JP2003253455A - 部分めっき方法及び樹脂部材 - Google Patents

部分めっき方法及び樹脂部材

Info

Publication number
JP2003253455A
JP2003253455A JP2002054808A JP2002054808A JP2003253455A JP 2003253455 A JP2003253455 A JP 2003253455A JP 2002054808 A JP2002054808 A JP 2002054808A JP 2002054808 A JP2002054808 A JP 2002054808A JP 2003253455 A JP2003253455 A JP 2003253455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
pattern
resin
substrate
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002054808A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3861999B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Wakizaka
康尋 脇坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2002054808A priority Critical patent/JP3861999B2/ja
Priority to PCT/JP2002/008976 priority patent/WO2003024174A1/ja
Priority to TW091120184A priority patent/TW540284B/zh
Priority to CNB02817349XA priority patent/CN100496195C/zh
Priority to KR1020047003288A priority patent/KR100912920B1/ko
Priority to US10/487,997 priority patent/US7614145B2/en
Publication of JP2003253455A publication Critical patent/JP2003253455A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3861999B2 publication Critical patent/JP3861999B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemically Coating (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗化処理を必要としない、パターン密着性に
優れた部分めっき法を提供する。 【解決手段】 硬化性樹脂組成物の成形体の表面に、所
望のパターン状にめっき誘発物質を付着させた(工程
A)後、工程Aを経た硬化性樹脂組成物の成形体を硬化
することにより、めっき誘発物質からなるイニシエータ
パターンを有する樹脂基材を得(工程B)、次いで当該
パターン上に無電解めっきを行う(工程C)部分めっき
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂基材表面に金
属パターンを形成するための部分めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス、半導体デバイス実装部
品、各種パネル表示装置、ICカード、光デバイス等に
は、樹脂基材(以下、単に基材ということがある)表面
に金属微細線(金属パターン)を有する樹脂部材が用い
られている。こうした金属微細線(金属パターン)の形
成は、めっきによって行われるのが一般的である。めっ
きによる金属パターン形成方法は、大別して、樹脂基材
の全面に無電解めっきを施した後、マスクパターンを介
して電解めっきにより金属を成長させ、次いで不要な無
電解めっきを除去する方法と、樹脂基材に無電解めっき
を所望のパターン状にめっき(部分めっき)して直接金
属パターンを形成し、必要に応じてその上にめっきを成
長させる方法とに分けられる。部分めっきを利用した後
者の方法は、不要な無電解めっきを除去する際に用いる
薬品等による金属腐食が生じない上、無電解めっき除去
工程が不要であることから、生産性に優れる。
【0003】部分めっきに際して、めっき誘発物質から
なるイニシエータパターン(無電解めっき用被膜ともい
う)を樹脂基材表面に形成し、このパターン上にめっき
をすると、容易に金属パターンが得られることが知られ
ている(特開平7−263841号公報など)。めっき
誘発物質については、樹脂基材への付着性やパターン形
状の改良を目的としてた多くの検討がなされている。め
っき誘発物質の例としては、導電性高分子又はその前駆
体と水又は極性溶剤との混合物からなる導電性材料(特
開2002−26014号公報)、可溶性パラジウム塩
と水溶性の溶剤と水とからなる組成物(特開平7−13
1135号公報、特開平7−245467号公報)、感
光性パラジウム高分子キレート化合物を含有する材料
(特開2000−147762号公報)、特開平11−
350149号公報に開示された(1)N−H結合を持
つ低分子量化合物、C=C二重結合を持つ接着性ポリマ
ー、C=C二重結合を持つ多塩基酸、(2)N−H結合
密度が高い接着性ポリマー、それに相溶性のある低分子
量多塩基酸又はC=C二重結合を持つ一塩基酸、(3)
硬化反応でN−H結合を生成する樹脂成分とC=C二重
結合を持つ多塩基酸、(4)硬化反応でN−H結合を生
成する樹脂成分と主鎖にC=C二重結合を持つ接着性ポ
リマー及びC=C二重結合を持つ多塩基酸などの樹脂組
成物等が挙げられる。
【0004】確かにこのようなめっき誘発物質を用いれ
ば、容易に樹脂基材上に金属パターン(部分めっき)が
得られる。しかし、実際の使用においては、金属パター
ンと樹脂基材との密着性が重要となっている。この密着
性を確保するため、樹脂基材表面を物理的或いは化学的
方法により、表面粗さRaが数μmになるように粗化す
るのが一般的である。しかしながら、粗化による表面の
荒れは、金属パターン精度を低下させる上、回路基板で
は電気信号ノイズを生じる原因となっている。このた
め、樹脂基材表面を粗化しないでも基材と金属パターン
との高い密着性が得られるめっき方法の開発が望まれて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術の下、
本発明者は、従来使用されていた樹脂基材となる前の、
完全には硬化されていない(即ち、未硬化又は半硬化
の)硬化性樹脂組成物の成形体(以下、単に成形体と言
うことがある)に着目した。この成形体の表面に無電解
めっきのイニシエータパターンを形成し、その後、当該
成形体を硬化させて得られたイニシエータパターンを表
面に有する樹脂基材を用いることで、当該基材と金属パ
ターンとの高い密着性が得られることを見いだし、この
知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、硬化性樹脂組成物の成形体の表面に、所望のパター
ン状にめっき誘発物質を付着させた(工程A)後、工程
Aを経た硬化性樹脂組成物の成形体を硬化することによ
り、めっき誘発物質からなるイニシエータパターンを有
する樹脂基材を得(工程B)、次いで当該パターン上に
無電解めっきを行う(工程C)ことから成る部分めっき
方法が提供され、また当該方法により形成された金属パ
ターンを有する樹脂部材が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の部分めっき法は、以下の
工程を有する。 (工程A)硬化性樹脂組成物の成形体表面に、所望のパ
ターン状にめっき誘発物質を付着させる。 (工程B)工程Aを経た成形体を硬化して、めっき誘発
物質からなるイニシエータパターンを表面に有する樹脂
基材を得る。 (工程C)工程Bで得られた樹脂基材上にあるイニシエ
ータパターン上の無電解めっきを行う。
【0008】以下に各工程を説明する。 (工程A)ここでは、硬化性樹脂組成物の成形体表面
に、所望のパターン状にめっき誘発物質を付着させる。
硬化性樹脂組成物は、樹脂を含有する組成物であって、
熱や電離放射線の作用により硬化するものであれば特に
制限されない。ここで樹脂の種類は格別に制限されず、
例えば、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)アク
リル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、
脂環式オレフィン重合体、芳香族ポリエーテル重合体、
ベンゾシクロブテン重合体、シアネートエステル重合
体、アセナフチレン誘導体含有共重合体、液晶ポリマ
ー、ポリイミドなど成形性の良いものが挙げられる。こ
れらの中でも、8−エチル−テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エンなどの
ノルボルネン環を有する単量体を原料とする重合体であ
る脂環式オレフィン重合体(特に脂環式構造を有する不
飽和炭化水素の開環重合体とその水素添加物、又はこれ
らに極性基を付与したもの)は、機械的強度や耐熱性に
優れる点から好ましい。
【0009】硬化性樹脂組成物中には、通常、樹脂成分
の他に、硬化剤を含有する。硬化剤は、熱又は電離放射
線により樹脂を硬化させるものであれば、特に制限され
ず、一般的に樹脂の硬化剤として用いられているもので
良い。一般的な熱硬化剤としては、ビスフェノールAビ
ス(プロピレングリコールグリシジルエーテル)エーテ
ルなどのようなグリシジルエーテル型エポキシ化合物;
1−アリル−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、
1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレートの
ごときアリル基とエポキシ基とを含有するハロゲン不含
のイソシアヌレート系硬化剤などの窒素系硬化剤等が例
示される。電離放射線により硬化させる化合物として
は、遠紫外線、紫外線、可視光線などの光と反応するビ
スアジド系光硬化剤などが挙げられる。組成物中には、
硬化促進剤や硬化助剤など硬化に関与する成分や、樹脂
基材の性能を高める目的で、難燃剤、軟質重合体、耐熱
安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、レベリング剤、帯電
防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、
滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、乳剤、
充填剤、紫外線吸収剤などを添加することもできる。
【0010】硬化性樹脂組成物の成形体は、上述したよ
うな硬化性樹脂組成物を用いて成形されたものである。
成形体は、少なくとも表面が完全には硬化されていない
状態であれば、未硬化であっても半硬化であってもよ
い。即ち、成形体を、さらに硬化することによって、初
めて所望の樹脂基材となるような硬化状態のものであれ
ば良い。また、成形体の、めっき誘発物質が付着しない
部分は完全に硬化されていてもよい。もちろん、完全に
は硬化されていない成形体を、他の材料の表面に接着し
たものを用いることもできる。より具体的には、完全に
は硬化されてない状態にある成形体は、成形体を構成す
る硬化性樹脂組成物を溶解可能な溶剤に24時間浸漬す
ることで、成形体の体積が、30%以上、好ましくは5
0%以上、より好ましくは100%以上に膨潤するか、
一部もしくは全てが溶解するものである。
【0011】成形体の形状は、後に樹脂基材として必要
な形状を形成しうるものであれば特に制限されず、フィ
ルム状、シート状、板状、円筒状、球状などいかなる形
状でも良い。また成形体表面の状態に格別な制限はな
く、めっき誘発物質と接する部分が、その接する範囲で
平坦であれば、成形体表面全体として凹凸があっても、
平坦であってもよい。
【0012】硬化性樹脂組成物を成形する方法は、成形
体の形状に応じて任意に選択される。例えば、硬化性樹
脂組成物を有機溶剤と混合してワニスを得、これを支持
体に、所望の厚みに塗布した後、有機溶剤を除去乾燥す
ることで、半硬化された成形体が得られる。支持体は必
要に応じて、成形体から剥離して用いる。ワニスを得る
ための有機溶剤は、硬化性樹脂組成物に応じて任意に選
択すればよいが、成形性と生産性のバランスの観点か
ら、常圧での沸点が80〜250℃、好ましくは90〜
200℃のものを選択するのがよい。硬化性樹脂組成物
と有機溶剤とを混合する方法に格別な制限はなく、例え
ば、攪拌子とマグネチックスターラーを使用した攪拌、
高速ホモジナイザー、遊星攪拌機、二軸攪拌機、ボール
ミル、三本ロールなどを使用して行えばよい。
【0013】ワニスを支持体に塗布する方法は、特に制
限されず、例えば、ワニスをダイコーター、ロールコー
ター又はカーテンコーターによりを用いた方法や溶液キ
ャスト法や溶融キャスト法などが挙げられる。有機溶剤
を除去乾燥する条件は特に制限されないが、熱硬化性の
樹脂組成物の成形体を得る場合は、完全には硬化しない
条件を採用する必要がある。条件は、樹脂や硬化剤の種
類や成形体の形状などを考慮し、任意に決定されるが、
0.1〜150μmの成形体を得る場合、通常20〜3
00℃で30秒〜1時間の加熱条件下で、有機溶剤を乾
燥除去すればよい。
【0014】イニシエータパターンを形成する好ましい
方法として、めっき誘発物質を、成形体表面に直接パタ
ーン状に付着させる方法が挙げられる。付着方法として
は、液体を噴霧突出させるインクジェット方式、マスク
を介して印刷するスクリーン印刷方式、直接液体を塗布
するディスペンサ塗布方式など、公知の付着方法が例示
される。付着操作は、1回でも2回以上を繰り返し行っ
てもよい。
【0015】付着に際しては、めっき誘発物質を水又は
有機溶媒に溶かして溶液にして用いるのが一般的である
が、使用温度においてめっき誘発物質が液体であり、め
っき誘発物質を成形体表面と付着させる操作に支障がな
い場合は、特に溶媒に溶解せず、そのまま用いることも
可能である。めっき誘発物質を溶解する溶媒は、前記成
形体が溶解しないものであり、かつめっき誘発物質を溶
解するものであれば格別な制限はなく、めっき誘発物質
と成形体とを付着させる方法に適切な、水や各種有機溶
剤を選択すれば良い。例えば、インクジェト方式やスク
リーン印刷方式では、繰り返しの作業性を確保するため
に、揮発性の低い極性溶媒や沸点の高い(90℃以上)
溶媒を用いるのが好ましい。配位構造含有化合物溶液中
の配位構造含有化合物濃度は特に制限されないが、本工
程での操作性の観点から、通常0.001〜70重量
%、好ましくは0.01〜50重量%である。また、付
着方法に応じた粘度を得るため、めっき誘発物質には、
チキソトロピー性を付与する目的でアエロジルなどの増
粘剤等を添加しても良い。付着に際しての温度は、めっ
き誘発物質やその溶液の沸点、融点、操作性や生産性な
どを考慮して任意に選択することができるが、通常10
〜100℃、好ましくは15〜65℃で行う。めっき誘
発物質を成形体表面に付着させた後、過剰なめっき誘発
物質を除去する目的で、成形体表面を水洗する、窒素な
どの不活性ガスを吹きかける、30〜180℃、好まし
くは50〜150℃で1分以上、好ましくは5〜120
分間、オーブン中で乾燥させるなどの後処理をしてもよ
い。
【0016】めっき誘発物質は、めっきやめっき触媒が
吸着されやすい性質を有するものであれば格別な制限は
なく、前述した公報に記載されたような公知のものを用
いることができる。より優れた密着性を得るためには、
金属配位能を有する化合物を用いるのが好ましい。金属
配位能を有する化合物(以下、配位構造含有化合物とい
うことがある)として好ましいのは、アミノ基、チオー
ル基、カルボキシル基、シアノ基など金属に配位可能な
官能基を有する化合物や金属との配位能を有する複素環
化合物などの非共有電子対を有する化合物がある。中で
も窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含有する複素環
化合物が特に好ましく、とりわけ窒素原子を含有する複
素環化合物が好ましい。もちろんこうした複素環化合物
は、更に金属に配位可能な官能基をも有するものであっ
てもよい。更に金属に配位可能な官能基をも有する複素
環化合物は、より高いパターン密着性を与える点で好ま
しい。
【0017】配位構造含有化合物の中でも硬化性樹脂組
成物中の成分と反応し、これらの化合物が次の工程で形
成される樹脂基材表面に強固に保持される点から、イミ
ダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミ
ダゾール、2−エチルイミダゾール−4−ジチオカルボ
ン酸、2−メチルイミダゾール−4−カルボン酸、1−
(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−
(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、2−
フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、
ベンゾイミダゾール、2−エチル−4−チオカルバモイ
ルイミダゾール等のイミダゾール類;ピラゾール、3−
アミノ−4−シアノ−ピラゾール等のピラゾール類;
1,2,4−トリアゾール、2−アミノ−1,2,4−
トリアゾール、1,2−ジアミノ−1,2,4−トリア
ゾール、1−メルカプト−1,2,4−トリアゾール等
のトリアゾール類;2−アミノトリアジン、2,4−ジ
アミノ−6−(6−(2−(2メチル−1−イミダゾリ
ル)エチル)トリアジン2,4,6−トリメルカプト−
s−トリアジン−トリソデイウムソルト等のトリアジン
類;が好ましい例としてあげられる。
【0018】(工程B)ここでは、工程Aを経た成形体
を硬化して、表面にイニシエータパターンを有する樹脂
基材を得る。硬化の方法は、成形体の性質に応じて選択
すればよい。例えば、熱硬化性樹脂組成物の成形体であ
れば加熱条件に成形体をおくことによって硬化すればよ
いし、電離放射線硬化性樹脂組成物の成形体であれば遠
紫外線、紫外線、可視光線のような光や電子線などを照
射することによって硬化すればよい。例えば、熱硬化性
樹脂組成物の成形体を硬化する場合、硬化させるための
温度は、通常30〜400℃、好ましくは70〜300
℃、より好ましくは100〜200℃で、硬化時間は、
通常0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間であ
る。加熱の方法は特に制限されず、例えばオーブンなど
を用いて行えばよい。
【0019】硬化によって、成形体は完全に硬化され、
表面にイニシエータパターンを有する樹脂基材となる。
従来は、成形体を完全に硬化してなる樹脂基材上にイニ
シエータパターンを形成していた点で、本発明とは大き
く異なる。完全には硬化されていない成形体表面にイニ
シエータパターンを形成した後に、成形体を硬化するこ
とで、樹脂基材表面に、めっき誘発物質が取り込まれ、
めっき誘発物質と樹脂基材とが強固に結合されるため、
その上に形成されるめっきとの密着性も高まる。本発明
の方法によれば、樹脂基材表面を粗化してからイニシエ
ータパターンを形成する必要がなく、樹脂基材のイニシ
エータパターン(金属パターン)との界面の平坦な樹脂
基材が得られる。ここで平坦とは、表面粗さRaが20
0nm以下、好ましくは100nm以下、より好ましく
は80nm以下であることをいう。尚、ここで表面粗さ
Raは、JIS B 0601の規定に基づいて算出さ
れる値である。
【0020】上述した配位構造含有化合物を用いた場
合、工程Bにおける硬化時に成形体表面の架橋密度をよ
り高めることができる。このため、次に詳述する、必要
に応じて行う樹脂基材表面の酸化工程で、樹脂基材表面
や樹脂基材のイニシエータパターンとの界面に生じる樹
脂基材の荒れを抑えることができる。
【0021】この工程Bにおける硬化で、樹脂基材表面
に脆い層が形成されたり、硬化雰囲気から汚染物質が付
着することがある。そこで、これらを除去する目的で、
基材表面を酸化(工程B’)するのが好ましい。基材表
面を酸化する方法に格別な制限はないが、基材表面を荒
らさないことから、酸化性化合物の溶液を用いる方法や
気体媒質を用いる方法など基材表面に化学物質を接触さ
せる方法が望ましい。
【0022】酸化性化合物としては、無機過酸化物や有
機過酸化物など、酸化能を有する公知の酸化性化合物が
使用できる。無機過酸化物としては過マンガン酸塩、無
水クロム酸、重クロム酸塩、クロム酸塩、過硫酸塩、活
性二酸化マンガン、四酸化オスミウム、過酸化水素、過
よう素酸塩、オゾンなどが挙げられ、有機過酸化物とし
てはジクミルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサ
イド、m−クロロ過安息香酸、過酢酸などが挙げられ
る。酸化性化合物を用いて樹脂基材表面を酸化する方法
に格別な制限はなく、例えば酸化性化合物を、必要に応
じてこれらを溶解可能な媒質に溶解して液状とした後、
硬化後の樹脂基材と接触させる方法など一般的な方法が
挙げられる。酸化性化合物を溶解するのに用いる媒質と
しては、中性水、NaOH水溶液などのアルカリ水溶
液、硫酸水溶液などの酸性水溶液、エーテルや石油エー
テルなどの中性有機溶媒、アセトンやメタノールなどの
極性有機溶剤が例示される。酸化性化合物を樹脂基材表
面に接触させる方法に格別な制限はなく、例えば樹脂基
材を酸化性化合物溶液に浸漬するディップ法、基材の表
面に表面張力を利用して酸化性化合物溶液を乗せる液盛
り法、酸化性化合物溶液を基材に噴霧するスプレー法な
どいかなる方法であっても良い。これらの酸化性化合物
を樹脂基材表面に接触させる温度や時間は、過酸化物の
濃度や種類、接触方法などを考慮して、任意に設定すれ
ば良く、温度が通常10〜250℃、好ましくは20〜
180℃で、時間が0.5〜60分、好ましくは1分〜
30分である。この範囲の下限未満では硬化後、硬化に
よって生じた樹脂基材表面の脆い層や硬化雰囲気から付
着した汚染物質を除去が不充分であったり、この範囲の
上限を超えると樹脂基材表面が脆くなったり、表面の平
滑性が損なわれる場合がある。
【0023】酸化性化合物を樹脂基材表面に接触させた
後、酸化性化合物を除去するため、通常、樹脂基材を水
で洗浄する。水だけでは洗浄しきれない物質が基材に付
着する場合、その物質を溶解可能な洗浄液で更に洗浄し
たり、他の化合物と接触させて水に可溶な物質にしてか
ら水で洗浄することもできる。例えば、過マンガン酸カ
リウム水溶液や過マンガン酸ナトリウム水溶液などのア
ルカリ性水溶液を樹脂基材と接触させた場合は、発生し
た二酸化マンガンの皮膜を除去する目的で、硫酸ヒドロ
キシアミンと硫酸との混合液などの酸性水溶液により中
和還元処理する。
【0024】気体媒質を用いて酸化処理する方法とし
て、逆スパッタリングやコロナ放電など媒質をラジカル
化やイオン化させることが可能な公知のプラズマ処理が
挙げられる。気体媒質としては大気、酸素、窒素、アル
ゴン、水、二硫化炭素、四塩化炭素などが例示される。
媒質が処理温度雰囲気で液状の場合には減圧下にて気化
した後、酸化処理をし、媒質が処理温度雰囲気にて気体
の場合はラジカル化やイオン化が可能な圧力に加圧した
後、酸化処理をする。プラズマを樹脂基材表面に接触さ
せる温度や時間は、ガスの種類や流量などを考慮して、
任意に設定すれば良く、温度が通常10〜250℃、好
ましくは20〜180℃で、時間が通常0.5〜60
分、好ましくは1分〜30分である。
【0025】(工程C)ここでは、工程Bを経て得られ
た樹脂基材上にあるイニシエータパターン上に無電解め
っきを行う。通常、無電解めっきの前に、めっき触媒の
付与や触媒の活性化といった処理を行う。めっき触媒は
無電解めっき液中にてめっきの析出をさせる作用のある
還元触媒となる金属化合物である。金属としては、P
d、Pt、Au、Ag、Ir、Os、Ru、Sn、Z
n、Coなどが挙げられる。密着性を高めるためには、
金属化合物として、還元によって金属の生成が可能な有
機金属錯体や金属塩を用いるのが好ましく、具体的には
Pdアミン錯体や硫酸パラジウム、塩化パラジウムなど
が挙げられる。触媒付与と触媒の活性化の方法として
は、金属化合物を、水又はアルコール若しくはクロロホ
ルムなどの有機溶媒に0.001〜10重量%の濃度で
溶解した液(必要に応じて酸、アルカリ、錯化剤、還元
剤などを含有していてもよい)に浸漬して、めっき触媒
を付与した後、金属を還元して触媒を活性化する方法な
どが挙げられる。イニシエータパターンにより多くの触
媒が吸着されるが、イニシエータパターンのない部分に
吸着した触媒を除去するのが望ましい。通常、不要の触
媒を除去は、触媒付与後や触媒の活性化後に、水洗する
ことにより行う。
【0026】このようにして樹脂基材のイニシエータパ
ターン上に活性化された触媒を付与し、ついで無電解め
っき液と接触させて、無電解めっきを行う。無電解めっ
きに用いる無電解めっき液に格別な制限はないが、好ま
しくは公知の自己触媒型の無電解めっき液を用いる。無
電解めっき液の具体例としては、次亜リン酸アンモニウ
ム又は次亜リン酸、水素化硼素アンモニウムやヒドラジ
ン、ホルマリンなどを還元剤とする無電解銅めっき液、
次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解ニッケル−
リンめっき液、ジメチルアミンボランを還元剤とする無
電解ニッケル−ホウ素めっき液、無電解パラジウムめっ
き液、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解パラ
ジウム−リンめっき液、無電解金めっき液、無電解銀め
っき液、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解ニ
ッケル−コバルト−リンめっき液等の無電解めっき液を
用いることができる。無電解めっき後、基板表面を防錆
剤と接触させて防錆処理をすることもできる。
【0027】無電解めっきを行い、樹脂基材表面に金属
パターンを形成させた後、密着性を向上させるため、オ
ーブンなどを用いて樹脂基材を50〜350℃、好まし
くは80〜250℃で、0.1〜10時間、好ましくは
0.1〜5時間、加熱処理するのが好ましい(工程
D)。このとき、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲
気下で加熱するのが好ましい。更に必要に応じて、加熱
時に、プレス板などで樹脂基材を加圧しても良い。
【0028】上述のような工程を経て、樹脂基材表面に
無電解めっきを施すことにより、表面に金属パターンを
有する本発明の樹脂部材が得られる。この樹脂部材は、
例えば、半導体デバイス実装部品、各種パネル表示装
置、ICカード、光デバイスに用いられるプリント配線
基板として用いることができる。
【0029】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
具体的に説明する。なお、実施例中、部及び%は、特に
断りのない限り重量基準である。本実施例において行っ
た評価方法は以下のとおりである。 (1)分子量(Mw、Mn) トルエンを溶剤とするゲル・パーミエーション・クロマ
トグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値とし
て測定した。 (2)水素化率及び(無水)マレイン酸残基含有率 水素添加前の重合体中の不飽和結合のモル数に対する水
素添加率(水素添加添加率)及び重合体中の総モノマー
単位数に対する(無水)マレイン酸残基のモル数の割合
(カルボキシル基含有率)はH−NMRスペクトルに
より測定した。 (3)ガラス移転温度(Tg) 示差走査熱量法(DSC法)により測定した。 (4)樹脂表面の粗さ 原子間力顕微鏡(Digital Instrumen
t 製、Nanoscope 3a)にてSi単結晶短
冊型カンチレバー(バネ定数=20N/m、長さ125
μm)を使用し大気中タッピングモードで表面平均粗さ
Raを測定して評価した。RaはJIS B 0601
に定める算術平均粗さである。 (5)密着性の評価 JIS C 5012 8.5に定めるめっき密着性の
評価パターンを最外層に形成した多層基板を温度25℃
相対湿度65%の雰囲気に24時間放置した後、JIS
C 5012 8.5に準じてめっき密着性の試験を
実施して、めっき層の剥離や浮きの発生を目視にて観察
した。剥離や浮きが観察されないものを良、剥離や浮き
が観察されるものを不良とした。 (6)パターニング性の評価 配線幅30μm、配線間距離30μm、配線長5cmで
50本の配線パターンを形成し、50本がいずれも形状
に乱れの無いものを○、形状に乱れがあるが欠損の無い
ものを△、欠損のあるものを×として評価した。
【0030】実施例1 8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−ドデカ−3−エンを開環重合し、次いで水
素添加反応を行い、数平均分子量(Mn)=31,20
0、重量平均分子量(Mw)=55,800、Tg=約
140℃の水素化重合体を得た。得られたポリマーの水
素化率は99%以上であった。得られた重合体100
部、無水マレイン酸40部及びジクミルパーオキシド5
部をt−ブチルベンゼン250部に溶解し、140℃で
6時間反応を行った。得られた反応生成物溶液を100
0部のイソプロピルアルコール中に注ぎ、反応生成物を
凝固させマレイン酸変性水素化重合体を得た。この変性
水素化重合体を100℃で20時間真空乾燥した。この
変性水素化重合体の分子量はMn=33,200、Mw
=68,300でTgは170℃であった。(無水)マ
レイン酸残基含有率は25モル%であった。
【0031】前記変性水素化重合体100部、ビスフェ
ノールAビス(プロピレングリコールグリシジルエーテ
ル)エーテル40部、2−[2−ヒドロキシ−3,5−
ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾト
リアゾール5部及び1−ベンジル−2−フェニルイミダ
ゾール0.1部を、キシレン215部及びシクロペンタ
ノン54部からなる混合溶剤に溶解させて、硬化性樹脂
組成物のワニスを得た。
【0032】当該ワニスを、ダイコーターを用いて、3
00mm角の厚さ40μmのポリエチレンナフタレート
フィルム(キャリアフィルム)に塗工し、その後、窒素
オーブン中、120℃で10分間乾燥し、樹脂(硬化性
樹脂組成物の成形体に相当)層の厚みが35μmのキャ
リアフィルム付きドライフィルムを得た。
【0033】一方、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6
−ジメルカプト−s−トリアジンの0.1%イソプロピ
ルアルコール溶液を調製し、この溶液に配線幅及び配線
間距離が50μm、導体厚みが18μmで表面がマイク
ロエッチング処理された内層回路を形成された厚さ0.
8mmの両面銅張り基板(ガラスフィラー及びハロゲン
不含エポキシ樹脂を含有するワニスをガラスクロスに含
浸させて得られたコア材)を25℃で1分間浸漬し、次
いで90℃で15分間、窒素置換されたオーブン中で乾
燥させてプライマー層を形成させて、内層基板を得た。
【0034】前述の内層基板上に、前述のキャリアフィ
ルム付きドライフィルムを、樹脂面が内側となるように
して両面銅張り基板両面に重ね合わせた。これを、一次
プレスとして耐熱ゴム製プレス板を上下に備えた真空ラ
ミネータを用いて、200Paに減圧して、温度110
℃、圧力0.5MPaで60秒間加熱圧着した。次い
で、二次プレスとして金属製プレス板で覆われた耐熱ゴ
ム製プレス板を上下に備えた真空ラミネータを用いて、
200Paに減圧して、温度140℃、1.0MPaで
60秒間、加熱圧着して硬化性樹脂組成物の成形体を積
層させた。
【0035】前述の硬化性樹脂組成物の成形体を積層さ
せた基板からポリエチレンナフタレートフィルムのみを
剥がした。硬化性樹脂組成物の成形体の表面粗さを評価
したところ、Raは14nmであった。次いでこの基板
に積層された硬化性樹脂組成物の成形体表面に、めっき
誘発物質として1−(2−アミノエチル)−2−メチル
イミダゾールが0.3%になるように調製した水溶液
を、インクジェット装置を用いて所望の配線パターンに
描画し、成形体表面に無電解めっき用イニシエータパタ
ーンを形成した。これを170℃の窒素オーブン中に6
0分間放置して、硬化性樹脂組成物の成形体を硬化さ
せ、内層基板上に樹脂基材である電気絶縁層を形成し
て、積層板を得た。尚、この積層板の表面には、イニシ
エータパターンが形成されている。得られた積層板の、
絶縁層部分に、UV−YAGレーザ第3高調波を用いて
直径30μmの層間接続のビアホールを形成しビアホー
ルつき多層基板を得た。
【0036】めっき前処理として、上述のビアホールつ
き多層基板を過マンガン酸濃度60g/リットル、水酸
化ナトリウム濃度28g/リットルになるように調整し
た80℃の水溶液に10分間揺動浸漬し、表面を酸化さ
せた。次いで、基板を水槽に1分間揺動浸漬し、更に別
の水槽に1分間揺動浸漬することにより、基板を水洗し
た。続いて硫酸ヒドロキシルアミン濃度170g/リッ
トル、硫酸80g/リットルになるように調整した25
℃の水溶液に、基板を5分間浸漬し、中和還元処理をし
た後、水洗をし、窒素を吹き付けて水を除去した。
【0037】めっき触媒付与のため、水洗後の多層基板
をアクチベータMAT−1−A(上村工業株式会社製)
が200ml/リットル、アクチベータMAT−1−B
(上村工業株式会社製)が30ml/リットル、水酸化
ナトリウムが1g/リットルになるように調整した60
℃のPd塩含有めっき触媒溶液に5分間浸漬した。次い
で、触媒活性化のため、上述と同じ方法で基板を水洗し
た後、レデユーサーMRD−2−A(上村工業株式会社
製)が18ml/リットル、レデユーサーMRD−2−
C(上村工業株式会社製)が60ml/リットルになる
ように調整した溶液に35℃で、5分間、浸漬し、めっ
き触媒を還元処理した。このようにしてめっき触媒を吸
着させ、得られた多層基板の最外絶縁層表面の粗さを評
価したところ、パターンを描画した部分のRaは32n
m、パターンを描画していない部分のRaは29nm
と、ほぼ同じRa値であった。
【0038】こうして得られた多層基板を、スルカップ
PRX−1−A(上村工業株式会社製)が150ml/
リットル、スルカップPRX−1−B(上村工業株式会
社製)が100ml/リットル、スルカップPRX−1
−C(上村工業株式会社製)が20ml/リットルにな
るように調整した25℃の無電解めっき液に空気を吹き
込みながら、15分間浸漬して無電解めっき処理し、上
述と同様に水洗して、所望のパターン状に金属パターン
が形成された多層基板を得た。次いで、金属パターンの
厚みを増す目的で、スルカップELC−SP−A(上村
工業株式会社製)が80ml/リットル、スルカップE
LC−SP−B(上村工業株式会社製)が20ml/リ
ットル、スルカップELC−SP−C(上村工業株式会
社製)が80ml/リットル、スルカップELC−SP
−D(上村工業株式会社製)が20ml/リットルにな
るように調整した60℃の高速無電解めっき液に空気を
吹き込みながら、5時間浸漬して無電解めっき処理施し
厚さ18μmの先に形成した金属パターン状にさらに金
属を重ねた。更に上述と同様に水洗して、所望のパター
ン状に金属パターンが形成された多層基板を得た。次い
で、AT−21(上村工業株式会社製)が10ml/リ
ットルになるよう調整した防錆溶液に25℃、1分間浸
漬し、更に上述と同じ方法で水洗した後、乾燥し、防錆
処理を施した。
【0039】この防錆処理が施された多層基板を、窒素
雰囲気のオーブン中にて170℃で30分間放置して、
加熱処理して前記無電解銅めっきにより形成された金属
パターンを両面に有する多層回路基板を得た。得られた
多層回路基板のパターンが無い部分の電気絶縁層(樹脂
基材)表面の粗さを評価したところRaは31nmであ
った。得られた多層回路基板のパターニング性の評価及
びめっき密着性の評価を行った。評価結果を表1に示
す。
【0040】実施例2 1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾールが
0.3%になるように調整した水溶液100部に、チキ
ソトロピー性を付与する目的でAEROJILRY20
0(日本アエロジル株式会社製)を15部添加して、デ
イゾルバーを用いて周速10m/秒で混合分散させた分
散溶液を調整した。実施例1の1−(2−アミノエチ
ル)−2−メチルイミダゾールが0.3%になるように
調整した水溶液に代えて、この分散溶液を用い、イニシ
エータパターンに描画するために用いる装置をスクリー
ン印刷装置に変えたこと以外は実施例1と同様に実施し
た。めっき前処理を実施した後の最外絶縁層表面の粗さ
を評価したところ、イニシエータパターンを印刷した部
分のRaは58nm、印刷してない部分のRaは32n
mと、ほぼ同じRa値であった。得られた多層回路基板
のパターンが無い部分の絶縁層表面の粗さを評価したと
ころRaは33nmであった。得られた多層回路基板の
パターン密着性、パターニング性の評価結果を表1に示
す。
【0041】比較例1 実施例1にて過マンガン酸処理しない以外は実施例1と
同様ににして多層回路基板を得た。めっき前処理を実施
した後の最外絶縁層表面の粗さを評価したところ、パタ
ーンを描画してある部分のRaは31nm、パターンを
描画していない部分のRaは26nmであった。得られ
た多層回路基板のパターンが無い部分の絶縁層表面の粗
さを評価したところRaは31nmであった。得られた
多層回路基板のパターン密着性、パターニング性の評価
結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】以上の結果から、硬化前の硬化性樹脂成形
体表面にめっき誘発物質からなるイニシエータパターン
を形成すると、硬化後の樹脂基材表面にイニシエータパ
ターンを形成した場合と比べ、優れた密着性の得られる
ことが判った。特に本発明の部分めっき法は、樹脂基材
表面を粗化する必要がなく、金属パターンとの界面にあ
る樹脂基材の表面粗さの小さい樹脂部材が得られる。こ
のため、粗化された樹脂基材を用いることの問題が指摘
されている回路基板の製造にも適している。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性樹脂組成物の成形体の表面に、所
    望のパターン状にめっき誘発物質を付着させた(工程
    A)後、工程Aを経た硬化性樹脂組成物の成形体を硬化
    することにより、めっき誘発物質からなるイニシエータ
    パターンを有する樹脂基材を得(工程B)、次いで当該
    パターン上に無電解めっきを行う(工程C)ことから成
    る部分めっき方法。
  2. 【請求項2】 めっき誘発物質が金属配位能を有する化
    合物からなるものである請求項1記載の部分めっき方
    法。
  3. 【請求項3】 工程Bにおける硬化が熱により行われる
    ものである請求項1記載の部分めっき方法。
  4. 【請求項4】 工程Cの前に、樹脂基材表面を酸化する
    (工程B’)請求項1記載の部分めっき方法。
  5. 【請求項5】 工程Cの後、樹脂基材を加熱する工程
    (工程D)を有する請求項1記載の部分めっき方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの方法により形
    成された金属パターンを有する樹脂部材。
JP2002054808A 2001-09-05 2002-02-28 部分めっき方法及び樹脂部材 Expired - Fee Related JP3861999B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002054808A JP3861999B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 部分めっき方法及び樹脂部材
PCT/JP2002/008976 WO2003024174A1 (fr) 2001-09-05 2002-09-04 Carte de circuit imprime multicouche, materiau a base de resine et procede de production associe
TW091120184A TW540284B (en) 2001-09-05 2002-09-04 Process for manufacturing multi-layer circuit substrate
CNB02817349XA CN100496195C (zh) 2001-09-05 2002-09-04 多层电路基板、树脂基材及其制造方法
KR1020047003288A KR100912920B1 (ko) 2001-09-05 2002-09-04 다층 회로 기판, 수지 기재 및 그의 제조 방법
US10/487,997 US7614145B2 (en) 2001-09-05 2002-09-04 Method for manufacturing multilayer circuit board and resin base material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002054808A JP3861999B2 (ja) 2002-02-28 2002-02-28 部分めっき方法及び樹脂部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003253455A true JP2003253455A (ja) 2003-09-10
JP3861999B2 JP3861999B2 (ja) 2006-12-27

Family

ID=28665854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002054808A Expired - Fee Related JP3861999B2 (ja) 2001-09-05 2002-02-28 部分めっき方法及び樹脂部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3861999B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004266130A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Seiko Epson Corp 配線基板及びその製造方法、半導体装置並びに電子機器
JP2006188757A (ja) * 2004-12-08 2006-07-20 Mitsuboshi Belting Ltd ポリイミド樹脂の無機薄膜形成方法及び表面改質した無機薄膜形成用ポリイミド樹脂の製造方法
WO2007004666A1 (ja) * 2005-07-05 2007-01-11 Tohoku University 薄膜トランジスタ、配線板、及びそれらの製造方法
US7189598B2 (en) 2003-03-03 2007-03-13 Seiko Epson Corporation Wiring board, method of manufacturing the same, semiconductor device, and electronic instrument
US7585540B2 (en) 2004-03-30 2009-09-08 Seiko Epson Corporation Method for manufacturing wiring substrate
JP2010016219A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Konica Minolta Ij Technologies Inc 金属パターン形成方法及び金属パターン
CN103270110A (zh) * 2010-12-27 2013-08-28 日本瑞翁株式会社 固化性树脂组合物、固化物、表面处理固化物及层叠体
JP2015513003A (ja) * 2012-03-15 2015-04-30 アトテツク・ドイチユラント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングAtotech Deutschland GmbH 非導電性プラスチック表面の金属化方法
JP2021040043A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 株式会社村田製作所 電子部品およびその製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004266130A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Seiko Epson Corp 配線基板及びその製造方法、半導体装置並びに電子機器
US7189598B2 (en) 2003-03-03 2007-03-13 Seiko Epson Corporation Wiring board, method of manufacturing the same, semiconductor device, and electronic instrument
US7585540B2 (en) 2004-03-30 2009-09-08 Seiko Epson Corporation Method for manufacturing wiring substrate
JP2006188757A (ja) * 2004-12-08 2006-07-20 Mitsuboshi Belting Ltd ポリイミド樹脂の無機薄膜形成方法及び表面改質した無機薄膜形成用ポリイミド樹脂の製造方法
WO2007004666A1 (ja) * 2005-07-05 2007-01-11 Tohoku University 薄膜トランジスタ、配線板、及びそれらの製造方法
JP2010016219A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Konica Minolta Ij Technologies Inc 金属パターン形成方法及び金属パターン
CN103270110A (zh) * 2010-12-27 2013-08-28 日本瑞翁株式会社 固化性树脂组合物、固化物、表面处理固化物及层叠体
JP2015513003A (ja) * 2012-03-15 2015-04-30 アトテツク・ドイチユラント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングAtotech Deutschland GmbH 非導電性プラスチック表面の金属化方法
JP2021040043A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 株式会社村田製作所 電子部品およびその製造方法
JP7092099B2 (ja) 2019-09-03 2022-06-28 株式会社村田製作所 電子部品およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3861999B2 (ja) 2006-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100912920B1 (ko) 다층 회로 기판, 수지 기재 및 그의 제조 방법
JP4179165B2 (ja) 部分めっき方法、部分めっき樹脂基材、及び多層回路基板の製造方法
JP4850487B2 (ja) プリント配線板用積層体、それを用いたプリント配線板、プリント配線基板の作製方法、電気部品、電子部品、および、電気機器
JP3541360B2 (ja) 多層回路構造の形成方法及び多層回路構造を有する基体
US5403869A (en) Adhesive of epoxy resins, epoxy-modified polybutadiene and photoinitiator
JP2011000892A (ja) 樹脂複合フィルム
US7661190B2 (en) Process for producing multilayer printed wiring board
JPWO2005099328A1 (ja) 回路基板及びその製造方法
WO2007023944A1 (ja) 複合樹脂成形体、積層体、多層回路基板および電子機器
TW200522824A (en) Formation method of metal layer on resin layer, printed wiring board, and production method thereof
JP2007146103A (ja) エポキシ樹脂組成物、導電膜形成方法、導電性パターン形成方法、及び多層配線板の製造方法
JP4606924B2 (ja) グラフトパターン材料、導電性パターン材料およびその製造方法
JP3861999B2 (ja) 部分めっき方法及び樹脂部材
JP2006229038A (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP2007227567A (ja) 金属薄膜層の形成方法および多層プリント配線板の製造方法
JP5729167B2 (ja) 樹脂組成物、フィルム、積層体、硬化物、及び複合体
JPWO2004086833A1 (ja) プリント配線板、その製造方法及び支持体付き硬化性樹脂成形体
JP2005264303A (ja) 金属樹脂複合フィルムの製造方法、金属樹脂複合フィルム及びその利用
JP4300389B2 (ja) 多層回路基板の製造方法
JP2006028225A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、電気絶縁膜、積層体及び多層回路基板
JP2008182146A (ja) 多層回路基板およびその製造方法
JP2004134670A (ja) 多層回路基板の製造方法
JP2005248069A (ja) 硬化性樹脂組成物及びその成形体
JP2007134396A (ja) プリント配線板用積層体、それを用いた多層金属配線パターン形成方法及び金属薄膜
JP2003243836A (ja) 多層配線板の製造方法及び絶縁樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060919

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091006

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees