JP2003260537A - 金属鋳造金型 - Google Patents

金属鋳造金型

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JP2003260537A
JP2003260537A JP2002064758A JP2002064758A JP2003260537A JP 2003260537 A JP2003260537 A JP 2003260537A JP 2002064758 A JP2002064758 A JP 2002064758A JP 2002064758 A JP2002064758 A JP 2002064758A JP 2003260537 A JP2003260537 A JP 2003260537A
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純 本條
Shusuke Okano
修輔 岡野
Takahiko Soyama
隆彦 曽山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属鋳造金型において、ランナー部からゲー
ト部および製品部に流入する溶湯の先行流入部の発生を
解消または減少させることで、製品の未充填(ショート
ショット)湯ジワ等の外観表面質感の不均一といった問
題点を改善することを目的とする。 【解決手段】 ランナー部4の形状をランド部2に繋が
る部分で、ゲート部5側に対し外側に曲がった形状にし
ていることを特徴とする。この形状によりランナー部4
を流れてきた溶湯は、その慣性によりゲート部5と反対
側に偏って流れるようになる。これによって溶湯でラン
ナー部4がほぼ充填し、圧力が上昇しゲート部への後押
しがされる状態になるまで、先行流入部6のゲート部5
及び製品部1での発生を遅らせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属鋳造時におい
て、製品部での未充填や湯ジワの発生を防止する金属鋳
造金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の金属鋳造金型は、図5に示すよう
に、製品部51に溶湯を流入させるランド部52の方向
53に対して直角方向に、ランナー部54が配置されて
おり、このランナー部54は直線形状で設けられてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の鋳造金型においては、ランナー部54からゲート部
55および製品部51に溶湯が流入する際、図5に示す
ように、ランドコーナー部57付近にて溶湯が分岐し、
先行流入部56がランド部52に発生し、ゲート部55
及び製品部51に先行して流入する。この先行流入部5
6は、通常は飛沫状態で、ランナー部54からの圧力に
より押される状態となっていないため、溶湯ランナー部
54がほぼ充填し、ランナー部54の圧力が上昇し、後
押しされる状態となる以前に冷却固化する。先行流入部
56が冷却固化すると、ゲート部55の開口状態が不安
定化し、ひいては、製品部51への溶湯の流入状態が不
均一となる。そのため製品の未充填(ショートショッ
ト)、湯ジワ(外観表面欠陥)といった問題を生じる原
因となっていた。
【0004】本発明は、上記の問題を解決するもので、
溶湯の先行流入部の発生を解消、または減少させること
ができる鋳造金型を提供するもので、上記した従来の金
型における諸問題点を改善することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、ランナー部からランド部への流路分岐部
において、ランナー部の形状を、ゲート部側に対して外
側に曲がった形状(直線形状から曲げた形状)にしてい
ることを特徴とする。ランナー部を流れてきた溶湯は、
その慣性によりゲート部と反対側に偏って流れ、溶湯ラ
ンナー部がほぼ充填し、圧力が上昇しゲート部への後押
しがされる状態となるまで、ゲート部及び製品部への先
行流入部の発生を遅らせることができる。これにより、
ゲート部の開口状態の安定化と製品部への溶湯の流入状
態を均一化することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ランナー部及びランナー部とゲート部を連絡するラ
ンド部を備えた金属鋳造金具であって、ランナー部とラ
ンド部が繋がる流路分岐部分において、ランナー部の形
状を、ゲート部分に対して外側に曲った形状としたこと
を特徴とするもので、この形状とすることにより、ラン
ナー部を流れてきた溶湯は、その慣性によりゲート部と
反対側に偏って流れるようになり、これによって溶湯の
流れは、ランドコーナー部と交わらないため、溶湯でラ
ンナー部がほぼ充填し、圧力が上昇してゲート部への後
押しがされるまで、ランド部、ゲート部及び製品部にお
ける先行流入部の発生を遅らせることができ、製品の未
充填、湯ジワの発生を防止することができる作用を有す
る。
【0007】請求項2に記載の発明は、ランナー部及び
ランナー部とゲート部を連絡するランド部を備えた金属
鋳造金具であって、ランナー部とランド部が繋がる流路
分岐部分において、ランナー部の形状を、溶湯流入方向
後方のランナー部の断面積を前方のランナー部の断面積
に対して増大したことを特徴とするもので、この形状と
することにより、ランナー部を流れてきた溶湯は、その
慣性によりランドコーナー部に交わることなく流れるた
め、ランナー部が溶湯でほぼ充填され、圧力が上昇し、
ゲート部への後押しがされる状態となるまで、先行流入
部のランド部、ゲート部及び製品部への発生を遅らせる
ことができるという作用を有する。
【0008】請求項3に記載の発明は、ランナー部は、
ランナー部と複数のゲート部を連絡する複数のランド部
と繋がっていることを特徴とするもので、ランナー部か
ら複数のランド部、ゲート部を通して製品部へ溶湯を流
入させる流路分岐部分において、ランナー部に曲部を設
けるか、または、ランナー部流入奥側の断面積を大きく
することにより、請求項1または2記載の発明と同じ作
用を有する。
【0009】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。 〔実施の形態1〕以下、図1を参照して本発明の実施の
形態1について説明する。
【0010】図において、1は製品部、2はランド部、
4はランナー部で、該ランナー部は、ランド部2に繋が
る部分で、ゲート部5側に対して外側に曲がった形状を
している。5はゲート部、7は溶湯の流入方向の後方の
ランド部2とランナー部4が交わるランドコーナー部で
ある。
【0011】本実施の形態においては、図1に示すよう
に、ランナー部4の形状を、ランナー部4とランド部2
が繋がる部分で、ゲート部5側に対し外側に曲がった形
状にしていることを特徴とする。この形状とすることに
より、ランナー部4を流れてきた溶湯は、その慣性によ
り、図1矢印に示すようにゲート部5と反対側に偏って
流れるようになり、これによって溶湯は、ランドコーナ
ー部7と交わらないように流れるため、先行流入部はラ
ンド部に発生せず、溶湯でランナー部4がほぼ充填し、
圧力が上昇してゲート部5への後押しがされるまで、ラ
ンド部2、ゲート部5及び製品部1における先行流入部
の発生を遅らせることができ、製品未充填、湯ジワの発
生を防止できる。 〔実施の形態2〕本実施の形態において、製品部11、
ランド部12は実施の形態1と同じである。溶湯の流入
方向後方のランナー部14と交わるランドコーナー部1
7aは、その前方のランドコーナー部17bに対して、
ゲート部15側に近接して設け、ランドコーナー部17
aにおけるランナー部14の断面積を、ランドコーナー
部17bにおけるランナー部14の断面積に対して増大
するようにしたことを特徴とする。なお、ランナー部1
4のゲート部15の反対側は直線形状となっている。
【0012】このように実施の形態2は、ランナー部1
4の形状を、ランド部12に繋がる部分で、溶湯の流入
方向後方のランナー部流入奥側の断面積を、前方のラン
ナー部14の断面積に対して増大するようにしたことを
特徴とする。この形状とすることにより、ランナー部1
4を流れてきた溶湯は、その慣性によりランドコーナー
部17に交わることなく流れるため、ランナー部14が
溶湯でほぼ充填され、圧力が上昇し、ゲート部への後押
しがされる状態となるまで、ランド部における先行流入
部の発生及びゲート部15、製品部11における先行流
入部の発生を遅らせることができる。 〔実施の形態3〕実施の形態3は、製品部21に対し
て、ランド部22及びゲート部25を複数設定した形態
のものである。
【0013】実施の形態3は、図3に示すように、製品
部21に対しランド部22及びゲート部25が複数設定
されており、ランナー部24の形状を、ランド部22に
繋がる部分で、それぞれのゲート部25側に対し、外側
に曲がった形状にしていることを特徴とする。この形状
とすることにより、ランナー部24を流れてきた溶湯
は、その慣性によりゲート部25と反対側に偏って流れ
るため、先行流入部がランド部22、ゲート部25及び
製品部21に発生するのを、溶湯でランナー部24がほ
ぼ充填し圧力が上昇して、ゲート部への後押しがされる
状態になるまで遅らせることができる。 〔実施の形態4〕実施の形態4は、ランナー部34から
複数のランド部32、ゲート部35を通して製品部へ溶
湯を流入させる流路分岐部分において、溶湯の流入方向
後方のランド部コーナの断面積を前方の断面積よりも増
大させたことを特徴とする。
【0014】図4に示すように、製品部31に対しラン
ド部32及びゲート部35が複数設定される場合、ラン
ド部32に繋がる部分のランナー部34の形状を、それ
ぞれのランナー部流入奥側の断面積を増大していること
を特徴とする。この形状とすることにより、ランナー部
34を流れてきた溶湯は、その慣性によりランドコーナ
ー部37にぶつかることなく流れるようになり、これに
よって先行流入部がランド部32、ゲート部35及び製
品部31へ発生するのを、溶湯でランナー部34がほぼ
充填し圧力が上昇しゲート部への後押しがされる状態に
なるまで遅らせることができる。
【0015】以上説明した通り、本発明による金属鋳造
金型は、ゲート部の開口状態の安定化と製品部への溶湯
の流入状態を均一化できるので、製品の未充填、湯ジワ
の発生を防止できる。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明の鋳造金型によれ
ば、ゲート部及び製品部への溶湯の先行流入を減少させ
ることができ、製品の未充填及び湯ジワの発生などの品
質問題の改善を行うことができるという有利な効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態1における鋳造
金型を示す平面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明の実施の形態2における鋳造金型を示す
平面図である。
【図3】本発明の実施の形態3における鋳造金型を示す
平面図である。
【図4】本発明の実施の形態4における鋳造金型を示す
平面図である。
【図5】(a)は従来の金属鋳造金型を示す平面図、
(b)は側面図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、51 製品部 2、12、22、32、52 ランド部 53 ランド部のゲート部方向 4、14、24、34、54 ランナー部 5、15、25、35、55 ゲート部 56 先行流入部 7、17a、17b、37、57 ランドコーナー部
フロントページの続き (72)発明者 曽山 隆彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4E093 PA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランナー部及びランナー部とゲート部を
    連絡するランド部を備えた金属鋳造金具であって、ラン
    ナー部とランド部が繋がる流路分岐部分において、ラン
    ナー部の形状を、ゲート部分に対して外側に曲った形状
    としたことを特徴とする金属鋳造金型。
  2. 【請求項2】 ランナー部及びランナー部とゲート部を
    連絡するランド部を備えた金属鋳造金具であって、ラン
    ナー部とランド部が繋がる流路分岐部分において、ラン
    ナー部の形状を、溶湯流入方向後方のランナー部の断面
    積を前方のランナー部の断面積に対して増大したことを
    特徴とする金属鋳造金型。
  3. 【請求項3】 ランナー部は、ランナー部と複数のゲー
    ト部を連絡する複数のランド部と繋がっていることを特
    徴とする請求項1または2記載の金属鋳造金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012240100A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Calsonic Kansei Corp ゲート部構造

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