
3−ジメチル−イミダゾリンと溶媒中で150℃、24
時間加熱することにより目的生成物を得た。
錯体の合成) 一般式6(X2=NH, X4=NH, Y2= C18H37, Y4= C18H37, R2=
H, R4 =H)のクロロホルム-メタノール(9:1)混合溶液
に溶かし(濃度約0.1から0.5mg/ml)、マイクロシリン
ジを用いて、バルビツール酸(0.01mol/l)と酢酸銅(0.
001mol/l)を含む水面上に滴下し、単分子膜を形成させ
た(極限分子占有面積1.20nm2/分子)。15mN/mの表面圧
力のもとでフッ化カルシウム基板上に単分子膜を累積し
た。透過法による赤外分析では、バルビツール酸のカル
ボニル基の吸収が1700cm-1に現れ、また累積された単分
子膜中の銅の含量は0.5-1.0/分子であった。
環化合物であり、低分子配位子を分子間水素結合により
固定化・安定化することができ、分子間水素結合により
配位子相互の間隙や空間的な位置を制御することができ
るものであり、具体的には、最初に金属を固定化するた
めの配位子を複素環化合物へ共有結合により連結するこ
とができる。この化合物を用いて金属錯体を有する膜を
得ることができる。また、金属元素及び金属化合物の各
種の利用が可能となる。
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式(1)で表されることを特徴とす
る含窒素複素環化合物に連結される配位子を有する化合
物。 【化1】(1) (式中、X1,X2,X3,X4はNH, O, S,又はNR5から選ばれる
連結基であって、その中の少なくとも一つはNHである。
Y1,Y2,Y3,Y4は配位子と結合する連結基であり、メチレ
ン基((CH2)n、nは1 から20)、フェニレン基、エチレ
ングリコール基((CH2CH2O)n、nは1から8)、及び水素
原子(この場合でY1,Y2,Y3,Y4とR1,R2,R3,R4は結合され
ない)から選ばれ基又は原子である。R1,R2,R3,R4は、
配位子または金属への配位を阻害しない有機官能基(水
素、フェニル基)であって、少なくとも一つは配位子と
なる官能基である。NR5のR5は金属への配位を阻害しな
い有機基(アルキル基及びフェニル基)である。配位子
となるR1,R2,R3,R4としては、カルボキシル基(-COO
H)、ホスホン酸基(-PO(OH)2)、リン酸基(-OPO(O
H)2)、スルホン酸基(-SO3H)、硫酸基(-OSO 3H)、フ
ェノール残基(-C6H4OH)、ピリジン残基(-C5H4N)、
イミダゾール残基( -C3H2N2)、アミド (-NHCO
R6)、アミノ基 (-NH2, -NHR6)、ジアミン( -NHCH2
CH2NH-R6)、ホスフィン( -P(R6)2)などである。R6
は、金属への配位を阻害しない有機官能基(アルキル基
やフェニル基)を表す。) - 【請求項2】2,4,6,8-テトラクロロ[5,4-d]ピリミドピ
リミジンとアミノ化合物を反応させることを特徴とする
請求項1の配位子の製造方法。 - 【請求項3】 一般式(5)で表されることを特徴とす
る含窒素複素環化合物に連結された配位子を有する化合
物。 【化2】(5) (式中、R,X、Yは、一般式(1)の場合と同じ) - 【請求項4】 一般式(2)または一般式(3)と分子間
水素結合により一般式(1)で表される配位子を有する
化合物と反応させて得られる一般式(5)で表されるこ
とを特徴とする複素環化合物の製造方法。 【化3】(2) 【化4】(3) 【化5】(5) 一般式3のバルビツール酸誘導体において、R7,R8は水素
またはアルキル基、フェニルアルキル基である。金属元
素としては、請求範囲1で示す配位子に捕捉される金属
元素であって、水溶性の塩として存在するものであれ
ば、特に限定されない。 - 【請求項5】請求項3記載の一般式(5)で表される含
窒素複素環化合物に金属化合物を反応させて得られる金
属錯体からなる膜。 【化6 】(5) (式中、R,X、Yは、一般式(1)の場合と同じ) - 【請求項6】一般式(1)で表される化合物と、一般式
(2)又は一般式(3)で表される化合物と金属化合物
を反応させて得られることを特徴とする金属錯体からな
る膜。 【化7】 (1) 【化8】 (2) 【化9】(3) (式中、R7,R8は水素またはアルキル基、フェニルアル
キル基である。) - 【請求項7】 気水界面単分子膜上で金属錯体を製造す
ることを特徴とする請求項5記載の金属錯体からなる
膜。
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