JP2003261016A - 最大路面摩擦係数推定装置 - Google Patents

最大路面摩擦係数推定装置

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JP2003261016A
JP2003261016A JP2002063490A JP2002063490A JP2003261016A JP 2003261016 A JP2003261016 A JP 2003261016A JP 2002063490 A JP2002063490 A JP 2002063490A JP 2002063490 A JP2002063490 A JP 2002063490A JP 2003261016 A JP2003261016 A JP 2003261016A
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Japan
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road surface
gradient
lateral acceleration
friction coefficient
yaw rate
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Application number
JP2002063490A
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English (en)
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Koji Umeno
孝治 梅野
Masaru Sugai
賢 菅井
Yoji Mizoguchi
洋司 溝口
Katsutoshi Horinouchi
克年 堀之内
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回時にタイヤグリップが限界に達する前に
精度よく最大路面摩擦係数を推定する。 【解決手段】 μ勾配演算部21は、車輪速信号に基づ
いてスリップ率又はスリップ速度に対する路面摩擦係数
μの勾配であるμ勾配を演算し、演算されたμ勾配を閾
値判定部22に供給する。閾値判定部22は、μ勾配演
算部21から供給されるμ勾配と閾値(=直進時のμ勾
配の70%)とを比較し、μ勾配が閾値未満になったと
きに、最大路面摩擦係数μmaxの推定演算を促す第1
の判定フラグを上げる。μmax推定部26は、閾値判
定部22が第1の判定フラグを上げたことを検知する
と、横加速度センサで検出された横加速度Gy[G]に
1.4を乗じて、最大路面摩擦係数μmaxを推定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最大路面摩擦係数
推定装置に係り、特に旋回時に精度よく最大路面摩擦係
数を推定する最大路面摩擦係数推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】今日、
自動車や人間等の自車の前方にある障害物との衝突を防
止するための前方障害物衝突防止支援システムを開発し
ている。このような前方障害物衝突防止支援システム
は、最大路面摩擦係数μmaxの約60%の制動で前方
障害物に衝突することなく停止できるタイミングを求め
ることが要求される。その前提として、摩擦限界領域に
至る前に最大路面摩擦係数μmaxを求めなければなら
ない。
【0003】特開2001−171504号公報では、
或る車輪に駆動力を発生させる一方で他の車輪に前記駆
動力に対応する大きさの制動力を発生させ、前記発生さ
せる駆動力および制動力による車両の加減速度発生を抑
えるとともに、制駆動力、車輪速、輪荷重に基づいて路
面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定装置(以下「従
来技術」という。)が提案されている。
【0004】上記従来技術は、車輪速Vwiと単位輪荷
重当たりの制駆動力Fwiとの複数の組み合わせを2次
元座標上にプロットして回帰直線を求め、回帰直線の傾
斜角からドライビングスティッフネスKdを演算する。
そして、同公報図11に示すドライビングマスティッフ
ネスKdと路面摩擦係数の最大値μmaxとの関係に基
づいて、最大路面μ,すなわちμmaxを算出する。
【0005】しかし、上記従来技術は、旋回時の左右加
速度が大きい状況では、路面μ推定制御により、車両挙
動の変化が起きやすいため運転者に違和感が発生する場
合があるため、路面μ推定制御を行わない(段落番号0
057)。したがって、従来技術は、旋回時は最大路面
摩擦係数μmaxを求めることができないという問題が
あった。
【0006】本発明は、上述した課題を解決するために
提案されたものであり、旋回時にタイヤグリップが限界
に達する前に精度よく最大路面摩擦係数を推定する最大
路面摩擦係数推定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(第1の発明の原理)第
1の発明は、路面μ勾配と横加速度との関係を利用する
ことで最大路面摩擦係数μmaxを推定するものであ
る。
【0008】図1(A)は直進時の前後スリップ率に対
するタイヤ前後力の関係を示す図であり、(B)はスリ
ップ角が発生した時の前後スリップ率に対するタイヤ前
後力の関係を示す図である。
【0009】同図(A)及び(B)の傾きは路面μ勾配
を示している。したがって、スリップ角が大きくなる、
つまり旋回が急になるに従って路面μ勾配は減少する傾
向がある。
【0010】図2は、スリップ角[deg]に対する路
面μ勾配[Ns/m]の関係を示す図である。同図によ
ると、路面μ勾配は、スリップ角が大きくなるに従って
低下し、最大路面摩擦係数μmaxが小さくなるに従っ
て低下している。
【0011】図3は、横力余裕度に対する路面μ勾配の
低下率を示す図であり、図2のグラフを正規化したグラ
フである。つまり、最大路面摩擦係数μmaxがどのよ
うな値であっても、横力余裕度に対する路面μ勾配の低
下率の関係は図2に示すようになる。ここで、横加速度
をGyとすると、横力余裕度Yは次の式(1)で表され
る。
【0012】
【数1】
【0013】同図によると、路面μ勾配が直進時(横力
の余裕度が「1」の時)に比べて70〜80%に低下す
ると、横力余裕度Yは29〜46%に低下する。ここ
で、式(1)をμmaxについて解くと式(2)にな
る。
【0014】
【数2】
【0015】式(2)より、横力余裕度Yが29〜46
%に低下したとき、横加速度Gyに1.4〜1.8を乗
じた値が最大路面摩擦係数μmaxになる。すなわち、
路面μ勾配が直進時のμ勾配に比べて70〜80%まで
低下したときに、横加速度Gyに1.4〜1.8を乗じ
ることによって最大路面摩擦係数μmaxを求めること
ができる。なお、横加速度Gyに乗じた上記係数は図3
のグラフをそのまま当てはめたときの数値であり、タイ
ヤモデルが異なれば横加速度Gyに乗じる係数も異な
る。
【0016】以上のことから、本発明者は、さまざまな
タイヤのモデルを用いて実験を行った結果、旋回時の路
面μ勾配が直進時のμ勾配に比べて約70〜80%に低
下したとき、横加速度Gyの1.3〜1.5倍の値が最
大路面摩擦係数μmaxに相当することが分かった。
【0017】(第2の発明の原理)第2の発明は、ドリ
フト量と横加速度との関係を利用することで最大路面摩
擦係数μmaxを推定するものである。ここで、ドリフ
ト量は次のようにして求められる。
【0018】最初に、基準ヨーレイトγ0を求める。基
準ヨーレイトγ0は、車速V、操舵角θ、ギア比N、ホ
イールベースL、スタビリティファクタKhを用いる
と、次の式(3)により求められる。
【0019】
【数3】
【0020】次に、基準ヨーレイトγ0から実際に検出
された実ヨーレイトγ1を減算して残差ヨーレイトγe
rrを求める。そして、残差ヨーレイトγerrを操舵
角相当量[deg]に変換した値がドリフト量になる。
【0021】図4は、ドリフト量の時間変化を模式的に
示した図である。ドリフト量が操舵方向に対して正の場
合では走行車両はドリフト傾向であり、さらにドリフト
量が上限閾値を超えるとグリップの限界に達し、ドリフ
トアウト傾向になる。ドリフト量が操舵方向に対して負
の場合では走行車両はスピン傾向であり、さらにドリフ
ト量が下限閾値未満になるとグリップの限界に達し、ス
ピンアウト傾向になる。
【0022】図5(A)はアスファルト路(高μ路)を
20[km/h]でスラローム走行したときのドリフト
量の時間変化を示す図、(B)は低μ路を20[km/
h]でスラローム走行したときのドリフト量の時間変化
を示す図である。
【0023】同図(A)の場合、測定開始時から約15
秒後にスラローム走行を開始した。ドリフト量は常に±
10[deg]以下で周期的に変化しているので、タイ
ヤのグリップは限界に達していない。
【0024】これに対して、同図(B)の場合、測定開
始時から約4秒後にスラローム走行を開始した。ドリフ
ト量は、最初は±10[deg]以下であったが、約1
2秒後から大きく変動し、約20秒後には−48[de
g]になった。したがって、ドリフト量が±10[de
g]以下の場合であっても、タイヤのグリップは既に限
界に達していたと考えられる。
【0025】以上のことから、ドリフト量が所定の範囲
内であっても、路面状況によって既にグリップが限界に
なっていたり、限界になっていないことがある。つま
り、グリップが限界に達したことを示すドリフト量の閾
値を設定することは非常に困難である。
【0026】そこで、第2の発明は、ドリフト量だけで
なく横加速度の関係も利用することによって以下のよう
に最大路面摩擦係数μmaxを推定する。
【0027】図6(A)はアスファルト路を20[km
/h]でスラローム走行したときの横加速度に対するド
リフト量の関係を示す図、(B)は低μ路を20[km
/h]でスラローム走行したときの横加速度に対するド
リフト量の関係を示す図である。
【0028】図7(A)は、アスファルト路を20[k
m/h]でスラローム走行したときの横加速度に対する
ドリフト量の関係を模式的に示した図、つまり図6
(A)を模式的に示した図である。同図(B)は、低μ
路を20[km/h]でスラローム走行したときの横加
速度に対するドリフト量の関係を模式的に示した図、つ
まり図6(B)を模式的に示した図である。
【0029】図7(A)によると、高μ路を走行した場
合、横加速度に対するドリフト量の関係は、原点を中心
として右下がりの長細い楕円形状のグラフになった。
【0030】一方、同図(B)によると、低μ路を走行
した場合、横加速度に対するドリフト量の関係は、原点
に対して対称的なS字状のグラフになった。横加速度が
約−0.18〜0.18[G]の領域(線形領域)で
は、横加速度に対するドリフト量の関係はほぼ直線状に
なっており、タイヤグリップはまだ限界に達していな
い。このとき回帰直線Lの傾きはほぼ一定(負の値)に
なる。横加速度が−0.18[G]以下又は0.18
[G]以上の領域(非線形領域)では、タイヤグリップ
は限界に達しており、横加速度の絶対値が大きくなるに
従って回帰直線Lの傾きは負の値から正の値に大きく変
動する。
【0031】図8は、スリップ角に対する路面摩擦係数
μの特性を示す図である。路面摩擦係数μは、ゼロから
(0.7×μmax)になるまでは、スリップ角にほぼ
比例する(線形領域)。しかし、路面摩擦係数μは、
(0.7×μmax)を超えると、スリップ角が大きく
なってもあまり大きくならなくなる(非線形領域)。
【0032】ここで、図8に示す線形領域及び非線形領
域は、図7に示した線形領域及び非線形領域にほぼ対応
している。したがって、図7に示す回帰直線Lの傾きが
ゼロになるときの路面摩擦係数μは、最大路面摩擦係数
μmaxの約0.7倍になる。
【0033】また、車輪荷重をMとし、横加速度をGy
[G]=Gy・g[m/s2]とすると、横力M・Gy
・gと摩擦力μMgは釣り合っているので、次の式
(4)が成り立つ。
【0034】
【数4】
【0035】したがって、横加速度Gy[G]の値は路
面摩擦力係数μの値と同じになる。このことから、最大
路面摩擦係数μmaxは、図7に示す回帰直線の傾きが
ゼロになるときの横加速度Gy(=路面摩擦係数μ)を
用いると、次の式(5)により求められる。
【0036】
【数5】
【0037】なお、横加速度Gyに乗じる係数は、タイ
ヤのモデルによって異なっており、実験結果によると
1.3〜1.5が好ましい。
【0038】(本発明の構成)請求項1記載の発明は、
路面μ勾配を演算する路面μ勾配演算手段と、横加速度
を検出する横加速度検出手段と、前記路面μ勾配演算手
段で演算された路面μ勾配が、直進時における路面μ勾
配に対して所定割合まで低下した路面μ勾配低下時を検
出する低下時検出手段と、前記低下時検出手段で検出さ
れた路面μ勾配低下時における横加速度に基づいて最大
路面摩擦係数を推定する推定手段と、を備えている。
【0039】請求項1記載の発明は、第1の発明の原理
を用いたものである。ここで、路面μ勾配は、スリップ
率(又はスリップ速度)に対する路面摩擦係数μの傾き
を示す。スリップ率がゼロのときに路面μ勾配は最大に
なり、スリップ率が大きくなるに従ってグリップ力は低
下し、路面μ勾配も低下する。そして、路面μ勾配がゼ
ロになった時の路面摩擦係数が、最大路面摩擦係数であ
る。また、路面μ勾配は、スリップ角が大きくなるに従
って、すなわち横加速度が大きくなるに従って低下する
性質も有する。このように、路面μ勾配は、様々な要因
によって変化する。
【0040】また、横力余裕度(=1−横加速度/最大
路面摩擦係数)に対する路面μ勾配低下率(直進時に対
する旋回時の低下率)は、最大路面摩擦係数の値にかか
わらず、図3に示したような関係になる。したがって、
路面μ勾配の低下率、横加速度、最大路面摩擦係数のう
ち2つのパラメータが決定されれば、残り1つのパラメ
ータが決定される。
【0041】そこで、低下時検出手段は、旋回時の路面
μ勾配が直進時における路面μ勾配の所定の割合になっ
たこと、つまり路面μ勾配の所定の低下率を検出する。
また、横加速度検出手段は、横加速度を検出する。
【0042】したがって、推定手段は、路面μ勾配低下
時における横加速度を用いることによって、タイヤグリ
ップが限界になる前に旋回時の最大路面摩擦係数を推定
することができる。
【0043】請求項2記載の発明は、基準ヨーレイトを
演算する基準ヨーレイト演算手段と、実ヨーレイトを検
出する実ヨーレイト検出手段と、前記基準ヨーレイト演
算手段で演算された基準ヨーレイトと前記実ヨーレイト
で検出された実ヨーレイトとの差に基づいてドリフト量
を演算するドリフト量演算手段と、横加速度を検出する
横加速度検出手段と、前記横加速度検出手段で検出され
た横加速度と前記ドリフト量演算手段で演算されたドリ
フト量との所定時間毎の変化量を演算する変化量演算手
段と、前記変化量演算手段で演算された変化量が所定の
閾値を超えた変化量増加時を検出する増加時検出手段
と、前記増加時検出手段で検出された変化量増加時にお
ける横加速度に基づいて最大路面摩擦係数を推定する推
定手段と、を備えている。
【0044】請求項2記載の発明は、第2の発明の原理
を用いたものである。ここで、基準ヨーレイトは、車両
モデル及び車両状態によって決定されるヨーレイトの基
準値である。実ヨーレイトは、車両に生じる実際のヨー
レイトである。したがって、基準ヨーレイトと実ヨーレ
イトとの差に基づいて操舵角相当量に変換されたドリフ
ト量は、車両の旋回傾向を示すパラメータである。
【0045】また、変化量演算手段は、横加速度検出手
段で検出された横加速度と、ドリフト量演算手段で演算
されたドリフト量と、の所定時間毎の変化量を演算す
る。この変化量は、タイヤ摩擦力が線形領域にあるか非
線形領域にあるかを示すパラメータである。また、線形
領域と非線形領域の境界周辺においては、路面摩擦係数
は、最大路面摩擦係数に対して所定の割合になる。
【0046】そこで、増加時検出手段は、変化量が所定
の閾値を超えた時である変化量増加時を検出すること
で、線形領域と非線形領域の境界周辺、つまり路面摩擦
係数が最大路面摩擦係数に対して所定の割合になる領域
を検出する。そして、推定手段は、横加速度から路面摩
擦係数が求められることを考慮して、変化量増加時にお
ける横加速度から逆算することによって、タイヤグリッ
プが限界になる前に旋回時最大路面摩擦係数を推定する
ことができる。
【0047】請求項3記載の発明は、路面μ勾配を演算
する路面μ勾配演算手段と、前記路面μ勾配演算手段で
演算された路面μ勾配が、直進時における路面μ勾配に
対して所定割合まで低下した路面μ勾配低下時を検出す
る低下時検出手段と、基準ヨーレイトを演算する基準ヨ
ーレイト演算手段と、実ヨーレイトを検出する実ヨーレ
イト検出手段と、前記基準ヨーレイト演算手段で演算さ
れた基準ヨーレイトと前記実ヨーレイトで検出された実
ヨーレイトとの差に基づいてドリフト量を演算するドリ
フト量演算手段と、前記横加速度検出手段で検出された
横加速度と前記ドリフト量演算手段で演算されたドリフ
ト量との所定時間毎の変化量を演算する変化量演算手段
と、前記変化量演算手段で演算された変化量が所定の閾
値を超えた変化量増加時を検出する増加時検出手段と、
横加速度を検出する横加速度検出手段と、前記低下時検
出手段で検出された路面μ勾配低下時、前記増加時検出
手段で検出された変化量増加時のいずれか早い時の横加
速度に基づいて、最大路面摩擦係数を推定する推定手段
と、を備えている。
【0048】請求項3記載の発明は、第1及び第2の発
明の原理を合わせて構成されたものである。ここで、定
常旋回時では請求項1記載の発明の方が最大路面摩擦係
数の推定速度が速く、スラローム走行時では請求項2記
載の発明の方が最大路面摩擦係数の推定速度が速い。
【0049】そこで、本発明は、低下時検出手段で検出
された路面μ勾配低下時、増加時検出手段で検出された
変化量増加時のいずれか早い時の横加速度に基づいて、
最大路面摩擦係数を推定する。これにより、どのような
旋回状況であっても、推定速度を速くすることができ
る。
【0050】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれか1項記載の発明において、推定手段は、前記横
加速度に対して、タイヤモデルに応じた所定の係数を乗
じることで最大路面摩擦係数を推定することを特徴とす
る。
【0051】タイヤモデルが異なると、横力とタイヤ摩
擦特性との関係も異なる。したがって、最大路面摩擦係
数を求める時に用いられる上記所定の係数は、タイヤモ
デルに応じて最適な値に設定するのが好ましい。これに
より、タイヤモデルが異なっても精度よく最大路面摩擦
係数を推定することができる。
【0052】請求項5記載の発明は、請求項2または3
項記載の発明において、前記変化量演算手段は、所定時
間毎の横加速度に対する所定時間毎のドリフト量によっ
て表される回帰直線の傾きを前記変化量として演算し、
前記増加時検出手段は、前記変化量演算手段で演算され
た傾きが零を含む零近傍の閾値を超えたときに前記変化
量増加時を検出することを特徴とする。
【0053】回帰直線の傾きが負の場合ではタイヤ摩擦
力の特性は線形領域にあり、回帰直線の傾きが正の場合
ではタイヤ摩擦力の特性は非線形領域にある。したがっ
て、回帰直線の傾きが零を含む零近傍の値になると、タ
イヤ摩擦力の特性は線形領域と非線形領域の境界周辺の
値になる。
【0054】したがって、増加時検出手段は、変化量演
算手段で演算された傾きが零を含む零近傍の閾値を超え
たときに前記変化量増加時を検出することによって、線
形領域と非線形領域の境界近傍を検出することができ
る。この結果、変化量増加時における横加速度から逆算
することによって、タイヤグリップが限界になる前に旋
回時の最大路面摩擦係数を推定することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0056】(全体構成)図9は、本発明の実施の形態
に係る最大路面摩擦係数推定装置1の構成を示す図であ
る。
【0057】最大路面摩擦係数推定装置1は、実ヨーレ
イトγ1を検出するヨーレイトセンサ11と、操舵角θ
を検出する操舵角センサ12と、横加速度Gyを検出す
る横加速度センサ13と、車輪の回転角速度を検出して
車輪速信号を出力する車輪速センサ14と、各センサの
検出結果に基づいて最大路面摩擦係数μmaxを推定す
る電子制御ユニット(以下「ECU」という。)20
と、を備えている。なお、車輪速センサ14は車両の各
車輪に対してそれぞれ設けられているが、ここでは1つ
のみを例示した。
【0058】図10は、ECU20の機能的な構成を示
すブロック図である。
【0059】ECU20は、μ勾配を演算するμ勾配演
算部21と、μ勾配と閾値とを比較してμ勾配の低下率
を判定する閾値判定部22と、ドリフト量Dを演算する
ドリフト量演算部23と、横加速度Gyとドリフト量D
との回帰直線の傾きαを演算する回帰直線演算部24
と、回帰直線の傾きαと閾値とを比較して傾きαが正に
なる時を判定する閾値判定部25と、横加速度Gyから
最大路面摩擦係数μmaxを推定するμmax推定部2
6と、を備えている。
【0060】(第1の推定手法)最初に、μ勾配と横加
速度Gyとの関係を利用することで最大路面摩擦係数μ
maxを推定する第1の推定手法について説明する。
【0061】μ勾配演算部21は、車輪速センサ14か
ら出力された車輪速信号に基づいて、スリップ率(又は
スリップ速度)に対する路面摩擦係数μの傾き(勾配)
であるμ勾配を演算し、演算されたμ勾配を閾値判定部
22に供給する。
【0062】μ勾配の演算手法は特に限定されるもので
はなく、例えば特開平11−78843号公報に記載さ
れた手法を用いることができる。また、μ勾配演算部2
1は、μ勾配と等価なパラメータを演算してもよく、例
えば特開平10−114263号公報に記載されている
制動トルク勾配又は駆動トルク勾配を演算してもよい。
【0063】閾値判定部22は、μ勾配演算部21で演
算されたμ勾配のうち直進時に演算されたμ勾配を記憶
する。直進時では操舵角θ、実ヨーレイトγ1、横加速
度Gyの少なくとも1つがほぼゼロの値になるので、こ
れらのパラメータの少なくとも1つがほぼゼロになった
ときのμ勾配を記憶すればよい。そして、直進時におけ
るμ勾配より小さな値、例えば直進時におけるμ勾配の
70%の値を閾値として設定する。なお、本実施の形態
では直進時におけるμ勾配の70%の値を閾値とした
が、本発明はこれに限定されるものではなく、直進時に
おけるμ勾配の70〜80%の値であれば閾値とするこ
とができる。
【0064】つぎに、閾値判定部22は、μ勾配演算部
21から供給されるμ勾配と閾値とを比較し、μ勾配が
閾値未満になったときに、最大路面摩擦係数μmaxの
推定演算を促す第1の判定フラグを上げる。
【0065】μmax推定部26は、閾値判定部22が
第1の判定フラグを上げたことを検知すると、横加速度
センサ13で検出された横加速度Gy[G]に1.4を
乗じて、最大路面摩擦係数μmaxを推定する。なお、
本実施の形態では横加速度Gy[G]に1.4を乗じた
が、本発明はこれに限定されるものではなく、タイヤモ
デルに応じて1.3〜1.5を横加速度Gyに乗じるこ
とができる。
【0066】図11(A)は中μ路(μmax≒0.
5)を50[km/h]で定常旋回したときの勾配の時
間変化を示す図、(B)は横加速度Gyの時間変化を示
す図である。定常旋回とは、一定の操舵量でハンドルを
切りながら走行する状態をいう。なお、同図(B)で
は、更に、横加速度Gyにローパスフィルタ(LPF)
をかけたグラフも示した。LPFは、図示されていない
が、μ勾配演算部21で演算されたμ勾配に横加速度セ
ンサ13で検出された横加速度Gyを同期させるため、
擬似的なピークホールドを行うものである。
【0067】同図(A)に示すように、μ勾配は、直進
時(測定開始時から2秒後まで)では約12060[N
s/m]になった。測定開始時から2.5秒後のμ勾配
は、約9700[Ns/m]まで低下した。
【0068】同図(B)に示すように、測定開始時から
2.5秒後のフィルタ処理済みの横加速度Gyは、0.
35[G]になった。そこで、μmax推定部26は、
次の式(6)に従って最大路面摩擦係数μmaxを演算
する。
【0069】
【数6】
【0070】以上のように、最大路面摩擦係数推定装置
1は、旋回時のμ勾配が直進時のμ勾配に対して所定の
割合まで低下したことを検出することにより、タイヤグ
リップの低下の度合を検知できるので、タイヤグリップ
が限界に達する前に最大路面摩擦係数μmaxを求める
ことができる。
【0071】また、最大路面摩擦係数推定装置1は、図
3に示すようなμ勾配低下率と横力余裕度(横加速度及
び最大路面摩擦係数μmax)との関係を用いて横加速
度Gyに乗じる係数を決定するので、μ勾配低下率及び
横加速度を検出するだけで、最大路面摩擦係数μmax
を推定することができる。特に、定常旋回のようにμ勾
配や横加速度が大きく変化しない場合には、図3に示し
たμ勾配低下率と横力余裕度との関係を用いることで、
精度よく最大路面摩擦係数μmaxを推定することがで
きる。
【0072】(第2の推定手法)つぎに、ドリフト量D
と横加速度Gyとの関係を利用することで最大路面摩擦
係数μmaxを推定する第2の推定手法について説明す
る。
【0073】ドリフト量演算部23は、図10に示すよ
うに、車輪速信号、操舵角θ、実ヨーレイトγ1、横加
速度Gyに基づいて、スピン傾向/ドリフト傾向を示す
旋回状態を推定するためのパラメータであるドリフト量
Dを演算する。
【0074】図12は、ドリフト量演算部23の機能的
な構成を示すブロック図である。ドリフト量演算部23
は、車両モデルと車両状態量とによって定まる基準ヨー
レイトγ0を演算する基準ヨーレイト演算部31と、基
準ヨーレイトγ0と実ヨーレイトγ1とから残差ヨーレ
イトγerrを演算する演算器32と、残差ヨーレイト
γerrを操舵角相当量に変換してドリフト量Dを求め
る操舵角変換部33と、を備えている。
【0075】基準ヨーレイト演算部31は、操舵角セン
サ12で検出された操舵角θ、横加速度センサ13で検
出された横加速度Gy、車輪速センサ14で検出された
車輪速信号から得られる車速Vを用いて、次の式(7)
に従って基準ヨーレイトγ0を演算する。
【0076】
【数7】
【0077】ここで、ギア比N、ホイールベースL、ス
タビリティファクタKhについては予め記憶しておけば
よい。なお、式(7)は、バンク走行の場合も適用する
ことができる。
【0078】演算器32は、基準ヨーレイト演算部31
で演算された基準ヨーレイトγ0からヨーレイトセンサ
11で検出された実ヨーレイトγ1を減算して残差ヨー
レイトγerrを求め、この残差ヨーレイトγerrを
操舵角変換部33に供給する。
【0079】操舵角変換部33は、演算器32から供給
された残差ヨーレイトγerrを、操舵角相当量である
ドリフト量Dに変換して、変換されたドリフト量Dを図
10に示す回帰直線演算部24に供給する。
【0080】回帰直線演算部24は、横加速度Gyに対
するドリフト量Dで表される回帰直線の傾きαを演算す
る。ここで、横加速度Gyの時系列データをGy
(i)、ドリフト量Dの時系列データをD(i)とする
と、単位時間当たりの時系列データN個分における横加
速度Gyの平均値Gyave、ドリフト量Dの平均値D
aveはそれぞれ式(8)及び式(9)のようになる。
【0081】
【数8】
【0082】つぎに、横加速度Gyの平均値Gyav
e、ドリフト量Dの平均値Daveを用いて、式(1
0)、式(11)及び式(12)に従って、σx、σy
及びσxyをそれぞれ演算する。
【0083】
【数9】
【0084】最後に、式(13)に従って、回帰直線の
傾きαを演算する。
【0085】
【数10】
【0086】閾値判定部25は、ゼロを閾値として設定
し、回帰直線演算部24で演算された回帰直線の傾きα
が閾値を超えたかを判定する。そして、傾きαが閾値を
超えたとき、つまり回帰直線が右上がりになったとき
に、最大路面摩擦係数μmaxの推定演算を促す第2の
判定フラグを上げる。なお、本実施の形態では傾きαの
閾値としてゼロを設定したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、ゼロ近傍の正の値や負の値を閾値とし
て設定してもよい。
【0087】μmax推定部26は、閾値判定部25が
第2の判定フラグを上げたことを検知すると、横加速度
センサ13で検出された横加速度Gy[G]に1.4
(≒1/0.7)を乗じて、最大路面摩擦係数μmax
を求める。
【0088】図13は、ダート路(中μ路)を50[k
m/h]でスラローム走行したときの各パラメータの時
間変化を示す図であり、(A)は操舵角の時間変化を示
す図、(B)はドリフト量の時間変化を示す図、(C)
は横加速度の時間変化を示す図である。なお、同図
(B)には、閾値判定部25によって上げられた第2の
判定フラグを点線で示した。
【0089】図14は、低μ路を50[km/h]でス
ラローム走行したときの各パラメータの時間変化を示す
図であり、(A)は操舵角の時間変化を示す図、(B)
はドリフト量の時間変化を示す図、(C)は横加速度の
時間変化を示す図である。なお、同図(B)には、閾値
判定部25による第2の判定フラグのタイミングを点線
で示した。また、同図(C)には、参考のために、閾値
判定部22による第1の判定フラグのタイミングも示し
た。
【0090】μmax推定部26は、図13(B)及び
図14(B)に示す判定フラグが立てられた時点におい
て、図13(C)及び図14(C)に示すフィルタ処理
済みの横加速度Gyに1.4を乗じて、最大路面摩擦係
数μmaxを推定した。
【0091】以上のように、最大路面摩擦係数推定装置
1は、ドリフト走行のように横加速度Gyやドリフト量
Dが急激に変化する場合であっても、横加速度Gyの変
化量に対するドリフト量Dの変化量、つまり回帰直線の
傾きαを演算し、傾きαと閾値とを比較することで、路
面摩擦係数μが最大路面摩擦係数μmaxの0.7倍に
なる時を検出することができる。そして、このとき検出
される横加速度Gyに0.7の逆数である1.4を乗じ
ることによって、最大路面摩擦係数μmaxを推定する
ことができる。
【0092】すなわち、最大路面摩擦係数推定装置1
は、ドリフト走行のように横加速度Gyやドリフト量D
が急激に変化する場合であっても、路面摩擦係数μの線
形特性と非線形特性の境界である(0.7×μmax)
の状態を検出することができるので、この状態から逆算
することで最大路面摩擦係数μmaxを精度よく推定す
ることができる。
【0093】(第3の推定手法)第1の推定手法は定常
旋回時に最大路面摩擦係数μmaxを推定するのが好ま
しく、第2の推定手法はスラローム走行時に最大路面摩
擦係数μmaxを推定するのが好ましい。
【0094】図15は、中μ路を50[km/h]で定
常旋回したときの各パラメータの時間変化を示す図であ
り、(A)は操舵角の時間変化を示す図、(B)はドリ
フト量の時間変化を示す図、(C)は横加速度Gyの時
間変化を示す図である。なお、同図(B)には、閾値判
定部25によって上げられた第2の判定フラグを点線で
示した。また、同図(C)には、図11(C)と同じ横
加速度Gyが表されており、更に、第1及び第2の判定
フラグのタイミングが示されている。
【0095】図15(C)によると、定常旋回の場合で
は、第1の判定フラグは、第2の判定フラグよりも早い
タイミングで立った。つまり、定常旋回では、第1の推
定手法は、第2の推定手法よりも最大路面摩擦係数μm
axの推定速度が速いことが分かる。
【0096】また、図14に示したように、スラローム
走行の場合では、第2の判定フラグは、第1の判定フラ
グよりも早いタイミングで立った。つまり、スラローム
走行の場合では、第2の推定手法は、第1の推定手法よ
りも速い操舵に対する応答性が高く、最大路面摩擦係数
μmaxの推定速度が速いことが分かる。
【0097】一方、第1及び第2の推定手法は、所定の
タイミングにおける横加速度Gyに所定の係数を乗じる
ことによって最大路面摩擦係数μmaxを推定するとい
う点では一致している。そこで、μmax推定部26
は、定常旋回やスラローム走行のような旋回状態にかか
わらず、最大路面摩擦係数μmaxの推定速度を向上さ
せるために、次のようにすればよい。
【0098】すなわち、μmax推定部26は、第1の
判定フラグ、第2の判定フラグの一方が上げられたこと
を検知すると、そのときの横加速度Gyに1.4を乗じ
て最大路面摩擦係数μmaxを推定する。これにより、
定常旋回や高速旋回のいずれの旋回状況であっても、迅
速かつ精度よく最大路面摩擦係数μmaxを推定するこ
とができる。なお、本実施の形態では横加速度Gy
[G]に1.4を乗じたが、本発明はこれに限定される
ものではなく、第3の推定手法においてもタイヤモデル
に応じて1.3〜1.5を横加速度Gyに乗じることが
できる。
【0099】以上のように、最大路面摩擦係数推定装置
1は、旋回時のμ勾配が直進時のμ勾配に比べて0.7
倍になったとき、路面摩擦係数μが最大路面摩擦係数μ
maxの0.7倍になったときのいずれか早い方を検出
し、その時の横加速度Gyに1.4を乗じることで、ど
のような旋回状況であっても、迅速かつ高精度に最大路
面摩擦係数μmaxを推定することができる。
【0100】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事
項の範囲内で種々の設計上の変更を行うことができるの
は勿論である。
【0101】
【発明の効果】本発明に係る最大路面摩擦係数推定装置
は、路面μ勾配が直進時における路面μ勾配に対して所
定割合まで低下した時を検出し、この時の横加速度に基
づいて最大路面摩擦係数を推定することにより、タイヤ
グリップが限界になる前に旋回時の最大路面摩擦係数を
推定することができる。
【0102】また、本発明に係る最大路面摩擦係数推定
装置は、横加速度とドリフト量との所定時間毎の変化量
を演算し、演算された変化量が所定の閾値を超えた時の
横加速度に基づいて最大路面摩擦係数を推定することに
より、タイヤグリップが限界になる直前の所定状態から
旋回時の最大路面摩擦係数を推定することができる。
【0103】さらに、本発明に係る最大路面摩擦係数推
定装置は、路面μ勾配が直進時における路面μ勾配に対
して所定割合まで低下した路面μ勾配低下時、横加速度
とドリフト量との所定時間毎の変化量が所定の閾値を超
えた変化量増加時のいずれか早い時を検出し、その時の
横加速度に基づいて最大路面摩擦係数を推定することに
より、どのような旋回状況であっても、最大路面摩擦係
数を速く推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は直進時の前後スリップ率に対するタイ
ヤ前後力の関係を示す図であり、(B)はスリップ角が
発生した時の前後スリップ率に対するタイヤ前後力の関
係を示す図である。
【図2】スリップ角[deg]に対する路面μ勾配[N
s/m]の関係を示す図である。
【図3】横力余裕度に対する路面μ勾配の低下率を示す
図である。
【図4】ドリフト量の時間変化を模式的に示した図であ
る。
【図5】(A)はアスファルト路(高μ路)を20[k
m/h]でスラローム走行したときのドリフト量の時間
変化を示す図、(B)は低μ路を20[km/h]でス
ラローム走行したときのドリフト量の時間変化を示す図
である。
【図6】(A)はアスファルト路を20[km/h]で
スラローム走行したときの横加速度に対するドリフト量
の関係を示す図、(B)は低μ路を20[km/h]で
スラローム走行したときの横加速度に対するドリフト量
の関係を示す図である。
【図7】(A)は、アスファルト路を20[km/h]
でスラローム走行したときの横加速度に対するドリフト
量の関係を模式的に示した図、(B)は、低μ路を20
[km/h]でスラローム走行したときの横加速度に対
するドリフト量の関係を模式的に示した図である。
【図8】スリップ角に対する路面摩擦係数μの特性を示
す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る最大路面摩擦係数推
定装置の構成を示す図である。
【図10】ECUの機能的な構成を示すブロック図であ
る。
【図11】(A)は中μ路(μmax≒0.5)を50
[km/h]で定常旋回したときの勾配の時間変化を示
す図、(B)は横加速度Gyの時間変化を示す図であ
る。
【図12】ドリフト量演算部の機能的な構成を示すブロ
ック図である。
【図13】ダート路(中μ路)を50[km/h]でス
ラローム走行したときの各パラメータの時間変化を示す
図であり、(A)は操舵角の時間変化を示す図、(B)
はドリフト量の時間変化を示す図、(C)は横加速度の
時間変化を示す図である。
【図14】低μ路を50[km/h]でスラローム走行
したときの各パラメータの時間変化を示す図であり、
(A)は操舵角の時間変化を示す図、(B)はドリフト
量の時間変化を示す図、(C)は横加速度の時間変化を
示す図である。
【図15】中μ路を50[km/h]で定常旋回したと
きの各パラメータの時間変化を示す図であり、(A)は
操舵角の時間変化を示す図、(B)はドリフト量の時間
変化を示す図、(C)は横加速度Gyの時間変化を示す
図である。
【符号の説明】
1 最大路面摩擦係数推定装置 11 ヨーレイトセンサ 12 操舵角センサ 13 横加速度センサ 14 車輪速センサ 20 ECU 21 勾配演算部 22,25 閾値判定部 23 ドリフト量演算部 24 回帰直線演算部 26 μmax推定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅井 賢 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 溝口 洋司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 堀之内 克年 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D046 BB23 HH08 HH21 HH25 HH36 HH46 JJ01 JJ06 KK06 KK09 KK11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面μ勾配を演算する路面μ勾配演算手
    段と、 横加速度を検出する横加速度検出手段と、 前記路面μ勾配演算手段で演算された路面μ勾配が、直
    進時における路面μ勾配に対して所定割合まで低下した
    路面μ勾配低下時を検出する低下時検出手段と、 前記低下時検出手段で検出された路面μ勾配低下時にお
    ける横加速度に基づいて最大路面摩擦係数を推定する推
    定手段と、 を備えた最大路面摩擦係数推定装置。
  2. 【請求項2】 基準ヨーレイトを演算する基準ヨーレイ
    ト演算手段と、 実ヨーレイトを検出する実ヨーレイト検出手段と、 前記基準ヨーレイト演算手段で演算された基準ヨーレイ
    トと前記実ヨーレイトで検出された実ヨーレイトとの差
    に基づいてドリフト量を演算するドリフト量演算手段
    と、 横加速度を検出する横加速度検出手段と、 前記横加速度検出手段で検出された横加速度と前記ドリ
    フト量演算手段で演算されたドリフト量との所定時間毎
    の変化量を演算する変化量演算手段と、 前記変化量演算手段で演算された変化量が所定の閾値を
    超えた変化量増加時を検出する増加時検出手段と、 前記増加時検出手段で検出された変化量増加時における
    横加速度に基づいて最大路面摩擦係数を推定する推定手
    段と、 を備えた最大路面摩擦係数推定装置。
  3. 【請求項3】 路面μ勾配を演算する路面μ勾配演算手
    段と、 前記路面μ勾配演算手段で演算された路面μ勾配が、直
    進時における路面μ勾配に対して所定割合まで低下した
    路面μ勾配低下時を検出する低下時検出手段と、 基準ヨーレイトを演算する基準ヨーレイト演算手段と、 実ヨーレイトを検出する実ヨーレイト検出手段と、 前記基準ヨーレイト演算手段で演算された基準ヨーレイ
    トと前記実ヨーレイトで検出された実ヨーレイトとの差
    に基づいてドリフト量を演算するドリフト量演算手段
    と、 横加速度を検出する横加速度検出手段と、 前記横加速度検出手段で検出された横加速度と前記ドリ
    フト量演算手段で演算されたドリフト量との所定時間毎
    の変化量を演算する変化量演算手段と、 前記変化量演算手段で演算された変化量が所定の閾値を
    超えた変化量増加時を検出する増加時検出手段と、 前記低下時検出手段で検出された路面μ勾配低下時、前
    記増加時検出手段で検出された変化量増加時のいずれか
    早い時の横加速度に基づいて、最大路面摩擦係数を推定
    する推定手段と、 を備えた最大路面摩擦係数推定装置。
  4. 【請求項4】 前記推定手段は、前記横加速度に対し
    て、タイヤモデルに応じた所定の係数を乗じることで最
    大路面摩擦係数を推定することを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか1項記載の最大路面摩擦係数推定装置。
  5. 【請求項5】 前記変化量演算手段は、所定時間毎の横
    加速度に対する所定時間毎のドリフト量によって表され
    る回帰直線の傾きを前記変化量として演算し、 前記増加時検出手段は、前記変化量演算手段で演算され
    た傾きが零を含む零近傍の閾値を超えたときに前記変化
    量増加時を検出することを特徴とする請求項2または3
    記載の最大路面摩擦係数推定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006297973A (ja) * 2005-04-15 2006-11-02 Fuji Heavy Ind Ltd トルク配分制御装置
JP2009029220A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用ブレーキ液圧制御装置
JP2010228690A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Hitachi Ltd 車両運動制御装置

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