JP3573205B2 - ナノチューブの製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、界面活性有機化合物より成るナノチューブを高収率で再現性よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラーレン、カーボンナノチューブなどのナノ構造体の製造、およびそれらの素子、デバイスへの利用などのナノテクノロジーが台頭してきている。このチューブ構造の特異性や、ナノレベルの微小空間を創出できるなどの利点から、基礎研究が進められ、材料科学、情報工学、バイオテクノロジー等の広範囲な分野への応用が期待されている。界面活性有機化合物、例えば、ジアセチレン系リン脂質誘導体(M.Spector, A. Singh, P. Messersmith, and J. Schnur, Nano Letters, , 375 (2001) )、カルダニルグリコシド(G. John, M. Masuda, Y. Okada, K. Yase, and T. Shimizu, Advanced Materials, 13, 715 (2001) )、ガラクトシルセラミドやその誘導体 (V. Kulkarni, J.Boggs, and R.Brown, Biophysical Journal, 77, 319 (1999) )などは水溶液中でチューブ状ナノ構造体を形成することが知られている。
【0003】
一般に、界面活性有機化合物を、(1)界面活性有機化合物に水を加えて加熱煮沸させる方法、(2)界面活性有機化合物に水を加えて超音波を照射させる方法、(3)界面活性有機化合物を少量のクロロホルムなどの有機溶媒に溶解して、ガラス製フラスコ壁に吸着させ、有機溶媒を蒸発させた後、そこに水を加えて振とうする方法、等により水に溶解させると、この化合物は自己集合を起こしてナノチューブを形成する。。現在、界面活性有機化合物であるカルダニルグリコシドから成るナノチューブの製造には、カルダニルグリコシドを水に分散後、マントルヒーターを用いて加熱、約20分沸騰し、室温まで自然冷却、ナノチューブが出来るまで室温に放置する方法がとられている(特願2000−271192)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のナノチューブの製造方法によれば、安定的に再現性よく製造するための条件が適切に把握されていなかったため、界面活性有機化合物が完全に水溶媒に分散されない、ナノチューブが作成されない場合があること、ナノチューブの形成時間にばらつきがある、ナノチューブの長さ、径、形態が一定でないこと等の問題があった。このため、高収率で再現性よくナノチューブを作成する方法が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく研究を重ねた結果、界面活性有機化合物を水溶液に分散する際の温度や、この分散溶液の保存温度が、ナノチューブの形成時間や形態に影響を与えることがわかった。そこで再現性よくナノチューブを作成するために、製造条件を精密に制御できるオートクレーブを用い、製造工程の温度等の条件の調節を講じることにした。このようなオートクレーブは、加熱速度を設定できること、一定温度で任意の時間保持できること、加圧環境下の操作で水溶媒でも100℃以上に温度があげられること、不飽和結合を持つ有機化合物の酸化劣化を防ぐためNガス雰囲気中での操作が可能であること等の特徴がある。この装置を用いることにより、界面活性有機化合物から成るナノチューブの製造工程において、厳密な温度調節、雰囲気制御および攪拌が可能となり、ナノチューブを高収率で再現性よく製造するための条件を把握することができた。
【0006】
即ち、本発明は、(1)下記一般式
【化1】
Figure 0003573205
(式中、Gはグリコシル基を表し、Rは炭素数12〜18の炭化水素基を表す。)で表わされる界面活性有機化合物の水溶液を調製する工程、(2)この水溶液を所定温度(分散温度)まで加熱する工程、(3)この水溶液を所定の冷却速度で所定温度(保存温度)まで冷却する工程、及び(4)この水溶液をこの保存温度で所定時間(保存時間)保存する工程から成る、内孔径が10〜35nm、かつ外径が35〜80nmである中空繊維状ナノチューブの製法において、該分散温度が40〜180℃であり、該冷却速度が5.0℃/分以下であり、該保存温度が該水溶液の凍結温度〜30℃であり、該保存時間が1日以上であることを特徴とするナノチューブの製法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる界面活性有機化合物は、下記一般式
【化1】
Figure 0003573205
で表わされるO−グリコシド型糖脂質である。
前記一般式中のGはグリコシル基を表し、例えば、グルコピラノース、ガラクトピラノース、マンノピラノース、アロピラノース、アルトロピラノース、グロピラノース、イドピラノース、タロピラノースのようなアルドピラノース及び対応するアルドフラノースの還元末端の水酸基から水素原子を除いた残基を挙げることができる。
【0008】
また前記一般式中のRは炭素数が12〜18の炭化水素基であり、好ましくは飽和及び/又は不飽和の脂肪族炭化水素から成る脂肪族炭化水素、より好ましくは不飽和脂肪族炭化水素を50モル%以上含む脂肪族炭化水素である。この炭化水素は好ましくは直鎖である。またこの炭化水素の炭素数は、好ましくは14〜16、より好ましくは15である。このような炭化水素基としては、例えば、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基や、これらに不飽和結合としてモノエン、ジエン、トリエンなどを含むものが挙げられるが、原料の入手が容易であるという点で、8−ペンタデセニル基、8,10−ペンタデカジエニル基、8,10、12−ペンタデカトリエニル基が好ましい。
【0009】
本発明のナノチューブの製法は、(1)界面活性有機化合物の水溶液を調製する工程、(2)この水溶液を所定温度(分散温度)まで加熱する工程、(3)この水溶液を所定の冷却速度で所定温度(保存温度)まで冷却する工程、及び(4)この水溶液をこの保存温度で所定時間(保存時間)保存する工程から成る。
以下、各工程を詳細に説明する。
【0010】
(1)界面活性有機化合物の水溶液を調製する工程
まず、水溶媒と界面活性有機化合物とを混合する。混合順序に制限は無く、予め用意した水溶媒に界面活性有機化合物を加えてもよいし、界面活性有機化合物に水溶媒を徐々に加えてもよい。
この水溶媒としては、蒸留水、精製水、超純水等の水、その他各種塩溶液、リン酸などから成るpH緩衝溶液等を用いることができる。
この工程は通常常温(25℃)で行われるが、次段階(2)ではこの混合水溶液を分散温度まで昇温させるが、この分散温度において、この水溶液が界面活性有機化合物の飽和溶液近くになっていることが好ましい。従って、水溶媒に加える界面活性有機化合物の量は、通常分散温度におけるその界面活性有機化合物の臨界ミセル濃度以上であり、多くとも分散温度における飽和溶解度になるように設定される。この際、水溶媒の量が少なすぎると不溶部分が残るし、また多すぎると飽和濃度に達しなくなる。例えば、界面活性有機化合物がカルダニルグリコシドの場合、水溶液中の界面活性有機化合物の濃度は、0.001w/v%〜0.02w/v%、好ましくは0.002w/v%〜0.01w/v%である。
【0011】
(2)水溶液を所定温度(分散温度)まで加熱する工程
この分散温度は、形成するナノチューブの直径に影響を及ぼすため、ナノチューブ作製において重要な因子であり、管理することを要する。分散温度は界面活性有機化合物の水溶媒への溶解量を多くするために高いほうが好ましい。従って、この分散温度は40〜180℃、好ましくは100〜180℃、より好ましくは100〜130℃の範囲内で管理する必要がある。分散温度が40℃より低いと原料の界面活性有機化合物が水溶媒中に均一に分散せず、一方180℃より高いと原料の界面活性有機化合物が分解する可能性がある。また分散温度が110〜115℃では光学顕微鏡で確認できる太さの外径を有するナノチューブを作製することが可能であり、分散温度が115〜130℃では110〜115℃におけるよりも細いナノチューブが形成される。
なお、この水溶媒と界面活性有機化合物との混合系は、開放系(大気圧)、密閉系又は一定圧の加圧系のいずれで取り扱ってもよい。分散温度が100℃以下の場合にはこれらのいずれでもよいが、分散温度が100℃以上の場合にはこれらのうち加圧できる密閉系や加圧系を用いてもよいし、更に沸点上昇剤などを加えて行ってもよい。
【0012】
分散温度までの昇温速度は、ナノチューブ作製においては任意の因子であり、管理することは必須ではないが、通常5℃/分以下が好ましい。5℃/分より早いと、分散温度に達するまでの時間が短いため、界面活性有機化合物の水溶媒への分散が不十分になりがちになり、ナノチューブの収率が低くなる場合もある。なおこの工程においては、界面活性有機化合物の溶液への分散をより完全にするため、超音波処理などの攪拌手段により攪拌することが好ましい。
分散温度における保持時間(分散時間)は、ナノチューブ作製においては任意の因子であり、管理することは必須ではないが、好ましくは5分以上、より好ましくは20分以上である。5分より短いと界面活性有機化合物の水溶媒への分散が不十分になりがちになり、ナノチューブの収率が低くなる場合もある。
【0013】
(3)この水溶液を所定の冷却速度で冷却する工程
この冷却速度は、ナノチューブ作製において重要な因子であり、管理することを要する。従って、冷却速度は5.0℃/分以下、好ましくは0.5℃/分以下、より好ましくは0.2℃/分以下である。冷却速度が5.0℃/分より早いと、形成するナノチューブの太さも長さも一定せず、また形状が短い円柱状になったり針状になり、好ましくない。
【0014】
(4)この水溶液をこの保存温度で所定時間(保存時間)保存する工程
冷却後の保存温度は、ナノチューブの長さに影響を及ぼすため、ナノチューブ作製において重要な因子であり、管理することを要する。保存温度は水溶液の凍結温度〜30℃、好ましくは15〜30℃である。保存温度が水溶液の凍結温度(通常は0℃)よりも低いと、保存後直ぐに沈殿物が生じ、ナノチューブが形成しない。一方30℃より高いと、球状(ベーシクル状態)であるか又は一部ナノチューブが形成されても徐々に崩壊しベーシクル状態になる。
【0015】
保存温度で保存する時間(保存時間)もまた、ナノチューブ作製において重要な因子であり、管理することを要する。保存時間は1日以上、好ましくは2週間以上である。保存時間は、分散温度、冷却速度、及び保存温度に依存するので、単独で範囲を規定することは困難である。後述の実施例の場合には、保存時間は最短で1日(実施例3:分散温度115℃、冷却速度5℃/分、保存温度10℃)であり、最長で10日(実施例2:分散温度130℃、冷却速度1.6℃/分、保存温度25℃)であった。分散温度が高いほど、冷却速度が遅いほど、また保存温度が高いほどナノチューブが確認されるまでの時間が長い。保存時間が短すぎるとリボン状シートがコイル状にねじれて長軸方向に巻き上がった形状をしており、ナノチューブが形成しない。また、ナノチューブの形成が確認されてから時間がたつにつれ形成されるナノチューブの量は増える。より多くのナノチューブを形成させるためには2週間以上保存することが好ましい。
【0016】
なお、分散温度を高くするために系を加圧してナノチューブを作製する場合に、加圧圧力は、ナノチューブ作製においては任意の因子であり、管理することは必須ではないが、0.01MPa以上であることが好ましい。加圧圧力は分散温度、使用するオートクレーブの型、オートクレーブの容量に依存する。例えば、本実施例で用いたオートクレーブで、分散温度を130℃に設定すると加圧圧力が0.15MPaになり、分散温度を115℃に設定すると加圧圧力が0.12MPaとなる。この圧力が低いと、水溶媒の沸騰温度が低くなり、界面活性有機化合物の溶液への分散が不完全になり、ナノチューブの収率が悪化する場合もある。
【0017】
このようにして形成された繊維状物質(ナノチューブ)を捕集し、風乾又は真空乾燥することにより、空気中で安定な、内孔径10〜35nm、外径35〜80nm、長さ数十μm〜数百μmのサイズを有する中空繊維状有機ナノチューブが得られる。得られたチューブ状構造体の形状は、通常の光学顕微鏡を用いて容易に観察することができる。チューブ構造はレーザー顕微鏡、原子間力顕微鏡、電子顕微鏡等を用いることにより、より詳細に確認することができる。
【0018】
【発明の効果】
界面活性有機化合物から成るナノチューブの作成方法において、オートクレーブを用いて、分散温度、冷却速度、保存温度及び保存時間、更に任意に昇温速度、分散時間及び/又は加圧圧力を設定・調節することで、高収率で、形態的に再現性よくナノチューブを作成することができた。本発明に基づいた大量合成法により、ナノチューブの産業的利用が可能となる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を例証するが、本発明を限定することを意図するものではない。
製造例1
カシューナッツオイルを約400Paで2回真空蒸留し、220℃から235℃の沸点をもつ成分を集めてカルダノールを得た。そのカルダノール1.52g(5ミリモル)を無水塩化メチレン(10ml)に溶解させ、2gのモレキュラーシーブ4Aの存在下、β−D−グルコースペンタアセテート3.9g(5ミリモル)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル0.62ml(5ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で24時間かきまぜたのち、5%−炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ込んだ。有機相を分別し、炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。有機溶媒を減圧下で完全に留去し、得られた粗生成物をエタノールから再結晶させた。得られた生成固体をヘキサン/酢酸エチル(容積比7/3)混合溶媒を溶出液としてカラムクロマトグラフイーを行い、白色固体の1−(O−β−D−グルコピラノシドテトラアセテート)カルダノール2.36g(収率75%)を得た。
この生成物の物理的性質は次のとおりである。
薄層クロマトグラフイーのRf値:Rf=0.47
融点:60℃
Figure 0003573205
【0020】
次に、45質量%のトリメチルアミン水溶液を4倍体積のメチルアルコールと混合させ、得られた1−(O−β−D−グルコピラノシドテトラアセテート)カルダノール(1.26g、2ミリモル)と24時間反応させた。溶媒を減圧下、留去したのち、得られたシロップ状残査をメチルアルコール/アセトニトリル(体積比1/2)混合溶媒から結晶化させ、さらに同一溶媒から再結晶することにより、目的とする脱アセチル化した1−(O−β−D−グルコピラノシド)カルダノール(「カルダニルグリコシド」という。)をほぼ定量的に白色固体0.88g(収率95%)として得た。
この生成物の物理的性質は次のとおりである。
融点:132.5℃
Figure 0003573205
【0021】
実施例1
超純水100mlの入った耐圧ガラス製のオートクレーブ(耐圧硝子工業株式会社製、ハイパークラスターTEM−V100、容量200ml)に製造例1で得たカルダニルグリコシド(2.5mg)を加え、Nガスを導入して容器中の酸素ガスと溶存酸素を除去した後、密閉した。攪拌しながら、昇温速度2℃/分で、115℃(分散温度)まで加熱した。この分散温度における系の加圧圧力は0.12MPaであった。この温度に溶液を20分間保持(分散時間)、ヒーターの電源を切り自然に室温まで冷却される条件(冷却速度1.6℃/分)で室温(25℃)に放置した。この温度で3日間保存した後、液中に綿状の浮遊物が肉眼で観察された。光学顕微鏡では、直径1μm以下、長さ数百μmオーダーの繊維状構造体が形成されていることが観察された。さらに透過型電子顕微鏡では、外径約42nm、内径約20nm、視野の範囲を越えた長さ25μm以上のナノチューブが形成されていることが確認された。透過型電子顕微鏡では、ナノチューブが集まって太い束になっている像も観察された。この太い束が光学顕微鏡下では繊維状構造体として観察されたと考えられる。
【0022】
実施例2
分散温度を130℃に設定する以外は実施例1と同様に実施した。この分散温度における系の加圧圧力は0.15MPaであった。実施例1で観察されたような浮遊物等は肉眼で観察されなかった。室温(25℃)で10日間保存した後、透過型電子顕微鏡で観察した結果、外径約40nm、内径約30nm、視野の範囲を越えた長さ25μm以上のナノチューブが形成されていることが確認された。実施例1で調製されたナノチューブより外径が小さく、長いものであった。
【0023】
実施例
実施例1で自然に室温まで冷却される条件で室温下に放置する代わりに、氷水にて急冷の条件(冷却速度5.0℃/分)で冷蔵庫(4℃)に放置する以外は実施例1と同様に実施した。冷蔵庫(4℃)で1日間保存した後、液中に粉状の沈殿物が肉眼で観察された。光学顕微鏡では、直径1μm以下、長さ約20μmの針状構造体が形成されていることが観察された。さらに透過型電子顕微鏡では、外径約40nm、内径約20nmで、様々な長さのナノチューブが形成されていることが確認された。実施例1で調製されたナノチューブと比べて、直径の太い物や細い物が混在し、長さが短いものであった。透過型電子顕微鏡では、ナノチューブが集まって太い束になっている像も観察された。この太い束が光学顕微鏡下では繊維状構造体として観察されたと考えられる。
【0024】
実施例4
昇温速度を0.5℃/分に設定する以外は実施例1と同様に実施した。室温(25℃)で3日間保存した後、液中に綿状の浮遊物が肉眼で観察された。光学顕微鏡での観察の結果、実施例1で調製された繊維状構造体とほぼ同じ直径、長さの繊維状構造体及びナノチューブが形成されていることが確認された。
【0025】
実施例5
分散時間を5時間に設定する以外は実施例1と同様に実施した。室温(25℃)で3日間保存した後、液中に綿状の浮遊物が肉眼で観察された。光学顕微鏡での観察の結果、実施例1で調製された繊維状構造体とほぼ同じ直径、長さの繊維状構造体及びナノチューブが形成されていることが確認された。

Claims (11)

  1. (1)下記一般式
    Figure 0003573205
    (式中、Gはグリコシル基を表し、Rは炭素数12〜18の炭化水素基を表す。)で表わされる界面活性有機化合物の水溶液を調製する工程、(2)この水溶液を所定温度(分散温度)まで加熱する工程、(3)この水溶液を所定の冷却速度で所定温度(保存温度)まで冷却する工程、及び(4)この水溶液をこの保存温度で所定時間(保存時間)保存する工程から成る、内孔径が10〜35nm、かつ外径が35〜80nmである中空繊維状ナノチューブの製法において、該分散温度が40〜180℃であり、該冷却速度が5.0℃/分以下であり、該保存温度が該水溶液の凍結温度〜30℃であり、該保存時間が1日以上であることを特徴とするナノチューブの製法。
  2. 前記分散温度が100〜180℃である請求項1に記載のナノチューブの製法。
  3. 前記分散温度が100〜130℃である請求項1又は2に記載のナノチューブの製法。
  4. 前記冷却速度が0.5℃/分以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノチューブの製法。
  5. 前記冷却速度が0.2℃/分以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノチューブの製法。
  6. 前記保存温度が15〜30℃である請求項1〜5のいずれか一項に記載のナノチューブの製法。
  7. 前記保存時間が2週間以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載のナノチューブの製法。
  8. 前記工程(2)において分散温度まで加温する昇温速度が5℃/分以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載のナノチューブの製法。
  9. 前記工程(2)において分散温度で保持する時間(分散時間)が5分以上である請求項1〜8のいずれか一項に記載のナノチューブの製法。
  10. 前記工程(2)において分散温度で保持する時間(分散時間)が20分以上である請求項1〜8のいずれか一項に記載のナノチューブの製法。
  11. 前記工程(2)において分散温度における加圧圧力が0.01MPa以上である請求項1〜10のいずれか一項に記載のナノチューブの製法。
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