JP2003257083A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2003257083A
JP2003257083A JP2002051764A JP2002051764A JP2003257083A JP 2003257083 A JP2003257083 A JP 2003257083A JP 2002051764 A JP2002051764 A JP 2002051764A JP 2002051764 A JP2002051764 A JP 2002051764A JP 2003257083 A JP2003257083 A JP 2003257083A
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JP2002051764A
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Kazutoshi Katayama
和俊 片山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピットの生成による基板のトラッキング方向
の変形(特に高さ方向の変化)を均一にし、ピットの始
まり部分と終わり部分との裾切れを良好なものとするこ
とで、ジッターが低い光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 基板上に形成されたピット中央部のトラ
ッキング方向の断面において、前記ピットの底部に生成
した突出部のうち、高さが最大である最大突出部の高さ
と前記突出部の平均高さとの差が7nm以下であること
を特徴とする光情報記録媒体である。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光を用い
て情報の記録および再生を行うことができる光情報記録
媒体であって、記録層に色素を含有し、高速で情報の記
録および再生を行うことができる追記型の光情報記録媒
体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な光情報記録媒体(ライトワンス型の光
ディスク、所謂CD−R型の光ディスク)が知られてい
る。このタイプの光ディスクの代表的な構造は、透明な
円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金や銀等の金
属からなる反射層、さらに樹脂製の保護層をこの順に積
層したものである。そしてこの光ディスクへの情報の記
録は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波
長のレーザ光)を照射して記録層を局所的に発熱変形さ
せて、ピットを形成させることにより行われる。一方情
報の読み取り(再生)は通常、記録用のレーザ光と同じ
波長のレーザ光を照射して、記録層が発熱変形された部
位(記録部分)と変形されない部位(未記録部分)との
反射率の違いを検出することにより行われている。 【0003】近年、パーソナルコンピュータ等の普及に
伴って記録密度のより高い光情報記録媒体が求められて
いる。記録密度を高めるには、照射されるレーザ光の光
径を小さく絞ることが有効であり、また波長が短いレー
ザ光ほど光径を小さく絞ることができるため、高密度化
に有利であることが理論的に知られている。従って、従
来から一般的に用いられている780nmより短波長の
レーザ光を用いて記録再生を行うための光ディスクの開
発が進められており、例えば、追記型デジタル・ヴァー
サタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光デ
ィスクが提案されている。この光ディスクは、直径が1
20mmあるいは直径が80mmの透明な円盤状基板上
に、色素からなる記録層、そして通常は記録層の上にさ
らに光反射層および保護層を設けてなるディスクを二
枚、あるいは該ディスクと略同じ寸法の円盤状保護基板
とをそれぞれ記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた
構造となるように製造されている。前記DVD−Rは、
可視レーザ光(通常は600nm〜700nmの範囲の
波長のレーザ光)を照射することにより、記録および再
生が行われ、CD−R型の光ディスクより高密度の記録
が可能であるとされている。 【0004】従来から、CD−R型の光ディスクにおい
ては、その記録層に含有する色素化合物としてシアニン
色素を使用する追記型の光情報記録媒体が知られてい
る。このような色素の例としては、特開昭64−403
82号公報、あるいは「機能性色素の最新応用技術」
(シー・エム・シー、1996年4月発行、第3章の
6)に記載されているものがある。 【0005】追記型の光情報記録媒体では、情報の記録
を案内溝部へのピットの生成という形で行っており、そ
のピット部分における基板の形状の変形は、色素の分解
による光学特性の変化とともに再生特性に大きな影響を
与える。これまでも特開平4−358331号公報に記
載されているように、ピット部の基板の溝側面の形状を
規定した光情報記録媒体はあるが、より高速で記録再生
特性を向上させるためには、溝側面の形状を一定の範囲
としても不十分であった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】以上から、本発明の目
的は、ピットの生成による基板のトラッキング方向の変
形(特に高さ方向の変化)を均一にし、ピットの始まり
部分と終わり部分との裾切れを良好なものとすること
で、ジッターが低い光情報記録媒体を提供することであ
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的は、以下に示す
本発明により達成される。すなわち、本発明は、基板上
に形成されたピット中央部のトラッキング方向の断面に
おいて、前記ピットの底部に生成した突出部のうち、高
さが最大である最大突出部の高さと前記突出部の平均高
さとの差が7nm以下であることを特徴とする光情報記
録媒体である。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体は、基板
上に、少なくとも、色素を含有する記録層と、反射層
と、が形成された構成となっている。また、本発明の光
情報記録媒体は、レーザー光の照射により基板上に形成
されるピットの底部に存在する突出部が、下記一定の条
件を満たすものである。すなわち、ピットの中央部であ
ってトラッキング方向の断面において、前記ピットの底
部に生成した突出部のうち、高さが最大である最大突出
部の高さと前記突出部の平均高さとの差が7nm以下と
なっている。突出部の高さをこのように規定すること
で、トラッキング方向の変形(特に高さ方向の変化)を
均一にし、ピットの始まり部分と終わり部分との裾切れ
を良好なもととすることが可能となり、ジッターを低く
することができる。突出部の高さを上記のようにするに
は、基板に形成された案内溝の溝幅や溝深さを適切に規
定したり、記録層に使用する色素の熱分解特性を適切に
考慮すればよい。以下、本発明の光情報記録媒体の具体
的な構成を説明する。 【0009】(基板)基板上には、トラッキング用溝ま
たはアドレス信号等の情報を表す案内溝(プレグルー
ブ)が形成されている。プレグルーブの溝幅は50〜4
50nmであることが好ましく、100〜400nmが
より好ましい。溝幅を50〜450nmとすることで、
ピットの広がりを有効に防止することができる。溝深さ
は80〜300nmであることが好ましく、80〜20
0nmがより好ましい。溝深さが300nmより深いと
反射率が低下することがあり、50nm浅いとピットの
不均一な広がりを防止することができないことがある。 【0010】基板(後述する保護基板も含む)は、従来
の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材
料から任意に選択することができる。基板材料として
は、例えば、ガラス;ポリカーボネート;ポリメチルメ
タクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;
アモルファスポリオレフィンおよびポリエステル等を挙
げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。
なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のあ
る基板として使うことができる。上記材料の中では、耐
湿性、寸法安定性および価格等の点からポリカーボネー
トが好ましい。基板は、その直径が120±3mmで厚
みが0.6±0.1mm;あるいはその直径が80±3
mmで厚みが0.6±0.1mm;のものが一般に用い
られる。 【0011】前記プレグルーブは、ポリカーボネート等
の樹脂材料を射出成形あるいは押出成形する際に直接基
板上に形成することが好ましい。また、プレグルーブの
形成を、プレグルーブ層を設けることにより行ってもよ
い。プレグルーブ層の材料としては、アクリル酸のモノ
エステル、ジエステル、トリエステルおよびテトラエス
テルのうち少なくとも一種のモノマー(またはオリゴマ
ー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。
プレグルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた
母型(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよ
び重合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布
液層上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫
外線を照射することにより塗布層を硬化させて基板と塗
布層とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離する
ことにより得ることができる。プレグルーブ層の層厚
は、一般に0.05〜100μmの範囲にあり、好まし
くは0.1〜50μmの範囲である。 【0012】後述する記録層が設けられる側の基板表面
には、平面性の改善および接着力の向上および記録層の
変質防止等の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗
層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、
アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マ
レイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロ
ールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合
体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロー
ス、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシ
ランカップリング剤等の表面改質剤をあげることができ
る。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散
して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコー
ト、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗
布法を利用して基板表面に塗布することにより形成する
ことができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20
μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範
囲である。 【0013】(記録層)基板上(又は下塗層)のプレグ
ルーブが形成されているその表面上には、色素を含有す
る記録層が形成される。前記色素としては、オキソノー
ル系色素、シアニン系色素、アゾ系色素、フタロシアニ
ン系色素、ピロメテン系色素等の種々の色素が使用可能
であるが、記述のようにピットの底部の突出部の高さを
所望の範囲とするには、当該色素の熱分解時の発熱量が
小さいことが好ましい。このような色素の具体例として
は、下記化学式(1)および下記化学式(2)で表わさ
れるものを単独もしくは混合して使用することが好まし
い。また、このような色素は、記録層中に50〜99.
7質量%含有されていることが好ましく、70〜99.
7質量%含有されていることがより好ましい。 【0014】 【化1】 ・・・化学式(1) 【0015】 【化2】 ・・・化学式(2) 【0016】記録層の形成は、例えば、有機色素の他、
所望により退色防止剤および結合剤等を溶剤に溶解して
塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板のプレグルー
ブが形成されているその表面に塗布して塗膜を形成した
のち乾燥することにより行うことができる。記録層形成
用の塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、2−メトキシ
エチルアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロ
ホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等の
アミド;シクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフ
ラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタ
ノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール、ジアセトンアルコール等のアルコール;2,
2,3,3−テトラフロロプロパノール等のフッ素系溶
剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等を挙げ
ることができる。上記溶剤は使用する化合物の溶解性を
考慮して単独または二種以上を組み合わせて用いること
ができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収
剤、可塑剤、および潤滑剤等の各種の添加剤を目的に応
じて添加してもよい。 【0017】前記退色防止剤の代表的な例としては、ニ
トロソ化合物、金属錯体、ジアンモニウム塩、およびア
ミニウム塩等を挙げることができる。これらの例は、例
えば、特開平2−300288号、同3−224793
号、あるいは同4−146189号等の各公報に記載さ
れている。退色防止剤を使用する場合には、その使用量
は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲
であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、さら
に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に5〜25質
量%の範囲である。 【0018】前記結合剤の例としては、例えばゼラチ
ン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等
の天然有機高分子物質;およびポリウレタン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレ
ン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等の
ビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル
酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩
素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴ
ム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬
化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子を挙げること
ができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合
に、結合剤の使用量は、色素100質量部に対して0.
2〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部、さら
に好ましくは1〜5質量部である。このようにして調製
される塗布液中の色素の濃度は一般に0.01〜10質
量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲
にある。 【0019】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げるこ
とができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の
その溝部での層厚は、厚過ぎるとピットが広がり易くな
るため、40〜230nmの範囲にあることが好まし
く、60〜200nmの範囲がより好ましく、70〜1
80nmの範囲がさらに好ましい。 【0020】記録層を形成した後は、アニール処理を施
してもよい。当該アニール処理としては、記録層を形成
した基板に対し、温度を40〜80℃とし、この温度で
1〜12時間保持する。このようなアニール処理を施す
ことにより、塗布した記録層塗布液中の溶剤が蒸発する
ため、記録層が安定しジッターをより良好なものとする
ことができる。 【0021】(反射層)反射層は、前記記録層の上に、
特に情報の再生時における反射率の向上の目的で形成さ
れる。反射層の材料である光反射性物質は、Ag、A
u、Al、Zn、Rh、Sb、Mg、Ptといった金属
および半金属を主成分として用いることが好ましい。コ
スト、取り扱い易さ等を考慮すると、この中でも、A
g、Au、Al、Zn、Rh、Sbが好ましく、Ag、
Au、Alが特に好ましい。これらの物質は単独で用い
てもよいし、あるいは二種以上の組み合わせ、または合
金として用いてもよい。ここで、主成分とは反射層材料
中に少なくとも50%以上含有されていることを意味
し、70%以上がより好ましく、85%以上がさらに好
ましい。 【0022】また、耐蝕防止等の目的で、上記材料の他
に、B、C、N、O、Si、Sc、Ti、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Ge、Se、S
r、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Pd、Cd、
In、Sn、Te、ランタノイド、Hf、Ta、W、I
r、Tl、Pb、Bi、Th等の金属および半金属を含
んでいてもよい。これらのうちで好ましいものは、B、
C、N、O、Si、Ti、V、Cr、Co、Ni、C
u、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、ランタノイ
ド、Hf、W、Bi、Thであり、より好ましくはC、
N、O、Si、Cu、Mo、W、Biである。 【0023】反射層は、例えば上記反射性物質を、蒸
着、スパッタリングまたはイオンプレーティングするこ
とにより記録層の上に形成することができる。保存性を
向上させる目的、あるいは、外観を変える目的で、反射
層は上記材料を単層で積層してもよく、2種以上の材料
を多層に積層してもよい。反射層の層厚は、好ましくは
10〜350nmの範囲であり、より好ましくは30〜
300nmの範囲、さらに好ましくは40〜250nm
の範囲である。反射層の層厚が350nmを超えると、
光吸収の効果が不十分となり、また、膜質も低下する。
10nmより薄いと反射率が低くなり過ぎたり、反射層
上に保護層を積層する場合に、記録層に含まれる材料
が、保護層に用いられる材料と相互作用して化学変化を
起こし、劣化する場合がある。 【0024】(保護層)反射層の上には、記録層等を物
理的および化学的に保護する目的で保護層が設けられて
いてもよい。この保護層は、基板の記録層が設けられて
いない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けられて
もよい。保護層に用いられる材料としては、例えば、S
iO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機
物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等
の有機物質を挙げることができる。 【0025】保護層は、例えば、プラスチックの押出加
工で得られたフィルム(保護基板)を、接着層を介し
て、反射層上および/または基板上にラミネートするこ
とにより形成することができる。あるいは真空蒸着、ス
パッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これら
を適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布
液を塗布し、乾燥することによっても形成することがで
きる。前記UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしく
は適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布
液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって
も形成することができる。これらの塗布液中には、さら
に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤
を目的に応じて添加してもよい。保護層の硬度は、ピッ
トの保護層方向への不均一な広がりを防止するため、鉛
筆の引掻き硬度でF以上であることが好ましく、H以上
がより好ましい。保護層の層厚は2.5〜23μmの範
囲にあることが好ましく、より好ましくは3.5〜20
μm、さらに好ましくは4.0〜15μmである。 【0026】反射層と保護層との間には、反射率の向上
等、光学特性を調整するために、中間層を設けてもよ
い。中間層に用いられる材料としては、例えば、Si
O、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物
質を挙げることができる。また、この中間層は、蒸着、
スパッタリング等の真空成膜により形成することができ
る。 【0027】以上のようにして、基板上に記録層、およ
び反射層、そして所望により保護層等を設けた積層体を
作製することができる。そして得られた二枚の積層体を
各々の記録層が内側となるように接着剤等で貼り合わせ
ることにより、二つの記録層を持つDVD−R型の光情
報記録媒体を製造することができる。また得られた一枚
の積層体と、該積層体の基板と略同じ寸法の円盤状の保
護基板とを、その記録層が内側となるように接着剤等で
貼り合わせることにより、片側のみに記録層を持つDV
D−R型の光情報記録媒体を製造することができる。 【0028】なお、前記接着剤として、前記保護層の形
成に用いたUV硬化性樹脂を用いてもよいし、合成接着
剤を用いもよい。合成接着剤としては、カチオン硬化型
エポキシ樹脂のような遅効型接着剤や紫外線硬化型アク
リレート樹脂のようなスピン硬化型接着剤を挙げること
ができ、遅効型接着剤がより好ましい。この接着剤の層
に保護層の機能を兼用させることもできる。接着剤層の
厚さは、反りを防止するため、5〜55μmの範囲が好
ましく、より好ましくは10〜47μm、さらに好まし
くは13〜40μmである。また、二枚の積層体の貼り
合わせは、その他に両面テープ等を用いて行ってもよ
い。いずれの態様のDVD−R型の光情報記録媒体にお
いてもその全体の厚みは、1.2±0.2mmとなるよ
うに調整することが好ましい。 【0029】保護層と接着層との間には、保存性や接着
性を向上させるために、バッファー層を設けてもよい。
バッファー層に用いられる材料としては、例えば、Si
O、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物
質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の
有機物質を挙げることができる。このバッファー層は、
真空成膜やスピンコート等を利用して形成することがで
きる。 【0030】本発明の光情報記録媒体を用いた情報の記
録は、例えば、次のようにして行われる。まず、光情報
記録媒体を所定の定線速度または所定の定角速度にて回
転させながら、基板側から半導体レーザ光等の記録用の
レーザ光を光学系を通して集光し、照射する。レーザ光
の照射により、記録層の照射部分がその光を吸収して局
所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変化(いわ
ゆるピットの生成)が生じてその光学特性を変えること
により、情報が記録される。 【0031】レーザ光の照射により基板上に生成したピ
ットは、既述のように、その中央部のトラッキング方向
の断面において、前記ピットの底部に生成した突出部の
うち、高さが最大である最大突出部の高さと前記突出部
の平均高さとの差が7nm以下となっている。これは以
下のようにして確認することができる。まず、光情報記
録媒体を10mm角に切りだし、ピットが形成されてい
る基板をエタノール等の溶媒中で洗浄して反射層および
記録層を除去して基板表面を露出させる。AFM(原子
間力顕微鏡)により、例えば、2.5μm角でピット形
状を観察する。このとき、1つのピットの中央部のトラ
ッキング方向の断面を観察し、底部に生成している突出
部のうち、高さが最も最大なものを最大突出部とし、底
部に生成している突出部の平均高さを求める。そして、
最大突出部の高さと前記突出部の平均高さとの差を求め
る。なお、前記「中央部」とは、グルーブのトラッキン
グ方向における中心線上に該当する部分をいう。 【0032】本発明の光情報記録媒体は、1倍速(記録
線速度:3.49m/s)だけでなく、2倍速以上の高
速記録条件においてもジッターの最小値(いわゆるボト
ムジッター)が10%以下と高精度での記録が可能であ
る。これは、いわゆるピットの裾切れが良いためと考え
られる。 【0033】記録光としては、可視域のレーザ光、通常
600nm〜700nm(好ましくは620〜680n
m、さらに好ましくは、630〜660nm)の範囲の
発振波長を有する半導体レーザービームが用いられる。
また記録光は、NAが0.55〜0.7の光学系を通し
て集光されることが好ましい。 【0034】上記のように記録された情報の再生は、光
情報記録媒体を所定の定線速度で回転させながら記録時
と同じ波長を持つ半導体レーザ光を基板側から照射し
て、その反射光を検出することにより行うことができ
る。 【0035】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0036】(実施例1)射出成形機(住友重機械工業
(株)製)を用いて、ポリカーボネート樹脂を、スパイ
ラル状の案内溝(溝深さ150nm、溝幅300nm、
トラックピッチ0.74μm)を有する厚さ0.6m
m、直径120mmの基板に成形した。既述の化学式
(1)で表わされる色素1gと、既述の化学式(2)で
表わされる色素0.24gと、を2,2,3,3−テト
ラフルオロペンタノール120g中に添加し、2時間超
音波照射してこれらを溶解した塗布液を調製した。この
塗布液をスピンコート法により上記基板の案内溝が形成
された面上に塗布した。その後、80℃で2時間アニー
ル処理を施して残留溶剤を揮発させて記録層を形成し
た。記録層上に、DCマグネトロンスパッタにより、銀
をスパッタリングして膜厚180nmの反射層を形成し
た。該反射層上に、接着剤(DIC(大日本インキ化学
工業(株)):SD640)をスピンコート法で塗布
し、保護層としてのダミー基板(ポリカーボネート製、
厚さ0.6mm、直径120mm)を貼り合わせて光情
報記録媒体を作製した。 【0037】(比較例1)溝深さ190nmおよび溝幅
280nmのスパイラル状の案内溝を有する基板と、下
記化学式(3)に表わされる色素を使用した以外は、実
施例1と同様にして光情報記録媒体を作製した。 【0038】 【化3】 【0039】(光情報記録媒体の評価)実施例1および
比較例1で作製した光情報記録媒体について、DDU1
000(パルステック社製)を用い、レーザー波長65
7nm、レーザー開口度(NA)0.6、バイアスパワ
ー0.7mW、記録速度7.98m/sで、ランダム信
号を書きこみ、ジッター、14T変調度、最適記録パワ
ーを測定した。結果を表1に示す。 【0040】また、前記ランダム信号を書きこんだ実施
例1および比較例1の光情報記録媒体を10mm角に切
りだし、ピットが形成されている基板をエタノール中で
洗浄して反射層および記録層を除去して基板表面を露出
させた。AFM(DI社製:NanoScope II
I)によりタッピングモード、2.5μm角でピット形
状を観察した。なお、探針はNCH型Si単結晶探針を
使用した。ピット形状の観察は、まず、歪みを補正後、
ピット形成による溝中央部でトラッキング方向に沿って
断面図を求めた。次に、この断面図を使用してピット部
分における溝底部の最大突出部の高さと突出部の平均高
さとの差を4つのピット(n1〜n4)について求め
た。結果を表1に示す。なお、表1中の「ジッターの判
定」における○は、ジッターが8%未満の場合を意味
し、×は、ジッターが8%以上の場合を意味する。ま
た、「変調度の判定」における○は、14T変調度が
0.6以上の場合を意味する。 【0041】 【表1】 【0042】表1より、実施例1の光情報記録媒体は、
最大突出部の高さと突出部の平均高さとの差がいずれの
ピットに対しても7未満であり、比較例1よりもジッタ
ーが低く、従って、最適記録パワーも低いものであっ
た。また、実施例1の光情報記録媒体は、ピットの始ま
り部分と終わり部分との裾切れが明確であり良好なもの
であった。 【0043】 【発明の効果】本発明によれば、ピットの生成による基
板のトラッキング方向の変形(特に高さ方向の変化)を
均一にし、ピットの始まり部分と終わり部分との裾切れ
を良好なものとすることで、ジッターが低い光情報記録
媒体を提供することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板上に形成されたピット中央部のトラ
    ッキング方向の断面において、前記ピットの底部に生成
    した突出部のうち、高さが最大である最大突出部の高さ
    と前記突出部の平均高さとの差が7nm以下であること
    を特徴とする光情報記録媒体。
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