JP2003260722A - インモールド転写板の製造方法 - Google Patents

インモールド転写板の製造方法

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(57)【要約】 (修正有) 【課題】 最終品の形状を成形するためのキャビティ部
の一部をランナー形成部と一体化し、成形品の周縁を段
差を形成するように切断除去することができるインモー
ルド転写板の製造方法を提供する。 【解決手段】 成形品の形状を成形するための複数のキ
ャビティ部3b、4bと、成形品に一部が重なるランナ
ーを形成するためのランナー形成部3a、4aとを有す
る金型を用い、キャビティ部3b、4bとランナー形成
部3a、4aの上に連続フィルム6、13を通過させる段
階と、固定金型3と可動金型4とを合わせた上で所定の
射出口3cから連続フィルム6、13間に透明アクリル樹
脂を射出成形する段階と、ランナーを固定した状態で成
形品の周縁部を段差を形成するように切断除去した後、
ランナーから成形品の周縁部を切断して最終成形品を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、インモールド成形
でフィルムの絞りが大きく、また絞り部分の段差に座が
あるインモールド転写板の製造方法に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来、インモールド成形で深さがあり、
また座を形成するために段差のあるキャビティにフィル
ムを合わせようとする場合、フィルムが熱を受けながら
大きく絞れるため、このフィルム表面にずれや波打ちが
発生していた。 【0003】このフィルムのずれや波打ちを防止するた
めに、個々の成形品をインモールド成形した後、成形品
のずれや波打ちが生じた周縁部を切削加工して取り去
り、段差を設けて座を形成する方法も考えられる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、個々の成形品を切削加工するために手間がかか
り、また成形品が液晶表示の保護パネルのように小さい
ものの場合、切削加工作業の際の固定が難しい。 【0005】そこで本発明は、最終品の形状を成形する
ためのキャビティ部の一部をランナー形成部と一体化
し、成形品の周縁を段差を形成するように切断除去する
ことができるインモールド転写板の製造方法を提供する
ことを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るインモールド転写板の代表的な製造方法
は、固定金型と可動金型により形成され、成形品の形状
を成形するための複数のキャビティ部と、該成形品に一
部が重なるランナーを形成するためのランナー形成部と
を有する金型を用い、前記キャビティ部とランナー形成
部の上に連続フィルムを通過させる段階と、前記固定金
型と可動金型とを合わせた上で所定の射出口から前記連
続フィルム間に透明アクリル樹脂を射出して前記連続フ
ィルムと前記透明アクリル樹脂が一体となった前記成形
品及び前記ランナーを成形する段階と、前記ランナーを
固定した状態で前記成形品の周縁を段差を形成するよう
に切断除去した後、ランナーから成形品の周縁を切断し
て最終成形品を製造する段階と、を有することを特徴と
する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明に係るインモールド転写板
の製造方法の実施形態について、図を用いて説明する。
図1は実施形態の製造方法により形成されるインモール
ド転写板の斜視図、図2は固定金型と可動金型に連続フ
ィルムを連続して通過させる段階の説明図、図3は連続
フィルムの構成図、図4は保護パネルの製造方法の説明
図、図5は保護パネルの製造方法の説明図、図6は保護
パネルの製造方法の説明図である。 【0008】図1に、本実施形態により製造されるイン
モールド転写板の例を示す。このインモールド転写板P
は携帯電話等の電子機器表示窓のパネルとして用いられ
る。図1に示すインモールド転写板Pは透明なアクリル
の板体であって周囲に段差をつけて携帯電話等の筐体に
嵌合させる座部1bを形成し、中央部に液晶画面を表示
するための透明な表示窓1aを残している。 【0009】以下、本実施形態に係るインモールド転写
板Pの製造方法について説明する。 【0010】図2(a)に示すように、第1の工程にお
いては、固定金型3と可動金型4との間に連続フィルム
6、13を一方から他方へかけて通過させる。 【0011】図2(b)に示すように、固定金型3、可
動金型4には、成形品20の形状を成形するための複数の
キャビティ部3b、4bと、該キャビティ部と一部が重
なるランナー形成部3a、4aが形成されている。また
固定金型3のランナー形成部3a中央には透明アクリル
樹脂を射出するための射出口3cが形成されている。複
数のキャビティ部3b、4bは、ランナー形成部3a、
4a中央を中心に対向する一対のキャビティ部3b、4
bを後述の連続フィルム6、13の搬送方向に所定間隔で
複数配置している。ランナー形成部3a、4aは、射出
口3cから射出された透明アクリル樹脂をキャビティ部
3b、4bに導くための導入路であり、ここに樹脂が充
填されて固まるとランナー20bが形成される。 【0012】固定金型3には、巻取装置5とが取り付け
られている。それぞれの巻取装置5は、送出ロール5a
と、巻取ロール巻取ロール5bを有しており、両者間に
連続フィルム6を巻き掛けている。 【0013】連続フィルム6は、送出ロール5aに巻き
つけられて保持され、先端を固定金型3と可動金型4と
の間を通過させて、巻取ロール5bに巻き付けられるこ
とで準備を完了する。可動金型4も固定金型3と同様
に、連続フィルム13を巻き掛けた送出ロール25aと、巻
取ロール25bを有する巻取装置25が取り付けられてい
る。 【0014】ここで図3(a)に示すように、連続フィ
ルム6、13は、PET製のベースフィルム7、14上に順
に、接着性を有しない材質からなる剥離層8、15、表面
の硬度を向上させるためのハードコート層たるUVハー
ド層9、16、印刷の定着性を向上させるためのアンカー
層10、17、印刷層11、18、接着層12、19を積層してい
る。 【0015】図3(b)に示すように、印刷層11は、キ
ャビティ部3b、4bに位置合わせされる印刷パターン
を一部がランナー形成部3a、4aに重なるように形成
しており、ランナー形成部3a、4a中央を中心に対向
する一対の印刷パターンを連続フィルム6、13の搬送方
向に所定間隔で複数形成している。印刷パターンは、透
明な表示窓1a(図1参照)を形成するために印刷が施さ
れない部分を有している。 【0016】図4(a)に示すように、巻取装置5、25を
作動させて、連続フィルム6、13を接着層12、19が対向
する状態で固定金型3と可動金型4の間に間欠送りす
る。この間欠送り作業は、上述の印刷パターンが固定金
型3、可動金型4のキャビティ部3b、4bと、後述の
穴6aが射出口3cと常に一致するように制御される。 【0017】次に、図4(b)に示すように、上述の如く
連続フィルム6、13を間欠送りし、所定の位置で停止さ
せた後、固定金型3と可動金型4とを合わせ型締めす
る。 【0018】その後、図4(c)に示すように、連続フィ
ルム6には、所定間隔で穴6aが開けられており、この
穴6aを通して射出口3cから連続フィルム6、13間に
透明アクリル樹脂を射出する。射出された透明アクリル
樹脂は、連続フィルム6、13を固定金型3と可動金型4
側に押圧しながら、キャビティ部3b、4b内に充填さ
れていく。 【0019】そして、透明アクリル樹脂が硬化後、図5
に示すように、連続フィルム6、13が一体となった成形
品20から連続フィルム6、13の剥離層8、15及びベース
フィルム7、14を剥して転写作業を完了させる。 【0020】次に、図6に示すように、所定の冶具(不
図示)を用いてランナー形成部に成形されたランナー20
bを支持して固定する。そして、この状態で、切断冶具
としてエンドミル21を用いて成形品20の周縁部20cの表
面を所定深さに削って、段差(座部1b)を形成する。
そして最後に、ランナー20bと成形品20との連結部を成
形品20周縁の輪郭に連続するように切削して最終成形品
をランナー20bから切り離す。 【0021】連続フィルム6、13の印刷パターンを逐次
送り出し、上述した工程を繰り返すことにより、保護パ
ネルPを連続して製造することができる。 【0022】上述のごとく、最終品の形状を成形するた
めのキャビティ部3b、4bの一部をランナー形成部3
a、4aと一体化し、成形品20の周縁を段差(座部1
b)を形成するように切断除去することにより、フィル
ムの絞りを回避し、インモールド成形でフィルムの絞り
が大きくまた絞り部分に段差がある製品をインモールド
成形することができる。 【0023】また、座部1bを携帯電話等の筐体に係合
することにより成形品20の周縁部20cに発生する歪み、
ひけを隠すことができ、表示窓1aに偏光歪が発生する
ことを防止することができる。 【0024】また、キャビティ部3b、4bを複数設け
たことにより、同時に成形品20の周縁の切断等の2次加
工することが容易となり、生産効率を向上することがで
きる。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように、最終品の形状を成
形するためのキャビティ部の一部をランナー形成部と一
体化し、成形品の周縁を段差を形成するように切断除去
することにより、インモールド成形でフィルムの絞りが
大きくまた絞り部分に段差がある製品をインモールド成
形することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施形態の製造方法により形成されるインモー
ルド転写板の斜視図である。 【図2】固定金型と可動金型に連続フィルムを連続して
通過させる段階の説明図である。 【図3】連続フィルムの構成図である。 【図4】保護パネルの製造方法の説明図である。 【図5】保護パネルの製造方法の説明図である。 【図6】保護パネルの製造方法の説明図である。 【符号の説明】 P …インモールド転写板 1a …表示窓 1b …座部 3 …固定金型 3a …ランナー形成部 3b …キャビティ部 3c …射出口 4 …可動金型 4a …ランナー形成部 4b …キャビティ部 5、25 …巻取装置 5a、25a …送出ロール 5b、25b …巻取ロール 6,13 …連続フィルム 6a …穴 7,14 …ベースフィルム 8,15 …剥離層 9,16 …ハード層 10,17 …アンカー層 11,18 …印刷層 12,19 …接着層 20 …成形品 20b …ランナー 20c …周縁部 21 …エンドミル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F206 AA21 AD10 AD35 JA07 JB20 JB28 JF05 JF23 JW23 JW24 JW45

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 固定金型と可動金型により形成され、成
    形品の形状を成形するための複数のキャビティ部と、該
    成形品に一部が重なるランナーを形成するためのランナ
    ー形成部とを有する金型を用い、前記キャビティ部とラ
    ンナー形成部の上に連続フィルムを通過させる段階と、 前記固定金型と可動金型とを合わせた上で所定の射出口
    から前記連続フィルム間に透明アクリル樹脂を射出して
    前記連続フィルムと前記透明アクリル樹脂が一体となっ
    た前記成形品及び前記ランナーを成形する段階と、 前記ランナーを固定した状態で前記成形品の周縁を段差
    を形成するように切断除去した後、ランナーから成形品
    の周縁を切断して最終成形品を製造する段階と、を有す
    ることを特徴とするインモールド転写板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011004819A1 (ja) * 2009-07-09 2011-01-13 シチズンホールディングス株式会社 加工材料および把持機構
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JP2019136898A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 インモールド加飾成形品の製造方法

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