JP2003255402A - 画像表示板および画像表示装置 - Google Patents

画像表示板および画像表示装置

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JP2003255402A
JP2003255402A JP2002336362A JP2002336362A JP2003255402A JP 2003255402 A JP2003255402 A JP 2003255402A JP 2002336362 A JP2002336362 A JP 2002336362A JP 2002336362 A JP2002336362 A JP 2002336362A JP 2003255402 A JP2003255402 A JP 2003255402A
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JP
Japan
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particles
image display
substrates
display plate
counter electrode
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Application number
JP2002336362A
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English (en)
Inventor
Norio Nihei
則夫 二瓶
Mitsuharu Takagi
光治 高木
Kazuya Murata
和也 村田
Manabu Yakushiji
薬師寺  学
So Kitano
北野  創
Yoshitomo Masuda
善友 増田
Takahiro Kawagoe
隆博 川越
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動画表示を可能とするような高い応答速度を
有し、単純な構造で安価かつ安定性および鮮明さに優れ
た画像表示板および画像表示装置を提案する。 【解決手段】 少なくとも一方が透明である二枚の対向
する基板と、これら基板のいずれか一方に設けたカラー
板と、前記基板間に形成した少なくとも二組の対向電極
対と、前記基板間に封入した帯電特性の異なる二種類以
上の粒子とを具え、前記対向電極対の一方の電極の電位
が他方の電極の電位よりも高くなるようにこの対向電極
対に電圧を印加し、それによって生じる電界によって前
記粒子を飛翔移動させて画像表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電させた粒子を
電極間で移動させることにより画像を繰り返し表示、消
去することのできる可逆式の画像表示板および画像表示
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、薄型・軽量の画像表示装置として
は液晶を用いた液晶ディスプレイが広く利用されている
が、近年、新たに電気泳動方式やエレクトロクロミック
方式、熱方式、二色粒子回転方式など種々の方式を用い
た表示装置が提案されている。これらは液晶ディスプレ
イと比較して、通常の印刷物に近い視野角が得られる、
低消費電力である、メモリ機能を有している等の特徴か
ら、液晶ディスプレイに代わる新たな表示装置として期
待されている。
【0003】これらの方式の内、特に電気泳動方式は、
粒子を着色溶液中に分散させた分散液をマイクロカプセ
ル化して対向する基板間に配置し、基板間に電圧を印加
して粒子を電気泳動させることにより表示を行うもので
ある。しかしながら、この電気泳動方式は、液体中を粒
子が移動するため、液体の粘性抵抗によって応答速度が
遅くなるという問題がある。また、低比重の溶液中に酸
化チタンなどの高比重の粒子を分散させていることから
粒子が沈降し易く、そのため粒子の分散状態を安定して
維持することが難しい、着色のために染料を用いている
ことから長期保存性に難があるため表示の繰り返し安定
性に難がある、といった問題がある。
【0004】一方、この電気泳動方式に対し、溶液を使
用しない乾式による方式も提案されている。この方式
は、基板間に電荷輸送層を配置すると共に導電性粒子を
封入し、基板間に分散させた粒子の電界中における挙動
を利用するものである。この方式によれば、溶液を利用
しないことから粒子の沈降や凝集といった問題がなく、
また粒子の移動速度、すなわち応答速度も電気泳動方式
と比べて向上する。しかしながら、この方式の場合には
表示装置の構造が複雑となり、また導電性粒子から一定
の割合で電荷を逃がすことが難しく、安定性に難があ
る。更にこの方式は粒子からの反射光を表示に使用する
ため色が不鮮明となったり、輝度が不足して鮮明な画像
表示を得にくいと言う問題もあった。(例えば非特許文
献1参照)
【0005】
【非特許文献1】日本画像学会「Japan Hardcopy'99 」
論文集1999年7月21日、p 249〜252
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
に鑑み、動画表示を可能とするような高い応答速度を有
し、単純な構造で安価かつ安定性および鮮明さに優れた
画像表示板および画像表示装置を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
少なくとも一方が透明である二枚の対向する基板と、こ
れら基板のいずれか一方に設けたカラー板と、前記基板
間に形成した少なくとも二組の対向電極対と、前記基板
間に封入した帯電特性の異なる二種類以上の粒子とを具
え、前記対向電極対の一方の電極の電位が他方の電極の
電位よりも高くなるようにこの対向電極対に電圧を印加
し、それによって生じる電界によって前記粒子を飛翔移
動させて画像表示を行うことを特徴とする画像表示板に
関するものである。
【0008】可逆式の画像表示板においては、対向する
電極間に電界を発生させると、正に帯電した粒子がクー
ロン力などにより飛翔移動して一方の電極へ引き寄せら
れ、また負に帯電した粒子も飛翔移動してもう一方の電
極へ引き寄せられる。それによって画像の表示を行う。
ここで粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により
引き付けあう力、極板との電気影像力、分子間力、さら
に液架橋力、重力などが考えられる。
【0009】請求項1記載の発明によれば、かかる画像
表示板において粒子を飛翔移動させるように電界を発生
させるための、対向する二つの電極からなる電極対を少
なくとも二組設けると共に、カラー板をも設けている。
それによって、粒子の電極間の飛翔移動とカラー板の双
方による色彩表示を行うことができ、単純な構成であり
ながら鮮明で安定した表示を行うことが可能となる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の画
像表示板において、前記粒子の平均粒子径d0.5 が0.
1〜50μmであることを特徴とするものである。請求
項2記載の発明によれば、粒子の飛翔移動を高速に行う
ことができ、それによって応答速度に優れた表示板を実
現することが可能となる。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の画像表示板において、キャリアを用いてブローオ
フ法により測定・算出した前記粒子の表面電荷密度が、
絶対値で5〜150μC/m2 であることを特徴とする
ものである。請求項3記載の発明によれば、かかる表面
電荷密度を有する粒子によって高い応答速度を実現する
ことができ、静止画像のみならず動画表示にも対応可能
な表示板を得ることができる。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項記載の画像表示板において、前記粒子が、体
積固有抵抗1×1010Ω・cm以上の絶縁性粒子であるこ
とを特徴とするものである。請求項4記載の発明によれ
ば、かかる体積固有抵抗を有する絶縁性粒子であること
によって帯電電荷を保持することができ、静止画像のみ
ならず動画表示にも対応可能な表示板を得ることができ
る。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか1項記載の画像表示板において、前記粒子を、該
粒子表面と1mmの間隔を有して配置したコロナ放電器に
8kVの電圧を印加することによりコロナ放電を発生さ
せてその表面を帯電させたとき、0.3秒後における当
該粒子の表面電位が300Vより大きいことを特徴とす
るものである。請求項5記載の発明によれば、かかる表
面電位を有する粒子によって高い応答速度を実現するこ
とができ、静止画像のみならず動画表示にも対応可能な
表示板を得ることができる。また、特に静止画像の表示
に際しては、メモリー性、すなわち画像の保存性が良好
な表示板が得られる。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか1項記載の画像表示板において、前記粒子の色が
黒色であることを特徴とするものである。請求項6記載
の発明によれば、粒子を黒色としたことにより画像表示
の際のコントラスト比を向上させることができ、鮮明な
画像を得ることが可能となる。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のい
ずれか1項記載の画像表示板において、前記基板間に形
成した隔壁によって相互に隔離された多数の画像表示セ
ルを有することを特徴とするものである。請求項7記載
の発明によれば、画像表示板に多数の表示セルを形成
し、各セルを一つの画素に対応させることにより、精細
な画像を表示させることができる。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれか1項記載の画像表示板において、前記二組の対向
電極対の一方の組を前記基板と平行な方向に形成し、他
方の組を前記基板と垂直な方向および/または平行な方
向に形成したことを特徴とするものである。請求項8記
載の発明によれば、各対向電極対間の粒子の移動によ
り、粒子の色による表示と、カラー板の色による表示と
を切り換えて行うことができ、多色(マルチカラー、フ
ルカラー)表示を実現することが可能である。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項1〜8のい
ずれか1項記載の画像表示板を具えることを特徴とする
画像表示装置に関するものである。請求項9記載の発明
によれば、上述した特徴を有する画像表示板を用いたこ
とにより、動画表示を可能とするような高い応答速度を
有し、単純な構造で安価かつ安定性および鮮明さに優れ
た画像表示装置を実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について説明する。
【0019】図1は本発明による画像表示板における画
像表示セルの第一の実施形態の構造を概略示す断面図で
ある。本表示板10は、対向する二枚の基板11,12
の間に隔壁13,14を形成し、基板12上にカラー板
15を形成している。また基板11,12上には第一の
対向電極対16,17、第二の対向電極対18,19お
よび第三の対向電極対20,21が形成され、各電極間
は絶縁体22〜25によって絶縁されている。なお、本
表示板10においては基板11は透明、基板12は不透
明であるものとし、基板11側から入射する光の反射光
により、基板11の側から表示を見るものとしている。
また対向電極対の内、第一の対向電極対16,17は透
明電極とするが、第二および第三の対向電極対の双方の
電極は不透明でも良い。さらには第二および第三の電極
対の同じ基板側にある各電極は、同時に電圧が印加され
るように構成することが望ましく、例えば第一の対向電
極対の同じ基板側の電極を取り囲むように一体化したも
のとすることが好適である。
【0020】このようにして基板11,12および隔壁
13,14によって区画されたセル26内には二種類以
上の粒子27,28等が封入される。これら粒子27,
28等は後述するようにそれぞれ異なる特性で帯電する
ものであり、ここで粒子27は正に帯電するものとして
プラス(+)記号を、粒子28は負に帯電するものとし
てマイナス(−)記号をそれぞれ付している。本表示板
10においては、このようにして一つの表示セルを構成
することとしている。なお、セル26内部は気体によって
満たされているものとする。また、ここでは粒子27,
28は同じ色に着色されているものとする。
【0021】図1(a)は全ての対向電極対に電圧が印
加されていない状態を示すものである。このとき、セル
26内の粒子27,28には電界がかかっていないた
め、基板11,12のいずれの側にも集積していない。
なお、図はあくまでも各粒子の存在を模式的に示してい
るものであり、実際には粒子自体の重量により、例えば
基板12側に沈降していることもあり得る。
【0022】ここで、対向電極対16,17に対して、
電極16が相対的に低電位、一方電極17が相対的に高
電位となるように電圧を印加すると、セル26内に発生
した電界によって図1(b)に示すように正に帯電した
粒子27が電極16側へ、負に帯電した粒子28が電極
17側へ移動する。その結果、基板11を通して見たセ
ル26の表示色は粒子27の色となる。
【0023】次に、第一の対向電極対16,17に印加
した電圧をカットし、代わって第二および第三の対向電
極対に電圧を印加する。このとき、電極18,20が相
対的に低電位、電極19,21が相対的に高電位となる
ように電圧を印加すると、セル26内に発生した電界に
よって図1(C)に示すように正に帯電した粒子27が
電極18,20側へ、負に帯電した粒子28が電極1
9,21側へ移動する。その結果、基板11を通して見
たセル26の表示色はカラー板15の色となる。
【0024】図1(b)に示す状態と図1(C)に示す
状態との間は、電圧を印加する対向電極対を切り換える
ことにより繰り返し相互に遷移させることが可能であ
り、それによって可逆的に表示を変化させることができ
る。また、カラー板15の色が各々赤、青、緑であり、
かつ各々黒色の粒子を持つセルを一組として画素を構成
することによりフルカラー表示が可能となる。
【0025】また図示の素子10においては、各粒子2
7,28は鏡像力(電荷を有する物質が他の物質に接近
して行った場合に、他の物質の表面に発生した反対符号
の電荷によって両者の間に生じる力)によってそぞれ電
極16,17にそれぞれ付着した状態にあるため、電極
への電圧印加をカットした後も、他の対向電極対への電
圧印加を行う等によって粒子の移動を促進させない限
り、比較的長時間その状態を保つ。それゆえ画像データ
のメモリー保持性が良好なものとなる。また、セル26
内を気体で満たすことにより粒子27,28の移動を高速化
することができ、それによって例えば応答速度を1ms
ec以下とすることも可能である。
【0026】図2は本発明による画像表示板における画
像表示セルの第二の実施形態の構造を概略示す断面図で
ある。本表示板30もまた対向する二枚の基板31,3
2の間に隔壁33,34を形成し、基板32上にカラー
板35を形成している。本表示板30においては、基板
31,32上に第一の対向電極対36,37を、隔壁3
3,34上には第二の対向電極対38,39をそれぞれ
形成している。なお、本表示板30においても基板31
は透明、基板32は不透明であるものとし、基板31側
から入射する光の反射光により、基板31の側から表示
を見るものとしている。また対向電極対の内、第一の対
向電極対36,37は透明電極とするが、第二の対向電
極対38,39は不透明でも良い。
【0027】このようにして基板31,32および隔壁
33,34によって区画されたセル40内には二種類以
上の粒子41,42等が封入される。これら粒子41,
42等は後述するようにそれぞれ異なる特性で帯電する
ものであり、ここで粒子41は正に帯電するものとして
プラス(+)記号を、粒子42は負に帯電するものとし
てマイナス(−)記号をそれぞれ付している。本表示板
30においては、このようにして一つの表示セルを構成
することとしている。なお、セル40内部は気体によっ
て満たされているものとする。また、ここでは粒子4
1,42は同じ色に着色されているものとする。
【0028】図2(a)は全ての対向電極対に電圧が印
加されていない状態を示すものである。このとき、セル
40内の粒子41,42等には電界がかかっていないた
め、基板31,32のいずれの側にも集積していない。
なお、図はあくまでも各粒子の存在を模式的に示してい
るものであり、実際には粒子自体の重量により、例えば
基板32側に沈降していることもあり得る。
【0029】ここで、対向電極対36,37に対して、
電極36が相対的に低電位、一方電極37が相対的に高
電位となるように電圧を印加すると、セル40内に発生
した電界によって図2(b)に示すように正に帯電した
粒子41が電極36側へ、負に帯電した粒子42が電極
37側へ移動する。その結果、基板31を通して見たセ
ル40の表示色は粒子41の色となる。
【0030】次に、第一の対向電極対36,37に印加
した電圧をカットし、代わって第二の対向電極対38,
39に電圧を印加する。このとき、電極38が相対的に
低電位、電極39が相対的に高電位となるように電圧を
印加すると、セル40内に発生した電界によって図2
(C)に示すように正に帯電した粒子41が電極38側
へ、負に帯電した粒子42が電極39側へ移動する。そ
の結果、基板31を通して見たセル40の表示色はカラ
ー板35の色となる。
【0031】図示の表示板30においても、図2(b)
に示す状態と図2(c)に示す状態との間は、電圧を印
加する対向電極対を切り換えることにより繰り返し相互
に遷移させることが可能であり、それによって可逆的に
表示を変化させることができる。また、カラー板35の
色が各々赤、青、緑であり、かつ各々黒色の粒子を持つ
三個のセルを一組として画素を構成することによりフル
カラー表示が可能となる。
【0032】さて、本発明に係る表示板において使用す
る基板は、前述した実施形態のように、その少なくとも
一方が表示板の外側から表示色が視認できるように透明
であることが望ましく、特に可視光の透過率が高く耐熱
性に優れたものが好適である。こうした基板材料として
は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエーテル
サルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリル
などのポリマーシートや、ガラス、石英などの無機シー
トが挙げられる。
【0033】これら基板の厚さは2〜5000μm、好
ましくは5〜1000μmとする。これは、基板が薄す
ぎる場合には表示装置としての強度や基板間の間隔の均
一性を保持することが困難であり、逆に厚すぎる場合に
は表示の鮮明さやコントラストが低下すると共に可撓性
も低下することとなるからである。
【0034】次に電極に用いる材料であるが、特に上述
した第一および第二の実施形態において示したように第
一の対向電極対としては、透明で、かつパターン形成が
可能な導電性材料を用いる必要がある。そこで、かかる
対向電極対は、例えば酸化インジウム・錫(ITO)、酸化
錫、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を用い、これらをス
パッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等によ
り基板上に薄膜形成する、あるいは導電剤を溶媒または
合成樹脂バインダと混合して塗布することにより形成す
る。
【0035】前述した導電剤としては、例えばベンジル
トリメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアン
モニウムパークロレートなどのカチオン性高分子電解
質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等の
アニオン性高分子電解質、または酸化亜鉛、酸化錫、酸
化インジウム等の微粉末を用いる。
【0036】なお、電極の厚さは導電性が確保でき、特
に透明電極の場合には、これに加えて光透過性に支障が
なければ良く、それゆえ厚さを3〜1000nm、好ま
しくは5〜400nmとする。
【0037】また、第二および第三の対向電極対は、第
一の対向電極対と同様に透明電極を用いても良いが、こ
れらは必ずしも直接光の透過には影響を与えないことか
ら、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金などの非透明
な材料を用いることも可能である。
【0038】さらに、これら対向電極対に外部から電圧
を印加する場合には、直流電圧を印加しても良く、ある
いは直流電圧に交流電圧を重畳しても良い。加えて、各
電極には、帯電した粒子の電荷が逃げないように絶縁性
の被覆層を電極上に形成することが好適である。この被
覆層には、負に帯電した粒子が集積する側の電極には正
帯電性の樹脂を、正に帯電した粒子が集積する側の電極
には負帯電性の樹脂をそれぞれ被覆することが、粒子か
ら電荷が逃げるのを抑制することができるので、特に好
適である。
【0039】また、セルを形成するための隔壁は、例え
ばスクリーン版を用いて所定の位置にペーストを重ね塗
りするスクリーン印刷法、基板上に所望の厚さの隔壁材
料を塗布し、その上に隔壁として残したい部分のパター
ンを形成したレジストパターンを被覆し、その後ブラス
ト材を吹き付けて余剰の隔壁材料を除去するサンドブラ
スト法、基板上に感光性樹脂材料を用いてレジストパタ
ーンを形成し、露光・エッチングにより生成した凹部へ
隔壁材料のペーストを埋め込んだ後、レジストを除去す
るアディティブ法、基板上に隔壁材料を含有した感光性
樹脂組成物を塗布し、露光・現像により所望のパターン
を得る感光性ペースト法、基板上に隔壁材料のペースト
を塗布し、凹凸を有する金型を圧着・加圧成型して隔壁
を形成する鋳型成型法などの種々の方法を用いることが
できる。この他、鋳型として感光性樹脂組成物により形
成したレリーフパターンを用いるレリーフ型押し法など
も利用可能である。
【0040】そして、表示に用いる粒子であるが、ここ
では前述したように異なった特性に帯電する着色した2
種類以上の粒子であって、電界中で発生するクーロン力
などによって飛翔移動するものであれば良いが、特に、
球形で比重が小さいことが望ましい。また平均粒子径d
0.5 が0.1〜50μm、特に1〜30μmであること
が望ましい。なぜならば、粒子径がこの範囲未満の場合
には粒子の電荷密度が過度に大きくなって基板への鏡像
力が強くなり、メモリー性が良くなる反面、電界を反転
させた場合の追随性が低下してしまい、逆に粒子径がこ
の範囲を超える場合には電界の反転に対する追随性は良
いが、メモリー性が低下するためである。
【0041】なお、本発明において平均粒子径d
0.5 (μm)は、Mastersizer2000(Malvern instrument
s Ltd.) 測定機に各粒子を投入し、付属の解析ソフト
(体積基準分布を基に粒子径分布、粒子径を算出するソ
フト)を用いて、粒子の50%がこれより大きく、50%が
これより小さいという粒子径をμmで表した数値であ
る。
【0042】この粒子を帯電させる方法としては、コロ
ナ放電法、電極注入法、摩擦法等を用いることができる
が、簡便な方法は、帯電特性の異なる二種類以上の粒子
を混合し、両者を接触させて摩擦帯電させることであ
る。
【0043】粒子の帯電量は当然その測定条件に依存す
るが、画像表示装置における粒子の帯電量はほぼ、初期
帯電量、基板との接触、種類の異なる粒子との接触、経
過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に「種類の異なる粒
子との接触」、すなわち2粒子間の接触に伴う帯電挙動
の飽和値が支配因子となっているということが分かって
いる。したがって、帯電量においてはこの2粒子間の帯
電特性の差、すなわち仕事関数の差を知ることが重要で
あるが、これは簡易測定では難しい。
【0044】本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ
法において同じキャリアヤを用いて、それぞれの粒子の
帯電量測定を行なうことにより相対的に評価できること
を見出し、これを表面電荷密度によって規定することに
より、画像表示装置として適当な粒子の帯電量を予測で
きることを見出した。
【0045】測定方法は詳しくは後で述べるが、ブロー
オフ法によって、粒子とキャリア粒子とを十分に接触さ
せ、その飽和帯電量を測定することにより該粒子に単位
重量あたりの帯電量を測定することができる。そして、
該粒子の粒子径と比重を別途求めることにより該粒子の
表面電荷密度を算出することができる。
【0046】画像表示装置においては、用いる粒子の粒
子径は小さく、重力の影響はほぼ無視できるほど小さい
ため、粒子の比重は粒子の動きに対して影響しない。し
かし、粒子の帯電量においては、同じ粒子径の粒子で単
位重量あたりの平均帯電量が同じであっても、粒子の比
重が2倍異なる場合に保持する帯電量は2倍異なること
となる。従って、画像表示装置に用いられる粒子の帯電
特性は比重に無関係な表面電荷密度(単位、μC/
2 )で評価するのが好ましいことが分かった。
【0047】ここで、表面電荷密度は大きいほど良いと
いうものではない。粒子移動による画像表示装置におい
ては粒子の粒子径が大きいときは主に電気影像力が飛翔
電界(電圧)を決定する因子となる傾向が強いため、こ
の粒子を低い電界(電圧)で動かすためには帯電量は低
い方が良いこととなる。また、粒子の粒子径が小さい時
は分子間力・液架橋力等の非電気的な力が飛翔電界(電
圧)決定因子となることが多いため、この粒子を低い電
界(電圧)で動かすためには帯電量が高い方が良いこと
となる。しかし、これは粒子の表面性(材料、形状)に
も大きく依存するため一概に粒子径と帯電量で規定する
ことができない。
【0048】本発明者らは平均粒子径d0.5 が0.1〜
50μmの粒子においては、同じ種類のキャリアを用い
てブローオフ法により測定した2種類以上の粒子の表面
電荷密度が絶対値で、5μC/m2 以上150μC/m
2 以下である場合に画像表示装置として使用できる粒子
と成り得ることを見出したものである。すなわち、同じ
種類のキャリアを用いてブローオフ法により測定した粒
子の表面電荷密度の絶対値が、5μC/m2 以上150
μC/m2 以下とすることにより電界印加・反転により
粒子の飛翔が理想的に追従することができる。
【0049】表面電荷密度がこの範囲よりも低い場合に
は電界の変化に対する応答速度が低くなり、またメモリ
ー性も低下するからであり、逆に表面電荷密度がこの範
囲よりも高い場合には電極や基板への鏡像力が強くな
り、メモリー性は良好なものとなるが、電界の変化に対
する追随性が低下するからである。
【0050】このブローオフ法においては、両端に網を
張った円筒容器中に粉体とキャリアの混合体を入れ、一
端から高圧ガスを吹き込んで粉体とキャリアとを分離
し、網の目開きから粉体のみをブローオフ(吹き飛ば
し)する。この時、粉体が容器外に持ち去った帯電量と
等量で逆の帯電量がキャリアに残る。そして、この電荷
による電束の全てはファラデーケージで集められ、この
分だけコンデンサーに充電される。そこでコンデンサー
両端の電位を測定することにより粉体の電荷量は、Q=
CV (C:コンデンサー容量、V:コンデンサー両端
の電圧)として求められる。そして、この帯電量と別途
測定した該粒子の平均粒子径および比重とから表面電荷
密度が求められる
【0051】種類の異なる2以上の粒子を使用する場合
は、粒子間の表面電荷密度の差の絶対値が5〜150μ
C/m2 の範囲であることが好ましく、表面電荷密度の
差の絶対値が5μC/m2 に満たない場合は、電界を印
加した場合でも粒子にかかる力は微弱であり粒子の飛翔
を達成するためには非常に大きな電圧印加が必要とな
る。また、粒子の種類毎に表面電荷密度が分布を持ち、
2粒子の表面電荷密度の差の絶対値が5μC/m2 に満
たない場合は、この2粒子の表面電荷密度分布が重なる
部分が多くなる。そのような状況下では、電圧印加によ
って2粒子は両電極へ理想的な分離ができず、表示デバ
イスとしては十分な性能が発揮できない。
【0052】なお、粒子はその帯電電荷を保持する必要
があるので、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶
縁性粒子が好ましく、特に1×1012Ω・cm以上の絶縁
性粒子が好ましい。加えて、以下に述べる方法により評
価した電荷減衰性の遅い粒子であることが望ましい。
【0053】電荷減衰性の評価は、粒子表面と1mmの
間隔で配置したコロナ放電器に8kVの電圧を印加して
コロナ放電を発生させて粒子表面を帯電させ、その表面
電位の変化を測定することにより行う。本発明において
は、この測定で0.3秒後における表面電位の最大値が
300Vよりも大、特に400Vよりも大となる粒子が
得られるような材料を選択することが必要である。
【0054】表面電位の測定は、例えば図3に示す測定
装置50(例えばQEA社製CRT2000)により行
う。測定は、粒子51を表面に配置したロールのシャフ
ト52の両端部を一対のチャック53,54で保持し、
スコロトロン放電器55と表面電位計56とを所定距離
だけ離して配置した計測ユニット57を粒子51と1m
mの間隔を有して配置する。次いで粒子51を静止させ
た状態で計測ユニット57を粒子51表面に沿って移動
させながら、放電器55で粒子51表面に電荷を与えつ
つ表面電位計56で粒子表面の電位を測定することによ
り行う。なお、測定を行う環境は、温度25±3℃、湿
度55±5RH%とする。
【0055】さて、表示に用いる粒子は、上述した種々
の特性を満たすものであれば良く、種々の材料を用い
て、例えば多くの樹脂、荷電抑制剤、着色剤、無機添加
剤から選択してこれらを組み合わせて、あるいは着色剤
単独で作製することができる。
【0056】粒子材料に利用できる樹脂としては、例え
ばウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリル
ウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン
樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリス
チレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹
脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド
樹脂などが挙げられ、これらを単独あるいは二種以上を
混合して作製する。特に基板への付着力を制御する観点
から、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレ
タンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適で
ある。
【0057】荷電制御剤もまた種々のものが使用可能で
あるが、負荷電制御剤としては、例えばサリチル酸金属
錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子
を含む)油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カ
リックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホ
ウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられ
る。一方正荷電制御体としては、例えばニグロシン染
料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩
系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙
げられる。
【0058】なお、この他、超微粒子シリカ、超微粒子
酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジ
ン等の含窒素環状化合物およびその誘導体や塩、各種有
機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含む樹脂等も荷電制御
剤として用いることが可能である。
【0059】さらに着色剤としては、以下に例示するよ
うな有機、無機の各種染料、顔料が使用可能である。
【0060】まず黒色顔料としては、カーボンブラッ
ク、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性
炭等が挙げられる。
【0061】次に黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カ
ドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエ
ロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナ
フトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロ
ー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエロー
レーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレ
ーキ等が挙げられる。
【0062】橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデン
オレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオ
レンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアント
オレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブ
リリアントオレンジGK等が挙げられる。
【0063】赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウム
レッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレ
ッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッ
チングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリ
アントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレー
キB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等
が挙げられる。
【0064】紫色顔料としては、マンガン紫、ファスト
バイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げら
れる。
【0065】青色顔料としては、紺青、コバルトブル
ー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、
フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、
フタロシアニンブルー部分塩化合物、ファストスカイブ
ルー、インダスレンブルーBC等が挙げられる。
【0066】緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化
クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレ
ーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
【0067】白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、
アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられる。
【0068】また体質顔料としては、バライト粉、炭酸
バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タル
ク、アルミナホワイト等が挙げられる。
【0069】さらに塩基性、酸性、分散、直接染料等の
各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズ
ベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等
がある。
【0070】これらの着色剤は単独で、あるいは複数組
み合わせて用いることができる。
【0071】なお、特に黒色着色剤としてはカーボンブ
ラックが、白色着色剤としては酸化チタンが好適であ
る。
【0072】表示に用いる粒子の製造方法は特に限定さ
れるものではないが、例えば、電子写真装置のトナー製
造に準じた粉砕法および重合法が利用可能である。この
他無機または有機顔料の粉体表面に樹脂や荷電制御剤を
被覆する方法も利用することができる。
【0073】なお、表示板の基板間の間隔は、粒子が飛
翔移動でき、かつ適切なコントラスト比が維持できるも
のであれば良く、通常10〜5000μm、好ましくは
10〜500μmとする。対向する基板間の空間におけ
る粒子の体積占有率は10〜80%が好ましく、更に好
ましくは10〜60%である。80%を超える場合には
粒子の移動の支障をきたし、10%未満の場合にはコン
トラストが不明確になり易い。
【0074】さらに、本発明による表示装置において
は、前述した表示セルを多数形成してマトリクス状等の
形態に配置する。モノクロ表示を行う場合には、一つの
表示板が一つの画素となる。またフルカラー表示の場合
には、前述したように赤、緑、青の三色のカラー板をそ
れぞれ設け各々黒色粒子を含む三個のセルを一組とし、
この組を一画素とする。
【0075】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を更に具体的に
説明する。但し本発明は以下の実施例により限定される
ものではない。なお、以下の実施例において、粒子特性
および表示機能評価を次のように行なった。
【0076】(1)平均粒子径d0.5 Mastersizer2000(Malvern instruments Ltd.)測定機を
用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト
(Mail理論を用いた体積基準分布を基に粒子径分布、粒
子径を算出するソフト)を用いて、粒子の50%がこれよ
り大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで
表した数値を平均粒子径(μm)とする。
【0077】(2)表面電荷密度(μC/m2 ) ブローオフ粉体帯電量測定装置として東芝ケミカル
(株)製のTB−200を用いた。キャリアとして正帯
電性・負帯電性の2種類のものを用い、それぞれの場合
の単位面積あたり電荷密度(単位:μC/m2 )を測定
した。すなわち、正帯電性キャリア(相手を正に帯電さ
せ自らは負に帯電しやすいキャリア)としてパウダーテ
ック(株)製のF963−2535を、負帯電性キャリ
ア(相手を負に帯電させ自らは正に帯電しやすいキャリ
ア)としてパウダーテック粒子のF921−2535を
用いた。測定された帯電量と別途測定した該粒子の平均
粒子径及び比重とから表面電荷密度を求めた。なお、平
均粒子径は上述の方法により、また、比重は、株式会社
島津製作所製比重計(商品名:マルチボリウム密度計H
1305)を用いて測定した。
【0078】図1に示す構成の表示セル10を有する表
示装置を作製した。基板11としてガラス板を、これと
対向する基板12としてエポキシ板をそれぞれ用いた。
第一の対向電極対15,16の各電極にはITOを用
い、第二の対向電極対18,19および第三の対向電極
対20,21には銅を用いた。
【0079】正に帯電する粒子27には黒色重合トナー
(平均粒子径d0.5 8μmの球形、表面電荷密度+45
μC/m2 、0.3秒後の表面電位480V)を用い、
一方負に帯電する粒子28には黒色重合トナー(平均粒
子径d0.5 8μmの球形、表面電荷密度−40μC/m
2 、0.3秒後の表面電位450V)を用いた。各粒子
の帯電は、両粒子を等量撹拌混合して摩擦帯電により行
った。
【0080】また隔壁13,14の高さ、すなわち基板
11,12間の間隔を200μmとし、基板間の粒子の
体積占有率を50%とした。なおカラー板15には白色
の樹脂板を用いた。
【0081】このようにして作製した表示セル10にお
いて、第二の対向電極対の一方の電極18および第三の
対向電極対の一方の電極20が負極に、他方の電極1
9,21が正極となるように200Vの直流電圧を印加
すると、図1(c)に示すように、正に帯電した粒子2
7は電極18,20側へ飛翔移動して付着し、一方負に
帯電した粒子28は電極19,21側へ移動して付着し
た。それによって、表示セル10の表示色はカラー板1
5の色である白色となった。
【0082】次に、第二および第三の対向電極対を共に
アースして電圧印加を停止し、代わって第一の対向電極
対の一方の電極16が負極に、他方の電極17が正極と
なるように200Vの直流電圧を印加すると、図1
(b)に示すように、正に帯電した粒子27は電極16
側へ飛翔移動して付着し、一方負に帯電した粒子28は
電極17側へ移動して付着した。それによって、表示セ
ル10の表示色は粒子27,28の色である黒色となっ
た。
【0083】これらの場合において電圧印加に対する応
答時間を測定した結果、1msecの値が得られた。ま
た、電圧印加を停止して1日間そのまま放置したが、表
示状態、すなわち粒子が各電極側に付着した状態は保た
れていた。さらに、印加電圧の特性切り換えを1万回繰
り返し行ったが、応答速度の変化はほとんど見られなか
った。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、粒子の飛翔移動により表示を行う画像表示
板において、粒子を飛翔移動させるように電界を発生さ
せるための、対向する二つの電極からなる電極対を少な
くとも二組設けると共に、カラー板をも設けている。そ
れによって、粒子の電極間の飛翔移動とカラー板の双方
による色彩表示を行うことができ、単純な構成でありな
がら鮮明で安定した表示を行うことが可能となる。
【0085】請求項2記載の発明によれば、粒子の飛翔
移動を高速に行うことができ、それによって応答速度に
優れた表示板を実現することが可能となる。
【0086】請求項3記載の発明によれば、粒子の帯電
量を適切な値に設定することによって高い応答速度を実
現することができ、静止画像のみならず動画表示にも対
応可能な表示板を得ることができる。
【0087】請求項4記載の発明によれば、粒子が適切
な体積固有抵抗を有する絶縁性粒子であることによって
帯電電荷を保持することができ、静止画像のみならず動
画表示にも対応可能な表示板を得ることができる。
【0088】請求項5記載の発明によれば、粒子の表面
電位を適切な値に設定することによって高い応答速度を
実現することができ、静止画像のみならず動画表示にも
対応可能な表示板を得ることができる。また、特に静止
画像の表示に際しては、メモリー性、すなわち画像の保
存性が良好な表示板が得られる。
【0089】請求項6記載の発明によれば、粒子を黒色
としたことにより画像表示の際のコントラスト比を向上
させることができ、鮮明な画像を得ることが可能とな
る。
【0090】請求項7記載の発明によれば、画像素子に
多数の表示セルを形成し、各セルを一つの画素に対応さ
せることにより、精細な画像を表示させることができ
る。
【0091】請求項8記載の発明によれば、各対向電極
対間の粒子の移動により、粒子の色による表示と、カラ
ー板の色による表示とを切り換えて行うことができ、多
色(マルチカラー、フルカラー)表示を実現することが
可能である。
【0092】請求項9記載の発明によれば、上述した特
徴を有する表示板を用いたことにより、動画表示を可能
とするような高い応答速度を有し、単純な構造で安価か
つ安定性および鮮明さに優れた画像表示装置を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による画像表示板における画像表示セ
ルの第一の実施形態の構造を概略示す断面図である。
【図2】 本発明による画像表示板における画像表示セ
ルの第二の実施形態の構造を概略示す断面図である。
【図3】 本発明による画像表示板に用いる粒子の表面
電位を測定するための測定装置の構成を概略示す図であ
る。
【符号の説明】
10,30 表示板 11,12,31,32 基板 13,14,33,34 隔壁 15,35 カラー板 16,17,36,37 第一の対向電極対の電極 18,19,38,39 第二の対向電極対の電極 20,21 第三の対向電極対の電極 22,23,24,25 絶縁体 26,40 セル 27,28,41,42 粒子 50 表面電位測定装置 51 粒子 52 ロールシャフト 53,54 チャック 55 スコロトロン放電器 56 表面電位計 57 計測ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 薬師寺 学 東京都小平市小川東町3−2−6 (72)発明者 北野 創 東京都小平市小川東町3−5−5 (72)発明者 増田 善友 東京都羽村市神明台3−5−28 (72)発明者 川越 隆博 埼玉県所沢市青葉台1302−57

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明である二枚の対向
    する基板と、これら基板のいずれか一方に設けたカラー
    板と、前記基板間に形成した少なくとも二組の対向電極
    対と、前記基板間に封入した帯電特性の異なる二種類以
    上の粒子とを具え、前記対向電極対の一方の電極の電位
    が他方の電極の電位よりも高くなるようにこの対向電極
    対に電圧を印加し、それによって生じる電界によって前
    記粒子を飛翔移動させて画像表示を行うことを特徴とす
    る画像表示板。
  2. 【請求項2】 前記粒子の平均粒子径d0.5 が0.1〜
    50μmであることを特徴とする請求項1記載の画像表
    示板。
  3. 【請求項3】 キャリアを用いてブローオフ法により測
    定・算出した前記粒子の表面電荷密度が、絶対値で5〜
    150μC/m2 であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の画像表示板。
  4. 【請求項4】 前記粒子が、体積固有抵抗1×1010Ω
    ・cm以上の絶縁性粒子であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項記載の画像表示板。
  5. 【請求項5】 前記粒子を、該粒子表面と1mmの間隔
    を有して配置したコロナ放電器に8kVの電圧を印加す
    ることによりコロナ放電を発生させてその表面を帯電さ
    せたとき、0.3秒後における当該粒子の表面電位が3
    00Vより大きいことを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項記載の画像表示板。
  6. 【請求項6】 前記粒子の色が黒色であることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項記載の画像表示板。
  7. 【請求項7】 前記基板間に形成した隔壁によって相互
    に隔離された多数の画像表示セルを有することを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項記載の画像表示板。
  8. 【請求項8】 前記二組の対向電極対の一方の組を前記
    基板と平行な方向に形成し、他方の組を前記基板と垂直
    な方向および/または平行な方向に形成したことを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか1項記載の画像表示板。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項記載の画像
    表示板を具えることを特徴とする画像表示装置。
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