JP2003257244A - 導電性樹脂ペースト及び導電性樹脂膜 - Google Patents

導電性樹脂ペースト及び導電性樹脂膜

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JP2003257244A
JP2003257244A JP2002053293A JP2002053293A JP2003257244A JP 2003257244 A JP2003257244 A JP 2003257244A JP 2002053293 A JP2002053293 A JP 2002053293A JP 2002053293 A JP2002053293 A JP 2002053293A JP 2003257244 A JP2003257244 A JP 2003257244A
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conductive
metal powder
resin film
powder
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Hiroshi Nagakubo
博 長久保
Hirohisa Oya
裕久 大矢
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性樹脂膜(電極膜)中における導電性金
属粉末間の電気的な接触を十分に確保して、導電性の良
好な導電性樹脂膜(電極膜)を効率よく形成することが
可能な導電性樹脂ペースト及び導電性樹脂膜を提供す
る。 【解決手段】 平均粒子径D50が0.05〜0.5μ
mの範囲にある金属粉末を結合又は凝集させ、扁平状に
形成した導電性金属粉末と樹脂とを含有した組成とす
る。また、導電性金属粉末として、平均厚み:0.1〜
1μm、最大直径の平均値:2〜10μm、アスペクト
比:5以上の各要件を満たす導電性金属粉末を用いる。
また、導電性金属粉末を構成する金属粉末として、電気
抵抗の小さい銀粉末を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、低温で熱処理す
ることにより導電性樹脂膜(厚膜電極)を形成すること
が可能な導電性樹脂ペーストに関し、詳しくは、低温で
熱処理して良好な導電性を有する低比抵抗の導電性樹脂
膜を形成することが可能な導電性樹脂ペースト及び該導
電性樹脂ペーストを用いて形成される導電性樹脂膜に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】導電性
ペーストとしては、従来より、金属粉末とガラスフリッ
トを有機ビヒクル中に分散させたものが広く用いられて
いる。そして、このような導電性ペーストを用いて電極
膜(厚膜電極)を形成する場合、(1)回路基板などの基
材に導電性ペーストを塗布する塗布工程、(2)基材に塗
布された導電性ペーストを、第一段階で50℃〜200
℃で加熱することにより導電性ペースト中の溶剤分の乾
燥を行った後、第二段階で500℃以上の高温で焼成す
ることにより有機ビヒクルを燃焼、除去するとともに、
金属粉末及びガラスフリットの溶融、焼結を行う熱処理
工程を経て、必要な導電性と膜強度を備えた電極(厚膜
電極)を形成するようにしている。
【0003】しかし、熱処理工程での省エネルギー化、
あるいは、電極形成を行なう基材やその周辺部材の耐熱
性などの見地から、近年は、低温で熱処理を施すことに
より電極を形成することが可能な導電性樹脂ペーストが
広く用いられるに至っている。
【0004】この導電性樹脂ペーストを用いて電極膜
(導電性樹脂膜)を形成する方法は、回路基板などの基
材に導電性樹脂ペーストを塗布した後、50℃〜200
℃の低い温度で加熱するだけで、溶剤分の乾燥、導電性
樹脂ペースト中の樹脂の熱硬化反応による固体化を行う
ことが可能で、少ない温度負荷で電極膜(導電性樹脂
膜)を形成することができるという特徴を有している。
【0005】しかしながら、導電性樹脂ペーストを用い
て電極膜(導電性樹脂膜)を形成する場合、50℃〜2
00℃の低温で、導電性樹脂ペースト中の溶剤の乾燥及
び樹脂の熱硬化反応が行われることから、金属粉末が、
粉末状態のまま電極膜(導電性樹脂膜)中に固定された
構造を有しており、従来の金属粉末とガラスフリットを
含む導電性ペーストを用い、高温で焼成することにより
金属粉末及びガラスフリットを焼結させた構造を有する
電極膜と同等の安定性及び導電性を得ることは困難であ
る。
【0006】導電性樹脂ペーストを用いて形成される電
極膜(導電性樹脂膜)の導電性を向上させようとする
と、乾燥、硬化後の導電性樹脂膜中における金属粉末ど
うしの電気的な接触性を十分に確保することが必要にな
る。そのため、従来より、種々の大きさや形状の金属粉
末を用いたり、大きさや形状の異なる種々の金属粉末を
混合した混合粉末を用いたりする方法が検討されてきた
が、いずれも十分に良好な導電性を有する導電性樹脂膜
を得ることができていないのが実情である。
【0007】本願発明は、上記実情に鑑みてなされたも
のであり、導電性樹脂膜(電極膜)中における導電性金
属粉末間の電気的な接触を十分に確保して、導電性の良
好な導電性樹脂膜(電極膜)を効率よく形成することが
可能な導電性樹脂ペースト及び導電性樹脂膜を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明(請求項1)の導電性樹脂ペーストは、平
均粒子径D50が0.05〜0.5μmの金属粉末が結
合又は凝集し、扁平状に形成された導電性金属粉末と、
樹脂とを含有することを特徴としている。
【0009】本願発明(請求項1)の導電性樹脂ペース
トは、平均粒子径D50が0.05〜0.5μmの範囲
にある金属粉末を結合又は凝集させ、扁平状に形成した
導電性金属粉末と樹脂とを含有させているので、回路基
板などの基材に塗布して低温で熱処理することにより形
成した導電性樹脂膜(電極膜)中の、導電性金属粉末間
の電気的な接触を十分に確保して、導電性の良好な導電
性樹脂膜(電極膜)を得ることが可能になる。
【0010】すなわち、本願発明の導電性樹脂ペースト
に用いられている扁平状の導電性金属粉末は、平均粒子
径D50が0.05〜0.5μmの微粒な金属粉末を、
結合又は凝集させ、扁平状に形成したものであり、一次
粒子(金属粒子)が微細粒子であるため、一般的な扁平
状の金属粉末と比較して、その厚みが薄く、しかも、扁
平面形状が小さく、かつ、扁平面外周形状が不規則とな
っている。このような形状的な特徴から、導電性樹脂膜
(電極膜)中での導電性金属粉末間の接触面積が大きく
なるとともに、接触箇所が多くなる。その結果、電気的
な接触状態を飛躍的に向上させて、導電性樹脂膜(電極
膜)の十分な低比抵抗化を図ることが可能になる。
【0011】なお、本願発明において、金属粉末の平均
粒子径D50を0.05〜0.5μmの範囲としたの
は、平均粒子径D50が0.05μm未満になると、粒
子が微細すぎて扁平状に形成することが困難になり、ま
た、平均粒子径D50が0.5μmを超えると、導電性
金属粉末の形状自体は扁平状なものが得られるが、その
厚みが厚く、しかも、扁平面形状が大きく、かつ、扁平
面外周形状が規則的となるため、導電性樹脂膜(電極
膜)中での導電性金属粉末間の接触箇所が小さくなり、
電気的な接触状態が不十分になって、導電性が低下する
ことによる。
【0012】本願発明の導電性樹脂ペーストに好適に用
いられる樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂など
種々の熱硬化性樹脂、及びこれらを混合したものが例示
される。これらの樹脂を適宜使用することにより、機械
的強度、耐薬品性、耐熱性などに優れた信頼性の高い導
電性樹脂膜(電極膜)を形成することが可能になる。ま
た、導電性樹脂ペーストにするためには、通常、有機溶
剤が用いられる。この有機溶剤としては、α−テルピネ
オール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセ
テート、テレピン油、ブチルセロソルブなどを用いるこ
とが可能である。なお、平均粒子径D50が0.05〜
0.5μmの範囲にある金属粉末を結合又は凝集させ、
扁平状に形成する方法としては、例えば、金属粉末をた
たく(例えばボールミルにより処理する)ことにより扁
平にする方法などが例示される。そして、金属粉末(元
粉)の形状と、ボールミルなどによる加工プロセスの条
件(強さ、処理時間など)により、それぞれ特徴のある
扁平粉を得ることができる。
【0013】また、請求項2の導電性樹脂ペーストは、
扁平状の前記導電性金属粉末が、 (a)平均厚み :0.1〜1μm、 (b)最大直径の平均値 :2〜10μm、 (c)アスペクト比(最大直径の平均値/厚みの平均値)
:5以上 の要件を満たすものであることを特徴としている。
【0014】平均粒子径D50が0.05〜0.5μm
の金属粉末が結合又は凝集し、扁平状に形成された導電
性金属粉末が、平均厚み:0.1〜1μm、最大直径の
平均値:2〜10μm、アスペクト比:5以上の各要件
を満たすようにした場合、本願発明の導電性樹脂ペース
トを用いて形成した電極膜(導電性樹脂膜)中の、導電
性金属粉末間の電気的な接触を十分に確保して、導電性
の良好な電極膜(導電性樹脂膜)を得ることが可能にな
る。
【0015】なお、本願発明において、アスペクト比と
は、扁平状に形成された導電性金属粉末の扁平面の最大
直径の平均値と厚みの平均値の比率(最大直径の平均値
/厚みの平均値)を意味する概念である。なお、アスペ
クト比を5以上としているのは、アスペクト比が5未満
になると、導電性樹脂膜中における導電性金属粉末間の
接触面積及び接触箇所が減少し、導電性が低下すること
による。
【0016】また、扁平状に形成された導電性金属粉末
の形状について、その最大直径の平均値を2〜10μm
と規定しているのは、扁平状に形成された導電性金属粉
末の最大直径の平均値が2μm未満となるようなアスペ
クト比5以上の扁平状導電性金属粉末を用いた場合に
は、粉末形状が微小となり、比表面積の増加が顕著にな
って、金属粉末を樹脂中に十分に混合、分散させること
が困難になり、良好な導電性を有する導電性樹脂ペース
トが得られず、また、扁平状に形成された導電性金属粉
末の最大直径の平均値が10μmを超えるようなアスペ
クト比5以上の扁平状導電性金属粉末を用いた場合に
は、粉末形状が大きくなり、ペーストを乾燥、硬化させ
た後の導電膜中における金属粉末が緻密に充填されにく
く、良好な導電膜を形成することができないばかりでな
く、ペーストの流動性が低下して、スクリーン印刷法で
印刷、塗布する際に、スクリーンメッシュヘの目詰まり
を引き起こすなど、塗布性が顕著に低下することによ
る。
【0017】また、扁平状に形成された導電性金属粉末
の形状について、その平均厚みを0.1〜1μmとして
いるのは、平均粒子径D50が0.05〜0.5μmの
金属粉末を結合又は凝集させて、上述した最大直径を持
つ扁平状粉末を形成する場合、平均厚みが0.1μm未
満の場合には扁平状粉末が箔状になり、強度が弱く、ペ
ースト化する際の混合、混練工程において、扁平状粉末
としての形状を保持することができなくなり、また、平
均厚みが1μmを超えると、厚み方向に金属粉末が結合
又は凝集している数が多くなり、扁平状粉末厚み方向の
均一性が低下し、導電性樹脂膜(電極膜)中での導電性
金属粉末間の接触個所が減少し、導電性が低下すること
による。
【0018】また、請求項3の導電性樹脂ペーストは、
前記金属粉末が、銀粉末であることを特徴としている。
【0019】一次粒子である金属粒子として、電気抵抗
の小さい銀粉末を用いることにより、本願発明の導電性
樹脂ペーストを用いて形成される電極膜(導電性樹脂
膜)の電気抵抗を小さくすることが可能になる。本願発
明の導電性樹脂ペーストにおいては、金属粉末として、
金、銀、白金、銅、パラジウム、ニッケル等の種々の金
属粉末を用いることが可能であるが、導電性、扁平粉末
加工性、コストなどの見地から、銀粉末を用いることが
最も好ましい。
【0020】また、本願発明(請求項4)の導電性樹脂
膜は、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂ペー
ストを塗布、加熱することにより形成されたものである
ことを特徴としている。
【0021】本願発明(請求項4)の導電性樹脂膜は、
請求項1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂ペーストを
塗布、加熱することにより形成されており、電気的抵抗
が小さく、しかも、膜強度や基材への接着強度などに優
れており、種々の用途に広く用いることが可能である。
【0022】また、請求項5の導電性樹脂膜は、前記導
電性樹脂膜中の導電性金属粉末が、前記導電性樹脂膜を
構成する全固形分の40〜80体積%を占めていること
を特徴としている。
【0023】導電性樹脂膜中の導電性金属粉末が、導電
性樹脂膜を構成する全固形分の40〜80体積%を占め
るようにした場合、導電性が良好で、しかも膜強度や基
材への接着強度などに優れた電極膜を得ることが可能に
なる。
【0024】導電性金属粉末が、導電性樹脂膜に占める
割合を、40〜80体積%の範囲としたのは、導電性金
属粉末の割合が40体積%未満になると、導電性樹脂膜
中において、導電性金属粉末が単分散した状態になって
導電性が極端に低下し、また、80体積%を超えると、
導電性金属粉末に対して樹脂の割合が低くなりすぎ、導
電性金属粉末を密な状態に保持することができなくな
り、導電性金属粉末の電気的接触が弱くなって導電性が
低下するばかりでなく、導電性樹脂膜の機械的強度が低
下し、電極としての機能を十分に果たすことができなく
なることによる。
【0025】また、請求項6の導電性樹脂膜は、比抵抗
が20μΩ・cm以下であることを特徴としている。
【0026】一般的な導電性樹脂ペーストを用いて形成
した電極膜の比抵抗は、30〜100μΩ・cm程度であ
るが、本願発明の導電性樹脂ペーストを用いて形成した
導電性樹脂膜(電極膜)においては、20μΩ・cm以下
というような従来の導電性樹脂ペーストでは実現するこ
とが困難であった低比抵抗を実現することが可能にな
る。
【0027】
【実施例】以下、本願発明の実施例を示して、その特徴
とするところをさらに詳しく説明する。
【0028】まず、表1に示すように、 A:微細な銀粉末が結合又は凝集し、扁平粉状に形成さ
れた本願発明の範囲内(実施例)の銀粉末、 B:従来の扁平銀粉末(1)、 C:従来の扁平銀粉末(2)、 D:球状銀粉末、 E:不定形銀粉末 の5種類の銀粉末を準備し、これらを実施例1〜3の導
電性樹脂ペーストの銀粉末、又は比較例4〜15の導電
性樹脂ペーストの銀粉末として用いた。なお、上記の銀
粉末Aは、平均粒子径(D50)0.3μmの銀粉(元
粉)を用意し、ボールミルを用いて処理することにより
得たものである。また、銀粉末A〜Eの形状は、図1
(a)〜(e)に示すSEM写真により確認したものであ
る。
【0029】
【表1】
【0030】次に、上述のA〜Eの5種類の銀粉末を用
いて、以下の手順で導電性樹脂ペーストを作成した。な
お、この実施例及び比較例の導電性樹脂ペーストにおい
ては、樹脂として、主剤である平均分子量約900のジ
グリシジルエーテルビスフェノールAを100重量部に
対して、硬化剤としてイミダゾール(2−フェニル−4
−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール)を5重
量部混合した樹脂(エポキシ樹脂)を用いた。
【0031】そして、上記A〜Eの各銀粉末と上記エポ
キシ樹脂を、得られる導電性樹脂膜を構成する全固形分
に対する導電性金属粉末(銀粉末)の割合が、表2に示
すような組成比(体積%)になるように配合し、望まし
いペースト状態になるように、α−テルピネオール(有
機溶剤)を加えながら混合し、さらに3本ロールミルで
混練することにより、実施例1〜3、及び比較例4〜1
5の導電性樹脂ペースト(試料)を調製した。
【0032】
【表2】
【0033】次に、スライドガラス上に、実施例1〜3
ならびに比較例4〜15の導電性樹脂ペースト(試料)
を、スクリーン印刷法により印刷して、所定のパターン
の塗布膜を形成し、150℃で1時間加熱することによ
り、実施例1〜3ならびに比較例4〜15の導電性樹脂
膜(試料)を得た。
【0034】比抵抗測定用の導電性樹脂膜(試料)とし
ては、スライドガラス上に、400μm×全長200mm
の折れ線のライン電極を形成した。比抵抗は、実施例1
〜3ならびに比較例4〜15の試料毎に、ライン電極両
端間の電気抵抗値と電極断面積を測定して求めた。その
結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】表1〜表3より、本願発明の、銀粉末が結
合又は凝集し、扁平粉状に形成された銀粉末、すなわ
ち、元粉の平均粒子径D50:0.3μm、平均厚み:
0.6μm、最大直径の平均値:6μm、アスペクト比
(最大直径の平均値/厚みの平均値):10である本願
発明の範囲内の銀粉末(実施例銀粉末A(表1))を用
いた実施例1〜3の試料(導電性樹脂膜)においては、
比抵抗が20μΩ・cm以下と、低比抵抗が実現されるこ
とが確認された。
【0037】これに対して、従来より用いられている一
般的な銀粉末を用いた比較例4〜15の試料(導電性樹
脂膜)においては、比抵抗が20μΩ・cmを超えてお
り、本願発明のような低比抵抗を実現することができな
いことが確認された。
【0038】さらに、各実施例及び比較例の試料(導電
性樹脂膜)のうち、実施例3ならびに比較例6、9、1
2、15の試料(導電性樹脂膜)の断面についてのSE
M写真を図2(a)〜(e)に示す。なお、図2(a)が実施
例3の試料、図2(b)が比較例6の試料、図2(c)が比
較例9の試料、図2(d)が比較例12の試料、図2(e)
が比較例15の試料の断面についてのSEM写真であ
る。
【0039】図2(a)〜(e)のSEM写真から明らかな
ように、本願発明(実施例3)の試料(導電性樹脂膜)
の場合には、上述のような銀粉末(導電性金属粉末)の
形状的特徴から、導電性樹脂膜中での銀粉末(導電性金
属粉末)の充填度状態が密になっており、導電性金属粉
末(銀粉末)間の接触面積が大きくなるとともに、接触
箇所が多くなっていることがわかる。
【0040】なお、上記実施例では、樹脂としてエポキ
シ樹脂を用いたが、樹脂としてはエポキシ樹脂に限ら
ず、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、
ポリイミド樹脂など種々の熱硬化性樹脂、及びこれらを
混合したものなどを用いることが可能である。また、上
記実施例では、金属粉末として銀粉末を用いているが、
他の金属粉末を用いることも可能である。
【0041】本願発明は、さらにその他の点においても
上記実施例に限定されるものではなく、導電性樹脂ペー
ストの具体的な組成、加熱、硬化の条件などに関し、発
明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが
可能である。
【0042】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
導電性樹脂ペーストは、平均粒子径D50が0.05〜
0.5μmの範囲にある金属粉末を結合又は凝集させ、
扁平状に形成した導電性金属粉末と樹脂とを含有してい
るので、回路基板などの基材に塗布して低温で熱処理す
ることにより形成した導電性樹脂膜(電極膜)中の、導
電性金属粉末間の電気的な接触を十分に確保して、導電
性の良好な導電性樹脂膜(電極膜)を得ることが可能に
なる。すなわち、導電性金属粉末として、徹細な金属粉
末が結合又は凝集し、扁平状に形成された、一般的な扁
平状の金属粉末と比較して、その厚みが薄く、しかも、
扁平面形状が小さく、かつ、扁平面外周形状が不規則と
なっている導電性粉末を用いることにより、導電性樹脂
膜における導電性粉末間の電気的接触の状態が飛躍的に
向上し、従来は達成が不可能であった低比抵抗を実現す
ることが可能になる。
【0043】また、請求項2の導電性樹脂ペーストのよ
うに、平均粒子径D50が0.05〜0.5μmの金属
粉末が結合又は凝集し、扁平状に形成された導電性金属
粉末が、平均厚み:0.1〜1μm、最大直径の平均
値:2〜10μm、アスペクト比:5以上の各要件を満
たす場合、本願発明の導電性樹脂ペーストを用いて形成
される電極膜(導電性樹脂膜)中の、導電性金属粉末間
の電気的な接触を十分に確保して、導電性の良好な電極
膜(導電性樹脂膜)を得ることができる。
【0044】また、請求項3の導電性樹脂ペーストのよ
うに、金属粒子として、電気抵抗の小さい銀粉末を用い
ることにより、本願発明の導電性樹脂ペーストを用いて
形成される電極膜(導電性樹脂膜)の電気抵抗を小さく
することが可能になる。
【0045】また、本願発明(請求項4)の導電性樹脂
膜は、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂ペー
ストを塗布、加熱することにより形成されたものであっ
て、電気的抵抗が小さく、しかも、膜強度や基材への接
着強度などに優れており、種々の用途に広く用いること
が可能である。
【0046】また、請求項5の導電性樹脂膜のように、
導電性樹脂膜中の導電性金属粉末が、導電性樹脂膜を構
成する全固形分の40〜80体積%を占めるようにした
場合、導電性が良好で、しかも膜強度や基材への接着強
度などに優れた電極膜を得ることが可能になる。
【0047】また、一般的な導電性樹脂ペーストを用い
て形成した電極膜の比抵抗は、30〜100μΩ・cm程
度であるが、本願発明の導電性樹脂ペーストを用いて形
成した導電性樹脂膜(電極膜)においては、20μΩ・c
m以下というような従来の導電性樹脂ペーストでは実現
することが困難であった低比抵抗を実現することが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本願発明の実施例の導電性樹脂ペースト
に用いた銀粉末のSEM像を示す写真であり、(b),
(c),(d),(e)は、比較例の導電性樹脂ペーストに用
いた銀粉末のSEM像を示す写真である。
【図2】(a)は実施例3の試料(導電性樹脂膜)の断面
のSEM像を示す写真であり、(b),(c),(d),(e)
は、比較例6,9,12,15の試料(導電性樹脂膜)
の断面のSEM像を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 201/00 201/00 H01B 1/00 H01B 1/00 F Fターム(参考) 4J002 CD001 CK021 CM041 CP031 DA076 FA086 FD116 GQ02 4J038 DB061 HA066 JB32 KA03 KA08 KA18 NA20 PB09 5G301 DA02 DA03 DD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径D50が0.05〜0.5μm
    の金属粉末が結合又は凝集し、扁平状に形成された導電
    性金属粉末と、 樹脂とを含有することを特徴とする導電性樹脂ペース
    ト。
  2. 【請求項2】扁平状の前記導電性金属粉末が、 (a)平均厚み :0.1〜1μm、 (b)最大直径の平均値 :2〜10μm、 (c)アスペクト比(最大直径の平均値/厚みの平均値)
    :5以上 の要件を満たすものであることを特徴とする請求項1記
    載の導電性樹脂ペースト。
  3. 【請求項3】前記金属粉末が、銀粉末であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の導電性樹脂ペースト。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の導電性樹
    脂ペーストを塗布、加熱することにより形成されたもの
    であることを特徴とする導電性樹脂膜。
  5. 【請求項5】前記導電性樹脂膜中の導電性金属粉末が、
    前記導電性樹脂膜を構成する全固形分の40〜80体積
    %を占めていることを特徴とする請求項4記載の導電性
    樹脂膜。
  6. 【請求項6】比抵抗が20μΩ・cm以下であることを特
    徴とする請求項4又は5記載の導電性樹脂膜。
JP2002053293A 2002-02-28 2002-02-28 導電性樹脂ペースト及び導電性樹脂膜 Pending JP2003257244A (ja)

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