JP2003253594A - 白板紙 - Google Patents
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Abstract
面層の印刷部に部分的なインク剥がれを起こすことがな
く、また、裏面の印刷適性に優れると共に、オフセット
印刷作業性及び打ち抜き作業性の高い白板紙を提供す
る。 【解決手段】 2層以上を抄合わせて形成されている白
板紙の裏面に、該裏面の動摩擦係数振幅が0.10以下
となる顔料塗工層、特に全顔料に対して65質量%を超
える割合の板状顔料を含有する顔料塗工層を有すること
を特徴とする白板紙。
Description
のであり、さらに詳しくは、裏層に低白色度パルプ、特
に古紙パルプが多配合されている白板紙において、裏面
にオフセット印刷をした場合のインキ発色性、印刷光沢
等に優れるとともに、表面にオフセット印刷をした後、
表面と裏面とが擦れても表面印刷部分のインク剥がれが
生じず、また打ち抜き作業性に優れた白板紙に関する。
ターパック等)、紙製品用(見本帳台紙、アルバム
等)、出版用(雑誌、本等)、商業印刷用(カタログ、
パンフレット等)に使用されている。白板紙を大きく分
類すると、マニラボールと白ボールとに分けられる。マ
ニラボールは、一般に、表層に晒化学パルプ、中層、裏
層には砕木パルプや古紙パルプが抄合わされているもの
であり、メニュー、カード類、美術本、絵本などの厚手
印刷物及び打ち抜きの小型印刷箱(医薬品、化粧品、石
鹸、タバコ、キャラメル、冷凍食品などの個包装用並び
に液体食品用)等に利用されている。白ボールは表層に
晒化学パルプ、中層、裏層には古紙パルプを抄合わせて
いるものであり、マニラボールに比べると一般に厚手
で、通常は、何らかの印刷を施して折り畳み箱(食料
品、洗剤、繊維製品、雑貨用)等に用いられる。マニラ
ボール、白ボール、いずれにも塗工品(コート)と未塗
工品(ノーコート)がある。
し、使用する機械の高速化とも相まって、白板紙に対す
る要求は一層厳しくなってきている。従来、白板紙の表
面にオフセット印刷が施される場合、特に、紙器の高級
感を出したり、印刷の絵柄が厳しい場合には、一般にマ
ニラボールが使用されてきた。また、白板紙の裏面にも
オフセット印刷をする場合、裏面のオフセット印刷適性
に優れたマニラボールが専ら使用されてきた。しかし、
近年、白ボールの方がマニラボールより割安感があるた
めに、従来、マニラボールが使用されていた用途にも白
ボールが使用されることが多くなってきた。即ち、白ボ
ールにも裏面にオフセット印刷をする場合が見受けられ
るようになってきた。
ルプを多配合している白板紙は、抄紙機のリールパート
で紙を巻き取る際、或いは、印刷に先立って何百、何千
枚もの紙を重ねて置いておいた際に、裏面のパルプ繊維
が表面の塗工面に付着し、表面にオフセット印刷する際
にブランケットや刷版に紙面から転移し、これが印面の
白抜けを引き起こすという問題が生じる。
裏面のパルプ繊維が多く転移するため、厳しい絵柄の印
刷を施すことは避けられていたのが実状であった。ま
た、実際、裏面の白色度が一般に低い白ボールにオフセ
ット印刷を施しても、インキの発色が悪く冴えない印面
になってしまうのが常であったので、裏面に印刷する白
板紙については、従来、裏層に晒化学パルプ、晒機械パ
ルプ、脱墨古紙パルプ等を配合することが行われてき
た。
するための他の手段としては、特開平11−27998
5号公報に、裏面にポリビニルアルコール、ポリアクリ
ルアミドを塗布する技術が開示されている。また、その
他の白抜け防止の手段としては、裏層に紙力増強剤を内
添させること、裏層パルプ中の古紙配合量を減らすこ
と、繊維長の長い古紙パルプを使用すること、古紙パル
プ中に含まれる短繊維分をスクリーンや洗浄機で部分的
に除去すること、或いはパルプをニーディング処理をし
た後配合すること、等が既に行われている。
上がりを改善するために、特開2000−192395
公報には、裏面に顔料塗被組成物の接着剤として、ガラ
ス転移温度が−50〜0℃であるラテックスを顔料10
0重量部に対して12〜25重量部配合し、且つ該顔料
塗被組成物の塗工量を3〜20g/m2としたコート白
ボールの製造技術が開示されている。
塗工した白板紙にオフセット印刷を連続的に施すと、印
刷機から印刷された紙が出てくる際、或いは印刷後の紙
山を移し替える際、さらには後工程で打ち抜き、罫入れ
した後、紙が重なる際に、印刷された表面と上の紙の裏
面とが擦れることによって、部分的なインク剥がれが発
生するなどの問題を有しており、未だに裏印刷の適性に
優れると共にオフセット印刷作業性の高い白板紙の開発
には至っていないのが現状である。
終製品である箱を作るために立体構造物を展開して平面
構造に変換した形に切刃で打ち抜き、且つ、折り目とな
る罫を入れる過程)では、「抜型」と呼ばれる雌・雄構
造を持った装置で板紙が所望の形状に打ち抜かれるが、
裏面に顔料塗被組成物を塗工した白板紙については雌型
のエッジ部の摩耗が激しく、寿命が短くなるという問題
があった。
抄きあわせ、裏面に顔料塗被組成物による顔料塗工層を
形成した白板紙において、オフセット印刷後に表面と裏
面が擦れても表面層の印刷部に部分的なインク剥がれを
起こすことがなく、また、裏面の印刷適性にも優れると
共に、オフセット印刷作業性及び打ち抜き作業性の高い
白板紙を提供することを目的とするものである。
状に鑑み、オフセット印刷後の表面と裏面が擦れること
による部分的なインク剥がれを防止するための技術につ
いて鋭意検討した結果、白板紙の顔料塗被組成物が塗工
された裏面において、顔料塗工層表面の微小な凹凸がオ
フセット印刷後の擦れに大きく影響することを見出し、
また、更に、特定の形状の顔料粒子を特定の量配合する
ことにより、裏印刷の適性に優れると共に、オフセット
印刷作業性及び打ち抜き作業性の高い白板紙を製造でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明
は、以下の各発明を包含する。
る白板紙の裏面に、該裏面の動摩擦係数振幅が0.10
以下となる顔料塗工層を有することを特徴とする白板
紙。
層からなるか、又は表層、表下層、一層以上の中層及び
裏層の4層以上からなる白板紙であることを特徴とする
(1)記載の白板紙。
65質量%を超える割合の板状顔料を含有することを特
徴とする(1)又は(2)に記載の白板紙。
カオリン、タルク及び雲母から選ばれた少なくとも1種
であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項
に記載の白板紙。
m以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれ
か1項に記載の白板紙。
10g/m2であることを特徴とする(1)〜(5)の
いずれか1項に記載の白板紙。
て、平均粒子径が5μm以上の滑剤を、全顔料100質
量部に対して0.5質量部以上の割合で含有することを
特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の白板
紙。
上であるステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワック
ス、金属石鹸系及びステアリン酸亜鉛から選ばれた少な
くとも1種であることを特徴とする(7)記載の白板
紙。 (9)白板紙は表面に顔料塗工層を有することを特徴と
する(1)〜(8)のいずれか1項に記載の白板紙。
被組成物を塗工した白板紙であって、裏面の動摩擦係数
振幅が0.10以下となるように顔料塗工層が形成され
た白板紙である。
することの正確な理由は、今後のさらなる研究を待たな
ければならないが、現段階では以下のように推測され
る。即ち、裏面に顔料塗被組成物を塗工することによ
り、水素結合或いは接着剤により結合したパルプ繊維の
ネットワーク上に、より細かい顔料粒子が表面に付着し
た構造となるが、裏面の動摩擦係数振幅が0.10を越
えるものの場合は、裏面にミクロな突起が比較的多くあ
るために、表面にオフセット印刷を施した後に表面と裏
面が擦れると、表面印刷物の表面のインクが部分的に掻
き落とされキズ状となってしまう。一方、裏面の動摩擦
係数振幅が0.10以下のものの場合は、裏面のミクロ
な突起が比較的少ないために、オフセット印刷後に表面
と裏面が擦れても、表面印刷層を荒らすことはない。
は、「抜型」と呼ばれる雌(通常プラスチック等の樹脂
類や金属、紙等の素材で作製された厚さ1〜3mmのボ
ードに溝が設けられたもの)・雄(打ち抜き刃)構造を
持った装置で板紙が所望の形状に打ち抜かれるが、雌型
のエッジ部の摩耗も、前記印刷表面の擦れと同様の作用
機構で抑えられるため、抜型の寿命が延びることとな
る。
るための有効な手段として、顔料塗被組成物に含有され
る顔料の形状が重要である。即ち、顔料の形状が板状、
薄片状のものであれば、塗工層表面の動摩擦係数振幅が
小さくなる傾向であり、球状、柱状、紡錘状、針状、或
いは不定形であれば微小な突起があるために、これが表
面印刷部と裏面との擦れによる印刷層の荒れ、或いは、
抜型の短命化の大きな原因になっているものと考えられ
る。
するための顔料塗被組成物に使用される顔料としては、
前記したように、白板紙の裏面に、該裏面の動摩擦係数
振幅が0.10以下となる顔料塗工層を形成することが
できる顔料を使用することは必須である。そのような顔
料塗工層は、板状顔料を含有する顔料塗被組成物を裏面
に塗工することによって形成することができる。前記板
状顔料としては、板状又は薄片状のカオリン、タルク、
合成珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム及び雲母から
選ばれたものが好適に使用される。中でも、カオリン、
特にデラミカオリン等のような、さらに薄片状となるも
のは効果が大きく好ましい。
板状顔料は、全顔料に対して65重量%を越えて配合さ
れているのが好ましい。65重量%以下の配合では、前
記動摩擦係数振幅が0.10以上となりやすく、オフセ
ット印刷後の表面と裏面が擦れてキズになりやすい傾向
となる。
きい。本発明では平均粒子径が2μm以下の板状顔料が
好ましく配合される。平均粒子径が小さい程良好である
理由は、粒子の大きさが大きいとパルプ繊維に付着した
場合に突起が出来やすく、球状、柱状、紡錘状、針状或
いは不定形の顔料粒子と同様のことが起こるためと考え
られる。
少なくなる原因は以下のようにも考えられる。即ち、板
状の顔料は顔料塗被組成物に含有される接着剤等ととも
に、裏層のパルプ繊維の表面に付着するが、パルプ繊維
等比較的大きな繊維に接触面積が大きな状態で付着し、
この結果、裏塗工面に剥き出しとなる面には板状顔料が
きれいに面が並んだ状態となり、オフセット印刷後の表
面と接触しても、接触面積が大きいために応力が集中せ
ずインク層を引っ掻くことはない。一方、球状、柱状、
紡錘状、針状、或いは不定形の顔料粒子の場合には、微
小な突起が無数に裏面に出ているため、オフセット印刷
後の表面と接触する際に応力が集中し、インクを引っ掻
いてしまうものと考えられる。抜型の摩耗についても同
様であり、エッジ部を擦り寿命を短くするものと考えら
れる。本発明に規定する平均粒子径は、沈降法(セディ
グラフ)により測定し、累積質量が50%となる粒子径
を平均粒子径とした。
ては、一般に、紙・板紙への塗工又は紙への内添に使用
される顔料・填料が挙げられる。具体的に例を挙げるな
らば、チョーク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシ
ウム等の炭酸カルシウム類;炭酸マグネシウム類;ドロ
マイト等のカルシウム・マグネシウム炭酸塩類;カオリ
ン、天然クレー、焼成クレー、ろう石、ベントナイト、
長石、タルク(滑石)、雲母、ワラストナイト、合成珪
酸アルミニウム、合成珪酸カルシウム等の珪酸塩類;天
然ゼオライト、合成ゼオライト等の含水アルミノ珪酸塩
類;珪藻土、珪石粉、含水微粉珪酸(ホワイトカーボ
ン)、無水微粉珪酸等の珪酸類;合成水酸化アルミ等の
アルミニウム水和物;バライト、ブランクフィンクス等
の硫酸バリウム類;石膏、合成亜硫酸カルシウム等の硫
酸カルシウム、亜硫酸カルシウム類;アナターゼ型二酸
化チタン、ルチル型二酸化チタン等の二酸化チタン類;
リチウムアルミニウムカーボネート;等が挙げられる。
料塗工層中の成分として一般に紙・板紙の分野で使用さ
れている滑剤を使用することができる。中でもステアリ
ン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、金属石鹸系、
ステアリン酸亜鉛の成分のものは効果が擦れに対する相
乗効果が大きく、好適に使用される。また、上記滑剤の
平均粒子径は5μm以上のものが好ましい。一般的に塗
工紙分野で用いられている滑剤の粒径は5μm未満のも
のが多く使用されているが、5μm以上の特定の粒子径
をもつ滑剤は、カオリン、クレー、タルク、雲母等の顔
料と併用すると、印刷面と白紙面の接触を防ぐスペーサ
ーとして作用し、擦れ汚れの発生を効果的に抑制するだ
けでなく、摩擦係数を低下させ、所謂動摩擦係数振幅を
も小さくするという相乗的な効果がある。
対して0.5質量部未満ではその効果が小さいため0.
5質量部以上が好ましい。配合割合の上限については特
に限定するものではないが、多く配合すると抄紙機のカ
レンダー等にて汚れ等のトラブルが発生する場合がある
ため、通常5質量部程度までが好ましく使用され、さら
に好ましくは2質量部までが使用される。
成物における顔料以外の成分としては、通常、各種接着
剤、表面サイズ剤、耐水化剤等が使用される。接着剤と
しては、水系接着剤が好ましく、例えば、澱粉(リン酸
エステル化澱粉、カチオン化澱粉等の各種変性澱粉を含
む)、ラテックス類(スチレン−ブタジエン共重合体等
の共役ジエン系重合ラテックス、アクリル酸エステル及
び/又はメタクリル酸エステル重合体又は共重合体等の
アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共
重合体ラテックス等)、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白
等の蛋白類、各種ポリビニルアルコール、各種ポリアク
リルアミド、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、CM
C等各種セルロース誘導体、等が挙げられ、これら接着
剤から1種或いは2種以上選択して使用される。中で
も、ラテックスにバイブロン粘弾性により測定したガラ
ス転移温度が−50〜0℃のものを配合したとき、塗工
面の柔軟性が増し、耐折れ割れ性が向上するため、好適
に使用できる。ラテックスの配合部数としては顔料10
0質量部に対して10〜40質量部が好ましい。
成物における助剤としては、通常紙・板紙の表面・裏面
の塗工に使用される素材が適用でき、例えば、分散剤、
水酸化ナトリウム・アンモニア水等のPH調整剤、消泡
剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動性改良剤、スラ
イムコントロール剤、防腐剤、染料、着色顔料等があ
り、必要に応じて単独でも2種以上混合使用してもよ
い。
の塗工量としては0.5〜10g/m2が好ましい。
0.5g/m2未満では裏面への印刷後のインキ発色性
に問題があり、また10g/m2を越えるとインク発色
の面での発現効果に対しコストが多くかかり過ぎ好まし
くない。
は、シングル塗工でもダブル以上の多段塗工でもよく、
塗工設備としても種々のものが使用でき、例えばバーコ
ーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロ
ッドブレードコーター、ゲートロールコーター及びサイ
ズプレス等のロールコーター、カーテンコーター、ダイ
スロットコーター、グラビアコーター、チャンプレック
スコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター
等の塗工装置を設けたオンマシン或いはオフマシンコー
ターによって塗工することができるが、塗工装置はこれ
らに限定されるものではない。塗工・乾燥後の平滑化処
理は通常用いられるオンマシンキャレンダーやソフトキ
ャレンダー、グロスキャレンダーなどが使用できる。
以上を抄合わせることにより抄造される。即ち、少なく
とも、白色度の比較的高い表層と白色度の比較的低い裏
層の2層を有する原紙が使用される。しかし、白板紙の
米坪は200g/m2以上の場合が多いため、表層、裏
層の間に中層が存在する3層以上の構成が通常であり、
更に好ましくは、表層/表下層/中層(1層以上)/裏
層の4層以上で構成される。但し、原紙の層構成はこれ
らに限定されるものではない。
される。例えば、針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ化、
サルファイトパルプ化、アルカリパルプ化して得られる
晒化学パルプ、或いはコットンパルプ、リンターパル
プ、古紙パルプ等が挙げられる。古紙パルプとしては、
上白・カード、特白・中白・白マニラ、模造・色上、新
聞、雑誌、切付・中質反古、等の古紙より調製されたパ
ルプが挙げられるが、本発明に使用される古紙として限
定するものではない。これらの古紙は離解、除塵処理
後、そのまま使用されることもあるが、必要に応じて、
脱墨、漂白、インク分散、洗浄、等の各工程を経た後、
古紙パルプとして使用できる。
るが、表下層には、上記表層に使用されるパルプが使用
される他、針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ化、サルフ
ァイトパルプ化、アルカリパルプ化等して得られる未晒
化学パルプ、或いはGP(グラウンドパルプ)、TMP
(サーモメカニカルパルプ)等の機械パルプ、古紙パル
プが使用できる。古紙パルプとして、上記表層に使用さ
れる古紙の他、茶模造、段ボール、台紙・地券、ボー
ル、等より調製されるパルプが使用できる。但し、通常
は、表層と比較して低級な古紙、即ち中質繊維を多く含
んだ古紙が使用される。例えば、新聞、雑誌、色上、ボ
ール等の脱墨古紙が使用されるのが一般的であるが、本
発明はこれらのものを使用することに限定されるもので
はない。
層、表下層、裏層に使用されうる全てのパルプを使用す
ることができるが、中層は少なくとも表層と裏層の間に
挟まれる層であるため、通常は、白板紙の原紙を構成す
る層の内、最も低級なパルプが使用されるのが一般的で
ある。例えば、新聞、雑誌、切符、中質反古、茶模造、
段ボール、台紙、地券、ボール、等が挙げられる。これ
らの古紙は離解、除塵処理後そのまま使用されるのが一
般的であるが、必要に応じて、脱墨、漂白、インク分
散、洗浄、等の各工程を経た後使用されることもある。
但し、本発明はこれらの原料を使用したものに限定され
るものではない。
るパルプ全てを使用することが可能であるが、通常は、
新聞、雑誌、切符、中質反古、茶模造、段ボール、台
紙、地券、ボール等の古紙が、離解、除塵処理後そのま
ま使用される。勿論、離解、除塵処理後、必要に応じて
脱墨、漂白、インク分散、等の工程を任意に加えること
も可能であるが、本発明はこれらの処理をしたものを使
用したものに限定されるものではない。
るパルプスラリー組成物には、必要に応じて、適宜、紙
力増強剤、耐水化剤、撥水剤、発泡性マイクロカプセ
ル、サイズ剤、染料、歩留向上剤、填料、PH調整剤、
スライムコントロール剤、増粘剤、防腐剤、防黴剤、抗
菌剤、難燃剤、防腐剤、殺鼠剤、防虫剤、保湿剤、鮮度
保持剤、脱酸素剤、マイクロカプセル、発泡剤、界面活
性剤、電磁シールド材、帯電防止剤、防錆剤、芳香剤、
消臭剤等を選択し配合することができる。これらは複数
種併用することもできる。
塗被組成物を設置することができる。塗被組成物として
は、前記裏面への塗被組成物と同様のものが使用される
が、前記裏面への塗被組成物で限定した条件に制約され
るものではない。塗工量についても特に制限があるわけ
ではない。同様に表面への塗工方式についても、前記裏
面への塗工に使用可能な各種コーターをそのまま適用で
きる。
論、手抄により得ることも可能であるが、通常は、少な
くとも2つ以上のワイヤーパートを備えた多段式の抄紙
機により抄造される。単一のワイヤー型式としては、円
網式、長網式、傾斜式、ツインワイヤー式、等があり、
一般に製紙用として使用されている方式を多段に組み合
わせたワイヤーパートが通常使用される。例を挙げるな
らば、長網抄合わせ、短網抄合わせ、短網円網コンビネ
ーション、長網円網コンビネーション、等がある。ま
た、乾燥方法についても一般に製紙用として使用される
方式、例えばヤンキードライヤー、多筒式ドライヤー等
が使用されるが、白板紙は一般に紙厚が大きいことを考
慮すれば多筒式ドライヤーがより好ましい。
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。なお、実施例及び比較例において、「部」及
び「%」とあるのは、特に断らない限り「固形分質量
部」及び「質量%」を示す。実施例及び比較例に使用さ
れる裏面塗工用の原紙の作製方法、及び、諸物性の測定
方法を以下に示す。
み原紙)の作製>表層として、広葉樹晒クラフトパルプ
80%、針葉樹晒クラフトパルプ20%の割合で混合
し、白色度85%であるパルプを米坪50g/m2、表
下層として白色度65%の脱墨新聞古紙を米坪50g/
m2、中層として白色度40%の雑誌古紙を米坪150
g/m2、裏層として新聞古紙50%、雑誌古紙25
%、段ボール古紙25%の割合で配合したパルプを米坪
50g/m2でそれぞれ抄造し、抄合せ、プレス、乾燥
処理を行い米坪300g/m2の白板紙原紙を得た。
ー(商品名「ウルトラホワイト90」、エンゲルハード
社製)が60部、軽質炭酸カルシウム(商品名「ブリリ
アント15」、白石工業社製)が30部、二酸化チタン
(商品名「クロノスKA−15」、チタン工業社製)が
10部、接着剤として、顔料100部当たり、尿素リン
酸エステル化澱粉(商品名「ニールガムA−85」、ア
ベベ社製」が1部、カルボキシル化スチレン・ブタジエ
ン共重合体ラテックス(商品名「B−1525」、旭化
成社製)が16部である顔料塗被組成物をロッドブレー
ドコーターで塗工量が15g/m2になるように塗工
し、裏面塗工用の白板紙原紙を作製した。(以下、実施
例、比較例の説明の中では、この表面の塗工済み原紙を
単に「原紙」と称する。)
−187に規定される条件(室温23℃、湿度50%R
H)の下で前処理し、同条件の下で測定を実施した。
P8147(紙及び板紙の摩擦係数試験方法)に準じて
測定した。動摩擦係数については記載の通り。動摩擦係
数振幅については、摩擦の記録図を見ると、動摩擦が働
いている際に小さな振幅を起こすことがわかるが、この
動摩擦力の最大値と最小値の差(mN)を、錘による垂
直加重(mN)で除した値の平均値を動摩擦係数振幅と
した。
されている方法と同様の方法を用いたが、表面へのオフ
セット印刷後の擦れを確認するため以下の手法にて目視
評価した。即ち、オフセット印刷後の表面を想定し、白
板紙(UFコート350g/m2を使用)にRIテスト
印刷機にて藍の一色ベタ印刷を実施した後1時間程度I
SO−187の条件下に放置したものを使用し、また、
錘についてはJIS−P8147に準じた仕様のものと
し、その下面(基紙との接触面)に実施例及び比較例に
示す紙を、裏面が基紙とが接触するようセロハンテープ
にて取付け、定速伸張引張試験機(テンシロン)を用い
て100mm/分のスピードにて移動させ、同様の操作
を同じ場所について5回繰り返した後の基紙の印刷擦れ
具合を下記の通り官能評価にて測定した。評価点3以上
であればオフセット印刷後のインク擦れは問題ないレベ
ルである。
問題なし 評価点3・・・若干擦れが見られるが実用上問題ないレ
ベル 評価点2・・・擦れがはっきりと確認でき問題となるレ
ベル(問題あり) 評価点1・・・擦れが大きく印刷後の工程で大きな問題
となるレベル(問題大)
(板紙の耐摩耗強さ試験方法)に規定される試験装置を
用い、以下の方法により測定した。即ち抜型の雌型が金
属で作成されていることを想定し、装置の摩擦部の先端
に、市販のアルミホイルを20mm×35mm角に切り
取ったものを、摺動台との接触面にかからないようにセ
ロハンテープで固定し、また、摺動台には各実施例、比
較例に示したサンプル、及び、ブランクとして前記原紙
を25mm×200mmに切り取ったものを裏面が測定
面となるようにセットし測定に供した。また、摩擦部の
上部には錘を取り付け、トータルの加重は500gfで
あった。この条件のもとで、摺動回数を100回とし
て、試験後のアルミ箔の削れ状況をサンプル上に残った
アルミ微細粉の付着状況から以下のように評価した。
のないレベル ○・・・僅かに黒ズミが確認できルーペで確認すると付
着が確認できるレベル △・・・目視でも若干黒ずんでいるのがわかるレベル ×・・・黒ズミが明らかに酷いレベル
サンプルとして15cm×20cmのサンプル、及び比
較(ブランク)として、原紙(前記裏面に顔料塗被組成
物を施していない紙)を準備した。JIS−K5701
(平版インキ及び凸版インキの試験方法)に規定されて
いる展色装置(一般に紙パルプの分野でRI印刷機とし
て利用されている装置)を用い、インクとしてTKハイ
エコー(墨)(東洋インキ社製)を0.5cc取り、2
分間練った後、サンプルに転写させて1時間放置後、イ
ンク着肉状態を以下の通り官能評価した。
製した。顔料配合として平均粒子径が0.68μmの板
状カオリン〔商品名「HYDRAGLOSS90」、日
成共益(株)〕を80部、紡錘状の軽質炭酸カルシウム
(商品名「タマパールTP−121」、奥多摩工業社
製)を10部、不定形の重質炭酸カルシウム〔商品名
「ハイドロカーブ60、備北粉化(株)製〕を10部、
接着剤として尿素リン酸エステル化澱粉〔商品名「エー
スP−160」、王子コーンスターチ」(株)製〕を2
0部、カルボキシル化スチレン・ブタジエン共重合体ラ
テックス(商品名「B−1525」、旭化成社製)が1
5部であり、濃度が40%である顔料塗被組成物を作製
した。その後、原紙裏面にメイヤーバーを用いて塗工量
が4g/m2になるように塗布し、直ちに105℃の恒
温乾燥機に30秒間入れて乾燥させた。得られた裏塗工
後のシートをテストスーパーカレンダーにて平滑化処理
をし測定に供した。結果を表1に示す。
に、平均粒子径が2.83μmの合成雲母(商品名「MK
-100」、コープケミカル社製)を80部配合すること以
外は、実施例1と同様にして原紙裏面塗工用の顔料塗被
組成物を作製、塗工、乾燥、平滑化処理を実施し測定に
供した。結果を表1に示す。
シウムを10部、重質炭酸カルシウムを10部配合する
代わりに、実施例1と同様の板状カオリン100部を使
用すること以外は、実施例1と同様にして原紙裏面塗工
用の顔料塗被組成物を作製、塗工、乾燥、平滑化処理を
実施し測定に供した。結果を表1に示す。
しつけ圧を大きくすることにより塗工量を1.0g/m
2とすること以外は、実施例1と全く同様にして原紙裏
面塗工用の顔料塗被組成物を作製、塗工、乾燥、平滑化
処理を実施し測定に供した。結果を表1に示す。
しつけ圧を大きくすることにより塗工量を0.3g/m
2とすること以外は、実施例1と全く同様にして原紙裏
面塗工用の顔料塗被組成物を作製、塗工、乾燥、平滑化
処理を実施し測定に供した。結果を表1に示す。
ステアリン酸亜鉛系の滑剤(商品名「ハイドリンZ−7
−30」、中京油脂社製)を顔料100部に対し1部配
合すること以外は、実施例1と同様にして原紙裏面塗工
用の顔料塗被組成物を作製、塗工、乾燥、平滑化処理を
実施し測定に供した。結果を表1に示す。
ステアリン酸カルシウム系の滑剤(商品名「ノプコート
G−104−HS」、サンノプコ社製)を顔料100部
に対し1部配合すること以外は、実施例1と同様にし
て、原紙裏面塗工用の顔料塗被組成物を作製、塗工、乾
燥、平滑化処理を実施し測定に供した。結果を表1に示
す。
部配合すること以外は、実施例6と同様にして原紙裏面
塗工用の顔料塗被組成物を作製、塗工、乾燥、平滑化処
理を実施し測定に供した。結果を表1に示す。
ム20部、重質炭酸カルシウム10部とすること以外
は、実施例1と同様にして原紙裏面塗工用の顔料塗被組
成物を作製、塗工、乾燥、平滑化処理を実施し測定に供
した。結果を表1に示す。
0部、紡錘状の軽質炭酸カルシウム20部、不定形の重
質炭酸カルシウム20部とすること以外は、実施例1と
同様にして原紙裏面塗工用の顔料塗被組成物を作製、塗
工、乾燥、平滑化処理を実施し測定に供した。結果を表
1に示す。
シウム100部とすること以外は、実施例1と同様にし
て原紙裏面塗工用の顔料塗被組成物を作製、塗工、乾
燥、平滑化処理を実施し測定に供した。結果を表1に示
す。
シウム100部とすること以外は、実施例1と同様にし
て原紙裏面塗工用の顔料塗被組成物を作製、塗工、乾
燥、平滑化処理を実施し測定に供した。結果を表1に示
す。
品名「クロノスKA−15」、チタン工業社製)100
部とすること以外は、実施例1と同様にして原紙裏面塗
工用の顔料塗被組成物を作製、塗工、乾燥、平滑化処理
を実施し測定に供した。結果を表1に示す。
係数振幅を0.10以下となるように顔料配合を選択す
ると、裏印刷の適性に優れると共に、オフセット印刷時
の擦れ評価、及び抜型摩耗度評価が良好な白板紙を得る
ことができる。
でも、平均粒径が2μmを越えると動摩擦係数が0.1
0に近づき、擦れ評価、抜型摩耗度評価も悪くなる傾向
となるので、配合される板状顔料の平均粒径は2μm以
下であるのが好ましい。また、実施例3、実施例9、比
較例1を見ると明らかなように、カオリン、タルク、雲
母から少なくとも1種選ばれる板状顔料の配合部数が多
いほど、動摩擦係数振幅が小さくなり、擦れ評価、抜型
摩耗度評価も良好となる。比較例1に示す通り、板状顔
料の配合が65部以下であると動摩擦係数振幅が0.1
0を越えるため好ましくない。
裏面への塗工量は0.5g/m2を下回るとRI印刷評
価が悪化傾向となるので0.5g/m2以上が好まし
い。さらに、実施例6から明らかなように、平均粒径が
5μm以上の、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレン
ワックス、金属石鹸系、ステアリン酸亜鉛等から選ばれ
た少なくとも1種以上である滑剤を配合することによ
り、さらに動摩擦係数、動摩擦係数振幅とも小さくする
ことが出来、擦れ評価、抜型摩耗度評価も良好となる。
但し、5μm未満の滑剤を使用した場合(実施例7)、
或いは、配合部数が0.5部未満の場合(実施例8)
は、滑剤使用による向上効果が少ない。
形状が板状でない顔料を多く配合すると動摩擦係数振幅
が0.10を越えてしまい、擦れ評価、抜型摩耗度評価
も悪くなるため好ましくない。なお、抜型の摩耗度に関
しては、上記テーブルでの評価(抜型摩耗度評価)以外
に、実施例3のサンプル、及び比較例3のサンプルにつ
いては、平判打ち抜き機〔型式:SP−130−E、ボ
ブストジャパン(株)製、雌型は樹脂製〕にてテストを
行った。結果は、実施例3のサンプルについては20万
ショット、比較例3のサンプルについては5万ショット
にて、雌型の交換が必要なレベルまで摩耗した。即ち、
実施例3のサンプルを使用した場合、比較例3のサンプ
ルの場合の4倍まで寿命が長くなったことが確認される
とともに、抜型摩耗度評価との相関も確認された。
以上を抄合わせ、裏面に顔料塗被組成物による塗工をこ
とによって、オフセット印刷後表面と裏面が擦れること
による部分的なインク剥がれを起こすことがなく、裏印
刷の適性に優れると共にオフセット印刷作業性及び打ち
抜き作業性の高いという作用効果を奏するものである。
Claims (7)
- 【請求項1】 2層以上を抄合わせて形成されている白
板紙の裏面に、該裏面の動摩擦係数振幅が0.10以下
となる顔料塗工層を有することを特徴とする白板紙。 - 【請求項2】 前記顔料塗工層は、全顔料に対して65
質量%を超える割合の板状顔料を含有することを特徴と
する請求項1記載の白板紙。 - 【請求項3】 前記板状顔料は、板状又は薄片状のカオ
リン、タルク及び雲母から選ばれた少なくとも1種であ
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の白板紙。 - 【請求項4】 前記板状顔料は、平均粒子径が2μm以
下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
に記載の白板紙。 - 【請求項5】 前記顔料塗工層の塗工量は0.5〜10
g/m2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の白板紙。 - 【請求項6】 前記顔料塗工層は、前記顔料に加えて、
平均粒子径が5μm以上の滑剤を、全顔料100質量部
に対して0.5質量部以上の割合で含有することを特徴
とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の白板紙。 - 【請求項7】 前記滑剤は、平均粒子径が5μm以上で
あるステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、
金属石鹸系及びステアリン酸亜鉛から選ばれた少なくと
も1種であることを特徴とする請求項6記載の白板紙。
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---|---|---|---|---|
JP2005298998A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Oji Paper Co Ltd | 白板紙 |
JP2009041131A (ja) * | 2007-08-08 | 2009-02-26 | Oji Paper Co Ltd | 塗工白板紙の製造方法および塗工白板紙 |
JP2009293139A (ja) * | 2008-06-03 | 2009-12-17 | Daio Paper Corp | 印刷用板紙 |
JP2010065349A (ja) * | 2008-09-11 | 2010-03-25 | Oji Paper Co Ltd | 塗工ライナー及びそれを用いた段ボールシート |
JP2014015222A (ja) * | 2012-07-06 | 2014-01-30 | Toyo Aluminium Kk | プレススルーパックの蓋 |
-
2002
- 2002-02-28 JP JP2002053640A patent/JP4827030B2/ja not_active Expired - Lifetime
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