JP2003255573A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2003255573A
JP2003255573A JP2002056014A JP2002056014A JP2003255573A JP 2003255573 A JP2003255573 A JP 2003255573A JP 2002056014 A JP2002056014 A JP 2002056014A JP 2002056014 A JP2002056014 A JP 2002056014A JP 2003255573 A JP2003255573 A JP 2003255573A
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electrophotographic
photosensitive member
pyrylium dye
dna
electrophotographic photosensitive
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Daisuke Miura
大祐 三浦
Yoshi Toshida
嘉 土志田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒可溶性DNAとピリリウム色素を分
子間結合させて感光層に用い、感度特性に優れた電子写
真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリ
ッジ及び電子写真装置を提供することである。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
真感光体において、該感光層の電荷発生層中に有機溶媒
可溶性DNAとピリリウム系色素を含有し、該ピリリウ
ム系色素と有機溶媒可溶性DNAが分子間結合をしてい
る電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセ
スカートリッジ及び電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しく
は、感光層にDNA(デオキシリボ核酸)由来の高分子
量化合物を使用した新規な電子写真感光体、該電子写真
感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体で用いる光導電材
料として、各種の有機光導電性物質が提案され、使用さ
れてきた。それらは、バインダーポリマーと併用するこ
とで、無機系光導電材料に比べ成膜性、軽量性、生産性
等の点で優れており、安価な電子写真感光体を提供でき
る利点を有している。また、使用する染料や顔料等の選
択により、感光波長を自在に選択できる等の利点を有
し、これまで幅広い検討がなされてきた。
【0003】特に最近では、感光層を電荷発生層と電荷
輸送層に機能分離させた積層型電子写真感光体が提案さ
れ用いられている。この積層型電子写真感光体を感光層
とした電子写真感光体は、従来の単層型電子写真感光体
に比べ、可視光に対する感度、電荷保持力、表面硬度、
耐久性等の点を改善できるようになった。
【0004】更に、最近は近赤外領域の半導体レーザー
光をデジタル記録の電子写真感光体に用いるために、こ
の領域で高感度な特性を持つ有機電子写真感光体の開発
が盛んに行われている。無機電子写真感光体と比較して
有機電子写真感光体はこの領域の電子写真感光体として
感度の点からも有利である。
【0005】ピリリウム系色素(ピリリウム、チオピリ
リウム及びセレナピリリウムを含む。以下ピリリウム色
素)を電子写真感光体に用いた例として、特公昭48−
38430号公報及び特開昭56−119135号公報
等が開示されていて、ピリリウム色素とポリカーボネー
トとの共晶錯体を光導電物質として用いた電子写真感光
体が知られている。この電子写真感光体は、可視光全域
にわたる分光感度を持つこと、光照射時に発生する正孔
・電子の両方の移動速度が大きいこと等に特徴がある。
【0006】そのようなピリリウム色素の光導電特性の
研究が行われてきた一方で、近年では全く別の分野への
応用が研究されている。例えば、DNAとの分子間結合
(核酸塩基対間に入り込むタイプ:インターカレート、
二重螺旋の溝に沿うようにして入り込むタイプ:グルー
ブバインド)を利用した蛍光標識剤の機能等がそれにあ
たる(特開平7−174759号公報)。それによる
と、DNAとピリリウム色素のインターカレートやグル
ーブバインドがピリリウム色素の光学特性を変化させて
いる証拠として、吸収スペクトルのピーク波長の長波長
側又は短波長側へのシフト、吸収強度の変化、蛍光強度
の変化等が挙げられている。
【0007】これまでにDNAとピリリウム色素を分子
間結合させて電子写真感光体に用いる試みは行われてこ
なかった。それは、DNAが水溶性であるため工業材料
としてそのまま使用するのは難しかったからである。し
かし岡畑等は、上記の様に抽出されたDNAのリン酸ア
ニオン部とカチオン性脂質等とを1:1に静電的に相互
作用させることにより、二重螺旋構造を保持したまま有
機溶媒可溶性DNA−脂質複合体フィルムを製造できる
ことを見出した(J.Chem.Soc.,Chem.
Commun.,1992,1339、特開平8−23
9398号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
溶媒可溶性DNAとピリリウム色素を分子間結合させて
感光層に用い、感度特性に優れた電子写真感光体を提供
することにある。
【0009】本発明の別の目的は、上記電子写真感光体
を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、導電性
支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該
感光層の電荷発生層中に有機溶媒可溶性DNAとピリリ
ウム系色素を含有し、該ピリリウム系色素と有機溶媒可
溶性DNAが分子間結合をしていることを特徴とする電
子写真感光体が提供される。
【0011】また、本発明に従って、上記電子写真感光
体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提
供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0013】本発明で使用される有機溶媒可溶性DNA
は、前述した岡畑等により開示された方法で得ることが
できる。すなわち、鮭やニシン等の魚類あるいはホタテ
等の貝類の精巣から抽出された公知の水溶性DNAの物
質を長鎖のアルキル基を有する4級アンモニウム塩とイ
オン交換することにより得られる水不溶DNA(以下D
NA−脂質複合体)であり、アルコール系やハロゲン系
等の有機溶媒に可溶となる。
【0014】上記の魚貝類等から抽出・精製された水溶
性DNAはその処理の過程で、分子量を数百万塩基対以
下にすることができるが、本発明のDNA−脂質複合体
として使用するには、平均分子量は50000塩基対以
下が好ましく、特に好ましくは10000塩基対以下で
500塩基対以上である。平均分子量が50000塩基
対(以下、塩基対をbpと略す)を超えると、溶液が高
粘度となり脂質複合体の調製に手間がかかり、得られた
脂質複合体の溶媒への溶解性も低下して使用が難しくな
るためである。また、平均分子量が500bpより少な
いと脂質複合体の収率が悪く、またフィルムの強度も低
下するためである。水溶性DNAの分子量は、一般的に
用いられているアガロースゲルを用いたゲル電気泳動法
によって測定することができる。
【0015】長鎖のアルキル基を有する4級アンモニウ
ム塩の長鎖のアルキル基としては、炭素数6以上の脂肪
族炭化水素基が挙げられ、特には炭素数8〜23である
ことが好ましい。つまり、炭素数8〜23のアルキル基
を1個又は2個有する4級アンモニウム塩を用いたDN
A−脂質複合体が好ましい。DNA−脂質複合体は、成
膜性が良好である。また、置換基として芳香族環を有す
る4級アンモニウム塩等を使用してもよい。具体的に
は、n−ヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド、
n−ヘプチルトリメチルアンモニウムクロライド、n−
オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ノニ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、n−デシルトリ
メチルアンモニウムクロライド、n−ウンデシルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアン
モニウムクロライド、n−トリデシルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウム
クロライド、n−ペンタデシルトリメチルアンモニウム
クロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、n−ヘプタデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、n
−ノナデシルトリメチルアンモニウムクロライド、アラ
キジルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ヘネイ
コシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルト
リメチルアンモニウムクロライド、n−トリコシルトリ
メチルアンモニウムクロライド及びそれらのブロマイド
等の長鎖アルキル基を1個有する4級アンモニウム塩;
ジ−n−ヘキシルジメチルアンモニウムクロライド、ジ
−n−ヘプチルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−
n−オクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n
−ノニルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−デ
シルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−ウンデ
シルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメ
チルアンモニウムクロライド、ジ−n−トリデシルジメ
チルアンモニウムクロライド、ジミリスチルジメチルア
ンモニウムクロライド、ジ−n−ペンタデシルジメチル
アンモニウムクロライド、ジセチルジメチルアンモニウ
ムクロライド、ジ−n−ヘプタデシルジメチルアンモニ
ウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムク
ロライド、ジ−n−ノナデシルジメチルアンモニウムク
ロライド、ジアラキジルジメチルアンモニウムクロライ
ド、ジ−n−ヘネイコシルジメチルアンモニウムクロラ
イド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロライド、ジ
−n−トリコシルジメチルアンモニウムクロライド及び
それらのブロマイド等の長鎖アルキル基を2個有する4
級アンモニウム塩;上記1個又は2個の長鎖アルキル基
の一部にエーテル結合やオキシエチレン基を1〜4個有
する4級アンモニウム塩;フェニルジメチルセチルアン
モニウムクロライド、ベンジルジメチルセチルアンモニ
ウムクロライド及びそれらのブロマイド等の芳香族環含
有4級アンモニウム塩;セチルピリジニウムクロライド
及びそれらのブロマイド等の4級ピリジニウム塩等が挙
げられる。
【0016】感光層としては、電荷発生層と電荷輸送層
からなる機能分離型の積層タイプのものや電荷発生と電
荷輸送を同一の層で行う単層タイプが用いられる。本発
明においては、電子写真特性的に積層タイプが好まし
い。
【0017】本発明においては、前述により得たDNA
−脂質複合体を電荷発生層及び/又は電荷輸送層に用い
ることができるが、得られるDNA−脂質複合体の体積
抵抗率が105〜1013Ω・cm程度である場合には電
荷発生層に用いることが好ましく、体積抵抗率が1013
Ω・cm以上の場合には何れの層にも用いることができ
る。本発明では電荷発生層に用いることが好ましい。
【0018】二重螺旋構造を有するDNAは、一般に有
機化合物を分子間結合(インターカレート、グルーブバ
インド等)することが知られており、DNA−脂質複合
体についても同様の挙動が見出されている(J.Che
m.Soc.,Chem.Commun.,1992,
1339、Langmuir,1993,9,19)。
本発明において使用されるピリリウム色素も同様にDN
A−脂質複合体と分子間結合すると予想される。そして
ピリリウム色素と核酸塩基の相互作用及び二重螺旋構造
の配向性を通じて特異的な光学特性を発現すると考えら
れ、通常使用されるバインダー樹脂と比較して感度等の
面で優越性が期待できる。
【0019】本発明で使用する電荷発生性のピリリウム
色素としては、下記式で示されるピリリウム(X=
O)、チオピリリウム(X=S)、セレナピリリウム
(X=Se)が使用可能である。
【0020】
【化1】
【0021】式中、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは
それぞれ(a)水素原子、(b)メチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミ
ル、ヘキシル、オクチル、ノニル及びドデシル等の炭素
数1〜15のアルキル基、(c)メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシ、アミロキシ、ヘキソキシ及びオ
クトキシ等のアルコキシ基、(d)フェニル、4−ジフ
ェニル、4−エチニルフェニル及び4−プロピルフェニ
ル等のアルキルフェニル類;4−エトキシフェニル、4
−メトキシフェニル、4−アミロキシフェニル、2−ヘ
キソキシフェニル及び3,4−ジメトキシフェニル等の
アルコキシフェニル類;2−ヒドロキシエトキシフェニ
ル及び3−ヒドロキシエトキシフェニル等のβ−ヒドロ
キシアルコキシ類;4−ヒドロキシフェニル、2,4−
ジクロロフェニル、3,4−ジブロモフェニル、4−ク
ロロフェニル及び3,4−ジクロロフェニル等のハロフ
ェニル類;アジドフェニル、ニトロフェニル、4−ジエ
チルアミノフェニル及び4−ジメチルアミノフェニル等
のアミノフェニル類;ナフチル、スチリル、メトキシス
チリル、ジエトキシスチリル、1−ブチル−4−P−ジ
メチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル及びβ−
エチル−4−ジメチルアミノスチリル等のビニル置換ア
リール基を含めたアリール基を示し、Zは塩素、臭素及
びヨウ素等のハロゲンイオン、過塩素酸イオン、四フッ
化ホウ素イオン、過ヨウ素酸イオン、硫酸イオン及びp
−トルエンスルホン酸イオン等の陰イオン官能基であ
る。
【0022】更に、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは
共同してピリリウム核に融合したアリール環を完成する
に必要な原子であってもよい。
【0023】電荷輸送性の感光色素としては、ピレン及
びアントラセン等の多環芳香族化合物、カルバゾール、
インドール、オキサゾール、チアゾール、オキサチアゾ
ール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾール及びト
リアゾール等の複素環化合物、トリアリールアミン系化
合物、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−
ジフェニルヒドラゾン及びN,N−ジフェニルヒドラジ
ノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール等のヒド
ラゾン系化合物、α−フェニル−4’−N,N−ジフェ
ニルアミノスチルベン等のスチリル系化合物、トリアリ
ルメタン系化合物及びベンジジン系化合物等を電荷輸送
材料として挙げることができる。
【0024】電荷輸送層に用いる樹脂として、ポリアリ
レート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、アク
リル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩
化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリウレタン樹脂及び共重合体樹脂等
(例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン
−アクリロニトリルコポリマー及びスチレン−マレイン
酸コポリマー等)等が挙げられる。また、このような絶
縁性ポリマーの他に、ポリビニルカルバゾール、ポリビ
ニルアントラセン及びポリビニルピレン等の有機光導電
性ポリマーも使用できる。
【0025】電荷発生層中のピリリウム色素とDNA−
脂質複合体の総質量に対するピリリウム色素の質量比は
16質量%以上が好ましく、より好ましくは25質量%
以上、更に好ましくは40質量%である。DNA−脂質
複合体の質量部に対して、ピリリウム色素の質量部を増
加させることで分子間結合するピリリウム色素の量を増
やすことが可能となり感度特性の向上が期待される。ま
た、16質量%を下回ると感度特性が十分発揮されない
ことがある。
【0026】本発明においては、分子間結合したピリリ
ウム色素の割合を感光層フィルムの吸収スペクトルを測
定することで調べることができる。ピリリウム色素単体
の吸収ピークと比較して長波長シフトするということ
は、DNA−脂質複合体が共存することで単分子状態よ
りも安定化することを示している。本発明においても、
ピリリウム色素濃度の増加に応じて最大吸収波長が長波
長側にシフトし吸光度が増加することから、ピリリウム
色素とDNA−脂質複合体が分子間結合して、感度特性
が向上していると考えられる。
【0027】前記したDNA−脂質複合体やバインダー
樹脂等を溶解する有機溶媒は、ピリリウム系染料や樹脂
の溶解性を考慮して選択され、また積層型電子写真感光
体の場合には下の層を溶解しないようなものを選択する
ことが好ましい。有機溶媒として、メタノール、エタノ
ール及びイソプロパノール等のアルコール類;ヘキサフ
ロロイソプロパノール等のハロゲン化アルコール類;ア
セトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等の
ケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−
ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリ
ドン等のピロリドン類;ジメチルスルホキシド等のスル
ホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン及びエチ
レングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ク
ロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロ
エチレン、四塩化炭素及びトリクロロエチレン等の脂肪
族ハロゲン化炭化水素化合物あるいはトルエン、キシレ
ン、モノクロロベンゼン及びジクロロベンゼン等の芳香
族化合物等を用いることができる。
【0028】塗工は、浸漬コーティング法、スプレーコ
ーティング法、スピナーコーティング法、ブレードコー
ティング法、マイヤーバーコーティング法、ローラーコ
ーティング法又はカーテンコーティング法等の方法を用
いて行うことができる。乾燥は、使用される溶媒の沸点
により室温又は加熱乾燥によって行うことができる。加
熱乾燥は30〜200℃の温度範囲で、5分〜2時間程
度、所定の乾燥状態に合わせて静止又は送風下で行うこ
とができるが、DNA−脂質複合体を含む層の乾燥は、
室温〜150℃が好ましく、より好ましくは室温〜10
0℃、更に好ましくは室温〜80℃の温度範囲で行う。
150℃を超える温度では脂質の溶解、DNA鎖の分解
等によりフィルム性が損なわれる恐れがあるためであ
る。
【0029】機能分離型の電荷発生層と電荷輸送層の2
層からなる場合は、電荷輸送層は電荷発生層の上あるい
は下の何れに積層されてもよく、正帯電させるか負帯電
させるかによっても変わってくる。本発明の積層型電子
写真感光体においては、電荷発生層の上に電荷輸送層を
積層した層構成が電子写真特性的に好ましい。
【0030】感光層が形成される支持体としては、例え
ば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステ
ンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニ
ッケル、マグネシウム、インジウム、金、白金、銀又は
鉄等が用いられる。また、こうした金属あるいは合金
を、真空蒸着法等によって皮膜形成された導電層を有す
るプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ア
クリル樹脂及びポリフッ化エチレン等)、これらの複合
体等が挙げられる。
【0031】導電性支持体と感光層との間に、注入阻止
機能と接着機能を持つ下引層を設けることもできる。下
引層としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレンオキシド、エチルセルロース、ニトロセルロー
ス、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチ
ラール、フェノール樹脂、アルコール可溶性ポリアミ
ド、ポリウレタン又はゼラチン等によって形成すること
ができる。
【0032】図1に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を
示す。
【0033】図1において、1はドラム状の本発明の電
子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周
速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程
において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の
所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレ
ーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力
される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に
対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電
子写真感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応し
た静電潜像が順次形成されていく。
【0034】形成された静電潜像は、次いで現像手段5
によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感
光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と
同期して取り出されて給送された転写材7に、電子写真
感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写
手段6により順次転写されていく。
【0035】トナー画像の転写を受けた転写材7は、電
子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入され
て像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コ
ピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0036】像転写後の電子写真感光体1の表面は、ク
リーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受け
て清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露
光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に
使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を
用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必
要ではない。
【0037】本発明においては、上述の電子写真感光体
1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロ
セスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプ
ロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ
ー等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成しても
よい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリー
ニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共
に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレー
ル等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロ
セスカートリッジ11とすることができる。
【0038】また、露光光4は、電子写真装置が複写機
やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過
光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、こ
の信号に従って行われるレーザービームの走査、LED
アレイの駆動又は液晶シャッターアレイの駆動等により
照射される光である。
【0039】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プ
リンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも幅
広く適用し得るものである。
【0040】
【実施例】以下に、製造例及び実施例を挙げて本発明を
より具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に
限定されるわけではない。なお、実施例中の「部」は質
量部を意味する。
【0041】<製造例1>鮭精子由来DNA−ナトリウ
ム塩(平均分子量10000bp)250mgを25m
lの水に溶解した。このDNA水溶液を氷冷攪拌下、n
−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド25
0mgを25mlの水に溶解した水溶液に加えた。生じ
た白色の沈殿を遠心分離機により回収し、ジエチルエー
テルで洗浄したのち真空乾燥して白色粉末のDNA−脂
質複合体(A)を得た。
【0042】ポリエチレンテレフタレート基板の櫛形電
極上に、上記DNA−脂質複合体(A)のエタノール5
質量%溶液をマイヤーバーコーティング法により成膜
し、膜厚2μmの薄膜サンプルを作製して、電極間に1
0Vを印加して体積抵抗率を測定したところ、5×10
8Ω・cmであった。
【0043】(実施例1)アルミニウムシリンダー上
に、下引き層としてアルコール可溶性共重合ポリアミド
(商品名:アミランCM−8000、東レ(株)製)5
部をメタノール95部に溶解した溶液を浸漬コーティン
グ法により塗布し、80℃で10分間乾燥して、膜厚が
1μmの下引き層を形成した。
【0044】次に、下記に示される2,6−ジフェニル
−4−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)チオピ
リリウムパークロレート2.5部、
【0045】
【化2】 製造例1で得られたDNA−脂質複合体(A)2.5部
及びヘキサフルオロイソプロパノール95部を混合して
溶解分散させた塗工液(I)を調製し、この塗工液を乾
燥後の膜厚が0.5μmとなるように下引き層上に浸漬
コーティング法で塗布し、60℃で30分間乾燥させて
電荷発生層を形成した。
【0046】次いで、p−ジエチルアミノベンズアルデ
ヒド−N−フェニル−N−ナフチルヒドラゾン5部及び
ポリカーボネート樹脂(Mw=25000、GPC法に
よって測定された分子量)5部をモノクロロベンゼン4
5部に混合し、溶解させて塗工液(II)を調製し、こ
の塗工液を乾燥後の膜厚が15μmとなるように前記の
電荷発生層の上に浸漬コーティング法により塗布し、8
0℃で1時間乾燥させて電荷輸送層を形成し、電子写真
感光体を作製した。
【0047】こうして作製した電子写真感光体を、川口
電機(株)製の静電複写紙試験装置(SP−428)を
用いてスタチック方式で−5kVでコロナ帯電し
(V0)、E1/2(帯電電位が1/2)に減少する露光量
(マイクロジュール/cm2)を測定した。光源とし
て、発振波長680nmの半導体レーザーを用いた。結
果を表1に示す。
【0048】また、ピリリウム色素とDNA−脂質複合
体の分子間結合を吸収スペクトルにて評価した。評価方
法としては塗工液(I)をスライドガラス上に浸漬コー
ティング法により塗工した後に60℃で5分間乾燥させ
てフィルムを作製し、吸収スペクトルを(株)日立製作
所社製の分光光度計(U−3310)にて測定した。図
2に吸収スペクトルを示す。比較として溶媒中(ヘキサ
フルオロイソプロパノール)における色素単体の吸収ス
ペクトルを測定した。
【0049】(実施例2)実施例1で電荷発生層に用い
た塗工液(I)を下記組成の塗工液(III)に代えた
以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
し、特性を測定した。結果を表1に示す。
【0050】塗工液(III):2,6−ジフェニル−
4−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)チオピリ
リウムパークロレート1.25部、DNA−脂質複合体
(A)3.75部及びヘキサフルオロイソプロパノール
95部を混合して溶解分散させた。
【0051】実施例1と同様にして塗工液(III)を
スライドガラス上に塗工してフィルムを作製し、吸収ス
ペクトルを測定した。図2に吸収スペクトルを示す。
【0052】(実施例3)実施例1で電荷発生層に用い
た塗工液(I)を下記組成の塗工液(IV)に代えた以
外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、
特性を測定した。結果を表1に示す。
【0053】塗工液(IV):2,6−ジフェニル−4
−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)チオピリリ
ウムパークロレート0.7部、DNA−脂質複合体
(A)4.3部及びヘキサフルオロイソプロパノール9
5部を混合して溶解分散させた。
【0054】実施例1と同様にして塗工液(IV)をス
ライドガラス上にフィルムを作製し、吸収スペクトルを
測定した。図2に吸収スペクトルを示す。
【0055】(実施例4)実施例1で電荷発生層に用い
た塗工液(I)の2,6−ジフェニル−4−(4−N,
N−ジメチルアミノフェニル)チオピリリウムパークロ
レートを下記に示される2−メチル−4,6−ビス−
(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウムパ
ークロレートに代えた塗工液(V)を用いた以外は、実
施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、特性を測
定した。結果を表1に示す。
【0056】
【化3】
【0057】(実施例5)実施例1で電荷発生層に用い
た塗工液(I)の2,6−ジフェニル−4−(4−N,
N−ジメチルアミノフェニル)パークロレートを下記に
示される2,6−ジフェニル−4−(4−N,N−ジメ
チルアミノフェニル)アイオダイドに代えた塗工液(V
I)を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感
光体を作製し、特性を測定した。結果を表1に示す。
【0058】
【化4】
【0059】(比較例1)実施例1で電荷発生層に用い
た塗工液(I)を下記組成の塗工液(VII)に代えた
以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
し、特性を測定した。結果を表1に示す。
【0060】塗工液(VII):2,6−ジフェニル−
4−N,N−ジメチルアミノフェニルチオピリリウムパ
ークロレート2.5部、ポリカーボネート樹脂(Mn/
Mw=16000/23000、GPC法によって測定
された分子量)2.5部及びジクロロメタン95部を混
合して溶解分散させた。
【0061】(比較例2)実施例1で電荷発生層に用い
た塗工液(I)を下記組成の塗工液(VIII)に代え
た以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
し、特性を測定した。結果を表1に示す。
【0062】塗工液(VIII):2,6−ジフェニル
−4−N,N−ジメチルアミノフェニルチオピリリウム
パークロレート0.7部、ポリカーボネート樹脂(Mn
/Mw=16000/23000、GPC法によって測
定された分子量)4.3部及びジクロロメタン95部を
混合して溶解分散させた。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】上述してきたように本発明により、感光
層中にピリリウム色素を有機溶媒可溶性DNAに分子間
結合させた電子写真感光体は、感度特性に優れており該
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子
写真装置に応用することが可能となった。また、本発明
によりDNA材料の応用用途が広がり、工業的価値が向
上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【図2】感光層の吸収スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 2 軸 3 帯電手段 4 露光光 5 現像手段 6 転写手段 7 転写材 8 定着手段 9 クリーニング手段 10 前露光光 11 プロセスカートリッジ 12 案内手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光層の電荷発生層中に有機溶媒
    可溶性DNAとピリリウム系色素を含有し、該ピリリウ
    ム系色素と有機溶媒可溶性DNAが分子間結合をしてい
    ることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 感光層中のピリリウム系色素と有機溶媒
    可溶性DNAの総質量に対するピリリウム系色素の質量
    比が16質量%以上であり、ピリリウム系色素の質量比
    の増加によりピリリウム系色素の可視領域における吸収
    ピークの吸光度(Abs)が増加し、最大吸収波長がピ
    リリウム系色素単体の最大吸収波長よりも長波長側にシ
    フトする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電子写真感光体
    を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像
    の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手
    段及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナー
    を回収するクリーニング手段からなる群より選ばれた少
    なくとも一つの手段と共に一体に支持し、電子写真装置
    本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカート
    リッジ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の電子写真感光
    体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した
    電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成する露
    光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体にトナー
    で現像する現像手段及び電子写真感光体上のトナー像を
    転写材上に転写する転写手段を備えることを特徴とする
    電子写真装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012203242A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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