JP2003253557A - 脱臭,遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に優れた繊維素材とその繊維製品とその製造方法 - Google Patents

脱臭,遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に優れた繊維素材とその繊維製品とその製造方法

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JP2003253557A
JP2003253557A JP2002055985A JP2002055985A JP2003253557A JP 2003253557 A JP2003253557 A JP 2003253557A JP 2002055985 A JP2002055985 A JP 2002055985A JP 2002055985 A JP2002055985 A JP 2002055985A JP 2003253557 A JP2003253557 A JP 2003253557A
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fiber
bamboo charcoal
adsorption
charcoal powder
organic chlorine
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Akebono Toba
曙 鳥羽
Mitsuya Maekawa
光哉 前川
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱臭,有機化合物の吸着,遠赤外線等に優れ
ている上、人体への安全性に優れ排気処理しても有害な
物質が発生せず、環境負荷の少ない繊維素材と繊維製品
を提供しその製造方法を提唱すること。 【構成】 天然繊維,再生繊維,化学繊維などの一種あ
るいは数種からなる繊維基材と、当該基材に定着させた
竹炭粉末とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種の繊維素材と当
該素材を用いた繊維製品とその製造方法に関し、特に脱
臭,遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に優れた繊維素材
と、繊維製品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】竹炭は木炭と異なり、燃料として消費さ
れることがほとんどない。それは竹炭が悪臭の原因とな
るアンモニア成分などを吸着する脱臭効果や、多湿時に
は湿気を吸収し、乾燥時には湿気を発散する調湿効果
や、遠赤外線や有機塩素化合物の吸着効果などに秀れて
いることが知られてはいるが、人類がその思慮を得る為
の素材の開発や応用手段や優れた製造方法が未だ充分な
されていないきらいがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】総じて本発明の目的
は、脱臭,有機化合物の吸着,遠赤外線等に優れている
上、人体への安全性に優れ排気処理しても有害な物質が
発生せず、環境負荷の少ない繊維素材と繊維製品を提供
しその製造方法を提唱することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】而して本発明の繊維素材
の特徴は天然繊維,再生繊維,化学繊維などの一種ある
いは数種からなる繊維基材と、当該基材に定着させた竹
炭粉末とで組成したことにある。
【0005】本発明の他の特徴は、天然繊維,再生繊
維,化学繊維などの一種あるいは数種からなる繊維基材
に竹炭粉末を定着される工程をもった脱臭,遠赤外線,
有機塩素化合物の吸着に優れた繊維素材の製造方法を提
唱したことにある。
【0006】本発明の他の特徴は、該繊維素材を組成し
た繊維製品本体を得る工程をもった脱臭,遠赤外線,有
機塩素化合物の吸着に優れた繊維素材とその繊維製品と
その製造方法を提唱したことにある。
【0007】本発明の他の特徴は、上記竹炭粉末は少な
くとも燻煙熱処理をしたものであることである。
【0008】本発明の他の特徴は、上記燻煙熱処理は少
なくとも機械式炭化炉にて焼成されたものであることで
ある。
【0009】本発明の他の特徴は、竹炭粉末を繊維素材
に定着する手段としてプリント方法,パッド方法,コー
ティング方法を用いることである。
【0010】また本発明にはその他に優れた発明の目
的、特徴、作用効果を有するがこれらは以下の実施例の
説明で明らかにすることにする。
【0011】
【実施の態様】本発明を実施するに当たっては先ず、本
発明を実施する為の竹炭を知る必要がある。
【0012】[表1] 竹炭は上記脱臭,遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に優
れ、具体的には表1に示すように備長炭や、ナラ炭雑本
に比しあらゆる生活環境を活性に導く著大な効果がある
ことが知られている。
【0013】但しこれは本発明を実施するための一実施
例の態様にすぎず、前記本発明の特許請求の範疇を限定
して解釈すべきでないが、これらの機能性の発現は特に
炭化焼成温度,比表面積の拡大に支配されることが大で
ある。
【0014】而して今回本発明の実験では、在来型土窯
(炉内容積:3m)と併せ機械式炭化炉(炉内容積:
2m)を用い、焼成条件の管理された竹炭の製造技術
を検討することとした。使用した機械式炭化炉は燃焼用
補助灯油バーナー2基を有し、在来型土窯が薪の自燃に
よるのに対し、焼成温度の管理ができる機構となってお
り、その焼成温度域も500〜1000℃と土窯の50
0〜700℃に対しより高温域で焼成することが可能と
なっている。この高温域での焼成は、活性炭の賦括処理
が900℃以上で行われていること、また木質炭のなか
でも最上級とされる備長炭の焼成が1000〜1100
℃に達していることから明らかなように、炭の吸着機能
性の要因となる比表面積を大きくするには、より高温域
での焼成が有利に作用する。
【0015】さらに、本機械式炭化炉では燃焼用二次空
気の送風量、ならびに排ガスダクトの排気ダンパーの開
閉により、炉内の酸化還元雰囲気の制御が可能であり、
要求される竹炭材の性能に応じて焼成条件を変えること
ができるようになっている。
【0016】[表2] 而して竹炭製造に使用する焼成炉と焼成条件などの相違
による、竹炭の物理性・機能性の変化を把握するため、
表2に挙げるように合計11通りの試験条件にて行っ
た。すなわち、試験区分(英数字1)では在来型土窯を
用い、500℃,600℃,700℃と焼成温度を変え
た条件で、また試験区分(英数字2)では機械式炭化炉
により、焼成温度500℃,700℃,1000℃と変
化させ、さらに空気比を変え焼成雰囲気による違い、使
用竹材による違いを検討した。なお、通常の竹炭焼成に
は乾燥・燻煙処理された竹材を使用した。
【0017】さらに、在来型土窯と機械式炭化炉を併用
した試験として、土窯700℃で得られた竹炭を機械式
炭化炉で500℃,700℃,1000℃と焼成温度を
変え再焼成を行った。(試験区分(英数字3)) [表3] [表4] 各試験条件で得られた竹炭の工業分析値、ならびに組成
分析結果を表3,4に示す。このとき、工業分析値の測
定はJIS M 8812「石炭,コークス類の工業分析
法」に準拠し、組成分析を理学電機工業株式会社製蛍光
X線分析装置3070Eを用い、50kV−50mAの
条件にてFP法によるオーダー分析により求めた。
【0018】この結果竹材は、高温焼成ほど揮発分→
少,固定炭素→多の傾向にあり、また機械式炭化炉で再
焼成することによっても同様な傾向が認められた。な
お、工業分析値測定時の気乾試料処理条件が一定でな
く、水分測定結果にバラツキが生じた。また、各組成の
分析値は概略値であり、試料間の測定値の変動が実際以
上に大きく、特に灰分の主成分であるSiO2量の測定
値は信頼性に乏しいと思われるが、組成成分の概略を示
す意味で測定結果をそのまま挙げている。
【0019】[表5] 次に各焼成条件で得られた竹炭の物理性として、アルキ
メデス法による見掛け比重の測定と、今井精機製D型シ
ョア硬度計によりショア硬さ(Hs)を求めた。測定結
果を表5に示すとおり、土窯焼成(700℃)より機械
式炭化炉による焼成が見掛け比重は大きく、また再焼成
によっても見掛け比重の増大が図られている。この傾向
は、工業分析値の揮発分・固定炭素の変動と一致してい
る。
【0020】一方、竹炭バルク体としての保形性を顕わ
す指標としてショア硬度を測定したが、機械式炭化炉で
の700℃,1000℃の焼成により、ショア硬度は3
00Hs以下と極めて崩れやすい状況となる。また、土
窯700℃で得られた竹炭を機械式炭化炉で再焼成する
ことによってもショア硬度の低下が見られた。
【0021】これは、機械式炭化炉では強制的な加熱温
度の上昇が可能なことから、土窯に比して昇温速度が高
く、水分蒸発と含有有機成分の熱分解が急激に促進さ
れ、竹材の木管構造の組織が破壊されるためと考えられ
る。このことは図1,2に挙げるように、土窯700℃
のSEM観察像では木管構造がきれいに保持されている
のに対し、機械式炭化炉1000℃での焼成竹炭では細
胞隔壁がすべて失われていることからも明らかである。
【0022】また、生竹材を使用した場合(Sampl
e−D:機械式炭化炉500℃焼成)においては、ショ
ア硬度等は保たれるものの、水分の急激な揮散による収
縮が大きく、その細胞壁は押し潰され歪んだ形状を呈す
ることとなる。これに対し、乾燥処理された燻煙竹材を
使用(Sample−E:機械式炭化炉500℃焼成)
した場合には木管構造がそのまま残存し、ショア硬度な
どの物理性も秀れた特性が得られている。
【0023】上記図2でも明らかなように機械式炭化炉
で処理された竹炭は微細な細孔を有し、上記吸着機能性
の向上に重大な影響をもつことが明らかとなった。而し
て竹材の吸着特性に大きく関与する細孔表面積を日本ベ
ル株式会社製B.E.T.装置BELSORP−28S
Aを用い、70℃−10Hrの試料前処理条件にて窒素
吸着法により測定また、ホソカワミクロン株式会社製浸
透速度測定装置ペストアナライザーにより、媒液として
灯油を用いて浸透速度を測定し、かつ比較浸透速度係数
により油分吸着機能の指標としてみた。なおこの場合試
料はいずれも工業分析法と同様に、粉砕後40〜100
メッシュ(350〜149ミクロン)に分級された粒子
状のものを測定に供した。
【0024】この結果B.E.T.測定において観測さ
れた各竹炭材の吸着等温線は、細孔表面積の大きい場
合、吸着量は最初急激に上昇し、次第にゆるやかとな
り、ついには一定の値となる。いわゆる吸脱着等温線に
ヒステリシスのないBDDT分類1型に属し、活性炭・
ゼオライト同様に細孔のほとんどがマイクロポア(2n
m以下)から構成されていることが示唆される。しか
し、細孔表面積が小さい場合、圧力と共に吸着量の増加
と吸脱着等温線にヒステリシスが現れる4型を示し、マ
イクロポアの存在が認められなくなる。
【0025】各焼成条件の違いによる細孔表面積の変化
は、図3,4,5にそれぞれ示されるように、土窯焼
成、機械式炭化炉焼成とも焼成温度の高温化により細孔
表面積の増大が図られる。また、土窯より機械式炭化炉
を用いた場合の方が、同じ焼成温度で、より細孔表面積
が大きくなっていることが認められる。一方、土窯で得
られた竹炭を機械式炭化炉で再焼成した場合には、その
細孔表面積は減少し、1000℃の再焼成によっても処
理前の竹炭材の細孔表面積には至っていないことが判明
した。
【0026】これらのことは、前項でも記したように機
械式炭化炉では昇温速度が高く、水分蒸発と含有有機成
分の熱分解が急激に生じ、よりポーラスな炭素材とな
り、700℃以上の高温下では活性炭の賦活処理と同様
に、素材表面が高温ガスにさらされることによりマイク
ロポアが形成されるためと考えるのである。
【0027】いま竹炭粉を活用した商品化としては、前
記のようにシックハウス症候群の原因物質とされるホル
ムアルデヒドの吸着除去や、アンモニアなどの吸着によ
る脱臭など、室内環境の簡易空気清浄機などその他あら
ゆる生活環境の改善への応用が挙げられる。
【0028】しかし、竹炭粉をそのまま粉体として使用
した場合、粉塵発生等の問題、また紙などへの漉き込み
においても歩留まりとハンドリング性の悪さなど、工業
用原料資材としての活用を図っていくうえで問題点があ
る。
【0029】そこで本発明ではこれら問題点の解決を図
る一つの手法として人類の生活に係のある繊維素材へ竹
炭粉を定着させる発明を実施した。
【0030】[表6] この場合繊維基材としては、天然繊維,化学繊維など表
6に示すあらゆる繊維基材が適用されると考えられる。
【0031】次に本発明の上記竹炭粉末を各種繊維素材
に定着させる手段であるが、これは、プリント方法,パ
ット方法,コーティング方法などがよい。而してその実
施の態様例として、プリント糊に混合した竹炭粉末の全
てが繊維素材あるいは織物など繊維製品の片面あるいは
全体に定着させたところ、洗濯しても脱着しないことが
判明した。
【0032】また、粘土調整剤、糊に竹炭粉末を混合さ
せ繊維織物両面・全体に塗布等の方法で定着させた。但
しこの場合、洗濯における定着率は前記に比べ下がるこ
とが判明した。
【0033】また繊維基材の原料であるペレットに竹炭
粉末を混合しながら熱溶解し、竹炭混合のペレットを作
り防糸した。この方法によれば竹炭は糸の中に練り込ま
れるので、洗濯、ドライクリーニング、更に高圧染色し
ても脱着しないこと当然である。
【0034】なお、上記の「プリント方法」とはプリン
ト糊,水,竹炭粉末を含む液状組成物を、スクリーン印
刷法を用いて繊維基材に付着する。その後加熱乾燥し定
着させるのであり、「パッド方法」とは繊維基材と連続
的に移動させ、水,竹炭粉末,粘土調節剤および適宜、
糊を含む液状組成物の入ったバケットに繊維基材を浸漬
した後、マングルを用いて絞り加熱乾燥し定着させるも
ので、「コーティング方法」とはプリント糊,水,竹炭
粉末を含む液状組成物を繊維基材にコーティングしその
後加熱乾燥にて定着させ、「内添法(練り込み方法)」
とは特に竹炭粉末を混合もしくは添加した繊維原料にて
繊維を形成させるものである。
【0035】またその配合率として、繊維基材に対する
竹炭粉末の配合量は繊維基材の種類や素材や用途に応じ
て適宜設定する事ができ、通常繊維基材100質量%に
対し0.01〜30質量%とする。このような範囲とす
れば竹炭粉末を安定に定着させることが出来るのであ
る。
【0036】次に上記竹炭粉末を繊維基材に対する竹炭
粉末の定着する形態は繊維基材の構造や形状や特性によ
っては基材に混合,混紡など特に制限はない。しかし繊
維基材の表面に竹炭粉末が定着した形態が好ましいので
あって、このためにはプリント糊,水,竹炭粉末を含む
液状組成物をスクリーン印刷法を用いて繊維基材に付着
する。その後加熱乾燥し定着させるプリント方法,繊維
基材と連続的に移動させ、水,竹炭粉末,粘土調節剤お
よび適宜、糊を含む液状組成物の入ったバケットに繊維
基材を浸漬した後、マングルを用いて絞り加熱乾燥し定
着させるパッド方法,プリント糊,水,竹炭粉末を含む
液状組成物を繊維基材にコーティングしその後加熱乾燥
にて定着させるコーティング方法,竹炭粉末を混合もし
くは添加した繊維原料にて繊維を形成する内添法(練り
込み方法)が特によい。
【0037】また、繊維基材に対する竹炭粉末の配合量
は、繊維基材の種類や素材や用途に応じて適宜設定する
ことができ、通常、繊維基材100質量%に対し0.0
1〜30質量%となる。何故ならこの範囲とすれば竹炭
粉末を安定に定着させることが出来るからである。
【0038】
【実施例の1】本発明を実施するに当たって先ず用いた
竹炭粉は、竹炭材を15μに粉砕処理されたもので、レ
ーヨン80:竹炭粉20の割合で配合混練し、竹炭練り
込みレーヨンスパン糸の紡糸を行った。
【0039】通常、機能性粉体を樹脂・繊維等へフィラ
ーとして添加した場合には、粉末表面が樹脂被膜により
被覆され、粉体の有する表面活性など本来の機能性が損
なわれることが多々生ずる。今回得られた竹炭練り込み
レーヨンスパン糸について、含有された竹炭粉の機能性
を確認するため、低分子量ガス成分であるエチレンガス
の吸着浄化能について測定した。エチレンガスについて
は、植物の老化を促進し、果物の加熱・追熟を早めるこ
とから、エチレンガスを吸着浄化することにより果実・
野菜などの鮮度保持が図られる効果があるとされてい
る。
【0040】[表7] エチレンガス吸着能の分析フロー、ならびに吸着実験結
果をそれぞれ図7,表7に示す。竹炭粉については始め
に予測されたとおりエチレンガス吸着能が確認された。
一方、吸着作用にかかる竹炭粉の絶対量が1/5量であ
ること、充填繊維による測定セル内の容積減の影響もあ
り、吸着能の強度は竹炭粉のみの場合より劣ってはいる
ものの、竹炭練り込みレーヨン糸についても同様にエチ
レンガス吸着能が認められた。
【0041】今回試験的に紡糸して得られた竹炭練り込
みレーヨン糸に、竹炭粉の微細な細孔による吸着機能性
を損なわずに付与することができた要因として、レーヨ
ンの主成分であるセルロース系皮膜は水蒸気・エチレン
などのガス透過性を有しており、竹炭粉表面がセルロー
ス被膜で被覆されても、これら低分子量ガス成分の吸着
作用が阻害され難いためである。なお、竹炭粉ならびに
竹炭練り込みレーヨンスパン糸のSEM観察像を図8,
9に示した。
【0042】
【実施例の2】本発明を実施するに当たって先ず、竹炭
粉末を含有する再生セルロース組成物の製造方法に適用
した。即ち、原料パルプを約18%の苛性ソウダに侵漬
し、圧搾・粉砕させることによってアルカリセルロース
を造った。次いでこれを老成させて二酸化炭素を反応さ
せ、セルロースザンテートを得た後、希釈苛性ソーダで
溶解しビスコースを調整した。
【0043】一方竹炭の粉末(竹炭100%)を分散剤
と混合し、通常の湿式微粉砕を行った。得られた粒子径
1ミクロン未満(0.6〜0.8)の竹炭微粒子の分散
液を、紡糸直前のビスコースに、繊維に対して10重量
%の割合でインジェクションポンプにより定量的・連続
的に添加・均一に混同した。このように選られた竹炭含
有ビスコースを紡糸しレーヨンステープルが得られたの
であって、これは特に上記の目的、効果に叶う紡績糸用
として脱臭,遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に秀れた
レーヨンが得られた。
【0044】
【実施例の3】上記同様原料パルプを約18%の苛性ソ
ウダに侵漬し、圧搾・粉砕させることによってアルカリ
セルロースを造った。次いでこれを老成させて二酸化炭
素を反応させ、セルロースザンテートを得たあと、希釈
苛性ソーダで溶解しビスコースを調整し、更に湿式粉砕
を行い、紡糸直前のビスコースに繊維に対し30重量%
の割合でインジェクションポンプにより定量的・連続的
に添加し、均一に混合した。この様にして得られた竹炭
含有ビスコースを、紡糸しレーヨンステープルが得られ
たのでありこれは特に不織布用または中綿用としての上
記の秀れた効果を有するレーヨンが得られた。
【0045】
【実施例の4】次に所謂「紙」を製造する一例として上
記レーヨン定着後のビスコースを粉砕し基材を得て、こ
れをもとに和紙・洋紙の原料と混合し紙を作ったところ
脱臭,遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に秀れた製品が
得られた。
【0046】
【効果】以上本発明による竹炭粉末を定着させた繊維素
材及び当該素材を用いて製造された製品は特に、アンモ
ニア・エチレンガスの吸着、ホルムアルデヒド・トリク
ロロエチレン・トリハロメタン等の有機塩素化合物の吸
着,脱臭,遠赤外線の放射,撥水性に優れている。
【0047】このように本発明によって得られた繊維製
品は種々の用途に適用する事が出来るが特に脱臭,遠赤
外線,有機塩素化合物の吸着に秀れた効果を有すること
から人間の生活必需品等に好ましい。即ち各種衣料商品
(下着)・寝装品(シーツ)・インテリア(カーテン・
クロス・絨毯)などの織物,果物・野菜・鮮魚などのカ
バー・車用品などの不織布・フェルト,寝装品(枕綿・
布団綿)特に老人施設・病院・インテリアクッションな
どのファイバー(綿),包装紙・クロスなどの紙に利用
して効果著大である。
【0048】また上記吸着特性に大きく関与する細孔表
面積の増域は、焼成温度と昇温速度に大きく左右される
のでこの点機械式炭化炉を用いることにより竹炭材の細
孔表面積の増大を図ることが出来た。
【0049】さらに竹炭粉の活用技術の一つとして竹炭
練り込みレーヨンスパン糸を紡糸した結果竹炭粉の微細
な細孔による吸着機能性は損なわれず、エチレンガスの
著しい吸着浄化作用が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】竹炭縦方向断面SEM観察図(土窯700℃,
×100)
【図2】竹炭縦方向断面SEM観察図(機械式炭化炉1
000℃,×100)
【図3】土窯焼成温度による細孔表面積の変化
【図4】機械式炭化炉による細孔表面積の増大
【図5】再焼成による細孔表面積の減少
【図6】細孔表面積と比較浸透速度係数の相関
【図7】エチレンガス吸着能分析フロー
【図8】竹炭粉(100メッシュ下)(観察倍率 ×1
000)
【図9】竹炭練り込みレーヨン スパン糸(観察倍率
×600)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前川 光哉 福井県福井市高木中央2丁目3701−5 株 式会社トーチライフ内 Fターム(参考) 4C080 AA05 BB02 CC01 CC02 CC08 JJ05 KK08 LL03 MM05 NN24 4G066 AA04B AC01C AC06C AC11C BA03 BA16 CA33 CA51 DA01 FA22 4L031 BA02 DA00 DA13 DA21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然繊維,再生繊維,化学繊維などの一種
    あるいは数種からなる繊維基材と、当該基材に定着させ
    た竹炭粉末とで組成したことを特徴とする脱臭,遠赤外
    線,有機塩素化合物の吸着に優れた繊維素材。
  2. 【請求項2】上記請求項1に示す繊維素材を用いた脱
    臭,遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に優れた繊維素材
    とその繊維製品。
  3. 【請求項3】天然繊維,再生繊維,化学繊維などの一種
    あるいは数種からなる繊維基材に竹炭粉末を定着される
    工程をもった脱臭,遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に
    優れた繊維素材の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3に示す繊維素材を組成した繊維製
    品本体を得る工程をもった脱臭,遠赤外線,有機塩素化
    合物の吸着に優れた繊維素材とその繊維製品とその製造
    方法。
  5. 【請求項5】上記竹炭粉末は少なくとも燻煙熱処理をし
    たものであることが特徴の上記請求項1乃至4に示す脱
    臭,遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に優れた繊維素材
    とその繊維製品とその製造方法。
  6. 【請求項6】上記請求項5に示す燻煙熱処理は少なくと
    も機械式炭化炉にて焼成されたものであることを特徴と
    した脱臭,遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に優れた繊
    維素材とその繊維製品とその製造方法。
  7. 【請求項7】上記請求項1乃至6にあって竹炭粉末を繊
    維素材に定着する手段としてプリント方法,パッド方
    法,コーティング方法を用いることを特徴とした脱臭,
    遠赤外線,有機塩素化合物の吸着に優れた繊維素材とそ
    の繊維製品とその製造方法。
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