JP2007308027A - 路面摩擦係数推定方法、路面摩擦係数推定システム、及び、路面摩擦係数推定コンピュータプログラム - Google Patents

路面摩擦係数推定方法、路面摩擦係数推定システム、及び、路面摩擦係数推定コンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】瞬間的な路面摩擦係数を高精度で推定するための方法、システム、およびコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】アクティブシャシーシステムと、道路対車輪の摩擦推定(RFE)のための方法、システム、およびコンピュータプログラムに関し、路面摩擦係数を推定する方法10は、車両の動的モデルに基づくアルゴリズムを用いて路面摩擦係数を連続的に推定するステップ11と、予め設定した過渡的または静的な車両走行パラメータに基づき路面摩擦係数範囲を設定するステップ12と、路面摩擦係数推定ステップで推定する路面摩擦係数を範囲設定ステップで設定する路面摩擦係数範囲に維持するべくアルゴリズムを再設定させるステップ13を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アクティブシャシーシステムと、路面と車両のタイヤとの間の摩擦係数推定(RFE)のための方法、システム、及び、コンピュータプログラムに関する。より具体的には、路面摩擦係数を特に高精度で推定するための方法、システム、及び、コンピュータプログラムに関する。
乗用車などの車両の運転中に運転者が遭遇しうる路面は、アスファルト、砂利道、乾いた路面、湿った路面、氷結路面、雪道など様々である。これらの路面および他の種類の路面は、それぞれ異なる路面摩擦係数によって特徴付けられ、タイヤのグリップおよび車両の安定性に影響する。
例えば、安全性のため、すなわち運転者、同乗者、および他の道路利用者の安全のため、並びに走行の経済性、快適さ、および性能のため、様々な路面条件に対して車両がいつでも素早く対応可能であるように車両を操作できることが重要である。
この課題へのアプローチの1つとして、瞬間的な路面摩擦係数の推定値を利用する方法がある。瞬間的な路面摩擦係数を推定するために、従来技術においてさまざまな原理が開示されている。
第1のRFEモデルとして、車両の運動モデルに基づいて時々刻々の路面摩擦係数を求めるものがある(たとえば特許文献1に記載)。この第1のRFEモデルでは、アルゴリズムがパラメータの特定に基づくので、検出値を安定化するために応答を低く設定する必要があり、路面状況の急変に対応できないという問題がある。
また、第2のRFEモデルとして、車輪の速度差、たとえば駆動または制動による速度差、に基づき路面摩擦係数を推定するケースがある(たとえば特許文献2に記載)。1つのモデルは、車両前方の道路条件を認識するプレビューカメラと、さまざまなインフラストラクチャ情報とを含む。
更に、第3のRFEモデルとして、セルフアライニングトルクの利用に基づき路面摩擦係数を推定するケースがある(たとえば特許文献3に記載)。
上述の第2、第3のRFEモデルについては、他の問題が発生する。まず第一に、推定可能な条件が制限される。更に、これらの方法では、瞬間的な路面摩擦係数を連続的に算出できない。アクティブシャシーシステムが高度であるほど、滑りやすい路面、乾いた路面、及び、他の複数の道路条件をカバーするために必要となる様々な妥協が、より一層の制限要因になる。
特開平8−2274号公報(米国特許第5,742,917号) 特開2003−237558号公報 特開2002−12160号公報(米国特許第6,556,911号)
上述したように、公知の各解決策の欠点を軽減でき、路面摩擦係数のより信頼性の高い高精度の推定を行うことが可能で、車両の運転者、同乗者、および他の道路利用者のためになる解決策が必要とされていることは明らかである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、瞬間的な路面摩擦係数を高精度で推定することが可能な路面摩擦係数推定方法、路面摩擦係数推定システム、及び、路面摩擦係数推定コンピュータプログラムを提供することを目的としている。
この目的は、車両の動的モデルに基づき瞬間的な路面摩擦係数を算出するためのアルゴリズムの安定した連続算出機能の特徴と、セルフアライニングトルクに基づくアルゴリズムの高速、正確な応答の特徴とを組み合わせて使用することによって、基本的に達成される。
本発明の路面摩擦係数推定方法によれば、車両の動的モデルに基づくアルゴリズムを用いて路面摩擦係数を連続的に推定する路面摩擦係数推定ステップと、予め設定した過渡的または静的な車両走行パラメータに基づき、路面摩擦係数範囲を設定する範囲設定ステップと、上記路面摩擦係数推定ステップで推定する路面摩擦係数を上記範囲設定ステップで設定する路面摩擦係数範囲に維持するべく上記アルゴリズムを再設定させる調整ステップとを備えたことを特徴としている。
本発明による解決策の1つの利点は、動作範囲がより大きく、より広い適用範囲をカバーする点である。従って、この解決策を実装すると、アクティブシャシーシステムの性能が向上する。
別の利点は、推定する路面摩擦係数の定常条件における安定した挙動と路面摩擦係数の変化への高速応答との間で妥協が一切不要な点である。
さらなる利点は、アルゴリズムの励起が極めて低いかゼロであっても路面摩擦係数の推定値が出力される点である。
さらに別の利点は、このアルゴリズムを再設定させるために他の任意の新しいアルゴリズムを取り込める点である。
本発明による方法の一実施態様によると、上記調整ステップは、上記路面摩擦係数推定ステップで推定する路面摩擦係数が上記範囲設定ステップで設定する路面摩擦係数範囲の上限値より高い場合は、上記路面摩擦係数を上記上限値より低くなるように上記アルゴリズムを再設定させる。
本発明による方法の別の実施態様によると、上記調整ステップは、上記路面摩擦係数推定ステップで推定する路面摩擦係数が上記範囲設定ステップで設定する路面摩擦係数範囲の下限値より低い場合は、上記路面摩擦係数を上記下限値より高くなるように上記アルゴリズムを再設定させる。
本発明の方法のさらに別の実施態様によると、上記調整ステップは、上記路面摩擦係数推定ステップで推定する路面摩擦係数が上記範囲設定ステップで設定する路面摩擦係数範囲で収束するように上記アルゴリズムを再設定させる。
これらの実施態様の利点は、推定する路面摩擦係数の定常条件における安定した挙動と路面摩擦係数の変化への高速応答との間で妥協が一切不要な点である。
本発明の方法の一実施態様によると、上記範囲設定ステップは、セルフアライニングトルクを測定するステップと、上記測定したセルフアライニングトルクに基づき上記路面摩擦係数範囲を算出するステップとを有する。
本発明の方法の一実施態様によると、上記範囲設定ステップは、車両の横加速度と前後加速度の少なくとも1つを測定するステップと、上記測定した車両の加速度に基づき上記路面摩擦係数範囲を算出するステップとを有する。
本発明の1つの利点は、推定する路面摩擦係数の上限および下限をそれぞれ独立のアルゴリズムによって別個に設定できる点である。つまり、各アルゴリズムをそれぞれ別個に最大性能に調整することができる。
さらに、本発明によると、上記の路面摩擦係数を算出するためのアルゴリズムの算出スパンをforget関数によって広げうる。
本発明の方法の一実施態様によると、上記範囲設定ステップで用いる上記車両走行パラメータは、車載センサからの信号に基づいて推定した環境や車両前方の道路条件を認識するプレビューカメラやインフラストラクチャ情報等に基づいて推定した環境の少なくとも一つに応じたものである。
この1つの利点は、推定アルゴリズムが運転者の操作中以外でも機能しうる点である。
本発明の路面摩擦係数推定システムによれば、車両の動的モデルに基づくアルゴリズムを用いて路面摩擦係数を連続的に推定する路面摩擦係数推定手段と、予め設定した過渡的または静的な車両走行パラメータに基づき、路面摩擦係数範囲を設定する範囲設定手段と、上記路面摩擦係数推定手段で推定する路面摩擦係数を上記範囲設定手段で設定する路面摩擦係数範囲に維持するべく上記アルゴリズムを再設定させる調整手段とを備えたことを特徴としている。
上記システムによって得られる利点は、路面摩擦を推定するための上記方法の上記利点に相当する。
本発明のシステムの好適な一実施態様によると、上記調整手段は、上記路面摩擦係数推定手段で推定する路面摩擦係数が上記範囲設定手段で設定する路面摩擦係数範囲の上限値より高い場合は、上記路面摩擦係数を上記上限値より低くなるように上記アルゴリズムを再設定させる。
本発明のシステムの好適な一実施態様によると、上記調整手段は、上記路面摩擦係数推定手段で推定する路面摩擦係数が上記範囲設定手段で設定する路面摩擦係数範囲の下限値より低い場合は、上記路面摩擦係数を上記下限値より高くなるように上記アルゴリズムを再設定させる。
本発明のシステムの好適な一実施態様によると、上記調整手段は、上記路面摩擦係数推定手段で推定する路面摩擦係数が上記範囲設定手段で設定する路面摩擦係数範囲で収束するように上記アルゴリズムを再設定させる。
本発明のシステムの好適な一実施態様によると、上記範囲設定手段は、セルフアライニングトルクを測定する手段と、上記測定したセルフアライニングトルクに基づき上記路面摩擦係数範囲を算出する手段とを有する。
本発明のシステムの好適な一実施態様によると、上記範囲設定手段は、車両の横加速度と前後加速度の少なくとも1つを測定する手段と、上記測定した車両の加速度に基づき上記路面摩擦係数範囲を算出する手段とを有する。
本発明の路面摩擦係数推定コンピュータプログラムによれば、上記路面摩擦係数推定方法の何れか一つに記載の路面摩擦係数推定方法を実行するためのコードを含むことを特徴としている。
上記路面摩擦係数推定コンピュータプログラムによって得られる利点は、路面摩擦係数を推定するための上記方法の上記利点に相当する。
本発明の好適な一実施態様によると、路面摩擦係数推定コンピュータプログラムはコンピュータ読み取り可能媒体に格納される。
たとえば、この路面摩擦係数推定コンピュータプログラムは車載電子制御ユニット(ECU)などのコンピュータ読み取り可能媒体に格納してもよい。
本発明の1つの利点は、動作範囲がより大きく、より広い適用範囲をカバーする点である。従って、この解決策を実装すると、アクティブシャシーシステムの性能が向上する。
別の利点は、推定する路面摩擦係数の定常条件における安定した挙動と路面摩擦係数の変化への高速応答との間で妥協が一切不要な点である。
さらなる利点は、アルゴリズムの励起が極めて低いかゼロであっても路面摩擦係数の推定値が出力される点である。
さらに別の利点は、このアルゴリズムを再設定させるために他の任意の新しいアルゴリズムを取り込める点である。
さらに別の利点は、推定する路面摩擦係数の上限および下限をそれぞれ独立のアルゴリズムによって別個に設定できる点である。つまり、各アルゴリズムを別個に最大性能に調整することができる。
さらに、路面摩擦係数を算出するためのアルゴリズムの算出スパンをforget関数によって広げうる。
本発明の特徴は、図面を参照するとより明らかになるであろう。
以下に、図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、これは一例であり、例示のみを目的としたものである。
図1は、本発明の一実施形態による、路面15と車両17のタイヤ16との間の路面摩擦係数を推定するためのシステム10の概略図であり、このシステム10は、該車両の動的モデルに基づくアルゴリズムを用いて路面摩擦係数(μ)を連続的に推定する手段11と、特定の過渡的または静的な走行条件に基づき路面摩擦係数範囲を求める手段12と、推定路面摩擦係数(μ)を上記範囲に維持するべく上記アルゴリズムを再設定させる手段13と、センサ手段14とを含む。手段11〜13は、車両17の構成部品または装置、たとえばブレーキまたはモータなど、のための制御ユニットである車載電子制御ユニット(ECU)などのコンピュータ読み取り可能媒体18に格納される。このため、上記コンピュータ読み取り可能媒体、つまりECU、は、一般的なコンピュータ手段およびデータ記憶手段に対応する手段を含む。
ここで説明する本発明によるアルゴリズムの設計では、車両の動的モデルに基づき瞬間的な路面摩擦係数(μ)を算出する手段11の上記アルゴリズムを連続的に使用するばかりでなく、路面摩擦係数(μ)の変化の検出を高速化するため路面摩擦係数範囲を求める手段12の付加的支援アルゴリズムも使用する。
つまり、車両の動的モデルに基づき瞬間的な路面摩擦係数(μ)を算出する手段11の上記アルゴリズムが特許文献1と同様の方法で推定μを(連続的に)算出する一方で、手段12の上記支援アルゴリズムは推定される路面摩擦係数(μ)の上下限値を設定する。
手段11が算出に用いる基準車両動的モデルは、二輪モデルに基づく。ただし、本発明では他の任意の車両モデルを使用しうる。このモデルからの出力は、前車軸の推定横滑り角および横速度である。ただし、このモデルは、ヨーレート/ヨー誤差も出力しうる。このモデルは、たとえば、動的荷重移動、横力、およびヨー誤差に対する推定値も取り込む。
不要に複雑な車両モデルを構築せずに、手段11は横および前後の荷重移動の算出を使用できる。それ故に、動的荷重移動は、本発明におけるアルゴリズム戦略の極めて重要な部分である。これによって、路面摩擦係数推定の左右の算出の分離が可能になる。この利点は、旋回外側車輪の方が常に大きな力を示し、信号分解能が高い点である。さらに、旋回外側車輪は、旋回性に最も大きな影響を及ぼす車輪でもある。
荷重移動ブロックは、車両の旋回時、加速時、または制動時に車輪に作用する力を修正するように設計される。
手段11によって算出される瞬間的な路面摩擦係数(μ)に対する上下限値は、手段12のさまざまな支援アルゴリズムによって算出されるが、これらの支援アルゴリズムは、車両の動的モデルに基づき瞬間的な路面摩擦係数(μ)を算出する手段11のアルゴリズムと必ずしも同時に機能するわけではない。
手段12のこれらの支援アルゴリズムの1つは、セルフアライニングトルクアルゴリズムである。このアルゴリズムは、車両の動的モデルに基づき瞬間的な路面摩擦係数(μ)を算出する手段11のアルゴリズムとほぼ同じ走行条件下で、たとえば車両の速度が閾値を超え、操舵角が閾値より大きいときに機能する。
手段12の該アルゴリズムは最初に、セルフアライニングトルクに基づき、路面摩擦係数(μsat)を算出する。
セルフアライニングトルクの算出は次のように行えるが、これだけに限定されるものではない。
ラックとタイロッドとの間の角度に対しては、小角近似が適用される。車輪中心面とタイロッドとの間の角度は、有効モーメントアーム長(dTR_WC)を出力する操舵角依存のルックアップテーブルによって補償することもできるが、算出は外側車輪についてのみ行うので定数値に近似させることもできる。
セルフアライニングトルクは次のように導き出すことができる。
Mz_L+Mz_R=|pHPSR−pHPSL|・AHPS・dTR_WC+TSW …(1)
式中、dTR_WCは上記のように操舵角の関数である。
セルフアライニングトルクは、他の複数のパラメータによっても影響される。これらのパラメータは、ステアリング装置の摩擦(Tfr)、駆動トルク(Td)、トー(Ttoe)、および、キャンバー角(Tcamber)の変動、キャスター、静的トー、および、キャンバー(Toffset)である。
これらを(1)式に追加すると、以下の(2)式になる。
Mz_L+Mz_R=|pHPSR−pHPSL|・AHPS・dTR_WC
+TSWT−Tfr−Td−Ttoe−Tcamber−Toffset …(2)
タイロッドの力に対するキャスター、静的トー、および、キャンバーの影響は軽微であると仮定されるので、これらは車両速度に依存する定数オフセットとして扱う。
ステアリング装置の一方の側だけを一度に見ると(反対側のHPS圧は無視できると仮定して)、右折の場合、上の(2)式は次のようになる。
Mz_L=kL・(pHPSR・AHPS・dTR_WC+TSW−Tfr)
−Td−Toffset …(3)
左折の場合は次のようになる。
Mz_R=kR・(pHPSL・AHPS・dTR_WC+TSW−Tfr)
−Td−Toffset …(4)
式中、kL、kRは、車両の動的運動による荷重移動に依存するサイドバイアスである。HPSシステムの各圧力センサとハンドルトルクセンサとは、フィルタリングとセンタリングに付される。これには、セルフアライニングトルクの算出を正しく行うための機能が統合されている。
セルフアライニングトルクに基づく路面摩擦係数(μsat)は、前輪の滑り角とセルフアライニングトルクとに応じてルックアップテーブルから得られる。
瞬間的な路面摩擦係数(μ)の上下限値は、タイヤのグリップマージンに応じて設定される。タイヤのグリップマージンは、次のように算出される。
Mgrip=(μsat−(|dy/dt|/g))/μsat …(5)
ここで、Mgripはタイヤのグリップマージン、μsatはセルフアライニングトルクによって算出される路面摩擦係数、dy/dtは車両の横加速度[m/s]、gは重力加速度(9.8m/s)である。
車両の横加速度は、前後加速度、または前後加速度と横加速度とのベクトル和(平方和の平方根)によって置き換えることができる。
タイヤのグリップマージンがゼロであることは、路面摩擦係数の完全利用を意味する。タイヤのグリップマージンが小さいときは、推定精度が高いと推定されるので、手段12はセルフアライニングトルクに基づく路面摩擦係数(μsat)の上下限値間の誤差範囲(路面摩擦係数範囲)を狭く設定する。タイヤのグリップマージンが大きいときは、手段12は誤差範囲を広く設定する。この誤差範囲が手段13に提供されるので、手段13は手段11によって算出された路面摩擦係数(μ)を手段12によって設定された誤差範囲と共に積分し、車両の動的モデルに基づく路面摩擦係数(μ)の算出を上記誤差範囲の下限値または上限値から再設定する。
セルフアライニングトルクに基づく路面摩擦係数(μsat)の権威つまり信頼性は急速に下がるので、誤差範囲、すなわち車両の動的モデルに基づき瞬間的な路面摩擦係数(μ)を算出するためのアルゴリズムの算出スパン、を徐々に広げるために、forget関数を上下限値に適用する。
あるいは、本発明の第2の実施形態として、手段12は、誤差範囲として上下限値を一対で設定する代わりに、タイヤのグリップマージンに応じて路面摩擦係数(μ)に対する上限値と下限値とを個々に設定することができる。一例として、タイヤのグリップマージンが所定値より小さい場合は、上限値(μupper)を次のように設定する。
μupper=μsat/(1−Mgrip) …(6)
同様に、タイヤのグリップマージンが所定値より大きい場合は、下限値(μlower)を次のように設定する。
μlower=|dy/dt|/g …(7)
車両の動的モデルに基づき瞬間的な路面摩擦係数(μ)を算出するためのアルゴリズムの算出スパンを徐々に広げるために、forget関数を下限値または上限値に適用する。
従って、上記のように、本発明の基本的な考え方は、車両の動的モデルに基づき瞬間的な路面摩擦係数(μ)を算出するためのアルゴリズムの連続算出機能と、セルフアライニングトルクに基づくアルゴリズムの高速応答とを組み合わせて使用することである。上記の上下限値は、車両の動的モデルに基づき瞬間的な路面摩擦係数(μ)を算出するためのアルゴリズムを新しい値に素早く適応させ、アルゴリズムを再設定し、この新しい点から算出を行えるようにするために使用される。
図2は、本発明の第1の実施形態によるシステム10の動作を示す概略図である。時点20および21において、実際の路面条件が突然変化すると仮定する。手段11によって算出される路面摩擦係数(μ)はこのような路面条件の突然の変化に対応できないが、セルフアライニングトルクに基づくアルゴリズムに応じて手段12によって設定される誤差範囲の上限値によって時点20において下方に調整される。その後、手段11は、路面摩擦係数(μ)の算出をこの上限値から継続する。一方、時点21においては、手段12によって設定された誤差範囲の下限値によって路面摩擦係数(μ)を上方に調整し、その後、路面摩擦係数(μ)の算出を下限値から再開する。
図3は、本発明の第2の実施形態によるシステム10の動作を示す概略図である。時点30および31において、実際の路面条件が突然変化すると仮定する。時点30において、手段11によって算出された路面摩擦係数(μ)を、セルフアライニングトルクに基づくアルゴリズムに応じて手段12によって算出された上限値によって下方へ調整する。一方、時点31において、セルフアライニングトルクに基づくアルゴリズムに応じて手段12により算出された下限値によって路面摩擦係数(μ)を上方に調整する。
言うまでもないが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。上記の説明は、本発明の実施例の単なる説明にすぎない。請求の範囲に規定されている本発明の思想から逸脱することなくさまざまな変更および修正が可能であることを当業者は容易に認識されるであろう。
たとえば、本発明の範囲に含まれる修正として、セルフアライニングトルクに基づくアルゴリズムあるいは加速または減速アルゴリズムより性能のよい、特定の走行または道路条件のために特に設計された他の任意の種類のアルゴリズムの組み込みも含まれる。
本発明の一実施形態による、路面と車両のタイヤとの間の路面摩擦係数を推定するためのシステムの概略図 本発明の第1の実施形態によるアルゴリズムの調整を示す概略図 本発明の第2の実施形態によるアルゴリズムの調整を示す概略図
符号の説明
10 路面摩擦係数を推定するためのシステム
11 路面摩擦係数を連続的に推定する手段
12 路面摩擦係数範囲を求める手段
13 アルゴリズムを再設定させる手段
14 センサ手段
15 路面
16 タイヤ
17 車両
18 コンピュータ

Claims (16)

  1. 車両の動的モデルに基づくアルゴリズムを用いて路面摩擦係数を連続的に推定する路面摩擦係数推定ステップと、
    予め設定した過渡的または静的な車両走行パラメータに基づき、路面摩擦係数範囲を設定する範囲設定ステップと、
    上記路面摩擦係数推定ステップで推定する路面摩擦係数を上記範囲設定ステップで設定する路面摩擦係数範囲に維持するべく上記アルゴリズムを再設定させる調整ステップと、
    を備えたことを特徴とする路面摩擦係数推定方法。
  2. 上記調整ステップは、上記路面摩擦係数推定ステップで推定する路面摩擦係数が上記範囲設定ステップで設定する路面摩擦係数範囲の上限値より高い場合は、上記路面摩擦係数を上記上限値より低くなるように上記アルゴリズムを再設定させることを特徴とする請求項1記載の路面摩擦係数推定方法。
  3. 上記調整ステップは、上記路面摩擦係数推定ステップで推定する路面摩擦係数が上記範囲設定ステップで設定する路面摩擦係数範囲の下限値より低い場合は、上記路面摩擦係数を上記下限値より高くなるように上記アルゴリズムを再設定させることを特徴とする請求項1記載の路面摩擦係数推定方法。
  4. 上記調整ステップは、上記路面摩擦係数推定ステップで推定する路面摩擦係数が上記範囲設定ステップで設定する路面摩擦係数範囲で収束するように上記アルゴリズムを再設定させることを特徴とする請求項1記載の路面摩擦係数推定方法。
  5. 上記範囲設定ステップは、
    セルフアライニングトルクを測定するステップと、
    上記測定したセルフアライニングトルクに基づき上記路面摩擦係数範囲を算出するステップと、
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の路面摩擦係数推定方法。
  6. 上記範囲設定ステップは、
    車両の横加速度と前後加速度の少なくとも1つを測定するステップと、
    上記測定した車両の加速度に基づき上記路面摩擦係数範囲を算出するステップと、
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の路面摩擦係数推定方法。
  7. 上記範囲設定ステップで用いる上記車両走行パラメータは、車載センサからの信号に基づいて推定した環境や車両前方の道路条件を認識するプレビューカメラやインフラストラクチャ情報等に基づいて推定した環境の少なくとも一つに応じたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一つに記載の路面摩擦係数推定方法。
  8. 車両の動的モデルに基づくアルゴリズムを用いて路面摩擦係数を連続的に推定する路面摩擦係数推定手段と、
    予め設定した過渡的または静的な車両走行パラメータに基づき、路面摩擦係数範囲を設定する範囲設定手段と、
    上記路面摩擦係数推定手段で推定する路面摩擦係数を上記範囲設定手段で設定する路面摩擦係数範囲に維持するべく上記アルゴリズムを再設定させる調整手段と、
    を備えたことを特徴とする路面摩擦係数推定システム。
  9. 上記調整手段は、上記路面摩擦係数推定手段で推定する路面摩擦係数が上記範囲設定手段で設定する路面摩擦係数範囲の上限値より高い場合は、上記路面摩擦係数を上記上限値より低くなるように上記アルゴリズムを再設定させることを特徴とする請求項8記載の路面摩擦係数推定システム。
  10. 上記調整手段は、上記路面摩擦係数推定手段で推定する路面摩擦係数が上記範囲設定手段で設定する路面摩擦係数範囲の下限値より低い場合は、上記路面摩擦係数を上記下限値より高くなるように上記アルゴリズムを再設定させることを特徴とする請求項8記載の路面摩擦係数推定システム。
  11. 上記調整手段は、上記路面摩擦係数推定手段で推定する路面摩擦係数が上記範囲設定手段で設定する路面摩擦係数範囲で収束するように上記アルゴリズムを再設定させることを特徴とする請求項8記載の路面摩擦係数推定システム。
  12. 上記範囲設定手段は、
    セルフアライニングトルクを測定する手段と、
    上記測定したセルフアライニングトルクに基づき上記路面摩擦係数範囲を算出する手段と、
    を有することを特徴とする請求項8乃至請求項11の何れか一つに記載の路面摩擦係数推定システム。
  13. 上記範囲設定手段は、
    車両の横加速度と前後加速度の少なくとも1つを測定する手段と、
    上記測定した車両の加速度に基づき上記路面摩擦係数範囲を算出する手段と、
    を有することを特徴とする請求項8乃至請求項12の何れか一つに記載の路面摩擦係数推定システム。
  14. 請求項1乃至請求項7の何れか一つに記載の路面摩擦係数推定方法を実行するためのコードを含むことを特徴とする路面摩擦係数推定コンピュータプログラム。
  15. コンピュータ読み取り可能媒体に格納されることを特徴とする請求項14記載の路面摩擦係数推定コンピュータプログラム。
  16. 上記コンピュータ読み取り可能媒体が電子制御ユニットであることを特徴とする請求項15記載の路面摩擦係数推定コンピュータプログラム
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105083292A (zh) * 2015-09-10 2015-11-25 吉林大学 一种预估未知路面摩擦系数的方法
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