JP2003256000A - 電話装置 - Google Patents

電話装置

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JP2003256000A
JP2003256000A JP2002366561A JP2002366561A JP2003256000A JP 2003256000 A JP2003256000 A JP 2003256000A JP 2002366561 A JP2002366561 A JP 2002366561A JP 2002366561 A JP2002366561 A JP 2002366561A JP 2003256000 A JP2003256000 A JP 2003256000A
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frequency band
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Takashi Kimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本来の音声信号帯域幅で表現される音声の特
徴を活かしたまま、出力音声信号の帯域拡張を行い、し
かも、比較的少ない演算量で実用的な音質の音域補償を
行う電話装置を提供することである。 【解決手段】 本発明の電話装置は、受信した音声信号
を周波数シフトするシフト手段と、当該シフト手段によ
りシフトされた音声信号に基づいて、当該受信した音声
信号における声音の周波数帯域の上限から、より高い所
定の有声音周波数までの音声信号成分を生成する第1の
生成手段と、第1の生成手段により生成された成分の上
限から、より高い所定の無声音周波数までの音声信号成
分を生成する第2の生成手段と、上記受信した音声信号
と、前記第1及び第2の生成手段により生成された各音
声信号成分とを、それぞれの周波数に基づいて合成する
音声合成手段と、を備え、電話回線を介しての音声通信
において明瞭な音声を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電話通信等におけ
る音声信号の帯域を拡張する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、バリアフリー化の必要性が高まっ
ている。こうした観点から、音声通信機器において、お
年寄り等の聴覚が衰えた人のために、音声信号の帯域を
見かけ上広げ、聞きやすい音声信号を生成する技術の開
発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】言葉を中心とした音声
通信は、通常、電話回線を通す音声信号が一つの基準に
なっている。この電話による音声信号は、帯域幅が制限
されているので、音質は元の音声と比べて決して良好で
はない。
【0004】たとえば、比較的良好な音質の地上電話回
線でも、本来の音声帯域幅の半分程度(約300〜35
00Hz)に制限されている。通常の人間の音域は、日
本人の男子は80Hz〜300Hzの基本周波数とその
数次の高調波からなり、また、女子は150Hz〜40
0Hzとその数次の高調波からなる。数次の高調波を含
め更に無声音まで含めると、音声の音域は80Hz〜1
6kHzの広帯域にわたる。話し言葉の了解や言葉の音
質にとって、特にこれらの数次の高調波を含む高域成
分、および、言葉の基本周波数を含む300Hz以下の
低域成分が、重要な働きをする。
【0005】ところが、電話回線などの狭帯域の伝送路
は、これらの重要な有声音の高域・低域成分、および、
無声音の高域の大部分が消失させるので、聴覚的には、
言葉を中心とした音声信号の音質を劣化させる。また、
音声信号の狭帯域化は、聞き取り易さ、すなわち、了解
度を大きく阻害する。その結果、音声信号の狭帯域化
は、お年寄り等の聴覚が衰えた人の大きな障害になって
いることが報告されている。
【0006】こうした問題を解決するために、音声信号
の帯域拡張を行う方法や装置は従来から試みられてき
た。たとえば、代表的な従来方式として、電話帯域音声
と広帯域音声をコードブックで対応付けるコードブック
マッピング方式がある。
【0007】また、音声信号の分析・合成(Synthesis
by Analysis)を基本とする他の拡張方式、その他、例
外的に、低演算量において、折り返し信号と固定フィル
タで仮想的に高域を補償する提案がある。
【0008】ところで、従来の音声信号の帯域拡張を行
う方法や装置は、多大の演算量・メモリ量等を必要とす
る反面、それらで処理された信号の音質は必ずしも良く
ないという問題があった。
【0009】すなわち、コードブックマッピング方式
は、マッチング演算量とコードブックのメモリ占有領域
が大きく、また、回線状況によりマッチング精度が不安
定になる問題があった。
【0010】また、音声信号の分析・合成を基本とする
拡張方式も、分析・合成には詳細かつ多くの演算を行う
必要がある。したがって、その実装にはかなりの大きさ
とコストを伴うにもかかわらず、それに見合う程の効果
は得られていない。また、低演算量において、折り返し
信号と固定フィルタで仮想的に高域を補償する方式は、
無声音の高域を十分に拡張できず、音声の明瞭度や了解
度を改善できず、処理された音声は聴覚的にこもった音
声になるという問題があった。
【0011】本発明は、電話回線を介しての音声通信に
おいて、より明瞭な音声を出力する電話装置を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電話装置は、受
信した音声信号から、前記音声信号における周波数の上
限からそれよりも高い第1の周波数までの周波数帯域を
有する有声高域信号成分を生成する第1の音声帯域拡張
手段と、前記受信した音声信号から、前記第1の周波数
からそれよりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有
する無声高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手
段と、前記受信した音声信号と前記有声高域信号成分と
前記無声高域信号成分とを合成する音声合成手段と、を
備えて構成される。
【0013】
【発明の実施の形態】第1の発明は、受信した音声信号
から、前記音声信号における周波数の上限からそれより
も高い第1の周波数までの周波数帯域を有する有声高域
信号成分を生成する第1の音声帯域拡張手段と、前記受
信した音声信号から、前記第1の周波数からそれよりも
高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声高域信
号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、前記受信
した音声信号と前記有声高域信号成分と前記無声高域信
号成分とを合成する音声合成手段と、を備える構成とな
っており、よって、受信した音声信号の高音側にて有声
音周波数まで、更に、無声音周波数まで拡張され、聞き
取り易い音声を生成する。
【0014】第2の発明では、前記音声合成手段は、前
記生成された各音声成分をそれぞれの周波数に基づいて
合成する際に、各音声成分の音量差を調整して音声合成
するため、各音声成分が周波数に基づいて音量差の整合
性をもって合成される。
【0015】第3の発明は、受信した音声信号に基い
て、前記音声信号における周波数の上限からそれよりも
高い第1の周波数までの周波数帯域を有する有声高域信
号成分を生成する第1の音声帯域拡張手段と、前記受信
した音声信号から、前記第1の周波数からそれよりも高
い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声高域信号
成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、上記受信し
た音声信号の無声音区間と有声音区間とを判別する判別
手段と、前記判別手段の判別結果に基づき、前記無声高
域信号成分の振幅を増加する無声高域強調手段と、前記
受信した音声信号と前記有声高域信号成分と前記無声高
域強調手段の出力とを合成する音声合成手段と、を備え
る構成となっており、受信した音声信号の高音側にて有
声音周波数まで、更に無声音周波数まで拡張され、ま
た、無声音周波数帯域では振幅を増加され音声の信号強
度がより正確に再現できる。
【0016】第4の発明は、受信した音声信号から、前
記音声信号における周波数の上限からそれよりも高い第
1の周波数までの周波数帯域を有する有声高域信号成分
を生成する第1の音声帯域拡張手段と、前記受信した音
声信号から、前記第1の周波数からそれよりも高い第2
の周波数までの周波数帯域を有する無声高域信号成分を
生成する第2の音声帯域拡張手段と、上記受信した音声
信号の無声音区間と有声音区間とを判別する判別手段
と、前記判別手段の判別結果に基づき、前記無声高域信
号成分の振幅を増加する無声高域強調手段と、前記受信
した音声信号を整流処理して得た信号に基づいて、前記
受信した音声信号の周波数帯域の下限からそれよりも低
い第3の周波数までの周波数帯域を有するピッチ相当信
号成分を生成する第3の音声帯域拡張手段と、前記受信
した音声信号と前記有声高域信号成分と前記無声高域強
調手段の出力と前記ピッチ相当信号成分を合成する音声
合成手段と、を備えることにより、受信した音声信号の
高音側にて有声音周波数まで、更に無声音周波数まで拡
張され、無声音周波数帯域では振幅を増加され、当該低
音側では受信した音声信号のより低い周波数側に拡張さ
れ、音声の帯域幅と信号強度をより正確に再現できる。
【0017】第5の発明は、受信した音声信号から、前
記音声信号における周波数の上限からそれよりも高い第
1の周波数までの周波数帯域を有する有声高域信号成分
を生成する第1の音声帯域拡張手段と、前記受信した音
声信号から、前記第1の周波数からそれよりも高い第2
の周波数までの周波数帯域を有する無声高域信号成分を
生成する第2の音声帯域拡張手段と、前記受信した音声
信号を整流処理して得た信号に基づいて、前記受信した
音声信号の周波数帯域の下限からそれよりも低い第3の
周波数までの周波数帯域を有するピッチ相当信号成分を
生成する第3の音声帯域拡張手段と、前記受信した音声
信号と前記有声高域信号成分と前記無声高域信号成分と
前記ピッチ相当信号成分を合成する音声合成手段と、を
備えることにより、受信した音声信号の高音側にて有声
音周波数まで、更に無声音周波数まで拡張され、また、
当該低音側では、受信した音声信号のより低い周波数側
に拡張される。
【0018】第6の発明は、受信した音声信号から、前
記音声信号における周波数の上限からそれよりも高い第
1の周波数までの周波数帯域を有する有声高域信号成分
を生成する第1の音声帯域拡張手段と、前記受信した音
声信号から、前記第1の周波数からそれよりも高い第2
の周波数までの周波数帯域を有する無声高域信号成分を
生成する第2の音声帯域拡張手段と、前記受信した音声
信号と、少なくとも前記有声高域信号成分と前記無声高
域信号成分とのどちらか一方を選択する音声選択手段
と、前記音声選択手段により選択された各音声信号を合
成する音声合成手段と、を備えることにより、受信した
音声信号より高い有声音周波数までの音声成分信号、又
は、更に無声音周波数までの音声成分信号のどちらかを
選択することができる。
【0019】第7の発明は、受信した音声信号から、前
記音声信号における周波数の上限からそれよりも高い第
1の周波数までの周波数帯域を有する有声高域信号成分
を生成する第1の音声帯域拡張手段と、前記受信した音
声信号から、前記第1の周波数からそれよりも高い第2
の周波数までの周波数帯域を有する無声高域信号成分を
生成する第2の音声帯域拡張手段と、前記受信した音声
信号の無声音区間と有声音区間とを判別する判別手段
と、前記判別手段の判別結果に基づき、前記無声高域信
号成分の振幅を増加する無声高域強調手段と、前記受信
した音声信号と、少なくとも前記有声高域信号成分と前
記無声高域強調手段の出力とのどちらか一方を選択する
音声選択手段と、前記音声選択手段により選択された各
音声信号を合成する音声合成手段と、を備えることによ
り、受信した音声信号より高い有声音周波数まで拡張さ
れた音声成分信号、又は、更により高い無声音周波数ま
で拡張された音声成分信号、又は、更に上記無声音周波
数まで拡張された音声成分信号の振幅を増加された音声
成分信号が追加された音声信号のいずれか1つを選択す
ることができる。
【0020】第8の発明は、受信した音声信号から、前
記音声信号における周波数の上限からそれよりも高い第
1の周波数までの周波数帯域を有する有声高域信号成分
を生成する第1の音声帯域拡張手段と、前記受信した音
声信号から、前記第1の周波数からそれよりも高い第2
の周波数までの周波数帯域を有する無声高域信号成分を
生成する第2の音声帯域拡張手段と、前記受信した音声
信号を整流処理して得た信号に基づいて、前記受信した
音声信号の周波数帯域の下限からそれよりも低い第3の
周波数までの周波数帯域を有するピッチ相当信号成分を
生成する第3の音声帯域拡張手段と、前記受信した音声
信号と、少なくとも前記有声高域信号成分と前記無声高
域信号成分と前記ピッチ相当信号成分とのうち何れか1
つを選択する音声選択手段と、前記音声選択手段により
選択された各音声信号を合成する音声合成手段と、を備
えることにより、受信した音声信号より高い有声音周波
数まで拡張された音声成分信号、又は、更により高い無
声音周波数まで拡張された音声成分信号、又は、更に受
信した音声信号からより低い音声信号が追加された音声
信号のうち、いずれか1つを選択することができる。
【0021】第9の発明は、受信した音声信号から、前
記音声信号における周波数の上限からそれよりも高い第
1の周波数までの周波数帯域を有する有声高域信号成分
を生成する第1の音声帯域拡張手段と、前記受信した音
声信号から、前記第1の周波数からそれよりも高い第2
の周波数までの周波数帯域を有する無声高域信号成分を
生成する第2の音声帯域拡張手段と、上記受信した音声
信号の無声音区間と有声音区間とを判別する判別手段
と、前記判別手段の判別結果に基づき、前記無声高域信
号成分の振幅を増加する無声高域強調手段と、前記受信
した音声信号を整流処理して得た信号に基づいて、前記
受信した音声信号の周波数帯域の下限からそれよりも低
い第3の周波数までの周波数帯域を有するピッチ相当信
号成分を生成する第3の音声帯域拡張手段と、前記受信
した音声信号と、少なくとも前記有声高域信号成分と無
声高域強調手段の出力とピッチ相当信号成分とのうち何
れか1つを選択する音声選択手段と、前記音声選択手段
により選択された各音声信号を合成する音声合成手段
と、を備えることにより、受信した音声信号より高い有
声音周波数まで拡張された音声成分信号、又は、更によ
り高い無声音周波数まで拡張された音声成分信号、又
は、更に上記無声音周波数まで拡張された音声信号の振
幅が増加された音声成分信号、又は、更に受信した音声
信号より低い音声信号が追加された音声成分信号のいず
れか1つを選択することができる。
【0022】第10の発明は、音声信号を受信する受信
機と、前記受信機が受信した前記音声信号から、前記音
声信号における周波数の上限からそれよりも高い第1の
周波数までの周波数帯域を有する有声高域信号成分を生
成する第1の音声帯域拡張手段と、前記受信した音声信
号から、前記第1の周波数からそれよりも高い第2の周
波数までの周波数帯域を有する無声高域信号成分を生成
する第2の音声帯域拡張手段と、前記受信した音声信号
と前記有声高域信号成分と前記無声高域信号成分とを合
成する音声合成手段と、を備えることにより、オフフッ
ク信号を検知した際の設定モードにより音声合成がなさ
れる。
【0023】また、第11の発明は、音声信号を受信す
る受信機と、前記受信機が受信した前記音声信号から、
前記音声信号における周波数の上限からそれよりも高い
第1の周波数までの周波数帯域を有する有声高域信号成
分を生成する第1の音声帯域拡張手段と、前記受信した
音声信号から、前記第1の周波数からそれよりも高い第
2の周波数までの周波数帯域を有する無声高域信号成分
を生成する第2の音声帯域拡張手段と、前記有声高域信
号成分のみを前記受信した音声信号に加えるモードと、
前記有声高域信号成分と前記無声高域信号成分を前記受
信した音声信号に加えるモードとを設定するモード設定
手段と、前記設定されたモードを記憶するメモリと、オ
フフック信号を発生するオフフック発生手段と、前記オ
フフック信号を検出するオフフック信号検出手段と、前
記オフフック信号を検出したときに、前記メモリに記憶
されている前記モードに基づいて、所定の音声合成を行
う音声合成手段と、前記音声合成手段により合成された
音声信号を音声として出力する音声出力手段と、を備え
ることにより、通話中にモードの変更ができるという作
用を奏する。
【0024】(実施の形態)図1〜図7を参照して、本
発明の電話装置における実施例の概要を説明する。
【0025】まず図1において、ユーザからの音声(広
帯域原音声)が受話器101のマイクに入力され、音声
送信機102はその音声の狭い音声帯域の成分だけを電
話回線などの伝送路103を介して相手の電話装置10
7に送信する。本発明の電話装置107では、音声受信
機104により受信された狭帯域の成分は、帯域拡張器
105によりその音声が拡張されて受話器106のスピ
ーカから擬似広帯域音声として出力されるように構成さ
れている。
【0026】次に、図2を参照して、上述の電話装置1
07の構成例を詳細に説明する。
【0027】本発明の電話装置107においては、通常
の電話機のように、着信要求検出器211は電話回線等
の伝送路103から電話装置107に到達した着信要求
信号を検出して、ベル音を発生させる。
【0028】その後、オフフック信号検出器212は、
ユーザが受話器106を取ることで発生するオフフック
信号を検出する。
【0029】ユーザは、設定器221によって、受信し
た音声信号の帯域の拡張モード(本実施例では4つのモ
ードを仮定)を設定することができる。設定されたモー
ド情報はメモリ222に格納され、設定モード検出器2
23は、その設定モードの検出を行う。この動作の詳細
は後述する。尚、メモリ222は、半導体メモリや磁気
記録などを含めた記憶手段を示している。
【0030】音声受信機104は、電話回線等の伝送路
103からのアナログ音声信号を受信し、信号増幅器2
32はその受信したアナログ音声信号を増幅する。モデ
ム233は、通信方式に応じて、受信した信号を復調す
る。また、AD変換器261は、その復調した音声信号
をデジタル信号に変換する。
【0031】次に、AD変換器261によりデジタル信
号に変換された音声信号は、音声帯域拡張ユニット20
1に送信される。音声帯域拡張ユニット201は、上記
設定されたモードに従って、デジタル信号に変換された
音声信号の帯域を拡張する。帯域が拡張された音声信号
は、DA変換器262によりアナログ信号に変換され、
音声増幅器241により増幅され、受話器106のスピ
ーカ等の音声出力器242により音声として出力され
る。
【0032】以上の基本的構成により、話者から発せら
れた広域の原音声が受話器101のマイクに入力され、
一旦、電話回線などの伝送路103にて狭帯域音声とな
るが、再度、受話器106のスピーカから擬似広帯域音
声として出力される。
【0033】一方、受話器101のマイク等の音声入力
器251から入力された音声は、音声増幅器252によ
り増幅され、音声送信機102により電話回線等の伝送
路103に送出される。
【0034】尚、制御器202は、上記各部の総合的な
制御を行う。
【0035】上述の説明では、音声受信機104は電話
回線などの伝送路103からの音声信号としたが、ビル
内に設置されたPBXに連結される電話同士の通話であ
ってもよい。
【0036】また、音声信号の変復調を行うモデム23
3を受信側と送信側で用いることにより、本発明をAD
SL回線によるインターネット電話などに応用すること
も可能である。
【0037】次に、図3を参照して、本実施例の電話装
置の音声帯域拡張ユニット201について、詳細に説明
する。
【0038】音声帯域拡張ユニット201は、狭帯域音
声を擬似広帯域音声に変換するために、第1の音声帯域
拡張部310と第2の音声帯域拡張部320と第3の音
声帯域拡張部330との3つの音声帯域拡張部を備えて
いる。第1の音声帯域拡張部(第1の生成手段)310
は、有声高域シフト部(シフト手段)311と有声高域
フィルタ部312とを有している。有声高域シフト部3
11は、電話音声などの狭帯域幅に制限された音声信号
を周波数シフトする。即ち、有声高域シフト部311
は、伝送路103を通過した音声信号の周波数上限
(3.5kHz)の成分が音声の有声音区間の信号帯域
上限(約5.5kHz)に近くなるように、伝送路10
3を通過した音声信号を高周波側に一定の周波数(約2
kHz)だけシフトする。また、有声高域フィルタ部3
12は、高域に周波数シフトされた信号を帯域濾波す
る。有声高域フィルタ部312の通過帯域は、伝送路1
03を通過した音声信号の上限周波数(約3.5kH
z)を下限とし、有声音の帯域上限(約5.5kHz)
程度までの帯域幅であって、有声高域フィルタ部312
はこの帯域(以下、有声高域信号成分と記載)の信号成
分を抽出する。この有声高域信号成分の帯域上限程度の
周波数は第1の周波数と呼ばれ、本実施例では約5.5
kHzである。
【0039】次に、図4(A)〜図4(D)を参照し
て、周波数シフトについてその概要を説明する。
【0040】図4(A)は、本発明の電話装置における
実施例の周波数シフトの構成概念を示すブロック図であ
る。図4(A)において、入力端子417を介して印加
された音声信号をsin(f・t)とする。即ち、角周
波数はf[ラジアン/秒]であり、時間をt[秒]として表
現される単一周波数の信号を仮定する。この音声信号が
位相器415と乗算器411に供給される。位相器41
5は入力された音声信号を(π/2)ラジアン移相す
る。
【0041】信号原412は、単一周波数の信号であ
る。その信号をcos(F・t)とする。即ち、角周波
数がF[ラジアン/秒]であるコサイン信号を仮定する。
この角周波数F[ラジアン/秒]は、シフトさせようとし
ている周波数を各周波数で表現したものである。乗算器
411は、入力端子417を介して印加された音声信号
と信号原412からの信号とを乗算する。
【0042】信号原414は、単一周波数の信号であ
る。その信号を(−sin(F・t))とする。即ち、
角周波数がF[ラジアン/秒]であるサイン信号を極性逆
転させたものを仮定する。乗算器413は、位相器41
5の出力信号と信号原414からの信号とを乗算する。
【0043】したがって、乗算器411の出力信号は、
sin(f・t)・cos(F・t)で表現でき、乗算
器413の出力信号は、(−sin(ft−π/2)・
sin(F・t))=cos(f・t)・sin(F・
t)で表現できる。加算器416は乗算器411の出力
と乗算器413の出力とを加算するので、その出力信号
418は、sin((f+F)・t)で表現できる。即
ち、出力信号418は入力端子417が角周波数Fに相
当する周波数だけ高域側へのシフトされた信号に相当す
る。
【0044】図4(B)は、図4(A)での入力端子4
17と出力信号418を周波数領域で表現した図であ
る。横軸421は周波数、縦軸422は振幅を示す。ス
ペクトラム423は入力端子417の周波数スペクトラ
ム、スペクトラム424は出力信号418の周波数スペ
クトラムを示している。図4(B)が示す様に、元の音
声信号成分が角周波数Fに相当する周波数だけ高域側に
移動する。
【0045】図4(C)は、上述の周波数シフトを簡易
な方法で実行する場合を示している。乗算器431は図
4(A)の乗算器411に、信号原432は図4(A)
の信号原412に、入力信号433は図4(A)の入力
端子417に相当しており、個々の詳細な説明は省略す
る。
【0046】乗算器431の出力信号は、sin(f・
t)とcos(F・t)とが乗算されたものであり、s
in((f+F)・t)+sin((f−F)・t)と
なる。この信号のsin((f+F)・t)の成分のみ
を抽出できれば、図4(C)の方法でも良い。
【0047】図4(D)は、図4(C)での入力信号4
33と出力信号434を周波数領域で表現した図であ
る。横軸441は周波数、縦軸442は振幅を示す。ス
ペクトラム443は入力信号433の周波数スペクトラ
ム、スペクトラム444とスペクトラム446は出力信
号434の周波数スペクトラムを示している。図4
(C)の後段に帯域通過フィルタを置いて、スペクトラ
ム445のみを抽出すれば、周波数シフトが実現され
る。
【0048】次に、図3に戻って、第2の音声帯域拡張
部(第2の生成手段)320は、無声高域シフト部32
1、無声高域フィルタ部322、有声/無声判定部32
3、無声高域強調部(強調手段)324を有している。
【0049】無声高域シフト部321は、入力されてい
る音声信号の周波数上限(3.5kHz)が音声の無声
音区間の帯域上限(約7kHz)に近くなるように、入
力されている狭帯域幅の音声信号を高周波側に一定の周
波数(約3.5kHz)だけシフトする。
【0050】無声高域フィルタ部322は、この高域に
シフトされた信号を帯域濾波する。即ち、無声高域フィ
ルタ部322は、上記有声高域の帯域上限(約5.5k
Hz)を周波数下限とし、無有声音区間の帯域上限(約
7kHz)を周波数上限とする周波数帯域(以下、無声
高域信号成分と記載)の信号成分を抽出する。尚、この
無声高域信号成分の周波数上限は第2の周波数と呼ば
れ、本実施例では約7kHzである。
【0051】有声/無声判定部(判別手段)323は、
入力音声信号を解析し、音声信号中の母音を含まない無
声音区間と母音を含む有声音区間の何れであるか判定す
る。
【0052】無声高域強調部324は、有声/無声判定
部323の判定結果に基づき、無声高域フィルタ部32
2の出力信号に対して無声音を強調するように振幅を高
くする振幅制御を行う。
【0053】次に、第3の音声帯域拡張部(第3の生成
手段)330は、狭帯域の入力音声信号を整流処理する
ことにより調波歪み信号(Harmonic Distortion)を生
成する整流処理部331と、整流処理により得た信号成
分で音声信号のピッチ相当の低域周波数成分を抽出する
低域フィルタ部332を有する。低域フィルタ部332
の出力は第3の音声帯域拡張部330の出力信号であ
り、この出力信号はピッチ相当信号成分と呼ばれる。
【0054】また、設定モード検出器223は、ユーザ
が操作キー等の設定器221により選択したモードを検
出し、音声選択部340を制御する。
【0055】音声選択部(選択手段)340は、設定モ
ード検出器223に制御され、供給されている音声信号
を選択する。即ち、音声選択部340は、入力されてい
る狭帯域音声203、有声高域フィルタ部312の出
力、無声高域強調部324の出力、低域フィルタ部33
2の出力から取捨選択する。
【0056】本実施例では、ユーザは、以下に示すモー
ド1からモード4までの4種類のモードから選択できる
と仮定する。モード1は電話帯域の狭帯域音声203と
第1の音声帯域拡張部310からの有声高域信号の組合
せ、モード2は電話帯域の狭帯域音声203と第1の音
声帯域拡張部310からの有声高域信号と第2の音声帯
域拡張部320からの無声高域信号との組合せ、モード
3は電話帯域の狭帯域音声203と第1の音声帯域拡張
部310からの有声高域信号と第3の音声帯域拡張部3
30からのピッチ相当信号成分との組合せ、モード4は
電話帯域の狭帯域音声203と第1の音声帯域拡張部3
10からの有声高域信号と第2の音声帯域拡張部320
からの無声高域信号と第3の音声帯域拡張部330から
のピッチ相当信号成分との組合せである。
【0057】音声合成部350は、第1の音声帯域拡張
部310からの有声高域信号成分と、第2の音声帯域拡
張部320からの無声高域信号成分と、第3の音声帯域
拡張部330からのピッチ相当信号成分と電話帯域の狭
帯域音声203、それぞれの遅延時間と音量比を調節
し、それらを合成して擬似広帯域音声204を出力す
る。
【0058】次に、図5を参照して、上記のように構成
された音声帯域拡張ユニット201を各部での周波数ス
ペクトラムを用いてさらに詳細に説明する。
【0059】図5において、第1の音声帯域拡張部31
0における有声高域シフト部311は、入力される狭帯
域幅の音声信号の高域側周波数上限が音声の有声音区間
の帯域上限に近い約5.5kHz程度となるように、狭
帯域幅の音声信号の周波数を高周波側にシフトする(た
とえば、入力が電話音声ならば、その帯域上限の約3.
5kHzの信号が音声の有声音区間の帯域上限である約
5.5kHzの信号になるよう、高域側に約2kHzだ
けシフトする。)。有声高域シフト部311に示された
図はスペクトラム図であり、横軸は周波数、縦軸は振幅
を示している。スペクトラム511は入力される狭帯域
幅の音声信号のスペクトラム、スペクトラム512は有
声高域シフト部311の出力信号のスペクトラムであ
る。
【0060】また、有声高域フィルタ部312は、有声
高域にシフト処理された信号を、入力信号帯域の上限か
ら有声音の帯域上限の約5.5kHz程度までの周波数
帯域幅の有声高域信号成分を帯域通過フィルタによって
抽出する(たとえば、入力信号が前述の電話音声なら
ば、約3.5kHzから5.5kHzまでの周波数帯域
幅の信号を抽出する。本実施例では、第1の周波数とし
て5.5kHzを仮定している。)。この帯域通過フィ
ルタを代表的なホルマントの形状にすると、音声の再現
性(復元性)がより向上する。有声高域フィルタ部31
2に示された図はスペクトラム図であり、横軸は周波
数、縦軸は振幅を示している。スペクトラム513は有
声高域フィルタ部312の出力信号のスペクトラムであ
る。
【0061】次に、第2の音声帯域拡張部320におけ
る無声高域シフト部321は、入力される狭帯域幅の音
声信号の高域側周波数上限が音声の無声音区間の帯域上
限に近い7kHz程度になるよう、入力される狭帯域幅
の音声信号周波数を高周波側にシフトする(たとえば、
入力音声信号が電話音声ならば、その帯域上限の約3.
5kHzの信号が約7kHzの信号になるよう、入力音
声信号は高域側に約3.5kHzの周波数だけシフトさ
れる。本実施例では、第2の周波数として7kHzを仮
定している。)。
【0062】無声高域フィルタ部322は、周波数シフ
ト処理された信号に対し、有声音をシフトした帯域の上
限周波数5.5kHzから、音声の無声音区間の帯域上
限である約7kHz程度までの周波数帯域幅の無声高域
信号成分を、帯域通過フィルタによって抽出する。無声
高域フィルタ部322に示された図はスペクトラム図で
あり、横軸は周波数、縦軸は振幅を示している。スペク
トラム523は無声高域フィルタ部322の出力信のス
ペクトラムである。
【0063】有声/無声判定部323は、入力される音
声信号を解析し、音声信号中の母音を含まない無声音区
間と母音を含む有声音区間とを識別する。すなわち、有
声/無声判定部323は、期間長が数十ミリ秒から数百
ミリ秒である各フレーム毎に、狭帯域音声信号の特徴を
分析する。たとえば、1フレーム内に含まれる狭帯域音
声信号のゼロクロス数を用いることにより、そのフレー
ムが有声音区間であるか無声音区間であるかが識別され
る。
【0064】有声音区間では、ゼロクロスの回数は少な
く、また周期的に発生しやすい。他方、無声音区間で
は、ゼロクロスの回数は多くなり、周期を持たない。こ
のことを利用して、有声音区間と無声音区間を識別する
ことができる。このゼロクロスの回数を所定回数に設定
して判定の為の閾値とし、この閾値に基づいて無声区間
と有声区間が判別される。
【0065】無声高域強調部(強調手段)324は、有
声/無声判定部323の判定結果に基づき、有声区間で
は無声高域フィルタ部322の出力信号を抑制し、無声
区間では無声高域フィルタ部322の出力信号を抑制し
ないことにより無声高域信号成分の振幅調整を行う。無
声高域強調部324に示された図はスペクトラム図であ
り、横軸は周波数、縦軸は振幅を示している。スペクト
ラム524は無声高域強調部324の出力信号のスペク
トラムである。
【0066】次に、第3の音声帯域拡張部330は、整
流処理部331、低域フィルタ部332を有する。
【0067】整流処理部331は、狭帯域の入力信号を
半波整流、あるいは全波整流することにより、調波歪み
信号(Harmonic Distortion)を生成する。たとえば、
デジタルによる半波整流は、サンプル値の符号が負の部
分はゼロ値に置き換え、残りはサンプル値そのままで出
力することにより実現される。整流処理部331に示さ
れた図はスペクトラム図であり、横軸は周波数、縦軸は
振幅を示している。スペクトラム511は入力される狭
帯域幅の音声信号、スペクトラム531は整流処理部3
31の出力信号である。
【0068】低域フィルタ部332は、整流処理により
得た信号成分中で元の音声信号の基本周波数が多く含ま
れる成分、即ち音声信号のピッチ相当の低域周波数成分
を遮断周波数300Hzの低域通過フィルタで抽出す
る。この様にして、音声ピッチ相当信号成分が生成され
る。なお、基本周波数の下限は100Hz程度なので、
低域通過フィルタの代わりに、通過周波数帯域が100
Hzから300Hz程度の帯域通過フィルタを用いれ
ば、整流処理によって生じる直流成分を排除できる。低
域フィルタ部332に示された図はスペクトラム図であ
り、横軸は周波数、縦軸は振幅を示している。スペクト
ラム532は低域フィルタ部332の出力信号のスペク
トラムである。
【0069】音声合成部350は、第1の音声帯域拡張
部310、第2の音声帯域拡張部320、第3の音声帯
域拡張部330からの音声信号と電話帯域の狭帯域音声
203、それぞれの遅延時間と音量比を調節し、それら
を加算(合成)して擬似広帯域音声204を出力する。
擬似広帯域音声204に示された図はスペクトラム図で
あり、横軸は周波数、縦軸は振幅を示している。擬似広
帯域音声204のスペクトラムは、スペクトラム51
1、スペクトラム513、スペクトラム524、スペク
トラム532を合成したものである。
【0070】次に、図6を参照して、本実施例の電話装
置での全体動作の概要を説明する。
【0071】ステップAでは、着信要求検出器211
は、電話回線などの伝送路103からの着信要求信号を
検出してベル音を発生させる。
【0072】ステップBでは、その後ベル音がなってい
る間にユーザが受話器106を取るとオフフック信号が
発生し、オフフック信号検出器212はそのオフフック
信号を検出する。
【0073】ステップCでは、設定モード検出器223
は、上記オフフック信号の検出後、メモリ222に設定
されたモード情報が有るか否かを検出する。上記モード
情報がある場合には、ステップDにて設定モードに従っ
て上記狭帯域の音声と選択された拡張音声成分とが音声
合成される。
【0074】次に、ステップEでは、上記の合成された
広帯域の音声が出力される。
【0075】また、ステップCにて、モードの設定がな
いと判定されると、ステップFで、通常の狭帯域の音声
が出力される。
【0076】なお、本電話装置では、通話中であって
も、設定器221からの入力により設定モードが変更で
きる。よって、設定器221から設定モードの新たな入
力があると、新たなモードの設定は、メモリ222に格
納され、更に、制御器202は、上記メモリ222に格
納された新たなモード情報を検出し、設定モードを変更
する。
【0077】以下に、受信した狭帯域の音声を最大に拡
張するモードを例に挙げて、本実施例での更に具体的な
動作を説明する。即ち、図6のステップCで、モード設
定の存在が検出されてそのモードが前述のモード4であ
ることが判明したケースが例に挙げられている。モード
4であることが判明した場合でのステップDとステップ
Eでの動作を説明する。
【0078】図2のAD変換器261は、入力される電
話音声等の狭帯域アナログ信号をデジタル信号に変換す
る。そのサンプリング周波数は、本実施例によって拡張
される帯域の上限である7kHz程度の信号が収まるよ
う、約14kHz以上に設定される。仮に、サンプリン
グ周波数が14kHz未満のデジタル音声信号を入力す
る場合は、14kHz以上にアップサンプリング処理し
て帯域幅が確保される。
【0079】まず、第1の音声帯域拡張部310の動作
について、図2、図3、図5を参照しながら図7と共に
説明する。
【0080】ステップS1で、有声高域シフト部311
は、入力される狭帯域幅の音声信号の高域側周波数上限
が音声の有声音区間の帯域上限に近い約5.5kHz程
度となるように、狭帯域幅の音声信号の周波数を高周波
側にシフトする。たとえば、入力が電話音声ならば、そ
の帯域上限の約3.5kHzの信号が音声の有声音区間
の帯域上限である約5.5kHzの信号になるよう、高
域側に約2kHzだけシフトする。
【0081】ステップS2で、有声高域フィルタ部31
2は、有声高域にシフト処理された上述の信号から、入
力帯域の上限から有声音の帯域上限の約5.5kHz程
度までの帯域幅の有声高域信号成分を、帯域通過フィル
タによって抽出する。たとえば、入力が前述の電話音声
ならば、約3.5kHzから5.5kHzまでの帯域幅
の信号を抽出する。ここで、帯域通過フィルタを代表的
なホルマントの形状にすると、音声の再現性がより向上
する。
【0082】次に、第2の音声帯域拡張部320の動作
は以下の通りである。
【0083】ステップS3で、無声高域シフト部321
は、入力される狭帯域幅のデジタル音声信号の高域側周
波数上限が音声の無声音区間の帯域上限に近い7kHz
程度になるよう、入力される狭帯域幅のデジタル音声信
号周波数を高周波側にシフトする。たとえば、入力音声
信号が電話音声ならば、その帯域上限の約3.5kHz
の信号が約7kHzの信号になるよう、入力音声信号は
高域側に約3.5kHzの周波数だけシフトされる。そ
のシフト方法は、第1の音声帯域拡張部310の有声高
域のシフト処理と同様である。
【0084】ステップS4で、上述の約7kHzシフト
処理された信号に対し、上記有声高域の帯域上限の5.
5kHzから音声の無声音区間の帯域上限である約7k
Hz程度までの帯域幅の無声高域信号成分を無声高域フ
ィルタ部322によって抽出する。
【0085】ステップS5で、有声/無声判定部323
は入力されているデジタル音声信号を短時間周期のフレ
ームに分割する。尚、このフレームは、数十ミリ秒のフ
レーム長で半区間ずつ重複して切り出される。
【0086】ステップS6で、有声/無声判定部323
は各フレームをを解析し、音声信号中の母音を含まない
無声音区間と母音を含む有声音区間とを時間軸上で判定
する。
【0087】ステップS7では、無声高域強調部324
はステップS6の判定結果に基づき、ステップS4の出
力信号に対して振幅調整を行う。
【0088】具体的には、有声区間ではこの周波数帯域
の出力を抑制し、無声区間では抑制しないことにより無
声高域の振幅調整が行なわれる。広帯域の原音声の観察
によると、音声の有声音区間ではこの周波数帯域の成分
はほとんど信号が存在せず、無声音区間のみ摩擦音等の
ノイズ性信号がこの周波数帯域に存在する傾向が存在す
る。ステップS7は、信号の振幅調整により、この傾向
を再現している。
【0089】なお、上記区間を有声と無声の2種類に分
けるのではなく、ステップS6において区間の有声らし
さと無声らしさとの間を多段階に分けて評価し、減衰率
をそれぞれ少しずつ異ならせることにより、音声信号の
時間フレーム間の繋ぎ目をスムーズにすることもでき
る。また、有声と無声のホルマント形状を反映したなだ
らかな減衰特性を有するフィルタを音声信号のそれぞれ
の時間フレーム区間に適用すれば、音声の自然さはより
一層向上する。
【0090】次に、第3の音声帯域拡張部330の動作
は以下の通りである。
【0091】ステップS8で、整流処理部331は、デ
ジタル音声信号に対し、半波整流あるいは全波整流処理
を行うことにより、元の周波数帯域に含まれる有声音信
号の高調波成分を生成する。
【0092】ステップS9で、低域フィルタ部332
は、ステップS8の出力信号にローパスフィルタを施
す。すなわち、整流処理によって得られる音声信号の基
本周波数に相当するピッチを含む低域周波数成分をロー
パスフィルタで抽出する。こうして、ピッチ相当信号成
分が生成される。これにより、電話回線等の伝送回線を
通す際に狭帯域化したことで消失した音声の低周波数成
分を擬似的に復元される。
【0093】ここで、増幅率を可変にして、低域拡張効
果の程度を調節することも可能である。
【0094】以上の各音声帯域拡張部の拡張処理は、ほ
ぼ同じに行われる。
【0095】次に、音声選択部340及び音声合成部3
50の動作は以下の通りである。
【0096】ステップS10で、音声選択部340は検
出されたモードに従って、第1の音声帯域拡張部31
0、第2の音声帯域拡張部320及び第3の音声帯域拡
張部330からの拡張音声を取捨選択する。ここでは、
ユーザがモード4を選択しているケースを仮定している
ので、音声選択部340は、入力されているデジタル音
声信号と第1の音声帯域拡張部310の出力と第2の音
声帯域拡張部320の出力と第3の音声帯域拡張部33
0からの出力を全て選択する。
【0097】ステップS11で、音声合成部350は、
音声選択部340からの各音声成分の遅延時間を調整す
る。
【0098】ステップS12で、音声合成部350は、
動作する装置の音声入力側および出力側の周波数特性を
参考に、予め設定した帯域間の音量バランスに、各帯域
の信号間を調整して出力する。ここで、増幅率を可変に
して、帯域拡張効果の程度を調節することも可能であ
る。
【0099】ステップS13で、元の周波数帯域の音声
信号(300Hz〜3.5kHz:図5のスペクトラム
511で示された成分)とステップS2での出力信号で
ある拡張された有声高域の信号(3.5kHz〜5kH
z:図5スペクトラム513で示された成分)とステッ
プS7の出力信号である拡張された無声高域の信号(5
kHz〜7kHz:図5スペクトラム524で示された
成分)とステップS9の出力信号である低域拡張成分
(300Hz以下:図5スペクトラム532で示された
成分)とを音声合成部350が加算し、低域高域の双方
の帯域が拡張された擬似広帯域音声(図5の擬似広帯域
音声204に示す周波数分布を持つ擬似的に帯域拡張さ
れた音声信号)を生成する。
【0100】ステップS14で、合成された音声のデジ
タル信号はアナログ信号に変換され、擬似的に広帯域化
された音声信号が出力される。
【0101】ここで、本実施例では、モデムを介しての
通信とした。しかし、本発明は、通信方式としてADS
L等のアナログ通信、ISDNやIP電話等のデジタル
通信にも適用できることは明らかである。
【0102】以上の説明より明らかなように、本実施例
による音声信号の帯域拡張ユニットによれば、電話回線
等の伝送路を通す際に狭帯域化された音声信号に対し
て、疑似的に高域あるいは高域低域を補償することがで
きる。それゆえ、本実施例は本来の音声信号帯域幅で表
現される音声の特徴を活かしたまま、出力音声信号の帯
域拡張を行うことができ、しかも、比較的少ない演算量
で実用的な音質の音域補償を行うことが可能になる。
【0103】したがって、本実施例は、たとえば、現在
電話の狭帯域音声信号を、AMラジオ並みの広帯域音声
信号に実質的に拡張することができる。
【0104】また、本実施例は、低域周波数の音声信号
を擬似的に補強して、音声信号の高域・低域の両方を拡
張するように補強すると、更に自然な音声信号を作り出
すようにもできる。
【0105】本実施例と類似の手法による帯域拡張処理
を電話音声に適用した場合の改善効果を、12人の70
歳〜81歳の日本人で視聴実験した所、次の様な結果を
得た。
【0106】単音節音声の了解度は、無処理で65%で
あったものが、本実施例適用で79%に向上した。ま
た、5段階法(5点満点法)による音質評価は、無処理
で3.0であったものが、本実施例適用で3.5に向上
した。
【0107】また、日本語に比べ子音や無声音部の多い
英語をはじめ他の言語の場合には、これら単音節了解度
および音質評価は、日本語の場合以上に改善することが
期待できる。
【0108】したがって、本実施例は、お年寄り等の聴
覚が衰えた人の大きな障害を軽減し、しかも、比較的簡
単な構成や方法で実施できるので、多くの音声機器に適
用でき、さらにまた、世界の多くの言語圏でも適用でき
るなど、実用上の利点は極めて大きい。
【0109】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の電話装置によれば、電話回線等を通す際等に狭帯域化
された音声信号に対して、疑似的に高域あるいは高・低
域を補償することができ、本来の音声信号帯域幅で表現
される音声の特徴を活かしたまま、出力音声信号の帯域
拡張を行うことができ、しかも、比較的少ない演算量で
実用的な音質の音域補償を行うことが可能になる。
【0110】したがって、たとえば、電話加入者回線等
の狭帯域音声信号を、AMラジオ程度の広帯域音声信号
に実質的に拡張することができる。
【0111】また、本発明は、低域周波数の音声信号を
擬似的に補強して、音声信号の高域・低域の両方を拡張
するように補強すると、更に自然な音声信号を作り出す
ようにもできる。
【0112】更に、本発明の電話装置では、拡張のレベ
ルを受信した音声信号の周波数域の高低方向に段階的に
調整できるので、個々のユーザにあった拡張モードが設
定でき、極めて使い勝ってがよい。
【0113】更に、オフフックした際の設定モードによ
り音声合成がなされ、通話中にモードの変更ができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電話装置における実施の形態の概念ブ
ロック図
【図2】本発明の電話装置における実施の形態のブロッ
ク構成図
【図3】本発明の電話装置における実施の形態の音声帯
域拡張ユニットの処理構成図
【図4】本発明の電話装置における実施の形態の周波数
シフトの説明図
【図5】本発明の電話装置における実施の形態の音声帯
域拡張ユニットの動作説明のフローチャート
【図6】本発明の電話装置における実施の形態の概略動
作のフローチャート
【図7】本発明の電話装置における実施の形態の音声帯
域拡張ユニットの動作説明のフローチャート
【符号の説明】
1a 着信要求検出手段 1b オフフック信号検出手段 2a 設定手段 2c 設定モード検出手段 7 音声帯域拡張ユニット

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受信した音声信号から、前記音声信号にお
    ける周波数の上限からそれよりも高い第1の周波数まで
    の周波数帯域を有する有声高域信号成分を生成する第1
    の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号から、前記第1の周波数からそれ
    よりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声
    高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号と前記有声高域信号成分と前記無
    声高域信号成分とを合成する音声合成手段と、を備える
    電話装置。
  2. 【請求項2】前記第1の周波数は5.5kHzである請
    求項1に記載の電話装置。
  3. 【請求項3】前記第2の周波数は7.0kHzである請
    求項1に記載の電話装置。
  4. 【請求項4】前記音声合成手段は、前記受信した音声信
    号と前記有声高域信号成分と前記無声高域信号成分とを
    夫々の音量差を調整して音声合成する請求項1に記載の
    電話装置。
  5. 【請求項5】受信した音声信号に基いて、前記音声信号
    における周波数の上限からそれよりも高い第1の周波数
    までの周波数帯域を有する有声高域信号成分を生成する
    第1の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号から、前記第1の周波数からそれ
    よりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声
    高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、 上記受信した音声信号の無声音区間と有声音区間とを判
    別する判別手段と、 前記判別手段の判別結果に基づき、前記無声高域信号成
    分の振幅を増加する無声高域強調手段と、 前記受信した音声信号と前記有声高域信号成分と前記無
    声高域強調手段の出力とを合成する音声合成手段と、を
    備える電話装置。
  6. 【請求項6】前記第1の周波数は5.5kHzである請
    求項5に記載の電話装置。
  7. 【請求項7】前記第2の周波数は7.0kHzである請
    求項5に記載の電話装置。
  8. 【請求項8】前記音声合成手段は、前記受信した音声信
    号と前記有声高域信号成分と前記無声高域強調手段の出
    力とを夫々の音量差を調整して音声合成する請求項5に
    記載の電話装置。
  9. 【請求項9】受信した音声信号から、前記音声信号にお
    ける周波数の上限からそれよりも高い第1の周波数まで
    の周波数帯域を有する有声高域信号成分を生成する第1
    の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号から、前記第1の周波数からそれ
    よりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声
    高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、 上記受信した音声信号の無声音区間と有声音区間とを判
    別する判別手段と、前記判別手段の判別結果に基づき、
    前記無声高域信号成分の振幅を増加する無声高域強調手
    段と、 前記受信した音声信号を整流処理して得た信号に基づい
    て、前記受信した音声信号の周波数帯域の下限からそれ
    よりも低い第3の周波数までの周波数帯域を有するピッ
    チ相当信号成分を生成する第3の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号と前記有声高域信号成分と前記無
    声高域強調手段の出力と前記ピッチ相当信号成分を合成
    する音声合成手段と、を備える電話装置。
  10. 【請求項10】前記第1の周波数は5.5kHzである
    請求項9に記載の電話装置。
  11. 【請求項11】前記第2の周波数は7.0kHzである
    請求項9に記載の電話装置。
  12. 【請求項12】前記音声合成手段は、前記受信した音声
    信号と前記有声高域信号成分と前記無声高域強調手段の
    出力と前記ピッチ相当信号成分とを夫々の音量差を調整
    して音声合成する請求項9に記載の電話装置。
  13. 【請求項13】受信した音声信号から、前記音声信号に
    おける周波数の上限からそれよりも高い第1の周波数ま
    での周波数帯域を有する有声高域信号成分を生成する第
    1の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号から、前記第1の周波数からそれ
    よりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声
    高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号を整流処理して得た信号に基づい
    て、前記受信した音声信号の周波数帯域の下限からそれ
    よりも低い第3の周波数までの周波数帯域を有するピッ
    チ相当信号成分を生成する第3の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号と前記有声高域信号成分と前記無
    声高域信号成分と前記ピッチ相当信号成分を合成する音
    声合成手段と、を備える電話装置。
  14. 【請求項14】前記第1の周波数は5.5kHzである
    請求項13に記載の電話装置。
  15. 【請求項15】前記第2の周波数は7.0kHzである
    請求項13に記載の電話装置。
  16. 【請求項16】前記音声合成手段は、前記受信した音声
    信号と前記有声高域信号成分と前記無声高域信号成分と
    前記ピッチ相当信号成分とを夫々の音量差を調整して音
    声合成する請求項13に記載の電話装置。
  17. 【請求項17】受信した音声信号から、前記音声信号に
    おける周波数の上限からそれよりも高い第1の周波数ま
    での周波数帯域を有する有声高域信号成分を生成する第
    1の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号から、前記第1の周波数からそれ
    よりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声
    高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号と、少なくとも前記有声高域信号
    成分と前記無声高域信号成分とのどちらか一方を選択す
    る音声選択手段と、 前記音声選択手段により選択された各音声信号を合成す
    る音声合成手段と、を備える電話装置。
  18. 【請求項18】前記第1の周波数は5.5kHzである
    請求項17に記載の電話装置。
  19. 【請求項19】前記第2の周波数は7.0kHzである
    請求項17に記載の電話装置。
  20. 【請求項20】前記音声合成手段は、前記音声選択手段
    により選択された各音声信号を夫々の音量差を調整して
    音声合成する請求項17に記載の電話装置。
  21. 【請求項21】受信した音声信号から、前記音声信号に
    おける周波数の上限からそれよりも高い第1の周波数ま
    での周波数帯域を有する有声高域信号成分を生成する第
    1の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号から、前記第1の周波数からそれ
    よりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声
    高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号の無声音区間と有声音区間とを判
    別する判別手段と、 前記判別手段の判別結果に基づき、前記無声高域信号成
    分の振幅を増加する無声高域強調手段と、 前記受信した音声信号と、少なくとも前記有声高域信号
    成分と前記無声高域強調手段の出力とのどちらか一方を
    選択する音声選択手段と、 前記音声選択手段により選択された各音声信号を合成す
    る音声合成手段と、を備える電話装置。
  22. 【請求項22】前記第1の周波数は5.5kHzである
    請求項21に記載の電話装置。
  23. 【請求項23】前記第2の周波数は7.0kHzである
    請求項21に記載の電話装置。
  24. 【請求項24】前記音声合成手段は、前記音声選択手段
    により選択された各音声信号を夫々の音量差を調整して
    音声合成する請求項21に記載の電話装置。
  25. 【請求項25】受信した音声信号から、前記音声信号に
    おける周波数の上限からそれよりも高い第1の周波数ま
    での周波数帯域を有する有声高域信号成分を生成する第
    1の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号から、前記第1の周波数からそれ
    よりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声
    高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号を整流処理して得た信号に基づい
    て、前記受信した音声信号の周波数帯域の下限からそれ
    よりも低い第3の周波数までの周波数帯域を有するピッ
    チ相当信号成分を生成する第3の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号と、少なくとも前記有声高域信号
    成分と前記無声高域信号成分と前記ピッチ相当信号成分
    とのうち何れか1つを選択する音声選択手段と、 前記音声選択手段により選択された各音声信号を合成す
    る音声合成手段と、を備える電話装置。
  26. 【請求項26】前記第1の周波数は5.5kHzである
    請求項25に記載の電話装置。
  27. 【請求項27】前記第2の周波数は7.0kHzである
    請求項25に記載の電話装置。
  28. 【請求項28】前記音声合成手段は、前記音声選択手段
    により選択された各音声信号を夫々の音量差を調整して
    音声合成する請求項25に記載の電話装置。
  29. 【請求項29】受信した音声信号から、前記音声信号に
    おける周波数の上限からそれよりも高い第1の周波数ま
    での周波数帯域を有する有声高域信号成分を生成する第
    1の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号から、前記第1の周波数からそれ
    よりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声
    高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、 上記受信した音声信号の無声音区間と有声音区間とを判
    別する判別手段と、 前記判別手段の判別結果に基づき、前記無声高域信号成
    分の振幅を増加する無声高域強調手段と、 前記受信した音声信号を整流処理して得た信号に基づい
    て、前記受信した音声信号の周波数帯域の下限からそれ
    よりも低い第3の周波数までの周波数帯域を有するピッ
    チ相当信号成分を生成する第3の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号と、少なくとも前記有声高域信号
    成分と無声高域強調手段の出力とピッチ相当信号成分と
    のうち何れか1つを選択する音声選択手段と、 前記音声選択手段により選択された各音声信号を合成す
    る音声合成手段と、を備える電話装置。
  30. 【請求項30】前記第1の周波数は5.5kHzである
    請求項29に記載の電話装置。
  31. 【請求項31】前記第2の周波数は7.0kHzである
    請求項29に記載の電話装置。
  32. 【請求項32】前記音声合成手段は、前記音声選択手段
    により選択された各音声信号を夫々の音量差を調整して
    音声合成する請求項29に記載の電話装置。
  33. 【請求項33】音声信号を受信する受信機と、 前記受信機が受信した前記音声信号から、前記音声信号
    における周波数の上限からそれよりも高い第1の周波数
    までの周波数帯域を有する有声高域信号成分を生成する
    第1の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号から、前記第1の周波数からそれ
    よりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声
    高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号と前記有声高域信号成分と前記無
    声高域信号成分とを合成する音声合成手段と、を備える
    電話装置。
  34. 【請求項34】前記第1の周波数は5.5kHzである
    請求項33に記載の電話装置。
  35. 【請求項35】前記第2の周波数は7.0kHzである
    請求項33に記載の電話装置。
  36. 【請求項36】前記音声合成手段は、前記受信した音声
    信号と前記有声高域信号成分と前記無声高域信号成分と
    を夫々の音量差を調整して音声合成する請求項33に記
    載の電話装置。
  37. 【請求項37】音声信号を受信する受信機と、 前記受信機が受信した前記音声信号から、前記音声信号
    における周波数の上限からそれよりも高い第1の周波数
    までの周波数帯域を有する有声高域信号成分を生成する
    第1の音声帯域拡張手段と、 前記受信した音声信号から、前記第1の周波数からそれ
    よりも高い第2の周波数までの周波数帯域を有する無声
    高域信号成分を生成する第2の音声帯域拡張手段と、 前記有声高域信号成分のみを前記受信した音声信号に加
    えるモードと、前記有声高域信号成分と前記無声高域信
    号成分を前記受信した音声信号に加えるモードとを設定
    するモード設定手段と、 前記設定されたモードを記憶するメモリと、 オフフック信号を発生するオフフック発生手段と、 前記オフフック信号を検出するオフフック信号検出手段
    と、 前記オフフック信号を検出したときに、前記メモリに記
    憶されている前記モードに基づいて、所定の音声合成を
    行う音声合成手段と、 前記音声合成手段により合成された音声信号を音声とし
    て出力する音声出力手段と、を備える電話装置。
  38. 【請求項38】前記第1の周波数は5.5kHzである
    請求項37に記載の電話装置。
  39. 【請求項39】前記第2の周波数は7.0kHzである
    請求項37に記載の電話装置。
  40. 【請求項40】前記音声合成手段は、前記音声合成手段
    に入力されている信号夫々の音量差を調整して音声合成
    する請求項37に記載の電話装置。
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