JP2003254107A - ディーゼル・エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

ディーゼル・エンジンの排気浄化装置

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JP2003254107A
JP2003254107A JP2002050991A JP2002050991A JP2003254107A JP 2003254107 A JP2003254107 A JP 2003254107A JP 2002050991 A JP2002050991 A JP 2002050991A JP 2002050991 A JP2002050991 A JP 2002050991A JP 2003254107 A JP2003254107 A JP 2003254107A
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water ratio
water
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Shinichiro Sakurai
櫻井眞一郎
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S&S Engineering Corp
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S & S Engineering Kk
S&S Engineering Corp
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B47/00Methods of operating engines involving adding non-fuel substances or anti-knock agents to combustion air, fuel, or fuel-air mixtures of engines
    • F02B47/02Methods of operating engines involving adding non-fuel substances or anti-knock agents to combustion air, fuel, or fuel-air mixtures of engines the substances being water or steam
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M25/00Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
    • F02M25/022Adding fuel and water emulsion, water or steam
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディーゼル・エンジンの動力性能と排気浄化
性能とを最適に両立させ、かつ急加速時、急勾配登坂時
等におけるトルク不足を解消したディーゼル・エンジン
の排気浄化装置を提供する。 【構成】 軽油、水、乳化剤の割合を運転状態に応じて
調整して得たエマルション燃料をエンジンに供給する。
この場合、ステップ11でアクセル・ペダル踏み込み量
が所定値より小さいときは、ステップ12へ進み、アク
セル・ペダル踏み込み量に応じた水比率のエマルション
燃料を燃焼室41へ供給し、NOxを抑制する通常の水
比率制御を実行する。アクセル・ペダル踏み込み量が所
定値以上のときは、ステップ13へ進み水無し制御とし
て強力なトルクを発生させる。アクセル・ペダルの踏み
込み量が設定値未満となったら通常の水比率制御に戻
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼル・エンジン
から排出される排気ガス中に含まれる有害物質のうち特
に窒素酸化物の生成を抑制するようにしたディーゼル・
エンジンの排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来技術】排気中の窒素酸化物(いわゆるNOx)を
浄化するディーゼル・エンジンの排気浄化装置として
は、ゼオライトに銅イオンを担持させ、NOxを直接分
解するSCR(Selective Catalyti
c Reduction)式の触媒が研究されているも
のの、被毒による変換効率が低下するといった問題があ
り実用化には至っていない(平成6年1月10日 株式
会社 山海堂 発行の宮下直也、黒木秀雄著による「自
動車用デイーゼルエンジン」の52ページ)。
【0003】他方、上記触媒以外の方法として、燃料に
水と乳化剤を加えエマルション燃料として燃焼室へ供給
することにより、燃焼室での最高燃焼温度を低下させて
NOxの生成を抑制するようにしたものが、特開平7−
166962号公報の記載や特開平7−166963号
公報の記載により知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】後者の方法を記した上
記両公報には、燃料に対する加水率(水比率)がエンジ
ン負荷状態に応じて決定される旨が記載されているもの
の、具体的な内容は何ら記載されていない。既に実用化
されている船舶のディーゼル・エンジンや陸上でのボイ
ラー等の場合は、負荷領域が狭くしかも急激に変化させ
ることがないことから、エマルション燃料で水比率をど
こまで多くしたら良いかが中心課題となっているが、自
動車の場合には、エンジンが走行状態に応じて幅広い負
荷領域で稼働され、また急激な負荷変化を伴うことか
ら、負荷に応じた最適な水比率をいかに決定すべきかが
重要な課題となる。
【0005】発明者の研究・実験によれば、負荷に対す
る水比率を一定にしたり、負荷の増大に応じて水比率を
単に比例的に増加させたりしただけでは、エンジンの幅
広い稼働領域で動力性能と排気浄化性能とを最適に両立
させることができないことが分かった。特に、ほぼ一定
の水比率とする前者の方法では、自動車のような幅広い
エンジン負荷範囲で十分な排気浄化性能が得られず、ま
た単に比例増加させる後者の方法では、幅広いエンジン
負荷範囲でも排気浄化性能の工場が期待されるものの、
急勾配での登坂時や急追い越し時等に十分なトルクが得
られず、ドライバーが安心して運転しにくいといった問
題点がある。
【0006】本発明の目的は、上記問題点を解決し、エ
ンジンの幅広い負荷領域にあっても動力性能と排気浄化
性能とをより良く両立させ、かつ急勾配での登坂時や急
追い越し時等にあっても安心して走行できるようにした
ディーゼル・エンジンの排気浄化装置を提供することに
ある。さらにまた別の目的として、エマルション燃料を
用いる場合におけるエンジン始動性の確保、エンジン停
止後における排気系部品における錆の発生の防止が可能
なディーゼル・エンジンの排気浄化装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、ディーゼル・エンジンの燃焼室へ燃料を噴射する燃
料噴射弁と、燃料を供給可能な燃料供給装置と、水を供
給可能な水供給装置と、乳化剤を供給可能な乳化剤供給
装置と、アクセル・ペダル踏み込み相当量を検出可能な
負荷量検出手段と、燃料供給装置から供給する燃料に対
する水供給装置から供給する水の比率を可変に調整する
水比率調整装置と、乳化剤、燃料および水からエマルシ
ョン燃料を作り出し、このエマルション燃料を燃料噴射
弁へ供給可能なミキサと、負荷量検出手段で検出したア
クセル・ペダル踏み込み相当量に応じて燃料に対する水
比率を決定するとともに、負荷量検出手段で検出したア
クセル・ペダル踏み込み相当量に応じて燃料に対する水
比率を決定するとともに、アクセル・ペダル踏み込み相
当量がアクセル・ペダルの実質最高踏み込み状態に相当
する所定値以上にあるときは、アクセル・ペダル踏み込
み相当量が所定値より小さいときに比べて前記燃料に対
する水比率を低下させるように水比率を決定し水比率調
整装置を制御する水比率決定手段と、を備えたことを特
徴とする。
【0008】請求項2に記載の本発明は、上記アクセル
・ペダルの実質最高踏み込み状態における燃料に対する
水比率の低下を、水が実質ゼロとなる比率まで低下させ
るようにしたことを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の本発明は、上記水比率決
定手段が、アクセル・ペダル踏み込み速度を検出し、ア
クセル・ペダル踏み込み速度が所定速度以上の大きさと
なるときは、所定値をより小さい値へ変更するようにし
たことを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の本発明は、上記水比率決
定手段が、アクセル・ペダル踏み込み相当量が所定値以
上、あるいはアクセル・ペダル踏み込み速度が所定速度
以上となったことが検出された後、所定期間内にアクセ
ル・ペダルの踏み込み相当量が所定量以上減少方向に戻
されないときには燃料に対する水比率を減少させるよう
に決定するものの、所定期間内にアクセル・ペダルの踏
み込み相当量が所定量以上減少方向に戻されたときには
燃料に対する水比率の減少を実行しないようにしたこと
を特徴とする。
【0011】請求項5に記載の本発明は、上記アクセル
・ペダル踏み込み相当量を、燃料噴射弁に供給する燃料
の流量に応じた値、あるいはこの供給流量と燃料噴射弁
から排出される戻り燃料の流量との流量差に応じた値に
対応させたことを特徴とする。
【0012】請求項6に記載の本発明は、上記アクセル
・ペダルの踏み込み相当量が所定値以上か否かの検出
を、キックダウン・スイッチを利用するようにしたこと
を特徴とする。このキックダウン・スイッチは、たとえ
ば、アクセル・ペダルにより切り替えられ、アクセル・
ペダル踏み込み量が所定値以上でオン、所定値未満でオ
フとなるスイッチである。
【0013】請求項7に記載の本発明は、上記水比率決
定手段を、燃料に対する水比率の減少制御を実行中に、
アクセル・ペダル踏み込み相当量が設定値より小さくな
ったら燃料に対する水比率の減少制御を中止するように
したことを特徴とする。
【0014】請求項8に記載の本発明は、上記設定値
を、上記所定値と異ならせ、燃料に対する水比率の減少
制御の開始を決定するアクセル・ペダル踏み込み相当量
と燃料に対する水比率の減少制御の終了を決定するアク
セル・ペダル踏み込み相当量との間に、ヒステリシスを
設定したことを特徴とする。
【0015】請求項9に記載の本発明は、上記水比率決
定手段を、所定値より小さいアクセル・ペダルの踏み込
み相当量域にあっては、アクセル・ペダル踏み込み相当
量が増加するに伴って燃料に対する水比率も増加するよ
うにしたことを特徴とする。
【0016】請求項10に記載の本発明は、上記水比率
決定手段を、ディーゼル・エンジンの始動時から所定経
過時間、あるいはエンジン冷却水温度、リターン通路中
の戻り燃料の温度、変速機の油温度のうちのいずれかの
温度が所定温度に達するまでの期間中は燃料に対する水
比率を実質的にゼロとするようにしたことを特徴とす
る。
【0017】請求項11に記載の本発明は、上記水比率
決定手段を、ディーゼル・エンジンの停止信号を検出し
てから設定時間経過まで水比率を実質的にゼロとするよ
うにしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の作用・効果】請求項1に記載の本発明では、デ
ィーゼル・エンジンの通常の稼働中は、負荷量検出手段
によりアクセル・ペダル踏み込み相当量を検出し、この
量に応じて水比率決定手段がエンジンの燃料噴射弁に供
給する燃料に対する水の比率を決定する。水比率調整装
置は、上記で決定された水比率にしたがって燃料供給装
置からの燃料と水供給装置からの水との量および比率を
調整し、また乳化剤供給装置からの乳化剤を加えてミキ
サへ供給する。これらをミキサが混合してエマルション
燃料を作り出す。なお、この場合、エマルション燃料
は、油中水滴型(W/O型)とするのが望ましい。
【0019】このエマルション燃料は、燃料噴射弁から
エンジンの燃焼室へ供給・燃焼される。水の存在により
燃焼室の最高燃焼温度が抑えられ、エンジン燃焼室内に
おける窒素酸化物の生成量が大きく減少する。この水比
率制御中における上記水比率の決定にあっては、アクセ
ル・ペダル踏み込み相当量が所定値より小さい踏み込み
域、すなわち実質最高踏み込み域に達しない域にあると
きは、負荷量検出手段で検出したアクセル・ペダル踏み
込み相当量に応じて、水比率決定手段がその水比率を決
定して水を供給するので、エンジンの幅広い負荷範囲で
常に最適な水比率制御が実行され、窒素酸化物を主とし
た排気の浄化が実行される。
【0020】一方、アクセル・ペダル踏み込み相当量が
所定値以上踏み込み域(実質最高踏み込み域)に入った
ら、燃料に対する水比率を減少して、エンジンで発生す
るトルクの増大を図り動力性能を確保する。この場合、
一時的に排気浄化性能が悪化するが、この実質最高踏み
込み域での運転は急勾配での登坂時や急追い越し時など
であるから、その走行時間が短く、窒素酸化物の総排出
量はさほど多くはならない。これにより、ドライバー
は、安心して急勾配での登坂や急追い越しを実行するこ
とができるようになる。
【0021】請求項2に記載の本発明では、実質最高踏
み込み域には水比率がゼロになるまで低下するようにし
たので、トルクを最大限得ることができ、確実かつ安心
して急勾配の登坂や急追い越しを実行することが可能と
なる。
【0022】請求項3に記載の本発明では、水比率決定
手段により、アクセル・ペダル踏み込み速度が所定速度
以上の大きさとなるときは所定値をより小さい値へ変更
するようにしたので、急加速をドライバーが望んでアク
セル・ペダルの急踏み込みを実行したときに、通常の緩
踏み込み速度より早い段階で水比率減少制御に切り替わ
り、レスポンスよく強力なトルクを得ることができる。
【0023】請求項4に記載の本発明では、水比率決定
手段により、アクセル・ペダル踏み込み相当量が所定値
以上、あるいはアクセル・ペダル踏み込み速度が所定速
度以上となったことが検出された後、所定期間内にアク
セル・ペダルの踏み込み相当量が所定量以上減少方向に
戻されないときには強力なトルクをドライバーが望んで
いるものとして燃料に対する水比率を減少させるように
決定する。この結果、ドライバーの要求どおり強力なト
ルクを得ることができる。
【0024】一方、上記検出後、所定期間内にアクセル
・ペダルの踏み込み相当量が所定量以上減少方向に戻さ
れたときは、いわゆる「アクセル・ペダルのちょい踏
み」でありドライバーが強力なトルクを望んだものでは
ないとして、燃料に対する水比率の減少の制御を実行し
ないようにする。これにより、無駄なエンジンのトルク
・アップを防止し、かつ排気浄化性能を低下させること
もなくなる。したがって、幅広いエンジン負荷領域にあ
っても、ドライバーの意思(急加速や急勾配の登坂で強
力なトルクが欲しい)をよりきめ細やかに捉え、実行す
ることが可能となる。
【0025】請求項5に記載の本発明では、アクセル・
ペダル踏み込み相当量を、燃料噴射弁に供給する燃料の
流量に応じた値、あるいはこの供給流量と燃料噴射弁か
ら排出される戻り燃料の流量との流量差に応じた値に対
応させるようにする。すなわち、これらの流量あるいは
流量差が大きくなれば水比率も多くするといった制御を
実行する。この結果、排気浄化装置が付いていないある
いは不十分な既に販売され使用されている各社の車に本
発明の排気浄化装置を装着するときなどに、各社で種々
異なるアクセル開度センサからの信号にその都度対応す
るソフトウェアやハードウェアに費やす工数・費用が不
要となる。
【0026】請求項6に記載の本発明では、オン・オフ
式のキックダウン・スイッチを利用してアクセル・ペダ
ルの踏み込み相当量が所定値以上か否かを検出するよう
にする。このキックダウン・スイッチは、アクセル開度
センサの信号と異なり、オン・オフ信号であるから、各
社で異なるアクセル・ペダル開度信号を考慮することな
く、本排気浄化装置に取り込むことができる。したがっ
て、安価・簡単な機構で容易にドライバーの強力なトル
ク要望意思を検出することが可能となる。なお、キック
ダウン・スイッチは、オートマティック・トランスミッ
ション用のキックダウン・スイッチをそのまま流用すれ
ば良いが、マニュアル・トランスミッション搭載車の場
合は、別途追加装着すれば良くこの場合でもオン・オフ
式スイッチであることからコスト・アップは小さい。
【0027】請求項7に記載の本発明では、水比率決定
手段が、燃料に対する水比率の減少制御を実行中に、ア
クセル・ペダル踏み込み相当量が設定値より小さくなっ
たら燃料に対する水比率の減少制御を中止するようにし
たので、ドライバーが急加速や急勾配の登坂を終えたと
判断してアクセル・ペダルを戻すのを確実に検出するこ
とができる。これにより、強力なトルク発生を停止して
最適な時期にまた確実に通常の走行へ戻って、排気浄化
を促進することが可能となる。
【0028】請求項8に記載の本発明では、設定値と所
定値と異ならせることにより、燃料に対する水比率の減
少制御の開始とその終了とを決定する各アクセル・ペダ
ル踏み込み相当量の間にヒステリシスを設定したので、
アクセル・ペダルの踏み込み量が多少変動しても水比率
の減少制御がハンチングするといった問題がなくすこと
ができる。
【0029】請求項9に記載の本発明では、水比率決定
手段が、所定値より小さい通常のアクセル・ペダルの踏
み込み相当量域にあっては、アクセル・ペダル踏み込み
相当量が増加するに伴って燃料に対する水比率も増加す
るようにしたので、エンジンの負荷状態が幅広く変化す
る通常のエンジン稼働域で常に最適な水比率とすること
ができ、高い排気浄化性能を保つことが可能となる。
【0030】請求項10に記載の本発明では、水比率決
定手段が、ディーゼル・エンジンの始動時から所定経過
時間、あるいはエンジン冷却水温度、リターン通路中の
戻り燃料の温度、変速機の油温度のうちのいずれかの温
度が所定温度に達するまでの期間中は燃料に対する水比
率を実質的にゼロとするようにしたので、エンジン始動
時にエンジンの回転動作が不安定となりがちになるのを
防止することができる。
【0031】請求項11に記載の本発明では、水比率決
定手段が、ディーゼル・エンジンの停止信号を検出して
から設定時間経過まで水比率を実質的にゼロとするよう
に制御するようにしたので、エンジンの停止操作を実行
してから設定時間が経過するまで、水無しの燃料をエン
ジンで燃焼し、排気中の水の発生量を抑えるとともに排
気系部品に付着していた水をその高温の排気で蒸発させ
ることが可能となる。したがって、排気系部品にさびが
発生するのを抑止することができる。
【0032】
【実施態様】次に、本発明のディーゼル・エンジンの排
気浄化装置の実施形態につき説明する。まず、ディーゼ
ル・エンジンの排気浄化装置を備えたパワー・トレイン
は、図1に示すように、燃料、水、乳化剤をそれぞれ混
合してNOxの生成を抑制するためのエマルション燃料
を作り出す燃料供給システム1と、この燃料供給システ
ム1から供給されたエマルション燃料を燃焼することで
駆動出力を得るディーゼル・エンジン2と、ディーゼル
・エンジン2から排出された排気ガスのうち特に煤を浄
化する後部排気浄化装置3とを有する。
【0033】以下、これらにつき、より詳細に説明して
いく。まず、燃料供給システム1は、燃料としての軽油
を蓄える軽油タンク(燃料供給装置)4、燃料に加える
水を蓄える水タンク(水供給装置)5、および燃料と水
をエマルション化するための乳化剤を蓄える乳化剤カー
トリッジ(乳化剤供給装置)6を備える。軽油タンク
4、水タンク5、および乳化剤カートリッジ6には、そ
れぞれ電気モータで駆動する燃料ポンプ7、水ポンプ
8、乳化剤ポンプ9が接続され、それぞれ軽油、水、乳
化剤を吸引可能である。これらのポンプ7〜9の駆動
は、マイクロ・コンピュータを主の構成要素とするエマ
ルション・コントローラ(水比率決定手段)16により
各々独立して制御する。
【0034】各ポンプの吐出口は、それぞれ流量可変制
御バルブ(水比率調整装置)11〜13の入口に接続す
る。これらの流量可変制御バルブ11〜13は、エマル
ション・コントローラ16によりそれぞれの流路面積の
大きさを後述するように走行状態に応じ独立して制御す
る。これらの流量可変通路11〜13で流量が調整され
た燃料、水、および乳化剤は、静止型ミキサ15へ流入
されてここで細分化・攪拌され、エマルション燃料とな
る。このときのエマルション燃料の噴射ポンプ23への
供給流量は、供給流量センサ20でモニターされ、エマ
ルション・コントローラ16へ送られることで、最適な
エマルション燃料を作り出すのにフィードバックされ
る。
【0035】なお、静止型ミキサ15により作り出すエ
マルション燃料は、油中水滴型(W/O型)とする。こ
のため、乳化剤は、親水性と親油性の釣り合いを表すH
LBを6程度とする。また、その供給量をたとえば燃料
と水との質量の1.2%程度(体積では1.5%程度)
とする。そして、水比率は、基本的には、エンジン負
荷、すなわちアクセル・ペダルの踏み込み量(アクセル
開度に相当)をベースにして以下のように決定する。
【0036】すなわち、平坦路を走行する通常走行時に
あって、アクセル・ペダル踏み込み量が小さい範囲では
軽油:水がたとえばほぼ95:5とし、アクセル・ペダ
ル踏み込み量が大きい範囲では軽油:水がたとえばほぼ
80:20となるように、エンジン負荷が大きくなるほ
ど水比率が高まるように水比率を制御する。なお、エン
ジンの種類や燃焼条件によっては、上記のように最大水
比率を80:20程度までに限定することなく、たとえ
ば70:30程度まで水を増やすことも実用上可能であ
る。しかし、自動車にあっては、船舶やボイラーの場合
のように50:50といった大きさまで水比率を高める
のは実用的でない。
【0037】静止型ミキサ15の出口は、燃料供給路4
5を介して噴射ポンプ23の入口に接続する。この燃料
供給路45中には、供給流量センサ20を設け、このセ
ンサにより静止型ミキサ15から噴射ポンプ23へ供給
されるエマルション燃料の流量を絶えず検出する。この
流量信号は、エマルション・コントローラ16へ送られ
る。
【0038】燃料噴射ポンプ23の出口は、燃料噴射弁
22の供給口に接続する。燃料噴射ポンプ23は、エン
ジン・コントロール・ユニット38によりをコントロー
ルされ、上記エマルション燃料の燃料噴射弁22から燃
焼室41への噴射量、噴射時期を決定する。一方、燃料
噴射弁22の排出口は、リターン通路46を介してリタ
ーン・リザーバ31に接続する。リターン通路46中に
は、戻り燃料の流量を検出するリターン流量センサ21
を設け、戻り燃料に関する流量信号をエマルション・コ
ントローラ16へ送る。
【0039】リターン・リザーバ31は、燃料噴射弁2
2の排出口からドレインされたエマルション燃料を蓄
え、この戻り燃料を再度、ミキサ15等を介して燃料噴
射弁22へ供給可能にする。すなわち、リターン・リザ
ーバ31には、電気モータ駆動によるリターンポンプ1
0の吸込口を接続し、リターンポンプ10がリターン・
リザーバ31内の戻り燃料を吸い出し可能である。リタ
ーンポンプ10の吐出口は、流量可変制御バルブ14を
介して静止型ミキサ15の入口へ接続する。
【0040】この場合、リターン・リザーバ31内の戻
り燃料は、再度、静止型ミキサ15の入口へ戻すことが
可能となっているが、このとき、軽油タンク4からの軽
油、水タンク5からの水、乳化剤カートリッジ6からの
乳化剤の少なくともいずれかを一緒に静止型ミキサ15
に供給可能とすることにより、静止型ミキサ15の出口
における水比率を所望の値にするようにしている。な
お、ここではこの戻り燃料の再利用にあっては、戻り燃
料の使用を、新しく混合生成する燃料、水、乳化剤によ
るエマルション燃料の供給よりも基本的に優先するよう
にする。この結果、高速巡航を続けるときなど水比率が
実質的に変化しない場合は、戻り燃料だけを静止型ミキ
サ15に供給すれば良い。
【0041】この戻り燃料の再利用のため、リターン・
リザーバ31には、この内部に蓄積された戻り燃料の水
比率を測定する水比率検出センサ32を設けて、ここで
の検出信号をエマルション・コントローラ16へ入力す
る。なお、この水比率検出センサ32による水比率の測
定は、液比重測定や、液の視覚的濃さの光学的測定など
を利用して行う。この場合、エマルション・コントロー
ラ16は、戻り燃料の水比率の情報および戻り燃料の再
供給量を考慮して、戻り燃料の量、軽油タンク4・水タ
ンク5・乳化剤カートリッジ6からそれぞれ供給する軽
油・水・乳化剤の量を決定し、ポンプ7〜10と流量可
変制御バルブ11〜14を制御して最適な水比率のエマ
ルション燃料を作り出せるようにする。
【0042】一方、リターン・リザーバ31には、この
内部の戻り燃料を撹拌可能な撹拌器44を取り付ける。
この撹拌器44の駆動は、エマルション・コントローラ
16により制御され、所定の条件(たとえば所定の時間
ごとや、エンジン始動時など)で実施されてエマルショ
ン燃料が燃料と水に分離するのを防ぐようにする。この
場合、エンジン始動時などのように、リターン・リザー
バ31内の戻り燃料が十分撹拌され、エマルション燃料
が安定化するまでは、ポンプ10を停止し、かつ流量可
変制御バルブ14を閉じたままとして、軽油タンク4、
水タンク5、乳化剤カートリッジ6から燃料、水、乳化
剤を供給して新しいエマルション燃料を作るようにす
る。
【0043】軽油タンク4、水タンク5、乳化剤カート
リッジ6、リターン・リザーバ31には、それぞれ残量
センサ17、18、19、33を設けて、各残量信号を
エマルション・コントローラ16に送ることにより、エ
マルション・コントローラ16が警報灯により残量警告
を発したり、残量が所定量以下になった後の燃料噴射弁
22へ供給するエマルション燃料の目標水比率を変更し
たりする。
【0044】なお、燃料噴射弁22は、シリンダヘッド
42に取り付けて、その噴射口をディーゼル・エンジン
のシリンダ25とピストン24とで形成される燃焼室4
1に臨ませ、この燃焼室にエマルション燃料を噴射可能
にしている。シリンダヘッド42には吸入空気導入のた
めの吸入ポート27と排気ガス排出のための排気ポート
28を設け、それぞれ吸気バルブ29と排気バルブ30
とが燃焼室41と各ポート27、28間を開閉するよう
になっている。シリンダ25に設けた冷却水通路には、
この水温を検出する冷却水温度センサ26を設け、ここ
で検出した冷却水温度信号をエマルション・コントロー
ラ16へ送る。
【0045】エンジン・コントロール・ユニット38
は、アクセル開度センサ(負荷量検出手段)39、エン
ジン回転数センサ40等からそれぞれアクセル開度信
号、エンジン回転数信号等が入力され、ディーゼル・エ
ンジンの運転に必要な噴射量、噴射時期等を決定する。
なお、エンジン・コントロール・ユニット38からエマ
ルション・コントローラ16へは、アクセル開度信号、
要求燃料情報信号(噴射量、噴射時期等に関する信号)
へ入力される。
【0046】後部排気浄化装置3は、ディーゼル・パー
ティキュレート・フィルタ(DPF)34を中心に構成
し、このDPF34をディーゼル・エンジンの排出ポー
ト28にエクゾーストパイプを介して接続する。また、
排気ポート28には燃焼温度センサ35を設けて、ディ
ーゼル・エンジンから排出された排気ガスの温度を検出
し、この温度信号をエマルション・コントローラ16へ
送る。
【0047】上記DPF34は、上流側に煤を捕捉する
フィルタを備えた酸化触媒反応室34a(酸化室)を、
下流側に灰分蓄積室34bをそれぞれ有する。酸化触媒
反応室34aは、ニッケルなどを用いて排気ガス中の粒
子状物質(いわゆるPMで、主に炭素などの煤)を酸化
する酸化触媒を設け、内部に配置した電気ヒータ43に
て酸化触媒反応室34a内を加熱可能である。この電気
ヒータ43は、プレヒータ・コントローラ37により制
御する。一方、酸化触媒反応室34aは、この室内温度
を検出する反応室温度センサ36を有し、このセンサ3
6により検出した反応室温度信号をプレヒータ・コント
ローラ37とエマルション・コントローラ16へ送る。
【0048】次に、上記構成になる第1の実施例による
ディーゼル・エンジンの排気浄化装置の作用につき、説
明する。まず、エンジンを始動には、スタータ・スイッ
チをオンにして図外のスタータを回転し、ディーゼル・
エンジンに回転力を与える。このエンジン始動に伴っ
て、エマルション・コントローラ16は、スタータ・ス
イッチのオン作動を検出することによりエンジン始動時
であると判断する。また、エマルション・コントローラ
16は、反応室温度センサ36から酸化触媒反温度信
号、燃焼温度センサ35から排気ガス温度信号、供給流
量センサ20からエマルション燃料の流量信号、リター
ン流量センサ21から戻り燃料の流量信号、各残量セン
サ17、18、19、33から残量信号等を受け取り、
最適な水比率のエマルション燃料の生成・供給を開始可
能な状態とする。
【0049】図2および図3の制御フローチャートに示
すように、スタータ・スイッチのオン作動などに伴うエ
マルション・コントローラ16への電源投入により、ス
テップ1でエマルション・コントローラ16が内部のメ
モリを初期化し、ステップ2でエンジン始動信号の読み
込みを行い、エンジンが始動されたことを確認したとき
は、ステップ3に進んでエンジン始動時からタイマで計
時を開始する。なお、このフローチャートでは省略して
いるが、ステップ2でエンジンの始動を確認できないと
きは、ステップ3に進むことなく、エンジン始動を確認
し続ける。
【0050】次いで、ステップ4でアクセル開度センサ
39からアクセル・ペダルの踏み込み量を読み込み、供
給すべき燃料量のコントロールに利用する。ステップ5
で冷却水温度センサ26からエンジン冷却水温度を読み
込む。続くステップ6で、読み込んだ冷却水温度に対応
し始動時制御に必要な所定経過時間を、予め実験結果等
に基づき作成した冷却水温度〜所定経過時間のマップか
ら読み出す。
【0051】ステップ7で水比率の始動時制御を開始す
る。すなわち、このエンジン始動時には、エマルション
・コントローラ16が、水タンク5用、乳化剤カートリ
ッジ6用、およびリターン・リザーバ31用の各流量可
変制御バルブ12、13、14を閉じ、軽油タンク4用
の流量可変制御バルブ11のみをアクセル・ペダル踏み
込み量に応じた分(通常は、アイドル運転相当分)の流
路面積の大きさに開いて燃料ポンプ7のみを駆動し、そ
の他のポンプ8〜10は停止したままにしている。
【0052】したがって、エンジン始動時にあっては、
流量可変制御バルブ11から静止型ミキサ15を経て軽
油だけ(したがって、水比率0%の燃料)の燃料が、噴
射ポンプ23へ送られる。噴射ポンプ23は、エンジン
・コントロール・ユニット38により制御され、上記1
00%の軽油を燃料噴射弁22から最適な噴射量で噴射
時期に最適な噴射期間だけ、あらかじめ吸気ポート27
から空気が吸入されている燃焼室41内へ噴射弁22か
ら噴射させる。吸気弁29、排気弁30が吸気ポート2
7、排気ポート28を閉じた状態のシリンダ25内をピ
ストン24が上昇すると、空気に圧縮熱が発生し、噴射
された軽油へ着火する。この燃焼によるガス膨張は、ピ
ストン24を押し下げ、エンジンを回転駆動する。
【0053】始動時は、燃料が100%軽油であり水が
入っていないので、通常のディーゼル・エンジンと同様
に容易に始動することが可能となる。このとき、酸化窒
素化合物(NOx)の発生については、積極的な対策は
できないものの、エンジンは冷えており、またアイドル
運転状態にあることから、エンジンから排出される排気
ガス中のNOxの発生量は少ない。
【0054】一方、このとき煤などのPMは増大する
が、多量に発生したPMは、DPF34で捕捉して燃焼
することで対処可能である。すなわち、エンジン始動時
は、DPF34の反応室温度センサ36における検出温
度が酸化触媒活性化温度より低いので、プレヒータ・コ
ントローラ37は、電気ヒータ43を急速に加熱するほ
か、軽油100%の燃焼となることで、排気ガスの温度
を高め、できるだけ早くDPF34を温めて、エンジン
から排出されたPMをDPF34の酸化触媒反応室34
aで酸化し、排気ガスを浄化する。
【0055】また、エンジン始動とともに、リターン・
リザーバ31に設けた撹拌器44を回転駆動させること
で、それまで長時間エンジン停止していてリターン・リ
ザーバ31内のエマルション燃料が燃料と水に分離して
いたとしても、再度攪拌することでエマルション化を促
進し、この戻りエマルション燃料を直ちにエンジンへの
供給燃料として利用できるようにする。
【0056】次のステップ8に進むと、上記計時時間が
所定経過時間となったか否かを判定し、まだ所定経過時
間に達していなければステップ3に戻って始動時制御を
継続し、所定経過時間に達したらステップ9へ進み、水
無しの始動制御を停止して通常の水比率制御を開始す
る。ステップ10で、再度アクセル・ペダル踏み込み量
信号を読み込む。ステップ11では、読み込んだアクセ
ル・ペダル踏み込み量が所定踏み込み量(所定値であ
り、ここではキックダウン相当開度に設定する)以上で
あるか否かを判定する。
【0057】所定踏み込み量未満であればトルク不足で
はないと判断してステップ12に進み、アクセル・ペダ
ル踏み込み量が増大するほど水比率が多くなるように設
定したアクセル・ペダル踏み込み量〜水比率のマップを
参照し、ステップ10で読み込んだアクセル・ペダル踏
み込み量に応じた水比率となるようなエマルション燃料
を作り出し、通常の水比率制御を実行する。
【0058】この際、エマルション・コントローラ16
は、燃料タンク4用、水タンク5用、乳化剤カートリッ
ジ6用、およびリターン・リザーバ31用の各ポンプ
7、8、9、10を駆動させるとともに、各流量可変制
御バルブ11、12、13、14の流路面積が、アクセ
ル・ペダル踏み込み量に応じて決定された最適な水比率
となる割合で開くようにし、軽油、水、乳化剤を静止型
ミキサ15へ供給するように制御する。この結果、燃料
噴射弁22へはアクセル・ペダル踏み込み量に応じた最
適な水比率のエマルション燃料が供給され、排気浄化性
能(特にNOxの低減)と動力性能の両立が可能とな
る。
【0059】ここで、上記アクセル・ペダル踏み込み量
〜水比率のマップとしては、軽油:水がたとえば、アク
セル・ペダル踏み込み量が小さい範囲では95:5、ア
クセル・ペダル踏み込み量が中程度の範囲では85:1
5、アクセル・ペダル踏み込み量が大きい範囲では8
0:20と、なるようにする。このステップ12の終了
後、ステップ10に戻り、新たにアクセル・ペダル踏み
込み量を読み込む。
【0060】一方、読み込んだアクセル・ペダル踏み込
み相当量が所定値以上のときはトルク不足であると判定
してステップ13へ進み、上記通常走行時における水比
率よりも小さく水比率(ここでは、水比率をたとえば0
%に設定する)にした水比率減少制御を実行する。この
結果、動力性能(この場合にはトルクの大きさ)が向上
し、急勾配の登坂や急追い越しにあってもトルク不足に
陥ることない走行が可能となる。
【0061】なお、この水比率減少制御時にあっては、
負荷大となっているので、エンジン回転速度も上昇を抑
えられるので、通常走行時に比べPMは増すものの、N
Oxは減少する。一方、増加するPMは、DPF34で
捕捉し、ここで燃焼する。また、このようなトルク不足
の期間は短期間であるのがほとんどであるから、この点
からも排気浄化性能の低下は走行全体からみて小さいと
言える。
【0062】続いて、ステップ14でアクセル・ペダル
の踏み込み相当量を新たに読み込む。ステップ15で
は、アクセル・ペダル踏み込み量が設定値以上か否かを
判断する。ここで、設定値は、上記所定値より小さい値
に設定してあり、急加速時や急勾配の登坂時に要求され
る強力なトルクがもはや不要としてドライバーがアクセ
ル・ペダルを戻すアクセル・ペダル踏み込み相当量の大
きさにする。
【0063】ステップ15でアクセル・ペダル踏み込み
量が設定値以上と判断したら、まだ強力なトルクが必要
であるとしてステップ13へ戻り水比率減少制御を継続
する。一方、アクセル・ペダル踏み込み量が設定値未満
になったと判断したら、強力なトルクはもはや不要であ
るとしてステップ16で水比率減少制御を停止した後、
ステップ12へ進み通常の水比率制御に戻る。
【0064】次に、エンジン停止時にあっては、上記制
御フローチャートには記載していないが、エマルション
・コントローラ16は、エンジン停止信号を受け取った
ら、この時点から設定時間、水無し、すなわち軽油10
0%の燃料に切り換えて運転することにより、エンジ
ン、排気系部品に水が残り腐食するのを防止するように
している。
【0065】なお、排気ガス中のPMは、DPF34に
入り、ここの酸化触媒反応室34a内の酸化触媒により
酸化されてCOに変えられる。また、排気ガス中の炭
水化物(HC)も同様に、DPF34の酸化触媒反応室
34aでCOとHOとに変えられる。燃え残った灰
分は、酸化触媒反応室34a下流の灰分蓄積室で捕集さ
れ、外には排出されない。ただし、この灰分の量は少な
い。
【0066】反応室温度センサ36で検出した酸化反応
室温度に関する情報信号が、エマルション・コントロー
ラ16に入力され、酸化反応室温度が異常に上昇し内部
のフィルタや触媒等が破損する虞がある場合は、エマル
ション・コントローラ16が水比率を基本水比率より増
やし排気ガス温度を低下させるようにする。また逆に、
DPF34内部の温度を急激に上げて酸化促進したいと
きは、水比率を基本水比率より減少するようにする。
【0067】以上のように、上記実施例におけるディー
ゼル・エンジンの排気浄化装置では、アクセル・ペダル
の踏み込み量の大きさに応じて水比率を制御することに
よりエンジンの幅広い稼働範囲で常にNOxの発生を減
らして排気浄化性能を高めながら、必要な動力性能を確
保できる。そして、急勾配での登坂時や急加速時には、
ドライバーがアクセル・ペダルを所定値(キックダウン
相当)まで踏み込めば、上記通常の水比率制御から、こ
れより水比率を低減(たとえば水比率0%)させた水比
率低減制御に切り替えるようにしたので、強力なトルク
を確保でき急勾配での登坂や急加速が可能となり安心し
て走行することができる。この場合、NOxは若干増え
るもののエンジン回転数が抑えられること、かつその期
間も短いので、その総量はたいしたものではない。
【0068】なお、このとき大量に発生する煤等のPC
は、DPF34で浄化することが可能である。また、エ
ンジン始動時に水無し制御とし、この制御期間を冷却水
温度に基づき設定するようにしたので、エンジンを確実
に始動し暖機するまでエンジンを安定稼働させることが
可能となる。エンジン停止時は、同様に水無し制御とす
ることにより、エンジンや排気系部品に水が残りにくく
したので、これら部品に錆が発生するのを防止できる。
【0069】なお、本発明は、上記実施例に限られず、
以下の変形例あるいは修正例を用いることも可能であ
る。上記各実施例では、アクセル・ペダル踏み込み相当
量をアクセル開度センサ39で検出したが、これに代え
て供給流量センサ20で検出したエマルション燃料の供
給流量あるいは、この供給流量からリターン流量センサ
21で検出した戻り燃料流量を引いた流量差を用いても
よく、これらの値でトルク不足の判定、水比率の決定を
行うことができる。この場合、図1の実施例のように、
エンジン・コントロール・ユニット38側から情報信号
を受け取る必要がなく、各社、各車両でエンジン・コン
トロール・ユニットや情報信号の授受方式が異なってい
ても、これらを知ることなく適用できるといったメリッ
トがある。
【0070】また、上記実施例では、アクセル・ペダル
の踏み込み相当量が所定値以上となるときのみ、急加速
時や急勾配での登坂時等にあって強力なトルクが必要な
状況にあるとして水比率低減制御に切り替えるようにし
ているが、アクセル・ペダルの踏み込み速度が所定速度
以上の場合に上記所定値の大きさを低減するようにすれ
ば、ドライバーが加速を要求している意思をより確実に
把握できる。
【0071】さらに、水比率決定手段により、アクセル
・ペダル踏み込み相当量が所定値以上、あるいはアクセ
ル・ペダル踏み込み速度が所定速度以上となったことが
検出された後、所定期間内にアクセル・ペダルの踏み込
み相当量が所定量以上減少方向に戻されないときには強
力なトルクをドライバーが望んでいるものとして燃料に
対する水比率を減少させるように決定し、これとは反対
に上記検出後、所定期間内にアクセル・ペダルの踏み込
み相当量が所定量以上減少方向に戻されたときは、いわ
ゆる「アクセル・ペダルのちょい踏み」でありドライバ
ーが強力なトルクを望んだものではないとして、燃料に
対する水比率の減少の制御を実行しないようにしても良
い。
【0072】このようにすれば、ドライバーが真に強力
なトルクを望むときだけ、ドライバーの要求どおり強力
なトルクを得ることができる。一方、いわゆるアクセル
・ペダルのちょい踏みでドライバーが強力なトルクを真
に望んだものではないときは、水比率の減少制御を実行
しないようにして、無駄なエンジンのトルク・アップを
防止し、かつ排気浄化性能を低下させることもなくな
る。
【0073】なお、上記実施例における水ポンプ8ある
いは/かつ乳化剤ポンプ9は、必須のものではなく、水
や乳化剤を静止ミキサ15へ流れ込む燃料中へ吸引させ
るようにすることも可能である。また、乳化剤は、上記
実施例のように燃料タンクと別体の乳化剤カートリッジ
に蓄えておくのではなく、燃料タンクに予め燃料に混ぜ
て入れておくようにしても良い。この場合、乳化剤供給
装置は、実質的に燃料供給装置が担うことになる。
【0074】一方、DPF34での煤等のPMの酸化燃
焼は、エンジン始動時とともに即実行する必要はなく、
PMをDPF34のフィルタで捕捉しておき、フィルタ
の目詰まりが所定以上になった時点あるいは離散させた
定期時間ごとに電気ヒータ43を発熱させるようにして
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るディーゼル・エン
ジンの排気浄化装置を含むパワー・トレイン全体を示す
図である。
【図2】図1のディーゼル・エンジンの排気浄化装置に
おいて水比率調整を制御するための制御フローチャート
の前半部である。
【図3】図2の制御フローチャートの後半部である。
【符号の説明】
2 ディーゼル・エンジン 4 軽油タンク 5 水タンク 6 乳化剤カートリッジ 11 燃料用流量可変制御バルブ 12 水用流量可変制御バルブ 13 乳化剤用流量可変制御バルブ 15 静止型ミキサ 16 エマルション・コントローラ 20 供給流量センサ 21 リターン流量センサ 22 燃料噴射弁 34 DPF 39 アクセル開度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 25/02 P T Fターム(参考) 3G092 AA02 AB03 AB12 AB16 AB17 BA03 BA04 BA07 BB01 BB05 BB20 DE06S DE10S DF03 DF09 DG09 EA01 EA02 EA11 EC01 EC02 FA01 FA04 FA05 FA06 GA03 GA06 GA12 HA11X HA11Z HB01X HB01Z HB05X HB05Z HE01Z HE06Z HF08Z HF09Z 3G301 HA02 HA24 JA02 JA04 KA09 LB11 LB13 LB17 LC10 MA11 NA08 NB12 NB20 NE01 NE04 NE18 PA17Z PE01Z PF03Z PF04Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼル・エンジンの燃焼室へ燃料を
    噴射する燃料噴射弁と、 燃料を供給可能な燃料供給装置と、 水を供給可能な水供給装置と、 乳化剤を供給可能な乳化剤供給装置と、 アクセル・ペダル踏み込み相当量を検出可能な負荷量検
    出手段と、 前記燃料供給装置から供給する燃料に対する前記水供給
    装置から供給する水の比率を可変に調整する水比率調整
    装置と、 前記乳化剤、前記燃料および前記水とからエマルション
    燃料を作り出し、該エマルション燃料を前記燃料噴射弁
    へ供給可能なミキサと、 前記負荷量検出手段で検出した前記アクセル・ペダル踏
    み込み相当量に応じて前記燃料に対する水比率を決定す
    るとともに、前記アクセル・ペダル踏み込み相当量がア
    クセル・ペダルの実質最高踏み込み状態に相当する所定
    値以上にあるときは、前記アクセル・ペダル踏み込み相
    当量が前記所定値より小さいときに比べて前記燃料に対
    する水比率を低下させるように該水比率を決定し前記水
    比率調整装置を制御する水比率決定手段と、を備えたこ
    とを特徴とするディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記アクセル・ペダルの実質最高踏み込
    み状態における燃料に対する水比率を低下は、水が実質
    ゼロとなる比率まで低下させることを特徴とする請求項
    1に記載のディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記水比率決定手段は、アクセル・ペダ
    ル踏み込み速度を検出し、該アクセル・ペダル踏み込み
    速度が所定速度以上の大きさとなるときは、前記所定値
    をより小さい値へ変更することを特徴とする請求項2に
    記載のディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記水比率決定手段は、前記アクセル・
    ペダル踏み込み相当量が所定値以上、あるいはアクセル
    ・ペダル踏み込み速度が前記所定速度以上となったこと
    が検出された後、所定期間内に前記アクセル・ペダルの
    踏み込み相当量が所定量以上減少方向に戻されないとき
    には前記燃料に対する水比率を減少させるように決定す
    るものの、前記所定期間内に前記アクセル・ペダルの踏
    み込み相当量が所定量以上減少方向に戻されたときには
    前記燃料に対する水比率の減少を実行しないようにした
    ことを特徴とする請求項3に記載のディーゼル・エンジ
    ンの排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記アクセル・ペダル踏み込み相当量
    は、前記燃料噴射弁に供給する燃料の流量に応じた値、
    あるいはこの供給流量と前記燃料噴射弁から排出される
    戻り燃料の流量との流量差に応じた値に対応させたこと
    を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のディー
    ゼル・エンジンの排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 前記アクセル・ペダルの踏み込み相当量
    が前記所定値以上か否かの検出は、キックダウン・スイ
    ッチを利用するようにしたことを特徴とする請求項1か
    ら5のいずれかに記載のディーゼル・エンジンの排気浄
    化装置。
  7. 【請求項7】 前記水比率決定手段は、前記燃料に対す
    る水比率の減少制御を実行中に、前記アクセル・ペダル
    踏み込み相当量が設定値より小さくなったら前記燃料に
    対する水比率の減少制御を中止するようにしたことを特
    徴とする請求項1から6のいずれかに記載のディーゼル
    ・エンジンの排気浄化装置。
  8. 【請求項8】 前記設定値は、前記所定値と異ならせ、
    前記燃料に対する水比率の減少制御の開始を決定するア
    クセル・ペダル踏み込み相当量と前記燃料に対する水比
    率の減少制御の終了を決定するアクセル・ペダル踏み込
    み相当量との間にヒステリシスを設定するようにしたこ
    とを特徴とする請求項7に記載のディーゼル・エンジン
    の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】 前記水比率決定手段は、前記所定値より
    小さいアクセル・ペダルの踏み込み相当量域にあって
    は、前記アクセル・ペダル踏み込み相当量が増加するに
    伴って前記燃料に対する水比率も増加するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のディ
    ーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  10. 【請求項10】 前記水比率決定手段は、ディーゼル・
    エンジンの始動時から所定経過時間、あるいはエンジン
    冷却水温度、前記リターン通路中の戻り燃料の温度、変
    速機の油温度のうちのいずれかの温度が所定温度に達す
    るまでの期間中は前記燃料に対する水比率を実質的にゼ
    ロとすることを特徴とする請求項1から9のいずれかに
    記載のディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  11. 【請求項11】 前記水比率決定手段は、ディーゼル・
    エンジンの停止信号を検出してから設定時間経過まで水
    比率を実質的にゼロとすることを特徴とする請求項1か
    ら10のいずれかに記載のディーゼル・エンジンの排気
    浄化装置。
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