JP2003254980A - 試料分析装置および試料分析システムおよびそれらに使用される容器およびラック。 - Google Patents

試料分析装置および試料分析システムおよびそれらに使用される容器およびラック。

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JP2003254980A JP2002058388A JP2002058388A JP2003254980A JP 2003254980 A JP2003254980 A JP 2003254980A JP 2002058388 A JP2002058388 A JP 2002058388A JP 2002058388 A JP2002058388 A JP 2002058388A JP 2003254980 A JP2003254980 A JP 2003254980A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オペレータが試料分析装置に対して特別な操
作をすることなく装置のシャットダウン処理が可能な試
料分析装置を提供する。 【解決手段】 液体を吸引する吸引部と、試料を測定す
る測定機構部と、吸引する液体の情報を読み取る液体情
報読取部と、液体情報読取部で読み取った情報によって
測定機構部の動作を制御する制御部とを備える試料分析
装置を提供する。また、試料分析装置に吸引される液体
を収容した容器およびその容器を搭載するためのラック
であって、液体が洗浄液であることを示す情報が付加さ
れている容器およびラックを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血液分析装置、尿分
析装置などの試料分析装置に関し、特に、シャットダウ
ン処理のための操作の簡略化を図った試料分析装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、試料分析装置は高機能化が進み、
検体の処理能力が向上してきている。例えば、血液分析
装置では、1時間に150検体の測定が可能な装置(例
えば、XE−2100(シスメックス株式会社製))が
実現されている。
【0003】上述の血液分析装置は、装置内部に血液を
吸引してフローサイトメータなどの検出器を用いて血球
数などの血球情報を測定するものである。測定の際に
は、検出器や流路に汚れ(例えば以前に測定した血液の
成分)が残っていてはならない。例えば、検出器に残留
した汚れによって検出感度が変動したり、検出器がつま
ったりすることにより、測定結果に悪影響を及ぼすから
である。その反面、装置が処理する検体数の増加によっ
て、汚れの残留の可能性は高まってきている。
【0004】そこで、上述の血液分析装置では、1検体
測定ごとに希釈液で検出器や流路を洗い流すとともに、
所定期間ごと(例えば、1日に1回)に、いわゆるシャ
ットダウン動作をさせることで汚れの残留を防いでい
る。シャットダウン動作では、洗浄液(例えば、次亜塩
素酸ナトリウム溶液)を検出器や流路に流したり、検出
器や各チャンバにその洗浄液を所定時間滞留させたりし
て汚れを落とす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のシャットダウン
動作は、試料分析装置の使用者(以下、単にオペレータ
という)が、試料分析装置に備えられているパネルキー
ボードなどの入出力部から、「シャットダウン動作」を
選択し、試料分析装置の吸引部から洗浄液を吸引させる
ことによって開始する。しかし、この操作は煩雑である
とともに、操作方法の習得が必要となる。特に、血液検
査センターなど多量の検体を扱う施設では、血液分析装
置が数台から数十台接続された血液分析システムが使用
されている。これらの血液分析装置すべてに上記の操作
をすることは、オペレータにとって非常に煩雑な作業と
なる。この発明はこのような事情を考慮してなされたも
ので、オペレータが試料分析装置に対して特別な操作を
することなく装置のシャットダウン処理が可能な試料分
析装置を提供するものである。
【0006】シャットダウン動作は、検出器などに洗浄
液を滞留させる動作を含む場合があり、シャットダウン
動作終了までに長時間(数分から数十分程度)必要であ
る。従来の試料分析装置においては、オペレータは、シ
ャットダウン動作終了まで待ってから、装置の電源オフ
の指示または次の試料の測定指示をしなければならなか
った。
【0007】この発明は、このような事情をも考慮して
なされたもので、シャットダウン動作から電源オフまた
は次の試料の測定までの動作を自動化することによっ
て、オペレータの操作の簡略化を図ることができる試料
分析装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、液体を吸引
する吸引部と、試料を測定する測定機構部と、吸引する
液体の情報を読み取る液体情報読取部と、液体情報読取
部で読み取った情報によって測定機構部の動作を制御す
る制御部とを備える試料分析装置を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明における吸引部には、例
えばピペットが用いられ、これには試料分析装置用の一
般的なものを利用できる。ここで用いるピペットとして
は、キャップ付きの液体容器に備えて一般にピアサまた
はニードルとも呼ばれる先端の尖ったものを好適に用い
ることができる。
【0010】測定機構部とは、試料を定量するサンプリ
ングバルブ、試薬を加温する液体加温器、液体を内部に
滞留させるチャンバ、液体を一定量だけ移送させるシリ
ンジポンプやダイアフラムポンプ、それらを動作させる
モータや空圧源、フローサイトメータなどの検出器、各
部を接続するチューブ、流路の開閉を行うバルブなどか
ら構成されるものであり、これにも試料分析装置用の一
般的なものを利用できる。
【0011】液体情報読取部には、バーコードリーダや
ICチップリーダなどが使用できる。この場合、バーコ
ードやICチップに格納する情報として、例えば、あら
かじめ洗浄液を示す番号等を決めておく。バーコードや
ICチップに格納する情報は吸引される液体が試料の場
合には、検体番号であることが好ましい。バーコードや
ICチップは液体容器に貼付してもよいし、液体容器を
搭載するラックに貼付してもよい。液体情報読取部に
は、吸引する液体を収容した液体容器やラックの形状を
検知するセンサ(例えばマイクロスイッチや光センサ)
も使用できる。この場合、例えば収容する液体が試料で
あるか洗浄液であるかによって液体容器やラックの形状
を決めておく。また、液体情報読取部には、液体容器に
光を照射してその光が透過するか否かを検知する光セン
サを使用してもよい。液体が試料(例えば血液)であれ
ば光は透過せず、洗浄液であれば光は透過する。これに
よって、液体容器内の液体が試料であるか、洗浄液であ
るかを判別することができる。
【0012】液体情報読取部が読み取る液体の情報とし
ては、例えば、液体が試料であるか洗浄液であるかの情
報、液体が全血であるか血漿であるかの情報が挙げられ
る。情報の種類はこれらに限られず、また、2種類に限
られることもない。
【0013】制御部は、液体情報読取部が読み取った液
体の情報によって測定機構部の動作を制御する。例え
ば、液体が試料であれば測定動作を、液体が洗浄液であ
ればシャットダウン動作を測定機構部にさせる。液体が
全血であれば全血用の測定動作を、液体が血漿であれば
血漿用の測定動作を測定機構部にさせる。これによって
オペレータは、液体の種類によって試料分析装置の操作
を変更する必要がなくなり、操作の簡略化を図ることが
できる。
【0014】制御部には、CPU,ROM,RAMから
なるマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータを
用いることができる。
【0015】測定機構部の動作は、試料を測定する測定
動作と、洗浄液を測定機構部に所定時間滞留させるシャ
ットダウン動作を含んでもよい。洗浄液は、汚れの付着
の可能性の高い部分、例えば、検出器や試料と試薬を反
応させる反応チャンバ、排液(廃液)を収容する排液チ
ャンバなどに滞留させるとよい。検出器には、例えばフ
ローサイトメータ、電気抵抗法で赤血球数や血小板数を
検出する血球検出器、比色法でヘモグロビン量を検出す
るヘモグロビン検出器などが挙げられる。また、測定機
構部の動作は、試料を測定する測定動作と、洗浄液を測
定機構部の検出器に流入させるシャットダウン動作を含
んでもよい。シャットダウン動作とは、試料分析装置内
部の洗浄を行う動作であり、試料の測定動作ごとに行わ
れる洗浄動作よりも洗浄効果の高いものをいう。洗浄液
としては、次亜塩素酸ナトリウム溶液が洗浄効果が高い
ため好ましいが、希釈液や水なども使用できる。
【0016】制御部は、測定機構部がシャットダウン動
作を実行したのちに試料分析装置の電源をオフにしても
よい。また、制御部は、測定機構部がシャットダウン動
作を実行したのちに試料分析装置を液体吸引待受状態に
してもよい。液体吸引待受状態とは、いわゆるスタンバ
イの状態であり、そのままの状態で次の液体の吸引が可
能な状態をいう。
【0017】この発明の試料分析装置は、シャットダウ
ン動作の実行後に試料分析装置の電源をオフにするかシ
ャットダウン動作の実行後に試料分析装置を液体吸引待
受け状態にするかを選択するための選択部を備え、制御
部は選択された情報に従って試料分析装置の動作を制御
するよう構成されてもよい。これによって、オペレータ
は、シャットダウン動作の実行後に試料分析装置の電源
をオフにするか、そのまま次の試料の測定を開始するか
を選択することが可能となる。
【0018】この発明の試料分析装置は複数接続されて
もよい。これによって、検体の処理能力が向上された試
料分析システムが提供される。なお、試料分析システム
としては、例えば、HSTシリーズ(シスメックス株式
会社製)が知られている。
【0019】この発明は、試料分析装置に吸引される液
体を収容した容器であって、液体が洗浄液であることを
示す情報が付加されている容器を提供するものである。
また、この発明は、試料分析装置に吸引される液体を収
容した容器を搭載するためのラックであって、液体が洗
浄液であることを示す情報が付加されているラックを提
供するものである。液体が洗浄液であることを示す情報
としては、バーコード、ICチップ、容器やラックの形
状(容器やラックの大きさや容器やラックに取り付けら
れた突起など)が挙げられる。
【0020】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明
を詳述する。これによってこの発明が限定されるもので
はない。図1はこの発明による一実施例の血液分析装置
に液体容器を搭載するラックを移送するためのサンプラ
を接続した血液分析ステムの構成を示す平面図である。
血液分析システム1の中央に血液分析装置218が設置
され、右側に液体容器200を搭載した複数台のラック
226をストックし1台ずつ搬出するラック発送部20
8が、左側にラック226を回収してストックするラッ
ク回収部216が、それぞれ設けられている。そして、
ラック発送部208からラック回収部216へラック2
26を1個ずつ移送(横送り)する移送部210がそれ
らの間に設けられている。なお、ラック発送部208、
ラック回収部216、移送部210をあわせてサンプラ
2とよぶ。
【0021】血液分析装置218は、液体容器200の
バーコードを読み取るためのバーコードリーダ217、
液体容器200に収容された液体を攪拌するための攪拌
部211、攪拌された液体を液体容器200から吸引す
るための吸引部212、吸引された液体を定量、希釈、
溶血等して測定するための測定機構部214、制御部2
01、入力部202、出力部203、電源部215を備
えている。詳細は後述するが、制御部201は、CP
U、ROM、RAM、ハードディスクドライブ(HD
D)から構成されている。入力部202および出力部2
03は、パネルキーボードLCDから構成されている。
電源部215は、各部に電力を供給する(サンプラ2に
も電力を供給する)。なお、制御部201、入力部20
2、出力部203、電源部215をパーソナルコンピュ
ータで構成して、測定機構部214とTCP/IP(Tr
ansmission control protocol//internet protocol)な
どのインターフェースを介して接続してもよい。この実
施例では、血液分析装置218は、サンプラ2に1台の
み接続されているが、複数台接続するように構成しても
よい。またこの実施例では、バーコードリーダ217は
制御部201と直接接続されているが、サンプラ2の制
御部(図示せず)を介して接続されていてもよい。
【0022】各ラック226は、図2に示すように、1
0本の液体容器200が搭載できるように試験管立て状
の形状をしている。液体容器200は、有底円筒形の試
験管状容器で上端開口は、キャップ7で塞がれ、内部に
試料として血液または、洗浄液として次亜塩素酸ナトリ
ウム溶液(例えば、セルクリーン(シスメックス株式会
社製))を収容している。
【0023】図示しないが、液体容器200にはバーコ
ードが貼付されている。バーコードは、スリット9(図
2)を介してバーコードリーダ217によって読み取ら
れる。バーコードには、液体容器200に試料を収容し
ている場合にはその試料の検体番号が、液体容器200
に洗浄液が収容されている場合には洗浄液が収容されて
いることを示す情報(例えば、99−99999は洗浄
液を示すとあらかじめ決めておくとよい)が格納されて
いる。
【0024】以下、図3を参照して、血液分析装置21
8の内部構成、特に制御部201について詳述する。図
3は血液分析装置218の内部構成を示すブロック図で
ある。前述したように、血液分析装置218は、バーコ
ードリーダ217、入力部202および出力部203と
してのLCDパネルキーボード、測定機構部214、攪
拌部211、吸引部212、電源部215、制御部20
1から構成されている。制御部201は、分析部60、
液体種類判別部61、動作制御部62、電源オフ部6
3、吸引待受部64、電源オフ/待受選択部65、電源
オフ/待受データベース(以下データベースのことをD
Bと記す)70、測定動作DB71、シャットダウン動
作DB72、分析結果DB73を備えている。これら
は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ
(HDD)から構成され、各部はBUSで接続されてい
る。測定機構部214、攪拌部211、吸引部212と
しては公知のものが使用でき、例えばXE−2100
(シスメックス株式会社製)に使用されているものを使
用することができる。
【0025】図4は、吸引部212および測定機構部2
14の一部および制御部201を示す流体回路図であ
る。同図に示すように、測定機構部214は、試料を定
量するサンプリングバルブ29、試薬を加温する液体加
温器100a、100b、液体を内部に滞留させるチャ
ンバ22、30、41、46、49、54、液体を一定
量だけ移送させるシリンジ31、38、ダイアフラムポ
ンプ23、36、それらを動作させるモータや陰圧2
5,37、陽圧28、53、試料の測定を行うフローセ
ル39、各部を接続するチューブ、流路の開閉を行うバ
ルブなどから構成されている。以下、図1〜図4および
図5に示すフローチャートを参照して、血液分析システ
ム1の動作について説明する。
【0026】血液分析システム1のオペレータは、シャ
ットダウン動作(シャットダウン動作については後述す
る)を実行したのちに、そのまま自動的に血液分析シス
テム1の電源をオフにするか、電源をオフにせず、次の
試料の測定が可能となるよう液体吸引待受状態にするか
の選択を行う。具体的には、電源オフ/待受選択部65
は、LCDパネルキーボード202,203に「電源オ
フ」または「液体吸引待受」の選択を促す画面を表示さ
せる。オペレータが選択した情報は、電源オフ/待受D
B70に格納される(S0)。なお、この操作は試料の
測定毎に行う必要はなく、例えばシステム導入時にのみ
行えばよい。
【0027】液体容器200を搭載した複数のラック2
26がラック発送部208に縦一列に並べられると(S
1)、全ラック226が矢印Cで示す方向に整列しなが
ら前進し(S2)、その後、先頭のラック226が左方
の移送部210に送出され矢印Dで示す方向に横送りさ
れる(S3)。
【0028】移送部210により移送されるラック22
6は、先頭の液体容器200がバーコードリーダ217
に対向する位置で停止する。バーコードリーダ217が
先頭の液体容器200のバーコードを読み込むと(S
4)、その情報が制御部201の液体種類判別部61に
送られるとともに、その液体容器200は再び横送りさ
れ、攪拌部211に対向する位置で停止する。
【0029】先頭の液体容器200が攪拌部211で攪
拌されると(S5)、ラック226が所定距離(液体容
器200の配列ピッチ)だけ移動して、攪拌の終了した
液体容器200から液体が吸引部212により吸引され
る(S6)。搭載している液体容器200中の液体の吸
引をすべて終了したラック226は、ラック回収部21
6へ移送され、矢印Eに示す方向に送出される。
【0030】液体種類判別部61は、バーコードリーダ
217から送られた情報をもとに、液体容器200内の
液体が試料(血液)であるか、洗浄液であるかを判断す
る(S7)。液体容器200内の液体が血液である場合
には、動作制御部62は、測定動作DB71から測定動
作プログラムを読み込み、測定機構部214に測定動作
をさせる(S8)。測定動作については、図4を参照し
て後述する。
【0031】測定機構部214で得られた測定結果は、
分析部60で分析され、LCDパネルキーボード20
2,203に表示される。分析結果は、分析結果DB7
3に格納される(S9)。そして、血液分析システム1
は、次の液体の吸引を待ち受ける液体吸引待受状態にも
どる(S10)。ラック発送部208または移送部21
0にラック226が載置してある場合、ラック発送部2
08または移送部210は自動的にラックの前進または
横送りを続行させ(S2またはS3)、前述した血液分
析システム1の動作を続行させる(S2〜S10または
S13またはS14)。
【0032】ステップS7での判断の結果、液体容器2
00内の液体が洗浄液である場合には、動作制御部62
は、シャットダウン動作DB72からシャットダウン動
作プログラムを読み込み、測定機構部214にシャット
ダウン動作をさせる(S11)。シャットダウン動作に
ついては、図4を参照して後述する。なお、シャットダ
ウン動作中は、サンプラ2の動作を停止させる。
【0033】オペレータがシャットダウン動作実行後に
自動的に血液分析システム1の電源をオフにすることを
選択している場合、すなわち、電源オフ/待受DB70
に「電源オフ」が格納されている場合(S12)、シャ
ットダウン動作終了後に、電源オフ部63が、電源部2
15に対し、電力の供給の停止を命令する。これによっ
て、血液分析システム1の電源がオフとなる(S1
3)。
【0034】オペレータがシャットダウン動作実行後に
自動的に血液分析システム1を液体吸引待受状態にする
ことを選択している場合、すなわち、電源オフ/待受D
B70に「液体吸引待受」が格納されている場合(S1
2)、シャットダウン動作終了後に、血液分析システム
1は、吸引待受部64の指示により、液体吸引待受状態
にもどる(S14)。ラック発送部208または移送部
210にラック226が載置してある場合、ラック発送
部208または移送部210は自動的にラックの前進ま
たは横送りを再開させ(S2またはS3)、前述した血
液分析システム1の動作を再開させる(S2〜S10ま
たはS14)。これによって、オペレータが特別な操作
をすることなく、試料の測定を再開することができる。
【0035】以下、図4を参照して、測定動作について
説明する。なお、特に言及しなければ、バルブは閉の状
態である。同図において、先ず、バルブ21を開き、試
薬チャンバ22とダイアフラムポンプ23とを連通させ
る。次にバルブ24を開くと、陰圧25により試薬(希
釈液)がダイアフラムポンプ23に1mLだけ吸引され
る。バルブ21,24を閉、バルブ26,27を開にす
ると、陽圧28により1mLの試薬がダイアフラムポン
プ23から液体加温器100aへニップル15aを介し
て供給され加温される。以上の動作を複数回繰り返すこ
とにより、所定温度まで上昇した試薬がニップル17a
から送出され、サンプリングバルブ29の試薬流路29
aを介して反応チャンバ30の手前までの流路を満た
す。
【0036】次に、シリンジ31を作動させ液体容器2
00から試料(血液)をサンプリングバルブ29の定量
流路29bへ吸引する。サンプリングバルブ29を回転
させ4μLの試料を定量し、定量流路29bを試薬流路
29aと切換える。これによって、試料は試薬によって
前後がはさまれる。そこで、上述のようにダイアフラム
ポンプ23を作動させて液体加温器100aから1mL
試薬を送出すると、4μLの試料が1mLの試薬と共に
反応チャンバ30に流入し、反応チャンバ30で攪拌さ
れて希釈試料が作成される。
【0037】次に、バルブ33,34,35を開にし、
ダイアフラムポンプ36に陰圧37を印加すると、反応
チャンバ30とバルブ34との間の流路が希釈試料で満
たされる。バルブ33,34を閉にし、シリンジ38を
作動させると、希釈試料はフローセル39内のノズル4
0から吐出される。
【0038】一方、バルブ57を開にすると、シース液
がチャンバ41から陽圧42によりフローセル39に供
給され、ノズル40から吐出される希釈試料を包み込ん
で、いわゆる、シースフローを形成する。そのシースフ
ローに発光素子43から光が照射され、希釈試料に含有
される粒子からの散乱光や蛍光などの光が受光素子44
によって検出される。
【0039】制御部201の分析部60は検出された光
強度に基づいて希釈試料中の粒子の特徴を分析する。そ
して、シースフローを形成した希釈試料とシース液は排
液チャンバ46へ排出される。
【0040】続いて、洗浄動作が行われる。なお、この
洗浄動作は測定動作ごとに行われるものであり、シャッ
トダウン動作ではない。まず、バルブ47,48を開に
する。希釈液チャンバ49に陽圧50を印加して希釈液
を、バルブ47、ニップル16a、液体加温器100
a、ニップル18a、サンプリングバルブ29、および
反応チャンバ30へと流し、反応チャンバ30があふれ
る前にバルブ47,48を閉にする。
【0041】バルブ33,34,35を開き、陰圧37
をダイアフラムポンプ36に印加して、希釈液を反応チ
ャンバ30からバルブ33,34を介してダイアフラム
ポンプ36まで吸引する。バルブ34,35を閉、バル
ブ51,52を開にして陽圧53をダイアフラムポンプ
36に印加すると、ダイアフラムポンプ36の希釈液は
バルブ51を介して排液チャンバ54へ排出される。次
にバルブ55を開くと、反応チャンバ30の残りの希釈
液も排液チャンバ54へ排出される。
【0042】次に、バルブ48,56を開にし、希釈液
チャンバ49に陽圧50を印加すると、希釈液は希釈液
チャンバ49からバルブ56、液体加温器100b、シ
リンジ38、ノズル40およびフローセル39を経て排
液チャンバ46へ排出される。これによって、流路に残
留していた血液が排出され、次の液体容器200から液
体を吸引することが可能となる。
【0043】以下、図4を参照して、シャットダウン動
作について説明する。この実施例におけるシャットダウ
ン動作とは、フローセル39内に洗浄液を流入させて滞
留させる動作をいうが、これには限られず、必要に応じ
て各チャンバへ洗浄液を滞留させたりしてもよい。な
お、特に言及しなければ、バルブは閉の状態である。サ
ンプリングバルブ29を切り替え、液体容器200(液
体容器200には洗浄液が収容されている)とバルブ5
9をサンプリングバルブ29の洗浄液流路29cを介し
て連通させる。
【0044】バルブ34,35,59を開にし、ダイア
フラムポンプ36に陰圧37を印加すると、バルブ34
とバルブ59との間の流路が洗浄液で満たされる。バル
ブ34,35,59を閉にし、シリンジ38を作動させ
ると、バルブ34とバルブ59との間の流路に満たされ
ていた洗浄液はフローセル39内のノズル40から吐出
される。ノズル40から吐出された洗浄液は、ノズル4
0およびフローセル39内に滞留する。この状態で所定
時間(5分〜10分程度)放置する。なお、この所定時
間は固定の時間としてもよいし、オペレータが設定可能
としてもよい。
【0045】バルブ48,56を開にし、希釈液チャン
バ49に陽圧50を印加すると、希釈液は希釈液チャン
バ49からバルブ56、液体加温器100b、シリンジ
38、ノズル40およびフローセル39を経てノズル4
0およびフローセル39内に滞留していた洗浄液ととも
に排液チャンバ46へ排出される。同時に、バルブ57
を開にすると、シース液がチャンバ41から陽圧42に
よりフローセル39に供給され、フローセル39内に滞
留していた洗浄液とともに排液チャンバ46へ排出され
る。次に、排液チャンバ46、54に滞留している排液
を装置外部に排出する。以上でシャットダウン動作を終
了する。
【0046】オペレータによって、シャットダウン動作
後の動作として、「電源オフ」が選択されている場合、
電源オフ部63は、電源部215に電力供給の停止を指
示する。オペレータによって、シャットダウン動作後の
動作として、「液体吸引待受」が選択されている場合、
吸引待受部64が、攪拌部211、吸引部212、測定
機構部214等に次の液体の吸引待受を指示する。
【0047】なお、この発明の試料分析装置は、オペレ
ータがあらかじめ設定した時間に自動的に試料分析装置
の電源をオンにする電源オン部を制御部201に設けて
もよい。これによって、オペレータの出勤時に試料分析
装置を液体吸引待受状態としておくことができ、オペレ
ータは出勤後すぐに試料の測定を始めることができる。
【0048】試料を測定すべき時間帯にオペレータが誤
って洗浄液をサンプラ2に投入してしまいシャットダウ
ン動作が開始してしまうと、試料測定が中断されてしま
う。そこで、この発明の試料分析装置を、シャットダウ
ン動作が開始可能な時間帯をオペレータがあらかじめ設
定可能となるよう構成してもよい。具体的には、シャッ
トダウン動作の開始可能時間帯を設定するためのシャッ
トダウン開始可能時間設定部および開始可能時間帯を記
憶するシャットダウン開始可能時間DBを制御部201
に設けてもよい。
【0049】シャットダウン動作中に試料分析装置に動
作エラーが発生した場合には、試料分析装置の製造販売
元やオペレータの携帯電話などにエラー発生を連絡する
ように、この発明の試料分析装置を構成してもよい。こ
れによって、試料分析装置の迅速な復旧処理が可能とな
る。
【0050】
【発明の効果】この発明の試料分析装置によれば、オペ
レータは試料分析装置に対して特別な操作をすることな
く装置のシャットダウン処理が可能である。また、この
発明の試料分析装置によれば、シャットダウン動作から
電源オフまたは次の試料の測定までの動作を自動化する
ことによって、オペレータの操作の簡略化を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による一実施例の血液分析装置にサン
プラを接続した血液分析ステムの構成を示す平面図であ
る。
【図2】液体容器200を搭載したラック226の斜視
図である。
【図3】血液分析装置218の内部構成を示すブロック
図である。
【図4】吸引部212および測定機構部214の一部お
よび制御部201を示す流体回路図である。
【図5】血液分析システム1の動作を説明するフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 血液分析システム 2 サンプラ 200 液体容器 201 制御部 202 入力部 203 出力部 208 ラック発送部 210 移送部 211 攪拌部 212 吸引部 214 測定機構部 215 電源部 216 ラック回収部 217 バーコードリーダ 218 血液分析装置 226 ラック
フロントページの続き Fターム(参考) 2G052 AA30 AD26 AD46 CA03 CA04 CA13 CA14 CA36 CA41 CA48 DA02 DA12 DA32 EB11 FC05 FC06 FC07 FC11 FC16 GA12 HB04 JA03 JA06 2G058 BA01 BB02 BB07 CA02 CB09 CB15 CF09 CF12 EA03 EA05 EB01 EB11 EC05 FA01 FB03 FB05 FB09 FB14 FB19 FB28 GA02 GC02 GC05 GC08 GE02 GE09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吸引する吸引部と、試料を測定す
    る測定機構部と、吸引する液体の情報を読み取る液体情
    報読取部と、液体情報読取部で読み取った情報によって
    測定機構部の動作を制御する制御部とを備える試料分析
    装置。
  2. 【請求項2】 測定機構部の動作は、試料を測定する測
    定動作と、洗浄液を測定機構部に所定時間滞留させるシ
    ャットダウン動作を含む請求項1記載の試料分析装置。
  3. 【請求項3】 測定機構部の動作は、試料を測定する測
    定動作と、洗浄液を測定機構部の検出器に流入させるシ
    ャットダウン動作を含む請求項1記載の試料分析装置。
  4. 【請求項4】 制御部は、測定機構部がシャットダウン
    動作を実行したのちに試料分析装置の電源をオフにする
    請求項2または3記載の試料分析装置。
  5. 【請求項5】 制御部は、測定機構部がシャットダウン
    動作を実行したのちに試料分析装置を液体吸引待受状態
    にする請求項2または3記載の試料分析装置。
  6. 【請求項6】 シャットダウン動作の実行後に試料分析
    装置の電源をオフにするかシャットダウン動作の実行後
    に試料分析装置を液体吸引待受状態にするかを選択する
    ための選択部を備え、制御部は選択された情報に従って
    試料分析装置の動作を制御する請求項2または3記載の
    試料分析装置。
  7. 【請求項7】 液体情報読取部は、バーコードリーダで
    ある請求項1乃至請求項6記載の試料分析装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7記載の試料分析装
    置が複数接続された試料分析システム。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項7記載の試料分析装
    置に吸引される液体を収容した容器であって、液体が洗
    浄液であることを示す情報が付加されている容器。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項7記載の試料分析
    装置に吸引される液体を収容した容器を搭載するための
    ラックであって、液体が洗浄液であることを示す情報が
    付加されているラック。
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