JP3816816B2 - 金属鋳造金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属鋳造時において、製品部での未充填や湯ジワの発生を防止する金属鋳造金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の金属鋳造金型は、図5に示すように、製品部51に溶湯を流入させるランド部52の方向53に対して直角方向に、ランナー部54が配置されており、このランナー部54は直線形状で設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の鋳造金型においては、ランナー部54からゲート部55および製品部51に溶湯が流入する際、図5に示すように、ランドコーナー部57付近にて溶湯が分岐し、先行流入部56がランド部52に発生し、ゲート部55及び製品部51に先行して流入する。この先行流入部56は、通常は飛沫状態で、ランナー部54からの圧力により押される状態となっていないため、溶湯ランナー部54がほぼ充填し、ランナー部54の圧力が上昇し、後押しされる状態となる以前に冷却固化する。先行流入部56が冷却固化すると、ゲート部55の開口状態が不安定化し、ひいては、製品部51への溶湯の流入状態が不均一となる。そのため製品の未充填(ショートショット)、湯ジワ(外観表面欠陥)といった問題を生じる原因となっていた。
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するもので、溶湯の先行流入部の発生を解消、または減少させることができる鋳造金型を提供するもので、上記した従来の金型における諸問題点を改善することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、ランナー部からランド部への流路分岐部において、ランナー部の形状を、溶湯が溶湯の流入方向後方のランドコーナ部に交わらないように、溶湯流入方向後方のランナー部の断面積を前方のランナー部の断面積に対して増大したことを特徴とする。ランナー部を流れてきた溶湯は、その慣性によりゲート部と反対側に偏って流れ、溶湯ランナー部がほぼ充填し、圧力が上昇しゲート部への後押しがされる状態となるまで、ゲート部及び製品部への先行流入部の発生を遅らせることができる。これにより、ゲート部の開口状態の安定化と製品部への溶湯の流入状態を均一化することができる。
【0007】
請求項1に記載の発明は、ランナー部及びランナー部とゲート部を連絡するランド部を備えた金属鋳造金型であって、ランナー部とランド部が繋がる流路分岐部分において、ランナー部の形状を、溶湯流入方向後方のランナー部の断面積を前方のランナー部の断面積に対して増大したことを特徴とするもので、この形状とすることにより、ランナー部を流れてきた溶湯は、その慣性によりランドコーナー部に交わることなく流れるため、ランナー部が溶湯でほぼ充填され、圧力が上昇し、ゲート部への後押しがされる状態となるまで、先行流入部のランド部、ゲート部及び製品部への発生を遅らせることができるという作用を有する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、ランナー部は、ランナー部と複数のゲート部を連絡する複数のランド部と繋がっていることを特徴とするもので、ランナー部から複数のランド部、ゲート部を通して製品部へ溶湯を流入させる流路分岐部分において、ランナー部に曲部を設けるか、または、ランナー部流入奥側の断面積を大きくすることにより、請求項1記載の発明と同じ作用を有する。
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔実施の形態1〕
以下、図1を参照して本発明の実施の形態1について説明する。
【0010】
図において、1は製品部、2はランド部、4はランナー部で、該ランナー部は、ランド部2に繋がる部分で、ゲート部5側に対して外側に曲がった形状をしている。5はゲート部、7は溶湯の流入方向の後方のランド部2とランナー部4が交わるランドコーナー部である。
【0011】
本実施の形態においては、図1に示すように、ランナー部4の形状を、ランナー部4とランド部2が繋がる部分で、ゲート部5側に対し外側に曲がった形状にしていることを特徴とする。この形状とすることにより、ランナー部4を流れてきた溶湯は、その慣性により、図1矢印に示すようにゲート部5と反対側に偏って流れるようになり、これによって溶湯は、ランドコーナー部7と交わらないように流れるため、先行流入部はランド部に発生せず、溶湯でランナー部4がほぼ充填し、圧力が上昇してゲート部5への後押しがされるまで、ランド部2、ゲート部5及び製品部1における先行流入部の発生を遅らせることができ、製品未充填、湯ジワの発生を防止できる。
〔実施の形態2〕
本実施の形態において、製品部11、ランド部12は実施の形態1と同じである。溶湯の流入方向後方のランナー部14と交わるランドコーナー部17aは、その前方のランドコーナー部17bに対して、ゲート部15側に近接して設け、ランドコーナー部17aにおけるランナー部14の断面積を、ランドコーナー部17bにおけるランナー部14の断面積に対して増大するようにしたことを特徴とする。なお、ランナー部14のゲート部15の反対側は直線形状となっている。
【0012】
このように実施の形態2は、ランナー部14の形状を、ランド部12に繋がる部分で、溶湯の流入方向後方のランナー部流入奥側の断面積を、前方のランナー部14の断面積に対して増大するようにしたことを特徴とする。この形状とすることにより、ランナー部14を流れてきた溶湯は、その慣性によりランドコーナー部17に交わることなく流れるため、ランナー部14が溶湯でほぼ充填され、圧力が上昇し、ゲート部への後押しがされる状態となるまで、ランド部における先行流入部の発生及びゲート部15、製品部11における先行流入部の発生を遅らせることができる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、製品部21に対して、ランド部22及びゲート部25を複数設定した形態のものである。
【0013】
実施の形態3は、図3に示すように、製品部21に対しランド部22及びゲート部25が複数設定されており、ランナー部24の形状を、ランド部22に繋がる部分で、それぞれのゲート部25側に対し、外側に曲がった形状にしていることを特徴とする。この形状とすることにより、ランナー部24を流れてきた溶湯は、その慣性によりゲート部25と反対側に偏って流れるため、先行流入部がランド部22、ゲート部25及び製品部21に発生するのを、溶湯でランナー部24がほぼ充填し圧力が上昇して、ゲート部への後押しがされる状態になるまで遅らせることができる。
〔実施の形態4〕
実施の形態4は、ランナー部34から複数のランド部32、ゲート部35を通して製品部へ溶湯を流入させる流路分岐部分において、溶湯の流入方向後方のランド部コーナの断面積を前方の断面積よりも増大させたことを特徴とする。
【0014】
図4に示すように、製品部31に対しランド部32及びゲート部35が複数設定される場合、ランド部32に繋がる部分のランナー部34の形状を、それぞれのランナー部流入奥側の断面積を増大していることを特徴とする。この形状とすることにより、ランナー部34を流れてきた溶湯は、その慣性によりランドコーナー部37にぶつかることなく流れるようになり、これによって先行流入部がランド部32、ゲート部35及び製品部31へ発生するのを、溶湯でランナー部34がほぼ充填し圧力が上昇しゲート部への後押しがされる状態になるまで遅らせることができる。
【0015】
以上説明した通り、本発明による金属鋳造金型は、ゲート部の開口状態の安定化と製品部への溶湯の流入状態を均一化できるので、製品の未充填、湯ジワの発生を防止できる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、本発明の鋳造金型によれば、ゲート部及び製品部への溶湯の先行流入を減少させることができ、製品の未充填及び湯ジワの発生などの品質問題の改善を行うことができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態1における鋳造金型を示す平面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明の実施の形態2における鋳造金型を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態3における鋳造金型を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態4における鋳造金型を示す平面図である。
【図5】(a)は従来の金属鋳造金型を示す平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、51 製品部
2、12、22、32、52 ランド部
53 ランド部のゲート部方向
4、14、24、34、54 ランナー部
5、15、25、35、55 ゲート部
56 先行流入部
7、17a、17b、37、57 ランドコーナー部
Claims (2)
- ランナー部及びランナー部とゲート部を連絡するランド部を備えた金属鋳造金具であって、ランナー部とランド部が繋がる流路分岐部分において、ランナー部の形状を、溶湯が溶湯の流入方向後方のランドコーナ部に交わらないように、溶湯流入方向後方のランナー部の断面積を前方のランナー部の断面積に対して増大したことを特徴とする金属鋳造金型。
- ランナー部は、ランナー部と複数のゲート部を連絡する複数のランド部と繋がっていることを特徴とする請求項1記載の金属鋳造金型。
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