JP2003254019A - 内燃機関用バルブステムシール - Google Patents

内燃機関用バルブステムシール

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    • F01L2810/02—Lubrication

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作状態においてバルブステムを十分に潤滑
し、かつ静止状態においてバルブステムを良好にシール
するバルブステムシールを提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明のバルブシステムは、バルブステ
ムを取り囲み、かつ弾性材料からなる少なくとも一つの
シールリップを含む内燃機関用バルブステムシールであ
って、シールリップ（５）の円周方向に等しく分配さ
れ、かつバルブステムに対向してシールリップ（５）に
設けられている複数の突起部（７）を含み、突起部がシ
ールリップ（５）の内径よりも内側に配置されているこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はバルブステムシール
に関する。より詳細には、本発明は、バルブステムを取
り囲み、かつ弾性材料からなる少なくとも一つのシール
リップを含む内燃機関用バルブステムシールに関する。
【０００２】バルブステムシールに関する問題の一つ
は、潤滑油をバルブステムに十分に供給しなければなら
ないことにある。この場合、供給する潤滑油の量が少な
すぎる場合にも、多すぎる場合にも好ましくなく、潤滑
油の量は可能なかぎり正確に調整されなければならな
い。
【０００３】
【従来の技術】バルブステムに潤滑油を供給する方法が
開示されている（例えば特許文献１参照）。この方法で
は、バルブステムガイドに、油取入れ口となるリング形
状の隙間を画定する２つのシールリップを有するシール
が取り付けられる。バルブステムの軸方向の運動によっ
てポンプ作用が生じ、その結果、潤滑油がバルブステム
とバルブステムガイドの間に達する。しかしながら、こ
の潤滑又はシールの効果は完全に満足できるものではな
い。
【０００４】潤滑剤の流量を制御する別の方法が開示さ
れている（例えば特許文献２参照）。この方法では、バ
ルブステムの表面の、シールリングの領域内に小さなオ
イルポケットが組み込まれ、その結果、バルブステムの
潤滑が可能となる。しかしながら、この方法も十分に満
足できるものではない。
【０００５】往復する機械要素において設定された漏れ
を可能とし、かつさらにバルブステムとシールリップの
中心ガイドを備えるバルブステムシールが開示されてい
る（例えば特許文献３参照）。このバルブステムシール
には、同心状の複数の分離したセンタリングリップを形
成するリング状のバルジ部分が、シールリングの内側の
底面の円周方向に沿って隔置するように設けられ、この
リング状のバルジ部分の内径がシールリップの内径より
も大きいことによって、設定された漏れが可能となる。
【０００６】
【特許文献１】米国特許第4,125,265号明細書
【０００７】
【特許文献２】独国実用新案G9000671.2号明細書
【０００８】
【特許文献３】欧州特許出願公開第1087108号明細書
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】上記の公知技術水準か
ら出発して、動的領域内、動作状態においてバルブステ
ムを十分に潤滑し、かつ静的領域内、静止状態において
バルブステムを良好にシールするバルブステムシールを
提供することを課題とする。油、潤滑油の損失量は最小
でなければならず、漏れ速度は、製品の寿命全体にわた
って安定し、かつ低くなければならない。さらにバルブ
ステムシールは、公差が著しく小さい機械構造に適用さ
れる場合に、その内燃機関の使用開始時に、通常運転の
場合よりも大きな流量で潤滑剤を流すことが可能でなけ
ればならない。短い期間、内燃機関を慣らし運転した後
には、漏れが所望の低い流量に減少しなければならな
い。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記課題は、冒頭に記載
した形式のバルブステムシールにおいて、シールリップ
の円周方向に等しく隔置、分配され、かつバルブステム
に対向して設けられている複数の突起部を含み、突起部
の内径、複数の突起部によって形成される円の直径がシ
ールリップの内径よりも小さいバルブステムシールによ
って解決される。すなわちバルブステムを取り囲み、か
つ弾性材料からなる少なくとも一つのシールリップを含
むバルブステムシールであって、シールリップの円周方
向に等しく隔置、分配され、かつバルブステムに対向し
て設けられている複数の突起部を含み、これらの突起部
又は突起部の半径方向内側先端部がシールリップの内径
よりも内側に配置されているバルブステムシールによっ
て、上記課題は解決される。この構成によって、シール
リップはバルブステムからわずかに隔置され、通常運転
において予定されるよりも多くの量の油、潤滑油を供給
することが可能となる。突起部は、その突起部がシール
リップを部分的にのみ、突起部の作用領域内でバルブス
テムから持ち上げるように又は隔置するように形成さ
れ、配置されている。突起部の数と形状によって、潤滑
油の設定流量を極めて正確に決定することができる。
【００１１】突起部は、内燃機関が予め設定された運転
時間を経過した後に、摩滅しているように形成されてい
る。この摩滅する過程は、材料の選択によって予め決定
することができる。これに加えてこの摩滅する過程は、
突起部の数と形状によって影響される。突起部は円錐形
状に形成されていることが好ましく、この構成によっ
て、突起部の摩滅が進むにつれて潤滑油の流量が減少す
るという効果が得られる。その上、突起部の摩滅が進む
につれて突起部の摩滅の進行自体は遅くなっていく。
【００１２】この本発明による新規のバルブステムシー
ルによって、内燃機関の使用開始時には潤滑油の高い漏
れ流量が得られ、十分な潤滑が保証される。短い期間、
慣らし運転した後には、漏れ速度が所望の値に下げられ
る。
【００１３】
【発明の実施の形態】さらに本発明を添付の図面を参照
して、以下により詳しく説明する。
【００１４】図１には、バルブステムシール１の部分断
面図を透視図により示す。このバルブステムシール１
は、金属薄板からなる保持エレメント２より形成され、
この保持エレメント２にはシールエレメント３が固定さ
れている。シールエレメント３は、ポリマー材料から製
造されている。シールエレメントは、リング状のバルジ
部を有する静的なシール部又は固定シール部４を有し、
このシール部によってシールエレメントは、図示されて
いないバルブステムガイドに取り付けられる。シールエ
レメント３はその上端部にシールリップ５を有し、シー
ルリップ５は、バルブステムシール１がバルブステムに
取り付けられて完成した状態でバルブステムに密着す
る。シールリップ５は、付加的にさらにリング状テンシ
ョンばね、リング状引張ばね６によってバルブステムに
押しつけられる。シールリップ５には、その内側に、周
方向に沿って複数の突起部７が設けられている。複数の
突起部７によって形成される円の直径はシールリップ５
の内径よりも小さい。すなわちバルブステムの軸に関し
て、突起部７の内径はシールリップ５の内径より小さ
い。突起部７又はその先端部はシールリップ５の内径よ
りも内側に配置され、突起部７の先端と軸との距離は、
シールリップ５の半径よりも小さい。突起部７を、別個
にシールリップ５に吹き付け、適用することもできる
し、シールリップ５と一緒に加圧して、シールリップ５
に直接形成することもできる。これら突起部７を、シー
ルリップ５自体と比較して耐摩耗性が低い材料及び／又
はシールリップ５と同じ材料から形成することができ
る。
【００１５】突起部７は、Ｄの部分を拡大した図に示す
ように円錐形状及び／又は直線的な形状とすることがで
きる。代替的には突起部７の形状を、円柱形、角錐形、
円錐形、又はさらに平行六面体形とすることができる。
【００１６】
【発明の効果】本発明は、内燃機関用バルブステムシー
ルに関し、このバルブステムシールは、バルブステムを
取り囲み、かつ弾性材料からなる少なくとも一つのシー
ルリップを含み、シールリップ（５）の円周方向に等し
く分配されているとともにバルブステムに対向してシー
ルリップ（５）に設けられている複数の突起部（７）を
含み、突起部の内径がシールリップ（５）の内径より小
さい。この構成により、動作状態においてバルブステム
を十分に潤滑し、かつ静止状態においてバルブステムを
良好にシールするバルブステムシールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のバルブステムシール１の部分断面図を
示す。
【符号の説明】
１ バルブステムシール ２ 保持エレメント ３ シールエレメント ４ 固定シール部 ５ シールリップ ６ テンションばね ７ 突起部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 バルブステムを取り囲み、かつ弾性材料
    からなる少なくとも一つのシールリップを含む内燃機関
    用バルブステムシールであって、 前記シールリップ（５）の円周方向に等しく分配され、
    かつ前記バルブステムに対向して前記シールリップ
    （５）に設けられている複数の突起部（７）を含み、該
    突起部が前記シールリップ（５）の内径よりも内側に配
    置されていることを特徴とする内燃機関用バルブステム
    シール。
  2. 【請求項２】 前記突起部（７）の作用領域内におい
    て、前記突起部が前記シールリップ（５）を部分的にの
    み前記バルブステムから隔置するように、前記突起部
    （７）が形成され、配置されている請求項１記載の内燃
    機関用バルブステムシール。
  3. 【請求項３】 前記突起部（７）が、前記内燃機関の予
    め設定された運転時間経過後に摩滅する請求項１又は２
    記載の内燃機関用バルブステムシール。
  4. 【請求項４】 前記摩滅する過程が、前記突起部（７）
    の数及び／又は形状によって予め決定される請求項３記
    載の内燃機関用バルブステムシール。
  5. 【請求項５】 前記摩滅する過程が、材料の選択によっ
    て、予め決定又は部分的に決定される請求項３又は４記
    載の内燃機関用バルブステムシール。
  6. 【請求項６】 前記突起部（７）が、円錐形状及び／又
    は直線的な形状に形成されている請求項１〜５のいずれ
    か１項に記載の内燃機関用バルブステムシール。
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