JP2003253367A - 析出硬化型Al合金 - Google Patents

析出硬化型Al合金

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JP2003253367A JP2002059138A JP2002059138A JP2003253367A JP 2003253367 A JP2003253367 A JP 2003253367A JP 2002059138 A JP2002059138 A JP 2002059138A JP 2002059138 A JP2002059138 A JP 2002059138A JP 2003253367 A JP2003253367 A JP 2003253367A
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崇之 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた機械的特性を有し、特に優れた靱性を
有する析出硬化型Al合金を提供する。 【解決手段】 析出硬化型のAl合金であって、その中
に存在する共晶組織のアスペクト比を1.2〜2.5と
し、かつ、その面積を相当する面積の円の直径で表した
円相当直径を1〜2.5μmとする。そして、好ましく
は、Siを6.5〜7.5質量%、Mgを0.36質量
%以下含有させる。更に好ましくは、Srを20〜70
ppm含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は析出硬化型Al合
金に関し、更に詳しくは、優れた機械的特性を有する析
出硬化型Al合金に関する。
【0002】
【従来の技術】 鋳物やダイカスト用アルミニウム(A
l)合金として、AlにSiを数質量%含有したAl−
Si系のAl合金が知られており、Al−Si系のAl
合金を基本組成として、更に他元素のCu、Mgなどを
含有した多元Al−Si系合金が鋳造用合金として用い
られている。これは、鋳物やダイカストの鋳造において
重要な特性である溶湯の流動性、鋳型充填性等が他の合
金と比較して優れていること、鋳造割れがほとんど起こ
らないこと、他の元素と組み合わせることにより強度の
大きい合金が得られること、熱膨張係数が小さく、耐摩
耗性がよいこと等の理由によるものである。
【0003】 Al−Si系合金に少量のMgを添加し
た合金として、AC4A、AC4C、AC4CHがあ
り、これらの合金はMg2Siの中間相の析出による熱
処理効果で強度を高めているものである。特に、AC4
Cや、Feを0.20質量%以下に制限して靭性を高め
たAC4CHは自動車などの車両ホイール用合金として
用いられている。更に、Al−Si系合金に少量のMg
及びCuを添加した合金も用いられており、Mg2Si
の中間相による析出硬化とCuの固溶硬化、Al2Cu
の中間相による析出硬化等により強度を向上させている
ものである。
【0004】 上記のように、熱処理による析出硬化型
Al合金の高強度化は、他元素の添加とそれによる中間
相の時効析出によって得られるものであり、時効析出の
ための熱処理は溶体化処理、及び時効処理からなる。溶
体化処理は、凝固時に晶出した非平衡相を高温で固溶化
させ、その後水冷することによって常温で均一な固溶体
を得る熱処理である。溶体化処理に引き続く時効処理
は、比較的低温で保持し、固溶させた元素を中間析出相
として析出させ硬化させるものであり、これらの熱処理
によりAl合金の機械的特性の向上が図られている。
【0005】 従来、このようなAl合金の溶体化処理
及び時効処理としては、空気を熱媒体としたトンネル炉
などの雰囲気炉が用いられているが、昇温時間が遅いほ
か、温度の振れが約±5℃と大きく、そのため、より高
い温度での溶体化処理ができない等の問題があるほか、
得られるAl合金の機械的特性は、引張強さが約290
MPa、0.2%耐力が約200MPaであり、伸びも
8%程度であった。自動車ホイールに用いるAl合金に
ついて、このような引張強さ、0.2%耐力及び伸びと
いう機械的特性を更に向上させることができれば、自動
車ホイールの厚さをより薄くすることができるため、全
体としての自動車重量を減らすことができると共に、こ
ろがり抵抗を小さくすることができるため、燃費向上や
排ガス浄化性能の向上に加えて操縦安定性の改善を図る
ことができることになり、極めて有効である。
【0006】 このような機械的特性を更に向上させる
方法としては、Al合金の微細構造に着目し、Al合金
中に存在する共晶組織の粒子のアスペクト比を1に近付
け、粒子形状を球形に近づけたり、共晶組織の粒径を小
さくすることにより、応力集中を緩和する方法が考えら
れるが、従来の雰囲気炉では、アスペクト比を1に近付
けることは可能であったが、共晶組織の粒径は大きく、
応力集中の緩和は不十分であった。そのため、従来の雰
囲気炉で熱処理を行う場合は、十分な機械的特性を得る
ことができなかった。
【0007】 そこで、本発明者等は種々の角度から検
討した結果、Al合金の熱処理において、所定の温度コ
ントロールをすることにより、共晶組織のアスペクト比
を1に近づけると共に、共晶組織の粒径を小さくするこ
とができ、それにより得られたAl合金の機械的特性が
向上し、特に優れた靱性を有することを見出し、本発明
に到達したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 すなわち、本発明の
目的は、優れた機械的特性を有し、特に優れた靱性を有
するAl合金を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、析出
硬化型Al合金であって、その中に存在する共晶組織の
アスペクト比が1.2〜2.5であり、かつ、その面積
を相当する面積の円の直径で表した円相当直径が1〜
2.5μmであることを特徴とする析出硬化型Al合金
が提供される。この析出硬化型Al合金においては、成
分的には、Siを6.5〜7.5質量%、Mgを0.3
6質量%以下含有することが好ましく、また、Srを2
0〜70ppm含有することが更に好ましい。また、本
発明の析出硬化型Al合金は、車両用ホイールの構成材
料として好適に用いられる。
【0010】
【発明の実施の形態】 次に本発明の実施の形態を具体
的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当
業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等
が加えられることが理解されるべきである。本発明は、
上述したように、Mg2Siの中間相による析出硬化や
Cuの固溶硬化、Al2Cuの中間相による析出硬化に
より強度を向上させてなる析出硬化型Al合金に関する
ものであり、具体的には、Al合金中に存在する共晶組
織のアスペクト比が1.2〜2.5であり、かつ、その
面積を相当する面積の円の直径で表した円相当直径が1
〜2.5μmであるAl合金である。
【0011】 本発明に係る析出硬化型Al合金は、合
金組織中に存在する共晶組織のアスペクト比が1.2〜
2.5であり、かつ、その面積を相当する面積の円の直
径で表した円相当直径が1〜2.5μmのものである
が、このような組織を有するAl合金は、優れた機械的
特性を有し、特に靱性に優れている。機械的特性として
は、例えば、引張強さが310MPa以上、好ましくは
320MPa以上で、0.2%耐力が240MPa以
上、好ましくは260MPa以上で、また伸びが10%
以上、好ましくは12%以上を呈するものである。ここ
で、Al合金の引張強さ、0.2%耐力、及び伸びとい
う機械的特性は、JIS Z2241で規定されている
試験法に準拠して求めたものである。本発明において、
アスペクト比及び円相当直径は、本発明の析出硬化型A
l合金のワークピースの表面を鏡面処理し、画像解析装
置で測定して、平均値を求めたものである。アスペクト
比が2.5より大きいと、共晶組織の各粒子の形状が、
球形と比較してより大きく変形していることになり、そ
の一部に応力が集中し易い形状となるため、合金に衝撃
を与えた場合に亀裂が発生し易くなり、靱性が悪化す
る。円相当直径が2.5μmより大きいと、共晶組織の
粒子への応力集中が大きくなるため、上記機械的特性、
特に靱性が悪化する。
【0012】 本発明の析出硬化型Al合金は、その組
成として、Alを基本とし、Siを6.5〜7.5質量
%、Mgを0.36質量%以下含有したものが好まし
く、更に、Srを20〜70ppm含有したものである
ことが好ましい。すなわち、Si含有量が6.5〜7.
5質量%の範囲においては、Al合金の鋳造性が向上す
ることから好ましく、6.8〜7.2質量%の範囲が更
に好ましい。Si含有量が6.5〜7.5質量%の範囲
外の場合、Al合金の鋳造性が悪化することがある。
【0013】 Mgの含有量については、0.36質量
%以下が好ましい。MgはSiと共に、熱処理によって
Mg2Si相という中間相を析出し、この析出により顕
著な時効硬化を生じるが、0.36質量%を超えて含有
すると、引張強さ等は大きくなるが、逆に伸びが下がる
ことがある。また、SrはAl合金の共晶組織の改良処
理材として機能するもので、20〜70ppm含有する
ことが好ましく、30〜60ppmの範囲が更に好まし
い。従って、本発明のAl合金は、AC4C、AC4C
Hをベースとした合金を対象とするものである。
【0014】 本発明のAl合金は、上述のように優れ
た機械的特性を有し、特に優れた靱性を有するため、自
動車などの車両用ホイールの構成材料として極めて有効
に用いることができる。
【0015】 次に、上記した微小な共晶組織を有する
本発明の析出硬化型Al合金は、例えば、下記のような
熱処理方法により製造することができる。まず、通常の
製法で鋳造されたAl合金の鋳物(ワークピース)に対
して、溶体化処理を施した後一般的には急冷し、次いで
時効処理を行う。鋳物に対してこれらの処理を施すこと
により、車両用ホイールなどの所望の用途に適用し得る
ように、Al合金の機械的特性を向上させることができ
る。
【0016】 溶体化処理は、ワークピースを20分以
内の短時間で溶体化処理温度まで急速昇温し、その後、
溶体化処理温度で維持し、昇温時間を含めて1時間以内
で行う。このとき、熱処理されるワークピースを構成す
る合金の融点温度より−10℃〜+5℃である高温を保
持して熱処理することが望ましい。昇温時間を含めて1
時間以内と、極短時間で溶体化処理する場合には、合金
の融点温度より高い温度で熱処理しても、直ぐに溶け出
すことはない。より高い溶体化処理温度で処理する結
果、溶体化処理は、凝固時に晶出した非平衡相を、より
多く、短時間で、固溶化させることができ、溶体化処理
後の時効による硬化、すなわち析出硬化がより促進さ
れ、引張強さ、0.2%耐力等の強度を、大きく向上さ
せることが可能となる。これは、硬さ、強さが向上する
ことを意味するが、反面、延性は低下する。
【0017】 しかしながら、本発明における熱処理対
象のワークピースは、加工歪みを有し内部エネルギーの
高い合金であり、再結晶がより進行した合金である。再
結晶とは、例えば冷間加工等で内部に歪みを生じた金属
を加熱すると、内部歪みのない新しい結晶の生成と成長
が始まって、もとの結晶粒と置き換わる現象であり、再
結晶が進み、全体が新しい結晶粒に置き換われば、歪み
の開放により、延性が向上する。上記したように、本発
明においては、より高温で、かつ、より短時間で溶体化
処理するため、再結晶がより速く進行する。従って、固
溶硬化及び析出硬化により生じる延性の低下を補い、か
つ、固溶硬化及び析出硬化により生じる引張強さ、0.
2%耐力の向上効果を損なわずに、より伸びが優れた合
金とすることが可能となる。
【0018】 更に、本発明における熱処理により、高
温で溶体化処理を行うことによって、個体拡散が促進さ
れ、かつ短時間で溶体化処理を完了させることによって
組織を粗大化することなく、かつ組織の偏った成長を抑
制できるため、アスペクト比を1.2〜2.5に制御す
ることができる。また、溶体化処理条件が従来と比較し
て高温短時間であり、不用意な組織の粗大化を抑制でき
るため、円相当直径を1〜2.5μmに制御することが
できる。そして、これらにより、優れた靱性を有するこ
とが可能となる。
【0019】 融点温度は、金属によって異なるが、例
えば、Al−Mg−Si系合金の場合に、三元共晶反応
温度が約557℃である。従って、Al−Mg−Si系
の析出硬化型Al合金を熱処理する場合には、溶体化処
理温度を547〜562℃までの昇温を数分から20分
で行い、しかも全溶体化処理時間を1時間以内とするこ
とが好ましい。融点前後の高温で溶体化することにより
固溶化が進み、より詳細には、Mg及び/又はSiのα
相中への固溶率を60%以上とすることができる。その
結果、得られるAl合金の機械的強度が大きく向上す
る。
【0020】 本発明の熱処理における溶体化処理にお
いては、ワークピースを急速加熱できればよく、その方
法について特に制限はない。すなわち、雰囲気の温度を
制御してワークピースを急速加熱し得るようにすればよ
く、例えば、高周波加熱や低周波加熱、遠赤外線加熱方
式も適用可能であるが、流動層を用いた急速加熱がより
好ましい。
【0021】 流動層による急速加熱は、ワークピース
を流動層中に存在させることにより行う。流動層は、粉
粒体等の粒状物が吹き込みガスにより加熱され、かつ、
均一に混合されて形成されており、流動層内部の温度
が、概ね均一になると共に伝熱効率がよいという特徴を
有している。この流動層の特徴を本発明におけるワーク
ピースの溶体化処理に活用すると、流動層内部の温度均
一化(約±2〜3℃)により、融点温度前後の、より高
い温度での溶体化処理が可能となり、また、伝熱効率が
よいことから、溶体化処理温度までの昇温時間を短縮す
ることができる。これらの特徴は、従来の空気を熱媒体
とする雰囲気炉に対して大きな利点である。
【0022】 ワークピースを溶体化処理した後、急冷
して常温に戻し、次いで時効処理を行う。この時効処理
の具体的方法については特に制限はなく、従来の空気を
熱媒体とする雰囲気炉(トンネル炉)を使用することも
できるが、溶体化処理と同様に、流動層を用いること
が、より好ましい。時効処理時間の短縮のほか、溶体化
処理に流動層を用いる場合に、同じ流動層を使用するこ
とがプロセス全体の制御上、操作上の観点から好ましい
からである。また、流動層方式は、一般に、流動層容器
の外部から加熱する容器加熱方式やラジアントチューブ
を流動層中に内蔵するラジアントチューブ方式等の間接
加熱方式のほか、熱風の直接吹込みによる直接加熱方式
が知られており、いずれの方式も適用できるが、熱風の
直接吹込みによる直接加熱方式により流動層を形成する
ことが、流動層中の温度分布が良好になることから好ま
しい。
【0023】 次に、本発明の熱処理方法の処理条件に
ついて、Al−Mg−Si系合金を熱処理する場合を例
にとって説明する。まず、ワークピースの溶体化処理
は、約5分〜20分で540〜562℃まで昇温し、そ
の温度で数分〜40分間、好ましくは、昇温及び保持の
合計時間で1時間以内で処理する。溶体化処理温度とし
ては、547〜562℃が更に好ましい。次いで、ワー
クピースを急冷して常温まで降温する。次に、ワークピ
ースを時効処理するが、時効処理は数分で150〜20
0℃まで昇温し、その温度で数10分〜数時間保持する
ことが好ましい。時効処理温度としては、短時間化によ
る生産性の向上を狙い、170〜190℃が更に好まし
い。溶体化処理においては、上記のように、ワークピー
スを短時間で急速加熱することが好ましく、例えば、車
両用ホイールの場合、3〜10分程度で547〜562
℃まで昇温することが好ましい。このことは特に共晶組
織の微細化の観点から望ましい。
【0024】
【実施例】 以下、本発明を実施例、比較例に基づき、
更に具体的に説明する。 (実施例1)流動層式の溶体化処理炉を用い、時効処理
炉としては雰囲気炉を用いて、AC4CHのAl合金製
アルミホイールの鋳造物について熱処理方法を実施し
た。流動層式溶体化処理炉は、一辺が1500mm×1
500mmの角タンク状で、直胴部高さが750mm、
下方部が台形状の流動層容器から構成されている。ま
た、時効処理炉は従来公知のトンネル炉(雰囲気炉)を
用いた。粒状物としては、円相当直径が50〜500μ
mの砂を用いた。
【0025】 熱処理の対象物としては、図1に示す鋳
造された車両用アルミホイール1を用い、テストピース
の採取位置は、アウターリム・フランジ2、インナーリ
ム・フランジ3及びスポーク4の3ヶ所とした。上記A
C4CHのAl合金製アルミホイールの組成は、Siを
7.0質量%、Mgを0.33質量%、Srを40pp
m含有するほか、Cuを0.001質量%、Feを0.
11質量%含有し、残部がAlであった。
【0026】 熱処理条件としては、溶体化処理温度5
50℃で、溶体化処理温度までの昇温時間を10分、溶
体化処理温度での保持時間を50分として溶体化処理を
行った後に、急冷し、その後、時効処理温度150℃
で、昇温、保持を含め210分の時効処理を実施した。
熱処理された車両用アルミホイールからテストピースを
採取し(n=4)、それぞれ以下の方法により画像解析
及び計装化シャルピー衝撃試験を行った。得られた結果
を表1及び図2に示す。 画像解析:画像解析は光学顕微鏡(倒立型金属顕微鏡)
を用いて測定、解析を行った。テストピースをエメリー
研磨紙で1500番まで粗研磨後、ダイアモンドペース
ト1μmで鏡面状態にした。その後、フッ酸(HF)で
エッチングした後、ミクロ組織観察を行い、画像解析装
置を用いて共晶Si粒子の円相当直径及びアスペクト比
を測定、解析し、平均値を求めた。 計装化シャルピー衝撃試験:試験は、容量14.7Jの
計装化シャルピー衝撃試験機で行い、全て負荷速度3.
6m/sec、室温で行った。測定では、試験片を打撃
する際の衝撃荷重とハンマーの変位をコンピュータによ
り計測し、打撃(衝撃)により亀裂が発生するときの、
衝撃開始時から亀裂発生までに要したエネルギーを亀裂
発生エネルギーEiとし、亀裂発生から亀裂終了までの
亀裂進展時に要したエネルギーを亀裂進展エネルギーE
pとして計測した。EtはEi+Epで表される全亀裂
エネルギーである。
【0027】
【表1】
【0028】(比較例1)溶体化処理炉及び時効処理炉
として従来のトンネル炉(雰囲気炉)を用い、溶体化処
理温度を540℃として、溶体化処理温度までの昇温時
間を1時間12分、溶体化処理温度での保持時間を4時
間として、鋳造された車両用アルミホイールに熱処理を
施した。その他の時効条件等は実施例1と同一である。
熱処理された車両用アルミホイールからテストピースを
採取し(n=4)、それぞれ上記方法により画像解析及
び計装化シャルピー衝撃試験を行った。得られた結果を
表1及び図2に示す。
【0029】 表1より、アスペクト比は実施例1、比
較例1共に同程度に小さく、良好であるが、実施例1の
円相当直径が比較例1の円相当直径より大幅に小さくな
っている。また、表1及び図2より、実施例1の亀裂発
生エネルギーEi及び亀裂進展エネルギーEpが共に比
較例1より大きいことより、実施例1のほうが、破壊靱
性が大きいことがわかる。これより、円相当直径が小さ
いほうが破壊靱性が大きくなることがわかる。
【0030】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、優れた機械的特性を有し、特に優れた靱性を有する
Al合金を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両用アルミホイールを示す斜視図である。
【図2】 実施例1及び比較例1における計装化シャル
ピー衝撃試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…アルミホイール、2…アウターリム・フランジ、3
…インナーリム・フランジ、4…スポーク、A…実施例
1の計装化シャルピー衝撃試験結果、B…比較例1の計
装化シャルピー衝撃試験結果。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 析出硬化型のAl合金であって、 その中に存在する共晶組織のアスペクト比が1.2〜
    2.5であり、かつ、その面積を相当する面積の円の直
    径で表した円相当直径が1〜2.5μmであることを特
    徴とする析出硬化型Al合金。
  2. 【請求項2】 Siを6.5〜7.5質量%、Mgを
    0.36質量%以下含有する請求項1に記載の析出硬化
    型Al合金。
  3. 【請求項3】 Srを20〜70ppm含有する請求項
    1又は2に記載の析出硬化型Al合金。
  4. 【請求項4】 車両用ホイールの構成材料として用いら
    れる請求項1〜3のいずれかに記載の析出硬化型Al合
    金。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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