JP2003254577A - 換気構造 - Google Patents

換気構造

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博之 梅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物の外観を良好に保ちつつ、換気効率を
向上できる換気構造を提供すること。 【解決手段】建物1内に設けられた複数の部屋の換気を
行う換気ユニット10は、換気ユニット本体11と、屋
外の空気を換気ユニット本体11に導入する外気導入配
管12と、屋内の空気を換気ユニット本体11から排出
する内気排出配管14とを有し、建物1の屋根3には、
外気に臨んで開口した排気口31が設けられており、建
物1の外壁2の少なくとも一部は内部に排気口31に連
通する通気路21を備え、内気排出配管14は通気路2
1に連通されている。よって、排気口31の位置を外気
導入配管12の開口から十分離して設置することができ
るので、常に新鮮な外気を導入し換気効率を向上するこ
とができ、外壁2に内気排出配管14の開口を設けない
ので、建物1の外観を良好にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セントラル換気方
式により建物内部の複数の部屋を換気する換気構造に関
する。
【0002】
【背景技術】図7は、セントラル換気方式により建物内
部の複数の部屋を換気する、従来の換気構造が適用され
た建物の概略模式図を示すものである(特開2000−
329395号公報の図7)。従来の換気構造における
セントラル換気装置100は、1階の天井部分に大型の
換気ユニット本体110を1台設置して、建物内に設け
られた全ての部屋を換気するものである。すなわち、セ
ントラル換気装置100は、1階の天井裏部分つまり2
階の床下部分に設置された強制的に空気の流れを形成す
る1台の大型の換気ユニット本体110と、建物の外部
の新鮮な空気を部屋内に取り入れるために建物の外部か
ら換気ユニット本体110に連通する外気導入配管12
0と、この外気導入配管120から導入された空気を換
気ユニット本体110を介して建物の部屋内に供給する
外気供給配管130,150,140とを備えている。
【0003】外気供給配管は、1階の各部屋に空気を供
給するための1階用外気供給配管130と、2階の各部
屋に空気を供給するための2階用外気供給配管140
と、この2階用外気供給配管140と1階用外気供給配
管130とを連結する縦配管150とから構成されてい
る。また、セントラル換気装置100は、部屋内の空気
を換気ユニット本体110に回収するために1階天井の
略中央から換気ユニット本体110に向かって通ずる1
本の内気回収配管160と、この内気回収配管160に
より部屋内から回収された空気を屋外に排出するために
屋外と換気ユニット本体110との間に通ずる内気排出
配管170とを備えている。
【0004】このようなセントラル換気装置100を用
いた換気構造によれば、屋外の新鮮な空気が、建物内の
各部屋内に吹き出して、各部屋内を通って建物1階の略
中央から回収されるので、風量が少なくとも、各部屋内
の隅々までくまなく換気ができるという効果がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の換気構造では、天井裏に配設される外気導入配管12
0および内気排出配管170を屋外に連通させる取り回
し経路は、部屋のレイアウトや経路の長さ等の制約を受
け、多くの場合、外気導入配管120が屋外に開口する
位置の近傍に内気排出配管170の開口が設けられるた
め、排出された内気を再度外気導入配管120から導入
してしまい、換気効率が低下するという問題がある。ま
た、建物の外壁に複数の開口およびそのカバーを設ける
と、建物外観の意匠性が悪化するという問題がある。
【0006】本発明の目的は、建物の外観を良好に保ち
つつ、換気効率を向上できる換気構造を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の換気構造は、次の構成を採用する。本発明
を図面を参照して説明すると、請求項1に記載の換気構
造は、建物1内に設けられた換気ユニット10で複数の
部屋の換気を行う換気構造であって、前記換気ユニット
は、換気ユニット本体11と、屋外の空気を前記換気ユ
ニット本体に導入する外気導入路12と、屋内の空気を
前記換気ユニット本体から排出する内気排出路14とを
有し、前記建物の屋根3には、外気に臨んで開口した排
気口31が設けられており、前記建物の外壁2の少なく
とも一部は、内部に前記排気口に連通する通気路21を
備え、前記内気排出路は、前記通気路に連通されている
ことを特徴とする。
【0008】なお、ここで、「外気導入路および内気排
出路」とは、所定長さを有する管で構成されたものに限
らず、開口のみで構成された管を有しないものも含まれ
る。また、「通気路」とは、所定長さを有する管で構成
されたものに限らず、所定の隙間や開口等も含まれ、通
気可能な空間が構成されたものであればよい。
【0009】この発明によれば、屋外の新鮮な空気は、
外気導入路を通じて換気ユニット本体に導入され、建物
内部に供給される。建物内部の空気は、換気ユニット本
体に回収され、内気排出路から通気路に排出された後、
通気路に連通し、屋根に設けられた排気口から屋外に排
出される。よって、排気口の位置を外気導入路の開口か
ら十分離して設置することができるので、排気口から屋
外に排出された内気が、外気導入路を通じて再び建物内
部に供給されるという不具合が生じず、常に新鮮な外気
を導入し換気効率を向上することができる。また、内気
排出路は通気路を通じて排気口と連通しており、直接外
気に開口していないため、外壁等に設けられる開口やそ
のカバーの数を削減し、建物外観の意匠を良好にするこ
とができる。
【0010】請求項2に記載の換気構造は、請求項1に
記載の換気構造において、前記通気路を備えた外壁は、
外気に面した外側壁体23と、この外側壁体と対向して
屋内側に設けられた内側壁体22とを備え、前記通気路
は、前記外側壁体と前記内側壁体との間に設けられた隙
間に形成されていることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、内気排出路から排出さ
れる内気は、外側壁体と内側壁体との隙間である通気路
に吹き出され、通気路を上昇した後、この通気路と連通
した排気口から屋外に排出される。よって、通気路とし
てのダクト配管や煙突、排気筒等を設けなくとも、屋根
に設けた排気口に連通する通気路を形成することができ
るので、通気路の設置コストを低減できる。また、通気
路は、外壁空気層として断熱機能も有し、屋内と屋外と
の温度差による熱伝達を抑制するので、建物の断熱性を
高め空調効率を向上できる。
【0012】請求項3に記載の換気構造は、請求項1ま
たは2に記載の換気構造において、前記換気ユニット
は、前記換気ユニット本体に導入された外気を前記建物
内部に供給する単一の外気供給路13と、この外気供給
路に連結され前記建物内の所定の空間に開口した外気供
給口16と、この外気供給口から離れた位置に設置され
た内気回収口17と、この内気回収口に単一の経路で連
結され内気を前記換気ユニット本体に回収する内気回収
路15とを備え、前記複数の部屋は、それぞれ前記外気
供給口が位置する空間に連通可能とされ、かつ、前記複
数の部屋のうち少なくとも1つには、当該部屋の内気を
排出する個別排出路18が設けられ、この個別排出路
は、前記通気路に連通されていることを特徴とする。
【0013】なお、ここで、「外気供給路および内気回
収路」とは、所定長さを有する管で構成されたものに限
らず、開口のみで構成された管を有しないものも含まれ
る。また、「単一の」とは、実質的に単一の意であり、
その全長に亘って1本の管で構成されるものに限らず、
部屋内側端部近傍で枝分かれすることにより、1つの部
屋に複数の端部開口が設けられているものや、複数の部
屋に各々端部開口が設けられているものも含まれる。ま
た、「外気供給口から離れた位置」とは、同一の部屋内
における離れた位置でもよく、また、外気供給路の外気
供給口が設けられた部屋と異なる部屋であってもよい。
【0014】この発明によれば、外気導入路を通じて換
気ユニット本体に導入された外気は、単一の外気供給路
を通じて建物内部に供給され、供給された外気は、外気
供給口と連通した建物内の各部屋に流れ込み、各部屋の
内気と混合される。各部屋の内気は、その一部が個別排
出路から排出され、個別排出路から排出されなかった残
りの内気は、単一の内気回収路を通じて換気ユニット本
体に回収され、内気排出路を通じて排出される。よっ
て、各部屋まで複数の経路でダクト配管を設置した場合
と比較して、ダクト配管を省略できるため、換気ユニッ
トの設置コストを低減できるとともに、建物内部の隅々
までくまなく換気できる。また、個別排出路は通気路を
通じて排気口と連通しており、直接外気に開口していな
いため、外壁等に設けられる開口やそのカバーの数を削
減し、建物外観の意匠を良好にすることができる。
【0015】請求項4に記載の換気構造は、請求項2ま
たは3に記載の換気構造において、前記内側壁体は、前
記外壁の躯体を構成する構造体22であり、前記外側壁
体は、前記外壁の外装を構成する仕上材23であること
を特徴とする。ここで、「構造体」とは、建物や外壁そ
のもの、外壁の付属物等の形態を維持し、荷重を支持す
るための躯体を構成するもので、例えば、コンクリート
や軽量発泡コンクリート板、木質パネル等から構成され
るものが含まれる。また、「仕上材」とは、外壁の屋外
側表面を構成する部材を指し、構造体に取り付けられて
支持されるもので、例えば、セメント製や金属製、木質
のサイディング材、タイルや石材が貼られたボード等が
含まれる。この発明によれば、通気路を形成する内側壁
体および外側壁体を、通常、外壁の躯体および外装に用
いられる構造体および仕上材で構成したので、別部材を
用いて内側壁体、外側壁体および通気路を形成する必要
がなく、部材数を増加させず低コストで通気路を備えた
外壁を構築できる。
【0016】請求項5に記載の換気構造は、請求項4に
記載の換気構造において、前記仕上材は、略鉛直方向に
延びる胴縁を介して前記構造体に取り付けられているこ
とを特徴とする。この発明によれば、仕上材を構造体に
取り付ける際に胴縁を介する方法は、通常行われている
施工方法であり、施工手順や使用する材料等が一般的で
あるため、低コスト、かつ、短工期で施工できるととも
に、胴縁の間隔部分には、胴縁に沿って略鉛直方向に延
びる空間が形成されるため、この空間を通気路として利
用することで、簡単に通気路を備えた外壁を構築でき
る。
【0017】請求項6に記載の換気構造は、請求項4に
記載の換気構造において、前記仕上材は、略水平方向に
延びる胴縁を介して前記構造体に取り付けられ、前記胴
縁には、所定の間隔で通気孔が設けられていることを特
徴とする。この発明によれば、前述の請求項5に記載の
発明と同様に、低コスト、かつ、短工期で施工できると
ともに、略水平方向に延びる胴縁に通気孔を設けたこと
で、胴縁を上下に貫通して延びる通気路が形成されるの
で、簡単に通気路を備えた外壁を構築できる。
【0018】請求項7に記載の換気構造は、請求項4に
記載の換気構造において、前記仕上材は、略鉛直方向お
よび略水平方向に延び互いに交差した胴縁26,27を
介して前記構造体に取り付けられていることを特徴とす
る。この発明によれば、前述の請求項5に記載の発明と
同様に、低コスト、かつ、短工期で施工できるととも
に、略鉛直方向に延びる胴縁と略水平方向に延びる胴縁
とを交差させたことで、鉛直および水平の両方向ともに
連続した空間が形成され、この空間を通気路として利用
することで、簡単に通気路を備えた外壁を構築できる。
また、通気路の容積が大きくなることで大量の内気が排
出された場合でも、排出された内気は即座に通気路内に
拡散し、通気路内の気圧上昇を抑えられるので、排気を
行う送風機に掛かる負荷を低減し、排気効率の低下を防
止できる。
【0019】請求項8に記載の換気構造は、請求項1か
ら7のいずれかに記載の換気構造において、前記通気路
は、前記建物の小屋裏空間4を介して前記排気口に連通
されていることを特徴とする。この発明によれば、外壁
の通気路に排出され通気路内を上昇した内気は、小屋裏
空間に達し、一旦、小屋裏空間に滞留した後、屋根に設
けられた排気口から屋外に排出される。よって、建物の
各部屋の換気を行うと同時に、小屋裏空間を換気でき、
小屋裏空間の湿気等を排出することで、快適な居住性と
建物の耐久性を向上できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳しく説明する。図1には、本実施形態に係
る換気構造が適用された建物としての一戸建て住宅1の
断面図が示されている。住宅1は、基礎5の上に固定さ
れ、外壁2および屋根3によりその外殻を形成され、高
い断熱性能および気密性能を備えた2階建の住宅であっ
て、換気ユニット10により住宅1の1階および2階の
複数の部屋を換気するセントラル方式の換気構造を備え
ている。
【0021】住宅1の外壁2は、屋内側に配置された内
側壁体としての構造体22と、この構造体22と対向し
て屋外側に配置された外側壁体としての仕上材23と、
これらの構造体22および仕上材23の間に形成された
通気路21とを備えて構成されている。構造体22は、
住宅1の外形を維持するとともに、床や屋根3等の荷重
を支持している。仕上材23は、住宅1の外観を形成す
るとともに、風雨の侵入を防ぐ機能を備えている。屋根
3は、寄棟形式または切妻形式の屋根で、その頂部に
は、笠材34で雨避けが施された排気口31が設けら
れ、屋根3と2階天井43との間には、小屋裏空間4が
形成されている。
【0022】換気ユニット10は、1階の天井裏41に
収納された換気ユニット本体11と、1階の天井裏41
に配設され屋外、建物内部または通気路21に連通する
筒状の配管12,13,14とを備えている。これらの
配管は、住宅1の外部の空気(外気)を建物内部に導入
するために、住宅1の屋外から換気ユニット本体11ま
で延び、屋外と換気ユニット本体11とを連通する外気
導入路としての外気導入配管12と、建物内部の1箇所
から換気ユニット本体11まで延び、建物内部と換気ユ
ニット本体11とを連通する外気供給路としての外気供
給配管13と、住宅1の内部の空気(内気)を排出する
ために、換気ユニット本体11から通気路21まで延
び、換気ユニット本体11と通気路21とを連通する内
気排出路としての内気排出配管14とで構成されてい
る。通気路21は、内気排出配管14から排出された内
気を屋外に排出するために、小屋裏空間4を介して屋根
3の頂部の排気口31と連通している。
【0023】外気供給配管13の換気ユニット本体11
と反対の端部には、住宅1の内部に外気を供給する外気
供給口としての吹き出し口16が、1階天井42に開口
して設けられている。また、換気ユニット本体11の直
下には天井開口15が設けられ、この天井開口15は、
換気ユニット本体11からその直下の天井22Aを貫通
して設けられた換気ユニット本体11と建物内部とを連
通する内気回収路とされている。天井開口15の部屋内
側には、内気回収路の内気回収口としての吸い込み口1
7が形成されている。また、1階および2階には複数の
部屋が設けられ、これらの部屋は、各々吹き出し口16
に連通可能とされ、かつ、部屋の内気を通気路21に排
出する個別排出路としての排気ファン18を備えてい
る。
【0024】図2には、住宅1の1階部分の平面図が示
されている。1階部分には、図中下方にリビング・ダイ
ニングルーム1Aが設けられ、リビング・ダイニングル
ーム1Aの図中上方左側にキッチン1Bが設けられ、リ
ビング・ダイニングルーム1Aの図中上方右側に玄関1
Cが設けられている。そして、玄関1Cの図中上方に
は、洗面所1Dと、浴室1Eとが設けられている。浴室
1Eの図中左側には、トイレ1Fと、1階階段室1Hと
が設けられている。これらのトイレ1Fおよび1階階段
室1Hと、キッチン1Bとの間には、廊下1Gが設けら
れ、この廊下1Gは、トイレ1Fの前でL字形に折れ、
リビング・ダイニングルーム1Aへ向かって延びてい
る。
【0025】ここで、吹き出し口16は、住宅1の内部
に設けられた共用空間としての廊下1Gの天井裏41に
設けられ、この廊下1Gにキッチン1B、玄関1C、洗
面所1D、および1階階段室1Hが連通されている。ま
た、リビング・ダイニングルーム1Aおよびトイレ1F
は、それぞれ出入口の扉の上部あるいは下部に設けられ
た通気口を介して、廊下1Gに連通されている。浴室1
Eは、出入口の扉の上部あるいは下部に設けられた通気
口を介して、洗面所1Dに連通されている。
【0026】換気ユニット10の換気ユニット本体11
は、平面視で、吹き出し口16から離れた位置、ここで
は浴室1Eの天井裏41に設けられている。よって、吸
い込み口17は、浴室1Eの天井42に設けられてい
る。また、リビング・ダイニングルーム1A、キッチン
1B、およびトイレ1Fには、廊下1Gに通じる開口ま
たは扉からできるだけ離れた位置になるように排気ファ
ン18が設けられている。これらの換気ユニット本体1
1に接続された内気排出配管14と、各部屋に設けられ
た排気ファン18とが開口された通気路21は、出入り
口や窓等を除いた外壁2の略全面に設けられている。
【0027】図3には、住宅1の2階部分の平面図が示
されている。2階部分には、図中下方に主寝室2Aが設
けられ、主寝室2Aの上方右側にウォークイン・クロー
ゼット2Bが設けられている。ウォークイン・クローゼ
ット2Bの図中上方には、納戸2Gと、トイレ2Hとが
設けられている。主寝室2Aの図中上方左側に2つの副
寝室2C,2Dが上下に並んで設けられ、これらの副寝
室2C,2Dには、それぞれクローゼット2E,2Fが
設けられている。副寝室2Dの図中上方には、2階階段
室2Iが設けられ、2階階段室2Iから主寝室2Aに向
かって廊下2Jが延びている。
【0028】ここで、2階階段室2Iは、1階階段室1
Hに連通されており、主寝室2A、ウォークイン・クロ
ーゼット2B、副寝室2C,2D、クローゼット2E,
2F、納戸2G、およびトイレ2Hは、それぞれ出入口
の扉の上部あるいは下部に設けられた通気口を介して、
2階階段室2Iに連通されている。また、主寝室2A、
ウォークイン・クローゼット2B、副寝室2C,2D、
納戸2G、およびトイレ2Hには、廊下2Jに通じる開
口または扉からできるだけ離れた位置になるように排気
ファン18が設けられている。
【0029】図4には、排気ファン18が取り付けられ
た位置における外壁2および屋根3の拡大した断面図が
示されている。外壁2の構造体22は、複数の木質壁パ
ネル24で構成され、仕上材23は、複数のサイディン
グ板材25で構成されている。壁パネル24は、1フロ
ア分の高さ寸法と所定の幅寸法を有した矩形状の部材
で、その端縁および内部に配された木質の芯材24Aの
両側に木質の面材24Bを張り付けて形成されている。
サイディング板材25は、セメント材料等から成形され
た矩形状の板材で、住宅の高さ方向に複数枚並べられ
て、壁パネル24に固定されている。
【0030】サイディング板材25の取り付け用下地と
して、壁パネル24の外側面に形成された断熱材28の
外側に胴縁26,27が、釘打ち等により取り付けられ
ている。胴縁26,27は、木質の角材から形成されて
おり、略水平方向に延びて壁パネルに固定された胴縁2
7の外側に、略鉛直方向に延びる胴縁26が胴縁27と
交差して取り付けられている。胴縁26,27は、それ
ぞれサイディング板材25を支持するために必要な本数
が、所定の間隔をあけて取り付けられており、この間隔
部分が水平および鉛直の両方向に連続して通気路21を
形成している。
【0031】壁パネル24の上には、屋根3を支持する
桁材35が配置され、この桁材35に設けられた通気孔
35Aにより、通気路21と小屋裏空間4とが連通され
ている。屋根3は、外壁2の壁パネル24と同様の芯材
32Aと面材32Bとで構成された屋根パネル32を複
数枚並べて配置し、この屋根パネル32の上面に屋根材
33を取り付けることで形成されている。また、部屋の
内気を排出する排気ファン18は、壁パネル24および
断熱材28を貫通して設置され、部屋の内部と通気路2
1とを連通している。排気ファン18の内部には、図示
しない送風機が備えられ、部屋の内気を強制的に通気路
21へ送ることができるものである。
【0032】図5には、換気ユニット本体11の拡大し
た断面図が示されている。換気ユニット本体11の内部
には、図示しない2台の送風機と全熱交換器19が設け
られている。送風機は、電動モーターと、この電動モー
ターにより回転する多数の羽根とからなり、回転する羽
根により発生する強制的な空気の流れを利用して、配管
の内部の空気を強制的に移動させるものである。すなわ
ち、外気導入配管12から導入された外気を外気供給配
管13に向かって、あるいは、吸い込み口17から回収
された内気を内気排出配管14に向かって強制的に移動
させることができるものである。具体的には、特に図示
しないが、羽根車の回転に伴って気体の遠心力を利用
し、気体を圧送するターボファンと、このターボファン
からの吹き出し流路を形成するケーシングとを備えてい
るものである。なお、2台の送風機のうちの一方は、外
気を建物内部に導入する外気導入用の送風機であり、他
方は、内気を屋外に排出するための内気排出用の送風機
である。
【0033】換気ユニット本体11の吸い込み口17に
は、内気排出量を調節できるシャッター装置50が設置
されており、吸い込み口17は、天井42に設けられた
天井開口15の内側に、下方にスリット状の開口を有す
るカバー部材51を備えている。このカバー部材51の
内側には、カバー部材51のスリット状の開口と同形状
で、左右(図5中両矢印で示す)にスライド自在なスリ
ット部材52が設置されている。これらのカバー部材5
1およびスリット部材52の他に、図示しないスライド
用モーターや制御回路、センサー等を含んでシャッター
装置50は構成されている。このシャッター装置50
は、必要に応じてスリット部材52をスライドさせるこ
とで、吸い込み口17を全開から全閉までの間で所定の
開度にすることができ、吸い込む内気の量を調節するこ
とで内気排出配管14へ送られる内気の量を調節するも
のである。
【0034】全熱交換器19は、吸い込み口17から吸
い込まれて回収され、内気排出配管14を通じて屋外へ
排出される内気と、外気導入配管12から導入されて吹
き出し口16から廊下1Gへ供給される外気との間で熱
交換を行うものである。具体的には、熱伝導率が大きな
金属や樹脂等からなるストロー状の極細薄肉円筒管を多
数、配列した構造を有している。屋外に排出される内気
と住宅1内部に供給される外気とのいずれか一方をスト
ロー状の円筒管の内部を通過させ、他方をその円筒管の
周囲を通過させることにより、屋外に排出される内気お
よび住宅1内部に供給される外気のうち、温度が高い方
の熱が薄肉円筒管を介して温度が低い方に伝えられるこ
ととなり、熱交換が行われる。なお、全熱交換の方式
は、上述した構造に限定されることなく、熱交換機能を
有するものであれば、他の構造からなるものでもよい。
【0035】図6には、吹き出し口16の拡大断面図が
示されている。吹き出し口16は、グリル53を備え、
このグリル53は、外気供給配管13の部屋内側の先端
が接続される円筒状のグリル本体54を備えている。こ
のグリル本体54は、上端面側が塞がれ、下端側が開口
されて吹き出し口となっている。この吹き出し口は、図
には示されていないが、四方に空気が吹き出すように、
直径の異なる複数の環状整流羽根が同心位置に設けられ
たルーバー状となっている。
【0036】次に、図1〜図4を参照しながら、本実施
形態に係る換気ユニット10の動作について説明する。
なお、各図中、矢印は換気ユニット10運転時における
空気の流れる方向を示すものである。換気ユニット本体
11の2台の送風機を駆動させると、新鮮な外気は、外
気導入配管12を通じて換気ユニット本体11に導入さ
れた後、外気供給配管13を通じて吹き出し口16から
住宅1の内部に供給される。供給された外気は、吹き出
し口16が設けられた廊下1Gに連通される1階の各部
屋、および2階階段室2I、1階階段室1Hを介して廊
下1Gに連通される2階の各部屋に流れ込み、部屋の内
気と混合される。このうち一部の内気は、各部屋に設け
られた排気ファン18から通気路21に排出される。
【0037】一方、排気ファン18から排出されなかっ
た内気は、その一部が吸い込み口17を通じて換気ユニ
ット本体11に回収される。この際、シャッター装置5
0によって吸い込み口17の開度を大きくすれば、換気
ユニット本体11に回収される内気の量は増え、相対的
に各部屋の排気ファン18から排出される内気の量は少
なくなる。反対に、吸い込み口17の開度を小さくすれ
ば、換気ユニット本体11に回収される内気の量は少な
くなるので、相対的に各部屋の排気ファン18から排出
される内気の量は増える。換気ユニット本体11に回収
された内気は、換気ユニット本体11の全熱交換器によ
って、外気導入配管12を通じて導入された外気と熱交
換を行った後、通気路21に排出される。通気路21に
排出された内気は、通気路21内を上昇し、小屋裏空間
4に達し、滞留した後に排気口31から屋外へ排出され
る。
【0038】なお、本実施形態において、サイディング
板材25取り付け用下地としての胴縁26,27は、略
鉛直方向および略水平方向にそれぞれ延びる角材を交差
させることとしたが、略水平方向に延びる胴縁27を省
略し、略鉛直方向に延びる胴縁26のみでサイディング
板材25取り付け用下地を構成することが可能である。
この際、略鉛直方向に延びる胴縁26の間隔部分が通気
路21として利用可能である。反対に、略鉛直方向に延
びる胴縁26を省略し、略水平方向に延びる胴縁27の
みでサイディング板材25取り付け用下地を構成するこ
とも可能である。この際、略水平方向に延びる胴縁27
に所定の間隔で通気孔を設けることで、通気路21とし
て利用可能である。
【0039】したがって、本実施形態によれば、次のよ
うな効果が得られる。 (1)吹き出し口16から供給された新鮮な外気は、建
物内の各部屋に流れ込んだ後、吸い込み口17または排
気ファン18に吸い込まれて排出されるから、風量が少
なくとも、各部屋内の隅々までくまなく換気ができる。
また、排気ファン18によって各部屋の内気を個別に排
出できるから、各部屋から換気ユニット本体11までの
ダクトを省略でき、換気ユニット10の設置コストを低
減できる。
【0040】(2)内気排出配管14および各部屋の排
気ファン18から通気路に排出された内気は、通気路2
1を上昇して屋根3の頂部に設けられた排気口31から
屋外に排出される。よって、排気口31の位置と外気導
入配管12の開口位置とを十分離して設置でき、排気口
31から屋外に排出された内気が、外気導入配管12を
通じて再び建物内部に供給されることがないので、常に
新鮮な外気を導入し換気効率を向上することができる。
【0041】(3)内気排出配管14および各部屋の排
気ファン18は、直接外気に開口していないため、外壁
2に開口やそのカバーを設ける必要がなく、それらの設
置数を削減できるので、建物外観の意匠を良好にするこ
とができる。
【0042】(4)通気路21は、壁パネル24とサイ
ディング板材25との隙間に形成されており、通気路2
1として別途ダクト配管や煙突、排気筒等を設けなくと
も、屋根3に設けた排気口31に連通することができる
ので、通気路21の設置コストを低減できる。
【0043】(5)通気路21は、外壁空気層として断
熱機能も有し、屋内と屋外との温度差による熱伝達を抑
制するので、住宅1の断熱性を高め空調効率を向上でき
る。
【0044】(6)吹き出し口16を廊下1Gに設けた
ので、廊下1Gに空気を供給することにより、この空気
が廊下1Gに連通する各部屋に容易に流れ込んで換気で
きるから、換気ユニット10の運転効率を向上でき、快
適な居住空間を容易に実現できる。
【0045】(7)吸い込み口17を、浴室1E、すな
わち、湯気の発生や居住者の呼気等により湿度が高い場
所に設けたので、吸い込み口17から回収される空気量
を調節することにより高湿度な空間を容易に換気して、
快適な居住空間を実現できる。
【0046】(8)換気ユニット本体11を1階の天井
裏41に収納したので、換気ユニット本体11が天井裏
41に隠蔽され、部屋内から見えないため、部屋の内観
を良好にできる。また、内気回収路である天井開口15
を換気ユニット本体11からその直下の天井42を貫通
して設けたので、内気回収路をダクト等で形成した場合
に比べ、内気回収路の長さを短くできるから、換気ユニ
ット10の設置コストをさらに低減できる。
【0047】(9)住宅1から排出された内気は、通気
路21を通り、小屋裏空間4に一旦滞留した後、屋根3
に設けた排気口31から屋外に排出される。よって、住
宅1の各部屋の換気を行うと同時に、小屋裏空間4を換
気でき、小屋裏空間4の湿気等を排出することで、快適
な居住性と住宅1の耐久性を向上できる。
【0048】(10)サイディング板材25を胴縁26,
27を介して壁パネル24に取り付ける方法は、施工手
順や使用する材料等が一般的であるため、外壁2を低コ
スト、かつ、短工期で施工できる。また、略鉛直方向に
延びる胴縁26と略水平方向に延びる胴縁27とを交差
させて、鉛直および水平の両方向ともに連続した空間を
形成し、この空間を通気路21としたことで、簡単に通
気路21を備えた外壁2を構築できる。
【0049】(11)略鉛直方向に延びる胴縁26と略水
平方向に延びる胴縁27とを交差させて、鉛直および水
平の両方向ともに連続した空間を通気路21としたこと
で、通気路21の容積を大きくでき、大量の内気が排出
された場合でも、排出された内気は即座に通気路21内
に拡散し、通気路21内の気圧上昇を抑えられるので、
排気を行う送風機に掛かる負荷を低減し、排気効率の低
下を防止できる。
【0050】(12) 内気排出量を調節できるシャッター
装置50により、内気排出配管14からの排出量を増や
せば、吸い込み口17が設けられた浴室1Eの換気量を
増加させることができるため、必要に応じて換気量を調
節することで、効率の良い換気ができる。従って、空調
された部屋からの内気排出量を抑えたり、湿度の高い部
屋の内気排出量を増やすという調整を行うことで、熱エ
ネルギーのロスを抑制し空調負荷を低減することができ
る。
【0051】(13)吸い込み口17から換気ユニット本
体11に回収された住宅1の内気と、外気導入配管12
を通じて導入された外気との間で熱交換を行うことによ
り、適切な温度に調節された空気を建物内に供給できる
から、快適な居住空間を実現できる。
【0052】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、本
実施形態では、建物を2階建の住宅1としたが、これに
限らず、3階以上の階数を有するものでもよく、また、
住宅に限らず、事務所用や店舗用に建築された建物等で
もよい。また、本実施形態では、換気ユニット10を住
宅1の1階天井裏に設けたが、これに限らず、2階天井
裏に設けてもよく、また、各階の天井裏に設けてもよ
い。
【0053】また、本実施形態では、外壁2の略全面に
通気路21を設けることとしたが、これに限らず、内気
排出配管14の開口および排気ファン18の開口に対応
する部分に限って、外壁2の内部に通気路21を設けて
もよい。また、本実施形態では、内気排出配管14の開
口を通気路21に連通して設けたが、外壁2の仕上材2
3であるサイディング板材25を貫通して、外壁2の外
側面に開口させてもよい。同様に、各部屋に設けた排気
ファン18の全部または一部が、外壁2を貫通して、建
物外部に臨んで開口してもよい。
【0054】また、本実施形態では、換気ユニット本体
11内に2台の送風機を設けたが、これに限らず、1台
の送風機を設けてもよく、また、3台以上の送風機を設
けてもよく、換気ユニット本体11の具体的な構成は、
実施にあたり適宜選択することができる。
【0055】また、本実施形態では、吹き出し口16を
廊下1Gに設けたが、これに限らず、1階階段室1Hや
リビング・ダイニングルーム1A等に設けてもよい。さ
らに、本実施形態では、吸い込み口17を浴室1Eに設
けたが、これに限らず、トイレ1F、洗面所1D、キッ
チン1B、リビング・ダイニングルーム1A等に設けて
もよい。
【0056】また、本実施形態では、内気を屋根3に設
けた排気口31から排出する前に、一旦、小屋裏空間4
に滞留させることとしたが、通気路21と排気口31と
を配管等で連結し、小屋裏空間4に滞留させることなく
排出してもよく、また、排気口31および壁2内部の通
気路21に連通する通気路を屋根3の内部に設け、この
通気路を通じて排出してもよい。さらに、本実施形態で
は、排気口31を屋根3の頂部に設けたが、必ずしも頂
部に設ける必要はなく、屋根傾斜面の中間部分や軒裏部
分に設けてもよい。また、屋根を寄棟形式または切妻形
式としたが、これに限らず、片流れ形式や陸屋根形式と
してもよい。
【0057】また、本実施形態では、外壁2の構造体2
2を壁パネル24としたが、コンクリート製や軽量発泡
コンクリート板から構成してもよく、複数の材料を併用
したものであってもよい。さらに、本実施形態では、外
壁2の仕上材23をセメント材料等から成形されたサイ
ディング板材25としたが、金属材料や木質材料から成
形してもよいし、表面にタイルや石材が貼られたボード
等を使用してもよく、複数の材料を併用したものであっ
てもよい。
【0058】また、本実施形態では、換気ユニット本体
11にシャッター装置50を設置することで内気排出量
を調節できるようにしたが、これに限らず、内気回収口
17から回収された内気の一部を外気供給口16から再
び屋内へ環流させる分岐路等を備え、この内気の環流量
を分岐弁等を制御して調節できる環流装置や、内気排出
配管14等に配管の内径を変化させることで、配管を通
過する内気の流動抵抗を変動させ、内気排出量を調節で
きる抵抗装置等を設置してもよい。このような装置を設
置することで、熱エネルギーのロスを抑制し空調負荷を
低減することができる。
【0059】また、換気ユニット10および排気ファン
18の運転は、それぞれ手動で調節するものであっても
よいし、自動で調節する自動制御機能を備えたものであ
ってもよい。さらに、換気ユニット10は、換気機能の
みならず、冷房機能や暖房機能、空気調整機能、消臭・
脱臭機能、香り空調機能、防塵・防花粉機能等を併せ持
ったものであってもよい。
【0060】
【発明の効果】本発明の換気構造によれば、次のような
効果が得られる。請求項1に記載の換気構造によれば、
排気口の位置を外気導入路の開口から十分離して設置す
ることができるので、排気口から屋外に排出された内気
が、外気導入路を通じて再び建物内部に供給されるとい
う不具合が生じず、常に新鮮な外気を導入し換気効率を
向上することができる。また、内気排出路は通気路を通
じて排気口と連通しており、直接外気に開口していない
ため、外壁等に設けられる開口やそのカバーの数を削減
し、建物外観の意匠を良好にすることができる。
【0061】請求項2に記載の換気構造によれば、内気
排出路から排出される内気は、外側壁体と内側壁体との
隙間である通気路に吹き出され、通気路を上昇した後、
この通気路と連通した排気口から屋外に排出される。よ
って、通気路としてのダクト配管や煙突、排気筒等を設
けなくとも、屋根に設けた排気口に連通する通気路を形
成することができるので、通気路の設置コストを低減で
きる。また、通気路は、外壁空気層として断熱機能も有
し、屋内と屋外との温度差による熱伝達を抑制するの
で、建物の断熱性を高め空調効率を向上できる。
【0062】請求項3に記載の換気構造によれば、外気
導入路を通じて換気ユニット本体に導入された外気は、
単一の外気供給路を通じて建物内部に供給され、供給さ
れた外気は、外気供給口と連通した建物内の各部屋に流
れ込み、各部屋の内気と混合される。各部屋の内気は、
その一部が個別排出路から排出され、個別排出路から排
出されなかった残りの内気は、単一の内気回収路を通じ
て換気ユニット本体に回収され、内気排出路を通じて排
出される。よって、各部屋まで複数の経路でダクト配管
を設置した場合と比較して、ダクト配管を省略できるた
め、換気ユニットの設置コストを低減できるとともに、
建物内部の隅々までくまなく換気できる。また、個別排
出路は通気路を通じて排気口と連通しており、直接外気
に開口していないため、外壁等に設けられる開口やその
カバーの数を削減し、建物外観の意匠を良好にすること
ができる。
【0063】請求項4に記載の換気構造によれば、通気
路を形成する内側壁体および外側壁体を、通常、外壁の
躯体および外装に用いられる構造体および仕上材で構成
したので、別部材を用いて内側壁体、外側壁体および通
気路を形成する必要がなく、部材数を増加させず低コス
トで通気路を備えた外壁を構築できる。
【0064】請求項5に記載の換気構造によれば、仕上
材を構造体に取り付ける際に胴縁を介する方法は、通常
行われている施工方法であり、施工手順や使用する材料
等が一般的であるため、低コスト、かつ、短工期で施工
できるとともに、胴縁の間隔部分には、胴縁に沿って略
鉛直方向に延びる空間が形成されるため、この空間を通
気路として利用することで、簡単に通気路を備えた外壁
を構築できる。
【0065】請求項6に記載の換気構造によれば、前述
の請求項5に記載の発明と同様に、低コスト、かつ、短
工期で施工できるとともに、略水平方向に延びる胴縁に
通気孔を設けたことで、胴縁を上下に貫通して延びる通
気路が形成されるので、簡単に通気路を備えた外壁を構
築できる。
【0066】請求項7に記載の換気構造によれば、前述
の請求項5に記載の発明と同様に、低コスト、かつ、短
工期で施工できるとともに、略鉛直方向に延びる胴縁と
略水平方向に延びる胴縁とを交差させたことで、鉛直お
よび水平の両方向ともに連続した空間が形成され、この
空間を通気路として利用することで、簡単に通気路を備
えた外壁を構築できる。また、通気路の容積が大きくな
ることで大量の内気が排出された場合でも、排出された
内気は即座に通気路内に拡散し、通気路内の気圧上昇を
抑えられるので、排気を行う送風機に掛かる負荷を低減
し、排気効率の低下を防止できる。
【0067】請求項8に記載の換気構造によれば、外壁
の通気路に排出され通気路内を上昇した内気は、小屋裏
空間に達し、一旦、小屋裏空間に滞留した後、屋根に設
けられた排気口から屋外に排出されので、建物の各部屋
の換気を行うと同時に、小屋裏空間を換気でき、小屋裏
空間の湿気等を排出することで、快適な居住性と建物の
耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る換気構造が適用され
た建物を示す断面図である。
【図2】前記実施形態に係る建物の1階部分の平面図で
ある。
【図3】前記実施形態に係る建物の2階部分の平面図で
ある。
【図4】前記実施形態に係る建物の要部を示す断面図で
ある。
【図5】前記実施形態に係る換気ユニット本体の断面図
である。
【図6】前記実施形態に係る吹き出し口の断面図であ
る。
【図7】従来例に係るセントラル換気方式が適用された
建物を示す概略模式図である。
【符号の説明】
1 住宅(建物) 2 外壁 3 屋根 4 小屋裏空間 10 換気ユニット 11 換気ユニット本体 12 外気導入配管(外気導入路) 13 外気供給配管(外気供給路) 14 内気排出配管(内気排出路) 15 天井開口(内気回収路) 16 吹き出し口(外気供給口) 17 吸い込み口(内気回収口) 18 排気ファン(個別排出路) 21 通気路 22 構造体(内側壁体) 23 仕上材(外側壁体) 26,27 胴縁 31 排気口
フロントページの続き (72)発明者 坂井 則和 東京都杉並区高井戸東2丁目4番5号 ミ サワホーム株式会社内 (72)発明者 飯島 雅人 東京都杉並区高井戸東2丁目4番5号 ミ サワホーム株式会社内 (72)発明者 梅田 博之 東京都杉並区高井戸東2丁目4番5号 ミ サワホーム株式会社内 (72)発明者 奥山 明 東京都杉並区高井戸東2丁目4番5号 ミ サワホーム株式会社内 (72)発明者 徳成 廣久 東京都杉並区高井戸東2丁目4番5号 ミ サワホーム株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DB02 FA03 FA15 FA17 FA24 NA02 NA07 NC01 ND05 ND06 ND08 ND16 ND17 ND26 3L058 BA01 BB01 BB04 BC05 3L080 AC03 AD04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物内に設けられた換気ユニットで複数
    の部屋の換気を行う換気構造であって、 前記換気ユニットは、換気ユニット本体と、屋外の空気
    を前記換気ユニット本体に導入する外気導入路と、屋内
    の空気を前記換気ユニット本体から排出する内気排出路
    とを有し、 前記建物の屋根には、外気に臨んで開口した排気口が設
    けられており、 前記建物の外壁の少なくとも一部は、内部に前記排気口
    に連通する通気路を備え、 前記内気排出路は、前記通気路に連通されていることを
    特徴とする換気構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の換気構造において、 前記通気路を備えた外壁は、外気に面した外側壁体と、
    この外側壁体と対向して屋内側に設けられた内側壁体と
    を備え、 前記通気路は、前記外側壁体と前記内側壁体との間に設
    けられた隙間に形成されていることを特徴とする換気構
    造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の換気構造にお
    いて、 前記換気ユニットは、前記換気ユニット本体に導入され
    た外気を前記建物内部に供給する単一の外気供給路と、
    この外気供給路に連結され前記建物内の所定の空間に開
    口した外気供給口と、この外気供給口から離れた位置に
    設置された内気回収口と、この内気回収口に単一の経路
    で連結され内気を前記換気ユニット本体に回収する内気
    回収路とを備え、 前記複数の部屋は、それぞれ前記外気供給口が位置する
    空間に連通可能とされ、かつ、前記複数の部屋のうち少
    なくとも1つには、当該部屋の内気を排出する個別排出
    路が設けられ、 この個別排出路は、前記通気路に連通されていることを
    特徴とする換気構造。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の換気構造にお
    いて、 前記内側壁体は、前記外壁の躯体を構成する構造体であ
    り、前記外側壁体は、前記外壁の外装を構成する仕上材
    であることを特徴とする換気構造。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の換気構造において、 前記仕上材は、略鉛直方向に延びる胴縁を介して前記構
    造体に取り付けられていることを特徴とする換気構造。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の換気構造において、 前記仕上材は、略水平方向に延びる胴縁を介して前記構
    造体に取り付けられ、前記略水平方向に延びる胴縁に
    は、所定の間隔で通気孔が設けられていることを特徴と
    する換気構造。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の換気構造において、 前記仕上材は、略鉛直方向および略水平方向に延び互い
    に交差した胴縁を介して前記構造体に取り付けられてい
    ることを特徴とする換気構造。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の換気
    構造において、 前記通気路は、前記建物の小屋裏空間を介して前記排気
    口に連通されていることを特徴とする換気構造。
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JP2016188533A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 大和ハウス工業株式会社 建築物の外壁の湿気排出構造

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JP2011058790A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Hideki Ohira 放出熱回収住宅換気システム
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