JP2003252955A - 感光性を有する着色性組成物およびその硬化物 - Google Patents

感光性を有する着色性組成物およびその硬化物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性線の透過性を阻害する顔料、染料、カー
ボンブラックあるいは金属紛を高濃度に含有しても硬化
性を確保でき、空気中で厚膜硬化が可能であり、硬化速
度が速い感光性を有する着色性組成物を提供しようとす
るものである。 【解決手段】(1)分子内に開環重合性反応基を有する
化合物 (2)分子内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に
有しするエチレン性不飽和化合物 (3)分子内に水酸基を有せずエチレン性不飽和結合を
2以上有するエチレン性不飽和化合物 (4)活性線を吸収して酸を発生する化合物 を含有する感光性樹脂組成物を用い、該感光性樹脂組成
物に顔料、染料、カーボンブラックあるいは金属紛末等
の着色剤を混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性を有する着
色性組成物、特に活性線の透過性を阻害する顔料、染
料、カーボンブラック、有機系微粒子、金属酸化物粉あ
るいは金属紛を含有しても硬化性を確保できる感光性を
有する印刷インキ、塗料、コーティング材料、液晶ディ
スプレー用カラフィルター材料、ホログラム材料、有機
ELディスプレーやリチウムイオン2次電池保護回路の
封止材料、プリント基板用ソルダーレジスト材料、ビル
ドアップ基板用絶縁材料、接着剤等の着色性組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感光性を有する着色性組成物とし
ては、紫外線、電子線等の活性線を照射することにより
硬化可能なラジカル重合反応を利用したものが数多く報
告されていた。例えば印刷インキ(光・放射線硬化技
術、p19から25、昭和60年8月発行、株式会社大
成社)、塗料、液晶ディスプレー用カラフィルター材料
等が公知であるが、これらの系は表面の酸素による硬化
阻害、硬化物の収縮が大きいため設計寸法から大きくず
れたり、場合によってはクラックが発生すること、更に
活性線の透過を阻害する顔料、染料、カーボンブラック
あるいは金属粉末を含有することにより塗膜内部の硬化
が不十分であることなどの大きな問題があった。またそ
の他、これらのラジカル重合反応を利用した感光性組成
物の場合、空気中での硬化速度が遅いため光重合開始剤
を多量に添加する必要があり、その光分解物が硬化物中
に残存し硬化物の物性低下につながること、表面の硬化
性低下を抑制するためには酸素を遮断した状態で活性線
を照射する必要があり工程が煩雑になること、硬化物内
に未反応物が多く残存することなど多くの問題を抱えて
いた。
【0003】また別の、空気中で硬化可能な感光性樹脂
として、ジエポキシ化合物と活性線照射で酸を発生する
化合物を組み合わせた光カチオン重合タイプのものが知
られているが、目的とする硬化物の厚みが100μ程度
より薄くないと充分に硬化させることができず、0.5
mm以上の厚みの硬化物を成形することが難しいという
問題があった。また、着色剤として顔料、染料、カーボ
ンブラックあるいは金属粉末を混合した場合、活性線の
透過率低下のため活性線の入射する表面から遠い部分で
は十分な硬化物性を得ることができなかった。したがっ
て着色剤の濃度を高くすることができないという大きな
問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するため、活性線の透過性を阻害する顔料、染料、
カーボンブラック、有機系微粒子、セラミック微粒子、
金属酸化物粉あるいは金属紛を高濃度に含有しても硬化
性を確保でき、硬化速度が速い感光性を有する印刷イン
キ、塗料、コーティング材料、液晶ディスプレー用カラ
フィルター材料、ホログラム材料、有機ELディスプレ
ーやリチウムイオン2次電池保護回路の封止材料、プリ
ント基板用ソルダーレジスト材料、ビルドアップ基板用
絶縁材料、接着剤等の用途で大きな効果を発現する着色
性組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、 (1)分子内に開環重合性反応基を有する化合物 (2)分子内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に
有するエチレン性不飽和化合物 (3)分子内に水酸基を有せずエチレン性不飽和結合を
2以上有するエチレン性不飽和化合物 (4)活性線を吸収して酸あるいは塩基を発生する化合
物 を必須成分として含有することを特徴とする感光性樹脂
組成物を用いることにより、活性線の透過性を阻害する
顔料、染料、カーボンブラック、有機系微粒子、セラミ
ック微粒子、金属酸化物粉末あるいは金属紛末を含有し
ても硬化性を確保でき、硬化速度が速い感光性を有する
印刷インキ、塗料、コーティング材料、液晶ディスプレ
ー用カラフィルター材料、ホログラム材料、有機ELデ
ィスプレーやリチウムイオン2次電池保護回路の封止材
料、プリント基板用ソルダーレジスト材料、ビルドアッ
プ基板用絶縁材料、接着剤等の用途で使用可能な着色性
組成物が得られることを見出した。特に開環重合性反応
基を有する化合物(1)に混合するエチレン性不飽和結
合を有する化合物として化合物(2)と(3)の組み合
わせにより、硬化物の物性上極めて優れた特性を示すこ
とを発見し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は下記の通りである。 1.(1)分子内に開環重合性反応基を有する化合物1
00重量部 (2)分子内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に
有するエチレン性不飽和化合物1〜100重量部 (3)分子内に水酸基を有せずエチレン性不飽和結合を
2以上有するエチレン性不飽和化合物1〜100重量部 (4)活性線を吸収して酸あるいは塩基を発生する化合
物 (5)顔料、染料、カーボンブラック、有機系微粒子、
セラミック微粒子、金属酸化物粉末あるいは金属粉末か
ら選ばれる少なくとも1種の着色剤 を含み、(1)〜(3)の化合物の全重量に対して、
(4)の化合物を0.1〜10wt%含有し、更に
(1)〜(4)からなる感光性樹脂組成物100重量部
に対して、(5)の着色剤0.01〜50重量部を添加
してなることを特徴とする、感光性を有する着色性組成
物。
【0007】2.分子内に開環重合性反応基を有する化
合物(1)が、エポキシ基あるいはオキセタン基を有す
る化合物であって、該開環重合性反応基を分子内に2以
上有する化合物であることを特徴とする1.記載の感光
性を有する着色性組成物。 3.エチレン性不飽和化合物(2)が、水酸基とメタク
リロイル基、または水酸基とアクリロイル基を同時に有
する化合物であることを特徴とする1.記載の感光性を
有する着色性組成物。 4.エチレン性不飽和化合物(3)が、メタクリロイル
基、またはアクリロイル基を有することを特徴とする
1.記載の感光性を有する着色性組成物。
【0008】5.前記(1)〜(4)の化合物からなる
感光性樹脂組成物の、温度20℃での粘度が、1mPa
・s以上5000mPa・s以下であることを特徴とす
る1.から4.のいずれかに記載の感光性を有する着色
性組成物。 6.前記1.から4.のいずれかに記載の感光性を有す
る着色性組成物に活性線を照射することにより得られる
硬化物。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、特にその
好ましい態様を中心に、詳細に説明する。開環重合性反
応基を有する化合物(1)としては、エポキシ化合物、
オキセタン化合物、環状エステル化合物、ジオキソラン
化合物、スピロオルトカーボネート化合物、スピロオル
トエステル化合物、ビシクロオルトエステル化合物、シ
クロシロキサン化合物、環状イミノエーテル化合物、環
状イミン化合物、双環状尿素化合物、環状カーボネート
化合物、環状サルファイト化合物、ラクタム化合物など
を挙げることができる。本発明の開環重合性化合物は該
分子中に開環重合性反応基を1以上、好ましくは2以上
有する。
【0010】開環重合反応性化合物(1)の内、特に反
応性の高い化合物としては、グリシジル基やエポキシシ
クロヘキシル基などエポキシ基を分子内に2以上有する
化合物、オキセタン基を分子内に2以上有する化合物を
挙げることができる。これらの開環重合性化合物単独あ
るいは混合物であっても構わない。エポキシ基を有する
化合物とオキセタン基を有する化合物を混合した系にお
いて、靭性等の物性が向上する化合物の組み合わせも見
出しており、特にフレキシビリティーの高い基材上に塗
布して使用する用途には極めて有効である。また、同一
分子内にエポキシ基とオキセタン基を同時に有する化合
物であっても構わない。
【0011】エポキシ化合物の具体例としては、種々の
ジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒ
ドリンを反応させて得られる化合物、すなわち、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグ
リシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAに
エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加
した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレン
グリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテ
ル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジ
グリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオール
ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0012】また別の例として、分子中にオレフィンを
2以上有する化合物に過酢酸などの過酸を反応させて得
られるポリエポキシ化合物、すなわち、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチルー3′、4′―エポキシシクロ
ヘキシルカルボキシレート、1−メチルー3、4―エポ
キシシクロヘキシルメチルー1′―メチルー3′、4′
―エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、アジピン
酸ビス[1−メチルー3,4―エポキシシクロヘキシ
ル]エステル、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ポ
リブタジエンやポリイソプレンなどのポリジエンに過酢
酸を反応させて得られるポリエポキシ化合物、エポキシ
化大豆油などをあげることができる。
【0013】また、本発明で用いられるオキセタン化合
物としては、通常用いられている化合物を使用すること
ができ、特に限定するものではないが、キシリレンジオ
キセタン(東亜合成社製、商標「OXT−121」)、
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合
成社製、商標「OXT−101」)、東亜合成社製、商
標「OXT−221」、「PNOX−1009」などを
挙げることができる。これらのエポキシ化合物の中で
も、20℃における粘度が1000mPa・s以下、好
ましくは500mPa・s以下の化合物が良好な硬化物
特性を得ることができるので好ましい。この要因は現在
のところ明確ではないが、分子の運動性の自由度が大き
いためと推定される。
【0014】またその他、環状エステル化合物として
は、εカプロラクトン環、γブチロラクトン環、βプロ
ピオンラクトン環を有する化合物を挙げることができ
る。更に、1分子中に異なる開環重合性反応基を有する
化合物であっても構わない。また、本発明では、特に分
子中に開環重合性反応基とエチレン性不飽和結合を同時
に有する化合物の場合、開環重合反応性化合物に含める
ものとする。これらは単独であるいは組み合わせで使用
することができる。
【0015】(2)の分子内に水酸基とエチレン性不飽
和結合を同時に有するエチレン性不飽和化合物として
は、ポリオキシエチレングリコールモノメタクリレー
ト、ポリオキシエチレングリコールモノアクリレート、
ポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート、
ポリオキシプロピレングリコールモノアクリレートなど
を例として挙げることができる。これらは単独で或いは
組み合わせて使用することができる。
【0016】本発明においては、これら不飽和化合物
(2)の分子量が200以上であることが好ましい。分
子量が200以上の場合に、光硬化後の樹脂の機械的物
性、特に靱性に優れたのものが得られる。より好ましく
は、300以上であり、さらに好ましくは500以上で
ある。
【0017】(1)の分子内に開環重合性反応基を有す
る化合物100重量部に対して(2)の不飽和化合物は
1〜100重量部の範囲で用いられる。この値が1以上
では組成物の厚膜硬化性が充分であり、100以下では
硬化物の機械的物性が優れたものが得られ、好ましいさ
らに好ましい範囲は5〜60重量部であり、より好まし
くは10〜50重量部である。
【0018】(3)の分子内に水酸基を有せずエチレン
性不飽和結合を2以上有するエチレン性不飽和化合物と
しては、ジエチレングリコールジメタクリレート及びジ
アクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレ
ート及びジアクリレート、プロピレングリコールジメタ
クリレート及びジアクリレート、ジプロピレングリコー
ルジメタクリレート及びジアクリレート、トリプロピレ
ングリコールジメタクリレート及びジアクリレート、ブ
タンジオールジメタクリレート及びジアクリレート、ヘ
キサンジオールジメタクリレート及びジアクリレート、
ノナンジオールジメタクリレート及びジアクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート及びトリア
クリレート、ビスフェノール骨格を有するジメタクリレ
ート及びジアクリレートなどエポキシ基と反応しうる官
能基を持たないエチレン性不飽和化合物類などを例とし
て挙げることができる。
【0019】(1)の分子内に開環重合性反応基を有す
る化合物100重量部に対して(3)の分子内に水酸基
を有せずエチレン性不飽和結合を2以上有するエチレン
性不飽和化合物は1〜100重量部の範囲で用いられ
る。この値が1以上では組成物の厚膜硬化性が充分であ
り、100以下では得られた硬化物の靭性が充分であ
り、好ましい。さらに好ましい範囲は3〜60重量部で
あり、より好ましくは5〜50重量部である。
【0020】(4)の活性線を吸収して酸を発生する化
合物としては対イオンとしてBF4―やPF6―、SBF
6―などを有するトリアリールスルホニウム塩、ジアリ
ールヨウドニウム塩、アリールジアゾニウム塩などがあ
り、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェ
ート、p−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサ
フルオロホスフェートなど市販の光カチオン重合開始剤
を使用することができる。これらは活性線の照射により
ルイス酸やブレンステッド酸などの酸を発生して硬化反
応を起こす働きをする。また、特開平9−118663
号公報に記載のナフタレン骨格を有する化合物も有用で
ある。更に、増感色素を併用することも好ましい。特に
ナフタレン骨格を有する化合物の場合、活性線照射によ
り分解した化合物が有害なベンゼンを放出しないので、
食品用途、例えば缶詰用の金属缶内部のコーティング
剤、食品のパッケージ印刷用インキなどでは有用であ
る。
【0021】硬化性の点ではトリアリールスルホニウム
塩類が好ましい。中でもトリアリールスルホニウムヘキ
サフルオロホスフェートが厚膜硬化性の点で優れてい
る。また、活性線を吸収して塩基を発生する化合物とし
ては、シッフ塩基を発生するオキシムエステル系化合
物、アミンを発生するアンモニウム系化合物、ジメトキ
シベンジルウレタン系化合物、ベンゾイン系化合物、オ
ルトニトロベンジルウレタン化合物、ヒドロキシイオン
を発生する化合物を用いることができる。更に、特開2
000−330270号公報に記載の光塩基発生剤を用
いることもできる。
【0022】活性線照射により酸を発生する化合物は、
(1)〜(3)の全重量に対して0.1〜10wt%の
範囲で添加される。この値が1wt%以上では、樹脂製
の硬化性が充分であり、10wt%以下では硬化厚みの
大きい硬化物が容易に得られ、好ましい。このような観
点でさらに好ましい添加量は1〜6wt%である。本発
明における上記(1)〜(4)成分は、いずれの成分も
室温雰囲気下で液状である場合は、これら成分をこのま
まの形態で、特に他の溶剤、媒体を使用することなく、
各々の所定量を目視にて全体が均一と認められる程度に
まで、通常の手法で攪拌・混合することにより、目的と
する感光性樹脂組成物とすることができる。
【0023】上記(1)〜(4)成分のうちのいずれか
の成分が室温雰囲気下で固体であっても、それら固体成
分に他の液状成分との相溶性がある場合は、そのままの
状態で上記方法と同じ手法にて攪拌・混合することによ
り、目的とする感光性樹脂組成物とすることができる。
該固体成分及び液状成分が互いに相溶性が無い場合、あ
るいは、上記(1)〜(4)成分いずれもが、室温雰囲
気下で固体である場合は、例えば、少なくともひとつの
固体成分をその融点以上に加温にすることにより、その
成分を液状化した状態で、その温度下において上記方法
と同じ手法にて攪拌・混合することにより、目的とする
感光性樹脂組成物とすることができる。
【0024】上述のように、組成物調製法において、
(1)〜(4)成分のうちの一部が液状である場合、攪
拌・混合過程で、他の固体成分が該液体成分中に溶解・
分散してもよい。また、組成物全体が均一になるまでの
時間を短くするために、必要に応じて、溶剤、可塑剤等
を該混合物中に、目的とする組成物に期待される本発明
の効果が阻害されない範囲で添加してもよい。感光性樹
脂組成物には、上記必須成分の他にその粘度や得られる
硬化物の物性を調整するために、本発明の目的とする効
果の達成に影響を及ぼさない範囲で、通常の感光性樹脂
に添加される成分を加えても差し支えない。
【0025】このような添加成分としては不飽和ポリウ
レタン、不飽和ポリエステルなどの液状感光性樹脂とし
て公知のポリマー類、イソボルニルアクリレート及びメ
タクリレート、シクロヘキシルアクリレート及びメタク
リレート、ベンジルアクリレート及びメタクリレート、
フェニルアクリレート及びメタクリレートなどエポキシ
基と反応しうる官能基を持たないエチレン性不飽和化合
物類、紫外線吸収剤、貯蔵安定剤などが挙げられる。
【0026】上記添加成分のうち不飽和ポリウレタン
は、まずジオール化合物とジイソシアネート化合物を反
応させポリウレタンを得た後、次いでこのポリウレタン
に水酸基若しくはアミノ基含有エチレン性不飽和化合
物、又はイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物
を反応させることで得られる。上記ポリウレタンを得る
ためのジオール化合物としては、一分子中に水酸基を2
個有する化合物、例えばポリプロピレングリコールアジ
ペートジオール、ポリネオペンチルグリコールアジペー
トジオール、ポリブチレングリコールアジペートジオー
ル、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトン
ジオールなどのポリエステルジオールや、ポリエチレン
グリコールジオール、ポリプロピレングリコール、ポレ
テトラメチレングリコールなどのポリエーテルジオール
などを例として挙げることができる。
【0027】ジオール化合物の水酸基価より求まる分子
量は通常400〜5000程度のものが使用されるが、
より柔軟で強いポリウレタンを得るという観点からは5
00〜2500程度の分子量のものを用いるのが好まし
い。上記ポリウレタンを得るためのジイソシアネート化
合物としてはイソシアネート基を2個以上有する化合
物、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネートなどを挙げることができる。こ
れらの中では得られるポリウレタンの粘度をさほど高め
ず、柔軟で強いものが得られやすいという点でトリレン
ジイソシアネートが好ましい。
【0028】上記ポリウレタンと反応させる水酸基含有
エチレン性不飽和化合物としては、ヒドロキシエチルメ
タクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート、N−メチロールアクリルアミド、ポリオキシ
エチレングリコールモノメタクリレート、ポリオキシプ
ロピレングリコールモノメタクリレートなどを例として
挙げることができる。これらの中では柔軟で強いという
観点からヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルメタクリレートが好ましく、耐水性に優れるヒ
ドロキシプロピルメタクリレートが最も好ましい。
【0029】上記ポリウレタンと反応させるイソシアネ
ート基含有エチレン性不飽和化合物としては例えば水酸
基含有エチレン性不飽和化合物とジイソシアネート化合
物を1対1の割合で付加させることにより得られる化合
物などを挙げることができる。
【0030】不飽和ポリウレタン調製に水酸基含有エチ
レン性不飽和化合物を用いる場合、まず、上記ジオール
化合物とジイソシアネート化合物との反応により両末端
イソシアネート基ポリウレタンを合成し、これに水酸基
含有エチレン性不飽和化合物を反応させる。この場合、
副反応を抑えて短時間で反応を終了させるために、通常
水酸基含有エチレン性不飽和化合物を両末端イソシアネ
ート基ポリウレタンに対し、2〜5倍当量程度過剰に添
加して、エチレン性不飽和結合含有ポリウレタンと過剰
の水酸基含有エチレン性不飽和化合物との混合物を得る
のが好ましい。
【0031】一方、不飽和ポリウレタン調製にイソシア
ネート基含有エチレン性不飽和化合物を用いる場合、ま
ず、上記ジオール化合物とジイソシアネート化合物を反
応により両末端水酸基ポリウレタンを合成し、これにイ
ソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を反応させ
る。この場合、イソシアネート基含有エチレン性不飽和
化合物は、そのイソシアネート基の数が、両末端水酸基
ポリウレタンの水酸基の数と同じか或いは少ない範囲で
添加されるのが一般的であるが、撹拌を容易にし副反応
を抑えるために、ウレタン化反応に関与しない成分を希
釈剤として添加して反応系の粘度を下げるのが好まし
い。イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を両
末端水酸基ポリウレタンに対して過剰に添加する場合
は、反応終了後水酸基などの活性水素を有する化合物を
加えて過剰のイソシアネート基をなくすことが好まし
い。
【0032】更に、上記不飽和ポリウレタンには、カル
ボキシル基等の極性基を導入することも出来る。不飽和
ポリウレタンへのカルボキシル基の導入は、例えば、両
末端イソシアネート基ポリウレタンに、水酸基2個含有
エチレン性不飽和化合物を加えて、その内の1個の水酸
基とイソシアネート基を反応させて水酸基2個とエチレ
ン性不飽和結合2個を有する不飽和ポリウレタンとし、
更に酸無水物を加えて該ポリウレタンの水酸基と開環反
応させることで、両末端にカルボキシル基とエチレン性
不飽和結合とを同時に持った不飽和ポリウレタンとする
ことが出来る。
【0033】ここで用いられる水酸基2個含有エチレン
性不飽和化合物としては、グリシジルメタクリレートや
アクリレートに水を加えてエポキシ基を開環させて得ら
れる化合物など、一級炭素及び二級炭素に結合した水酸
基を持つものが使用される。一級炭素結合水酸基と二級
炭素結合水酸基の反応性の違いを利用して分子中の一つ
の水酸基のみがイソシアネート基と反応した両末端水酸
基の不飽和ポリウレタンとすることが出来る。水酸基と
開環反応してカルボキシル基を導入するために用いられ
る酸無水物としては、コハク酸、無水フタル酸、無水マ
レイン酸などを挙げることができる。
【0034】上記不飽和ポリウレタンの代わりに添加成
分として不飽和ポリエステルを用いることもできる。不
飽和ポリエステルはジオール化合物とエチレン性不飽和
結合含有ジカルボン酸化合物との脱水縮合反応により得
られる。あるいは、ジオール化合物とジカルボン酸化合
物とからの脱水縮合反応により両末端水酸基または両末
端カルボキシル基ポリエステルを合成し、次いでこれら
の末端官能基と反応しうる官能基を持つエチレン性不飽
和化合物を反応させることでも得られる。
【0035】ジオール化合物としてはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブ
タンジオールなどを例として挙げることができる。ジカ
ルボン酸化合物としてはアジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、イソフタール酸、コハク酸、無水フタル酸、
テレフタール酸などの飽和ジカルボン酸やフマール酸、
マレイン酸、無水マレイン酸などのエチレン性不飽和ジ
カルボン酸を例示することができる。
【0036】以上のようにして得られる不飽和ポリウレ
タン、及び不飽和ポリエステルのポリスチレンを標準と
するGPC測定によって求められる数平均分子量は80
0〜25000であることが望ましい。分子量が小さい
ほど得られる感光性樹脂組成物の粘度を低くできるもの
の、分子量がこれより小さくなると硬化物の柔軟性が失
われやすい。分子量が大きいと硬化物の柔軟性は確保し
やすいものの、これ以上大きいと得られる感光性樹脂組
成物の粘度が高くなり、気泡を巻き込みやすくなる。
【0037】本発明の必須成分(1)〜(4)を含有す
る感光性樹脂組成物の粘度は、20℃で5000mPa
・s以下が好ましく、より好ましくは3000mPa・
s以下、更に好ましくは1000mPa・s以下、特に
好ましくは500mPa・s以下である。また、前記感
光性樹脂組成物の粘度は、1mPa・s以上が好まし
く、より好ましくは5mPa・s以上である。10μm
以下の薄膜状に均一塗布できるという観点から5000
mPa・s以下、所望の機械的物性確保の観点から1m
Pa・s以上が好ましい。
【0038】感光性樹脂組成物の粘度を下げるためには
開環重合性反応基基と反応しうる官能基を有するエチレ
ン性不飽和化合物、又はエチレン性不飽和結合を2以上
有するエチレン性不飽和化合物、特に液状エチレン性不
飽和化合物の配合比率を高めることで行える。液状エチ
レン性不飽和化合物の中でも分子量の小さいものは特に
粘度を下げる効果が大きい。分子量が200未満の分子
内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合
物を硬化物の物性を低下させない範囲で加えることも粘
度を下げる効果がある。また、液状の可塑剤類を硬化性
など他の特性に影響を及ぼさない範囲で添加することも
粘度を下げるのに有効である。また、使用時に感光性樹
脂組成物の温度を高めることで粘度をさげることもでき
るが、温度によっては変質することもあるのでこのよう
なことが起こらない温度範囲で使用する必要がある。
【0039】一方、組成物の粘度を上げるためには、不
飽和ポリウレタンや不飽和ポリエステルなどの高分子量
成分を添加したり、開環重合性反応基と反応しうる官能
基を有するエチレン性不飽和不飽和化合物、又はエチレ
ン性不飽和結合を2以上有するエチレン性不飽和化合物
として分子量の大きいものを用いることも有効である。
感光性樹脂組成物を硬化させるためには活性線照射によ
りフリーラジカルを発生する化合物の添加を必要としな
いが、このような化合物を、感度特性を調整する目的で
紫外線吸収剤として使用することは差し支えない。
【0040】本発明の感光性を有する着色性組成物は、
前記化合物(1)から(4)を必須成分とする感光性樹
脂組成物に、着色剤(5)として顔料、染料、カーボン
ブラック、有機系微粒子、金属酸化物粉末、セラミック
粉末および金属粉末を添加することにより得ることがで
きる。
【0041】本発明で用いられる着色剤としては特に限
定するものではないが、酸化チタン、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、シリカ、アルミナ等の金属酸化物、
タルク、クロム酸塩、フェロシアン化物、各種金属硫酸
塩、硫化物、セレン化物、リン酸塩等の無機顔料、フタ
ロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、
ペリノン系、ジオキサジン系等の有機顔料、あるいはア
ゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリ
フェニルメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染
料、アクリジン染料、シアニン色素等の染料、あるいは
カーボンブラック、あるいは金、銀、銅、白金、パラジ
ウム、ニッケル、アルミニウム、シリコン、真鍮等の金
属単体あるいは合金粉末、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化
チタン、窒化アルミニウム、炭化珪素、炭化タングステ
ン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタ
ン酸ジルコニウム、PZT、PZ等のセラミック微粒子
あるいは表面を異種金属で被覆した金属粉末、有機化合
物から形成される微粒子中に顔料あるいは染料を分散さ
せた着色フィラー、マイクロカプセル等を挙げることが
できる。
【0042】着色剤として用いる粉末あるいは粒子の数
平均粒子径は、、0.01μm以上100μm以下が好
ましく、より好ましくは0.05μm以上20μm以
下、更に好ましくは、0.2μm以上10μm以下であ
る。微細なパターンの形成性の点で、数平均粒子径が1
00μm以下、組成物の粘度、チキソトロピー性が異常
に大きくなることを抑止する観点から、平均粒子径が
0.01μm以上が好ましい。
【0043】また、粒子径分布の広い場合、高濃度に着
色剤を含有したときに充填率が高くなるため、活性線の
透過性が低下する。本発明で用いる着色剤の形状につい
て特に限定せず、球状、扁平状、多面体状などいかなる
形状でも構わない。また、多孔質性粒子、マイクロカプ
セル等の内部が中空の粒子、粘土鉱物、雲母のように層
状構造を持ち層間に異種分子がインターカレーションす
る微粒子であっても構わない。高硬度の無機系微粒子、
特にセラミック系微粒子を含有させた場合、コーティン
グ剤として耐磨耗性の高い硬化物を得ることができる。
また、シリコン系やフッ素系の有機系微粒子を混合しコ
ーティング剤として使用した場合、表面の離型性の高い
表面硬化物を得ることができる。
【0044】本発明で用いる着色剤の含有量としては、
前記化合物(1)〜(4)を必須成分とする感光性樹脂
組成物100重量部に対して、0.01〜50重量部、
好ましくは0.01〜40重量部、より好ましくは1〜
30重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。
0.01重量部よりも小さい場合、着色の効果が少な
く、また50重量部を越えて多い場合、活性線が内部ま
で透過しないため得られる硬化物内部の硬化性が低くな
る。
【0045】また、本発明の感光性を有する着色性組成
物において、該着色性組成物を載せる基材との密着性、
帯電防止、着色剤の分散性等の改良を目的として添加剤
を加えることもできる。更に着色性組成物のポットライ
フを延ばす目的で、酸あるいは塩基を捕捉する酸・塩基
トラップ剤等、少量の重合禁止剤を添加することもでき
る。特に印刷インキ用途では、補助剤としてポリエチレ
ンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス等の
ワックス類、Mn、Co脂肪酸石鹸等のドライヤー、裏
移り防止剤、乳化調整剤、乾燥抑制剤、顔料分散剤、色
分かれ防止剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、消泡剤、
潤滑剤等を添加することもできる。
【0046】本発明の感光性を有する着色性組成物を作
製する方法としては、不溶性の粉末や粒子を混合し印刷
インキ、塗料、コーティング材料、液晶ディスプレー用
カラフィルター材料、ホログラム材料、有機ELディス
プレーやリチウムイオン2次電池の保護回路用封止材
料、プリント基板用ソルダーレジスト材料、ビルドアッ
プ基板用絶縁材料、接着剤等を作製する通常の撹拌混錬
方法、あるいはせん断力を加えながら混合する三本ロー
ル混錬装置を用いる方法などを挙げることができる。特
に印刷インキ等の場合、着色剤が感光性樹脂組成物に均
一に分散していることが必要であるため、三本ロールな
どの混錬装置を用いて混合する方法が効果的である。
【0047】本発明の感光性を有する着色性組成物を硬
化させるのに用いる活性線としては、300〜400n
mの波長の紫外線を発するものが好適で、紫外線蛍光
灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプなど、あるいは電子線、イオン線、
X線、レーザー等の高エネルギー線など、感光性樹脂を
硬化させるのに通常用いられているものを使用すること
ができる。以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。また、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0048】
【実施例1】(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルー3′,4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシ
レート(ユニオンカーバイド社製:商標「UVR−61
10」)71重量部、(3)1,9−ノナンジオールジ
アクリレート(共栄社化学社製:商標「ライトアクリレ
ート1,9ND−A」)5重量部、(2)ポリプロピレ
ングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製:商標
「ブレンマーPP−1000」、平均分子量1014)
24重量部、(4)トリアリールスルホニウムヘキサフ
ルオロリン酸塩混合物プロピレンカーボネート50重量
%溶液(ユニオンカーバイド社製:商標「UVI−69
90」)4重量部を混合して液状感光性樹脂組成物aを
得た。
【0049】得られた液状感光性樹脂組成物aの20℃
における粘度を、B型粘度計を用いて測定した結果、1
38mPa・sであった。液状感光性樹脂組成物aの硬
化物の硬度を測定した結果、ショアD値:82度であ
り、また、厚さ1mm、有効長30mm、幅3mmのダ
ンベル状サンプルを作製し、引っ張り試験機において伸
びを測定した結果、61%であった。得られた液状感光
性樹脂組成物a100重量部に対して、カーボンブラッ
ク14重量部を混合して感光性を有する着色性組成物を
得た。
【0050】スポイトを用いてガラス板上に上記着色性
組成物を最大厚み2mmに塗布し、次いで3kW高圧水
銀灯を用いて室温下、空気中1800mJ/cm2の紫
外線を照射したところ、表面に粘着性の無い黒色の硬化
物が得られた。この硬化物をカッターで切断したとこ
ろ、内部まで完全に硬化していることを確認した。ま
た、手で硬化物をガラス板から剥ぎ取ろうと試みたが密
着力が強く、剥ぎ口を作ることもできなかった。
【0051】また、厚み180μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム(PETフィルム)上に、上記着色
性組成物を最大厚み2mmに塗布し、次いで3kW高圧
水銀灯を用いて室温下、空気中1800mJ/cm2の
紫外線を照射したところ、表面に粘着性の無い黒色の硬
化物が得られた。コロナ処理を施されたPETフィルム
を10回にわたり曲げる試験をしたところ、表面の硬化
物は剥がれることなく、その形状を保持していた。
【0052】
【実施例2】(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルー3′、4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシ
レート(ユニオンカーバイド社製:商標「UVR−61
10」)71重量部、(3)1,9−ノナンジオールジ
アクリレート(共栄社化学社製:商標「ライトアクリレ
ート1,9ND−A」)20重量部、(2)ポリプロピ
レングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製:商
標「ブレンマーPP−1000」、平均分子量101
4)9重量部、(4)トリアリールスルホニウムヘキサ
フルオロリン酸塩混合物プロピレンカーボネート50重
量%溶液(ユニオンカーバイド社製:商標「UVI−6
990」)4重量部、レベリング剤として商標「BYK
−UV3510」(ビックケミー・ジャパン社製:ポリ
エーテル変性ポリジメチルシロキサン)0.6重量部を
混合して液状感光性樹脂組成物bを得た。
【0053】得られた液状感光性樹脂組成物bの20℃
における粘度を、B型粘度計を用いて測定した結果、8
0mPa・sであった。液状感光性樹脂組成物bの硬化
物の硬度を測定した結果、ショアD値(0秒):75度
であり、また、厚さ1mm、有効長30mm、幅3mm
のダンベル状サンプルを作製し、引っ張り試験機におい
て伸びを測定した結果、20%であった。
【0054】液状感光性樹脂組成物b100重量部に対
して、カーボンブラック14重量部を混合することによ
り、感光性を有する着色性組成物を得た。実施例1と同
様にして着色性組成物の硬化物を評価した。表面には粘
着性は無く、内部も完全に硬化していることを確認し
た。また、コロナ処理を施されたPETフィルムでの評
価においても、良好な密着力を保持していた。
【0055】
【実施例3】(1)ビスー(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)アジペート(ユニオンカーバイド社製:商標
「UVR−6128」)71重量部、(3)1,9−ノ
ナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製:商標
「ライトアクリレート1,9ND−A」)15重量部、
(2)ポリプロピレングリコールモノメタクリレート
(日本油脂社製:商標「ブレンマーPP−1000」、
平均分子量1014)14重量部、(4)トリアリール
スルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレン
カーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド社
製:商標「UVI−6990」)4重量部を混合して液
状感光性樹脂組成物cを得た。
【0056】得られた液状感光性樹脂組成物cの20℃
における粘度を、B型粘度計を用いて測定した結果、1
82mPa・sであった。液状感光性樹脂組成物aの硬
化物の硬度を測定した結果、ショアD値(0秒):60
度であり、また、厚さ1mm、有効長30mm、幅3m
mのダンベル状サンプルを作製し、引っ張り試験機にお
いて伸びを測定した結果、57%であった。
【0057】この液状感光性樹脂組成物cとカーボンブ
ラックを実施例と同様に混合し、また、実施例1と同様
に感光性を有する着色性組成物の硬化物の評価を実施し
た。表面には粘着性は無く、内部も完全に硬化している
ことを確認した。
【0058】
【実施例4〜7】実施例1と同じ液状感光性樹脂組成物
aと、カーボンブラックを種種の顔料、金属紛末で置き
換えて、着色性組成物を得た。また、実施例1と同じ方
法で硬化物の評価を実施した。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【実施例8】(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルー3′,4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシ
レート(ユニオンカーバイド社製:商標「UVR−61
10」)71重量部、(3)1,9−ノナンジオールジ
アクリレート(共栄社化学社製:商標「ライトアクリレ
ート1,9ND−A」)5重量部、(2)ポリプロピレ
ングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製:商標
「ブレンマーPP−1000」、平均分子量1014)
24重量部、(4)光酸発生剤のγ−ブチロラクトン5
0重量%溶液(日本曹達社製:商標「CI−288
5」)4重量部、増感色素として2,4−ジメチルチオ
キサントン(日本曹達社製、商標「RTX」)1重量部
を混合して液状感光性樹脂組成物dを得た。
【0061】得られた液状感光性樹脂組成物d100重
量部に対して、カーボンブラック14重量部を混合して
感光性を有する着色性組成物を得た。スポイトを用いて
ガラス板上に上記着色性組成物を最大厚み2mmに塗布
し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中
1800mJ/cm2の紫外線を照射したところ、表面
に粘着性の無い黒色の硬化物が得られた。この硬化物を
カッターで切断したところ、内部まで完全に硬化してい
ることを確認した。また、手で硬化物をガラス板から剥
ぎ取ろうと試みたが密着力が強く、剥ぎ口を作ることも
できなかった。
【0062】
【実施例9】(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルー3′、4′−エポキシシクロヘキシルカルボキシ
レート(ユニオンカーバイド社製:商標「UVR−61
10」)57重量部、およびキシリレンジオキセタン
(東亜合成社製、商標「OXT−121」)14重量
部、(3)1,9−ノナンジオールジアクリレート(共
栄社化学社製:商標「ライトアクリレート1,9ND−
A」)20重量部、(2)ポリプロピレングリコールモ
ノメタクリレート(日本油脂社製:商標「ブレンマーP
P−1000」、平均分子量1014)9重量部、
(C)トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸
塩混合物プロピレンカーボネート50重量%溶液(ユニ
オンカーバイド社製:商標「UVI−6990」)4重
量部、レベリング剤として商標「BYK−UV351
0」(ビックケミー・ジャパン社製:ポリエーテル変性
ポリジメチルシロキサン)0.6重量部を混合して液状
感光性樹脂組成物eを得た。
【0063】得られた液状感光性樹脂組成物eの20℃
における粘度を、B型粘度計を用いて測定した結果、1
23mPa・sであった。液状感光性樹脂組成物eの硬
化物の硬度を測定した結果、ショアD値(0秒):84
度であり、また、厚さ1mm、有効長30mm、幅3m
mのダンベル状サンプルを作製し、引っ張り試験機にお
いて伸びを測定した結果、36%であった。
【0064】得られた液状感光性樹脂組成物e100重
量部に対して、カーボンブラック14重量部を混合して
感光性を有する着色性組成物を得た。スポイトを用いて
ガラス板上に上記着色性組成物を最大厚み2mmに塗布
し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中
1800mJ/cm2の紫外線を照射したところ、表面
に粘着性の無い黒色の硬化物が得られた。この硬化物を
カッターで切断したところ、内部まで完全に硬化してい
ることを確認した。また、手で硬化物をガラス板から剥
ぎ取ろうと試みたが密着力が強く、剥ぎ口を作ることも
できなかった。
【0065】
【実施例10】(1)3,4−エポキシシクロヘキシル
メチルー3′、4′−エポキシシクロヘキシルカルボキ
シレート(ユニオンカーバイド社製:商標「UVR−6
110」)35.5重量部、および3−エチル−3−ヒ
ドロキシエチルオキセタン(東亜合成社製、商標「OX
T−101」)35.5重量部、(3)1,9−ノナン
ジオールジアクリレート(共栄社化学社製:商標「ライ
トアクリレート1,9ND−A」)5重量部、(2)ポ
リプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂
社製:商標「ブレンマーPP−1000」、平均分子量
1014)2重量部、(C)トリアリールスルホニウム
ヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレンカーボネート
50重量%溶液(ユニオンカーバイド社製:商標「UV
I−6990」)4重量部、レベリング剤として商標
「BYK−UV3510」(ビックケミー・ジャパン社
製:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)0.6
重量部を混合して液状感光性樹脂組成物fを得た。
【0066】得られた液状感光性樹脂組成物fの20℃
における粘度を、B型粘度計を用いて測定した結果、4
7mPa・sであった。液状感光性樹脂組成物fの硬化
物の硬度を測定した結果、ショアD値(0秒):85度
であり、また、厚さ1mm、有効長30mm、幅3mm
のダンベル状サンプルを作製し、引っ張り試験機におい
て伸びを測定した結果、73%であった。
【0067】得られた液状感光性樹脂組成物f100重
量部に対して、カーボンブラック14重量部を混合して
感光性を有する着色性組成物を得た。スポイトを用いて
ガラス板上に上記着色性組成物を最大厚み2mmに塗布
し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中
1800mJ/cm2の紫外線を照射したところ、表面
に粘着性の無い黒色の硬化物が得られた。この硬化物を
カッターで切断したところ、内部まで完全に硬化してい
ることを確認した。また、手で硬化物をガラス板から剥
ぎ取ろうと試みたが密着力が強く、剥ぎ口を作ることも
できなかった。
【0068】
【実施例11】(1)3,4−エポキシシクロヘキシル
メチルー3′,4′−エポキシシクロヘキシルカルボキ
シレート(ユニオンカーバイド社製:商標「UVR−6
110」)71重量部、(3)2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネー
トを反応させて得られたウレタンジアクリレート化合物
(共栄社化学社製:商標「AH−600」)3重量部、
(2)ポリプロピレングリコールモノメタクリレート
(日本油脂社製:商標「ブレンマーPP−1000」、
平均分子量1014)26重量部、(C)トリアリール
スルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレン
カーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド社
製:商標「UVI−6990」)4重量部、商標「BY
K−UV3500」(ビックケミー・ジャパン社製:ポ
リエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキ
サン)2.0重量部を混合して液状感光性樹脂組成物g
を得た。
【0069】得られた液状感光性樹脂組成物gの20℃
における粘度を、B型粘度計を用いて測定した結果、8
0mPa・sであった。得られた液状感光性樹脂組成物
g100重量部に対して、カーボンブラック14重量部
を混合して感光性を有する着色性組成物を得た。スポイ
トを用いてガラス板上に上記着色性組成物を最大厚み2
mmに塗布し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温
下、空気中1800mJ/cm2の紫外線を照射したと
ころ、表面に粘着性の無い黒色の硬化物が得られた。こ
の硬化物をカッターで切断したところ、内部まで完全に
硬化していることを確認した。また、手で硬化物をガラ
ス板から剥ぎ取ろうと試みたが密着力が強く、剥ぎ口を
作ることもできなかった。
【0070】
【実施例12】先ず、成分(2)、分子内に水酸基を有
するエチレン性不飽和化合物として、ウレタン結合を有
するモノメタクリレートの合成法について説明する。ジ
エチレングリコール2モルに対して、メタクリロイロイ
ソシアネート1モルを徐々に添加し、末端の水酸基にイ
ソシアネート基を反応させることにより、メタクリル基
と水酸基を1個づつ有する化合物を得た。この反応にお
いて、分子両末端にメタクリル基が導入された化合物
は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)で解析したとこ
ろ、1モル%未満であった。
【0071】得られた水酸基とエチレン性不飽和基を有
する化合物9重量部、(1)3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチルー3′,4′−エポキシシクロヘキシルカ
ルボキシレート(ユニオンカーバイド社製:商標「UV
R−6110」)71重量部、(3)1,9−ノナンジ
オールジアクリレート(共栄社化学社製:商標「ライト
アクリレート1,9ND−A」)20重量部、(4)ト
リアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物
プロピレンカーボネート50重量%溶液(ユニオンカー
バイド社製:商標「UVI−6990」)4重量部、を
混合して液状感光性樹脂組成物hを得た。
【0072】得られた液状感光性樹脂組成物h100重
量部に対して、カーボンブラック14重量部を混合して
感光性を有する着色性組成物を得た。スポイトを用いて
ガラス板上に上記着色性組成物を最大厚み2mmに塗布
し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中
1800mJ/cm2の紫外線を照射したところ、表面
に粘着性の無い黒色の硬化物が得られた。この硬化物を
カッターで切断したところ、内部まで完全に硬化してい
ることを確認した。また、手で硬化物をガラス板から剥
ぎ取ろうと試みたが密着力が強く、剥ぎ口を作ることも
できなかった。
【0073】
【実施例13】実施例1と同じ液状感光性樹脂組成物a
100重量部に対し、平均粒子径が5μmのシリカ粉末
を5重量部混合し、感光性を有する封止材料を得た。ス
ポイトを用いてリチウムイオン二次電池用保護回路基板
上に前記着色性組成物を最大厚み1mm程度に塗布し
た。次いで3kW超高圧水銀灯を用いて空気中1800
mJ/cm2の紫外線を照射したところ、表面に粘着性
の無い硬化した着色性組成物が得られた。この硬化物を
カッターで切断してみると、内部まで完全に硬化してい
ることが確認できた。また、手で硬化物を基板から剥ぎ
取ろうと試みたが接着力が強く、剥ぎ取ることができな
かった。
【0074】リード線つきリチウムイオン二次電池用保
護回路基板を用いて、上記と同じ方法により感光性を有
する着色性組成物層を回路基板上下両表面に塗布、硬化
させた後、リチウムイオン電池用電解液(γ−ブチルラ
クトン/エチレンカーボネートの等量混合液に四フッ化
リチウムを1モル/リットルの濃度で溶解させたもの)
の中に浸漬して電圧変化を調べたところ、一ヶ月浸漬後
でも初期と同じ4.2Vであり、保護性能を維持してい
た。
【0075】
【実施例14】実施例1と同じ液状感光性樹脂組成物a
100重量部に対して、ファーストゲンブルーTGR
(大日本インキ化学工業(株)製)20重量部、ポリエ
チレンワックス2重量部を、三本ロール混錬装置を用い
て混合し、感光性を有する印刷用インキ組成物を作製し
た。印刷された塗膜の評価について説明する。東洋イン
キ製造(株)製SOLOFLEX印刷機と全面べた露光
して硬化形成した厚さ1.70mmのフレキソ印刷版
(旭化成(株)社製、感光性固体版AFP)を用いて、
表面をコロナ処理した厚さ40μmのポリプロピレンフ
ィルム(東洋紡(株)製)の表面に厚さ5μmの前記印
刷用インキ組成物皮膜を形成した。その後、集光型反射
傘を装備した全長25cm、出力2kWの高圧水銀灯の
下10cmの場所を、走行速度を可変できるコンベア上
に載せた状態で前記インキ組成物の塗膜を通過させるこ
とにより、紫外線を照射し塗膜を硬化させた。コンベア
の速度を、50m/分とした。
【0076】硬化した塗膜の表面に粘着性はなく、カッ
ターで硬化物を切断し、硬化物表面を手で押さえても、
切断面から未硬化のインキ組成物が出てくることはなか
った。この硬化物を25℃の水中に浸漬し、インキの剥
がれは見られなかった。また、水中に浸漬前後の硬化物
の光沢を光沢計を用いて評価したが、光沢の低下は見ら
れなかった。
【0077】
【実施例15】実施例8と同じ液状感光性樹脂組成物d
100重量部に対して、商標「ファーストゲンブルーT
GR」(大日本インキ化学工業(株)製)20重量部、
ポリエチレンワックス2重量部を、三本ロール混錬装置
を用いて混合し、感光性を有する印刷用インキ組成物を
作製した。印刷された塗膜の評価について説明する。東
洋インキ製造(株)製、商標「SOLOFLEX印刷
機」と全面べた露光して硬化形成した厚さ1.70mm
のフレキソ印刷版(旭化成(株)社製、商標「感光性固
体版AFP」)を用いて、表面をコロナ処理した厚さ4
0μmのポリプロピレンフィルム(東洋紡(株)製)の
表面に厚さ5μmの前記印刷用インキ組成物皮膜を形成
した。その後、集光型反射傘を装備した全長25cm、
出力2kWの高圧水銀灯の下10cmの場所を、走行速
度を可変できるコンベア上に載せた状態で前記インキ組
成物の塗膜を通過させることにより、紫外線を照射し塗
膜を硬化させた。コンベアの速度を、10m/分とし
た。
【0078】硬化した塗膜の表面に粘着性はなく、カッ
ターで硬化物を切断し、硬化物表面を手で押さえても、
切断面から未硬化のインキ組成物が出てくることはなか
った。この硬化物を25℃の水中に浸漬し、インキの剥
がれは見られなかった。また、水中に浸漬前後の硬化物
の光沢を光沢計を用いて評価したが、光沢の低下は見ら
れなかった。
【0079】
【実施例16】実施例1と同じ液状感光性樹脂組成物a
100重量部に対し、数平均粒子径が5μmのシリカ粒
子10重量部を混合し、感光性を有するソルダーレジス
トを作製した。作製したソルダーレジストを、100メ
ッシュのスクリーン印刷版を用いて厚さ20μmで回路
基板上に塗布した。用いた回路基板は、FR4基板上に
銅の櫛形電極パターン(0.16mmピッチ)をエッチ
ング法を用いて形成したものであった。
【0080】ソルダーレジストを塗布した回路基板に、
ベルトコンベア付きの紫外線照射装置(ウシオ電機
(株)社製)を用いて、付属の1kW超高圧水銀灯の光
を照射して前記ソルダーレジストを硬化させた。ベルト
コンベアの速度は、10m/分であった。その後、回路
基板を150℃の熱風循環式乾燥機中に30分放置し
た。硬化物の表面に粘着性は無く、基板をダイヤモンド
ブレードを用いて切断し断面を観察したが、内部まで完
全に硬化していることを確認した。ダイヤモンドブレー
ドを100回転/分で回転させ切断しても、硬化物が回
路基板から剥がれることはなかった。
【0081】また、20%塩酸水溶液中に室温で1時間
浸漬する耐酸試験を実施したところ、変色・剥がれは発
生しなかった。更に5%水酸化ナトリウム水溶液中に室
温で30分浸漬する耐アルカリ試験を実施したところ、
変色・剥がれは発生しなかった。更に、260℃の半田
浴に15秒間浸漬する半田耐熱試験を実施したところ、
少なくとも4回では変化が見られなかった。
【0082】
【比較例1】(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルー3′,4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシ
レート(ユニオンカーバイド社製:商標「UVR−61
10」)71重量部、(3)1,9−ノナンジオールジ
アクリレート(共栄社化学社製:商標「ライトアクリレ
ート1,9ND−A」)29重量部、、(4)トリアリ
ールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピ
レンカーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド
社製:商標「UVI−6990」)4重量部を混合して
液状感光性樹脂組成物iを得た。
【0083】液状感光性樹脂組成物iとカーボンブラッ
クを実施例1と同様に混合し、また、実施例1と同様に
感光性を有する着色性組成物の硬化物の評価を実施し
た。表面の粘着性は無かったが、硬化物のガラス板に近
い部分では粘性の高い液が残っていた。更に硬化物を手
で剥ぎ取ることができた。
【0084】
【比較例2】(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルー3′、4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシ
レート(ユニオンカーバイド社製:商標「UVR−61
10」)71重量部、(2)2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート(共栄社化学社製:商標「ライトエステルH
O」、分子量130)29重量部、(4)トリアリール
スルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレン
カーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド社
製:商標「UVI−6990」)4重量部を混合して液
状感光性樹脂組成物jを得た。
【0085】得られた液状感光性樹脂組成物jの20℃
における粘度を、B型粘度計を用いて測定した結果、5
7mPa・sであった。液状感光性樹脂組成物gとカー
ボンブラックを実施例1と同様に混合し、また、実施例
1と同様にして感光性を有する着色性組成物の硬化物の
評価を実施した。この硬化物をカッターで切断したとこ
ろ、内部まで完全に硬化していることを確認した。
【0086】実施例1と同様にしてPETフィルムでの
曲げ試験を実施したところ、硬化物に剥がれが発生し
た。この原因として、この硬化物が非常に硬く、柔軟性
に乏しいためと推定された。この硬化物の硬度を測定し
たところ、ショアD値(0秒)で90度であり、また、
ダンベル状サンプルを作製し引っ張り試験において伸び
を測定した結果、4%であった。
【0087】
【発明の効果】本発明により、活性線の透過性を阻害す
る顔料、染料、カーボンブラックあるいは金属紛を高濃
度に含有しても硬化性を確保でき、硬化速度が速い感光
性を有する印刷インキ、塗料、コーティング材料、液晶
ディスプレー用カラフィルター材料、ホログラム材料、
有機ELディスプレーやリチウムイオン2次電池保護回
路用封止材料、プリント基板用ソルダーレジスト材料、
ビルドアップ基板用絶縁材料等の用途で使用できる着色
性組成物を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 505 505 7/027 502 7/027 502 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA06 AB13 AB14 AB17 AB20 AC01 AD01 BC13 BC42 BC86 BD02 BD03 BE00 BJ06 CA00 CC08 CC11 4J002 BG043 BG053 BG072 BG073 CD001 CD011 CD051 CD161 CD171 CD181 CF191 CH031 DA037 DA077 DA087 DA097 DC007 DE007 DE137 DE147 DE187 DE237 DF017 DF027 DG007 DG027 DG047 DH047 DJ007 DJ017 DJ047 DK007 EB106 EN136 EQ016 ES016 ET006 EV296 FA087 FD097 FD206 GH00 GJ00 GQ00 4J005 AA07 BB01 4J036 AA01 AB01 AB02 AB07 AB09 AB10 AD08 AJ09 AJ10 AK02 AK03 AK19 EA04 GA21 GA22 GA24 GA25 GA26 HA01 JA01 JA06 JA07 JA08 JA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)分子内に開環重合性反応基を有す
    る化合物100重量部 (2)分子内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に
    有するエチレン性不飽和化合物1〜100重量部 (3)分子内に水酸基を有せずエチレン性不飽和結合を
    2以上有するエチレン性不飽和化合物1〜100重量部 (4)活性線を吸収して酸あるいは塩基を発生する化合
    物 (5)顔料、染料、カーボンブラック、有機系微粒子、
    セラミック微粒子、金属酸化物粉末あるいは金属粉末か
    ら選ばれる少なくとも1種の着色剤を含み、(1)〜
    (3)の化合物の全重量に対して、(4)の化合物を
    0.1〜10wt%含有し、更に(1)〜(4)からな
    る感光性樹脂組成物100重量部に対して、(5)の着
    色剤0.01〜50重量部を添加してなることを特徴と
    する感光性を有する着色性組成物。
  2. 【請求項2】 分子内に開環重合性反応基を有する化合
    物(1)が、エポキシ基あるいはオキセタン基を有する
    化合物であって、該開環重合性反応基を分子中に2以上
    有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の感
    光性を有する着色性組成物。
  3. 【請求項3】 エチレン性不飽和化合物(2)が、水酸
    基とメタクリロイル基、または水酸基とアクリロイル基
    を同時に有する化合物であることを特徴とする請求項1
    記載の感光性を有する着色性組成物。
  4. 【請求項4】 エチレン性不飽和化合物(3)が、メタ
    クリロイル基、またはアクリロイル基を有することを特
    徴とする請求項1記載の感光性を有する着色性組成物。
  5. 【請求項5】 (1)〜(4)の化合物からなる感光性
    樹脂組成物の、温度20℃での粘度が、1mPa・s以
    上5000mPa・s以下であることを特徴とする請求
    項1から4のいずれかに記載の感光性を有する着色性組
    成物。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の感光
    性を有する着色性組成物に活性線を照射することにより
    得られる硬化物。
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