JP2003252893A - 繊維状ナノ自己集合体 - Google Patents

繊維状ナノ自己集合体

Info

Publication number
JP2003252893A
JP2003252893A JP2002049239A JP2002049239A JP2003252893A JP 2003252893 A JP2003252893 A JP 2003252893A JP 2002049239 A JP2002049239 A JP 2002049239A JP 2002049239 A JP2002049239 A JP 2002049239A JP 2003252893 A JP2003252893 A JP 2003252893A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
self
glycoside type
assembly
glycoside
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002049239A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimi Shimizu
敏美 清水
John George
ジョージ,ジョン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Japan Science and Technology Corp filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2002049239A priority Critical patent/JP2003252893A/ja
Priority to PCT/JP2002/006923 priority patent/WO2003072858A1/ja
Priority to US10/497,090 priority patent/US20050014937A1/en
Priority to EP02743861A priority patent/EP1479799A4/en
Publication of JP2003252893A publication Critical patent/JP2003252893A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/203Monocyclic carbocyclic rings other than cyclohexane rings; Bicyclic carbocyclic ring systems
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の合成糖脂質成分の混合比を任意に変
化させるだけで自在に形態をねじれ状リボン構造からチ
ューブ状と連続的に形態を制御する手段及びこのように
形態が制御された繊維状ナノ自己集合構造を提供する。 【解決手段】 本発明は、下記一般式 【化1】 (式中、Gはグリコシル基を表し、Rは炭素数12〜1
8の炭化水素基を表す。)で表わされる構造を有するO
−グリコシド型糖脂質から成る繊維状ナノ自己集合体で
あって、該O−グリコシド型糖脂質が、該構造の異なる
少なくとも2種のO−グリコシド型糖脂質から成り、該
O−グリコシド型糖脂質の主たる2種の割合が該O−グ
リコシド型糖脂質の80重量%以上である、O−グリコ
シド型糖脂質の混合物、又は該構造が1種であるO−グ
リコシド型糖脂質であることを特徴とする繊維状ナノ自
己集合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、厚さが数十n
m、幅が数十〜数百nm、長さが数十μm〜数百μmの
サイズ次元で特徴づけられる、脂質分子が自発的に集合
して形成する高いアスペクト比をもつ繊維状ナノ自己集
合体に関し、より詳細には、ファインケミカル、医薬
品、化粧品、電子情報、エネルギー産業、化学品製造、
などの分野において利用可能な、種々のらせん状ナノ自
己集合体や脂質ナノチューブの製造方法及び自在の形態
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ある種の脂質は、水中で自己集合して球
状、ひも状、棒状、顆粒状、ディスク状など種々の形態
を有する安定な分子集合体を形成し(例えば、Toyoki K
unitake, Comprehensive Supramolecular Chemistry, 1
996, Vol. 9, p. 351)、ファインケミカル、医療分野
において機能性材料として利用されている。しかしなが
ら、得られる自己集合形態は、構成要素となる脂質分子
の構造とそれに大きく影響を受けた各種の分子間相互作
用のバランスから決定される。そのため、人工的に思い
通りに集合形態を制御するためには、より多種類の脂質
分子を合成し、その自己集合形態ライブラリに頼らざる
を得ない経験的手法に依存していたという、大きな欠点
があった。さらに、これらの方法により得られる分子集
合体はそのほとんどが球状の形態を有しており、繊維幅
と繊維長さの比であるアスペクト比が大きい繊維状分子
集合体は得られにくいため、その利用分野が制限される
のを免れなかった。
【0003】一方、合成両親媒性化合物を水中に分散さ
せることにより、繊維状あるいは棒状の分子集合体が得
られることが例は少ないが知られている[「ジャーナル
・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(Journal
of American Chemical Society)」第107巻、第50
9〜510ページ(1985年)]。しかしながら、こ
の方法によって得られる分子集合体はリボン状あるいは
ひも状の単純な自己集合形態をしており、ガス吸蔵や有
用生体分子の分離に有効な一次元孤立空孔と大きな表面
積を有するナノチューブ形態や複雑なナノ空間が存在す
るコイル状リボン形態などを制御して思い通りに調製す
ることは不可能であり、繊維状分子集合体としては、ほ
とんど利用できないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、入手容易で
安価な天然物資源から簡単に合成・分離できる複数の合
成糖脂質成分の混合比を任意に変化させるだけで自在に
形態をねじれ状リボン構造から、ゆるいコイル状、きつ
いコイル状、チューブ状と連続的に形態を制御する手段
及びこのように形態が制御された繊維状ナノ自己集合構
造体を提供することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、入手容易
で再生可能な植物原料から、互いに相分離をしないで自
己集合できる糖脂質関連化合物について鋭意研究を重ね
た結果、カシューナッツの殻油から分離される長鎖アル
キルフェノール混合物の各種成分をアグリコンとするO
−グリコシド型糖脂質成分の中からいくつかの成分を組
み合わせて自己集合を行った結果、らせん状リボンの形
態をねじれ状からチューブ状まで形態を連続的に制御で
きることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなす
に至った。
【0006】即ち、本発明は、下記一般式
【化1】 (式中、Gはグリコシル基を表し、Rは炭素数12〜1
8の炭化水素基を表す。)で表わされる構造を有するO
−グリコシド型糖脂質から成る繊維状ナノ自己集合体で
あって、該O−グリコシド型糖脂質が、該構造の異なる
少なくとも2種のO−グリコシド型糖脂質から成り、該
O−グリコシド型糖脂質の主たる2種の割合が該O−グ
リコシド型糖脂質の80重量%以上である、O−グリコ
シド型糖脂質の混合物、又は該構造が1種であるO−グ
リコシド型糖脂質であることを特徴とする繊維状ナノ自
己集合体である。
【0007】また、本発明は、下記一般式
【化1】 (式中、Gはグリコシル基を表し、Rは炭素数12〜1
8の炭化水素基を表す。)で表わされる構造を有するO
−グリコシド型糖脂質から成る繊維状ナノ自己集合体の
製法であって、水媒体中で、該構造の異なる少なくとも
2種のO−グリコシド型糖脂質から成り、該O−グリコ
シド型糖脂質の主たる2種の割合が該O−グリコシド型
糖脂質の80重量%以上である、O−グリコシド型糖脂
質の混合物、又は該構造が1種であるO−グリコシド型
糖脂質を分散させることから成る繊維状ナノ自己集合体
を製造する方法である。
【0008】上記O−グリコシド型糖脂質の主たる2種
の割合は該O−グリコシド型糖脂質に対して90重量%
以上であることが好ましく、より好ましくはこの割合が
100%、即ち、前記O−グリコシド型糖脂質が2種の
O−グリコシド型糖脂質の混合物である。更に、前記少
なくとも2種のO−グリコシド型糖脂質が、前記炭化水
素基を異にすることが好ましく、更に、この炭化水素基
の飽和度が異なることが好ましく、前記炭化水素の飽和
度が飽和又はモノエンであることが特に好ましい。ま
た、上記の如く、O−グリコシド型糖脂質が化1の構造
が1種であってもよいが、その炭化水素(式中のR)が
飽和又はモノエンであることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いる界面活性有機化合
物は、下記一般式
【化1】 で表わされるO−グリコシド型糖脂質である。本発明に
おいては、炭化水素基(R)は−O−G基に対してo
位、m位又はp位のいずれにあってもよいが、メタ
(m)位にあることが好ましい。前記一般式中のGはグ
リコシル基を表し、例えば、グルコピラノース、ガラク
トピラノース、マンノピラノース、アロピラノース、ア
ルトロピラノース、グロピラノース、イドピラノース、
タロピラノースのようなアルドピラノース及び対応する
アルドフラノースの還元末端の水酸基から水素原子を除
いた残基を挙げることができる。
【0010】また前記一般式中のRは炭素数が12〜1
8の炭化水素基であり、好ましくは飽和及び/又は不飽
和の脂肪族炭化水素から成る脂肪族炭化水素である。こ
の炭化水素は好ましくは直鎖である。またこの炭化水素
の炭素数は、好ましくは14〜16、より好ましくは1
5である。このような炭化水素基としては、例えば、ド
デシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシ
ル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル
基や、これらに不飽和結合としてモノエン、ジエン、ト
リエンなどを含むものが挙げられるが、原料の入手が容
易であるという点で、8−ペンタデセニル基、8,10
−ペンタデカジエニル基、8,10、12−ペンタデカ
トリエニル基が好ましい。
【0011】このようなO−グリコシド型糖脂質は、例
えば一般式
【化2】 で表わされる長鎖アルキルフェノール(例として、Rを
アルキル基とし、RをOHに対しm位とする。)に、還
元末端水酸基以外の水酸基がすべて保護されたアルドピ
ラノース又はアルドフラノース(以下単に保護されたア
ルドースという)の還元末端水酸基の反応性官能的誘導
体と反応させて、O−グリコシド結合を形成させたの
ち、保護基を脱離させることによって製造することがで
きる。この保護基としては、例えばアセチル基、ベンジ
ル基、1,2−イソプロピリデン基などが用いられる。
式中の長鎖アルキル(R)は、上記で規定した範囲内の
所望の構造を有するアルキル基を選択し、定法に従って
アルキルフェノール(化2)とする。また、還元末端水
酸基の反応性官能的誘導体としては、例えば対応するア
ルドースのトリクロロアセトイミデート、臭素化物(ブ
ロム糖)、フッ素化物(フッ素糖)、チオグリコシド、
O−アシレートなどを挙げることができる。この中でフ
ッ素化物やトリクロロアセトイミデートは高収率で反応
するので好ましい。
【0012】一方、この長鎖アルキルフェノール混合物
と反応させる保護されたアルドースの反応性官能的誘導
体は、例えば次のようにして製造することができる。す
なわち、アルドースの還元末端水酸基の臭素化物又はフ
ッ素化物のようなハロゲン化物、いわゆるブロム糖又は
フッ素糖は、アルドースをピリジン中でアセチル化した
のち、酢酸中で臭化水素又はフッ化水素を作用させるこ
とによって得られる。
【0013】また、対応するトリクロロアセトイミデー
トは、前記と同様にしてアルドースをアセチル化したの
ち、ジメチルホルムアミド中でヒドラジン酢酸塩を作用
させて還元末端のみ選択的に脱アセチル化した糖鎖成分
を形成させ、ついで塩基触媒の存在下、トリクロロアセ
トニトリルを反応させることによって得られる。この時
の反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルムなど
のハロゲン化合物が、また塩基触媒としては、水素化ナ
トリウム、炭酸セシウムなどが好ましい。
【0014】アルドースのハロゲン化物を得る反応にお
いては、α体が選択的に得られ、トリクロロアセトイミ
デートを得る反応においては、室温で2時間以上反応さ
せると、選択的にα体が得られる。このことは、これら
の化合物のH−NMRスペクトル(重クロロホルム
中、25℃)が、δ値で6.4〜6.6ppmに二重線
のシグナル(スピン−スピンカップリング定数=3.4
〜4.0Hz)を示すことから確認できる。
【0015】次に、化2で表わされる長鎖アルキルフェ
ノール混合物と、保護されたアルドースの反応性官能的
誘導体とから、O−グリコシド結合を形成させる反応
は、以下のようにして行うことができる。例えば、保護
されたアルドースの反応性官能的誘導体が臭素化物であ
る場合には、トリフルオロメタンスルホン酸スズを触媒
として、塩基性物質の存在下で反応させる。この際の反
応溶媒としては、クロロホルム、トルエンなどが用いら
れるが、溶解性の点からクロロホルム/トルエン混合溶
媒系が好ましい。また塩基性物質としては、2,4,6
−トリメチルピリジンや1,1,3,3−テトラメチル
尿素が用いられる。この際の反応温度としては室温から
40℃、10〜20時間が適当である。この反応は、モ
レキュラーシーブ4Aを共存させると、さらに良い収率
を与える。
【0016】次に、保護されたアルドースの反応性官能
的誘導体がトリクロロアセトイミデートである場合は、
ルイス酸触媒の存在下で行われる。この際の反応溶媒と
しては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロ
ロエタンなどのハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ニト
ロメタンなどが用いられ、特に塩化メチレンが好まし
い。この反応のルイス酸触媒としては、トリフルオロメ
タンスルホン酸トリメチルシリルや三フッ化ホウ素・エ
ーテル錯体が用いられる。ルイス酸触媒の使用量として
は、トリクロロアセトイミデートに対し、2〜3等量が
好適である。この際の反応温度としては、−5〜0℃が
適当である。反応時間は、ルイス酸触媒の種類、反応温
度によって左右されるが、通常は2〜3時間である。こ
の反応は、モレキュラーシーブの存在下、かき混ぜなが
ら行うのがよい。アルドースとしてグルコースを用い、
三フッ化ホウ素・エーテル錯体を用いると、グルコース
を前もってトリクロロアセトイミデートに変換せずに、
還元末端水酸基を含むすべての水酸基をアセチル化した
アルドースに直接反応させてもよく収率よくO−グリコ
シドを得ることができる。特にグルコースを用いる際
は、この方法によると高収率で反応するので好都合であ
る。臭素化物又はトリクロロアセトイミデートを用いた
場合は、β体のO−グリコシドが選択的に得られる。こ
のことは、これらの化合物のH−NMRスペクトル
(重ジメチルスルホキシド中、25℃)が、δ値で4.
4〜4.9ppmに二重線のシグナル(スピン−スピン
カップリング定数7.8〜8.0Hz)を示すことから
確認できる。
【0017】このようにして得られた、保護されたアル
ドース残基を含むO−グリコシド型糖脂質は、最後に保
護基を脱離させることが必要である。この保護基、例え
ばアセチル基の脱離反応は、保護された糖鎖をもつO−
グリコシドをナノリウムメトキシド又はカリウムメトキ
シドのようなアルカリ金属アルコラートで処理したの
ち、強酸性カチオン交換樹脂で中和することにより行う
ことができる。また、トリメチルアミンのようなトリア
ルキルアミンの水溶液を数倍容量の反応溶媒と混合し、
前記の保護された糖鎖をもつO−グリコシドと反応させ
ることによって、より簡単に行うことができる。この際
のトリアルキルアミン水溶液の濃度は30〜50重量%
が好ましい。この際の反応溶媒としては、メチルアルコ
ール、エチルアルコールなどのアルコール系溶媒やジエ
チルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶
媒とアルコール系溶媒との混合溶媒が適当である。この
際、反応溶液のpHを8.0〜8.5に保持すること
が、エステル加水分解などの副反応を避ける点で望まし
い。反応時間は反応条件により左右されるが、通常は1
2〜24時間が適当である。反応が完了したのち、溶媒
を留去すれば、前記化1で表わされる長鎖アルキルフェ
ノール残基をアグリコンとするO−グリコシド型糖脂質
が白色粉末として得られる。このようにして得られた粗
生成物はシリカゲルカラムによる分離精製操作によって
高純度のものとすることができる。
【0018】このようにして得られるO−グリコシド型
糖脂質混合物は、実測の元素分析値が誤差範囲内で計算
値と一致する。さらにアセチル基で糖鎖が保護された化
合物は、H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、
25℃)において、δ値が2.03〜2.08ppmに
アセチル基のメチル基の水素に帰属できる特徴的なシグ
ナルから容易に同定できる。一方、アセチル基を除去し
た化合物は、H−NMR(重ジメチルスルホキシド
中、25℃)においては、δ値が0.88ppm(長鎖
アルキル基のメチル基の水素)、1.26ppm(長鎖
アルキル基のメチレン基の水素)、1.58ppm(長
鎖アルキル基のうち、芳香族部分から数えて第2番目の
メチレン基の水素)、2.56ppm(芳香族に直接連
結したメチレン基の水素)、3.13−3.69ppm
(糖鎖のC2、C3、C4、C5、C6の炭素に連結し
た水素)、4.82ppm(糖鎖のC1炭素に連結した
アノマー水素)、5.34−5.42ppm(ビニル基
に連結した水素)、6.79、6.80−6.89pp
m、7.19−7.20ppm(芳香族環に連結した水
素)などから生成物を同定確認することができる。
【0019】本発明において繊維状ナノ自己集合体の製
法に制限はないが、上記O−グリコシド型糖脂質を水に
分散後、マントルヒーターを用いて加熱、約20分沸騰
し、室温まで自然冷却、繊維状ナノ自己集合体が出来る
まで室温に放置することにより得ることができる(特願
2000−271192、特願2001−363762
等)。
【0020】本発明の繊維状ナノ自己集合体の製造方法
について更に詳細に述べる。適宜選択した複数又は一種
のO−グリコシド型糖脂質化合物を、所望の重量比で混
合し、有機溶媒に溶解させる。メタノール、エタノール
などのアルコール系溶媒が溶解性の点で好適である。溶
解後、溶媒を蒸発乾固して完全に混合した多成分固体を
得る。これに水を加え加熱沸騰させることにより、飽和
分散液を調製する。この際、水の量が少なすぎると不溶
部分が残るし、また水の量が多すぎると飽和濃度に達し
なくなるので、加える水の量はO−グリコシドの20〜
1000重量倍の範囲内で選ばれる。この際の加熱温度
はできるだけO−グリコシドの溶解量を多くするために
沸騰温度で約1時間ほど還流をするのが好ましいが、所
望ならばそれよりも低い温度で超音波照射をしながら分
散液を調製することも可能である。
【0021】次に、このようにして調製したO−グリコ
シドの飽和水溶液を徐冷して、室温下静置して各種の繊
維状ナノ自己集合体を生成させる。この際の冷却速度が
大きいと長繊維を生じにくく、短繊維の集合体になるの
で、冷却速度としては度は0.5℃/分以下、特に0.
2℃/分以下の範囲で選ぶのが好ましい。水溶液を調製
する際の溶媒としては、通常、水が単独で用いられる。
このようにして、徐冷1〜2日経過後、水溶液中から繊
維状物質が析出してくる。このようにして得た繊維状自
己集合ナノ構造体を捕集し、風乾又は真空乾燥すること
により、空気中で安定な、厚さが数十nm、幅が数十〜
数百nm、長さが数十μm〜数百μmのサイズを有する
らせん状自己集合ナノ構造体が得られる。得られた繊維
状構造体の存在は、通常の光学顕微鏡を用いて容易に観
察することができる。しかしながら、ねじれ状、コイル
状、チューブ状などの詳細ならせん状自己集合形態は電
子顕微鏡を用いることにより、より明確に確認すること
ができる。
【0022】
【発明の効果】本発明方法により得られる繊維状ナノ自
己集合体は、例えば、ファインケミカル工業分野、医
薬、化粧品分野などにおいて薬剤や有用生体分子の包接
・分離用材料、ドラッグデリバリ材料として、あるいは
ナノチューブに導電性物質や金属をコーティングするこ
とによりマイクロ電子部品として電子・情報分野におい
て利用可能である。さらには、各種ガス吸蔵材料や触媒
担持材料としてエネルギー産業分野に、微小なチューブ
構造を利用した人工血管、ナノチューブキャピラリ、ナ
ノリアクターとして医療、分析、化学品製造分野などで
有用であり、工業的利用価値が高い。
【0023】
【実施例】以下、実施例にて本発明を例証するが、本発
明を限定することを意図するものではない。なお、薄層
クロマトグラフィーのRf値としては、ヘキサン/酢酸
エチル(容積比6/4)混合溶媒を展開溶媒としたとき
の値をRfとした。製造例1 カシューナッツオイルを約400Paで2回真空蒸留
し、220℃から235℃の沸点をもつ成分を集めてカ
ルダノールを得た。そのカルダノール1.52g(5ミ
リモル)を無水塩化メチレン(10ml)に溶解させ、
2gのモレキュラーシーブ4Aの存在下、β-D-グルコ
ースペンタアセテート3.9g(5ミリモル)と三フッ
化ホウ素ジエチルエーテル0.62ml(5ミリモル)
を加えた。反応混合物は室温で24時間かきまぜたの
ち、5%−炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ込んだ。
有機相を分別し、炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて水
で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。
有機溶媒を減圧下で完全に留去し、得られた粗生成物を
エタノールから再結晶させた。得られた生成固体をヘキ
サン/酢酸エチル(容積比7/3)混合溶媒を溶出液と
してカラムクロマトグラフィーを行い、白色固体の1−
(O−β−D−グルコピラノシドテトラアセテート)カ
ルダノール2.36g(収率75%)を得た。このもの
の物理的性質は次のとおりである。 薄層クロマトグラフィーのRf値: Rf1=0.47 融点:60℃
【0024】次に、45重量%のトリメチルアミン水溶
液を4倍容量のメタノールと混合させ、得られた1−
(O−β−D−グルコピラノシドテトラアセテート)カ
ルダノール(1.26g、2ミリモル)と24時間反応
させた。溶媒を減圧下、留去したのち、得られたシロッ
プ状残査をメタノール/アセトニトリル(容積比1/
2)混合溶媒から結晶化させ、さらに同一溶媒から再結
晶することにより、目的とする脱アセチル化した1−
(O−β−D−グルコピラノシド)カルダノールをほぼ
定量的に白色固体0.88g(収率95%)として得
た。このものの物理的性質は次のとおりである。 融点:135.2℃
【0025】製造例2 次に、このようにして合成したO−グリコシド型糖脂質
混合物を4種の構成成分に単離した。なお、原料として
用いたカシューナッツ殻油から抽出して得られるカルダ
ノールには一般には、ペンタデシル基(飽和)、8−ペ
ンタデセニル基(モノエン)、8,11−ペンタデカジ
エニル基(ジエン)、8,11,14−ペンタデカトリ
エニル基(トリエン)を3位の位置に含む長鎖アルキル
フェノールがそれぞれ、約5%、約50%、約16%、
約29%(文献値)含まれていることが知られている。
精製分離には適当な充填剤を詰めたカラムに混合物を含
むサンプル溶液を滴下し、適当な溶離液を流すことによ
り目的成分を分離できるカラムクロマトグラフィーを用
いた。分離性能、分離時間の効率化のためには、逆相系
シリカゲル充填剤を詰めた中圧クロマトグラフィー装置
を用いて、溶離液としてはメタノールと10%酢酸の混
合溶媒系(88:12,容積比)を使用することが好適
条件を与える。
【0026】製造例2で得られた脱アセチル化した1−
(O−β−D−グルコピラノシド)カルダノール(30
0mg)を逆相シリカゲル(粒子径:50ミクロン)を
詰めた中圧カラム(100cm長さ×2.6cm内径)
を用いてカラムクロマトグラフィーを行った。溶離液と
しては、メタノール−10%酢酸混合溶媒系を用い、そ
の容積比を90:10から徐々に88:12に変化させ
て、流速8ml/分、化合物の検出は254nmの吸光
度を用いた。その結果、飽和型成分が約7mg、モノエ
ン型成分が約70mg、ジエン型成分が10mg、トリ
エン型成分が約30mg分取できた。このようにして得
られるO−グリコシド型糖脂質の純粋成分は、実測の元
素分析値が誤差範囲内で計算値と一致した。
【0027】飽和型成分の物理的性質は次のとおりであ
る。 融点:143.6℃ さらに、飽和型成分は、H−NMR(重メタノール
中、25℃)においては、δ値が0.88ppm(長鎖
アルキル基のメチル基の水素)、1.26ppm(長鎖
アルキル基のメチレン基の水素)、1.58ppm(長
鎖アルキル基のうち、芳香族部分から数えて第2番目の
メチレン基の水素)、2.56ppm(芳香族に直接連
結したメチレン基の水素)、3.13−3.69ppm
(糖鎖のC2、C3、C4、C5、C6の炭素に連結し
た水素)、4.82ppm(糖鎖のC1炭素に連結した
アノマー水素)、6.79、6.80−6.89pp
m、7.19−7.20ppm(芳香族環に連結した水
素)などから生成物を同定確認した。得られた飽和成分
H−NMRスペクトルを図1に示す。
【0028】モノエン型成分の物理的性質は次のとおり
である。 融点:132℃ 更に、モノエン型成分は、H−NMR(重メタノール
中、25℃)においては、δ値が0.88ppm(長鎖
アルキル基のメチル基の水素)、1.25ppm(長鎖
アルキル基のメチレン基の水素)、1.58ppm(長
鎖アルキル基のうち、芳香族部分から数えて第2番目の
メチレン基の水素)、2.00ppm(ビニル基に連結
したメチレン基の水素)2.56ppm(芳香族に直接
連結したメチレン基の水素)、3.13−3.69pp
m(糖鎖のC2、C3、C4、C5、C6の炭素に連結
した水素)、4.82ppm(糖鎖のC1炭素に連結し
たアノマー水素)、5.3ppm(ビニル基の水素)、
6.79、6.80−6.89ppm、7.19−7.
20ppm(芳香族環に連結した水素)などから生成物
を同定確認した。得られたモノエン型成分のH−NM
Rスペクトルを図2に示す。
【0029】ジエン型成分の物理的性質は次のとおりで
ある。 融点:115℃ 更に、ジエン型成分は、H−NMR(重メタノール
中、25℃)においては、δ値が0.88ppm(長鎖
アルキル基のメチル基の水素)、1.25ppm(長鎖
アルキル基のメチレン基の水素)、1.58ppm(長
鎖アルキル基のうち、芳香族部分から数えて第2番目の
メチレン基の水素)、2.00ppm(ビニル基に連結
したメチレン基の水素)、2.56ppm(芳香族に直
接連結したメチレン基の水素)、2.78ppm(2つ
のビニル基に挟まれたメチレン基の水素)、3.13−
3.69ppm(糖鎖のC2、C3、C4、C5、C6
の炭素に連結した水素)、4.82ppm(糖鎖のC1
炭素に連結したアノマー水素)、5.3ppm(ビニル
基の水素)、6.79、6.80−6.89ppm、
7.19−7.20ppm(芳香族環に連結した水素)
などから生成物を同定確認した。得られたジエン型成分
H−NMRスペクトルを図3に示す。
【0030】トリエン型成分の物理的性質は次のとおり
である。 融点:96℃ 元素分析値(C2740) C H 計算値(%) 70.43 8.69 実測値(%) 69.98 8.72 更に、トリエン型成分は、H−NMR(重メタノール
中、25℃)においては、δ値が1.25ppm(長鎖
アルキル基のメチレン基の水素)、1.58ppm(長
鎖アルキル基のうち、芳香族部分から数えて第2番目の
メチレン基の水素)、2.00ppm(ビニル基に連結
したメチレン基の水素)、2.56ppm(芳香族に直
接連結したメチレン基の水素)、2.78ppm(2つ
のビニル基に挟まれたメチレン基の水素)、3.13−
3.69ppm(糖鎖のC2、C3、C4、C5、C6
の炭素に連結した水素)、4.82ppm(糖鎖のC1
炭素に連結したアノマー水素)、4.95−5.85p
pm(ビニル基の水素)、6.79、6.80−6.8
9ppm、7.19−7.20ppm(芳香族環に連結
した水素)などから生成物を同定確認した。得られたト
リエン型成分のH−NMRスペクトルを図4に示す。
【0031】実施例1 製造例2において得られた飽和型成分を3mgをフラス
コに秤取し、これに水50mlを加え、マントルヒータ
を用いて加熱し、沸騰させた溶解させた。マントルヒー
タの加熱温度をゆっくりと調節し、0.2℃/分の冷却
速度で室温まで降温させたのち、1日、室温で静置させ
た。得られた繊維状材料を含む水溶液を採取し、透過型
電子顕微鏡観察用いて評価すると、厚さが数十nm、ピ
ッチが数百nm、長さが数百ミクロンのねじれ状リボン
自己集合体を確認することができた。透過型電子顕微鏡
写真を図5aに示す。
【0032】実施例2 製造例2において得られた飽和型成分とモノエン型成分
を重量比で9:1,合計で3mgになるように秤量し、
メタノールで溶解させた。メタノールを蒸発乾固したあ
と、固体残差に水50mlを加え、マントルヒータを用
いて加熱し、沸騰させた溶解させた。マントルヒータの
加熱温度をゆっくりと調節し、0.2℃/分の冷却速度
で室温まで降温させたのち、1日、室温で静置させた。
得られた繊維状材料を含む水溶液を採取し、透過型電子
顕微鏡観察用いて評価すると、実施例1で得られた自己
集合ナノ構造と同様の、厚さが数十nm、ピッチが数百
nm、長さが数百ミクロンのねじれ状リボン自己集合体
を確認することができた。透過型電子顕微鏡写真を図5
bに示す。
【0033】実施例3 実施例2において、飽和型成分とモノエン型成分の重量
比が9:1を用いる代わりに、8:2を用いる以外は、
実施例2と全く同様な方法で自己集合を行うことによ
り、自己集合ナノ構造を得た。得られた繊維状材料を含
む水溶液を採取し、透過型電子顕微鏡観察用いて評価す
ると、実施例1で得られた自己集合ナノ構造と同様の、
厚さが数十nm、ピッチが数百nm、長さが数百ミクロ
ンのねじれ状リボン自己集合体を確認することができ
た。透過型電子顕微鏡写真を図5cに示す。
【0034】実施例4 実施例2において、飽和型成分とモノエン型成分の重量
比が9:1を用いる代わりに、5:5を用いる以外は、
実施例2と全く同様な方法で自己集合を行うことによ
り、自己集合ナノ構造を得た。得られた繊維状材料を含
む水溶液を採取し、透過型電子顕微鏡観察用いて評価す
ると、、厚さが数十nm、ピッチが約500nm、長さ
が数百ミクロンのゆるくコイル状になったリボン自己集
合体を確認することができた。透過型電子顕微鏡写真を
図5dに示す。
【0035】実施例5 実施例2において、飽和型成分とモノエン型成分の重量
比が9:1を用いる代わりに、2:8を用いる以外は、
実施例2と全く同様な方法で自己集合を行うことによ
り、自己集合ナノ構造を得た。得られた繊維状材料を含
む水溶液を採取し、透過型電子顕微鏡観察用いて評価す
ると、、厚さが数十nm、ピッチが約500nm、長さ
が数百ミクロンの比較的きつくコイル状になったリボン
自己集合体を確認することができた。透過型電子顕微鏡
写真を図5eに示す。
【0036】実施例6 実施例2において、飽和型成分とモノエン型成分の重量
比が9:1を用いる代わりに、1:9を用いる以外は、
実施例2と全く同様な方法で自己集合を行うことによ
り、自己集合ナノ構造を得た。得られた繊維状材料を含
む水溶液を採取し、透過型電子顕微鏡観察用いて評価す
ると、厚さが数十nm、ピッチが約500nm、長さが
数百ミクロンのらせん状の形跡がわずかに残るチューブ
状形態を確認することができた。透過型電子顕微鏡写真
を図5fに示す。
【0037】実施例7 製造例2において得られたモノエン型成分を3mgをフ
ラスコに秤取し、これに水50mlを加え、マントルヒ
ータを用いて加熱し、沸騰させた溶解させた。マントル
ヒータの加熱温度をゆっくりと調節し、0.2℃/分の
冷却速度で室温まで降温させたのち、1日、室温で静置
させた。得られた繊維状材料を含む水溶液を採取し、透
過型電子顕微鏡観察用いて評価すると、厚さが数十n
m、長さが数百ミクロンの完全チューブ状自己集合体を
確認することができた。透過型電子顕微鏡写真を図5g
に示す。
【0038】参考例1 実施例2において用いたO−グリコシド型糖脂質の代わ
りに、製造例1で得たO−グリコシド型糖脂質(炭化水
素基部分が天然カルダノールである。)を用いて、実施
例2と同様な方法で自己集合を行うことにより、自己集
合ナノ構造を得た。得られた繊維状材料を含む水溶液を
採取し、透過型電子顕微鏡観察用いて評価すると、厚さ
が数十nm、長さが数百ミクロンの完全チューブ状自己
集合体を確認することができた。透過型電子顕微鏡写真
を図5hに示す。
【0039】天然産のカルダノール(4種の混合物)を
原料にして製造した合成脂質は、自己集合してナノチュ
ーブを与えるが、その4成分のうちを室温で固相状態に
ある飽和型成分とモノエン型成分のそれぞれ単一成分の
自己集合形態を調べた結果、前者からはねじれ状リボン
(実施例1)、後者からはきつくコイルしたリボンある
いはナノチューブ形態(実施例7)が得られることがわ
かった。これら2種類を混ぜ合わせると、ねじれからコ
イルにわたるチューブ状形態を制御できることが見出さ
れた(実施例2〜6)。このようなチューブ状形態の変
化を図6に示す(図中、カッコ内の記号は図5の記号に
相当する。)。
【0040】このような検討の結果、ジエン型成分とト
リエン型成分はどうも混合物からのナノチューブ形成に
は寄与していないらしいと考えられる。示差走査熱量分
析の結果(ここには示さない。)、ジエン型及びトリエ
ン型成分は水中で、室温で液晶状態として存在するた
め、固相であるナノチューブには関与していないという
実験事実がある。しかしながら、わずからながら、ナノ
チューブに含まれている可能性はあるが、それを実験的
に証明するのは困難であった。従って、上記実施例で用
いた材料の範囲内では、飽和型成分とモノエン成分の2
種の混合によりチューブ状形態を制御できるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例2で得たカルダノール系糖脂質の各成分
のうち、飽和型成分のH−NMRスペクトル(600
MHz、重メタノール中)である。
【図2】製造例2で得たカルダノール系糖脂質の各成分
のうち、モノエン型成分のH−NMRスペクトル(6
00MHz、重メタノール中)である。
【図3】製造例2で得たカルダノール系糖脂質の各成分
のうち、ジエン型成分のH−NMRスペクトル(60
0MHz、重メタノール中)である。
【図4】製造例2で得たカルダノール系糖脂質の各成分
のうち、トリエン型成分のH−NMRスペクトル(6
00MHz、重メタノール中)である。
【図5】実施例1〜実施例7及び参考例1で得た各種の
らせん形態をもつ繊維状ナノ自己集合体の写真を示す図
である。b〜fの図中の矢印はねじれ部分を示し、hの
図中の矢印はチューブの断面を示す。
【図6】各種の形態をもつ繊維状ナノ自己集合体の形態
の変化を示す模式図である。1は図5a,b,c(実施
例1〜3)、2は図5d(実施例4)、3及び4は図5
e(実施例5)、5は図5f(実施例6)、6は図5g
(実施例7)及び図5h(参考例1)に相当する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョージ,ジョン 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 Fターム(参考) 4C057 AA18 BB02 CC01 DD01 JJ23

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 【化1】 (式中、Gはグリコシル基を表し、Rは炭素数12〜1
    8の炭化水素基を表す。)で表わされる構造を有するO
    −グリコシド型糖脂質から成る繊維状ナノ自己集合体で
    あって、該O−グリコシド型糖脂質が、該構造の異なる
    少なくとも2種のO−グリコシド型糖脂質から成り、該
    O−グリコシド型糖脂質の主たる2種の割合が該O−グ
    リコシド型糖脂質の80重量%以上である、O−グリコ
    シド型糖脂質の混合物、又は該構造が1種であるO−グ
    リコシド型糖脂質であることを特徴とする繊維状ナノ自
    己集合体。
  2. 【請求項2】 前記一般式(化1)において、炭化水素
    基(R)が−O−G基に対してメタ位にある請求項1に
    記載の繊維状ナノ自己集合体。
  3. 【請求項3】 前記O−グリコシド型糖脂質が2種のO
    −グリコシド型糖脂質の混合物である請求項1又は2に
    記載の繊維状ナノ自己集合体。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも2種のO−グリコシド型
    糖脂質が、前記炭化水素基を異にする請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載の繊維状ナノ自己集合体。
  5. 【請求項5】 前記炭化水素基の飽和度が異なる請求項
    4に記載の繊維状ナノ自己集合体。
  6. 【請求項6】 前記炭化水素の飽和度が飽和又はモノエ
    ンである請求項5に記載の繊維状ナノ自己集合体。
  7. 【請求項7】 下記一般式 【化1】 (式中、Gはグリコシル基を表し、Rは炭素数12〜1
    8の炭化水素基を表す。)で表わされる構造を有するO
    −グリコシド型糖脂質から成る繊維状ナノ自己集合体の
    製法であって、水媒体中で、該構造の異なる少なくとも
    2種のO−グリコシド型糖脂質から成り、該O−グリコ
    シド型糖脂質の主たる2種の割合が該O−グリコシド型
    糖脂質の80重量%以上である、O−グリコシド型糖脂
    質の混合物、又は該構造が1種であるO−グリコシド型
    糖脂質を分散させることから成る繊維状ナノ自己集合体
    を製造する方法。
  8. 【請求項8】 前記一般式(化1)において、炭化水素
    基(R)が−O−G基に対してメタ位にある請求項7に
    記載の製法。
  9. 【請求項9】 前記O−グリコシド型糖脂質が2種のO
    −グリコシド型糖脂質の混合物である請求項7又は8に
    記載の製法。
  10. 【請求項10】 前記少なくとも2種のO−グリコシド
    型糖脂質が、前記炭化水素基を異にする請求項7〜9の
    いずれか一項に記載の製法。
  11. 【請求項11】 前記炭化水素基の飽和度が異なる請求
    項10に記載の製法。
  12. 【請求項12】 前記炭化水素の飽和度が飽和又はモノ
    エンである請求項11に記載の製法。
JP2002049239A 2002-02-26 2002-02-26 繊維状ナノ自己集合体 Pending JP2003252893A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002049239A JP2003252893A (ja) 2002-02-26 2002-02-26 繊維状ナノ自己集合体
PCT/JP2002/006923 WO2003072858A1 (fr) 2002-02-26 2002-07-08 Auto-assemblages nanometriques fibreux
US10/497,090 US20050014937A1 (en) 2002-02-26 2002-07-08 Fibrous nano self-assemblies
EP02743861A EP1479799A4 (en) 2002-02-26 2002-07-08 FIBROUS NANOMETRIC AUTO-ASSEMBLIES

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002049239A JP2003252893A (ja) 2002-02-26 2002-02-26 繊維状ナノ自己集合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003252893A true JP2003252893A (ja) 2003-09-10

Family

ID=27764265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002049239A Pending JP2003252893A (ja) 2002-02-26 2002-02-26 繊維状ナノ自己集合体

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20050014937A1 (ja)
EP (1) EP1479799A4 (ja)
JP (1) JP2003252893A (ja)
WO (1) WO2003072858A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011152532A1 (ja) 2010-06-03 2011-12-08 出光興産株式会社 安定性が向上したカシューナッツ殻油
WO2012060451A1 (ja) 2010-11-05 2012-05-10 出光興産株式会社 安定性が向上したカシューナッツ殻油
WO2012144519A1 (ja) 2011-04-18 2012-10-26 出光興産株式会社 液体投与型粒剤

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004261885A (ja) * 2003-02-18 2004-09-24 Japan Science & Technology Agency 有機ナノチューブへ機能性物質を導入する方法
US20090211907A1 (en) * 2005-02-25 2009-08-27 Japan Science And Technology Agency Separation Medium for Biochemical Analysis
WO2022047547A1 (en) * 2020-09-04 2022-03-10 Henderson, Julie Ann System and method for enabling real-time selection and acceptance of a service offering

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5965258A (en) * 1994-03-16 1999-10-12 Alliance Pharmaceutical Corp. Elongated microstructures from perfluoroalkylated amphiphiles
JP2796613B2 (ja) * 1996-08-29 1998-09-10 工業技術院長 ベシクルをカプセル化したチューブ状繊維構造体の製造方法
JP2905875B1 (ja) * 1998-03-13 1999-06-14 工業技術院長 重合性双頭型糖脂質、その微細繊維状凝集体及びそれらの製造方法
JP3533440B2 (ja) * 2000-03-14 2004-05-31 独立行政法人産業技術総合研究所 O‐グリコシド分子集合体の製造方法
JP3598367B2 (ja) * 2000-09-07 2004-12-08 独立行政法人産業技術総合研究所 中空繊維状有機ナノチューブ及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011152532A1 (ja) 2010-06-03 2011-12-08 出光興産株式会社 安定性が向上したカシューナッツ殻油
KR20130083390A (ko) 2010-06-03 2013-07-22 이데미쓰 고산 가부시키가이샤 안정성이 향상된 캐슈너트 껍질유
WO2012060451A1 (ja) 2010-11-05 2012-05-10 出光興産株式会社 安定性が向上したカシューナッツ殻油
WO2012144519A1 (ja) 2011-04-18 2012-10-26 出光興産株式会社 液体投与型粒剤

Also Published As

Publication number Publication date
US20050014937A1 (en) 2005-01-20
EP1479799A1 (en) 2004-11-24
EP1479799A4 (en) 2007-12-12
WO2003072858A1 (fr) 2003-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3598367B2 (ja) 中空繊維状有機ナノチューブ及びその製造方法
JPH0899989A (ja) 新規糖脂質誘導体およびその製造用中間体
Jung et al. Self‐Assembling Structures of Long‐Chain Sugar‐Based Amphiphiles Influenced by the Introduction of Double Bonds
JP2003252893A (ja) 繊維状ナノ自己集合体
Cui et al. Solvent-tuned multiple self-assembly of a new sugar-appended gelator
JP3664401B2 (ja) N−グリコシド型糖脂質及びこれから成る中空繊維状有機ナノチューブ
JP3882067B2 (ja) イソプレノイド鎖型ポリグリコシド及びその小胞体
JP3533440B2 (ja) O‐グリコシド分子集合体の製造方法
WO2002090370A1 (fr) Nouveau lipide bicipital de maniere asymetrique et agregat tubulaire forme a l'aide dudit lipide
Luboradzki et al. Glucofuranose derivatives as a library for designing and investigating low molecular mass organogelators
US7196178B2 (en) Sugar-derived gellant for hydrogel formation
JP2692738B2 (ja) ねじれ構造をもつ極細繊維状構造体の製造方法
JP4048289B2 (ja) 微細自己集合体
Abeyrathne et al. Liquid crystal behaviour of three novel glycosides
JP2001261693A (ja) 新規なo‐グリコシド型糖脂質及びその製造方法
Nazir et al. Synthesis and characterization of mesogenic alkyl O-glycosides and their drug release studies
CN109705848B (zh) 一维有机半导体纳米线圈及其制备方法和应用
JP3573205B2 (ja) ナノチューブの製法
JPH03279394A (ja) 糖脂質およびその製造法
JPH08843B2 (ja) 環状ヘテロオリゴ糖及びその合成法
JPS5933301A (ja) グルカン構成単位化合物及びその製造法
JP2006143723A (ja) 微細自己集合体
CN101909439A (zh) 蒽环化合物的4′-羟基的芳烷基化方法
JPH03137103A (ja) シクロデキストリン誘導体およびその製造方法
JPH049395A (ja) トコフェロール配糖体の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20031204

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20040914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060601

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060630