JP2003254515A - 廃棄物焼却炉の解体処理方法 - Google Patents
廃棄物焼却炉の解体処理方法Info
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- JP2003254515A JP2003254515A JP2002057822A JP2002057822A JP2003254515A JP 2003254515 A JP2003254515 A JP 2003254515A JP 2002057822 A JP2002057822 A JP 2002057822A JP 2002057822 A JP2002057822 A JP 2002057822A JP 2003254515 A JP2003254515 A JP 2003254515A
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- chimney
- incinerator
- wall surface
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- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 小規模の焼却設備において、現地で仮設の焼
却炉解体設備を設置することが、法規制の強化によって
多大な費用を要し、さらに工期の長期化、作業面積の拡
大および近隣対策などで難しくなってきた。 【解決手段】 廃棄物焼却炉1を、最初に移動させる煙
突3とその後に移動させる炉本体等2とに現地にて区分
し、炉本体等2に露出する境界部開口15をバルーン35で
シールした後、煙突3の内壁面に吹付ノズル5から噴出
する固定化剤を付着させて内壁面に存在するダイオキシ
ン類等の有害付着物を固定化し、煙突3を炉本体等2か
ら切り離し、煙突3および炉本体等2を移動させて搬送
車に積載し、現地から法令に従う管理区域に認定された
専用の焼却炉解体処理工場に搬送すして解体処理するの
で設備費や作業費の節減および工期の短縮と作業面積の
問題解決が達成される。
却炉解体設備を設置することが、法規制の強化によって
多大な費用を要し、さらに工期の長期化、作業面積の拡
大および近隣対策などで難しくなってきた。 【解決手段】 廃棄物焼却炉1を、最初に移動させる煙
突3とその後に移動させる炉本体等2とに現地にて区分
し、炉本体等2に露出する境界部開口15をバルーン35で
シールした後、煙突3の内壁面に吹付ノズル5から噴出
する固定化剤を付着させて内壁面に存在するダイオキシ
ン類等の有害付着物を固定化し、煙突3を炉本体等2か
ら切り離し、煙突3および炉本体等2を移動させて搬送
車に積載し、現地から法令に従う管理区域に認定された
専用の焼却炉解体処理工場に搬送すして解体処理するの
で設備費や作業費の節減および工期の短縮と作業面積の
問題解決が達成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイオキシン類等
の有害付着物が内壁面に付着している廃棄物焼却炉を解
体処理する方法に関するものである。
の有害付着物が内壁面に付着している廃棄物焼却炉を解
体処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般廃棄物(ゴミ)および産業廃棄物の
焼却炉で発生した排ガスには、有害物であるダイオキシ
ン類、亜鉛、鉛などの重金属類を含有する塵埃が存在し
ている。平成12年1月15日に「ダイオキシン類対策特別
措置法」が施行され、焼却能力50kg/hr以上もしくは火
床面積0.5m2 以上の焼却炉が規制の対象となった。この
ため、焼却炉から排出されるダイオキシン類の排出量に
ついて厳しい規制が敷かれ、焼却炉の煙突から排出され
るダイオキシン類の濃度は規制値以下に抑制されてい
る。
焼却炉で発生した排ガスには、有害物であるダイオキシ
ン類、亜鉛、鉛などの重金属類を含有する塵埃が存在し
ている。平成12年1月15日に「ダイオキシン類対策特別
措置法」が施行され、焼却能力50kg/hr以上もしくは火
床面積0.5m2 以上の焼却炉が規制の対象となった。この
ため、焼却炉から排出されるダイオキシン類の排出量に
ついて厳しい規制が敷かれ、焼却炉の煙突から排出され
るダイオキシン類の濃度は規制値以下に抑制されてい
る。
【0003】ところで、焼却炉および煙突の内壁には、
長期間に及ぶ操業により排ガス中の塵埃が付着、堆積し
ており、付着、堆積した塵埃に含まれるダイオキシン類
などの有害物の量も多い。このダイオキシン類は、廃棄
物焼却炉の存続を危ぶむほどの大きな社会問題となって
いる。全国には多数の焼却炉が存在するが、耐用年数を
経過した焼却炉は解体されるが、これに加えて法規制の
強化により解体を余儀なくされる焼却炉が急増すると言
われている。法規制が強化(平成14年12月1日から施
行) されると規制値に適合しない焼却炉が多数発生し、
規制値に適合しない焼却炉は、解体するか、改造するこ
とを迫られてくる。
長期間に及ぶ操業により排ガス中の塵埃が付着、堆積し
ており、付着、堆積した塵埃に含まれるダイオキシン類
などの有害物の量も多い。このダイオキシン類は、廃棄
物焼却炉の存続を危ぶむほどの大きな社会問題となって
いる。全国には多数の焼却炉が存在するが、耐用年数を
経過した焼却炉は解体されるが、これに加えて法規制の
強化により解体を余儀なくされる焼却炉が急増すると言
われている。法規制が強化(平成14年12月1日から施
行) されると規制値に適合しない焼却炉が多数発生し、
規制値に適合しない焼却炉は、解体するか、改造するこ
とを迫られてくる。
【0004】焼却炉の解体工事を行う際に、事業者は解
体作業によって生じる排気、排水および解体廃棄物によ
る周辺環境への影響を防止するための措置を講ずること
を要請され、焼却炉や煙突の内壁に付着したダイオキシ
ン類の周囲への飛散、漏洩による環境汚染対策を講じる
ことになる。従来、法規制に対応するため焼却能力 200
kg/hr未満もしくは火床面積2.0m2未満の小型焼却炉を
含む小規模焼却設備に対する解体作業は、小規模焼却設
備が設置されている現地で行っていた。図6に示すよう
に、小規模焼却設備1は、主として下部炉体を形成する
炉本体2と上部炉体を形成する煙突3とからなってい
る。小規模焼却設備の形式によっては、焼却炉が2体
(一次燃焼炉、二次燃焼炉等)あったり、焼却炉以外に
サイクロン等の集塵装置や排気ガスの冷却装置その他の
設備が付設されている場合もあるが、これらを総称して
下部炉体等ということにする。また、小規模焼却設備を
単に焼却炉1ということにする。焼却炉1を解体する場
合には、現地にて作業用足場材A、Bを用いて炉本体2
および煙突3を含む焼却炉1を囲むように組み立て、さ
らに作業用足場材A、Bの廻りにシ−トCを被せて解体
作業区域内を密閉化する。
体作業によって生じる排気、排水および解体廃棄物によ
る周辺環境への影響を防止するための措置を講ずること
を要請され、焼却炉や煙突の内壁に付着したダイオキシ
ン類の周囲への飛散、漏洩による環境汚染対策を講じる
ことになる。従来、法規制に対応するため焼却能力 200
kg/hr未満もしくは火床面積2.0m2未満の小型焼却炉を
含む小規模焼却設備に対する解体作業は、小規模焼却設
備が設置されている現地で行っていた。図6に示すよう
に、小規模焼却設備1は、主として下部炉体を形成する
炉本体2と上部炉体を形成する煙突3とからなってい
る。小規模焼却設備の形式によっては、焼却炉が2体
(一次燃焼炉、二次燃焼炉等)あったり、焼却炉以外に
サイクロン等の集塵装置や排気ガスの冷却装置その他の
設備が付設されている場合もあるが、これらを総称して
下部炉体等ということにする。また、小規模焼却設備を
単に焼却炉1ということにする。焼却炉1を解体する場
合には、現地にて作業用足場材A、Bを用いて炉本体2
および煙突3を含む焼却炉1を囲むように組み立て、さ
らに作業用足場材A、Bの廻りにシ−トCを被せて解体
作業区域内を密閉化する。
【0005】作業者が出入する出入口の側には、外側か
ら休憩室19、更衣室20、温水シャワー室21およびエアー
シャワー室22が順次に通路で連通されている。各室は連
絡されているとともに通路ごとにドアーで遮断されてい
る。また出入り口の反対側の屋外には換気ファン24およ
びフィルター装置25が排気管23を介して連絡されてい
る。さらに、高圧洗浄装置29および呼吸用空気供給装置
27が設置されている。高圧洗浄装置29は高圧ホース30を
介して洗浄ノズル28に接続され、呼吸用空気供給装置27
は呼吸用ホース26を介して作業者が装着するエアライン
マスクに接続されている。解体作業区域内で発生する排
水は、集水槽31を介して沈殿槽32に導かれる。解体作業
区域内には、焼却炉1を解体するため、掴持、打撃、引
張りあるいは押圧機能を有する万能解体機33が待機して
いる。
ら休憩室19、更衣室20、温水シャワー室21およびエアー
シャワー室22が順次に通路で連通されている。各室は連
絡されているとともに通路ごとにドアーで遮断されてい
る。また出入り口の反対側の屋外には換気ファン24およ
びフィルター装置25が排気管23を介して連絡されてい
る。さらに、高圧洗浄装置29および呼吸用空気供給装置
27が設置されている。高圧洗浄装置29は高圧ホース30を
介して洗浄ノズル28に接続され、呼吸用空気供給装置27
は呼吸用ホース26を介して作業者が装着するエアライン
マスクに接続されている。解体作業区域内で発生する排
水は、集水槽31を介して沈殿槽32に導かれる。解体作業
区域内には、焼却炉1を解体するため、掴持、打撃、引
張りあるいは押圧機能を有する万能解体機33が待機して
いる。
【0006】焼却炉1を解体するに際して、作業者は規
定の密閉形保護服を着るとともに、化学防護手袋、化学
防護長靴および防護帽を着用するなどして肌を露出させ
ないように完全防備した状態で休憩室19、更衣室20、温
水シャワー室21およびエアーシャワー室22を通って解体
作業区域内に入室する。作業者はエアラインマスクを呼
吸用ホース26に接続して呼吸用空気供給装置27から供給
される清浄な空気で呼吸する。そして洗浄ノズル28を炉
本体2や煙突3の内壁面に向け、高圧洗浄装置29から高
圧ホース30を介して洗浄ノズル28に供給される超高圧水
を噴射してダイオキシン類などの有害物を含む粉塵付着
物を洗浄により十分に除去する。
定の密閉形保護服を着るとともに、化学防護手袋、化学
防護長靴および防護帽を着用するなどして肌を露出させ
ないように完全防備した状態で休憩室19、更衣室20、温
水シャワー室21およびエアーシャワー室22を通って解体
作業区域内に入室する。作業者はエアラインマスクを呼
吸用ホース26に接続して呼吸用空気供給装置27から供給
される清浄な空気で呼吸する。そして洗浄ノズル28を炉
本体2や煙突3の内壁面に向け、高圧洗浄装置29から高
圧ホース30を介して洗浄ノズル28に供給される超高圧水
を噴射してダイオキシン類などの有害物を含む粉塵付着
物を洗浄により十分に除去する。
【0007】炉本体2や煙突3の内壁面から洗い流され
た粉塵付着物を含むダイオキシン類に汚染された排水
は、解体作業区域から集水槽31に集められた後、沈殿槽
32で排水の養生などの処理が行われ、排出水の基準を満
たした状態で外部に排水される。なお、解体作業区域内
の換気空気は排気管23を介して換気ファン24に導かれ、
フィルター装置25でダイオキシン類などの有害物を含む
粉塵およびガスを除去した後、大気中に放出され、解体
作業区域内の作業雰囲気を基準値に満たすようにする。
た粉塵付着物を含むダイオキシン類に汚染された排水
は、解体作業区域から集水槽31に集められた後、沈殿槽
32で排水の養生などの処理が行われ、排出水の基準を満
たした状態で外部に排水される。なお、解体作業区域内
の換気空気は排気管23を介して換気ファン24に導かれ、
フィルター装置25でダイオキシン類などの有害物を含む
粉塵およびガスを除去した後、大気中に放出され、解体
作業区域内の作業雰囲気を基準値に満たすようにする。
【0008】炉本体2や煙突3の内壁面に付着した汚染
付着物の洗浄による除去が終わったら、万能解体機33を
用いて炉本体2および煙突3の解体作業を行う。通常
は、背の高い煙突3から解体を開始し、順次、背の低い
炉本体2の解体を行う。解体廃棄物は、廃棄物処理法に
基づき、廃棄物の種類に応じて分別して排出し、処分さ
れる。
付着物の洗浄による除去が終わったら、万能解体機33を
用いて炉本体2および煙突3の解体作業を行う。通常
は、背の高い煙突3から解体を開始し、順次、背の低い
炉本体2の解体を行う。解体廃棄物は、廃棄物処理法に
基づき、廃棄物の種類に応じて分別して排出し、処分さ
れる。
【0009】焼却炉1に対する一連の解体作業が終了し
たら、作業者は解体作業区域の出入口から通路を通って
エアーシャワー室22に入り、ここで作業中に着衣に付着
した粉塵などを吹き飛ばし、続いて温水シャワー室21で
脱衣して体を洗い、その後に更衣室20で服を着た後、適
宜に休憩室19で休憩して退出することになる。
たら、作業者は解体作業区域の出入口から通路を通って
エアーシャワー室22に入り、ここで作業中に着衣に付着
した粉塵などを吹き飛ばし、続いて温水シャワー室21で
脱衣して体を洗い、その後に更衣室20で服を着た後、適
宜に休憩室19で休憩して退出することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】焼却炉1の解体を現地
で行うためには、その度に作業用足場材A、Bを用いて
炉本体2および煙突3を含む焼却炉1を囲むように組み
立て、その周囲にシ−トCを被せて仮設の解体作業区域
を設ける必要がある。作業者が外部にダイオキシン類を
持ち出すのを防止するとともに健康を維持するために出
入口に休憩室19、更衣室20、温水シャワー室21およびエ
アーシャワー室22などを整備することが要請される。
で行うためには、その度に作業用足場材A、Bを用いて
炉本体2および煙突3を含む焼却炉1を囲むように組み
立て、その周囲にシ−トCを被せて仮設の解体作業区域
を設ける必要がある。作業者が外部にダイオキシン類を
持ち出すのを防止するとともに健康を維持するために出
入口に休憩室19、更衣室20、温水シャワー室21およびエ
アーシャワー室22などを整備することが要請される。
【0011】また、解体作業区域をクリーンに保つため
屋外に換気ファン24およびフィルター装置25を設置し、
さらに、煙突や炉本体を洗浄するための高圧洗浄装置29
並びに作業者に新鮮な空気を供給する呼吸用空気供給装
置27などの付帯設備を設置する必要があり、多大な費用
と長い工期を要するという問題点があった。焼却炉1の
付近が狭くて作業用足場材A、Bを用いて解体作業区域
や附帯設備を設置する余裕がない場合には、焼却炉にで
きるだけ近くて広い場所に一旦、焼却炉を移動させる費
用が必要となり、さらに費用が嵩むばかりでなく、汚染
物を拡散させる危険性が増える。また、現地での解体分
解は近隣への騒音、振動対策が必要となり、粉塵飛散や
汚染水の漏洩が生じない構造にしなければならず、現地
での解体作業は工期が長くなりコストアップは避けられ
ない。
屋外に換気ファン24およびフィルター装置25を設置し、
さらに、煙突や炉本体を洗浄するための高圧洗浄装置29
並びに作業者に新鮮な空気を供給する呼吸用空気供給装
置27などの付帯設備を設置する必要があり、多大な費用
と長い工期を要するという問題点があった。焼却炉1の
付近が狭くて作業用足場材A、Bを用いて解体作業区域
や附帯設備を設置する余裕がない場合には、焼却炉にで
きるだけ近くて広い場所に一旦、焼却炉を移動させる費
用が必要となり、さらに費用が嵩むばかりでなく、汚染
物を拡散させる危険性が増える。また、現地での解体分
解は近隣への騒音、振動対策が必要となり、粉塵飛散や
汚染水の漏洩が生じない構造にしなければならず、現地
での解体作業は工期が長くなりコストアップは避けられ
ない。
【0012】このように、規制強化により解体すべき焼
却炉には莫大な費用と長い工期を要し、現地での解体は
現実的に実施困難となる。前記した問題点を解決するた
めには、小規模の焼却炉の解体を「現地」で行うのでは
なく、それらの作業を特定場所に建設した焼却炉解体専
用工場にて処理することが現実的な解決策として考えら
れる。専用工場を建設する場合、解体する焼却炉から解
体専用工場までの距離が遠くなるので、焼却炉を運搬用
トラックなどの荷台に載せて解体専用工場まで運搬する
必要がある。
却炉には莫大な費用と長い工期を要し、現地での解体は
現実的に実施困難となる。前記した問題点を解決するた
めには、小規模の焼却炉の解体を「現地」で行うのでは
なく、それらの作業を特定場所に建設した焼却炉解体専
用工場にて処理することが現実的な解決策として考えら
れる。専用工場を建設する場合、解体する焼却炉から解
体専用工場までの距離が遠くなるので、焼却炉を運搬用
トラックなどの荷台に載せて解体専用工場まで運搬する
必要がある。
【0013】このとき焼却炉を運搬用トラックなどの荷
台に載せて運搬し、専用工場内に持ち込むまでの過程
で、焼却炉からダイオキシン類を含む付着物が漏れだし
て拡散するのを防止しなければならない。焼却炉が超小
型で煙突を含む炉体を横倒しにするだけでそのまま運搬
用トラックなどの荷台に載せることが可能な場合は、煙
突の上端開口を蓋等で塞ぐことにより、焼却炉は簡単に
密閉化できるので、全体をシート等で包むことによりダ
イオキシン類を含む付着物を外部に漏洩させることなく
搬送できる。
台に載せて運搬し、専用工場内に持ち込むまでの過程
で、焼却炉からダイオキシン類を含む付着物が漏れだし
て拡散するのを防止しなければならない。焼却炉が超小
型で煙突を含む炉体を横倒しにするだけでそのまま運搬
用トラックなどの荷台に載せることが可能な場合は、煙
突の上端開口を蓋等で塞ぐことにより、焼却炉は簡単に
密閉化できるので、全体をシート等で包むことによりダ
イオキシン類を含む付着物を外部に漏洩させることなく
搬送できる。
【0014】しかしながら、小型の焼却炉でも煙突を含
む炉体を横倒しにするだけでは、煙突が長過ぎて運搬用
トラックなどの荷台に載せることができない場合があ
る。この場合は、煙突を炉本体から分解した状態とし
て、煙突と炉本体を運搬用トラックに載せる必要があ
る。焼却炉の煙突を炉本体から分解したり、運搬用トラ
ックに載せる際にも、煙突や炉本体の内壁面に付着した
ダイオキシン類を含む付着物が脱落して外部に漏洩する
ことは許されない。
む炉体を横倒しにするだけでは、煙突が長過ぎて運搬用
トラックなどの荷台に載せることができない場合があ
る。この場合は、煙突を炉本体から分解した状態とし
て、煙突と炉本体を運搬用トラックに載せる必要があ
る。焼却炉の煙突を炉本体から分解したり、運搬用トラ
ックに載せる際にも、煙突や炉本体の内壁面に付着した
ダイオキシン類を含む付着物が脱落して外部に漏洩する
ことは許されない。
【0015】本発明は煙突と炉本体とに分解すれば運搬
用トラックなどの荷台に載せることができる小規模焼却
炉を対象にしてこれを分解するものである。このような
焼却炉を煙突と炉本体に分解する過程、煙突と炉本体を
運搬用トラックなどの荷台に載せて搬送し焼却炉の解体
専用工場に搬入するまでの過程において、ダイオキシン
類を含む有害付着物が外部に漏洩するのを防止すること
ができる廃棄物焼却炉の解体処理方法を提供することを
目的とするものである。
用トラックなどの荷台に載せることができる小規模焼却
炉を対象にしてこれを分解するものである。このような
焼却炉を煙突と炉本体に分解する過程、煙突と炉本体を
運搬用トラックなどの荷台に載せて搬送し焼却炉の解体
専用工場に搬入するまでの過程において、ダイオキシン
類を含む有害付着物が外部に漏洩するのを防止すること
ができる廃棄物焼却炉の解体処理方法を提供することを
目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1記載の本発明は、ダイオキシン類等の有害付
着物が内壁面に付着している廃棄物焼却炉炉体等を解体
処理する方法において、前記廃棄物焼却炉炉体等を最初
に移動させる上部炉体とその後に移動させる下部炉体等
とに現地にて区分し、前記下部炉体等の露出する開口部
をシール材にてシールする工程と、前記廃棄物焼却炉炉
体等のうち、少なくとも前記上部炉体の内壁面に固定化
剤を付着させてダイオキシン類等の有害付着物を固定化
する工程と、前記上部炉体を前記下部炉体等から切り離
して移動させる工程と、前記上部炉体および前記下部炉
体等を移動させて搬送車に積載し、該搬送車により現地
から法令に従う管理区域に認定された焼却炉解体処理工
場に搬送する工程と、前記焼却炉解体処理工場内で前記
上部炉体および前記下部炉体等の内壁面をそれぞれダイ
オキシン類などの有害付着物を除去した状態で、前記上
部炉体および下部炉体等を解体処理する工程と、を有す
ることを特徴とする廃棄物焼却炉の解体処理方法であ
る。
の請求項1記載の本発明は、ダイオキシン類等の有害付
着物が内壁面に付着している廃棄物焼却炉炉体等を解体
処理する方法において、前記廃棄物焼却炉炉体等を最初
に移動させる上部炉体とその後に移動させる下部炉体等
とに現地にて区分し、前記下部炉体等の露出する開口部
をシール材にてシールする工程と、前記廃棄物焼却炉炉
体等のうち、少なくとも前記上部炉体の内壁面に固定化
剤を付着させてダイオキシン類等の有害付着物を固定化
する工程と、前記上部炉体を前記下部炉体等から切り離
して移動させる工程と、前記上部炉体および前記下部炉
体等を移動させて搬送車に積載し、該搬送車により現地
から法令に従う管理区域に認定された焼却炉解体処理工
場に搬送する工程と、前記焼却炉解体処理工場内で前記
上部炉体および前記下部炉体等の内壁面をそれぞれダイ
オキシン類などの有害付着物を除去した状態で、前記上
部炉体および下部炉体等を解体処理する工程と、を有す
ることを特徴とする廃棄物焼却炉の解体処理方法であ
る。
【0017】請求項2記載の本発明は、前記下部炉体等
の露出する開口部をシール材にてシールする工程が、前
記上部炉体と下部炉体等との境界部開口に拡縮自在な閉
鎖弁を縮小状態として前記上部炉体の内壁面内を通して
上方より降下させて位置させ、該閉鎖弁を拡張状態とし
て前記境界部開口を閉鎖するものであることを特徴とす
る請求項1記載の廃棄物焼却炉の解体処理方法である。
の露出する開口部をシール材にてシールする工程が、前
記上部炉体と下部炉体等との境界部開口に拡縮自在な閉
鎖弁を縮小状態として前記上部炉体の内壁面内を通して
上方より降下させて位置させ、該閉鎖弁を拡張状態とし
て前記境界部開口を閉鎖するものであることを特徴とす
る請求項1記載の廃棄物焼却炉の解体処理方法である。
【0018】請求項3記載の本発明は、前記閉鎖弁が、
気体の供給および排出により膨張および収縮するバルー
ン弁または機械操作により拡縮する弁であることを特徴
とする請求項2記載の廃棄物焼却炉の解体処理方法であ
る。
気体の供給および排出により膨張および収縮するバルー
ン弁または機械操作により拡縮する弁であることを特徴
とする請求項2記載の廃棄物焼却炉の解体処理方法であ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、焼却炉1は、
主として炉本体2と煙突3とから形成されているが、ま
ず現地で最初に移動させる上部炉体を煙突3として、焼
却炉1の分解位置として煙突支持台3Aを含む炉本体2と
煙突3との接続部を選定し、煙突3の内壁面に固定化剤
を付着させる方針とする。ここで分解位置として煙突支
持台3Aを含む炉本体2と煙突3との接続部を選定したの
は、現地にて最初に移動させる上部炉体とフランジにて
接続されており、切り離しが容易で、クレーンによる吊
り上げ移動も容易であるためである。
に基づいて説明する。図1に示すように、焼却炉1は、
主として炉本体2と煙突3とから形成されているが、ま
ず現地で最初に移動させる上部炉体を煙突3として、焼
却炉1の分解位置として煙突支持台3Aを含む炉本体2と
煙突3との接続部を選定し、煙突3の内壁面に固定化剤
を付着させる方針とする。ここで分解位置として煙突支
持台3Aを含む炉本体2と煙突3との接続部を選定したの
は、現地にて最初に移動させる上部炉体とフランジにて
接続されており、切り離しが容易で、クレーンによる吊
り上げ移動も容易であるためである。
【0020】まず、図1(A)〜(C)に示すように、
炉本体2の境界部開口15(ここでは煙突支持台3Aの上
面)に例えばバルーンを使ってシールする。すなわち、
図1(A)に示すように、空気圧縮機36に接続された空
気供給ホース34の先端に膨張・収縮可能なバルーン35が
取り付けてある。バルーン35はゴムまたは樹脂などの伸
縮可能な材料を用いて製作してあり、炉本体2の境界部
開口15の内径よりも大きな直径となる膨張代を持ってい
る。バルーン35を収縮した状態として煙突3の上端から
内部に挿入して降下させ、境界部開口15を経由して煙突
支持台3A内に到達させる。
炉本体2の境界部開口15(ここでは煙突支持台3Aの上
面)に例えばバルーンを使ってシールする。すなわち、
図1(A)に示すように、空気圧縮機36に接続された空
気供給ホース34の先端に膨張・収縮可能なバルーン35が
取り付けてある。バルーン35はゴムまたは樹脂などの伸
縮可能な材料を用いて製作してあり、炉本体2の境界部
開口15の内径よりも大きな直径となる膨張代を持ってい
る。バルーン35を収縮した状態として煙突3の上端から
内部に挿入して降下させ、境界部開口15を経由して煙突
支持台3A内に到達させる。
【0021】次に図1(B)に示すように、空気圧縮機
36から空気を供給してバルーン35を膨張させた状態にす
る。そして、図1(C)に示すように、空気供給ホース
34を上方に引っ張って膨張したバルーン35を境界部開口
15に下方から押し込んだ状態にして炉本体2をシールす
る。煙突3と炉本体2との境界部開口15に配設する閉鎖
弁として気体の供給、排出により膨張収縮するバルーン
35の代わりに雨傘を開閉操作する機構に類似した開閉構
造を有する傘状弁を用いその機械的操作により開閉して
境界部開口15を下方からシールするなどの開閉手段やそ
の他伸縮機構により拡縮する別の手段を用いることも可
能である。
36から空気を供給してバルーン35を膨張させた状態にす
る。そして、図1(C)に示すように、空気供給ホース
34を上方に引っ張って膨張したバルーン35を境界部開口
15に下方から押し込んだ状態にして炉本体2をシールす
る。煙突3と炉本体2との境界部開口15に配設する閉鎖
弁として気体の供給、排出により膨張収縮するバルーン
35の代わりに雨傘を開閉操作する機構に類似した開閉構
造を有する傘状弁を用いその機械的操作により開閉して
境界部開口15を下方からシールするなどの開閉手段やそ
の他伸縮機構により拡縮する別の手段を用いることも可
能である。
【0022】ここで空気供給ホース34は、バルーン35に
空気を供給する機能の他に、バルーン35を昇降する機能
を兼備しているが、必要に応じて、空気供給ホース34と
は別にバルーン35を支持する支持ロープを設けることも
できる。また、バルーン35を境界部開口15内に引き込ん
だ状態で空気供給ホース34の引っ張りを弛めてもよい
し、バルーン35の空気入口に逆止弁を設けておけば空気
供給ホース34を途中で切り離し、切り離した先端部の空
気供給ホース34は境界部開口15上に落下させておくこと
も可能である。
空気を供給する機能の他に、バルーン35を昇降する機能
を兼備しているが、必要に応じて、空気供給ホース34と
は別にバルーン35を支持する支持ロープを設けることも
できる。また、バルーン35を境界部開口15内に引き込ん
だ状態で空気供給ホース34の引っ張りを弛めてもよい
し、バルーン35の空気入口に逆止弁を設けておけば空気
供給ホース34を途中で切り離し、切り離した先端部の空
気供給ホース34は境界部開口15上に落下させておくこと
も可能である。
【0023】バルーン35は、これに連なる空気供給ホー
ス34を上方に引き上げることで境界部開口15内に下方か
ら押し込まれるように説明したが、本発明はこれに限定
されるものではない。例えばバルーン昇降手段に、バル
ーン35を境界部開口15に相当する部位に降下させる機能
を予め持たせておき、バルーン35の降下位置で直ちにバ
ルーン35を膨張させるようにしてもよい。この場合は、
バルーン35の上方引き上げを伴うことなく境界部開口15
をシールすることができる。
ス34を上方に引き上げることで境界部開口15内に下方か
ら押し込まれるように説明したが、本発明はこれに限定
されるものではない。例えばバルーン昇降手段に、バル
ーン35を境界部開口15に相当する部位に降下させる機能
を予め持たせておき、バルーン35の降下位置で直ちにバ
ルーン35を膨張させるようにしてもよい。この場合は、
バルーン35の上方引き上げを伴うことなく境界部開口15
をシールすることができる。
【0024】なお、煙突支持台3Aの境界部開口15でのシ
ールに代えて、炉本体2上面の開口を境界部開口37にバ
ルーン35を押し込んでシールするようにしてもよい。炉
本体2の露出する開口部、すなわち境界部開口25をシー
ルした後、煙突3の内壁に固定化剤を付着させ、ダイオ
キシン類等の有害付着物を固定化する。固定化剤を吹き
付けする吹付ノズル5は、図2(D)に示すように炉本
体2の開閉ドア4を閉じた状態で、煙突3の内部に挿
入、垂下されており、固定化剤供給管6の下端で内壁面
に向け水平に複数個が配設されている。固定化剤供給管
6の上端は昇降用ワイヤ8に接続されており、この昇降
用ワイヤ8は上部滑車7Aおよび下部滑車7Bを介して昇降
用ウインチ9に接続されている。また固定化剤供給管6
の上端部には、固定化剤供給ホース10が接続されてお
り、この固定化剤供給ホース10は固定化剤供給ポンプ11
を介して固定化剤貯蔵タンク12に連結されている。
ールに代えて、炉本体2上面の開口を境界部開口37にバ
ルーン35を押し込んでシールするようにしてもよい。炉
本体2の露出する開口部、すなわち境界部開口25をシー
ルした後、煙突3の内壁に固定化剤を付着させ、ダイオ
キシン類等の有害付着物を固定化する。固定化剤を吹き
付けする吹付ノズル5は、図2(D)に示すように炉本
体2の開閉ドア4を閉じた状態で、煙突3の内部に挿
入、垂下されており、固定化剤供給管6の下端で内壁面
に向け水平に複数個が配設されている。固定化剤供給管
6の上端は昇降用ワイヤ8に接続されており、この昇降
用ワイヤ8は上部滑車7Aおよび下部滑車7Bを介して昇降
用ウインチ9に接続されている。また固定化剤供給管6
の上端部には、固定化剤供給ホース10が接続されてお
り、この固定化剤供給ホース10は固定化剤供給ポンプ11
を介して固定化剤貯蔵タンク12に連結されている。
【0025】図4および図5に示すように、固定化剤供
給管6の下端に接続された吹付ノズル5は、煙突3の内
壁面に向け放射状に多数(図面では8本)配設され、そ
れぞれの吹付ノズル5から噴射される液状の固定化剤に
より、その吹き付けられる領域が内壁面の全周(円周方
向の360 度) をカバーできるものとする。なお、吹付ノ
ズル5に固定化剤貯蔵タンク12から液状の固定化剤を単
味で供給する他に、吹付ノズルの直前で、液状の固定化
剤に膨張剤を混合して供給するのが好適である。これ
は、固定化剤に膨張剤を予め混合したものを供給すると
輸送配管内で2液の固化反応が開始し、圧送困難となる
からであり、吹付直前に混合することが肝要となる。
給管6の下端に接続された吹付ノズル5は、煙突3の内
壁面に向け放射状に多数(図面では8本)配設され、そ
れぞれの吹付ノズル5から噴射される液状の固定化剤に
より、その吹き付けられる領域が内壁面の全周(円周方
向の360 度) をカバーできるものとする。なお、吹付ノ
ズル5に固定化剤貯蔵タンク12から液状の固定化剤を単
味で供給する他に、吹付ノズルの直前で、液状の固定化
剤に膨張剤を混合して供給するのが好適である。これ
は、固定化剤に膨張剤を予め混合したものを供給すると
輸送配管内で2液の固化反応が開始し、圧送困難となる
からであり、吹付直前に混合することが肝要となる。
【0026】この場合、吹付ノズル5の直前で固定化剤
供給管6に膨張剤供給管(図示せず)を接続すればよ
く、吹付ノズル5に2系統の供給ルートを配設すること
になり、別途の膨張剤貯蔵タンクを設置することにな
る。吹付ノズル5から固定化剤と膨張剤を混合したもの
を吹き付けることによって固定化剤の体積膨張の作用が
得られ、吹付材料を広い範囲でしかも吹付け厚みを増す
ことにより固定化をより有利にする効果が達成される。
供給管6に膨張剤供給管(図示せず)を接続すればよ
く、吹付ノズル5に2系統の供給ルートを配設すること
になり、別途の膨張剤貯蔵タンクを設置することにな
る。吹付ノズル5から固定化剤と膨張剤を混合したもの
を吹き付けることによって固定化剤の体積膨張の作用が
得られ、吹付材料を広い範囲でしかも吹付け厚みを増す
ことにより固定化をより有利にする効果が達成される。
【0027】吹付ノズル5を円周方向に旋回可能な構造
にすれば、本数を減らすことができる。固定化剤として
は、澱粉、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、ペクチ
ンなどの天然高分子材料、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ルアミド、ポリエチレングリコールなどのセルロースの
水溶性誘導体が使用される。これらの固定化剤は後で行
われる洗浄作業等によりダイオキシン類などの有害付着
物とともに炉本体2および煙突3の内壁面から除去する
作業性を考慮して適度の付着性をもって配合される。
にすれば、本数を減らすことができる。固定化剤として
は、澱粉、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、ペクチ
ンなどの天然高分子材料、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ルアミド、ポリエチレングリコールなどのセルロースの
水溶性誘導体が使用される。これらの固定化剤は後で行
われる洗浄作業等によりダイオキシン類などの有害付着
物とともに炉本体2および煙突3の内壁面から除去する
作業性を考慮して適度の付着性をもって配合される。
【0028】煙突3の内壁面に液状の固定化剤を吹き付
けるため、まず、昇降用ウインチ9を駆動して昇降用ワ
イヤ8を伸張作動して固定化剤供給管6の下端に設けた
吹付ノズル5を降下させつつ、固定化剤供給ポンプ11を
運転して固定化剤貯蔵タンク12に蓄えた液状の固定化剤
を固定化剤供給ホース10および固定化剤供給管6を介し
て吹付ノズル5に供給する。
けるため、まず、昇降用ウインチ9を駆動して昇降用ワ
イヤ8を伸張作動して固定化剤供給管6の下端に設けた
吹付ノズル5を降下させつつ、固定化剤供給ポンプ11を
運転して固定化剤貯蔵タンク12に蓄えた液状の固定化剤
を固定化剤供給ホース10および固定化剤供給管6を介し
て吹付ノズル5に供給する。
【0029】吹付ノズル5を昇降させることによって、
吹付ノズル5から噴出される液状の固定化剤が煙突3の
内壁面の全面に吹き付けられ、これにより煙突3の内壁
面に付着したダイオキシン類などの有害付着物を固定化
剤で被覆して固定化し、内壁面から有害付着物が脱落、
飛散するのを防止する。固定化剤の吹付けは、煙突3の
内壁面に余り強固に付着させる必要はなく煙突3を炉本
体2から切り離す作業期間、現地から焼却炉解体処理工
場に搬送するまでの期間に煙突3の内壁面からダイオキ
シン類などの有害付着物が剥離・飛散するのを防止可能
な最小限の付着状態とするのが適当である。これは煙突
3に付着させた固定化剤は、後に洗浄等して煙突内壁面
からダイオキシン類などの有害付着物とともに洗浄等に
より完全に除去する必要があるからであり、強固に付着
し過ぎると除去が困難で弊害となる。
吹付ノズル5から噴出される液状の固定化剤が煙突3の
内壁面の全面に吹き付けられ、これにより煙突3の内壁
面に付着したダイオキシン類などの有害付着物を固定化
剤で被覆して固定化し、内壁面から有害付着物が脱落、
飛散するのを防止する。固定化剤の吹付けは、煙突3の
内壁面に余り強固に付着させる必要はなく煙突3を炉本
体2から切り離す作業期間、現地から焼却炉解体処理工
場に搬送するまでの期間に煙突3の内壁面からダイオキ
シン類などの有害付着物が剥離・飛散するのを防止可能
な最小限の付着状態とするのが適当である。これは煙突
3に付着させた固定化剤は、後に洗浄等して煙突内壁面
からダイオキシン類などの有害付着物とともに洗浄等に
より完全に除去する必要があるからであり、強固に付着
し過ぎると除去が困難で弊害となる。
【0030】なお、炉本体2の境界部開口37をシールす
るようにした場合には、煙突3の内壁面に加え煙突支持
台3Aの内壁面にも固定化剤の吹き付けを行う必要があ
る。煙突3への固定化剤付着作業が終わったら、昇降ウ
インチ9を操作して煙突3内から吹付ノズル5を取り出
す。その後、炉本体2の上端と煙突3の下端とを接続し
ていたフランジのボルトを取り外す。続いて図2(E)
に示すように、煙突3をクレーン13等を用いて吊り上
げ、炉本体2と切り離す。炉本体2も基礎上に固定した
ボルトを取り外す。
るようにした場合には、煙突3の内壁面に加え煙突支持
台3Aの内壁面にも固定化剤の吹き付けを行う必要があ
る。煙突3への固定化剤付着作業が終わったら、昇降ウ
インチ9を操作して煙突3内から吹付ノズル5を取り出
す。その後、炉本体2の上端と煙突3の下端とを接続し
ていたフランジのボルトを取り外す。続いて図2(E)
に示すように、煙突3をクレーン13等を用いて吊り上
げ、炉本体2と切り離す。炉本体2も基礎上に固定した
ボルトを取り外す。
【0031】引き続き、煙突3および炉本体2をクレー
ン等を用いて移動させ、図2(F)に示すように、搬送
トラック16の荷台上に炉本体2および煙突3を積載し、
さらにその上にシート17を被せた状態として、焼却炉解
体処理工場内まで搬送する。そして、図3に示すように
炉本体2および煙突3は、焼却炉1の解体を専用で行う
ために本格的に解体作業区域として設置された焼却炉解
体処理工場の密閉化された建屋18内に搬入される。炉本
体2および煙突3を解体するに際し、作業者は、法規定
に沿って密閉形保護服を着るとともに、化学防護手袋、
化学防護長靴および防護帽などの着用により完全防備し
た状態で休憩室19、更衣室20、温水シャワー室21および
エアーシャワー室22をそれぞれ連絡する通路を通って建
屋18内に入室する。
ン等を用いて移動させ、図2(F)に示すように、搬送
トラック16の荷台上に炉本体2および煙突3を積載し、
さらにその上にシート17を被せた状態として、焼却炉解
体処理工場内まで搬送する。そして、図3に示すように
炉本体2および煙突3は、焼却炉1の解体を専用で行う
ために本格的に解体作業区域として設置された焼却炉解
体処理工場の密閉化された建屋18内に搬入される。炉本
体2および煙突3を解体するに際し、作業者は、法規定
に沿って密閉形保護服を着るとともに、化学防護手袋、
化学防護長靴および防護帽などの着用により完全防備し
た状態で休憩室19、更衣室20、温水シャワー室21および
エアーシャワー室22をそれぞれ連絡する通路を通って建
屋18内に入室する。
【0032】建屋18内の換気空気は排気管23を介して換
気ファン24に導かれ、フィルター装置25で粉塵を除去し
た後、大気中に放出され、解体作業区域となる建屋18内
を作業雰囲気基準値に満たすようにする。作業者は装着
したエアラインマスクに呼吸用ホース26を接続して呼吸
用空気供給装置27から供給される清浄な空気で呼吸す
る。
気ファン24に導かれ、フィルター装置25で粉塵を除去し
た後、大気中に放出され、解体作業区域となる建屋18内
を作業雰囲気基準値に満たすようにする。作業者は装着
したエアラインマスクに呼吸用ホース26を接続して呼吸
用空気供給装置27から供給される清浄な空気で呼吸す
る。
【0033】そして、洗浄ノズル28を炉本体2や煙突3
の内壁面に向け、高圧洗浄装置29から高圧ホース30を介
して洗浄ノズル28に供給される超高圧水を噴射して炉体
2および煙突3の内壁に付着したダイオキシン類などの
有害物を含む粉塵付着物を洗浄により十分に除去する。
付着物除去は洗浄に限らず、ショットブラスト等の方法
によっても構わない。
の内壁面に向け、高圧洗浄装置29から高圧ホース30を介
して洗浄ノズル28に供給される超高圧水を噴射して炉体
2および煙突3の内壁に付着したダイオキシン類などの
有害物を含む粉塵付着物を洗浄により十分に除去する。
付着物除去は洗浄に限らず、ショットブラスト等の方法
によっても構わない。
【0034】炉本体2や煙突3の内壁面から洗い流され
た付着物粉塵を含むダイオキシン類に汚染された排水
は、建屋18から集水槽31に集められた後、沈殿槽32で排
水を養生するなどの処理が行われ、排出水の基準を満た
した状態で外部に排水される。沈殿槽32内に沈殿した汚
泥は回収され、法規定にしたがって処理される。炉本体
2および煙突3の内壁面に付着した粉塵付着物の洗浄等
による除去が終わったら、建屋18内に引き込んだ万能解
体機33の掴持、打撃、引張りあるいは押圧機能を用いて
炉本体2および煙突3の解体作業を行う。解体廃棄物
は、廃棄物処理法に沿って廃棄物の種類に応じて分別し
て排出し、処分することが望ましい。
た付着物粉塵を含むダイオキシン類に汚染された排水
は、建屋18から集水槽31に集められた後、沈殿槽32で排
水を養生するなどの処理が行われ、排出水の基準を満た
した状態で外部に排水される。沈殿槽32内に沈殿した汚
泥は回収され、法規定にしたがって処理される。炉本体
2および煙突3の内壁面に付着した粉塵付着物の洗浄等
による除去が終わったら、建屋18内に引き込んだ万能解
体機33の掴持、打撃、引張りあるいは押圧機能を用いて
炉本体2および煙突3の解体作業を行う。解体廃棄物
は、廃棄物処理法に沿って廃棄物の種類に応じて分別し
て排出し、処分することが望ましい。
【0035】炉本体2および煙突3に対する一連の解体
作業が終了したら、作業者は建屋18の出入口から通路を
通ってエアーシャワー室22に入り、ここで作業中に着衣
などに付着した粉塵などを吹き飛ばし、続いて温水シャ
ワー室21で脱衣して体を洗い、その後に更衣室20で服を
着た後、適宜に休憩室19で休憩してダイオキシン類など
の有害物を外部に持ち出すことなく退出する。
作業が終了したら、作業者は建屋18の出入口から通路を
通ってエアーシャワー室22に入り、ここで作業中に着衣
などに付着した粉塵などを吹き飛ばし、続いて温水シャ
ワー室21で脱衣して体を洗い、その後に更衣室20で服を
着た後、適宜に休憩室19で休憩してダイオキシン類など
の有害物を外部に持ち出すことなく退出する。
【0036】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
焼却炉を設置してある現地に仮設の焼却炉解体処理工場
を建設する必要がなく、設備費や作業費の節減と工期の
短縮が達成される。法令にマッチして本格的に建設され
た専用の焼却炉解体処理工場により、近隣住民への影響
をなくした状態で、安全かつ衛生的に解体作業を短期間
で能率よく行うことができ、その効果は多大である。
焼却炉を設置してある現地に仮設の焼却炉解体処理工場
を建設する必要がなく、設備費や作業費の節減と工期の
短縮が達成される。法令にマッチして本格的に建設され
た専用の焼却炉解体処理工場により、近隣住民への影響
をなくした状態で、安全かつ衛生的に解体作業を短期間
で能率よく行うことができ、その効果は多大である。
【図1】本発明の廃棄物焼却炉の解体処理方法の作業手
順を示す説明図である。
順を示す説明図である。
【図2】図1に続く廃棄物焼却炉の解体処理方法の作業
手順を示す説明図である。
手順を示す説明図である。
【図3】図2に続く廃棄物焼却炉の解体処理方法の作業
手順を示す説明図である。
手順を示す説明図である。
【図4】本発明に係る吹付ノズルと煙突内壁面との位置
関係を示す側面図である。
関係を示す側面図である。
【図5】図4の平面図である
【図6】従来の廃棄物焼却炉の解体処理方法を示す説明
図である。
図である。
1 小規模焼却設備(焼却炉)
2 炉本体(下部炉体等)
3 煙突(上部炉体)
3A 煙突支持台
4 開閉ドア
5 吹付ノズル
6 固定化剤供給管
7A 上部滑車
7B 下部滑車
8 昇降用ワイヤ
9 昇降用ウインチ
10 固定化剤供給ホース
11 固定化剤供給ポンプ
12 固定化剤貯蔵タンク
13 クレーン
15、37 境界部開口
16 搬送トラック
17 シート
18 建屋
19 休憩室
20 更衣室
21 温水シャワー室
22 エアーシャワー室
23 排気管
24 排気ファン
25 フィルター装置
26 呼吸用ホース
27 呼吸用空気供給装置
28 洗浄ノズル
29 高圧洗浄装置
30 高圧ホース
31 集水槽
32 沈殿槽
33 万能解体機
34 空気供給ホース
35 バルーン
36 空気圧縮機
A、B 作業用足場材
C シート
Claims (3)
- 【請求項1】 ダイオキシン類等の有害付着物が内壁面
に付着している廃棄物焼却炉炉体等を解体処理する方法
において、 前記廃棄物焼却炉炉体等を最初に移動させる上部炉体と
その後に移動させる下部炉体等とに現地にて区分し、前
記下部炉体等の露出する開口部をシール材にてシールす
る工程と、 前記廃棄物焼却炉炉体等のうち、少なくとも前記上部炉
体の内壁面に固定化剤を付着させてダイオキシン類等の
有害付着物を固定化する工程と、 前記上部炉体を前記下部炉体等から切り離して移動させ
る工程と、 前記上部炉体および前記下部炉体等を移動させて搬送車
に積載し、該搬送車により現地から法令に従う管理区域
に認定された焼却炉解体処理工場に搬送する工程と、 前記焼却炉解体処理工場内で前記上部炉体および前記下
部炉体等の内壁面をそれぞれダイオキシン類などの有害
付着物を除去した状態で、前記上部炉体および下部炉体
等を解体処理する工程と、を有することを特徴とする廃
棄物焼却炉の解体処理方法。 - 【請求項2】 前記下部炉体等の露出する開口部をシー
ル材にてシールする工程が、前記上部炉体と下部炉体等
との境界部開口に拡縮自在な閉鎖弁を縮小状態として前
記上部炉体の内壁面内を通して上方より降下させて位置
させ、該閉鎖弁を拡張状態として前記境界部開口を閉鎖
するものであることを特徴とする請求項1記載の廃棄物
焼却炉の解体処理方法。 - 【請求項3】 前記閉鎖弁が、気体の供給および排出に
より膨張および収縮するバルーン弁または機械操作によ
り拡縮する弁であることを特徴とする請求項2記載の廃
棄物焼却炉の解体処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002057822A JP2003254515A (ja) | 2002-03-04 | 2002-03-04 | 廃棄物焼却炉の解体処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002057822A JP2003254515A (ja) | 2002-03-04 | 2002-03-04 | 廃棄物焼却炉の解体処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003254515A true JP2003254515A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28667997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002057822A Pending JP2003254515A (ja) | 2002-03-04 | 2002-03-04 | 廃棄物焼却炉の解体処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003254515A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013120025A (ja) * | 2011-12-08 | 2013-06-17 | Nisshin Kiko Kk | 伝熱管の修繕方法 |
-
2002
- 2002-03-04 JP JP2002057822A patent/JP2003254515A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013120025A (ja) * | 2011-12-08 | 2013-06-17 | Nisshin Kiko Kk | 伝熱管の修繕方法 |
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